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介護通所施設利用者における口腔機能低下予防体操の効果(1)―通所施設利用者の口腔機能とQOL ―

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介護通所施設利用者における

口腔機能低下予防体操の効果⑴

通所施設利用者の口腔機能と QOL

高 橋 美砂子, 橋 本 由利子

要 旨 【目 的】 介護予防の観点で通所施設利用者に焦点をあて, 口腔機能の向上が高齢者の QOL にどのような 影響があるのか介入研究で明らかにする. その事前調査の結果について報告する. 【対象と方法】 通常自 で歯磨きをし, 聞き取り調査に答えられる通所施設利用者 34人を対象に, 基本属性, ADL, 口腔関連 QOL (GOHAI),うつ,口腔機能 (唾液量,開口度,口唇閉鎖力,咬合力,頰と舌の動き),歯の数,義歯の有無等を調査 した. 【結 果】 平 年齢 79.7 (±8.9) 歳,歯の数は 10.85 (±9.8)本で,ADL,GOHAI は合計点でみると標 準的だった. GOHAI の点数が低かった項目は, 食物の嚙みにくさ」と「楽に食べられない」で, 口腔機能 調査では「口唇閉鎖力」と「咬合力」が低かった.口腔機能と ADL,GOHAI には正の相関がみられた. 【結 語】 高齢者にとって楽しみである食事を美味しく安全に摂取する機能や仲間と会話し人間関係を円滑にす る機能を保障するためにも, 口腔機能を維持向上させる取り組みが重要である.(Kitakanto Med J 2009; 59:241∼246) キーワード:口腔機能向上, ADL, GOHAI, 通所施設利用者 は じ め に 口腔ケアは, 狭義では口腔内衛生を目的とした口腔清 掃を意味するが, 広義ではそれに加えて口腔に関する疾 患予防や口腔機能 (咀嚼,嚥下,発音,呼吸など)を維持向 上させることを含めて えられている. 高齢者にとって 食事をすることや人と話をすることは大きな楽しみであ り, それらを保障することは QOL の確保にとって欠か せないことである. また, 口腔ケアは 2006年から介護保 険制度に導入された介護予防事業 (高齢者の生活機能低 下防止対策等) のなかで重要な役割を担うことが期待さ れている. 先に筆者らが行った群馬県内の介護通所施設 での口腔ケア取り組みの実施状況の聞き取り調査 にお いて, 口腔機能向上プログラムを実施しているところは 極少数だったが, 近い将来予防給付や加算を視野に入れ た口腔体操等の取り組みを えていることがわかった. また, 口腔体操をしているもののどういった効果があ るのかわからない」といった回答もあり, 口腔体操の効 果について情報を求める声も聞かれた. 上記調査 で, 口 腔清掃を実施していると答えた施設は 8割を超えていた が,比較的自立度の高い利用者においては「本人任せ」で あることも明らかになった. 通所施設における口腔ケア への関心の高まりを受けて, 担当職員が疑問や不安に感 じていることを解消するための支援や利用者に対して は, セルフケア力と口腔内状況を把握することが, 今後 効果的な口腔ケアを継続支援するために重要と える. 本研究は, 介護通所施設利用者に焦点をあて, 口腔機能 の向上が高齢者の QOL にどのような影響があるのか」 を明らかにすることを目的とした介入研究の事前調査の 結果について報告する. 方 法 1.対象の選定 通所施設 (通所介護, 通所リハビリ) 利用者で, ①口腔 1 群馬県みどり市笠懸町阿左美606-7 桐生大学医療保 学部看護学科 2 群馬県伊勢崎市山王町2020-1 東京福祉大学社会福 祉学部 平成21年5月21日 受付 論文別刷請求先 〒379-2392 群馬県みどり市笠懸町阿左美606-7 桐生大学医療保 学部看護学科 高橋美砂子

