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「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策 ~アラスカ・サイエンスフェアの取り組みから学ぶ~

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Academic year: 2021

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(1)Title. 「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策 ∼アラスカ・サ イエンスフェアの取り組みから学ぶ∼. Author(s). 境, 智洋. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第51号: 61-72. Issue Date. 2019-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/11220. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集 -北海道教育大学釧路校研究紀要-第51号(令和元年度) Kushiro Ronshu, - Journal of Hokkaido University of Education at Kushiro - No.51(2019):61-72. 「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策 ~アラスカ・サイエンスフェアの取り組みから学ぶ~ 境 智 洋 北海道教育大学釧路校・授業開発研究室. A Method for Exploratory Learning of "The Period for Integrated Studies" ~ Learning from the activities of the Alaska Science Fair ~ SAKAI Chihiro Department of Class development, Kushiro Campus, Hokkaido University of Education. 要旨:総合的な学習の時間では, 探究的な学習の過程を重視している。探究的な学習を実現するためには探究のプロセス を理解し,学習活動を発展的に繰り返していくことが必要である。そこで,本研究では,アメリカ・フェアバンクスで 児童生徒の探究的な能力の育成に寄与しているサイエンスフェアのシステムとその取り組み方を実地調査から明らかにし た。次に,サイエンスフェアを日本で実施するためのシステム及び研究ボードや探求的な学習で活用できる評価システム を作成した。その結果,探求的な学習を実現するための一方策を明らかにすることができた。. Ⅰ はじめに. 件の制御をすること」や, 「科学的な言葉や概念を的確に.  平成20年告示の小学校学習指導要領解説,総合的な学. 記述すること」,「事象の変化を要因と結び付けて的確に表. 習の時間編(文部科学省,2008)では, 総合的な学習の時. 現すること」に課題が見られた。また,同調査による「総. 間は,教科の枠を超えた横断的・総合的な学習となること. 合的な学習の時間(質問紙調査)」では,「まとめ・表現」. に加えて,探究的な学習となることを目指した。さらに,. に関して課題があると報告されている。さらに,国際調査. 平成29年告示の小学校学習指導要領解説,総合的な学習. TIMSS2015調査の理科の結果(文部科学省,2015a)や. の時間編(文部科学省,2018a)では,探究的な学習の過. PISA2015調査の科学的リテラシー (文部科学省,2015b). 程を一層重視することが明示されている。このように,総. では,日本の児童生徒は科学的探究を評価して計画する. 合的な学習の時間は,探究的な学習を実現するために探究. 能力の平均得点は相対的に低いという。また,PISA2015. のプロセスを明示し,学習活動を発展的に繰り返していく. 調査による「探究を基にした理科の授業に関する生徒の認. ことが重要である。. 識」指標(国立教育政策研究所,2016)では,日本の平均.  この探究的な活動は,日本では理科教育の中で長く取り. 値は小さく,探究を基にした授業であると生徒は認識して. 組まれてきた。とりわけ自由研究(課題研究を含む)は,. いないことがわかる。とりわけ, 「調査についてクラスで. 昭和22年の学習指導要領(試案)(文部科学省,1947)に自. 議論する」 , 「アイディアを調査で確かめるよう求められ. 由研究の項目が設定され,児童生徒の自発的な学習を取り. る」は18カ国中最低であった。このように日本の児童生. 上げている。また,自由研究の実施状況については竹中・. 徒の探究的な学習のプロセスにおける「観察・実験の方法. 戸北(1993),安藤(2007,2011)などの報告がある。近. を考案すること」や, 「クラスで科学的に考察して結論を. 年は,2002年から実施されたスーパーサイエンスハイス. 導くこと」とともに「結果をまとめ表現すること」に課題. クール(文部科学省,2011)や国立研究開発法人・科学技. がみられる。. 術振興機構が進めてきた次世代人材育成事業において,.  一方で,探究的な学習の基礎を支える小中学校の教員. 2008年から事業が開始され2016年度で終了した「中高生. は,自由研究指導技術について指導力に不安を感じる割合. の科学部活動進行プログラム」(2010,科学技術振興機構). が高い(科学技術振興機構,2009)など探究的な学習に. など,国が推進する事業でも自由研究は注目されてきたと. おける指導者側の課題も残っている。このように探究的な. いえる。しかし,その探究的な活動を支える小中学校の現. 学習となることを目指すには,探究のプロセスを児童生徒. 状は,平成24・25年度小学校学習指導要領実施状況調査. に育成するとともに,探究的な学習によって得られた成果. 「理科」(文部科学省,2018b)では, 「比較対象の設定や条. をどのように評価するかなど,指導する立場の課題を検討. - 61 -.

