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科学研究への若手研究者の参加と貢献 :
Hitotsubashi-NISTEP-Georgia Tech 科学者サーベイか
ら
Author(s)
伊神, 正貫; 長岡, 貞男; Walsh, John P.
Citation
年次学術大会講演要旨集, 29: 448-451
Issue Date
2014-10-18
Type
Conference Paper
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/10119/12484
Rights
本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す
るものです。This material is posted here with
permission of the Japan Society for Science
Policy and Research Management.
&
科学研究への若手研究者の参加と貢献
―+LWRWVXEDVKL–1,67(3–*HRUJLD7HFK 科学者サーベイから―
○伊神正貫(文科省・NISTEP),長岡貞男(一橋大), -RKQ3:DOVK(ジョージア工科大学) 㻝㻚㻌 はじめに㻌 本報告では、自然科学の論文を生みだした大学の研 究チームに焦点を当て、「科学研究への若手研究者の 参加と貢献」の状況を分析した結果を紹介する㻝。なお、 ここでは①学生(学部、修士課程)、②学生(博士課程)、 ③ポストドクターを合わせて若手研究者と呼び、その他 を合わせてシニア研究者と呼ぶ。つまり、本報告では、 キャリアの段階により若手研究者を定義している。㻌 本分析には、一橋大学イノベーション研究センター、 科学技術・学術政策研究所、ジョージア工科大学が共 同で実施した、日米の科学者に対する大規模調査㻔科 学者サーベイ㻕の結果を用いた。日本調査では約 㻞㻘㻝㻜㻜 件㻔長岡ら㻘㻌 㻞㻜㻝㻜㻕、米国調査では約 㻞㻘㻟㻜㻜 件㻌 㻔長岡ら㻘㻌 㻞㻜㻝㻝㻕の回答が得られている。㻌 科学者サーベイでは 㻞㻜㻜㻝~㻞㻜㻜㻢 年の論文で、被引 用数が上位 㻝%(トップ 㻝%論文)とそれ以外の論文㻔通 常論文㻕を抽出し、その責任著者もしくはそれに相当す る研究者に対して論文を生み出した研究プロジェクトに ついて尋ねている。したがって、ここで示す研究チーム の特徴は、㻞㻜㻜㻜 年代前半における状況である。㻌 なお、今回の調査対象論文の範囲では、著者が 㻞 名 以上の調査対象論文の 㻥㻥%以上がシニア研究者と若 手研究者によって構成されている。つまり、若手研究者 のみで研究チームを構成することは極めてまれである。 これを踏まえ以降の分析では、研究チームはシニア研 究者に率いられており、研究チームの構成員の選択な どの研究チームのマネジメントは、シニア研究者によっ て主に行われると考える。㻌 㻌 㻞㻚㻌 若手研究者の参加㻌 㻞㻙㻝㻚㻌 研究チームへの若手研究者の参加の状況㻌 科学者サーベイで調査対象とした研究チームの内、 日本では約 㻣 割、米国では約 㻤 割の研究チームに、少 なくとも 㻝 名の若手研究者が参加している㻔図表㻌 㻝 の 㻵 1 本要旨は、研究・技術計画学会第 㻞㻥 回年次学術大会のホットイシ ュー「大学・公的研究機関における若手研究者の育成」における議論 に資するために、伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕の内容を、再構成したもの である。詳細については、当該報告書を参照のこと。 を参照㻕。㻌 若手研究者が参加している研究チームに注目すると、 日本の通常論文では、博士学生が参加している研究チ ーム㻔㻵㻙①㻘㻌 㻞㻜㻚㻤%㻕の割合が最大であり、これに学部・修 士学生が参加している研究チーム㻔㻵㻙②㻘㻌 㻞㻜㻚㻣%㻕が続く。 米国の通常論文では、博士学生が参加している研究チ ーム㻔㻵㻙①㻘㻌 㻞㻢㻚㻠%㻕の割合が最大であり、これにポストド クターが参加している研究チーム㻔㻵㻙③㻘㻌㻞㻞㻚㻣%㻕が続く。㻌 日本と米国を比較すると、日本では学部・修士学生 が参加している研究チーム㻔㻵㻙②㻕の割合が高い点が特 徴である。