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北海道農業の財政的考察(III) : 農業資本の形成を視点として

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Academic year: 2021

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(1)Title. 北海道農業の財政的考察(III) : 農業資本の形成を視点として. Author(s). 沢口, 信光. Citation. 北海道学芸大学紀要. 第一部. B, 社会科学編, 16(2): 116-133. Issue Date. 1965-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/3856. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 16 巻. 昭和40年12月. 北海道学芸大学紀要 (第一部B). 第2号. r 北 海 道 農 業 の 財 政 的 考 察 m - 農業資本の形成を視点と して - 沢. 口. 信. 光. 北海道学芸大学旭川分校社会経済学教室. ic Finance about the Nobu]mi tsu SAWAGUCHI: Publ ion Agr i int of the FormLat ture froln the Standpo cul ion in Hokkaido i turaI N1 of Agr cul eans of Product .. 次. 目. 6 . 北海道の町村普通会計におけ る農業関係費示例. 1 , 農業関係歳出の外囲 A. 国家歳出の推移 B. 公共事業費の推移. (以上前号掲載). 2 . 農業関係公共事業費 2 , 北海道農業関係公共事業費 (以上前前号掲載) 4 , 産業経済費における農業関係 費 5 . 北海道普通会計における農業. 関係費. 7 . 資本蓄積の負の要因としての 租税 8. 農業固定資本の発展とそれに. 対応する諸変化 9 , 生産効果と所得効果 10 , むすび. 7 . 資本蓄積の負の要因としての租税 資本蓄積の負の要因として租税 がある。 財政投資が農業発展の挺となるとすれば, 租税の徴収 農業発展の負の挺となる。 財政投下については既にみたところで あるのでここでは租税による. 業よりの価値 吸収の模様をみよう。 戦後, 農民は租税を如何に負担 しているか。 まず, それに 7表 だち国民一般の租税負担の概 況をみよう (第27表)。 まず国税から。 国民の国税負担率は第2. みる如く, 終戦直後の21年は税負担 率は低いが, 22年以降国債による才入調達の禁止により, 3年以降国税負担率は高くなる。 しかし財政の膨脹 にも拘わらず朝鮮事変以降の経 年以後特に2 発展, 国民所得の伸長に より負担率は20%前後に定着する. しかし国税直接税の大宗たる所得. 法人税の国税に占める比重の進行をみれば極めて顕著な差異が認められる。 即ち, 経済の破壊 れた段階においては直接税は圧倒的に所得税に 依存 したのであるが, 資本主義の拡大復興にっ. て法人税の比重 が増加しつ づけやがて所得税の地位に代わるのであってこの時 期 は32年 で あ 0 。 かく して所得税の比重はかって直接税の中で50%程度にも達したものが, 35年には2 %余り 低下 している。 そして国民所得に対する負担率も表にみる如く3%前後に低下するに到った。 -1 16-.

(3) . 口. 沢. 第27裏 租 税 負 言 の. 分配国民. れ 22 筋 塾 25 26 27 器 29 綿 31 32 33 34 35. 税. 11,4. 10.3. る 比二. 21,6. 26,8. 28,5. 22.4 22,O 22.6. 22,2 21,6. 19,6 20,3 21,O. 20.4 19.9 21,0☆. 19.6 22.8. 23,2 16,9. 16,O 16,6 16.4. 15.5 14,O 14 .3 14 ,6 14 ,O 13.7. 14,8禽. 地 方 税. 光. 担 推 移 (全国) ′ ◎相 国税計に占める比率 だ 売税計の国. 国. 左 の 内 訳. 所得に対. 信. 直接税. ー. 上▲ りn ムU. 56.6. 49.1 { U ”n 丁 ア ”( 49.8 r 「 U 45,1 r ro o 55.O ハ ^。 = V 58.8 《( VV 56 4 r no X U , 53.8 ハ Ih 十U ▲ 53.1 「 ハ。 h V 51.4 ハ nhVU 53 。1 Gハ UT 52.3 ハ 孟b 4 48.7 ハ つhんU 49.7 ハ nh /U ム 53.9★. 嬬 4 50 9 50 2 46 4 鮎 0 虹 2 43 6 46 2 46 9 48 6 46 9 47 7 3 引 50 3 46 1. 所 得 税 法 人 税 民所得に対 る- ヒ率 48 ,4 41,8 42,6 43,8. 38.6. 31,2 32.O 31,O 30,6 30 .6. 27 ,9 21.6. 20,2☆ 20,8☆ 20.2舎. 3,4 3,8. 5.O 8,2 9,4. 6.2 9,6. 11.4. 25,4. 7,O 4 .9. 14,7 22,1 22.1. 21.4 21,1 23,3. 29,1 28,7貴 30.O. 5.1 4,8 4 ,8. 4 .1 3.8 2.9 3,O 2.8. 2,9声. (注)1) 決算額をあらわす。 但し賞は補正後予算額をあらわす。 2) 大蔵省 「財政金融統計月報」 No 05 1 6 ,100 ,1 ,1 , 及び日本統計研究所編 「日本経済統計集」 によ り作成. ところで, いうまでもなく, 農民の負担する税は, 個人経営の圧倒的に多いことから当然所得税 負担なのであり, この外, 僅少な相続税がある。 ところで第27表でみる所得税の低下は農民の税. 負担の低下を予想せしめるものである。 このような所得税の比重 の低下は単に法人税 の伸長によ るばかりでなく, 所得税の軽減措置によって達成された. いまこのような所得税 の軽減措置につ いて31年以 降の推移をみよう (30年までについては拙稿 「戦後に おける農民に関する税制の変遷. 1年は給与所得税の軽減があり, 32年には と農民負担について」 北学大紀要第9巻第1号参照)。3 ) 所得税法の改正あり, これにより平年度950億円の大巾の軽減が見込まれ1 , 申告所得税について 言えば基礎控除額扶養控除額の引上げ, 税率の引下げが行なわれた。 33年には貯蓄控除制が臨時 ) 措置として 採用され2 , 34年には扶養控除の引上げ, 併せて最低税率 の適用範囲の最高限度の引 ) 上げがあり平年度700億円の減税が見込まれ3 , 35年においては減税は 見送られ36年度にゆずる ) ことになる4 なお 相続税に ついて言えば 3年免税点の引上げ, 税率の軽減が行な われてい , ,3 。 ) る5 。. ,. 次に間接税であるが, この消長が農民の税負 担にとって重大であることは言うまでもない。 わ が国で直接税中心主 義が, ある程度はっ きりかかげられたのは昭和15年の税制改革であるが, 戦 時中消費節約, 貯蓄増強の必要から間接税が増徴されたのであり, 戦後はシャ ープ勧告で再び直 接税のウェイ ト増大が掲げられたが, その後直接税の租税特別措置 の拡大, 直接税 コ心 の減税 が あったため, 近年は第27表に見る如く間接税は再び重くなっている。 さて, 以上の一般的趨勢の下で北海道農民の税負担は如何に推移したか, 直接税については第. 28表 を み よ う。 然 る 時, 国 税 直 接 税 は 明 らかに 減 少 して い る の を 知 る の で あ る。 但 し表 に お い て. 1年と32年との間に調査農家対 象の変更によって数字に断層があるも以上述べた 所得税軽減の- 3 般的趨勢からこの断層もある程度埋まろう。 ところで, 数字に表われた直接 国税の軽減は既に述 -11 7-.