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清掃 (歯磨き) を自 でしている,②日常会話に問題がな く聞き取り調査が可能な人, を担当職員から紹介しても らった. 2.調査方法 1)対象者の属性 性別, 年齢, 服薬の有無, 介護度, 同居家族を職員から 聞いた. 残存歯数, 義歯装着の有無, 口臭の有無は歯科医 師が調査をした. 2)聞き取り調査 ADL, 口腔関連 QOL, うつ関連質問, 口腔関連の補足 質問を行った. ADL は Barthel Index (階段の昇降を除 く) 9 項目, 口腔関連 QOL は GOHAI (General Oral Health Assessment Index) 日本語版 Ver.1.0 の 12項目, うつ関連質問は厚生労働省が老年期うつ病の一次アセス メントツールとして採択した藤澤ら が開発した 5項目 と補足質問の 10項目について聞いた. 聞き取り方法としては, 質問内容をゆっくり読み上げ, 該当する答えを大きな文字で記してある用紙を提示し, その中から一番近いものを選んでもらった. 調査日から って 1∼3ヶ月間の状態を聞いた. 3)口腔機能調査 歯科医師と歯科衛生士により, 開口量, 唾液湿潤度, 口 唇閉鎖力, 咬合力, 頰の動き, 舌の動きの調査を行った. 開口量は開口量測定器を 用し, 唾液湿潤度は KISOサ イエンス社製の KISO-Wetを用い, 舌尖 1 cmのところ にキソウェット紙をのせ 10秒間測定した. 口唇閉鎖力 はオーラルアカデミー社のリットレメーターを 用し, 2回連続測定したうちの多いほうの値を採択した. 咬合 力は長野計器社製のオクルーザルフォースメーターを用 い, 左右の臼歯部で測定したうちの多いほうの値とした. 頰の動きは「両頰同時」「左頰のみ」「右頰のみ」を膨ら ませることができるかどうかを, 舌の動きは舌を「上」 「下」「左」「右」に動かすことができるかを歯科医師の 視診により判定した. 4)倫理的配慮 東京福祉大学倫理審査委員会および協力施設の倫理委 員会の審査を受け, 承認された内容を遵守した. 施設長, デーサービス担当職員, 利用者および家族に文書と口頭 で説明し, 署名で同意を得た. 途中で協力をやめても不 利益にならないこと, プライバシーの配慮 (話の内容が 他人に聞こえない工夫), 得られたデータは ID 番号で管 理し研究以外の目的で 用しないこと等を約束した. ま た, 口腔衛生状態の結果は本人に書面で知らせ, 緊急に 歯科治療が必要な場合は, その旨を伝えた. 調査は対象者が通所施設利用時間内に実施し, 対象者 がサービス享受の不利益にならないように配慮した. 5)調査期間 調査期間は, 平成 20年 2∼ 3月の 10日間. 利用者 が施設に来所する日に出向き, 午前中の 10:00∼11:00 に調査を行った. 結 果 1)対象者の属性 調査対象としての条件を満たした 40人の中で男性 10 人, 女性 24人, 計 34人から協力の同意が得られた. 全体 の平 年齢は 79.7歳で, 男性 73.9 歳で女性は 82.1歳で あった.9 割以上の人 (32人) が何らかの薬を服用してい た. 対象者の介護度は要支援 2から要介護 4までであっ た.家族と同居していない人が 2割 (7人)で,その内の 4 人がケアハウスの入居者だった (表 1). 残根を除く歯数 は, 平 10.85本で, 男性は 14.1本, 女性は 9.5本だった. 全く歯がない人が 9 人 (26.4%) いた. 歯数を平 年齢で みた場合, 男性は 70∼74歳の日本の平 歯数 15.3本よ りも少なく, 女性は 80∼84歳の平 歯数 7.8本より多 かった. 義歯 (部 義歯も含めて) は 8割以上の人が 用していた. 口臭は約 3割 (11人) の人が「あり」で, そ の中には「強い口臭あり」が 4人いた (表 1). 2)聞き取り調査(ADL, GOHAI, うつ)の結果 Barthel Indexの 10項目 (食事, 椅子, 整容, トイレ, 入 浴, 歩行, 着替え, 排 コントロール, 排尿コントロール, 階段昇降) は, できない」∼ できる」を 0, 5, 10, 15点 で評価し, 合計の最高点を 100点としている. 今回の調 査では,対象者の殆どが経験していない「階段昇降」の項 表1 対象者の基本属性 n=34 平 値 n (%) 性 別 男 10 (29.4) 女 24 (70.6) 平 年 齢 全体 79.7 (SD 8.9) 男 73.9 (SD 7.1) 女 82.1 (SD 8.6) 服 薬 あり 32 (94.1) なし 2 ( 5.9) 介 護 度 要支援 2 10 (29.4) 要介護 1 8 (23.5) 〃 2 8 (23.5) 〃 3 7 (20.6) 〃 4 1 ( 2.9) 同 居 家 族 あり 27 (79.4) なし 7 (20.6) 残 存 歯 全体 10.85 (SD 9.8) 男 14.1 (SD 10.0) 女 9.5 (SD 8.3) 義歯の装着 あり 28 (82.3) なし 6 (17.6) 口 臭 あり 11 (32.4) なし 23 (67.6) 歯科医師による判定 強くありを含む