㻌 図表㻌 㻝㻌 研究チームへの若手研究者の参加の状況㻌 㻔自然科学、大学等㻕㻌 博士 学部 ・修士 ① □ □ 㻞㻜㻚㻤㻑 㻔㻝㻕 㻝㻥㻚㻤㻑 㻔㻞㻕 㻞㻢㻚㻠㻑 㻔㻝㻕 㻞㻜㻚㻢㻑 㻔㻞㻕 ② □ □ 㻞㻜㻚㻣㻑 㻔㻞㻕 㻝㻜㻚㻞㻑 㻔㻟㻕 㻤㻚㻥㻑 㻔㻠㻕 㻝㻚㻣㻑 㻔㻣㻕 ③ □ □ 㻝㻞㻚㻞㻑 㻔㻟㻕 㻞㻝㻚㻥㻑 㻔㻝㻕 㻞㻞㻚㻣㻑 㻔㻞㻕 㻞㻣㻚㻤㻑 㻔㻝㻕 ④ □ □ □ 㻢㻚㻢㻑 㻔㻠㻕 㻣㻚㻟㻑 㻔㻠㻕 㻝㻞㻚㻡㻑 㻔㻟㻕 㻝㻥㻚㻞㻑 㻔㻟㻕 ⑤ □ □ □ 㻢㻚㻜㻑 㻔㻡㻕 㻢㻚㻡㻑 㻔㻡㻕 㻟㻚㻝㻑 㻔㻡㻕 㻞㻚㻟㻑 㻔㻠㻕 ⑥ □ □ □ 㻞㻚㻝㻑 㻔㻢㻕 㻠㻚㻠㻑 㻔㻢㻕 㻞㻚㻣㻑 㻔㻢㻕 㻞㻚㻟㻑 㻔㻠㻕 ⑦ □ □ □ □ 㻜㻚㻤㻑 㻔㻣㻕 㻝㻚㻤㻑 㻔㻣㻕 㻜㻚㻣㻑 㻔㻣㻕 㻝㻚㻥㻑 㻔㻢㻕 I. 若手研究者が参加している研究チーム 内訳 II. シニア研究者のみ 若手研究者の参加の状況 シニア ポス ドク 学生 調査対象国 㻢㻥㻚㻠㻑 㻣㻝㻚㻥㻑 㻣㻣㻚㻜㻑 㻣㻡㻚㻤㻑 米国 通常論文 㼇㻤㻥㻣㼉 日本 通常論文 㼇㻝㻘㻜㻣㻡㼉 トップ1%論文 㼇㻟㻤㻠㼉 調査対象国 㻞㻤㻚㻝㻑 㻞㻟㻚㻜㻑 㻞㻠㻚㻞㻑 トップ1%論文 㼇㻠㻣㻡㼉 㻟㻜㻚㻢㻑 㻌 注 㻝㻦㻌 著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。①~⑦には、若 手研究者のみから構成される研究チーム㻔㻝㻢 件㻕も含む。それぞれの場 合について、上位 㻟 位までにはいる研究チームの構成に網かけを付け ている。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕を一部変更㻌 㻞㻙㻞㻚㻌 日本の通常論文における、分野別にみた研究チ ームへの若手研究者の参加の状況㻌 図表㻌 㻞 は、日本の通常論文について、分野別に研 究チームへの若手研究者の参加の状況を示した結果 である。若手研究者の参加の状況は、分野によって異 なる様子が分かる。ここで分析対象とした分野の中では、 化学において若手研究者の参加割合が最も大きく㻔㻵㻘㻌 㻤㻞㻚㻤%㻕、医学系において若手研究者の参加割合が最 も小さい㻔㻵㻘㻌㻡㻝㻚㻢%㻕。㻌 若手研究者が参加している研究チームに注目すると、 化学以外の分野ではシニア研究者と博士学生から構成 される研究チーム㻔㻵㻙①㻕の割合が最大となっている。化&
科学研究への若手研究者の参加と貢献
―+LWRWVXEDVKL–1,67(3–*HRUJLD7HFK 科学者サーベイから―
○伊神正貫(文科省・NISTEP),長岡貞男(一橋大), -RKQ3:DOVK(ジョージア工科大学) 㻝㻚㻌 はじめに㻌 本報告では、自然科学の論文を生みだした大学の研 究チームに焦点を当て、「科学研究への若手研究者の 参加と貢献」の状況を分析した結果を紹介する㻝。なお、 ここでは①学生(学部、修士課程)、②学生(博士課程)、 ③ポストドクターを合わせて若手研究者と呼び、その他 を合わせてシニア研究者と呼ぶ。つまり、本報告では、 キャリアの段階により若手研究者を定義している。㻌 本分析には、一橋大学イノベーション研究センター、 科学技術・学術政策研究所、ジョージア工科大学が共 同で実施した、日米の科学者に対する大規模調査㻔科 学者サーベイ㻕の結果を用いた。日本調査では約 㻞㻘㻝㻜㻜 件㻔長岡ら㻘㻌 㻞㻜㻝㻜㻕、米国調査では約 㻞㻘㻟㻜㻜 件㻌 㻔長岡ら㻘㻌 㻞㻜㻝㻝㻕の回答が得られている。㻌 科学者サーベイでは 㻞㻜㻜㻝~㻞㻜㻜㻢 年の論文で、被引 用数が上位 㻝%(トップ 㻝%論文)とそれ以外の論文㻔通 常論文㻕を抽出し、その責任著者もしくはそれに相当す る研究者に対して論文を生み出した研究プロジェクトに ついて尋ねている。したがって、ここで示す研究チーム の特徴は、㻞㻜㻜㻜 年代前半における状況である。㻌 なお、今回の調査対象論文の範囲では、著者が 㻞 名 以上の調査対象論文の 㻥㻥%以上がシニア研究者と若 手研究者によって構成されている。つまり、若手研究者 のみで研究チームを構成することは極めてまれである。 これを踏まえ以降の分析では、研究チームはシニア研 究者に率いられており、研究チームの構成員の選択な どの研究チームのマネジメントは、シニア研究者によっ て主に行われると考える。㻌 㻌 㻞㻚㻌 若手研究者の参加㻌 㻞㻙㻝㻚㻌 研究チームへの若手研究者の参加の状況㻌 科学者サーベイで調査対象とした研究チームの内、 日本では約 㻣 割、米国では約 㻤 割の研究チームに、少 なくとも 㻝 名の若手研究者が参加している㻔図表㻌 㻝 の 㻵 1 本要旨は、研究・技術計画学会第 㻞㻥 回年次学術大会のホットイシ ュー「大学・公的研究機関における若手研究者の育成」における議論 に資するために、伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕の内容を、再構成したもの である。