(3) 境 智 洋 していかねばならない。. パークの敷地内にあるシビックセンターで行われる。田中.  そこで,本論文では,PISA2015調査(国立教育政策研. (1997)の報告でも,同じ会場(当時はアラスカランド)で. 究所,2016a)で「探究を基にした理科の授業に関する生. 行われていたことが報告されていることから,会場は20. 徒の認識」指標において高い評価を示したアメリカの学習. 年以上この会場で行われていることになる。. 方法から,ヒントを得ることを目的として,以下の研究目.  サイエンスフェアは1位∼3位までを決めている。ま. 的を定めた。. た学校大会1位のうち優れた研究にはフェアバンクス大. ① アメリカで探究的な学習として取り組む児童生徒の研. 会への招待がされる。フェアバンクス大会も学校大会同. 究の取り組みとその成果を評価するサイエンスフェアの. 様に1位∼3位を決め,優れた研究には,表彰が行われ. 実施方法とその状況を把握する。. る。順位を決めるための評価基準はWeb上に公開されて. ② ①の取り組みを評価し,その取り組みを日本で実施す. い. る(Fairbanks North Star Borough School District,. 2019) 。学校大会の評価基準と,フェアバンクス大会の評. るための方策を明らかにする。  なお,サイエンスフェアについては,詳細な実施状況を. 価基準が公開されているが,大きくは変わらない。以下は. 調査するためにアラスカ州フェアバンクス地区を調査対象. Experiment/Investigation(実験・調査)部門における評. とし,アラスカ大学フェアバンクス校の協力を得て実施し. 価項目である。. た。他州の調査は今後の課題としたい。. ① プロジェクトについての知識 ② 実験の過程の理解とその説明. Ⅱ 調査方法及び調査内容. ③ 結果の理解とその説明. 1.サイエンスフェア・オフィシャルサイト及びハンド. ④ 課題と仮説. ブック等の調査. ⑤ 方法と手順.  サイエンスフェアとは,児童生徒が取り組む自由研究の. ⑥ データや観察記録. 発表と評価を行うイベントである。その内容は,フェアバ. ⑦ 分析,結論. ンクス教育委員会ウェブサイト(https:// www.k12norths. ⑧ 展示方法. tar.org/)のWHAT IS A SCIENCE FAIR?に掲載されてい. ⑨ 保護者の手助け・引用文献等. る(Fairbanks North Star Borough School District, 2019) 。.  それぞれが,3段階の評価基準に分かれ, 「実験の目的. また,取り組み方法につては,サイエンスフェア・ハンド. や仮説は明らかか」, 「方法は適切か」, 「実験は3回以上行っ. ブック(Alan Dick,2013)を参考にした。. たか」,「きちんと文献を引用しているか」などそれぞれの.  サイエンスフェアは, 「Experiment/Investigation(観. 達成によって評価が記載される。⑥では,実験を行う場合. 察・ 調 査 ) 」,「Collection( 収 集 ) 」, 「Scientific Report. は3回以上繰り返すことが示され,実験が1回で結論を出. (科学レポート) 」 , 「Invention(発明) 」, 「Demonstration. すことがないように示している。⑨については,本人が研. of a Scientific Principle(科学の原理を伝える演示)」 ,. 究を進めることを示すことが重要視され,引用文献を示さ. 「Computer Program(original)(コンピュータプログラ. せ,手伝った人が居る場合も誰に手伝ってもらったかを示. ム)」の6つの部門がある。個人単位,家族単位,グルー. すよう求めている。研究そのものに信用を求めていること. プ単位(学級)で参加し, 研究成果を発表するものである。. が伺える。.  アラスカ州観光局オフィシャルサイト(アラスカ州観.  発表用のボードは,市内のショッピングモールや,大学. 光局オフィシャルサイト,2019)では,フェアバンクス. の生協などで市販されている。このボードに発表内容をま. は人口約3万(周辺地域を合わせると約10万)の人々が. とめる。実験道具,観察記録などの資料はボードの前に置. 暮らすアラスカ第2の都市である。フェアバンクス教育. くことになる。また,ボード上の「タイトル」,「導入と目. 委員会(Fairbanks North Star Borough School District. 的」,「仮説」,「材料と方法」,「データと結果」,「結論」な. ,2019) に は, 小 学 校 は14校(K-5:3校,K-6:9校,. ど記載する事項,その配置方法も細かくホームページ等で. K-2:1校,3-6:1校) ,中学校は8校(K-7:3校,K-8:. 公開されている。また,Janice Van Cleave s(2003)など,. 1校,Middle School:4校 ) , 高 校 4 校(High School:. サイエンスフェアに参加するための児童生徒の研究のヒン. 3校,7-12:1校) ,マグネットや選択学校(Magnet and. トやテーマの例を記載した書籍も多く販売されており,取. Schools of Choice)は,チャータースクール5校(K-7:. り組みを進める環境が整っている。. 2校,K-8:1校,7-12:2校) ,学校選択2校(k-8:1校, 9-12:1校),オンライン(ホームスクール)が1校である。. 2.サイエンスフェアに関する実地調査. ホームスクールを除く各学校のウェブサイトから知り得た.  筆者は,2014年から2018年にかけて,フェアバンクス. 情報では,3月にサイエンスフェア・学校大会(会場は. 教育委員会管轄のDenali Elementary(デナリ小学校)に. 各学校)が実施される。さらにその上位大会であるサイエ. 通学する児童の家庭及び,Denali Elementary(デナリ小. ンスフェア・フェアバンクス大会は,3月末にパイオニア. 学校), Pearl Creek Elementary (パールクリーク小学校) ,. - 62 -.