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目を除外し, 90点満点で算出した. 平 値は 78.5 (± 12.4) 点で, 80点以上が 70.5%を占めた. 項目別の回答で は「入浴の介助が一部必要」と「長い距離歩けない」と 答えた人が比較的多かった. 口腔関連 QOL は, GOHAI (表 3) の 12項目を「いつ もそうだった」を 1点, よくそうだった」を 2点, とき どきそうだった」を 3点, めったになかった」を 4点, まったくなかった」を 5点とし,それらの合計で評価し, 満点は 60点である. 本調査では, 平 値 50.1点であり, 50点以上が 59%であった. 点数が低かった項目は, 食 物を嚙み切ったり,嚙んだりしにくい」「口の中の調子の せいで楽に食べられない」「口の中の見た目が不満」「口 の中の調子の悪さが気になる」であった. うつ関連質問の 5項目は「はい」「いいえ」で答え, は い」が 2つ以上あった場合「うつ」陽性とするものであ る.本調査で, はい」が 2つ以上あった人は 2人 (5.9%) のみだった. はい」の答えが最も多かった項目は「わけ もなく疲れたような気がする」(6人) であった (表 4). 口腔関連補足質問では,QOL 関係の「歌が好きか」「会 話が好きか」「毎日誰かと話をするか」「食事は楽しいか」 「食欲があるか」の 5項目と口腔機能関係の「のどが渇 くか」「むせやすいと思うか」「口臭があると思うか」の 3項目で, はい」「ふつう」「いいえ」の 3段階で答えて もらった. に 1日の食事回数と歯磨き回数について聞 いた. その結果, 歌が好きか」の質問に「はい」と答え た人は全体の半数以下 (44.1%) だったが, 他の QOL 関 係の質問は大半の人が「はい」と答えた. むせやすいと 思う」に「はい」, ふつう」と答えた人はそれぞれ 4人で, 約 8割の人が「いいえ」と答えた. 口臭があると思う」 に「はい」と答えた人は皆無で, 8人 (23.5%) が「ふつ う」と答え,残りの 26人 (76.5%)は「ないと思う」と答 えた. 食事の回数はすべての人が 1日 3回摂取しており, 歯磨きは 1日平 1.79 回だった. 1日 2回以上磨く人は 22人 (64.7%)だった.歯磨きを毎日しない (時々する,た まにする) 人が 4人 (11.7%) いた (表 5). 3)口腔機能調査の結果 口腔機能調査の結果は, それぞれの項目を 1∼3点で 点数化して, 評価した (表 6). 唾液湿潤度は, 柿木の基準 を参 に 2.9mm以下 (乾 燥∼低下) を 1点, 3.0∼4.9mm (正常) を 2点, 5.0mm以 上 (豊富) を 3点とし計算した結果, 平 2.4 (±0.82) 点 で, 乾燥傾向の人もいたがおおむね正常から豊富であっ た. 開口量は 29mm以下 (開口障害) を 1点, 30∼39mm (開口量低下) を 2点,40mm以上 (正常) を 3点とした結 果, 1人を除いて全員 3点であった. 口唇閉鎖力はリット レメーターを って測定し, 0.9kg 以下 (低下) を 1点, 1 表3 GOHAI の質問項目 n=34 平 値 標準偏差 1. 口の中の調子が悪いせいで, 食べ物の種類や食べる量を控えることがあったか 4.15 0.86 2. 食べ物をかみ切ったり, かんだりしにくいことがあったか (例 : い肉やリンゴ) 3.50 0.90 3. 食べ物や飲み物が, 楽にすーと飲み込めないことがあったか 4.03 0.97 4. 口の中の調子のせいで, 思い通りにしゃべれないことがあったか 4.18 0.90 5. 口の中の調子のせいで, 楽に食べれないことがあったか 3.79 0.69 6. 口の中の調子のせいで, 人とのかかわりを控えることがあったか 4.76 0.50 7. 口の中の見た目について, 不満に思うことがあったか 3.76 0.99 8. 口や口のまわりの痛みや不快感のために, 薬を うことがあったか 4.82 0.63 9 . 口の中の調子の悪さが気になることがあったか 3.35 1.20 10. 口の中の調子の悪さのせいで, 人目を気にすることがあったか 4.85 0.44 11. 口の中の調子の悪さのせいで, 人前で落ち着いて食べられないことがあったか 4.82 0.45 12. 口の中で, 熱いものや冷たいものや甘いものがしみることがあったか 4.24 0.89 合 計 50.1 5.18 表4 高齢者うつ関連質問 n=34 はい (%) いいえ(%) 毎日の生活の中で, 充実感がないと思う 1 ( 2.9) 33 (97.1) これまで楽しんでやれたことが楽しめない 2 ( 5.9) 32 (94.1) 以前は楽にできたことが今では億劫に感じる 2 ( 5.9) 32 (94.1) 自 は役に立つ人間だと思えない 0 34 (100) わけもなく疲れたような感じがする 6 (17.6) 28 (82.4) 2つ以上で陽性 表2 ADL スコア n=34 90点満点 n (%) 50点台 4 (11.8) 60点台 2 ( 5.9) 70点台 4 (11.8) 80点台 16 (47.0) 90点 8 (23.5) 平 78.53点 SD 12.4

