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ニュージーランド北島アローロックスから産出する三畳紀最前期放散虫化石群集の変遷

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Academic year: 2021

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(1)ニュージーランド北島アローロックスから産出する三畳紀最前期放散虫化石群集の変遷            教科・領域教育学専攻              自然系コース(理科).             学籍番号 M08182H               小森 はる秦 1.はじめに  放散虫類は、古生代始めのカンブリア紀に出現. の抽出を試み、その群集の変遷について考察した。. し、現在のほぼすべての遠洋域に生息する浮遊性. 2.試料と研究方法. の原生動物である。近年、古生代から現在までの.  アローロックスのオルアテマヌ層は、下位より. 放散虫類の変遷がほぼ明らかになりつつあるが、. 主に、玄武岩類、層状チャート、珪質泥岩からな. このうち、放散虫群集が最も大きく変化するのは、. り、岩相から9つの∪nitに区分されている。そ. ヘルム紀から三畳紀にかけての古生代伸生代境. の年代は、コノドントおよび放散虫化石よりペル. 界(Pπ境界)で、古生代後半に特有のAlbai11ellaria. ム紀中期から三畳紀中期にわたり、∪nit2bから. やLatent而stula市など、多くの古生代型放散虫が. Uni{4が三畳紀前期のチャートおよび珪質泥岩. Pπ境界付近で絶滅する。その後三畳紀からは、. 層である。本研究試料は、2009年および2010年. 多くのNassellariaやSpumellariaが出現している。. の現地調査で採取したUni−2bからunit4の試. P灯境界では顕生類代で最大の大量絶滅事件が. 料で、アローロックスの南岸のARFセクション. 起こったが、従来三畳紀最前期の放散虫化石の報. の三畳紀最前期のチャート層とARBNセクショ. 告が世界的にもほとんど無かったため、この境界. ンのチャート、珪質泥岩層の計197個である。各. において放散虫群集がどのように変化していっ. セクションにおいて詳細な柱状図を作成し、単層. たのか不明であった。. ごとに試料を採取した。これらの全試料をフッ酸.  ニュージーランド北島北部、アローロックスに. 法で処理し、放散虫殻の抽出を行った。保存良好. は、Pπ境界層を含むヘルム紀中期から三畳紀中. な個体は、走査型電子顕微鏡で撮影し、分類学的. 期の遠洋性および半遠洋性の地層(オルアテマヌ. 検討を行った。なお、ARBNセクションからは、. 層)が連続的に露出している。このオルアテマヌ. 同定可能な放散虫化石は全く得られなかった。. 層において、三畳紀最前期のlnduan期のチャー. 3.ARFセクションからの放散虫化石. ト層より放散虫化石が報告され、Pπ境界直後の.  ARFセクションは、全体として再結晶化が進. Grlesbachlan期の放散虫化石は、その大半が古生. んでおり、全99試料中6試料からのみ保存良好. 代型であることが分かっている(砧kemuraetal.,. な放散虫化石が得られ、35種の放散虫化石を識. 2007;青野,2007MS)。またKamataet訓、(2007). 別できた。これらの層準は、コノドント化石によ. も、アローロックスのDlenenan期のチャート層. り、Grlesbach■an最上部からD1enerlan下部に当. から、中生代型の放散虫化石を報告している。そ. たる。放散虫化石は、ほとんどが古生代後期に特. こで本研究では、三畳紀最前期の放散虫群集の変. 徴的なAlbai11e11a南目、Entactina市目、. 遷を解明するため、オルアテマヌ層の. La−ent而stularia目に属し、戸0〃。uc〃”〃s属、. Grlesbachlan期からDlenerlan期の放散虫化石. Coρ卿η佃属、Coρ卿η伽。脆s属、εη佑。”商属、. .336一.

