北海道東部,標津町における「サケ学習」プログラムの開発(I) : カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州の「サケ学習」から学ぶ
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(2) No.54. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発(Ⅰ). 1999.12. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発(Ⅰ) 岬カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州の「サケ学習」から学ぷ− 野 呂 幸 生. 高 嶋 幸 男. (北海道教育大学大学院教育学研究科修士課程,薫別小中学校)(北海道教育大学釧路校). 小宮山 英 重 (標津サーモン科学館). Development of“Salmon Studies’’Programin Shibetsu,East Hokkaido(Ⅰ) −Learn from‘‘Salmon Studies’’in British Columbia,Canada− NORO,Sachio TAKASHIMA,Yukio and KOMIYAMA,Eishige. 1 カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州「サケ学. はじめに. 習」カリキュラム・リソース教材の内容と特徴. 筆者らは、これまで北海道根室管内の水産教育におけ. る「サケ学習」の歴史と現状について考察してき た(=2日). (1).「サケ学習カリキュラム・リソース教材」作成の経緯. 。その中で、近年の「サケ学習」が環境教育と. 1977年、連邦政府の水産海洋省と州の環境省は、BC. いう新たな方向性の中で、そのカリキュラムと内容・方. 州のサケ科魚類を増大させることを目的に、何百万ドル. 法の模索的段階にあることを明らかにしてきた。. もの費用のもと、サケ科魚類増殖プログラム(SEP). 昨1998年3月15日、「水産教育」「サケ学習」を推進し. の一環として「サケ学習カリキュラム・リソ鵬ス教材」. ている根室管内標津町において、カナダの「サケ学習」. の開発を開始した。基金は、サケ科魚類の資源とその減. 推進地ブリティッシュ・コロンビア州(以下BC州と略. 少理由、生産性改善の施策について、情報提供とその教. す)バ}ノン市の小学校教員・生徒・親との「サケ学習」. 育にあてられた。SEPは、その目標の中で、BC州の. 実践交流を目的としたシンポジウムが開催され(‘98. 市民特に学校の子どもたちを巻き込むことの重要性を強. Salmon Symposiumin Shibetsu)、カナダの「サケ. 調し、学習者がもっと多くの知識をもてばもつほど、サ. 学習」および「環境教育」「総合学習」の実際を知る機. ケの保護に関ノ仁一、と関わりをもつと考えたのである16)。つ. 会となった。そこであらためて認識させられたことは、. まり、『教室の中のサケ科魚類(Primary)』の構成要. 小中学校で有効に活用されうる体系的な「サケ学習」カ. 素は、子どもたちに①科学的知識に基づくスキルの多く. リキュラムおよびその学習教材・学習方法の重要性で. を使ったり、②サケ科魚類の学習に関する特別な知識を. あった。その教育・学習は、1977年にはじまるカナダ連. 集めたり、③子どもたち自身とサケ科魚類およびその環. 邦政府「サケ科魚類増殖プログラム(SEP)」におけ. 境の間の相互関係に関して共感的態度や認識の深まりを. る教育普及活動の重視により開発されたカリキュラム・. 発展させたり、そして多分、非常に重要なことには、④. リソ∼ス教材『教室の中のサケ科魚類(SalmonidsIn. 「生活資料にかかわる問題解決や意志決定の状況におい. The Classroom)』(カナダ水産海洋省製作)を基本的. て、批判的で、合理的で、創造的な思考スキルを役立た. に依拠して推進されている。. せる」機会を提供すべく開発されたことである。. 本稿では、「水産教育」「サケ学習」を推進する根室で. カリキュラム・リソ≠ス教材の開発の経緯をみると、. の「総合学習(環境教育)」としての「サケ学習」カリ. その包括的集成は、SE Pの専門家集団7>の指導のもと. キュラム・学習教材などの開発にとって、BC州の「サケ. に、州全体から実践しようとする教師が集まり、教材の. 学習」カリキュラム・リソ¶ス教材から何を学びうるの. 概念化、執筆、計画、開発、実地テスト、評価、改訂に. かについて『教室の申のサケ科魚類』のPrimary編伸と. 従事した(1982から1984年の草案の作成と実地テスト、. バーノン市の「サケ学習」訪問調査・前記シンポジウム. 1984年オリジナル版作成、1988年改訂版作成)。そして、. 資料等にもとづき考えてみたい。. 作成されたものが合計600ページ以上にもおよぶ『教室 の中のサケ科魚類』と名づけられた3組のカリキュラム. なお、本稿では、日本のサケをいうときにはシロザケ. のことを指し、カナダのサケ(=Salmon)をいうとき. ・リソース教材(Primary,Intermediate,JuniorSecondary). には太平洋サケ5種(シロザケ、ベニザケ、マスノスケ、. である。これらのサケ科魚類学習教材は、その後40以上. カラフトマス、ギンザケ)を指す(5)。. の学校区で実践されたといわれ、バ00ノン市では、1998. Ⅶ15¶.
(3) 野呂 幸生・高嶋 幸男・小宮山英重. ころは次のようにまとめられるだろう。. 年までの13年間このプログラムに関係し、一つの学校で. チャッキーの物語の各章は、1時間以上の授業を行い、. はじまった実践は15小学校と2中学校に拡大している侶)。. 物語を大声で読む。子どもたちは、チャムの成長と体と 生息地について学び、シロザケのユニれクな世界につい. (2)内容構成の概要. カリキュラム・リソース教材の主な内容は、①カナダ. ての知識・認識をつくっていく。. それぞれの章あるいは授業には、いくつかの生徒向け活. 産のサケ科サケ属(=太平洋サケ)5種の中からシロザ. ケ(Chum salmon)を代表として選び、「チャッキー. 動が用意されている。その生徒向け活動とそこで提供され. ・チャム(Chuck E Chum)」という名の主人公の一. ている教授方略は、批判的で創造的な思考スキルの発達. 生を通した10葺からなる物語テキストを含むリソース教. を促進するよう意図されている。また活動によっては、問. 材を軸として、②科学教育をすすめるためのサイエンス. 題解決および意志決定スキルも強調されている。その活動 の提案は、小さなグループやクラスでの推論的討論授業. ・プロジェクトおよび野外実習、また③とりわけ低学年. (ethnトreasoning sessions)から水質についての討論に. での学習を容易なものにするために構成された続合学習. まで及ぶ。また、創造的な動作やシュミレーション・ゲー. の3つから成る。. 10葺からなるリソ¶ス教材は、チャッキー・チャムの. ムから産卵床づくり、僻化器での聯化、魚体の解剖、野. 誕生から、成長して川を下り大海で大人になって再び生. 外実習でのデータ収集などの実習・体験的活動が提案さ. まれた川に戻り、子孫を残し死ぬまでを、チャッキーを. れている。すべての科目の領域が含まれているといえよう。 では次に、各項についてみてみる。. とりまく自然環境条件やさまざまな困難を乗り越えて生. き抜く姿を物語で学習しながら、シロザケのライフサイ. クルをはじめとする生物学や環境の学習を行い、環境へ. (3)目 標. の態度や意志決定力を形成するよう仕組まれている。ち なみに、その10章は次のような構成である。. このリソ伽ス教材のプログラム目標は、全体として、 大きく4つの目標をかかげている。それを表1に示す。 これらを端的に言えば、それぞれの目標は、生徒がサ. 第1章:暗闇の中の隠れ場所 第2章:僻化. ケ学習を通して、①「科学的態度(目標Ⅰ)」 ②「科. 第3章:産卵床からの脱出(Emergence). 学的知識に基づくスキルの使用能力(目標Ⅲ)」③「知. 第4章:小川での生活. 識理解(目標Ⅲ)」 ④「説明・表現の能力(目標Ⅳ)」. 第5章:稚魚の移動(Migrants). を養うということになる。. つまり、ここでは、①「科学的態度」は、サケ科魚類. 第6章:河口での生活. 第7章:大洋での回遊(Migrants). と環境などについて、相互関係の理解、相互依存への評. 第8章:生まれた川への回帰(Coming Home). 価、好奇JL、、共感的態度、そして管理態度を培うことで. 第9章:産卵. あり、これらは、サケ科魚類とその環境とを総合するこ. 第10章:新しい世代. とから生まれる能力であり、総合的能力の育成を目指し ていることを如実に示すものであろう。. また、各章には、チャッキー・E・チャムChucky E.Chum. の物語教材を学習するための①目標、②学習成果、③学. ②「科学的知識に基づくスキルの使用能力」は、いわ ば、観察力、分類・比較・測定の能力、コミュニケーショ. 習過程におけるスキル、④教授方略、⑤教えるための科 学的知識(バックグランド・インフォメーション)、⑥. 表1 プログラムの全体目標. 教師の活動(生徒用配布物など)、⑦統合活動(言語技 術、算数、音楽、料理、アート、体育)、⑧センターズ ・アクティビティーズなどが記載されている。以上の各. 目標Ⅰ:サケの学習を通して、生徒が適切な科学的. 章の授業計画や活動を円滑に行うために、後半には、独. もつことが意図されている。 目標Ⅱ:サケの学習を通して、生徒が科学的知識に. 態度を表現できるように説明させる機会を. 立したセクション(175∼234ページ)として、「サイエ. 基づくスキルの多くを理解したり表現でき. ンス・プロジェクトと野外実習」とセンターズ・アク. るように説明させる機会をもつことが意図. ティビティーズ、言語技術、算数、音楽、料理、アート、. されている。 目標Ⅲ:サケの学習を通して、生徒が知識を表現し 応用する機会をもっことが意図されている。 目標Ⅳ:サケの学習を通して、生徒が説明したり表. 体育からなる「統合学習」の内容が収められている。ま た、この初級カリキュラム教材は、総合的アプローチか ら組織されているとともに、科学の教科としても教えら. 現できるように機会をもつことが意図され. れるよう仕組まれている。. ている。. では、どのように授業を進めるのか。その意図すると −16−.