(4) 「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策~アラスカ・サイエンスフェアの取り組みから学ぶ~ Salcha Elementary(サルチャ小学校),Two Rivers(ツー. 轄の学校である。ここにコミュニティの全校児童生徒10. リバー学校),及び内陸アラスカにある小規模校Nikolai. 名が登校している。隣の学校までは50km離れており,児. school(ニコライ学校)に訪問し,サイエンスフェアに. 童生徒は個人での学習や,遠隔によるテレビ授業が行われ. 向けて研究する個人及び学校の取り組み,及びサイエンス. ている。ニコライ学校はサイエンスフェアに参加し,児童. フェア学校大会,フェアバンクス・シビックセンターで行. 生徒が研究に取り組んでいた。全校児童生徒が少ない人数. われるサイエンスフェア・フェアバンクス大会の取り組み. の学校でも,研究に取り組みサイエンスフェアに参加する. を視察した。. ことができる。. (1) 個人研究調査(2014年3月4日). ○ツーリバー学校. 【key:親の協力,観察・実験を助けるシステム】. 【key:野外観察・体験学習から課題を引き出す】.  サイエンスフェア(学校大会)に向けて取り組むDenali.  ツーリバー学校はフェアバンクスから東に直線距離で約. Elementary 4年生B君の家庭を訪問し,B君の母親及. 30kmの所にある小∼中2まで在学する小規模校である。. び,B君本人から聞き取り調査を行った。彼の研究はキャ. 夏は,身近にある池などで野外観察を積極的に行ってい. ベツのクローン体作りである。実験などを記載した本から. る。自然に関わる専門家(動植物に詳しい地域の人材)を. 情報を入手し,実際にキャベツを用いてキャベツのクロー. 外部講師に迎え,様々な観察や森の中で1年を通して児童. ンを作ることを試みている。クローンを作るために,光を. 生徒に活動させている。児童生徒の研究も積極的に取り組. 当てている場合と,当てていない場合の条件をつけて実験. み,学校内掲示物では,研究のまとめ方を取り上げ,研究. を行っている。家庭での実験のため,両親の協力を得なが. の進め方をサポートしている。調査した2015年度,2016. ら行っているという(図1) 。また,B君は研究の取り組. 年度では低中学年は,野外観察から得られた疑問をスター. み方を参考にするためにホームページにアクセスし,記載. トとし,動物を研究テーマにするものが多い。高学年にな. 方法を学びながらボードを作成している。文字をパソコン. ると, 「What make ice melt the fastest(氷を溶かすのは. で打ち出し,貼り付けて作製した。まとめた研究のボード. 何が速い? )」 , 「Dose sight affect taste?(視角は味に影響. は,学校のサイエンスフェアのエントリー用紙と共に主催. するか?)」(図2) , 「Worms help things decay(毛虫が. 者に申し込む。B君は自らが通うDenali Elementary(デ. 物の破壊を助ける)」など,自然をテーマに研究している。. ナリ小学校)に申し込んだ。サイエンスフェアの6つのカ. 2016年度は全学年でサイエンスフェアに向けた研究に取. テゴリーのうち「実験・調査の部」に申し込んでいる。実. り組んでいた。これは,すべての担任の意向によると聞い. 際に行った実験素材も,袋に入れて展示した。2014年3月. た。. 7日に学校に展示されたB君の研究は,図7に示している。. 図2 色と味の関係についてまとめたボード. 図1 家庭で取り組む様子(右がB君) (2) 学校・学級の研究調査. ○デナリ小学校. ・サルチャ小学校 2015年3月28日. 【key:クラスプロジェクトを学級経営の柱に】. ・ニコライ学校 2015年4月21日∼ 4月23日.  フェアバンクス市内のダウンタウンに近い場所にある公. ・ツーリバー学校 2016年2月23日 2016年10月1日. 立小学校である。2016年2月23日に訪問した際は,学級で. ・デナリ小学校 2016年2月23日. 取り組んでいる様子を見学することができた。学級研究. ・パールクリーク小学校 2016年9月30日. テーマは「飲むか飲まないか? 水質検査」であった。テー. ○ニコライ学校. マは学級の中で検討したテーマだという。参観した日は,. 【key:どの学校でも取り組むことができる】. クラスでの発表の練習をしていた。参観者も大学の水,学.  ニコライ学校は,アンカレッジから北西に約300km離. 校の水などを飲み,どの水がおいしいかを聞かれた。 結果,. れた小さなコミュニティである内陸アラスカ教育委員会管. 「おいしい」, 「おいしくない」もデータとして取り込まれ,. - 63 -.

(5) 境 智 洋 さらにブラッシュアップしていくと聞いた。サイエンス. 分がある。プロセスを重視していることが伺える。他のク. フェアに向けて取り組むことが学級の特色であるという。. ラスでも,研究が行われているが,個々人で取り組んでい. ○サルチャ小学校. ると聞いた。学級では,取り組み方法を指導しているよう. 【key:大学と連携, 中学年の継続調査, 高学年の個人研究】. である。.  フェアバンクスの南東約50kmにある,フェアバンクス 学校区の中では一番南の小規模校である。ここでは,シラ カバの木に関する研究が続けられており,毎年,中学年の クラスで取り組んでいる。テーマは, 「苗木の兄弟」で, 兄弟植物は水と光の資源を共有するか,それとも競争する か? ということが疑問で始められている。クラスの子 どもたちが2本のシラカバの苗木(2013年に植えられた苗 木)を観察し,成長を記録して,全員の結果をまとめ,2 本の苗木が共存するか競争するかの結果を導き出そうとし ている。 担任が中学年を受け持つ毎に, 継続した研究を行っ ている。今回は2014年の途中経過をまとめたものである (図3) 。高学年は,個人で研究に取り組んでいる。 図4 探求的な活動を支えるノート作り (3) サイエンスフェア「学校大会」の取り組み調査 ○デナリ小学校サイエンスフェア 2014年3月7日 ○パールクリーク小学校サイエンスフェア 2019年3月21 日  事前に学校に連絡し2014年3月7日にデナリ小学校のサ イエンスフェアジャッジメントの様子を,許可を得て視察 した。サイエンスフェアにエントリーした児童は3月6日 (審査の前日)に搬入する。エントリーは個人だけでなく, クラスやグループでも行われる。その日のうちに,体育館 に机を並べ,その上にボードが展示される(図5) 。 図3 高学年が継続して調査している研究 ○パールクリーク小学校 【key:探求活動を促すノート,継続する探求活動】  フェアバンクスの北にある公立小学校である。ここで は,クラスの研究に取り組む教員に出会うことができた。 Worm(イモムシ)の研究で,学級の中でグループ毎に, 食べるものを変えて比較を行っていた。 「野菜だけを与え る」 , 「果物だけを与える」 , 「やわらかい食物(バナナ・ト マト,オレンジなど)」 , 「大きな野菜(ズッキーニ,キュ ウリ,カボチャなど) 」で比較実験を行っていた。観察 ノートには,1人1人の記録が記載されている。担任の指 導方法は,始めに観察ノートづくりを行うことである(図 4) 。表紙は個人個人でつくらせる。1ページ目から印刷. 図5 デナリ小学校サイエンスフェア. された用紙があり,子どもたちが1枚1枚取って,これを1.  学校は会場を提供するが,サイエンスフェアの運営は,. 冊にまとめる。1頁はTable of Contents と書かせたノー. 基本的に運営はPTAである。ジャッジメント(審査)の日. トである。2頁はWarming up to Wormsと書かれたプリ. (3月7日)は,通常授業が行われており,審査時間が来. ントで,ここにはワームの基本情報を記載させる。3頁. ると,応募した児童は,教室から出て,1人で審査を受け. はset up record sheet で記録方法が書かれている。4頁. る。審査を行うのは,大学教員,高校教員,専門家(たと. はFeeding Record Sheet で基本的な情報を記載させる。. えば,自然保護官や,狩猟などを管轄する機関の職員など). 5頁はWorm Population Count で途中経過を記録させる. で,PTAから委嘱されて,ボランティアで審査員として参. ノートである。授業の中で,ノートにまとめていくことを. 加する。審査は,審査員と児童だけで行われるため,この. 指導する。また,9頁には,科学のプロセスを指導する部. 日は,観察するだけということで撮影許可を得た。審査項. - 64 -.