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∼1.4kg を 2点, 1.5kg 以上を 3点としたところ, 平 1.47 (±0.61) 点で, 半数以上 (20人) が 1点であった. 咬 合力測定は 0∼ 9kgfを 1点, 10∼29kgfを 2点, 30kgf以 上を 3点とし, 平 1.59 (±0.66) 点であった. 通常の成 人は 30∼50kgf(両顎天然歯の場合)程度と報告されてい るが, 本調査で 30kgf以上は 3名のみだった. 頰の動きと舌の動きは, 不良」1点, まずまず良好」 2点, 良好」3点とした.頰の動きは「両頰同時」に比べ て「左頰のみ」や「右頰のみ」の点数が低かった. 両頰 同時」「左頰のみ」「右頰のみ」の合計点の平 は 2.17(± 0.77)点であった.舌の動きは「上」の動きの点数が他に 比べて低かった. 上」「下」「左」「右」の合計点の平 は 2.61 (±0.41) 点であった. 以上の唾液湿潤度, 開口量, 口唇閉鎖力, 咬合力, 頰の 動き, 舌の動きの 6項目を 合した口腔機能 合点 (18 点満点) の平 は 13.2 (±2.26) 点であった (表 7). 4)口腔機能と QOL, ADL, うつとの関連 口腔機能 合点と口腔関連 QOL, ADL, うつとの関連 を検討した結果, 口腔機能と GOHAI, ADL には正の関 連が認められた. すなわち口腔機能が高くなれば, QOL, ADL も高くなる傾向にあった (表 8). 察 1)ADLと QOL 通所施設を利用している 34人に対して調査を行った 結果から, 介護度の幅はあるものの ADL スコアでみる と比較的自立度は高く, 日常生活は自力か, 場合によっ て一部を介助してもらいながら, 通所サービスを利用し, お風呂に入ったり, 皆と話をしたり, 食事を楽しんでい る高齢者であると えられた. 口腔関連 QOL (GOHAI) を 合点で評価すると, 2005年の国民標準値 (70∼79 歳) は 50.8 (±8.8) 点であり, 本調査対象者は 50.1 (± 5.18) 点であったことから, ほぼ平 的といえる. GOHAI の質問の中では「食べ物の嚙みにくさ」および 「楽に食べられない」という項目の点数が低かったこと と, 口腔機能の調査の中で咬合力の低い人が多いという 表5 口腔関連補足質問 n=34 はい(%) ふつう(%) いいえ(%) 歌 が 好 き か 15 (44.1) 7 (20.6) 12 (35.3) 会 話 が 好 き か 19 (55.9) 15 (44.1) 0 QOL 毎 日 話 す か 21 (64.7) 11 (32.3) 2 ( 5.9) 食 事 が 楽 し み か 27 (79.4) 7 (20.6) 0 食 欲 あ る か 20 (58.8) 13 (38.2) 1 ( 2.9) 喉 が 渇 く か 9 (26.5) 6 (17.6) 19 (55.9) 口腔機能 むせやすいと思う 4 (11.8) 4 (11.8) 26 (76.4) 口臭があると思う 0 8 (23.5) 26 (76.5) 1日の食事回数 3回/日 1日の歯磨き回数 1.79 回/日 表6 口腔機能スコアの基準 口腔機能項目 1点 2点 3点 唾液湿潤度 2.9mm以下 3.0∼4.9mm 5.0mm以上 開 口 度 29mm以下 30∼39mm 40mm以上 口唇閉鎖力 0.9kg 以下 1∼1.4kg 1.5kg 以上 咬 合 力 9.0kgf以下 10∼29kgf 30kgf以上 頰 の 動 き (両頰, 左, 右) 不良 まずまず良好 良好 舌 の 動 き (上, 下, 左, 右) 不良 まずまず良好 良好 柿木の基準を参 頰の動きと舌の動きは歯科医師による判定 表7 口腔機能調査 n=34 項目 (満点) 平 値 標準偏差 口腔機能 合点 (18) 13.2 2.26 (内訳) 唾液湿潤度 (3) 2.41 0.82 開口度 (3) 2.94 0.34 口唇閉鎖力 (3) 1.47 0.61 咬合力 (3) 1.59 0.66 頰の動き (3) 2.17 0.77 舌の動き (3) 2.61 0.41 内訳 6項目の合計 両頰, 右頰, 左頰の平 上, 下, 右, 左の平 表8 口腔機能 (6項目の合計の平 ) との関連 R P値 GOHAI 0.397 0.020 ADL 0.357 0.038 うつ −0.021 0.905 <0.05