(4) No.54. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発(Ⅰ). 1999.12. 布物の各事項を簡潔に列記して明示したものである。. ンによる説明能力、データ・結果の使用能力、記録収集・. 「語嚢」は、習得すべき基本語彙とさらなる習得に. データ解釈・仮説立論・予測能力といった科学的知識に基. づく思考方法・技能の使用能力を養うというものである。 ③「知識理解」は、サケのライフサイクルやそれに与え. よって学習を豊かにする語彙が列記されている。 「資料/教材」は、その章で使う生徒に配る配布物. る季節的環境変化と影響、環境上の危険や生物学的スト. (教材や問題など)、教材、教具、視聴覚資料などが示. レス、解剖、運動・捕食者回避・食物入手のために要求さ. されている。. れる身体的適応、海洋食物網、サケ科魚類とその生息場. 「教授方略」は、教師が教える学習ステップに従いど. 所に関する基礎的専門用語などの理解を内容としている。. んな教材、教具(生徒用配布物を含む)を使いながら教. ④「説明・表現の能力」は、サケの発達・適応などや. えていくか、その過程を示したものである。この中には、. 攻撃され易さなどの難局・ジレンマに関して考えや解決. 教師の教材研究や教授行為を支援する科学的知識や資料. 策などを口頭発表し、その流暢さや柔軟性・独創性を養 い、また批判的に情報を分析するための能力(自主性、. を「背景情報」として盛り込まれている。 「評価/共有」は、生徒が学習したことに基づき、予. 問題解決のための知識利用、解決策・方法の評価)を養. 想したり、討論したり、さまざまな活動を組織する内容. うこととしている。. が明記されている。そのことを通して、生徒が、学習内. 容を共有するよう仕向けるのである。 「統合/センターズ・アクティビティーズ」は、別に. (4)指導プログラムの内容. では、上記の大目標を達成するための具体的な指導プ. まとめられている「サイエンス・プロジェクトと野外活. 動」や「統合活動」の中から、この章で利用されるプロ. ログラムの内容を、次にみてみる。. 各章の内容は、最初に概要があり、その内訳は目標. ジェクトや野外実習、統合活動、センター活動を明記し. (Goal)、学習成果(Learning Outcome)、科学的知. たものである。なお、「サイエンス・プロジェクトと野. 識に基づくスキル(Science Process Skills)、語彙 (Vocabulary)、資料/教材(Resources/Materials)か. 外活動」や「統合活動」は、サケ学習に関する多数の具 体的な教材・教具集であって、このプログラムに位置づ. ら成り、次の教授方略(Teaching Strategies)は学習. けて開発されたものである仙。. ステップごとに背景情報(BackgroundInformation)、. 次に「チャッキー・チャム物語」が続くが、すでに述. 評価/共有(Evaluation/Sharing)、統合/センタM. べたように、シロザケのライフサイクルの各段階にそっ. ズ・アクティビテ,ズ(Integrated/Centers Activi−. て、シロザケを代表してチャッキー・チャムという主人. ties)から成る。次に「チャッキー・チャム物語」が、. 公がどのような一生をたどるのかを小学生でも興味がも. 最後に生徒用配布物がある。なお、第4、6、9章の最. てるように物語化したものである。. 各章の最後には、生徒用配布物がそのままコピーして. 後には「物語」に関連するトピックス記事が収められて. 使えるよう掲載されている。 以上の内容を具体的に知っていただくために、第4章. いる(9)。. 表2は、それを各章ごとに「目標」、「学習成果」、「科 学的知識に基づくスキル」、「教師の活動」としてまとめ. の一部を資料として最後に載せておく。. たものである㈹。各章で、何を目標に、どのような学習 成果をめざし、そのとき生徒が習得すべきスキルは何で、. (5)カリキュラム・リソース教材の特徴. そのために教師は何(教材・教具)を使い、何を行い. 以上のように、このカリキュラム・リソース教材をみ. (教授行為)、どう評価するかをまとめたものである。. てみると、きわめて計画的に設計された総合プランであ. 「目標」や「学習成果」は、全体目標をライフサイクル. り、教材・教具などや指導上の方法も含め教育現場で使 用可能なように実際的につくられていることがわかる。. の各段階にそって具体化したものであることがわかる。. 「科学的知識に基づくスキル」は、9項目(観察する. また、カナダという自然と社会・文化の現実に対応した. こと、分類すること、定量化すること一順序づけ/配列. サケ資源の改善のための教育や情報提供、つまり環境教. すること一、コミュニケーションすること、実験するこ. 育としての「サケ学習」のあり方(考え方やプログラム). と、予測すること、問題を解決すること、評価すること、. の一つを提起しているとみることができる。このカリ. 意志決定すること)に整理され、各章では、該当するい. キュラム・リソⅦス教材を創り出す方法も、関係機関、 自然科学やカリキュラム開発などの専門家、学校、教師. くつかの項目が表中に明記されている。. 「教師の活動」は、語彙、資料/教材、教授方略岬 背景情報、評価/共有、統合/センタ…ズ・アクティビ ティーズー 、「チャッキー・チャム物語」、生徒用配. などが多年にわたりプランニング、授業による検証など を行い、開発プロジェクトが組織的に行われていること も見逃せないだろう。. −17−.