(6) 「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策~アラスカ・サイエンスフェアの取り組みから学ぶ~ 目に沿って,質問し,その質問に児童が答える中で審査し. り,アラスカの開拓当時が復元されたテーマパークであ. ている。. る。シビックセンターは,アラスカをロシアから購入した 100年目にあたる1967年「アラスカ100年祭」の記念に建 設された木造の円形3階建ての建物である。内部の西側半 分は吹き抜けとなっており,2階の広いギャラリーと1回 のフロアがサイエンスフェアの会場となっている。展示は 1階と2階にカテゴリーに分けて展示されている。図8は 2018年度の展示の様子である(エントリー数は,2018年 度は159になる)。. 図6 個人審査の様子(1児童,1審査員)  審査結果の提示は,審査用紙に従い,1位,2位,3位が 示されるが,その順位は審査の基準を満たしていれば1位 になる絶対評価である。さらに,上位大会(フェアバンク ス大会 Interior District)に進むことの出来る研究には白 いメダルが掲示される。 審査用紙には, 審査の結果と共に, 審査員からアドバイスが記載されている。また,審査用紙 と共に,上位大会への案内状と申し込み用紙が置かれてい る。サイエンスフェアの審査は,3月7日中に行われ,結. 図8 サイエンスフェア・フェアバンクス大会会場. 果はボードに示される (図7) 。サイエンスフェア (3月8日).  サイエンスフェアの会場入り口には,サイエンスフェア. は出展した研究のボードが展示され,校内ではPTAが様々. のために作られたTシャツが並べられたテーブルがあり,. な催しを企画し,デナリ小では,食事や飲み物が振る舞わ. ボランティアが受付をする。Tシャツは購入が可能で,毎. れ,サイエンスフェアにエントリーした児童とその親が結. 年新しいTシャツが作られる。受付の中心は,フェアバン. 果を見に来ている。. クス情報メディアセンターの職員である。またこの吹き抜 け付近には審査員がおり,開館と同時に打ち合わせが行わ れる。 2015年度は,3月26日∼ 29日に行われた。  3月26日14時∼ 19時  プロジェクト(研究)の搬入  3月27日 9時∼ 15時  児童生徒の審査  3月28日 9時∼ 18時  一般公開  3月29日10時∼ 13時  一般公開      13時∼ 14時  表彰式  審査の時間は決められ,予めエントリー者に連絡され ている。審査の時刻については,ボードに貼り付けられ た名刺大のタグがあり,これを見ると学校名,名前,タ. 図7 審査結果の提示. イ ト ル, 部 門 の 種 類(「Experiment/Investigation」,.  2019年3月21日には,パールクリーク小学校のサイエン. 「Collection」,「Scientific Report」,「Invention」,. スフェアジャッジメントを視察した。実施方法はデナリ小. 「Demonstration of a Scientific Principle」,「Computer. 学校同様である。審査はパールクリークの審査用紙に従い. Program(original)」 ) ,学年,審査の時間が記載されてい. 評価が行われた。. る。審査員は,大学の教員,地域の専門家などで,すべて. (4) サイエンスフェア・フェアバンクス大会取り組み調査. ボランティアで行われている。審査は,決められた審査用.  サイエンスフェア・フェアバンクス大会の審査につい. 紙(図9)を使い,用紙の審査項目に従って,児童生徒と. て,2015年3月27日及び2018年3月23日の2回調査を行っ. のインタビューで審査する。審査用紙には,審査から得ら. た。フェアバンクス大会は,3月下旬に市内にあるパイオ. れたコメントを記載する。審査用の用紙は,受付にあり,. ニアパークの敷地内のシビックセンターで行われる。パイ. 審査員は受付で用紙を受け取り,審査を行う。タグに示さ. オニアパークは,ダウンタウンとアラスカ大学の中程にあ. れた時刻になると,審査員がその場所に行き,審査を始め. - 65 -.