詳細については、当該報告書を参照のこと。 を参照㻕。㻌 若手研究者が参加している研究チームに注目すると、 日本の通常論文では、博士学生が参加している研究チ ーム㻔㻵㻙①㻘㻌 㻞㻜㻚㻤%㻕の割合が最大であり、これに学部・修 士学生が参加している研究チーム㻔㻵㻙②㻘㻌 㻞㻜㻚㻣%㻕が続く。 米国の通常論文では、博士学生が参加している研究チ ーム㻔㻵㻙①㻘㻌 㻞㻢㻚㻠%㻕の割合が最大であり、これにポストド クターが参加している研究チーム㻔㻵㻙③㻘㻌㻞㻞㻚㻣%㻕が続く。㻌 日本と米国を比較すると、日本では学部・修士学生 が参加している研究チーム㻔㻵㻙②㻕の割合が高い点が特 徴である。㻌 図表㻌 㻝㻌 研究チームへの若手研究者の参加の状況㻌 㻔自然科学、大学等㻕㻌 博士 学部 ・修士 ① □ □ 㻞㻜㻚㻤㻑 㻔㻝㻕 㻝㻥㻚㻤㻑 㻔㻞㻕 㻞㻢㻚㻠㻑 㻔㻝㻕 㻞㻜㻚㻢㻑 㻔㻞㻕 ② □ □ 㻞㻜㻚㻣㻑 㻔㻞㻕 㻝㻜㻚㻞㻑 㻔㻟㻕 㻤㻚㻥㻑 㻔㻠㻕 㻝㻚㻣㻑 㻔㻣㻕 ③ □ □ 㻝㻞㻚㻞㻑 㻔㻟㻕 㻞㻝㻚㻥㻑 㻔㻝㻕 㻞㻞㻚㻣㻑 㻔㻞㻕 㻞㻣㻚㻤㻑 㻔㻝㻕 ④ □ □ □ 㻢㻚㻢㻑 㻔㻠㻕 㻣㻚㻟㻑 㻔㻠㻕 㻝㻞㻚㻡㻑 㻔㻟㻕 㻝㻥㻚㻞㻑 㻔㻟㻕 ⑤ □ □ □ 㻢㻚㻜㻑 㻔㻡㻕 㻢㻚㻡㻑 㻔㻡㻕 㻟㻚㻝㻑 㻔㻡㻕 㻞㻚㻟㻑 㻔㻠㻕 ⑥ □ □ □ 㻞㻚㻝㻑 㻔㻢㻕 㻠㻚㻠㻑 㻔㻢㻕 㻞㻚㻣㻑 㻔㻢㻕 㻞㻚㻟㻑 㻔㻠㻕 ⑦ □ □ □ □ 㻜㻚㻤㻑 㻔㻣㻕 㻝㻚㻤㻑 㻔㻣㻕 㻜㻚㻣㻑 㻔㻣㻕 㻝㻚㻥㻑 㻔㻢㻕 I. 若手研究者が参加している研究チーム 内訳 II. シニア研究者のみ 若手研究者の参加の状況 シニア ポス ドク 学生 調査対象国 㻢㻥㻚㻠㻑 㻣㻝㻚㻥㻑 㻣㻣㻚㻜㻑 㻣㻡㻚㻤㻑 米国 通常論文 㼇㻤㻥㻣㼉 日本 通常論文 㼇㻝㻘㻜㻣㻡㼉 トップ1%論文 㼇㻟㻤㻠㼉 調査対象国 㻞㻤㻚㻝㻑 㻞㻟㻚㻜㻑 㻞㻠㻚㻞㻑 トップ1%論文 㼇㻠㻣㻡㼉 㻟㻜㻚㻢㻑 㻌 注 㻝㻦㻌 著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。①~⑦には、若 手研究者のみから構成される研究チーム㻔㻝㻢 件㻕も含む。それぞれの場 合について、上位 㻟 位までにはいる研究チームの構成に網かけを付け ている。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕を一部変更㻌 㻞㻙㻞㻚㻌 日本の通常論文における、分野別にみた研究チ ームへの若手研究者の参加の状況㻌 図表㻌 㻞 は、日本の通常論文について、分野別に研 究チームへの若手研究者の参加の状況を示した結果 である。若手研究者の参加の状況は、分野によって異 なる様子が分かる。ここで分析対象とした分野の中では、 化学において若手研究者の参加割合が最も大きく㻔㻵㻘㻌 㻤㻞㻚㻤%㻕、医学系において若手研究者の参加割合が最 も小さい㻔㻵㻘㻌㻡㻝㻚㻢%㻕。㻌 若手研究者が参加している研究チームに注目すると、 化学以外の分野ではシニア研究者と博士学生から構成 される研究チーム㻔㻵㻙①㻕の割合が最大となっている。化 学については、シニア研究者と学部・修士学生から構 成されている研究チーム㻔㻵㻙②㻕の割合が 㻠㻜㻚㻣%と他の 分野と比べて突出して大きい。㻌 このように分野によって、若手研究者の参加の度合 や研究チームに参加している若手研究者の職階・地位 が異なる。㻌 図表㻌 㻞㻌 研究チームへの若手研究者の参加の状況㻌 㻔分野別、通常論文、日本、大学等㻕㻌 博士 ・修士学部 ① □ □ 㻝㻞㻚㻠㻑 㻔㻞㻕 㻞㻟㻚㻞㻑 㻔㻝㻕 㻞㻡㻚㻡㻑 㻔㻝㻕 㻝㻥㻚㻠㻑 㻔㻝㻕 ② □ □ 㻠㻜㻚㻣㻑 㻔㻝㻕 㻝㻤㻚㻥㻑 㻔㻞㻕 㻝㻤㻚㻠㻑 㻔㻞㻕 㻟㻚㻞㻑 㻔㻠㻕 ③ □ □ 㻤㻚㻟㻑 㻔㻠㻕 㻝㻠㻚㻞㻑 㻔㻟㻕 㻝㻞㻚㻢㻑 㻔㻟㻕 㻝㻢㻚㻝㻑 㻔㻞㻕 ④ □ □ □ 㻢㻚㻥㻑 㻔㻡㻕 㻢㻚㻤㻑 㻔㻠㻕 㻥㻚㻡㻑 㻔㻠㻕 㻥㻚㻣㻑 㻔㻟㻕 ⑤ □ □ □ 㻥㻚㻜㻑 㻔㻟㻕 㻢㻚㻟㻑 㻔㻡㻕 㻢㻚㻠㻑 㻔㻡㻕 㻞㻚㻢㻑 㻔㻡㻕 ⑥ □ □ □ 㻡㻚㻡㻑 㻔㻢㻕 㻞㻚㻢㻑 㻔㻢㻕 㻜㻚㻥㻑 㻔㻣㻕 㻜㻚㻢㻑 㻔㻢㻕 ⑦ □ □ □ □ 㻜㻚㻜㻑 㻔㻣㻕 㻜㻚㻡㻑 㻔㻣㻕 㻝㻚㻤㻑 㻔㻢㻕 㻜㻚㻜㻑 㻔㻣㻕 㻡㻝㻚㻢㻑 若手研究者の参加の状況 シニア ポス ドク 学生 通常論文 II. シニア研究者のみ 㻝㻣㻚㻞㻑 㻞㻣㻚㻠㻑 㻞㻠㻚㻤㻑 日本 医学系 㼇㻝㻡㻡㼉 㻠㻤㻚㻠㻑 内訳 1_化学 㼇㻝㻠㻡㼉 3_物理学&宇 宙科学[190] 生命科学系 㼇㻟㻞㻢㼉 I. 