(5) 野呂 幸生・高嶋 幸男・小宮山英垂. 表2 プログラム各章の目標・学習成果・科学的知識に基づくスキル・教師の活動 _コさニ. 第1章:. 目. 教 師 の 活 動. 標 学習成果(子どもたち腔きるようになにと) 科学的知識に基づくスキル. 子どもたちにチャッ ・チャッキーつまり ・観察すること ・第1章「暗闇の中の隠れ場所」を読む。 ・サケの卵についで情報を提供する。 ヨンすること ・生徒用配布物1、2(卵と発眼した卵の絵)を配布す サケの卵を紹介する。 る。. 暗闇の中の隠 キー・チャムつまり サケの胚に共感す ・コミュニケーシ れ場所. 砂利の下の有利な位 ・サケ卵(胚)を記述 ・実験すること. る。. 置から、チャッキー する。 ・分類すること ・動物の家(巣)について討論させる(サケのものと対 (そして子どもたち) ・サケの産卵床を記 ・定量化すること 照させたり比較させたりする)。 は、小さな小川の水 述する。 ・予測すること ・サケの産卵床についての情報を提供する。 面下の世界と発生中 ・卵黄のうの重要性 ・問題を解決する ・“家(巣)”から“居住地(生息地)”に拡大するブレーン こと ストーミング授業を行う。 のサケの胚の内包す を議論する。 る世界を探険し始め ・状況を問題解決/ ・評価すること ・生徒用配布物3あるいはまた4を配布する(第3学 意志決定したりす 年には、4以上の発展資料)。 る。 ・ProgressiveWallChart(壁掛図)の開発をはじめ ることに参加する。. る。. ・チャッキーつまりその卵についての予測を促す。 ・評価/共有する授業(推論的討論状態を必要とする. 問題解決)を行う。 *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ. ーズが含まれる。 第2章:タ剛ヒ チャッキーの視点か ・仔魚について話す。 ・観察すること ・第2章「甥字化」を読む。 ら、卵から仔魚に貯 ・サケの卵と仔魚を ・分類すること ・生徒用配布物5,6を配布する。 化することにどんな 比較し,対比する ・コミュニケーシ ・(仔魚の絵と理解力を問う質問) ことが関わっている (生物学的容貌)。 ヨンすること ・仔魚とその照化過程についての情報を提供する。 かを述べること。チ ・僻化のプロセスに ・定量化すること ・ブレーンストーミング授業を行う−卵/仔魚の記述 ヤツキーは、卵殻か ついての理解を説 ・問題を解決する 者 ら解放されるので、 明する。 こと ・生徒に、記述者を分頬し、対比し、比較させる。 子どもたちは彼の状 ・サケの淡水要求を ・実験すること ・AV“サケの誕生”を見せる。 況の二重性−チャッ 確認する。 ・仔魚に関わる動作の単語のリストを詳しく説明する。 キーは、水中の世界 ・サケの卵/仔魚の ・創造的な動作/模擬動作の授業を行う。 ・クラス/小グループでの数学を教える活動を行う。 における生態学的地 動きを模擬体験さ 位(ニッチェ)につい せる。 ・生徒用配布物7を配布する(隠れている仔魚を見つ て、発展的方向と気 ・仔魚であるチャッ ける)。 掛かりな方向の両方 キーに共感させる。 ・仔魚に関わる、仮定的な状態を提示し、創造的な解 があること一に気づ 決を促す。 *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ くはずである。 ーズが含まれる。. 第3章: 子どもたちに、チャ ・浮上稚魚に起こる ・観察すること ・浮力のためのデモンストレーション/実験を行う。 産卵床からの ッキーが浮上稚魚に ことについての知 ・実験すること ・第3章“脱出’’を読む。 ・分類すること ・浮上稚魚についで情報を提示する。 脱出 なるとき、彼の経験 識を説明する。 について学ぶ機会を ・浮袋の機能を述べ ・コミュニケーシ ・生徒用配布物8、9(稚魚の絵と理解力を問う質問) ヨンすること ・水棲動物についてのブレーンストいミング授業を行 与えること。チャッ る。 キーのあふれる活力 ・魚の主な身体的特 ・定量化すること う。 は人から人へ伝わり 徴を識別する。 ・予測すること ・記述者を組分けする。 やすく、チャッキー ・仔魚と稚魚を対比、 ・推論すること ・魚とは何か?の定義をする。 が産卵床からの脱出 比較する ・評価すること ・又状の鍵を説明する。 にともなうそのエネ (身体上、行動上)。 ・AV“魚類の中で’を見せる。 ルギーを強調し、生 ・チャッキーの未来 ・5種のサケについての情報を提示する。 物学的プロセスを単 について予測する。 ・浮上稚魚に対する動きの単語をブレーンストーミン 純化するとき、子ど グする。 もたちはチャッキー ・生徒用配布物10、11を配布する(動きの単語、迷路)。 の熱心さをとらえる ・卵/仔魚/稚魚の各段階を対比し、比較する。 はずである。 ・生徒用配布物12(釣りと魚道)を配布する。 ・評価/共有の授業を行う。. *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ. ーズが含まれる。. −18一.
(6) No.54. 曳. 第4章:. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発(Ⅰ). 目. 1999.12. 教 師 の 活 動. 標 学習成果仔どもたちができるようになること) 科学的知識に基づくスキル. 生まれた小川で暮ら ・インプリンティン ・観察すること ・野外実習を行う(随意オプション). 小川での生活 し、成長し、インプリ グの知識を説明す ・実験すること ・野外実習のための授業の行動規範を説明する。 ンティング(刷り込み) ること。 ・コミュニケーシ ・第4章“小川での生活”を読む。 されたチャッキーおよ ・小さな小川に対す ヨンすること ・インプリンテンダについての実験を行う。 びすべてのサケにと る人間活動の影響 ・問題を解決する ・生徒用配布物13(空白を埋める)を配布する。 って、水質と水量が を検討すること。 こと ・理想的な産卵そして生育場所の情報を提供する。 どれだけ大切かとい ・五感のすべてを使 ・評価すること ・生徒用配布物14(問題解決/評価)を配布する。 うことを説明するこ って水の特徴を記 ・AV“魚道と僻化器”を見せる。 と。子どもたちに管 述すること。 ・生徒用配布物15(アルファベット順)を配布する。 理の概念を強調する ・問題を解決し、小 ・評価/共有の授業を行う。 ために、毎日「小川 川の保護について *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ の保護を行っている ーズが含まれる。 例・行っていない例」. を紹介する。 第5章:. クルの各段階を、 順次リストする。. チャッキーの生涯に ・自然環境に対する ・予測すること ・第5章“稚魚の移動”を読む。. 稚魚の移動 わたる移動を開始す チャッキー・チャ ・コミュニケーシ ・予測を促す。 るとき、聡明だが少 ムの生得的な反応 ヨンすること ・生徒用配布物16(分類/評価)を配布する。 し不安げな浮上稚魚 に共感する。 ・定量化すること ・移動についての情報を提供する。 であるチャッキーを ・サケの移動と他の ・観察すること ・生徒用配布物17(シロザケとギンザケを比較する) を配布する。 紹介すること。子と 動物の移動を比較 ・分類すること もたちは、チャッキ し対比する。 ・評価すること ・サケ5種の分類表を詳しく説明する(類似性と差 ーが食物網の一部と ・サケの稚魚のいく 異)。 して、捕食者、餌動 つかの捕食動物を ・AVを見せる。 物の両方であること リストする。 ・生徒用配布物18を配布する。 を認識する。 ・淡水生活のさまざ ・稚魚(食物/捕食者)についての情報を提供する。 まな期間の利益、不 ・稚魚を観察するための野外実習を行う。 利益を評価する。 ・生徒用配布物19あるいはまた20を配布する。 ・シュミレートされた ・評価/共有授業(捕者【餌動物と食物網)を行う。 ・標識についての情報を提示する。 食物網を形成する *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ. よう捕食者一餌動 物の知識を使って. ーズが含まれる。. 行うロールプレイ。 第6章:. 子どもたちは、たくさ ・河口での若いサケ ・観察すること ・捕食者一餌動物の相互関係を復習する。. 河口での生活 んの捕食者と遭遇し、 にとっての環境の ・分類すること ・自然のストレスと人間がつくった危険にたいしプレ 豊富な食物の供給を 危険にかかわる状 ・コミュニケーシ ーンストーミングし、分類する。. 