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結果を合わせて 察すると, 対象者の食事形態が対象者 の口腔の状態に適していない可能性が示唆された. 金子 も述べているように, 高齢者施設において, どのような 形態の食事をどのような食べ方で摂取しているのか, 今 後詳しく調査する必要がある. 補足質問の中でほとんどの人が「話が好き」で「毎日 話す」と答えていた.このことは GOHAI で「口の調子の せいで思い通りにしゃべれない」 口の調子のせいで人 とのかかわりを控える」という項目の点数が高かったこ とと合致している. つまり今回の調査対象者は人と話す ことが好きで, それがよくできていると えられる. 今 回の調査では同居家族「なし」という答えが 20%いたが, たとえ同居の家族がいなくて家で会話をすることがなく ても, 通所サービスを利用することで, 話し相手を見つ け, 気晴らしや孤立感を緩和させることができ, さらに 口を動かす機会が増えることによって口腔機能低下防止 効果も期待できる. それが金子や大岡が指摘しているよ うに QOL を高める一因にもなると えられる. また 「歌が好きか」で「はい」と答えた割合は半数以下であっ た. 高齢者施設では, 歌を用いた発声訓練やアクティビ ティが多く取り入れられているが, 参加者の嗜好調査も 時には必要かもしれない. 2)口腔機能調査と QOL 口腔機能調査は, 対象者の負担や時間的制限の中で, 最低限の項目に って実施したことから, 一側面からの 評価になった懸念がある. 特に嚥下に関する項目は, GOHAI の「楽に飲み込めないことがあったか」と補足質 問の「むせやすいと思うか」の聞き取りによる主観的調 査しか行わなかった. 飲み込みにくさやむせを自覚する 人は少なかったが, 客観的な測定を行えなかったため, 評価は難しい.森田 らは「嚥下機能が良好な者は,食事 が自立し, ベッドや布団以外の場所で食事を行ない, 普 通食の摂取が可能である」と報告しており,また,高齢者 の運動機能と嚥下機能は密接な関係があることはすでに 報告がなされている. 今後, 嚥下機能の客観的評価を行 い, その維持向上を図ることは高齢者の自立に重要なこ とだと える. 口腔機能を点数化した結果, 平 13.2点は最高点 (18 点) の 7割強の水準に達していた. 点数化の基準の妥当 性等について検討していないため, この値で口腔機能の 良否の判断は難しいが, 口腔機能 合点が高ければ高い ほど GOHAI や ADL の値が高いという結果が出ている ことから, 口腔機能の向上を図ることが QOL, ADL の 向上に結びつくものと えられた. 特に点数の低かった 口唇閉鎖力や咬合力は, 捕食や咀嚼といった食事を安全 に摂取するために欠かせないものであるから, その機能 の維持向上への働きかけが重要である. また, 前述のよ うに咬合力は GOHAI の咀嚼に関する点数の低さと一 致し, 思うように嚙めないことが QOL の低下に繫がる 可能性が示唆された. 口腔機能を高めることは, ADL や QOL の確保につながり,高齢者にとって楽しみである食 事を美味しく安全に食べ, 皆と円滑に会話をする機能を 保障することになる. 3) 口臭と歯磨き 楽しく会話するために重要なことのひとつに「口臭」 の問題がある. 本調査では本人が口臭を自覚している 人は少なかったが, 歯科医師の判定によると約 3割の人 に「口臭がある (強くありを含む)」という結果だった. 臭い」は鈍磨しやすい感覚であり,自 で認識しにくい といわれている. 他人の口臭を指摘することは親しい 仲でも難しいことであり, かといって放置しておけば, 楽しい会話や人間関係に支障をきたしかねない. 口腔内 の衛生状態や虫歯の治療状況が口臭の原因になることは 明らかであり, 本調査の対象者は 1日平 の歯磨き回数 が 1.76回で, 1日に 2回以上磨く人は 64.7%だった. こ の数値は 2005年の歯ブラシの 用状況調査 と照らし 合わせてみると, 同じ年代の結果とほぼ同値かやや高い 値であり, 歯磨き回数だけをみた場合平 的といえる. 本調査の対象者は歯磨きを自 で行えることが選定条件 であるから, 皆磨けるはずであるが, その磨き方や衛生 状態について詳しい調査が必要である. また, 通所施設 および在宅高齢者の歯科 診の受診率や歯科治療の受療 率について把握する必要もあろう. 口臭を予防するため には, 口腔内を清潔にすることや虫歯や歯周病の治療を 行うことはもちろんであるが, 唾液の 泌を促すことや 舌や頰の動きを活発にすることも重要であり, 口腔機能 を高める取り組みが大切である. そのために自ら参加で きる口腔関連のプログラム作成とその効果について検証 することが求められる. 謝 辞 本研究にご協力くださいました, 介護通所施設利用者 および職員の皆様に深く感謝申し上げます. なお, 本研 究は社団法人至誠会岡本糸枝学術助成金の援助を受けて 実施しました. 文 献 1. 植田耕一郎 : 口腔機能の向上マニュアル. 厚生労働省口 腔機能の向上についての研究班報告書. 2006.3 2. 高橋美砂子,橋本由利子.群馬県内の介護通所施設におけ る口腔ケア取り組みの実態調査. 桐生大学紀要 2008; 19 : 79-82. 3. 内藤真理子, 鈴鴨よしみ, 中山 夫ら :口腔関連 QOL 尺 度 開 発 に 関 す る 予 備 的 検 討―General Oral Health Assessment Index (GOHAI) 日本語版の作成―日本口腔