若手研究者が参加している研究チーム 㻤㻞㻚㻤㻑 㻣㻞㻚㻢㻑 㻣㻡㻚㻞㻑 㻌 注 㻝㻦㻌 著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。①~⑦には、若 手研究者からのみ構成される研究チームも含んでいる。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕を一部変更㻌 㻞㻙㻟㻚㻌 若手研究者が著者全体と筆頭著者に占める割合㻌 若手研究者が調査対象論文の筆頭著者となる割合 は、著者全体に占める若手研究者の割合と比べて高い 㻔図表㻌 㻟 の赤色の矢印㻕。通常論文の著者全体における 若手研究者の割合は日本で 㻞㻢㻚㻢%、米国で 㻟㻟㻚㻜%、筆 頭著者における割合は日本で 㻟㻡㻚㻤%、米国で 㻡㻝㻚㻞%で ある。㻌 図表㻌 㻟㻌 若手研究者が著者全体と筆頭著者に占める割合㻔大学等㻕㻌 通常論文 トップ1%論文 通常論文 トップ1%論文 㻝㻘㻜㻣㻡 㻟㻤㻠 㻤㻥㻣 㻠㻣㻡 㻞㻢㻚㻢㻑 㻞㻢㻚㻢㻑 㻟㻟㻚㻜㻑 㻟㻠㻚㻟㻑 学生 㻞㻜㻚㻞㻑 㻝㻡㻚㻟㻑 㻝㻥㻚㻠㻑 㻝㻢㻚㻣㻑 ポストドクター 㻢㻚㻠㻑 㻝㻝㻚㻟㻑 㻝㻟㻚㻡㻑 㻝㻣㻚㻢㻑 㻤㻝㻥 㻞㻢㻤 㻡㻣㻞 㻞㻡㻣 㻟㻡㻚㻤㻑 㻟㻥㻚㻢㻑 㻡㻝㻚㻞㻑 㻡㻝㻚㻠㻑 学生 㻞㻢㻚㻟㻑 㻝㻥㻚㻜㻑 㻟㻝㻚㻤㻑 㻞㻟㻚㻜㻑 ポストドクター 㻥㻚㻡㻑 㻞㻜㻚㻡㻑 㻝㻥㻚㻠㻑 㻞㻤㻚㻠㻑 日本 米国 著者全体 (自然科学) 調査対象論文数 若手研究者 筆頭著者 (自然科学) 調査対象論文数 若手研究者 㻌 注 㻝㻦㻌 著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。筆頭著者の分析 については、著者が貢献度の順で記載されている調査対象論文のみを 集計対象としている。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕を一部変更㻌 ポストドクターが筆頭著者となる割合は、日米ともに通 常論文よりもトップ 㻝%論文において高い㻔図表㻌 㻟 の青 色の矢印㻕。ポストドクターが筆頭著者となる割合は、日 本の通常論文で 㻥㻚㻡%、トップ 㻝%論文で 㻞㻜㻚㻡%、米国 の通常論文で 㻝㻥㻚㻠%、トップ 㻝%論文で 㻞㻤㻚㻠%である。㻌 日本と米国を比較すると、米国の方が著者全体や筆 頭著者に占める若手研究者の割合が高い㻔図表㻌 㻟 のオ レンジ色の矢印㻕。なかでも、筆頭著者に占める若手研 究者の割合は、米国において 㻡㻝㻚㻞%㻔通常論文㻕となっ ている。㻌 㻞㻙㻠㻚㻌 ポストドクターの国際流動性㻌 海外生誕の研究者の割合は、日米とも職階・地位に よって違いがある㻔図表㻌 㻠 参照㻕。日米ともに海外生誕の 研究者の割合はポストドクターで最も高く、それに次ぐ のが博士学生である。米国ではポストドクターの 㻣㻜%、 日本でも 㻞㻡%が海外生誕の研究者である。これらの結 果は、ポストドクターや博士学生は、他の職階・地位の 研究者よりも国際流動性が高いことを示している。研究 者の生誕国に注目すると、日米ともに中国が生誕国で あるポストドクターの割合が最も高い。米国のポストドク ターの 㻝㻤㻚㻢%が中国生誕である。㻌 図表㻌 㻠㻌 職階・地位ごとの著者の生誕国分布㻔国内論文㻕㻌 (㼍)㻌 日本㻌 97.8% 97.2% 96.8% 75.0% 87.0% 97.2% 95.3% 0.3% 0.7% 1.3% 11.8% 5.5% 0.8% 0.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 教授クラス(1,419) 准教授クラス(690) 助教・講師クラス(741) ポストドクター(220) 博士学生(469) 学部・修士学生(497) その他(236) 日本 米国 中国 その他 アジア 欧州 その他 海外生誕 㻌 (㼎)㻌 米国㻌 71.1% 69.7% 60.2% 30.4% 48.4% 78.3% 61.0% 3.2% 4.6% 8.6% 18.6% 18.1% 2.9% 7.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 教授クラス(1,138) 准教授クラス(412) 助教・講師クラス(405) ポストドクター(576) 博士学生(587) 学部・修士学生(175) その他(503) 日本 米国 中国 その他 アジア 欧州 その他 海外生誕 㻌 注 㻝㻦㻌 海外の研究機関に所属する海外生誕の研究者の影響を除くために国 内論文だけを分析している。㻌 注 㻞㻦㻌 著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。