楽しみ、そして同時 視での問題解決、 ヨンすること ・生徒用配布物21(サケにたいする危険)を配布する。 に強烈な人間活動に 批判的思考、意志 ・問題を解決する ・第6章“河口での生活”を読む。 よる環境の影響のい 決定のスキルを使 こと ・生徒用配布物22(降海期サケの絵)と生徒用配布物 くつかを経験する河 うこと。 ・意志決定するこ 23(隠れている降海期サケを発見する)を配布す 口で若いサケ(降海 ・サケが小川の降下 と る。 期サケ)時代のチャ 移動で遭遇するい ・評価すること ・降海期サケについての情報を提示する。 ッキーの生活につい くつかの危険をリ ・河口の概念を導入する。 ・優れたAV“河口”を見せる。 て学ぶ。 ストし分類する。 ・野生で僻化し育つ ・生徒用配布物24を配布する。 ・創造的で、オープン・エンドの共有の授業を行う. サケの低い生存率の. (データ/ジレンマによる推論的討論). 認識を発展させる。. *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ. ・降海期サケを描写. ーズが含まれる。. する。 第7章:. 子どもたちに、海で ・サケが大洋の回折 ・観察すること ・第7章“大洋での回溝”を読む。. 大洋での回溝 のチャッキーの生活 の問の旅がたいへ ・分類すること ・生徒用配布物25(チャッキーの回湛ルート)を配布する。. の全体図を提供する んな距離であると ・定量すること ・基本的な魚の形と魚とは何かについて復習する。 こと。彼の塩水環境 いう認識をえる。 ・予測すること ・生徒用配布物26あるいはまた生徒用配布物27を配布 は、淡水の生息場所 ・サケのいくつかの ・推論すること する(成魚の絵、切り身と体の一部をペーストした と非常に異なる。大 海洋の捕食者の名 ・意志決定するこ もの)。 と ・大洋の単語/海洋の生息場所をブレーンストーミン 洋では、チャッキー をあげる。 グし、分類する。 の食物供給は豊富だ ・成魚のサケを引き ・コミュニケーシ けれど、生活はまだ 寄せ、基本となる ヨンすること ・配布物28(次の指示による描写ゲーム)と配布物29 不安定である。なぜ 魚の部分にラベル (魚発見ゲーム)を配布する。 ・サケの漁獲についての情報とAVを提示する。 なら、海の中の動物 を貼る。 ・“あるサケの生活における1週間”という、評価/共 は成長することによ ・サケの淡水での生 って死を逃れるから 息場所と塩水での 有の授業を行う。 *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ である。 生息場所を比較し、 ーズが含まれる。 対比する。. ーー19−.
(7) 野呂 幸生・高嶋 幸男・小宮山英垂. .::亡■:.. 目. 教 師 の 活 動. 標 学習成果(子どもた切咋きるようになること) 科学的知識に基づくスキル. チャッキーつまり大 ・サケのライフサイク ・観察すること ・ナビゲーションの合図についての情報を提示する。 生まれた川へ 人になって帰郷した ルを順次確認し、 ・実験すること ・“過去に逆上る”活動を開始する。 産卵期サケは、大洋 リスト化する。 ・分類すること ・第8章“生まれた川への回帰”を読む。 の回帰 での長い滞在(3年 ・上流に向かって移 ・定量すること ・チャッキーの身体および行動の変化を討論する。 問)の後淡水に再び 動するサケが遭遇 ・コミュニケーシ ・討論“魚は感じるか?”をさせる。 戻る。上流への彼の するいくつかの危 ヨンすること ・卵を生むことについての情報を提示する。 旅と奮闘はまさに始 険と困難をリスト ・予測すること ・サケの外部と内部の復習。 まったのであり、彼 化する。 ・評価すること ・生徒用配布物30あるいはまた生徒用配布物31を配布 の産卵地は比較的手 ・卵を生むサケの身 する。 ・AV“教室での解剖”(生徒向け)を見せる。 近であるけれども、 体的特徴のいくつ ・解剖のための準備として教師向けを見るべきである。 そのルートは危険に かを描写する。 ・サケの解剖を行う(160ページに詳細な“方法”が記 満ちている。子ども ・サケの解剖に参加 述されている)。 たちは、サケのライ する。 ・AV“漁師の秋”を見せる。 フサイクルのこの段 ・人間とサケの解剖 階でのチャッキーの を対比し、比較す ・共有の授業の間に、人間とサケの解剖学的構造を対 比し比較する。 攻撃されやすさにた る。. 第8章:. *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ. いして特に共感的で. ーズが含まれる。. ある。. 第9章:産夢 チャッキーは、彼の ・サケのライフサイ ・問題解決するこ ・「特別活動」がリストアップした地元の小川へ野外 実習する(産卵活動を観観察する)。 最終段階(求愛、産 確認し、リスト化 ・意志決定する ・サケのライフ・サイクルの各段階、さまざまな“家”、 卵、死亡)に近づい する。 ・評価すること 環境として必要なものを復習する。 ている。彼の体は、 ・サケの淡水および ・コミュニケー ・配布物32と33(ライフ・サイクルの復習、調和する 激的に変化した。子 海の生息場所を描 ションすること 生息場所)を配布する。 どもたちは、チャッ 写する。 ・観察すること ・第9章“産卵”を読む。 キーの死のみならず ・サケの求愛行動の ・実験すること ・求愛行動/産卵についての情報を提示する。 生が、小さな小川、 知識を説明する。 ・推論すること ・ロールプレイ(求愛行動)を促す。 川、河口、大洋の自 ・モデルとなる建物 ・予測すること ・配布物34(産卵個体の絵)を配布する。 然の食物網の重要な などを建てたり図 ・食物網の概念を復習する。 構成要素であること 化したりする活動 ・生存/死亡(率)の情報を提示する。 ・生存率のモデル/図化を説明する。 を理解することがで に参加する(サバ. ライフサイクルルの クル段階を、順次 と. きる。. イパル状態)。. ・チャッキーの死を討論する(ひろい言外の意味)。. ・チャッキーの子についての予測を提示する。 ・生徒用配布物35(魚の数学的処理の問題)を配布する。. ・推論的討論状況の 中で問題解決/意 志決定スキルを使. ・推論的討論状況に関係する批判的思考/問題解決の. う。. 授業を行う。 *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ ーズが含まれる。. 第10章:. チャッキーの子を引 ・チャッキー・チャ ・コミュニケーシ. ・チャッキー・チャム物語のお気に入りのところ/一. 番気に入らないところについて討論させる。 新しい世代 き合わせることによ ムについての個人 ヨンすること って、サケの進行中 的感想を述べる。 ・分類すること ・サケ学習についての“なぜ”質問を促す。 の学習/保護に子ど ・チャッキー・チャ ・定量すること ・生徒用配布物36(チャッキーはそれを集約する)を配 布する。 もたちを巻き込むこ ムについての情報 ・予測すること とである。子どもた を総合し、子につ ・評価すること ・人間とサケ(そして他の動物)の親/子の養育期間を ちには、次の世代に いて予測する。 ・観察すること 対比し、比較する。 ついての予測をする ・環境上の必要と危 ・問題解決するこ ・チャッキーの子について予測の授業を行う。 機会となるだろう。 険を生息場所カテ と ・再び子の性格について、創造的考えを促す。 また、彼らは、チャ ゴリーに分類する。 ・生徒用配布物37(チャッキーの生活を順序づける)を ッキー・チャム物語 ・サケのライフ・サ 配布する。 についての感想やサ イクルの各段階を ・AV“サケの誕生”を見せる。 ケ学習の間の体験を 季節カテゴリーに ・AV(第2葦で以前に見た)について討論する。 表現するよう促され 分ける。 ・予測を復習し、評価する。 もするだろう。 ・多くのサケ関連質 ・配布物38(卵一成魚の大きさ〈割合〉)を配布する。 問/環境上の質問 ・サケおよび季節についての、活動の絶頂期を示す。 についての個人的 ・危険/生息場所の復習を分類授業で行う。 感想を評価する。 ・配布物39を配布する。 ・AV“赤い標識札よ、戻って来い”を見せる。 ・文献目録でみることができる“サイモンのためのサ ケ”を読む。. ・配布物40を配布する。 ・認識的学習および情緒的学習を評価する。 *統合学習/公開講座/センターズ・アクティビティ. ーズが含まれる。. ー20−.
