JAIST Repository: 太陽電池における不純物光起電力効果の実験的検証
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(2) 太陽電池における不純物光起電力効果の実験的検証 佐藤 利幸. (松村研究室). はじめに 不純物光起電力効果( IPV 効果)は、半導体のバンドギャップ中に積極的に不純物を 導入し、その準位を利用して通常吸収できない長波長光の有効利用を図るためのものであ る。数値解析により、不純物準位を介した電子の励起がその準位を介する再結合を上回る ためには、ある限定されたエネルギー準位の不純物をキャリア濃度の低い領域に導入する 必要のあることが明らかとなっている。本研究は、この数値解析結果を実験的に検証する ことを目的としている。まず最初に、不純物を導入した太陽電池を試作、評価した。次に その効果の起因をより明らかにするため、可視領域から透過測定が可能な単結晶 Si 薄膜 を作製し、光吸収係数測定を中心とした物性評価を行った。 実験 まず IPV 効果を起こす不純物を単結晶 Si にイオン注入した太陽電池を作製した。p-n 接合は、さらに重ねて P をイオン注入することにより形成した。特性評価は、光照射 I-V 測定および分光感度特性により行った。光吸収係数測定のための単結晶 Si 薄膜の作製に は SOI 基板を用い、支持基板側から Si/SiO2 選択性を利用したエッチングをすることに よって 1∼2m 厚の結晶 Si を得た。またイオン注入による残留欠陥が光吸収に与える影 響を明らかにするために、不純物を熱拡散により導入した試料との比較、検討を試みた。 結果・考察 IPV 効果の不純物として In を導入した太陽電池の分光感度特性を図 1 に示す。また光 吸収特性を図 2 に示す。図 2 において光吸収係数の増大が 700nm 以下の可視領域から見 られ、これは図 1 の太陽電池の分光感度特性の結果とも良く対応している。Si のバンド ギャップ以下の長波長領域に加え、光吸収係数の可視光からの増加が見られる本結果は、 不純物準位を介する電子遷移が疑似的に直接遷移になることによると考えられる。太陽電 池の効率は不純物を導入していない時に比べ 10 %ほど増加しており、IPV 効果が太陽電 池の効率改善および遷移型の変化による薄膜化に有効であることが実験的に確認できた。. 図 1: 太陽電池の分光感度スペクト ル. keywords. 図 2: 不純物を導入した薄膜 Si の 光吸収特性. 太陽電池, 不純物光起電力効果, 光吸収係数. Copyright c 1998 by Toshiyuki Sato.
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