その他は、技能 者、その他、不明の合計。著者 㻢 名までの情報を用いて分析を行った結 果。通常論文とトップ 㻝%論文をプールした結果。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕㻌 㻌 日米ともに研究者の職階が高くなるにつれて、海外 生誕の研究者の割合は小さくなる傾向にある。ただし、 その割合には大きな違いがあり、米国の教授クラスの約㻟㻜%が海外生誕であるのに対して、日本ではその割合 は 㻞%程度である。㻌 㻟㻚㻌 ポストドクターが参画している研究チームの特徴㻌 㻟㻙㻝㻚研究チームの国際化の度合㻌 研究チームの国際化の度合は、ポストドクターの参加 割合に大きく影響する。回帰分析による推計結果による と、日本におけるポストドクターの参加割合㻔図表㻌 㻡 で灰 色の矢印で示した部分㻕は、国内論文で著者に海外生 誕の研究者を含まない場合は 㻝㻞%にすぎないが、国内 論文で著者に海外生誕の研究者を含む場合は 㻟㻥%、 国際共著論文では 㻟㻟%となる。㻌 図表㻌 㻡㻌 国際化の度合と研究チームへのポストドクターや学生の㻌 参加割合の変化㻌 14% 45% 36% 12% 39% 33% 19% 46% 41% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 国内論文 (海外生誕無 ) 国内論文 (海外生誕有 ) 国際共著論文 ポストドクターが研究チームに参加する割合 米国+日本 日本 米国 ********* *** *** *** 注 㻝㻦㻌 ポストドクターの参加の有無を被説明変数としたロジスティック回帰分析 の結果。著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。回答者 が調査対象論文を投稿した時点で、若手研究者である回答については 対象から外した。エラーバーは 㻥㻡%信頼区間を示している。それぞれ 㻖㻔㻝㻜%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻔㻡%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻖㻔㻝%有意水準㻕を示している。 国内論文(海外生誕研究者なし)を基準としている。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕から抜粋㻌 㻟㻙㻞㻚㻌 研究の先進性㻌 本報告では、研究の先進性として、研究チームが取り 組んでいる研究テーマの進展の速さ、競争の脅威の度 合、最先端の実験施設・設備の利用の有無の 㻟 つの状 況を分析した。㻌 研究テーマの進展の速さを測る指標として、調査対 象論文中で引用している論文の新しさ㻔引用タイムラグ㻕 を用いた。調査対象論文中で引用している論文が新し いほど、最新の研究成果に基づいて研究を実施してい る可能性が高い。したがって、引用タイムラグが短い研 究チームは進展の速い研究に取り組んでいると考えら れる。回帰分析による推計結果を見ると、図表㻌 㻢 に示し たように、引用タイムラグが短い(最近の論文を引用して いる)研究チームにおいて、ポストドクターの研究チーム への参加割合が高い。すなわち、ポストドクターは進展 の速い研究に取り組んでいる研究チームにより多く参加 していることが分かる。㻌 図表㻌 㻢㻌 引用タイムラグに対する研究チームへの㻌 ポストドクターの参加割合の変化㻌 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1.0 1.5 2.2 3.3 5.0 7.4 11.0 16.4 ポ ス ト ド ク タ ー が 研 究 チ ー ム に 参 加 す る 割 合 引用タイムラグ(年) 米国 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1.0 1.5 2.2 3.3 5.0 7.4 11.0 16.4 ポ ス ト ド ク タ ー が 研 究 チ ー ム に 参 加 す る 割 合 引用タイムラグ(年) 日本+米国 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1.0 1.5 2.2 3.3 5.0 7.4 11.0 16.4 ポ ス ト ド ク タ ー が 研 究 チ ー ム に 参 加 す る 割 合 引用タイムラグ(年) 日本 昔の論文を引用 最近の論文を引用 最近の論文を引用 昔の論文を引用 最近の論文を引用 昔の論文を引用 注 㻝㻦㻌 ポストドクターの参加の有無を被説明変数としたロジスティック回帰分析 の結果。