(8) Nα54. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発(Ⅰ). 次に、このリソース教材そのもののを特徴を列記して みる。. ているといわれる(l罰。山地の森林のありようも河川環境に 無関係ではありえない。こうした異なる人間の営みや自. ①体系性膚カリキュラム・教材の体系性とともに、総合. 然のありようとしての「環境」の結節点になっているの. 学習および続合学習としての体系性をもつ。. 1999.12. が「河川」である。そこには、人間の営みや自然の営み. ②指導プログラムの具体性(客観性)一山教材が具体で、. によって生まれた「物質」の流れの状況が反映するので. 教師・生徒の活動が明確である。. ある。. ③目標観・学習成果・評価の明確性. 河川によってこうした地域のありようや社会のあり方. は、明らかにカナダ・BC州(バーノン市)とは異なる. ④学習内容・方法の科学性と環境教育の観点の重視(環. 点も多いに違いない。それゆえにこそ、標津の地域に合. 境教育の一環として行われることが多い). ⑤野外実習、体験活動の重視 ⑥多様な活動(センターズ・アクティビティⅦ】一ズ)、豊. 致した「サケ学習プログラム」の開発が求められるので. ある。. 富な視聴覚教材. ⑦表現活動(絵画、コミュニケーション、討論)の重視. 2 カナダ・BC州のサケ教育. ⑧問題解決能力・意志決定能力の重視. 1977年,札幌の母なる川、豊平川にシロザケを呼び戻. ⑨地域・研究機関との連携・協力の明確化(具体的な情 報の指示). そうとして、「▲ヵムバックサーモンキャンペーン」が始. この教材で強調されていることは、子どもたちが入り. まった。これを契機として過去に行われてきたサケに関. やすい統合学習やセンター▲hズ・アクティビティーーーズ、野. する様々な取り組みがクローズアップされ、見直されさ. 外実習など多くの活動、そして視覚的教材・教具といっ. らに新たな試みが行われた。この試みの波はさらに21世. た直接・間接的体験活動をふんだんに盛り込みながら、 サケ学習による知識や科学のプロセス・スキルの習得、. 紀を生きる子どもの教育と大きく関わり、地域社会の要 請と相まってその勢いのある活動からは、多くのものが. 人間¶Ⅶサケ仙環境の相互関係についての認識の深化や共. 生み出された。しかし、この北海道から発信され、全国. 感的態度とともに、「生活資源にかかわる問題解決や意. に広がりを見せた活動は、物質的援助や人的援助等が乏. 志決定の状況で、批判的で、合理的で、創造的な思考ス. しく、現在は、地域の組織だけが残り、サケを活用した. キルを役立たせる」機会を提供するべく開発されたとし. 教育はその規模を縮小し、特定の地域で行われているだ. ている。つまり、批判的、合理的、創造的な思考スキルの. けである。これに対し、カナダ・BC州では、日本に遅. もとでの問題解決や意志決定能力の育成を意図している. れること4年の1981年に3人のスポーツフィシャーマン. のである(−a。「】どんな‘‘態度”をとればよいか_」の教育の強. により「セーブ・ザ・サーモン(STS)」の団体が設. 調である。リアリティ冊−−−のある課題であればあるはど、ジ. 立されたことに端を発する。たった3人から始まった活. レンマや困難をともなう問題として子どもたちの前にあ. 動は、1977年に始まったカナダ連邦政府「サケ科魚類増. らわれる。そうした課題をどう盛り込むプランと実践が. 殖プログラム(SEP)」の政策に合致し、一般人、企. 創りだせるかが、今われわれに問われているのではないか。. 業や工業界の様々なネットワークからの援助を受け州全. その意味でも、今、カナダの「サケ学習」に学び、標津とい. 体に拡大した。驚くことに、SEPの活動は、1981年に. う地域にあった「サケ学習プログラム」の開発が望まれ. は北バンクーバー学校評議会の申し入れによる学校での. るのである。. サケ学習の援助、設立2ヶ月での募金、野外学校の設置. 北海道東部に位置する標津町は、海岸線部のシロザケ. と、「子どもは環境を守る者」としての教育が始まった 点である。ばば30年を経過して、サケ科魚類増殖プログ. を中心とした漁業地域、湿原や森林を草地に変えた平野 部の乳牛を中心とした酪農地域、その背後の自然を色濃. ラムを中核にして行われる教育は、地域・家庭・学校の. く残す山地(森林)からなる。日本のサケ漁業は聯化事. 中へ確実に浸透し、さらに拡大されようとしている。こ. 業に依存し、サケ資源は限られた人々によってのみ利用 されてきた。近年、北海道ではいくつかの河川でシロザ. こでは、カナダ・BC州バーノン市(図1)のサケ学習. の状況を中心に報告する。. ケ、カラフトマスを対象とした釣りが可能になったこと (サケ有効利用調査)は、サケをとりまく状況の変化を 示すものであろうが。道東の多くの地域で展開された酪. (1)パーノン市の「サケ学習」. 農による草地化(乾地化)は河川の緩までせまり、また 高度土地利用、治水・洪水・砂防対策などによる河川の. 系の支流(コロンビア水系オカナガン川とフレーザー川 水系シヤスワップ川)が隣接する、州の中では珍しい場. 直線化やダム・堰などは、河川環境に大きな影響を与え. 所にある。オカナガン川水系は、オカナガン湖を通って. バーノン市は、BC州の南に位置し、2つの大きな水. −21−.