(4) . 北海道 農業の財政的考察皿 第2 8表 農家の直接税公課諸負担の推移 (北海道) 千円. 税 国 道 熱 市 町 村 税 市 町 村 民 税 固 定 資 産 税 の. 26. 27. 21,5. 14 ,6. 14 .9 0.5. 6.6 3.2. 5.2 7.6. 0 .3 11.1. 国民健 康 保 険税 そ. 憂. 他. 直 接 税 合 計 (A) 得 農 家 所 公 課 諸 負 担 (B) 農家負担計(A)+(B). 1.3 32.9. 0,4 14 ,4. 0.6 1.O. 376. 29.3 399. 16.5. 14 ,7. 49 .3. 44.1. 17.6 5.9. 29. 8.9 0,8. 6.6 1.6. 20.1. 6,8 10.1. 9,1 1.7. 30. 28. 2.1 1.1. 17,6 3,9. 10.4 2.3. 31. 32. 33. 34. 35. 4,7 4,5 2.9 2 .6 1.5 1.3 1.2 1,O 18.1 19.9 14.4 16.1 16.3 17.6 2.9 4.3 2.1 3.3 3.4 3.4 11.7 11.8 8,8 9.5 8,7 8.8 2.3 2.8 2,4 3.1 4.O 5.O 8.5 1.3. 3,6 1.5. 0,9 33.O. 29.8. 1.O 25.8 346. 1.2 1.O 1.1 0.2 0.2 0.4 27.9 25.O 20,O 20.O 20,3 21.3 405 288 458 431 458 496. 15.5. 21.O. 20.5. 22 .9 22.2 15.O 19.O 18.2 19,3. 368. 345. 48.1. 50.8. 46,3. 50 .2 35.5 39.1 38.6 40.6 .8 47. (注)1 ) 北海道農家経済調査報告書各年度による.. 2) 昭25度のみは札幌農区平均数字をあらわす.r 3 1度以前は調査農家の平均耕地面積平均 5.2 ) 昭2 6度以降は全道農区平均数字をあらわす. 但し昭3 町, 昭3 2度以降は3 1度以前と32度以降では直接には接続せず. .6町となっている. したがって3. べた税制改革による課税農家の減少, 不課税農家の増 大に原因 があるのであり (第10図) ,総体としての北海. = 北海道農業者の所得税納税額 第10- とそれの納税人員推移. 道農民の負担する所得税が北海道農業公共事業費とし / / て投下される国費に比較すれば1 5~1 , 8 に しか達しな. い こ と は 既 に 第 9表 に 明 ら か に した と こ ろ で あ る. し. かも近年に到る程その比の数字が低くな っている. こ. れは農業公共事業費として国費投入の増大にも拘わら ず農業所得税の減少によるものであることはいうまで も な い。 な お. 国税間接税の負担状況は資料やや古き. に失するも第29表によって明らかとなろう.. ′へ r し中. 第29表 北海道農家の間接国税負担額 千円 (1戸平均) 昭27 砂. 糖. 消. 費. 税 税. 酒. た ば こ 専売納 付 金 電. 気. ガ. ス. 税. 物. 品. 税. 入. 場. 税. 合. 計. 農家所得に対する比率. I 0.9 3.4 3.5. 0.21 0.18. 0,14. 28 L5 3.8 4,2. 0.23 0,16 0,24. 84 10も % % 2,8. 3.2. 29. 30. 31. 1,9 4 .4. 1.8 3.6. 1.6 2 .8. 0.16 0 .21. 0.17 0,22. 0.14 0.21. 4,4 0 .23. 3.9 0,26. 11.3 1 01 % % 3.8 2,9. 4.6 0.29. 札幌国税局 「税務統計書」 各年に よる.27年以前の農業所得に対す る税額は原典に記載を欠く.. 次に農家の負担する 地方税であるが, まずわが国の地方税の 全般的推移からみ. 9 よう. 戦時中, 地方行政機関は国家行政 .も ち 3.7 の伝達下請的存在となって, 財政規模も. (注) 1) 砂糖消費税は砂糖菓子類を含む.. 2 ) たばこ専売納付金には地方たばこ消費税 (昭29創 設) を含む. 3 ) 資料は農林省 「農家の間接消費税負担に関する調 ; ” 査」 (昭33 ) による. ] -11 8-. 極度に縮小したのであるが, そのような 地方財政も シャ ー プ勧告以来, 地方自治. の強化により 地方財政は再編成強化され る こ と に な っ た。 ‐一 方, 地 方 財 政 は 国 の.