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衛生学会誌 2004; 54 :110-114. 4. 藤澤大介 :高齢者のうつ病. 大野 裕 (編) 第 2章 高 齢者のうつ病の診断. 東京 :金子書房, 2006; 21-27. 5. 厚生統計協会. 厚生の指標 臨時増刊 国民衛生の動向. 2008; 117-119. 6. 柿木保明 : 唾液 泌検査の新しい試み, ドライマウスの 臨床. 斉藤一郎監修. 東京 : 医歯薬出版, 2007; 90-94. 7. 岩舩素子, 五十嵐直子, 河野正司ら. 義歯の装着と咬合力 および嚙める食品との関係. 新潟歯学会誌 2004; 34 (2): 213-218. 8. 金子みどり : 特集食コミュニケーションにおける歯科の 役割 高齢者が楽しく食べるためのコミュニケーション の取り方. 厚生科学研究所 GPnet 2008; 55-56: 24-31. 9. 大岡貴 , 拝野俊之, 弘中祥司ら. 日常的に行う口腔機能 訓練による高齢者の口腔機能向上への効果. 口腔衛生会 誌 2008; 58: 88-94. 10. 森田一三, 中垣晴男, 熊谷法子ら. 日帰り介護施設 (デイ サービスセンター) の利用者の生活食事状況と嚥下機能 の関係. 日本 衆衛生雑誌 2003; 50(5): 456-459. 11. 是枝祥子, 岡田弥生 : 高齢期の口腔ケア その人らしさ を支える新しい支援のあり方. 東京 : 一橋出版, 2007. 12. 歯科疾患実態調査報告解析検討委員会編. 解説平成 17 年 歯 科 疾 患 実 態 調 査. 東 京 : 口 腔 保 協 会 2007: 117-119.