(9) 野呂 幸生・高嶋 幸男・小宮山英垂. のクラスはサケ科魚類を詳細に学習するという活動を位. 置づけたりする。他の学校では、第2学年で初歩的な概念 に力を注ぎ、第5学年で中級レベルの概念に取り掛かる。 それは教師の個々の裁量に依存するのである。従って、 学年が同じでもプログラムを行わない生徒もいる。また、. 最も広がりを持つプログラムは、特定の学年ですべての教 員がプログラムを採択することである。これは、どんな子 どもも同じ学習機会を持つことを意味し、概念の発達や 野外実習のための計画を立てる時に、より発展的な指導 が望め、学校や地域が許すなら最もよい指導形態である。 (2)バーノン州区の学校でのプログラム. 図1 ブリティッシュ・コロンビア州とバーノン市の位置. 1)学習原則と教師の意向. 南に流れ、USAのコロンビア川に注ぐ。オカナガン湖. BC州の教育は、ビクトリアの教育省によって運営さ. にすむサケ科魚類はヒメマス(陸封されたベニザケ. れている。教育省は、基金を配分し、学ぶべきカリキュ. Kokanee)であり、バーノン市の学校の多くが、この. ラムを用意し、州のアセスメント(教育評価)を監督す. 湖の支流の流域に位置する。また、シャスワップ川水系. る。そして、アカデミック高校コースと小学校のプログ. には、ビック・ランで有名なべニザケの産卵場所である. ラムのための政府委託による研究を行っている。その中. アダムス川がある。この水系には、ニール・ブルックス. でサケ科魚類プログラムは、教育省の学習原則㈹を受け. ティアが運営するキングフィッシャー環境解説セン. 入れている学習分野の一つのよい例である。それは、生 徒が対象物に直接的にかかわる方法で、学ぶことを生徒. ター(15)がある。. に保証しているからである。本から魚について学ぶこと. (NeilBrookes)氏自刃とそのコミュニティーのボラン. に関心のない生徒は、魚を飼育し、魚が成長するのを観. バーノン市学校区の各学校はこの2つの大きな水系の. 源流にあるという珍しい位置のため、次のような目的を. 察することにかかわるように機会がっくられる。彼らは. 持って、各地域でサケ科魚類増殖プログラムに参画する. 継続して記録をとり、グループあるいは個々のプロジェ. ようになった。. クトで仕事をし、サケ科魚類の生活や彼らが必要とする. ①サケ科魚類の生息地である環境と地域に生存する種と. ことについての理解を得る。. の相互関係というような、サケ科魚類についての生徒. すべての教師がサケ科魚類増殖プログラムとかかわっ. ているわけではないが、教育省によって管理されている. の知識や自覚を促すこと。 ②自然資源に対する管理人として、責務、自覚を生徒の 中に芽生え、発達させること。. それぞれのカリキュラムは、一定の学習成果を要求して. ③すべての自然資源の保護と管理に関する問題は、ベー. 次第ということになる。従って、科学力リキュラムの学. いるため、これらの学習の結果のいかんは、担当の教師. スとなった場所だけではなく地球的でもあるというこ. 習結果とサケ科魚類プログラムとの間には強い相互関係. とを生徒の中に発達させること。 あくまでも、各学校の裁量で、学習へのアプローチの. があるため、多くの教師は生徒がこのプログラムにかか. わることを選択している(表3)。. 方法が異なる。バーノン市のサケ学習プログラムは、プ. 2)教室の中の活動. ラグマティックなプログラムの編成を見せ、州政府の管. ベニザケ(ヒメマス)のライフサイクルは、卵、発眼. 理下にあるものの、むしろ教師の興味や学校裁量で自由. 卵、仔魚、稚魚、降海期のベニザケ、成魚、それから最. 採択し、実践できる自由さがある。従って、個々の学校 は、サケ科魚類増殖プログラムの目的の立場に確実に立. 後に産卵期のサケとなる。ベニザケの寿命は、平均4年 前後である。このベニザケのライフサイクルとそれに関. つことを明確にし、サケ科魚類増殖プログラムを採択す. わる様々な要素に関連して、プログラムが準備されてい. る。そして、それぞれの学校は、そのプログラムをどの 程度のレベルまで教育活動の中に位置づけるか、その決. る。代表的なプログラムは『教室の中のサケ科魚類』や BC州教員連合で作成するカタログの中に含められてい. 定権を持っている。 例えば、ある学校では、コールドストリーム川. るサケ教材などであるが、これらは州内のすべての学校 で使うことができるようになっている。これらの教材は、. (Coldstreem Creek)への野外実習にすべてのプライマ. すでに述べたように、(彰体系性②具体性(多様な活動). リーの子どもたちを参加させるかどうかとか、第4学年. ③目標の明確性④科学性と環境教育の重視⑤野外体験活. −22∼.
(10) No.54. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発り). 1999.12. 表3 学校内におけるサケ科魚類増殖プログラム指導計画(ガイドライン). ステージ 対 象. 学習方法及び内容. 口 幼稚園 ・植物や動物の形質とライフサイクル 第 について学ぶ。上級生の活動につき、. サケの飼育、発生、行動について学 び、その段階を通し、サケと他の動 物との遠いに理角草し始める。 同 初 ・動物の生存の条件について学ぶ。サ 生徒. ケと他の動物を危険にさらし、絶滅 させる事物について学び始める。. 3 初等科年 ・サケの構造や体の体制について詳細 長の生徒 に学び始める。サケの生徒発達が、 環境の中で他の有機体の成長や生存 とどのように関係しているか学ぶ。 サケの成長し成熟するときの要求の 変化について学び、これが人間や他 の動物の発達といかに連っているか. 図2 サケの稚魚の生育状況を確認するニール・ブルックス氏 (バーノン市ベアリスト校にて、1999.3). 表4 解剖の手順 ①最初、魚の腹を長方形の形に切る。それから食道 を引っ張り出して、魚の胃にたどりつく。 胃を引っ張り出した後、消化管の残りを切除する。 管には、胃、肝臓、胆のう、幽門垂、肺臓がある。. 同じであるかについて学ぶ。. 4 第6・7 ・サケの外部及び内部形態が他の動植 学年 物とともに分類システの生徒ムの中 にそれらを位置づける方法を学ぶ。. ②卵巣(メス卵)と浮袋(魚を水面にだすのを助け. てのサケや他の有機体を記述し、種. る空気袋)の両方を見つける。 ③それから、胸ビレの間を切り、心臓を除去する。. が相互に影響しあう方法について理. ④エラの覆いの内側に達し、4つのエラの一つを除. 相互に結びついた食物網の・一部とし. 解することを学ぶ。. 去する。この後で、その頭骨を切りわけ、脳を見 る(非常に小さなものであることに気づく)。. 5 上級学年 ・サケや他の動物に影響を与える科学 の生徒 的物理的要因や変化について学ぶ。. ⑤頑の片半分を使って、目を後ろから取り出し、丸 い牛乳色の球のように見えるレンズを注意深く切. ・ローカルな環境の質についてのデー. り出す。. 夕の収集、分析、解釈について学ぶ。 動の重視⑥表現活動の重視⑦問題発見・解決能力育成の. 市内にあるそれぞれのサケ科魚類増殖プログラムに関. 重視⑧地域社会との連携・協力、をベースに評価と改善. 係している学校では、クラスに水槽を設置し、その中で. を繰り返しながら整備されている。. 魚の世話をする。 各学校に設置される水槽は、冷却装置、冷却コイル、. 3)サケ学習の実際. エアーポンプ、ろ過槽、可動式カートからなっている。 水槽は、50∼100ガロンの汚れていないきれいな水で満. 秋に水槽がそれぞれの学校に設置される。各校での設. 置された機器は検査され、必要に応じて移動される。そ してコールドストリーム川とシヤスワップ川での野外実. たされ、その水は、炭とスポンジで構成されたろ材の問. 習のためのスケジュールがつくられ、特別に能力のある. を通過しながら持続的に浄化される。冷却コイルが水温. スタッフが募集される。これに並行し、各学校で飼育さ. を魚にとって適当な冷たさに保ち、いっもその水温は7. れる卵のタイプ(マスノスケあるいはギンザケあるいは. ℃になっている。発育中の魚が酸素欠乏にならないよう. ヒメマス)に対応して、熟成した親魚が「採卵授精」の. 水中に酸素を送るエアーポンプが付属している。なお水. ために準備される。冬の間は、水槽の維持について各学. 温が冷たくなればなるほど貯化は長くかかり、例えば8. 校では、ブルックス氏から技術的な指導を受け、発育中. ℃のとき、シロザケの飼育期間は受精直後から僻化まで. の魚の健康を維持しながら春を待つ。そして春、適切な. 60日かかる。サケが適切に発達するかどうか、以下の点 に留意しながら、飼育観察が続けられる。. 水系(オカナガン川またはシャスワップ川)に稚魚を放. 流する。. ①水を一定の温度に保つこと。 ②水をきれいに保つこと。. 次に、実際のサケ学習で、どのようなことが行われて いるか、みてみよう。. ③卵を太陽光にあてないために水槽の側面を大きな発. 泡ポリスチレンで覆う。. ④水槽は、偶然の衝突がないような場所に置く。. (3)バーノン市の「サケ学習」の実際. 子どもたちは、教室の申におかれた水槽で魚を育てな. 1)学校の水槽(図2). ー23−.