(5) . . 沢. ロ. 信. 光. 公共事業, 失業対策, 教育衛生, 社会保障等の拡大にともない, 地方担当の附帯事業費あるいは 負担分も増大することになり, この事は否応なしに経費の膨脹を招来するのであり, しかも, そ の場合, 国の補助金なり交付税交付金が必ずしも十分に地方へ支出されなかったため, 地方経費. の膨脹は必然的に地方税の増大をもたらさざるを得なかった。 このような現象は国民所得の増大 にも拘わらず負担率の漸増となって表われる (第27表)。 しかし, 国民所得の増大は不 均 等 で あ ;滞しているのであり, いきおい農村においては地方経費の増大 り, 農業の如きその成長が最もぎ は農民負担の増大を呼ばずにはいないし, 今後ますますこの傾向は増大しよう。 いま, 本道の市 町村才出の増大, 市町村税の増大を図示すれば第11図の如くにな 第1 1図 北海道における市町 村才出および市町村税・農. 林水産業主所得伸長比較 指 数. 0 2 8. る. それは農業所得の変動に対 してある程度硬直的に増大を続け ている. ここに地方税の農 民負担の増大を予 想せしめる。 さて, 以上の状況の下で北海道農民は地方税を如何に負担しているか. 再 び 第28表 に よ っ て み よ う。 表 に お い て ま ず 気 の つ く こ と は 国 税. 負担額の少額なるに対 し, 地方税負担の前者に対 し相対的に大き. 脚. い こ と で あ る。 こ の 点, 第27表 でみ る 国 民 の 国 税 負 担 率 や 地 方 税. , ・. ノ 沿 / 沿 / 埼 ノ 埼. 負 担 率 と は 著 しく そ の 相 貌 を 異 に し, む しろ 逆 の 様 相 に あ る。 そ. して, 農 家 の 国 税 直 接 税 の 負 担 率 の 小 な る 点 に お い て, 資 本 主 義 が 農 業 の 代 行 負 担 して い る こ と を 感 ぜ しめ る の で あ るり そ れ は き. 8表にみる如く, 農家負担の地方税は大部分 が市町村 ておき, 第2. 窄 ご 審 蓄 喜 電 驚 養 驚喜憂欝響 孝 議. 〆. ′ 憂 憂 誹 議弱震 義挙緊密璽喜 喜 .▽ ) ▽ と して は 必 ず しも 大 き い も の では な い。 し か しそ れ が 公 課 諸 負 担. (これは近年地方税よりむしろ大きい) と相重って農家の低い現. 6 0 1 1 1 . β2ケ282 2 クヨ 9ヨ 2ラ “ “ “ “ 73 ララ “ メラ “ ク. 1 ) 2 ) 3 ) 4 ) ) 5. 網に・一れ 端 それな狸豚の 蝋 に.…. な ろ う.. 73参照 大蔵省 「国の予算」 (昭32度)p ,5 3参照 5) 大蔵省 「財政金融統計月報」 No ,22~2 ,84p 大蔵省 「財政金融統計月報J N0,95 p .14~15参照 1 前掲書 No 6p ,23~25参照 ,1 12 15千円計4 96千円, このうち現金所得では農業所得297千円農外所得1 3 5年北海道農家所得は4 「農家経済調査報告書」 による。) 千円となっている. (. 8 , 農業の固定資本の発展とそれに対応ずる諸変化 財政を通ずる農業の固定資本の形成はすでに第3章でその一部についてふれてあるが, 生産細 胞としての私的農家固定資本の発展をみよう。(この場合農業金融をぬきにしては考え られないの ) であるが) いま, 開拓についての成 果は註に示すに止め1 , 本文では除外して考える。 以下 「北海 5年農家固定資本 (正碓には固定資産) の構成 道農家経済調査報告」 によってみる。 まず, 昭和3 -11 9-.

(6) . . 北海道農業の財政的考察皿 をみるに11 3万円程度 であっ てまさに生業に値する零細である しかし, 仮りに本道農家234千戸 . を乗ずれば2 64 0億円の巨額に達する, この事は逆に言えばそのような巨額な固定資本も実は多数 の農家に分散した場合, 如何に少額 の資本にしかならな いかをあらわして いるのである さて , 。 以上農家資本1 戸当り113万円のうち, 建物と土地の両者で75%に達し (住宅 宅地を含む) 労 , , 働装備叉は対象は合せて2 5%に過ぎなし ・のであり, 農機具の如き 9%, 10万 円 に 過 ぎな い。 こ の ことは近 年農業機械, 用畜の目ざましい普及にも拘わらず1戸当りにすれば極めて貧弱な ことに ) 対応 しているの である2 . ところで上記の固定資本を32年と比較すれば計97千円の増加となって いる. 一見極めて微細な増加 であるが, これは既設の固定資本の減粍を償いつつ達した純増分で ある。 新投資にも 拘わらず, 一方絶えず固定資本は減価 している いま 35年を1例年次として , 。 みるに1戸あたり減価額は119千円である3 ) 。 かかる減価 は勿論, 固定資本が増 大すればする程. 増大するのであって投資 の増大に比 して価評額 は小さく しかあらわれな い 。 だが物理的にみれば 固定資本の増大はほぼ投資に比例して 増大がみられよう 。 したがっ て貨幣評価以上の資本の物理的増大を生 じているものと考えられる ところで すで , 。 にあげた1 戸, 97千円の純増加は全道農家 を乗ずれば22 7億円の純増加となる。 物理的な資産は より増大していよう。 さて, 前記97千円の内部をみたのが第30表である 動物と土地資本の増加 。 が主要部分 であり, 農機具の増加はむしろ低 いと言えよう なお これを3 1年と28年の比較増加 。 , に比較すれば, 増加の重点が建物土地を重点とする増加から 動物土地重点の増加に移行 してい , る事が知られる。 なお農 区別に固定資本の構成 (住宅 宅地を含めて) と増加状況をみた のが第 ,. 12図, 第13図である。 増加についていえば 札幌農区が最も大きいし これは建物農機具土地の , , 増 加が他農 区に比 べて 大 き. 第I2図 農区別固定資産 (北海道:昭3 5度末). い の が 原 因 をな して い る 。 こ れは水 田地 の住 宅の新 築. .. . 4円. . 第1 3図 農区別固定資 産増加額 (昭35度末と32度末の差額). ・. 1 凝. . た だ財政投 資にょる土 地改. 饗 農 繁 繋駕鳥島. あらわれていな いのは篠津. ′. \÷. ン -ジ ′ ね. ′. O ZO. 8 0 。. / 、. れ は35. 鞘 束を襲った3 5年. 3月 の 豪 雨 災 害, 5月 の チ. )を合 せ り 地 震 の 津 波 災 害4. 礎. -. 鎖. 箸. 1 ヂ ザ \ヂ か 、メ タ. 首. 竃. 北海道農家経済調査報告 書にょり作成 -120-. 抑. ふ〆 も 夢. ◎ ‐ チ。. 濠. 端. に - - -,. ー勿. ぢo. 凝 准 夏 資 竃 第12図に同じ.