(7) 境 智 洋. 図9 審査用紙 る。審査が始まると,個人の場合は,1人の審査員が1人.  調査したB君は,研究がしたいという願いがあり,本か. に対して質問をする。その質問にエントリーした児童生徒. ら題材を選定している。またB君の妹は,1年生であり,. が答える方式である。審査を終えた後,審査用紙を受付に. 6つのカテゴリーのうち,コレクションを選択した。身近. 戻し,すべての審査が終わり次第,事務局は,審査結果を. な種を収集し,それぞれの花とその種をまとめて展示し. 掲示する。. た。子どもの関心を上手く研究につなげている。.  サイエンスフェア最終日は,午後1時から表彰式が行わ. ③ まとめるための見本がネット上に公開されている. れる。スペシャルアワードに選ばれた20賞の個人,団体.  (情報が得やすい環境・地域の協力がある). が招待されている。優れた研究として賞状と,記念品が贈.  B君は,研究の流れをまとめる際,ホームページにアク. られる。. セスし,まとめ方の見本を例に自分の研究ボードをまとめ ている。まとめ方が公開され,だれでも見ることが出来,. Ⅲ 調査結果及び考察. 研究をサポートしているシステムがある。また,サイエン. 1 児童生徒の研究の方法について. スフェアに参加するための研究のテーマや,研究のプロセ. (1) 家庭での取り組み. スに関する講習会が地域で開催される。.  B君の家庭での取り組みを直接調査することができた。. ④ 研究用のボードが共通化されている(ボード統一). さらに学校の訪問時の児童への聞き取りを含めて,基本的.  参加するためのボードが市販されている。. に家庭での取り組みには以下の特色が有る。. (2) 学校・学級での取り組み. ① 親の協力も得て実施している(年齢に合わせた関わり. ニコライ・デナリ・サルチャ・パールクリーク・ツーリバー. 方をする。親の協力は申告制である). 5校の取り組みから以下の傾向をつかむことが出来た。.  研究の方法や,まとめ方を指導する母親の姿を見ること. ① サイエンスフェアへの取り組みは「学級での取り組み. が出来た。審査の際には,親に手伝ってもらったことを伝. (クラスプロジェクト) 」と「個人(グループも含む)で. えることが必要となる。審査用紙に「手伝ってもらったか. の取り組み」に分かれる(参加は強制ではない). どうか」という観点があり,誰に手伝ってもらったかを申.  サイエンスフェアへの参加は基本的に個人での参加であ. 告することが重要であることを教えている。. る。担任の意欲や学校の体制によってクラスで研究する場. ② 年齢に応じた興味からスタートさせる(子ども主体で. 合がある。クラス研究の場合は,担任の指導のもと,問題. ある). 解決的な取り組みの指導がなされ,サイエンスフェアに向. - 66 -.

(8) 「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策~アラスカ・サイエンスフェアの取り組みから学ぶ~ けての取り組みを支えるテキストも充実する。パールク.  審査は審査基準が示され,その審査基準に従って1位∼. リーク小のように,独自のノート作りを行う教員もいる。. 3位までを付けている。また,上位大会へは1位かつ推薦. ② 取り組みは,大学などの研究機関と共同もある(共同. された研究が進むことになる。最終のフェアバンクス大会. 研究も可能である). での最終の審査には,地域のサイエンスに関連する教育関.  サルチャ小の取り組みは,白樺を研究する大学と連携. 係機関,サイエンス関連機関の賞が設けられ,最終日には. し,研究方法を大学と検討しながら進めている。研究機関. 表彰式が行われる。. と子どもたちが連携することは珍しいことではない。また.  しかし,フェアバンクス地区の優れた研究が,その上位. 時期になると,サイエンスフェアの取り組み方を親向け,. 大会へ進むかについては調査することはできなかった。聞. 子ども向けに指導する講習会をメディアセンター等が主催. き取りによると, 「アラスカ州全体のサイエンスフェアに. して行う。. 推薦される」さらに「いくつかの州連合,全米規模のサイ. 2 審査の方法. エンスフェアへ送られる」など,全国規模へのシステムと. (1) サイエンスフェア学校大会の実施方法. なっているという。しかしその全容は本調査ではつかめて. ① 審査は審査委員と個人の1対1で行う. いない。.  審査は,授業時間に行われ,時間を決めて研究ボードが.  サイエンスフェアは,事務局が教育委員会(メディアセ. 展示されている会場に児童が集合する。審査員と向き合. ンター)のサイエンスフェア担当者が主となって行ってい. い,内容についての審査を受ける。. る。サイエンスフェアは,限られた職員で運営するのでは. ② 審査員はPTAからの依頼によって決定する. なく,ボランティアをとおして,地域の人材を活用したシ.  審査員は,校区の有識者で,大学教員,高校教員などが. ステムである。アラスカ・サイエンスフェアは,地域の教. ボランティアで行っている。. 育力を活かして行われている開かれたシステムであり,教. ③ 審査用紙は学校独自のものを用いる. 育委員会などの公的な組織に対し,個人の職や活動をうま.  審査項目はフェアバンクス市内の学校でほぼ同じであ. く調整・統合して実現している取り組みだとわかる。地域. る。審査項目は学校のホームページや,学校から提供され. で支える科学教育のシステムである。. る様々な情報(プリント)などで公開されている。 ④ 審査は1位∼3位及び上位大会進出を決める. Ⅳ フェアバンクスの取り組みを参考に,探求的な学習の.  1位∼3位は審査員が決め,審査項目の内容によって決. 方法を北海道に導入するための方策. めている。上位大会進出は1位の中で選出している。.  フェアバンクスの児童生徒の研究は,学校,地域,家庭. ⑤ 運営はすべてPTAが行う. の協力を得ながら1年,または1年以上継続して行われる. 学校は会場の提供である。そのため教員は通常授業を行っ. ものもある。この中で,問題を解決する探求的な活動を繰. ている。. り返し行い,問題を解決するプロセスを着実に学んでい. (2) フェアバンクス大会の実施方法. る。その結果,児童生徒は自分の研究として,サイエンス. ① 学校大会の上位大会がフェアバンクス大会である. フェアで自信を持って研究発表を行う姿がある。.  フェアバンクス大会で見てみると,個人やグループ,ク.  筆者は,日本の探究的な学習のプロセスにおける課題で. ラスで取り組んだプロジェクトは,学校大会の上に,教育. ある「観察・実験の方法を考案すること」,「科学的に考察. 委員会管轄の大会と2段階の流れとなっていることがわか. して結論を導くこと」,「結果をまとめ表現すること」など. る。エントリーする児童生徒は学校が主体となっている. を解決していく1つの試みとして,フェアバンクスで行わ. が, 中にはホームスクールの児童生徒もいる。 ホームスクー. れている一連のサイエンスフェアの取り組みが有効である. ルとは,学校に通わず,家庭で資格を得た家族や親類が子. と考える。ここでは,フェアバンクスでの取り組みの要素. どもたちに教育するシステムである。このホームスクール. を抽出し,総合的な学習の中の探求的な学習の中で取り上. で学ぶ児童生徒は,上位大会であるフェアバンクス大会で. げることで,日本の児童生徒の問題解決能力の育成につな. 発表する機会を得ることができる。. がると考える。以下は,筆者の一方策である。. ② 運営の主体は教育委員会とボランティアである. 1 探究を支えるシステム作り.  サイエンスフェア・フェアバンクス大会の運営は,教育. (1) 探求的な学習は探求のプロセスを指導する. 委員会が主体となる。フェアバンクス大会では,メディア.  児童の研究(以降:ジュニア研究)を探求のプロセスに. センター(図書館やサイエンスキット等の教材保管場所). 沿って研究できるようにするため,研究のまとめ方を記載. の中にサイエンスフェアの担当者が勤務している。当日の. したマニュアル( 「やってみようジュニア研究」)を作成. 運営や審査は,ほとんどがボランティアで行われており,. し,公開する(別添資料1) 。自由研究は,多くの学校で. 審査員は大学の教員や地域の科学の専門家が担当する。. は,夏休みの工作,絵画などを含めた用語として使われて. ③ サイエンスフェアの審査基準は公表され,学校と連携. いる。ここでは,探求的な学習の一環として行うことを目. されている. 的としてジュニア研究と名付けた。. - 67 -.