(11) 野呂 幸生・高嶋 幸男・小宮山英重. 図4 1年生担任と事前打ち合わせをするニール・ブルックス氏. 図3 サケのサロコを観察する1年生. (後列左). 兼ね、5年生では、動物の体のつくりと働きについて学 習を行うことになる。教科の枠を越え、サケの解剖を通 して、各教師が特色ある実践を行えるようにプログラム が準備されている。 3)採卵授精. バーノン(Coldstream Lavington)の学校はすべて、秋. に魚の産卵を見にコールドストリーム川へ行き、生徒は、 自然産卵している魚を川沿いに歩いて見る。ブルックス. 氏は、魚の捕食者について彼らがどのように生活している かを解説し、そのクリークは、昔それがあった道筋から変 化したことやカラマルカ・フライフィッシャーマン・クラ. 図5 真剣にニール・ブルックス氏の鋭明を聞く5年生たち. ブ(Kalamalka Fly−fisherman Club)が入り、その川. がら、サケの生命の誕生や受精卵の発生を毎日の観察か ら学ぶ。そのためには、各生徒の責任のもと育て上げら. を修理した事実を生徒に知らせる。カラマルカ・フライ. れる。そして、それが順調に育っていくとき、生命に対. 作った川の「せき」から採卵用の成熟したヒメマスを捕. する自分の思いに気づくのである。. 獲し、ブルックス氏はクラス(授業)で採卵授精を行う。. フィッシャーマン・クラブのメンバーが、丸太を使って. メスの魚を取り上げ、やさしく、しかししっかりと魚か. 2)魚の解剖(表4). ら卵を絞り出す。それから彼は非常にすばやくオスから. バーノン市ベアリスト校(Bearisto School)におい. 精子を絞り出し、その卵の上にかける。それからブルッ. て、1999年3月5日に行われた解剖の授業である(図3、 4、5)。ブルックス氏が、秋に入手、真空冷凍保存し. クス氏は、子どもたちの学校へ受精卵をもって行くこと. てあった魚を学校に運び込み、教室の手洗い場でサケの. をそのクラスに認める。教師と生徒は、卵の世話をする。. ぬめりを洗い流した後、机の上でまず解剖の手本を見せ. 春に、そのクラスの生徒は、その卵から育った魚(春に. る。今回の授業では、第1学年と第5学年の生徒の合同. は、稚魚になっている)を小川に戻しに持って行き、そ. の授業であり。5学年の生徒は、過去に同様の解剖を行っ. れらを放流する。. ており、1年生との混合のグループに分かれての実習と. 4)社会カリキュラム㈹. なった。最初、ナイフの使い方にふれ、いざサケを切り 出すと、子どもたちの目は真剣な目に変わり、第5学年. に、BC州資源教材がある。日本と同様に、鉱業、林業、. の生徒たちは、自分たちが後で第1学年の生徒に教える. 農業、漁業などのトピックがあり、教師は、その中から. という立場からか、5年生らは、様々な質問をブルック. 選択して扱う。サケ科魚類増殖プログラムの見地から、. ス氏に投げかけていた。. サケ科魚類を生徒に教える教師も多く、サケ科魚類が危 険にさらされている事実を通して、生徒がどのようにこ. 第5学年の社会科で教えられるべきトピックスの一つ. 定められた手順に従って解剖された後、生徒は、理科. の資源を管理したらよいかを理解させる。例えば、BC州 は、毎年、26,000,000ドルのサケを獲っている。サケ. の時間を使ってその構造を正確にコピーされた用紙に記. 録していく(図6)。1年生では、新しい単語の練習を −24−.
(12) No.54. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発(Ⅰ). 1999.12. 図6 第5学年の生徒が描いたサケのからだのつくり(各番号の日本語部位名は筆者による). は石油資源と遠い再生可能な資源ではあるが、非常に多. 流へのすべてのサケ科魚類の遡上をなくしてしまっ. くの重要な決定がサケの生存を不確実にするに違いない. た事実。 ④環境汚染対策として、BC州政府がサケ系統の保全. ことを、近年サケが警告するはど減少している事実をも とに生徒に教えている。具体的な単元として、次のよう. を確実にするために対処せねばならなかったこと。. な事実を伝え、生徒に考えさせる。. ⑤アメリカ人とカナダ人の間で、現在、それぞれの国 の漁民の漁獲量についての合意はない。カナダの川. ①プレイザー川のベニザケ資源は1913年を境に激減し た。フレイザー川に入り込んだベニザケはばとんど. の漁区では、両国の商業漁民によって捕獲されてい. 1913年に絶滅に追い込まれた。鉄道がフレイザー川. る。魚は産卵のためにプレイザー川とスキーナ川に. の堤防に沿ってつくられ、ダイナマイトの爆発が川 の中で大きな地滑りとなり、急流となってしまった。. 戻るとき、アメリカの水域を泳いで通過する。もし. その急流を大半のベニザケが泳いで通り過ぎること. 国間のこの対立を緩和する手助けとなるだろうが、. ができず、魚は急流の下流域で何百万の単位で死ん. 国境を挟む二つの漁民グループ間の緊張は高く、し. その魚がカナダの水域だけで泳いでいるならば、二. だ。 (診何年もかけフレイザー川を広げた。そして、フレイ. ばしばニュ岬ス番組の中で対立報道を聞く。. 以上のような事実を通して、生徒が大人になったとき、 よき問題解決者、よき保護論者となるよう生徒に教えて. ザ岬川の特別な場所(上流にある産卵場所)へのぼっ. ていく魚を助けるために、魚道をつくった。このフ. いる。こうすることで、将来、この間題を解決すること. レイザー川の「広がり」は、「ヘルス・ゲ…ト」と. ができると考キるからである。. して知られ、今では人々は空中ケーブルカーに乗っ. 5)科学授業α増. カナダでは、教師は野外実習に生徒を連れて行くこと. て川へ降りていくことができ、荒れ狂う水や川べり につくられた魚道を見ることができる。. によって生徒の経験を広げるよう努力する。それは、教. ③カナダ人は、水力電力のためにフレイザー川にダム. 室の外に出ることを楽しみにしている生徒にとって、非 常に人気がある。. つくることはしないという選択をした。アメリカ人. はコロンビア川にダムをつくり、最初のダムから上. バーノン市では、サケについて教えようとしたとき、 −25−.