(7) . 沢. 口. て考ぅ べきであろう。. 第30表 農家1戸当り固定資産 (北海道) 35 年 度 末 土 建. 地. % 293 (26). 物. 農機具 植 動. 物 物. 計. つぎに 固定資本の発展に対応 し て 労 働 時. 千円. 35年と32年 31年と2 8年 との差額 との差額 27. 77. 548 (49). 14. 92. 1 00 (9) 15 (1). 17. 12. O. △1. 177 (16). 39. 15. 1133 (loo). 97. 195. (注)北海道農家経済調査報告書各年による 3 1年と28年の調査農家耕地面積は5 1反 35年 と32年. 〃. 光. 信. 〃. 39反. 間, 資本の価値構成, 農業の支出構成, 生産 費 の変 化 を み よ う。 こ れ らに つ い て は 第31表 に 一 括表 示 して あ る .表 に よ っ て み る に, 労. 働時間は人力労働時間がむしろ増大傾向にあ る。 これは粗放作物より集約作物への転化,. ) これに 飼 養 家 畜 の 増 加 に よ る も の で あ る5 。. 反し畜力労働は微小ながら減少 し, 動力使用. 時間が微増している。 それにもかかわらず三 者において人力労働が圧倒的に多 い の で あ. り, 畜力使用時間の少なきは勿論, 動力労働 時間は極めて少ない. このような動力時間 の少なさは, さきに第30表でみた農機具装備の低さの あらわれである. ここに農業の多投人間労働がはっ きり示されている。 かくては労働の生産性の. 低さは当然であろう. この事は労賃の騰貴 はそのまま生産物の生産コストをおし上げることを意 味するのであって, かかるコスト上昇は生産物の価格上昇へそのまま連り, とうてい資本主義の 首肯するところとはなり得ない。 労働生産性向上政策が資本主義の要望としてあらわれることは 当然であろう。. つぎに資本の価値 構成をみよう。 不変資本は傾向としては増大している. にもかかわらず可変 資本の増大傾 向はより進行しているのであって, その結果として価値構成はかえって低くな って. いる. このような可変資本の増大は労働時間の増大, 労賃の騰貴によってもたらされたものであ る.. さ らに農業支出の構成比をみよう. 農業固定資本支出は農業支出の5 0%前後を占めつつ 微小な. がら増 加している。 これは農業の固定資本の増加と対応した結果である. それにも拘わらず賃借 料雇傭労賃は, その構成比率は比率そのものは小さいにせよ増大速度が大きい。 これは労働装備. の強化が雇傭労働を排除する迄に強化されつつあることを否定する事を意味する. その他の流動 資本はむしろ比重を低下している. 以上から賃借料雇傭労賃の上昇が他の支出の増加を圧迫する. かまたは支出増加の有力な因子となる可能性をはらんでいる.. つぎに生産費をみよう, 単位面積の生産費計として米の場合明かに増加している. 畑作物の場 合む しろ低下さえしている. 両者を通じて生産 費の中で固定資本財費の占める比率は む し ろ 低. く, 労働費の占める率が米の場合 はるかに大きい. しかもそれが絶対的にも相対的にも増大して いる. 畑作では表でみる限り, 32年と35年の生産費構造に発展的様相を認める事はできないし,. のみな らず, 28年と比べて逆行するかの如き感を与える. しかしこれはむしろ調査農家の相異に. あろう. さて, 以上労働時間, 資本の価値構成, 農業支出の構成, 生産費を通じて農家の固定資本の発 展が特に固定資本の発展ゆえに労働節約型に変化しているという 生産構造上の変化を招来しつつ. あると看取されるまでに到っていないことが知られる。 むしろ労賃の上昇, 労働時間の増大がよ り生産構造上の変化としてあらわれている。 これを要するに農業に対する連年の多大な財政投下 に比べて, そして総体としての農家資本の発展にもかかわらず平均化された1戸農家の固定資本 の発展の跡は極めて零細に進行 していることを知るのであって 固定資本の発展が農家生産構造に 一12 1-.