著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。回答者 が調査対象論文を投稿した時点で、若手研究者である回答については 対象から外した。点線は 㻥㻡%信頼区間を示している。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕から抜粋㻌 図表㻌 㻣㻌 競争の脅威の度合と研究チームへの㻌 ポストドクターの参加割合の変化㻌 22% 30% 29% 13% 20% 21% 31% 43% 45% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 全く 心配 し な かっ た やや心配した 大変に 心配した ポストドクターが研究チームに参加する割合 日本+米国 日本 米国 *** ** *** *** ** *** 注 㻝㻦㻌 ポストドクターの参加の有無を被説明変数としたロジスティック回帰分析 の結果。著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。回答者 が調査対象論文を投稿した時点で、若手研究者である回答については 対象から外した。エラーバーは 㻥㻡%信頼区間を示している。それぞれ 㻖㻔㻝㻜%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻔㻡%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻖㻔㻝%有意水準㻕を示している。 国内論文(海外生誕研究者なし)を基準としている。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕から抜粋㻌 㻌 競争の脅威の度合は、研究チームが競争相手に先 行されることに対する脅威の度合についての主観的評 価の結果を用いて計測した。図表㻌 㻣 に示したように、競 争の脅威を全く心配しなかった研究チームと比べて、競 争の脅威の度合が高い研究チームにおいて、ポストドク ターの参加割合が高くなっている。つまり、研究チーム
㻟㻜%が海外生誕であるのに対して、日本ではその割合 は 㻞%程度である。㻌 㻟㻚㻌 ポストドクターが参画している研究チームの特徴㻌 㻟㻙㻝㻚研究チームの国際化の度合㻌 研究チームの国際化の度合は、ポストドクターの参加 割合に大きく影響する。回帰分析による推計結果による と、日本におけるポストドクターの参加割合㻔図表㻌 㻡 で灰 色の矢印で示した部分㻕は、国内論文で著者に海外生 誕の研究者を含まない場合は 㻝㻞%にすぎないが、国内 論文で著者に海外生誕の研究者を含む場合は 㻟㻥%、 国際共著論文では 㻟㻟%となる。㻌 図表㻌 㻡㻌 国際化の度合と研究チームへのポストドクターや学生の㻌 参加割合の変化㻌 14% 45% 36% 12% 39% 33% 19% 46% 41% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 国内論文 (海外生誕無 ) 国内論文 (海外生誕有 ) 国際共著論文 ポストドクターが研究チームに参加する割合 米国+日本 日本 米国 ********* *** *** *** 注 㻝㻦㻌 ポストドクターの参加の有無を被説明変数としたロジスティック回帰分析 の結果。著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。回答者 が調査対象論文を投稿した時点で、若手研究者である回答については 対象から外した。エラーバーは 㻥㻡%信頼区間を示している。それぞれ 㻖㻔㻝㻜%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻔㻡%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻖㻔㻝%有意水準㻕を示している。 国内論文(海外生誕研究者なし)を基準としている。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕から抜粋㻌 㻟㻙㻞㻚㻌 研究の先進性㻌 本報告では、研究の先進性として、研究チームが取り 組んでいる研究テーマの進展の速さ、競争の脅威の度 合、最先端の実験施設・設備の利用の有無の 㻟 つの状 況を分析した。㻌 研究テーマの進展の速さを測る指標として、調査対 象論文中で引用している論文の新しさ㻔引用タイムラグ㻕 を用いた。