(13) 野呂 幸生・高嶋 幸男・小宮山英重. 自然の生息地でサケを見ることができ、クラスの生徒を. 表す。初期の学科では、子ども自身だけで文章を書くこ. 連れて行くことのできる理想的な場所がある。それは、. とができるまで、しばしば同じプロセスが続く。正しい. バーノンのダウンタウンに近く、バ・−ノン市の15の小学. 文章構造と興味深い語意が強調される。ライフサイクル. 校のはとんどから約5km離れたところにある。この事実. のような科学的名称や鍵になる出来事、そして外部およ. が、バーノン市での野外実習での生徒の輸送の運行コス. び内都構造が重点化される。彼らの観察と学習の複雑さ. トを低くすることになり、はとんどのクラスを野外実習. は、小学校の各学年を通して子どもの発達とともに増大. に連れて行くことを可能にする要因となっている。ク. する。サケ科魚類プログラムを行う各教師は、生徒がサ. リークには、クラスに専属の魚の専門家がいて、生徒と. ケについて学ぶ方法については裁量権を持っおり、すべ. 一緒にそのライフサイクルを復習したりする。生徒たち. ての教師と生徒は、このプログラムがすぐれた教授及び. は、終わるまでに多くのエクササイズ(練習)を行う。. 学習の道具であることを信じている。. しかし、野外実習について生徒の安全性も考えられて. 初等学年において、カリキュラムの領域の中にサケ科. いる。秋にはコールドストリーム川は比較的浅く流れ. 魚類プログラムを取り入れて使ったときの例として、特. が速くないので、子どもたちに野生生物を観察させる. に、読み方をちょうど学びはじめている幼稚園と最初の. 安全な場所を提供している。時折、その地域にはクマ. 学年の子どもたちに対して使われているものがある。こ. とクーガが出没し、特にクマはサケが産卵する秋に、. れは、文章の構造が非常に簡単で、読み書きの初歩段階. コールドストリーム川にやって来て、好きな魚を捕獲す. においては非常に小さい子どもでさえ、勉強がうまく. る。コールドストリーム川地域でクマとクーガがいると. いっていると感じることができ、自信を持つこともでき. いう報告があると、すべての学校の野外実習は中止さ. るものである。非常に小さな生徒を手助けするために、. れる。. 文章と物語の構造で、非常に簡単で親しみやすいスト リーにもとづく物語のフレームが使われる。例えば、. 生徒は、にぎやかな道路からコールドストリーム川へ. の砂利道を下って歩いて行き、道路や建物の世界から自. マーガレット・ワイズ・ブラウンによる“Ilike bugs.”は、 “Ilike fish.”に変えられる。. 然の場所で魚を観察することができる平和なクリーク空. 間へ入って行く。この野外実習は、サケ学習を仕上げる ためのすぐれた活動とされる。. Ilike fish.. 6)言語技術(】沙. 教師は、生徒の言語技術スキルを高めるために、さま ざまなフォーマットを使う。小学校では、特に低学年で. Ilike fish.. fish.. Silver fish.. fish.. Shining fish.. fish.. Flashing fish.. は、カリキュラムのテーマや科目領域はいっも独立して. Any kind of fish. Any kind of fish.. 扱われることはない。サケ科魚類プログラムでは、カリ. Ilike fish.. Ilike fish。. キュラムの言語技術のストランド(ひも)の中で教えら. れる批判的で創造的な文体をもち、それは、サケについ. ビル・マーティ ンJr.の「Brown Bear,Brown. ての科学的な語嚢と実際的な知識を結合するすぐれた方. Bear」は、やさしい構成である。非常に反復的で、大. 法であり、学校と野外実習活動とを結合した高度で興味. きくカラフルなイラストがっいていて、幼稚園の子ども. 深いテーマであるという。子どもたちが、このような最. さえそれを読むことができる。その物語は、サケの生活. 初の直接経験(hand experiences)をしたとき、その. のサイクルに置き換えることができる。. 学習は彼らにとってとても大きな意味がある。 多くの子どもにとって、サケ科魚類プログラムは、釣. 小さな卵、小さな卵. 樟で獲えたトラウトとは別の魚との最初の出会いである。. あなたは何を見ていますか?. 簡単なドライブ域内にあるコールドストリーム川で、多. わたしは、わたしを見ている浮上稚魚を見ています。. くのクラスの生徒が産卵行動中のヒメマスを最初の直接. 浮上権魚、浮上稚魚. 体験としてして見る。彼らは学校に戻った時、彼らの体. あなたは何を見ていますか?. 験は、学年レベルによりさまざまな方法で紙に記述され. わたしは、わたしを見ているスモルトを見ています。. る。幼稚園では、子どもたちはサケについての彼らの思 文体を使うために、小さな子どもにとってもう一冊の. 考や経験を紙の上に書き表す上で教師の援助を大いに必. 要とする。その子どもたちは、さらにできるようになる. 優れた本がパット・ハッチンスの『Rosie−s Walk』で. ので、紙に書き写した文章を模倣して学ぶ。そして、い. ある。そのオリジナル本は、納屋の前庭をぐるぐるして. つも、彼らが見て学んだものを措く絵画とともに考えを. いる一羽のニワトリと、それを捕まえようとしている一. −26一.
(14) No.54. 北海道東部、標津町における「サケ学習」プログラムの開発(Ⅰ). 1999.12. 頑のキツネを追跡しているもので、非常に容易にサケの. です。. テーマに変えられる。. は、本当のことです。. しかし、サケについて重要なことは、 サケのスイミーは、泳ごうと努めていた。. です。. ボートを通り過ぎ、. 岩をのりこえ、. 生徒は、このようなフレームを利用して、次の物語を. 水にもぐり、. つくる。. 滝の上へ、 丸太のそばを通り過ぎ、. サケについて重要なことは、それが産卵のために生. そして夕食に間に合うように家路についた。. まれた小川に戻ってくるということです。 それが大洋でその生活のほとんどを費やすというこ. 次の2冊の本は、サケの知識をもった子どもたちが、 週の数日練習するのに優れている。エリック・カリーの. とば本当です。 そして、それは多くの捕食者がいるということは本 当です。. 『rrheVery Hungry Caterpillar』は、容易に『The. Very Hungry Coho』に変えられる。そのオリジナル. そして、非常に美しくみえる魚であるということは. な物語は、毛虫(Caterpillar)がその卵から術化する. 本当です。. ときから繭の段階に至るまでの毛虫の一生の記録である。. しかし、サケについて重要なことは、産卵のために. 生まれた小川に戻ってくるということです。. それぞれのページは、週のはじめの日とともにはじめる。. その物語を改作する方法は、それが食べる食物に焦点を 合わすのではなく、海へ向かうサケの稚魚の旅とその旅. (4)サケ科魚類増殖プログラムの広がりく2〉. での出会いに焦点を合わすことである。同様に、ハン. バーノン市でのサケ増殖プログラムは、小学校15校、. ディの『Boss For a Week』を使って『Salmon For. 中学校2校で行われるようになっている。その中の活動. a Week』を書くことができる。. には、生徒白から企画したり、意志決定したりする活動 も生まれている。. 月曜日に、私は小川に泳ぎ下り、. 1)小川の管理. 火曜日に、私は河口で友だちを訪問し、. あらゆる生きている種にとって水が重要であるという. 水曜日に、活気あふれる海へ泳ぎ出る。. 自覚は1つの例であり、我々の惑星を共有するすべての. さらにまた、その関心事の中心は、子どもの思考やア. 植物や動物に対する防御や保護のために、教養ある決定 をしたり適切な行動を行ったりする。水管理の1つの側. イディアに合うようなやさしいフレームを子どもたちに. 面は小川の清掃であり、グループで小川の流れや水質を. 提供することである。これらの物語のフレームは、低学. 改善するために小川のゴミ清掃に着手している。. 年の子どもたちに適している。それらは、最初見たとき. 川あるいは他の水域の堤の復旧は、時に学校のグルー. は過度に単純化したように見えるけれども、子どもたち. プによって原産の樹木や低木の移植を行っている。この. の思考においては、成長する科学的語嚢や増大する複雑. ように、岸辺の植樹は、小川の堤を固定させるのを助け、. さば、そのフレームの限界を越えて容易に拡大しうるも. 沈殿物や汚物を捕らえ、洪水の水をゆっくりとさせたり. のである。これらのフレームを使うことの有益さは、子. 分散させたりし、水質や野生生物の生息場を改善する。. どもたちが誇りを感じる良質な学習を容易につくり出す. 2)生徒が会議をリードする. 教育の原理的目標の一つは、他の世代が行ったことを. ことができることである。さらに、これは、もっとよい アイディアを試みることや作文のスキルの増大に信頼を. 単に繰り返すことではなく、新しいことをすることがで. 与える。サケ科魚類プログラムに適したもう一冊の本は、. きる人々を育てることである。そこで生徒が自ら計画し. マーガレット・ワイズ・ブラウンの『TheInlPOrtant. た環境会議は、未来のリーダーになりうる生徒に価値あ. Book』である。次のフレームを使ったとき、一一つの物. る組織的な経験や責務を与えるという手段である。生徒. 語が、それぞれの子どもが学習したことがサケについて. のリーダーは、活動を計画し、発言者を招待し、メディ. 重要なことであると考えることを、容易に発展させられ. アにコンタクトし、他の生徒が出席したときに、イベン. うるだろう。. ト当日の活動の世話を引き受る。こうした生徒のグルー プにとって、リーダーシップの成長、地球的問題を知る ことは重要である。. サケについて重要なことは、. ¶27−.
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