(8) . 北海道農業の財政的考察皿 第3 1表 固定資本の変化に対応する. ある程度明石 雀な線を劃 し得る. 諸指標 qヒ海道農家1戸当り) 1. 憂. よ う に な る の は む しろ 今 後 の. 1 3 ・ H e 2 1 3 5. 価 値 構 成 (A/B). 価 値 構 成 (除土地資本) 農業支出構 成 固定資本及同附帯費(%) 賃 借 料 ・ 料 金(%) 雇 傭 労 賃 費 (%) その 他 流 動 資 本 (%). ノ% ー金額{千円). 計. 行する固定資本の発展は如何. 674. なる原因に基づくのであろう か. こ の 点, 農 家 よ り 価 値 の. 産. 流出に基因することを指摘せ. 1135. 1349. 1121. 1246. 248 5 8 4 / 1 0 0. 315 8 4 2 / 1 0 0. 3 2 1 / 1 0 0. 241 6 4 6 / 1 0 0. 3 5 3左側. 309 4 0 3 / I 0 O. 3 o 8 / 1 0 0. 40,8. 54,2. 50.3. 51.5 5,8. 5 3 2 / 1 0 〇. 2.7. 4,1 4.6. 2,8 6.3. 7,7 49,1. 36,6 100,O. 100.O 221. 41,2 100,O 198. 284. 昭 28 生. 32. 9,1 33.8. 100 ,O 242. 35. 費 (反当) (千円) 14,1(100.0) 14,8(100,0) 17.4(100.0). 計 儀 作 物(千円). ぅち固定資本財費{霜 ぅち労働 費 儀. らばこのような財政投下と阪. 6199 65. 資本の価値構成 不 変 資 本 A (千円) 可 変 資 本 B (千円). 発展にまたね ばならない. 然. 6,5(100,0) 2,5(17.7) 1,6 (24,6) 6.4(45,4) 1.9(29,2). 5 .5(100.0) 3.0(20.3) 1.2 (22,0) 7,3(49,3) 1,6 (29,3). 5 .6(100,0) 3,4(19,5) 1,3(22.5) 8,9 (51.2) 1,8(32.0). (注)1 ) 人力は家族労働雇傭労働手間替受入労働を含む 2) 不変資本は年度末固定資産と肥料薬剤飼料光熱動力小農具計をあ. らわす. 3) 可変資本価額は米生産費に見積る1時間当り労賃に人力労働時間 ” を乗じて算出, 因みに28年1時間当り4 0 1年50 ,0円, 3 .4円, 22年 51.5円, 35年62,4円 と な る.. 4 ) 農業支出は本表では土地改良費, 水利費を含まず. 5 ) 畑作物は 「ばれいしょ」「大豆」「さいとうの」 三作の平均をあら わす. 6) 「北海道農家経済調査報告書」各年並びに「生産費調査報告書」 により作成.. ず に は お られ な い。 こ の 点 後 章 の 「む す び」 に お い て の べ る で あ ろ う。 1 ) 開拓事業の成果を言えば, 昭 和35年度末入植現在戸数2 6,3 30戸, 耕地154 8町内訳, ,95 田7,100町, 畑147,858町と な. っている. これらは水道, 電 気, 診療所等の生活施設, 教 育施設, 農道濯排施設その他 社会資本の造成によって支え られている. 開拓農家の大家 畜としては耕馬30 67頭乳牛 ,9 肉 牛 計55,964頭 と な っ てい る. (「昭和35年度北海道開拓地営 農実績調査」 による). 2) 農業機械の普及状 況 を み る に, モ ー タ ー30年 3 60百合一 35年 668 百合, ガ ー デ ントラ. クター, 3百合一13百合, 動 力耕転機31百合一132百合, 牛90 8百頭一18 6 6百頭となっ ている. (「北海道農林水産統 計」 による). 但し農家1戸 当り所有状況をみれば35年, 原動機0 ,59台~ 動力作業機 1 .19台,畜力作業機8 .14台,牛 1,2 頭 馬 1.0頭 と な っ てい る. (北海道農家経済調査報告書. に よ る).. ) 北海道農家経済調査報告書昭 3 和35年版 p,16 に よ る. 4 ) 北 海 道 年 鑑 19 61 p .297一 298参 照. 5 ) 北海道農林水産統計昭3 2 , 昭35比較参照. 9 . 生産効果と所得効果 財政資金の投下による農業の生産効果と所得効果をみよう。 けだ し, これによる社会的資本の 造出にせよ, 個人資本の補強にせよ, 如何に してコストを安価に して, 安価なる食糧を豊富に安 定的に供給せ しめるかにある. その時, 資本主義は恒常的に安価に労働力を調達する事が可能で -1 22-.

(9) . 沢. ロ. 信. 光. あるからである。 かつまた, かかる食糧供給の増大過程は少くとも過剰生産 の現象を来らさざる 限り, 農家にとっても所得増大の過程でもあり, それは資本主義の国内市場拡大につながる と , ころで, 財政投下による以上の二つの効果を純粋に摘出することは困難であり, それは農業金. 融, あるいは農家投下資金の綜合結果と してのみとらえることができる。 したがっ て, ここで財 政資金の投下の効果と してみるのは実はこれらの綜合効果と してあらわれたものとなる. このこ. とを念頭に入れつつ, まず財政資金投下の結果と しての産出額の増大状況を眺め, そのあとで所 得増大の状況をみよう。 A 産出額の推移 周知の如く, 農業の場合自然条件が産出に振動を与え, 産出増大のどれだけが財政投下効果に よるものか明碓な判断を下すことは容易でない. ただ財政投下が自然条件のマイナスの要因を縮 小 せ しめ る のみ な らず, こ れ を プラ ス の 要 因 た ら しめ る こ と に よ っ て 産 出 効 果 を 高 め る 。 さ て,. 産出額の推移は第3 2表の如くなる. いま, 3 5年についてみれば北海道農業は12 78億円の生産額を あげている. このためにこの年度の国家財政投入資金は農業公共事業費83億円 民間資金4 61億 , 円が投 じられているし, この外にも直接間接財政の産業経済費に含まれる農業関係費が投 入され ている. なお民間資金4 61億円を投ずるためにその4 0%たる184億円が制度金融として供給されて. いる。 この外にも北海道および市町村財政資金が国家財政の投下資金を補強 している 。 つぎに, 産出額の発展をみれば, 昭和2 5年, 4 72億円 (34年基準価額で665億円) が, 3 5年12 78億円 (基準 価額12 33億円) に達 し, 名目で2 ,7倍, 実質で約2倍の増大とな っている。 かかる産 出額の発展 第32表 産 出 額 の 推 移 (北海道) 産. 出. 名. 目. 額. 質 対前年 実 産出額 増 分 産出額 盈 A. ( 34 ,基準). 財政資金 (食糧増 産対等事. 刃B. 業費) B. 昭25. 472. 655. 15. 15. 26. 621. 149. 722. 24. 39. 27. 721. 100. 822. 35. 74. 28. 646. △. 75. 680. 47. 124. 29. 592. △. 54. 617. 45. 169. 30. 927. 335. 966. 46. 215. 31. 686. 241. 690. 54. 269. 32. 1067. 381. 1056. 63. 332. 33. 1127. 60. 1133. 64. 396. 34. 1222. 95. 1222. 72. 468. 35. 1278. 56. 1233. 83. 551. 乙. 億円. △A/B. 制度金融 貸付額 40. 乙 6,208 2,886. 乙 1,596 乙 1.200 7,284 ‘ 4,463. 6.048 0,938 1,320 0 ,675. 134. 68. 193. 100. 245. 154. 287. 162. 271. 112. 406. 265. 377. 129. 405. 144. 405. 170. 425. 184. 461. (注) 1 ) 産出額および民間資金は北海道農林統計協会 「北海道農林水産統計」1 9 63版 p,106に よ る. 但し 民間資金は同頁による筆者算出。 産出額× (1-所得率) をもって算出。 (1‐所得率) は経費 率をあらわす. 2 ) 制度金融は特別営農資金, 農林公庫資金, 有畜農業改良資金, 農業改良資金, 負債整理資金, 低 位経済農家家畜導入資金, 開拓者資金, 営農改善資金, 災害資金の集計をあらわす (筆者 「北海 道農業の金融的考察」 北学大紀要 Vol ,14 No .2 収載による) 3 ) 実質のイ ンフレート指数は結済企画庁使用の実質国民所得算出の指数を使用した (企画庁 「経済 要 覧」 1961 p ,46). -12 3-.

