ALOS を用いた氷河マッピング計画
――アジアユーラシア地域における次世代氷河インベントリの構築および氷河変動の高精度評価――
矢吹裕伯(海洋研究開発機構・地球環境観測研究センター)、浮田甚郎(千葉大学自然科学研究科) The glacier mapping Project using ALOS image
- High-precision next generation glacier inventory over Asia Eurasia region - Hironori YABUKI, Jinro UKITA
1.はじめに
近年、雪氷圏に関して、地球温暖化の影響を示唆する結果が衛星観測より得られている。なかでも2007年2 月に作成されたIPCC第4次報告書により、両極の山岳氷河の縮退が観測事実として挙げられ社会的に注目をあ つめている。しかしその報告書では、地球温暖化の評価を行うための氷河変動の実態把握は、1960年以降包括 的な観測が行われるようになったが、現実的にはいくつかの地域の限定された地域の観測のみでデータが得ら れる範囲は限られているとも述べ氷河に関する基本情報の不足が挙げられている。氷河の基本情報の収集は WGMS(World Glacier monitoring service)やGLIMS(Global Land Ice Measurement from Space)等が精力的に行って いるが、アジアユーラシア地域の氷河に関する情報は、社会的及び政治的制約などの理由できわめて限られて おり、温暖化の影響評価のみならず、海水準の推定においても大きな不確定な要因となっている。本プロジェ クトは基本情報の不足しているアジアユーラシア地域において、ALOS搭載のPRISM、AVNIR-2データを用い て座標、面積、標高に関する高精度な氷河・氷冠・氷河湖のインベントリの作成を目的とする。さらにはPALSAR データより干渉SARを用いて流動推定を行うことを計画している。2.使用センサーと解析方法
本研究計画で用いるセンサーはALOS(Advanced Land Observation System)搭載の PRISM(空間解像度:2.5m)、 AVNIR-2(空間解像度:10m)、PALSAR を用いる。まず PRIMS より DEM を作成し、それを用いて PRISM 画
像のオルソ補正を行う、また同時にAVNIR-2 の可視・近赤外画像をオルソ補正する。これらのオルソ画像及び DEM を用いて氷河分布、氷河面積、氷河標高分布、氷河湖分布の抽出を行う。これらの解析フローチャート を図1 に示す。