調査対象論文中で引用している論文が新し いほど、最新の研究成果に基づいて研究を実施してい る可能性が高い。したがって、引用タイムラグが短い研 究チームは進展の速い研究に取り組んでいると考えら れる。回帰分析による推計結果を見ると、図表㻌 㻢 に示し たように、引用タイムラグが短い(最近の論文を引用して いる)研究チームにおいて、ポストドクターの研究チーム への参加割合が高い。すなわち、ポストドクターは進展 の速い研究に取り組んでいる研究チームにより多く参加 していることが分かる。㻌 図表㻌 㻢㻌 引用タイムラグに対する研究チームへの㻌 ポストドクターの参加割合の変化㻌 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1.0 1.5 2.2 3.3 5.0 7.4 11.0 16.4 ポ ス ト ド ク タ ー が 研 究 チ ー ム に 参 加 す る 割 合 引用タイムラグ(年) 米国 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1.0 1.5 2.2 3.3 5.0 7.4 11.0 16.4 ポ ス ト ド ク タ ー が 研 究 チ ー ム に 参 加 す る 割 合 引用タイムラグ(年) 日本+米国 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 1.0 1.5 2.2 3.3 5.0 7.4 11.0 16.4 ポ ス ト ド ク タ ー が 研 究 チ ー ム に 参 加 す る 割 合 引用タイムラグ(年) 日本 昔の論文を引用 最近の論文を引用 最近の論文を引用 昔の論文を引用 最近の論文を引用 昔の論文を引用 注 㻝㻦㻌 ポストドクターの参加の有無を被説明変数としたロジスティック回帰分析 の結果。著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。回答者 が調査対象論文を投稿した時点で、若手研究者である回答については 対象から外した。点線は 㻥㻡%信頼区間を示している。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕から抜粋㻌 図表㻌 㻣㻌 競争の脅威の度合と研究チームへの㻌 ポストドクターの参加割合の変化㻌 22% 30% 29% 13% 20% 21% 31% 43% 45% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 全く 心配 し な かっ た やや心配した 大変に 心配した ポストドクターが研究チームに参加する割合 日本+米国 日本 米国 *** ** *** *** ** *** 注 㻝㻦㻌 ポストドクターの参加の有無を被説明変数としたロジスティック回帰分析 の結果。著者数が 㻞 名以上の調査対象論文を分析対象とした。回答者 が調査対象論文を投稿した時点で、若手研究者である回答については 対象から外した。エラーバーは 㻥㻡%信頼区間を示している。それぞれ 㻖㻔㻝㻜%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻔㻡%有意水準㻕㻘㻌 㻖㻖㻖㻔㻝%有意水準㻕を示している。 国内論文(海外生誕研究者なし)を基準としている。㻌 㻔出典㻕㻌 伊神・長岡・㼃㼍㼘㼟㼔㻔㻞㻜㻝㻟㻕から抜粋㻌 㻌 競争の脅威の度合は、研究チームが競争相手に先 行されることに対する脅威の度合についての主観的評 価の結果を用いて計測した。図表㻌 㻣 に示したように、競 争の脅威を全く心配しなかった研究チームと比べて、競 争の脅威の度合が高い研究チームにおいて、ポストドク ターの参加割合が高くなっている。つまり、研究チーム が競争相手によって先行されるという競争の脅威に直 面している場合、ポストドクターが研究チームに参加す る割合が高いことが分かる。㻌 研究チームへのポストドクターの参加割合は、最先端 の実験施設・設備を利用していない研究チームで 㻝㻢%、 利用している研究チームで 㻞㻠%である。㻌 㻌 㻠㻚㻌 まとめと考察㻌 最後に、本報告を通じて、明らかになった点をまとめ る。㻌 まず、今回の分析から、日本では約 㻣 割、米国では 約 㻤 割の研究チームに、少なくとも 㻝 名の若手研究者が 参加していることが明らかになった。また、著者全体に おける若手研究者の割合に比べて、筆頭著者における 割合の方が高い。なかでも、ポストドクターが筆頭著者と なる割合は、日米ともに通常論文よりもトップ 㻝%論文に おいて高い。