(10) . 北海道農業の財政的考察皿 )の中にあって達 は 一見遅鈍に見えようが実は資 本主義の発展による 耕地の絶えざる社会的潰滅1 成された数字である. しかし, かかる生産力段階に到達せしめるまでに投入された国の農業公共 35 事業費をとってみれば累計551億円に達する. すなわち, この数字こそ産出額の差額806億円 ( 年と25年の差額) の生産上昇をもたらすに投入された国家財政資金である. この事は一見極めて 6年以後農業公共事 高価に見える, .しかし, それは必ず しも高価というにはあたらない .仮りに3. 他の条件を一切不変とする限り, 僅かな補修費をもって恒久的に35年 業費の投入を停止 しでも,′ 5年までの の生産力を維持 しよう し, また前記農業公共事業費累計551億円に対 して, 25年より3 59億円 (投入国家財政資金の約17倍) に達するからである. しかし, そ 産出累計額を求めれば93 れにもかかわ らず生産力のある程度の段階に達すれば, 農業公共事業費は増産事業の割高の名の. もとに容易に削 減せられる可能性をは らんでいる. それは第32表にみる如く資本の限界生産係数 の 極 端 に 低 い こ と に よ っ て で あ る. 35年 を 1 例 と して み れ ば 限 界 生 産 係数 は 0.675 で あ る. こ の. ような係数の低さはその他の年にも一貫 してみ られる現象であり-- 資本の限界生産係数の高く あらわれるのは凶作年の翌年においてであり, これは凶作が平常に復したことによってあらわれ. るものであり, 異常係数たる性質をもつ--, 殊に凶作年にはマイナスの係数とさえ な っ て い る. このような係数の低さこそは 食糧逼迫段階においては食糧増産費として投入に狂奔せしめる 所以であるが, 逆に食糧供給の緩和されつつある段階においては費用の割高が故をもっ て削減を. 要望せしめる根拠をあたえるものである. そしてその時, 常に持ち出されるのは比較生産費の理 論であり, 農業を荷厄介な産業 であるかの如き暴論さ え生ぜ しめる. もとより古典的比較生産費 の理論は現時独占資本主義段階にそのま ま採用され難いにせよ, 容易に死滅せず時に応 じて舞台. に登場するであろう. B. 農業所得の 推移 3第表の如くなる つぎに農業所得の推移をみる. その推 移は3 て (昭34基準) の趨勢値 表 に よ って農業所得実質 表によ 第33表 農業生産所得 (北海道) 農業生産 所得(名目) 躍 実 億円. あ 質. 実質農業所得 趨. 億円. 勢. 値. 億円. Y′ を 求 め る と, Y′=550 .3十34 .9t 億 円 とな る.. これにより表の終点たる33年と起点たる25年とを 対 比 す れ ば 725:376=219:100 とな る. な お こ. 338. 478. 376. 428. 499. 411. 27. 477. 542. 446. 28. 359. 377. 481. 29. 320. 334. 515. 30. 521. 545. 550. 31. 308. 310. 585. 較すれば, 北海道の農業生産所得の伸長は全国の. 656. 620. そ れ の 1.6 倍 に 達 す る こ と が 知 られ る. しか し,. 5 昭2 26. 32. 662. 33. 722. 726. 655. 34. 797. 797. 690. 35. 817. 789. 725. 北海道実質農業所得趨勢値 (億円) Y′=550,3十34.9t. の際, 比較のために全国農業所得実質の趨勢値を ′ ) 算 出 す れ ば2 , Y =9579.5十304 ,3t 億円となる, 110 1 5年とを対比すれば, 1 そ してこれの35年と2. :8058=138:100とな る. 以 上 の 二 式 に よ っ て 比. 一方農業所得の安定度を標準偏差による変動係数 に よ っ て み る に, 北 海 道30.14%, 全 国10,79% と. なるのであって, なお北海道は全国に比べて著し く 不 安 定 と い わ な け れ ば な らな い. しか し, こ の. (参考)全国実質農業所得趨勢値 (億円). 場合, 全国の場合では一地方のみな らず数地方を 包含 し, 一地方の不作は他地方の豊作によって相. (注) 第32表に同じ. 殺 さ れ る こ と も 考 え られ る の で あ り, こ の 外 に も. Y′=9579.5十304,3t. -124-.