(2) εη佑㎝mSρ佃e胞層、〃aeη0Sρわae帽属、Heg’e胴. 下部の試料からは、Oruaね〃aη∪a属が産出し、. 属、Ca〃eね〃a属、’s物釧m属、◎㎜aねm訓胴. 逆にCa〃eね〃a属やQ胴d〃帽㎜s属はほとんど. 属のものである。そのうち胎g’e伯mamm〃自、. 産出しない。加えて、その上部からは. 7万aeηosρわae”a m’η〃ωs、 εη‘acnη’a”su々a’c〃一. Latentifis−ulariaと思われる所属不明の種なども.  eηs’s,Coρたヅη‘帽sp.A,Coρたyη佑a sp.B,. 産出し、Latent而stu1a向a の種構成が. Coρたyη伽。’des sp.A,Coρた〃伽。妃8s sp−B,. Gnesbachlanの群集とはかなり異なっている。. Coρ卿η怖腕ssp.Cの8種はペルム紀後期から.  Dienerian下部の最上部の2試料からは、比較. 報告されているものと同一種である。一方で、本. 的保存良好な多数の放散虫化石が産出した。. 試料からは、青野(2007MS)がARHセクショ. 后η佑前η’a属に属するものが多く、ε施前脆. ンで報告したヘルム紀の種、Ca〃eね〃amaη’ca,. ”S〃alC〃eηSlSも多く見られる。しかし一方で、. Q〃ad〃胞mls’η”afa,Q胴dη帽〃lssca’aeは、産. これらの試料にはHozma釧ag spなどの. 出しなかった。一方、最上位の2層準からは、. Nasse11ariaが含まれる。Latent而stulariaでは、. Nasse11arla目に属するHozmadla属と思われる. O〃afema舳a属の他、Ca〃eね〃a?sp.とした新. 種や所属不明の種が産出しており、Dienerian期. 種や、Laten{ifistulariaと思われる所属不明の種も. のKamata eta1.(2007)の群集と類似している。. 産出した。Kamata et al.(2007)は、オルアテマ. 4.放散虫群集の変遷. ヌ層のD1enenan上部のチャート層から、数種の.  今回の研究結果と伯kemuraetall(2007)およ. Nassellariaを含む群集を報告している。この群集. び青野(2007MS)による結果をまとめて、三畳. には、E熔以aた脆η眺やCa〃eね〃a?splも含ま. 紀最前期の放散虫群集の変遷を考察する。オルア. れ、本研究の最上位の群集に類似する。. テマヌ層のGr■esbachlanからDlenerIan下部よ.  このように、アローロックスからの三畳紀最前. り産出した放散虫化石は14属で、舳a〃e〃a属、. 期放散虫化石群集は、Grlesbachlan期の群集、. 戸。〃。〃。〃〃us属、Coρ卿η佑属、Coρた〃伽。脆s. Grlesbachlan最後期からDlenerlan前期の群集、. 属、’…楠前η’a属、ε施C伽。Sρ佃舳属、. そしてDlenerlan前期の最後期からDlenerlan後. 〃aeηosρわae胞層、Odaformeηωm属、. 期の群集という、3つの群集に大別できる。これ. ωe物ねma属、Heg’e佑属、Ca〃eね〃a属、. らは多くはヘルム紀型の放散虫からなるが、. 肋’g舳m属、Quad〃胞m’s属、O^ua佑ma舳a属で. Gr1esbach1an期からDlener■an期にかけては、. ある。. Oruaねmaη胴属を代表とするようないくつかの.  このうち、青野(2007MS)が報告した. 種が進化し、D1ener1an期中ほどからは中生代型. Grlesbach1an期の群集では、ε脆前ηosρ胎e帽. 放散虫の代表であるNassellariaが産出するとい. 属やCoρた〃栢属、Coρた州m”es属などの. う、三畳紀最前期の放散虫群集の変遷が明らかに. Entactinariaの他、Ca〃eね〃a属やQuad脆m’s. なった。. 属などの、古生代にみられるLatent而stula南が.          主任指導教員 西村年晴. よく含まれ、その多くがヘルム紀のものと同種で.          指導教員   竹村厚司. ある。.  その上位のGrlesbachlan最上部からDlenenan. 一337皿.

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