これらは、若手研究者の科学研究への大 きな関与および貢献を示した結果である。㻌 他方、マクロな状況をみると、日米両国において、需 要と供給のバランスの問題から、安定した職を見つける ことの出来ない多くの若手研究者がいる。任期付雇用 による不安定なキャリアパスは、キャリアとしての科学の 魅力を失わせている。実際、日本における博士課程後 期進学者は、この 㻝㻜 年間で 㻝㻚㻤㻞 万人から 㻝㻚㻡㻡 万人に 減少している㻔㻺㻵㻿㼀㻱㻼㻘㻌 㻞㻜㻝㻠㻕。すでに指摘されているこ とではあるが、科学研究を強化していく上で、若手研究 者が研究者としての長期的なキャリア展望を持つことが 出来るようにすることの重要性が、改めて裏付けられた と言える。㻌 つぎに、今回の分析から、ポストドクターは全ての職 階の中で最も国際流動性が高いこと、海外生誕の若手 研究者は科学研究への重要な貢献者であることが示さ れた。これらの結果を踏まえると、海外の優秀なポストド クターを、どのように自国に惹きつけるかが、科学研究 に関する国の能力を向上するために、重要な課題にな っていると言える。海外生誕のポストドクターは、短期的 には研究チームの一員として、直接的に日本の科学研 究に貢献し、長期的には日本の研究者との間に構築し たネットワーク㻔国際共著等㻕を通じて、日本の科学研究 に貢献すると考えられる。㻌 ただし、本報告から明らかになったように、ポストドクタ ーが参加する割合は、進展の速い研究テーマに取り組 んでいる研究チーム、競争の脅威に直面している研究 チーム、最先端の実験施設・設備を利用している研究 チームにおいて高い。これらの特徴からも分かるように、 ポストドクターは最先端の研究に取り組んでいる研究チ ームに参加する割合が高い。したがって、海外の優秀 なポストドクターを我が国に惹きつけるには、日本自体 の研究力を向上させることも必須である。㻌 最後に、我が国の研究チームの特徴として、研究チ ームを構成する研究者における日本生誕の者の割合が 高いこと、シニア研究者と学部・修士学生から構成され る研究チームの割合が大きい㻔通常論文の 㻞㻝%㻕ことが 明らかになった。これは、研究者の育成・活用が主に自 国内で行われているという、我が国の大学システムの特 徴を反映した結果と考えられる。他方で、我々の分析か らは、国際共著論文では、学生の参加割合が低くなるこ とも明らかになっている。国レベルでみた日本の国際共 著率の低さは、日本の大学システムの特徴にも関係し ていると考えられる。㻌 これらの状況を踏まえると、例えば海外生誕の研究 者を我が国に惹きつけるために、ポストドクターを雇用 できるような最先端の研究に極端に資金を集中すること は、これまで機能していた我が国の研究者の育成シス テム㻔シニア研究者と学部・修士学生から構成される研 究チームの活動㻕に影響を及ぼす可能性もある点には 留意が必要であろう。本報告では、ポストドクターや学 生が参加している研究チームの活動の特徴を明らかに することに主眼を置いたが、研究チームの構成と研究に 用いた研究資金源の関係性の分析を行うことも、科学 技術政策立案に際して有用な情報を与えると考えられ る。㻌 本報告の分析結果からも明らかなように、若手研究 者の育成、研究の国際化、研究チームが取り組む研究 テーマの間には、相互に関係性がある。これらは、人材 育成、国際化、分野別の研究の推進にかかる科学技術 政策が、相互に関係性を持って実施されていく必要が あることを示している。㻌 㻌 参考文献㻌 伊神正貫, 長岡貞男, John P. Walsh(2013), 科学研究への若手研究 者の参加と貢献 ―日米の科学者を対象とした大規模調査を用い た 実 証 研 究―, 文 部 科 学 省 科 学 技 術 ・ 学 術 政 策 研 究 所 ,
Discussion Paper No.103
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)(2014), 科学技術指標 2014, 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 調査資料-225 長岡貞男, 伊神正貫, 江藤学, 伊地知寛博(2010), 科学における知 識生産プロセスの研究-日本の研究者を対象とした大規模調査 からの基礎的発見事実-, 文部科学省科学技術・学術政策研究 所, 調査資料-191 長岡貞男, 伊神正貫, John P. Walsh, 伊地知寛博(2011), 科学にお ける知識生産プロセス:日米の科学者に対する大規模調査から の主要な発見事実, 文部科学省科学技術¥政策研究所, 調査 資料-203 㻌