(11) . 沢. ≦ 卸0. 道農業生産の安定 した32年から3 5年までの農業生産所得を )による1戸あたり 農業所得をとっ てみれば 農林省調査3 , 変動係数は北海道12 ,3%, 東北区9,3%, 東海道区9.3%,. 終着生産で 趨 勢値. .. . , .. . ・. 北陸区5 ,4%, 北関東区8,8%となる. ところで農業所得の伸長についていえば, 以上にのべた 北海道農業生産所得の府県に比べての急速な 伸長は, 第3 表, 第 9表 の比 較 に お い て み る 如 く, そ して ま た 第15表,. 第1 9表においてみる如く, 本道農業に投入さ れた財政資金 の大きさ, かつまたそれを補完するものとしての農業融資 の大きさ4月こ対応 した結果とみてよく, そのような財政金 融の本道農業発展の支柱としての 役割りは極めて大きいと. ね,. 0 る 0. 光. れにもかかわらず, 北海道農業所得の不安定性はげん然た る事実は否定すべくもない。 いまきわめて短期ながら北 海. . 6 回. 信. 生産額増加速度の鈍さも合せて考えねばな らない. だがそ. 第14図 農業生産所得実質額 (基準年次34年). 轡. ロ. い わな け れ ば な らな い. . d J う 沖.6 5 2◆ 0 弱 み ス 3 ス ユ. 1) 例えば3 0年~3 5年のみにて本道の耕地の人為的潰滅は計3 881町 に達する (「北海道農林水産統計年報」 各年による) 2) 全国農業所得名目額は農林水産統計19 2ならびに第3 6 1次農林統 計書 によ る.. 第3 3表により作成. 3 ) 農林省 「農家経済調査報告書」 各年をみよ。 4 ) 低利または利子補給のある制度資金貸付累計 (昭2 1~35) をみるに全国64 12億円に対して北海道単独で157 8 億円に達している (拙稿 「北海道農業の金融的考察1」 北学大紀要第14巻第1号収載 p.77 参照) 10,. む. す. び. 、. 国の財政は戦後の資本主義の崩壊・占領下の状態から朝鮮事変, さらに独立に到って次第に戦 後の過渡的状態から脱出する。 すなわち, 25年以前と2 6年ないし2 7年以後をもって財政は一線を. 劃し得る. 終戦処理費, 基礎産業再建費が重点を占めた時代から教育 費・社会保障費が次第に増 加してくると同時に防衛費も登場するようになる. かなり目ま ぐるしく動 揺した財政支出科目の. 各比重が次第に安定 してくる. 公共事業も年年の動揺から長期計画樹立の下に編成さ れるように なる。 そして農業公共事業費 (才出科目の名称としては食糧増産対策事業費) は戦後の資本主義 の崩壊と植民喪失による失業者吸収の社会政策事業を 抱え込まされて異常に膨脹 し た の で あ る. が, そ してそのような膨脹は開拓事業費の大きさとなってあらわれているが (第6表), それも資 本主義の復興によっ て次第に色あせ26年頃には 農業公共事業のいま一つの構成要素たる土地改良. 事業にその地位をゆずるようになる. そのような意味で農業公共事業もまた戦後の過渡的段階を 脱出する. そ して30年には資本主義が戦前戦中を上まわる復興をとげるに到って農業公共事業も 単なる食糧増産から農業 の労働生産性の高揚, 農業の他産業との格差の解消を目的と したものに. 変 ってくる. そして食糧増産費としての農業公共事業は食糧生産の増加, 失業者吸収の緊要 生か らの解放によっ て公共事業総体における比重は 次第に減少 していっ たが絶対額は29年30年を例外 としてその他の年 は年を追って増加を重ねた。 かかる経過の中に注目すべき第一点は農業公共事. 業費の占める比重である. 公共事業費総体 (治山治水, 道路整備, 食糧増産対策, 港湾漁港, 林 道, 都市, 空港, 工業用水, 離島電気, その他の各整備事業) が国民所得得比において昭和2 1年 -125-.

(12) . 北海道農業の財政的考察皿 以降35年まで0 .7~1.9%であるのに対 し, 食糧増産対策事業費としての農業公共事業費が農業所 得比において 同期間に1 .1~3 .0%と高いことであり, また公共事業費総体が二大直接税たる法人. 税所得税の計との比において同期間7 8 .3~2 ,0%であるのに対 し, 農業公共事業費は農業所得税 比において (農業の場合, 法人税は微小にして論ずるに足らない) ,21年~26年は不明なるも27年 以 降35年 ま で171.1~1181.0% と比 較 に な らな い 高 比 率 を 占 め て い る こ と であ る (第 3 表) 。. この. 事は農業より 吸収される直接税に対 して1 .7倍ない し11 .8倍の公共事業が直接農業にふりむけら れていることを示すものである。 このことは他産業から言えば自己の蓄 積せる価値を財政を通 じ て吸い上げられ, 農業に注入せ しめ られていることを意味し, 農業から言えば他産業から財政を 通じて価値を吸い上げ自己の体内にこれを注入せしめていることを意味する. 農業の財政の高価 なる所以である。 この点に注目 しなが ら先に進もう。 農業の開発事業は以上の公共事業の外に財 政投融資および世界銀行借款を通 じておし進められている. 公団および特別会計の事業である。 しかし財政投融資は む しろ産業として は独占的巨大産業の育成に重点があるのであり直接農業の 開発にあてられるものと してはそれほ ど大きい比重をもつものではない (第7表, 第8表, 附表. 2)。 ただ公共事業なり公団事業な りの農民負担分を農民に荷負わせる援助としての融資機関たる. 農林漁業金融公庫の融資額が農業公共事業費の年年の額に較べて60%以上時には前者に匹敵する 程の額たることが注目されてよい (第7表).. つぎに注目すべき第二点と して, 北海道における国費農業公共事業費 (食糧増産対策事業費) の大きいことがあげられねばな らない。 すでに全国の場合農業公共事業費の農業所得に対して,. かつまた農業所得税に対 して如何に高い比率をもつかを示 したが, 北海道の場合, そのような高 さは一層高く あらわれている。 すなわち, 北海道の国費農業公共事 業費は北海道のみにて2 1年以. 降35年まで全国農業公共事業費の17~24%を占めるのであり, この北海道農業公共事業 費を本道 農業所得に対する比率を求むれば3 .3~9 .7% (凶作年は異常に高くあらわれる故これらの年をの ぞ い て), ま た 農 業 所 得 税 に 対 す る比 率 は 441,0~1838.0 % (凶 作 年 を の ぞ い て) とな っ て い る の. であり, 全国の場合より格段に高い. 本道の場合, 平豊年作とみ られる年においてもな お, 直接 税と して納入する4 .4倍ない し18 .4倍 (第9表) が農業に直接公共事業として投入されているわ. けである. この点, 如何に本道農業に対 して吸収以上に投下が大きいかが知られよう. これらは 開拓費の一部一【生活施設・教育施設等一「を除いて農業の社会的私的土地資本 (水路・ダム揚 水施設を含めて) を形成することは言うまでもない. つぎに 注目す べき第三点として財政支出による土地資本形成外の固定資本の形成費の乏しい 点 である. 国の 一般会計において農業公共事業費の外に産業経済費の中に農業関係の支出科目があ る。 農業費, 農業保険費, 出資金, 試験研究費, 災害対策費 (これは殆んど災害融資の利子補. 給) , 統計費がそれである. かりにこれらを総括 して農業関係費と呼ぼう. この中, 農業生産に直 接寄与しつつ農業の固定資 本 (正碓には固定資産と言うべきだろうが以下固定資本と呼ぶ) に関. 与するものは農業費である. この費用の中の検査指導機関 費を除外 して農業固定資本造成関係費 --農業固定資本造成費に指導費 その他事務費が多少含まれる一一 は30年以降で農業関係費の20 %前後, 農業公共事業費に較べてその23%前後に過ぎない (第34表)。 このような土地外固定資 本 形成費の貧困は都道府県普通会計の段階でもはっ きりみられる. 後者会計において農業支出を農 業公共事業 (耕地事業費と開拓事業費の計) と農業関係費 (農業費, 畜産業費の計) に二大分類 すれば, 35年全国においては67:33 となるし, 北海道普通会計では 63:37 とな り, 全 国 の 場 合と近似する. いずれに しても農業公共事業費が圧倒的に多い. このことは土地資本の形成の多 126-.