Effect of the Oral Functional Exercise

in Day-Care Center Users (1)

Baseline Study on Oral Function and QOL

Misako Takahashi

and Yuriko Hashimoto

1 School of Health Care, Kiryu University

2 School of Social Welfare, Tokyo University of Social Welfare

Purpose: We studied the effect of exercise for improving oral function in elderly users of day-care centers. This is the baseline study. M ethods: Subjects were 34 users of day-care centers(average age: 79.7 (±8.9)years old). They were able to brush their teeth by themselves. We interviewed them about activities of daily living (ADL) and general oral health assessment index (GOHAI) score. We also examined teeth number,dentures,and oral function. Result : Their average number of teeth were 10.85 (±9.8). Their total scores of ADL and GOHAI were almost normal. Items rated low GOHAI score were difficulty of chewing and difficulty of eating. Oral function was related to ADL and GOHAI. Conclusion : It is important for elderly to enjoy eating food safely,talking with friends,and building the smooth human relationships. Exercise to improve oral function seems necessary.(Kitakanto Med J 2009;59:241∼246)

Key Words: Improvement of oral function,Activities of daily living (ADL),General oral health assessment index (GOHAI), Day-care center users

参照

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名称 施設数 施設場所 コンセプト

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既存の精神障害者通所施設の適応は、摂食障害者の繊細な感受性と病理の複雑さから通 所を継続することが難しくなることが多く、

□一時保護の利用が年間延べ 50 日以上の施設 (53.6%). □一時保護の利用が年間延べ 400 日以上の施設

3 指定障害福祉サービス事業者は、利用者の人権の

内科検診(入所利用者)尿検査 寝具衣類の日光消毒 ハチ、アリの発生に注意 感冒予防(全利用者、職員)

都立赤羽商業高等学校 避難所施設利用に関する協定 都立王子特別支援学校 避難所施設利用に関する協定 都立桐ケ丘高等学校

性能  機能確認  容量確認  容量及び所定の動作について確 認する。 .