(9) 境 智 洋 (2) 研究発表の評価項目を示す. と追究する姿勢を大切にする。その関わり方は,児童の学.  ジュニア研究の評価表を作成し,学習の達成度を表を用. 齢や能力に応じて行う。また,参考にした実験や観察があ. いて測定する評価方法(ルーブリック)として示す(別. る場合,人に手伝ってもらった場合は,参考文献や,どこ. 添資料2)。ルーブリック評価は,フェアバンクス教育委. まで手伝ってもらったのかを記載させる。. 員会ホームページで公開されている評価表(Fairbanks. (4) 実験の結果,観察の結果はありのままを記載させる. North Star Borough School District ,2019),.  仮説に沿って観察,実験を行う。その際,成功しない場. 及. び. Dannelle D.Stevens(2014)を参考に作成した。. 合(結果を見いだせない場合)は成功しないこと(見出せ. (3) 研究ボードを日本版で製作する. ないこと)を記載させる。その際は成功しなかったこと (見.  研究ボードは,A4の用紙が横に4枚,縦に4枚貼れる. いだせなかったこと)について考察させる。. A1版の大きさである。段ボールの厚さは5mmで片面は,. (5) 研究ボードのまとめ方に合わせてまとめさせる. 白い用紙とする。北海道釧路市 王子マテリアル(株)に製.  「やってみようジュニア研究」に沿って研究ボード1枚. 作を依頼し,試作品を作り上げた(図10) 。. にまとめていく。1枚にまとめる際は,直接研究ボードに. (4) 探究をさせるためのホームページの作成. 書かせず,紙になどに書かせて貼るとよい。途中で内容が.  児童生徒が研究をまとめる際に参考にできるよう研究の. 変わってきた場合は,剥がして新しい内容を新たに書いて. まとめ方,評価等を記載したホームページを作成し,公開. 貼ることができる。補足資料として,観察・実験のノート. する。ホームページ(http://cs.kus.hokkyodai.ac.jp/). を提示させてもよい。 . 上に「やってみようジュニア研究」のページを作成する。. 3 研究の評価と場面 (1) 評価表(別添資料2)に沿って,児童生徒の研究を評 価する  発表の様子や,発表者の質問等を行い,評価表に記載す る。結果ではなく,プロセスを含めた評価とする。サイエ ンスフェアは,1対1の評価であるが,日本での今までの 研究発表の実施方法を鑑み,多くの人に評価表を記載して もらう方法でもよい。 (2) 個人やグループの研究を発表出来る環境をつくる  発表の時間を確保し,児童生徒に研究のプロセスに沿っ た発表を促す。発表方法は様々であるが,できる限り,質 問や議論ができる環境であることで,評価表に沿った評価 がしやすい。 Ⅴ おわりに. 図10 実験ボード(試作版) 2 授業でジュニア研究を行う際のプロセス.  本研究では,アメリカで探究的な学習活動とその発表,. (1) 自然事象との出会いの時間を十分に確保する. 評価の場であるサイエンスフェアの実施方法とその状況を.  自然事象との出会いの時間を十分に確保する。たとえ. 把握した。結果,児童生徒の探究的な学習を行うために家. ば,身近な公園,身近な川や海,身近な野原,山などに行. 庭,学校,地域,教育委員会の連携や分担がなされている. き,様々な自然とふれあう活動,自然の中にある素材を用. こと,児童生徒の探求活動を支えるホームページの充実. いて遊ぶ時間を確保する。その後,その活動,自然事象と. や,資料の充実がなされていること,さらに,学校,上位. の出会いの中で疑問を見いだし,そこから課題を引き出す. 大会と研究を評価するシステムがあり,そのシステムを支. 時間を設ける。理科の学習や,学校宿泊行事等をスタート. えるためのボランティアと組織の存在が明らかとなった。. にする等,教科との連携も視野に入れる。.  次に,フェアバンクスの取り組みから,探求を支えるシ. (2) 研究のまとめ方に沿った研究を促す. ステム,授業のプロセス,及び評価方法を明らかにした。.  研究のまとめ方「やってみようジュニア研究」にある探. 結果,2017年より,北海道標茶町立標茶小学校5学年に. 求のプロセスに沿って研究を進めさせる。繰り返し実施す. よるジュニア研究と,その発表,評価の場である湿原サイ. る事で探求的な学習方法を身につけさせる。また,研究の. エンスフェアが,試行的に始まった(図11) 。また釧路市. プロセスに沿ってノート(観察・実験ノート)をまとめさ. 内小学校で総合的な学習の時間の取り組みでジュニア研究. せてもよい。. が始まっている。さらに,帯広市内小学校2校,鹿追町内. (3) ジュニア研究は児童生徒自身で行う. 小学校1校などで,河川を題材としたジュニア研究も始.  結果を評価するのではなく,探求のプロセスを評価す. まっている。. る。そのため教師は指導するのではなく,一緒に児童生徒.  今後,ジュニア研究を取り入れた学校の児童生徒が,こ. - 68 -.

