地域営農支援ツールとしてのGIS解析機能の検討
孫麗亜
(琉球大学農学部)
営農においては様々な情報が必要であり,正
確な,情報とそれに基づいた作業によって,高品
質な農産物を作ることができる.これによって
農家の生産意欲は増大し,さらに情報が集まる
ようになり好循環ループが形成され.逆に,そ
うではない場合には品質が低下し,生産意欲は
減退し,悪い循環ループが形成される.好循環
ループを作るためにはデータをどのように集め,
解析するかが課題になる.地域営農支援ツール
としてGISが,NIRデータ,気象データなど
多様なデータをもっと役にたつ情報に変換し,
農産物の生産・営農あるいは行政支援における
情報提供の役割を担う方法を模索した.
(3)高度な分析機能の検討
データベースとGISのリンクだけでなく,
各種の研究結果に基づいた分析機能を付け加え
ることが重要である.一例として,GAを用い
てサトウキビの収穫順序を最適化し,その結果
のマッピングを行った.またNIRで測定した
蕨汁中のKMg,Pの濃度から土壌中の各濃
度を推定し,土壌診断基準を利用して,肥料の
成分別に施用量を検討し,一筆ごとにマッピン
グした.これによって必要な肥料を必要量だけ
施用でき,コストの低減や環境負荷低減に役立
てることができる.
(4)マッピングと現地調査との綿密な連携
生産現場にある問題に対して,マッピングと
それに基づく農家や圃場の現地調査,聞き取り
を緊密に連携させることによって,問題点の明
確化と具体的な対策の検討が可能になる.
(1)GISの基本機能
GISの最も基本的な機能はデータをわかり
やすく表示することである.さらに,年を追っ
て表示すれば地域的な生産構造の特徴も明確に
なり,効果的な対策を検討できる.
(5)一緒に頑張りたい気持ちを農家に伝える
GISを活用した農地診断書(或いは農産物
診断書)を通じて,生産から販売まで相談でき
る相手がそばにいることを農家に伝えることが
でき,農家との一体感が形成される.
(2)抽出・検索機能
GISの抽出・検索機能を使い,目的に合わ
せて特定の圃場や農家を抜き出し,現状を把握
することによって,生産計画・営農指導に効果
的に利用できる.注目した圃場をクリックする
だけで詳細な'情報が表示できる.このような情
報は,分析だけでなく販売戦略や消費者との交
流にも使える.