(10) 「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策~アラスカ・サイエンスフェアの取り組みから学ぶ~ の取り組みを通して,どのような成果をもたらせているか. アラスカ州観光局オフィシャルサイト,2019.2.1閲覧, http://www.travelalaska.jp/. を数値的に検証することである。 今後, 分析方法を検討し, 分析を進めていきたい。また,フェアバンクスサイエンス. 安藤秀俊(2007)「理科教育における自由研究の再考−川. フェア同様に, 学校大会, 市町村大会など上位大会を作り,. 崎市における取り組みを例とした科学コンテストとして. サイエンスフェアの普及を図ることが今後の課題である。. の今日的な意義と役割 安藤秀俊(2011) 「理科の自由研究の意義と現状」,理科 の教育,第60巻,第7号,411-443 科学技術振興機構(2009)「小学校理科教育実態調査及び中 学校理科教師実態調査に関する報告書(改訂版) 科学技術振興機構(2010)「中高生の科学部活動振興プロ グラム」  Retrieved from https://www. jst.go.jp/cpse/ kagakubu/index.html(最終閲覧日 2019.5.1) 国立教育政策研究所(2016)  「生きるための知識と技能 6,OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2015年調査 国際結果報告書」 竹中正仁・戸北凱惟(1993)「夏休みの理科自由研究の現状 に関する研究(1)−児童・生徒,小・中学校教諭,父 母に対する調査を通して−,日本科学教育学会第17回 年会論文集,205-206 田中実(1997),アラスカ州フェアバンクスでのサイエン. 図11 湿原サイエンスフェアの様子. スフェアと学校における科学教育カリキュラムの特徴, 謝辞. 北海道教育学会釧路研究大会発表資料..  本研究は,科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成. 文 部 科 学 省(1947)「 学 習 指 導 要 領 一 般 編( 試 案 )」. 金)基盤研究C課題番号16KO4736「へき地小規模校にお. Retrieved from https://www.nier.go.jp/guideline/( 最. ける児童の問題解決能力育成を図るためのシステムについ. 終閲覧日 2019.5.1). ての研究」(研究代表 境 智洋)を使用して行ったもの. 文部科学省(2008)「小学校学習指導要領解説,総合的な学 習の時間編」,東洋館出版社. である。本研究を進めるにあたって,アラスカ大学フェア バンクス校,村上千智様,デビッド・ヘンリー様には,フェ. 文部科学省(2011)「スーパーサイエンスハイスクール」. アバンクス調査において協力を頂いた。公益財団法人北海. Retrieved from http://www.mext.go.jp/a_menu/ jinzai/. 道環境財団環境教育推進課,山本泰志様,安田智子様には. gakkou/1309941.htm(最終閲覧日 2019.5.1). 標茶町を含めた釧路管内の研究発表に向けてお力添えを頂. 文 部 科 学 省(2015a)「IEA国 際 数 学・ 理 科 教 育 動 向 調 査. いた。また,湿原学習のための学校支援ワーキングの環境. (TIMSS2015)のポイント」Retrieved from https://www.. 省釧路自然環境事務所の自然保護官,釧路管内市町村教育. nier.go.jp/timss/2015/point.pdf (最終閲覧日 2019.5.1). 委員会指導室長,係長,周辺小学校の方々には,ジュニア. 文 部 科 学 省(2015b)「OECD生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査. 研究を実施するにあたり,様々なご助言を頂いた。心より. (PISA2015)のポイント」  Retrieved from https://www.. 感謝申し上げる。. nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2015/01_point.pdf( 最 終 閲 覧日 2019.5.1). 参考文献. 文部科学省(2018a)「小学校学習指導要領(平成29年告示). Alan Dick(2013) COSEE Science Fair Handbook,Alaska Center for Ocean Sciences Education Excellence,. 解説,総合的な学習の時間編」,東洋館出版社 文部科学省(2018b)「平成24・25年度小学校学習指導要. Alaska Native Knowledge Network.. 領 実 施 状 況 調 査  結 果 の ポ イ ン ト 」  Retrieved from. Dannelle D.Stevens,Antonia J.Levi(2014) 佐藤浩章監訳 「大学教員のためのルーブリック評価入門」 ,玉川大学 出版部 Fairbanks North Star Borough School District(20182019),School Options 2019.2.1閲覧,https://www. k12 northstar.org/Page/7566 Janice Van Cleave s(2003) Awesome magical bizarre & incredible Experiments, John Wiley & sons, inc,. - 69 -. http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shido_h24/01h24_25/ h24_25csr_point.pdf (最終閲覧日 2019.5.1).

(11) 境 智 洋. 資料1. けんぱつ. 研究発表ボード(研発ボード)の作り方 2019.5.31 C.sakai. Ⅰ. 用紙. 研究発表ボードを使います。 この1枚にまとめます。 縦 841×1188mm(A0版)を横にしたもの。横は両端から 297mm の位置に折り目が入り,観音開きになっています。 。. Ⅱ. 研究の方法と研発ボードの作り方. (1)使い方 直接,研発ボードにマジックやペンで書いたり,コピー用紙や色画用紙等に書いた物を貼っても良いで しょう。何度も書き直し,研究を深めて行きたいときは,貼り直しながら作ることもできます。. (2)研究の進め方と研究ボードの書き方 1:タイトル(題名) タイトルは,研究の内容をわかりやすく短く書きます。タイトルは,普通は,ポスターの一番上に書き ます。その下に,学年・組・名前を書くと良いでしょう。 - 70 -.

(12) 「総合的な学習の時間」の探究的な学習のための一方策~アラスカ・サイエンスフェアの取り組みから学ぶ~. 2:はじめに けんきゅう. はいけい. はじめには,研 究 の背景とも言われます。ここでは,この研究をなぜ行おうとしたのか,そして何を やろうとしているのか,何をしようとしているのか,研究の目的を書きます。 か せ つ. よ そ う. 3:仮説・予想 あなたのこの研究の仮説や予想を書いてください。私は「こうなっているはずです」 「こうなると思い かんさつ. じっけん. け っ か. ます」 「こうかもしれない」など,観察や実験の結果,このような事になるということを書いてください。 観察や実験は,この仮説や予想を確かめていきます。 じゅんび. ほうほう. 4:準備と方法 ざいりょう. 準備とは,研究で使った材 料 を書き出します。 じっけん. てじゅん. 方法とは,実験の手順を書きます。 とちゅう. の. このとき,研究の途中で撮影した写真や,説明するために必要な図も載せるとよいでしょう。. 5:データと結果(図や写真も使います) す う ち. データは,研究の時に得ることができた数や,数値のことです。このデータは,グラフや表にするとよ け っ か. いでしょう。結果はデータからどんなことがわかったのかを説明します。 ここでは研究している人の研究テーマにあった写真,研究の様子,研究の結果をグラフなどで表した ものを含めます。 けつろん. 6:結論 結論は仮説・予想に対してどうだったのかを説明します。 仮説や予想に対する結論は,どうなりましたか? 結果は仮説に対してどうでしたか? こうさつ. 7:考察 考察は結論からどんなことがわかるのかを説明します。 仮説や予想に対する結論は,どうなりましたか?そのことから,あなたは,実験から何がわかりました か? 感想は個人の考えです。感想よりも,考察をすることが大切です。 さんこう ぶんけん. 8:参考文献 参考にした本は何ですか。文を作るときに,本の文章をそのまま載せていませんか。その場合は,本の 名前,本を書いた人を書く必要があります。参考にしたホームページは何ですか? そのままコピーし ていませんか? 参考にしたときは,ホームページを作った人や説明を書いたと,アドレスを書く必要 があります。そのときは,ポスターの下に小さく書き出します。描き方は,本の作者〔ホームページを作 った人や会社・団体〕,本の名前(ホームページの題名),いつ作られたもの(年)又はホームページをい つ見たのか(年・月・日)は最低書きましょう。人に聞いた場合,助けてもらった場合は,聞いた人,助 けた人がだれなのかを書いておきましょう。 け い じ. (3)掲示の方法 研究のときに記録した の. 様々なデータを載 せたノ ートや,実験の道具,発表 そ ざ い. ど う ぐ. に必要な素材や道具は,下 の図のように研発ボード の前に置きます。. やってみよう. - 71 -.

(13) 境 智 洋. 【資料2】 口頭で説明させた時の評価 1. 内容についての知識 2. 手順の理解や説明 3.結果の理解や説明 展示物(ポスター)の評価 1. 課題/仮説 ※研究の目的がはっきりしているか? ※研究の仮説をたてているか?. 2. 方法/手順 ※研究の方法が説明されているか? ※観察・実験の手順が説明されているか?. 3 .データまたは観察記録 ※研究のデータをとっているか? ※研究をほかの人に理解してももらうため に、適切な画像や図、グラフを使ってい るか?. 4.分析/結論 ※研究の目的と結果が一致するか? ※研究の仮説を検証しているか?. 5.展示 ※研究の内容が本人が行ったものか? ※研究がわかるポスターになっているか?. 支援/引用について ※調べている内容が多くの文献や資料を使 っているか? ※参考にした内容について誰(どの本)が 言っているかを明らかにしているか?. 結果が示されている。 課題・仮説にいくつか言及されてい る。 文書作成は、ほとんど本人が行った。 きちんとしていて、魅力的に展示さ れている。 いくつか謝った情報源をあげてい る。 引用した部分のいくつかを答えられ る。. わかりやすく十分である。 いくつか記述した観察記録や実験ノ ートがある。 いくつか写真や図、グラフや絵が含 まれている。. よく説明されている。 おおよそ仮説を検証している。 条件が制御されていない。 実験は 2 回行い検証している。. はっきりしている。 仮説は課題にほぼ関連している。. ジュニア研究の評価表 A(大変すぐれている) B 評価(よい) 研究の内容が幅広い。研究の内容が 研究の内容が良い。研究の内容が理 理解されているだけでなく、研究に 解されている。 関連した内容もよく理解している。 自分の研究を大変よく理解してい 自分の研究を理解している。観察・ る。観察・実験の方法や手順をはっ 実験の方法や手順を説明することが きりと説明することができる。 できる。 すぐれた理解がされている。はっき 理解がされている。説明することが りと説明することができる。 できる。 大変はっきりしている。 仮説がしっかり立てられている。 大変よく,はっきり説明されている (くりかえし検証されている)。 仮説を検証している。 適切に条件が制御されている。 実験は少なくとも 3 回行い検証して いる。 非常にわかりやすく十分である。 正確な記述した観察記録や実験ノー ト(実験の記録があるメモやノート) がある。 役に立つ写真や図、グラフや絵が含 まれている。 結果が明らかである。 課題・仮説がそって検証されてい る。 文書作成は、本人が行っている。 非常にきちんとし、組織化されて、魅 力的に展示されている。 研究のために少なくとも 3 つ以上の 情報源(本など)を正しくあげられて いる。 引用をした部分を明らかにしてい る。. C 評価(がんばりが必要) 研究の内容がもう一歩。研究の内容 が絞られていない。. 自分の研究の理解がもう一歩。観 察・実験の方法や手順を説明が少し たりない。 理解がもう一歩。説明がもう一歩。. はっきりしない。 仮説が立てられていない。 仮説の立て方がもう一歩である。 説明がもう一歩である。 仮説(あるとしても)をしっかり検 証していない。 条件が制御されていない。 実験の検証は 1 回しか行っていな い。 わかりにくい。 観察記録や実験ノートがない。 写真や図、グラフ、絵がないか、正 確ではない。. 結果が示されていない。 課題・仮説に言及されていない。. 文書作成はインターネットなどから 引用している。 見づらい、やや雑な展示である。 情報源をあげられない。 引用した部分を答えられない。. - 72 -.

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参照

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