(13) . ロ. 沢. 信. 光. 第34表 農業費中の固定資本造成関係費. 単位 昭30 固定資本造成関係費A 億円 農 業 関 係 費 B 億円 A/B. %. 食糧増産対策事業費C 億円 A/C. %. 31. 32. きを 想 わ せ るの で あ る が, こ. 34. 34. 35. の点もう少しみよう。 北海道 普通会計において施設 費工事. 27. 50. 61. 71. 76. 85. 327. 299. 322. 400. 367. 411. 請負費と補助金中の固定設備. 9. 16. 19. 18. 21. 21. 228. 247. 形成補助金を合 した固定設備. 269. 293. 329. 389. 12. 20. 23. 24. 23. 22. を伴う経費は業業才出総額の. (注) 第3表第13表第14表により作成. 57%であって, しかも固定設. 備を伴う経費の87%までが農. 業公共事業費によ って占められ (第18表) , この固定設備経費をtooとして土地資本と土地外資本. とを区別すれば, 76:24と推計される。 そして後者の24は農業費の13 , 開拓事業費の11からなる (第18表および附表5)。 いずれにしても資本形成において土地資本形成が土地外資本形成より圧 倒的に多いし, ここでも固定資本の形成は土地資本の形成を主とし, 土地外資本形成は従たる地. 位 しか持ち合せていない。. 以上のことは町村段階でも顕著にみられる。 筆者調査による水田村と畑村の事例をみるに両者 とも新農村建設事業, 救農土木事業の如き政策事業によって年により農業の才出額にかなりの変 動がみられるが, 両者とも 町才出における農業支出比重は増加の方向を辿っ ていると い っ て よ. い。 そ して農業公共事業外の農業関係費は戦後直後数箇年は 行政事務費が多かったのであるが, 次第に直接生産に寄与する固定資本の造出に関する経 費が増加してくる。 しかし固定資本の造出 経費の中で両町とも土地資本の造 出経費が主要部分を占め, 土地外資本造出のそれは従たる地位. を 占 め る に 過 ぎな い。 3 5年をとってみれば, H町では前者90%, 後者10%, S町では前者5 8%後. 者4 2%, しかもS町の場合後者にはむ しろ環境整備費とも言うべき電気導入費が大部分であり, これを除けば純粋の土地外農業固定資本は矢張固定資本造成経費の10%余りに過 ぎない。 これら 土地外農業固定資本形成に関する費用を ま, 35年にみる限り, 両町ともたかだが畜産費の一部がそ れに該当するに過ぎない。 これは町財政支出においてみたものであるが雨町ともこのほか, 土地. 改良区によって土地資本の造成が行なわれているのであり, 水田村H町ではそれは町農業才出総 額の4倍に上るし, また畑村S町でも, 各年平均して町農業才出総額を上廻る額の土 地資本の造 成がそれぞれの土地改良区を通 じて行なわれている。 かくみれば町村段階でも財政の資本造成は. 土地資本の造成に如何に集約されているかを知るであろう。 そして末端農家に対する資本造成と しての財政補助金は, 利子補給をのぞけば, 畜力機械購入助成, 堆肥場設置補助, サイ ロ設置補. 助 等 と い っ た も の が あ る の み で あ る。. ではなぜに土地資本の造成が農業の財政投資の重点となり, 土地外資本の造成時に装備造成の. 問題は低くからざるを得なかっ たか。 この点についてはつぎの事が考えられよう。 第一に土地資 本は農業生産の基盤である。 しかも土地改良, 耕地造成の効果は殆ん ど永久的である。 これが最 大の事実であり理由である。 第二に資本主義から疎 外された過剰人口の問題である。 工業におい て不況時にみられる相対的過剰就業が労働時間の短縮 をもたらすのとは反対に 農業における過剰 就業は労働時間の増大をも たらす。 むしろ増産によ っ て所得増大を期するからである。 そのよう な労働時間の延長を装備の貧困が可能とする。 そしてまた社会的には農業の労働装備の貧困が過 剰人口の顕在を隠蔽 し, 労働問題解決の姑息的手段ともなる。 そのような場合, 外見的には農業. 就業者の労働力を完全燃焼せしめるのであり, その燃焼効果は土地改良あるいは開拓によって達 成される。 とすれば土地投資はこの面からも最も有効な 手段となり得る. しかもそれは増産なる -12 7-.

(14) . . 北海道農業の財政的考察 m 形をとってあらわれ, 非農業者の労賃上昇の阻止的要因となるからである。 第三に資本装備の貧 困は財政の公共的性格があげられる. しかし資本主義が真実労働装備の強化を農業に求めるとき 単に制度金融の利子補給に止まらず, 多少ともこの方面への財政による補助が積極化 しよう. さて, 国および道府県, 町村段階における固定資本の造成における土地資本造成の集約集中は. 以上の通りであるが, 財政の 注目さる べき第四点と してあげらるべきは財政の農業総体に対する 資金補給の機能である. 農業から近代資本主義へ絶えず資金の流出が行なわれている. その空白. を埋めるものは財政をおいて他にない. その意味において財政はまさに重要である. 以下農業よ りの資金の流出をみよう. それについてまず農業資金の流出の原因を指摘する. 第一に農家にと. っ て追加投資特に土地外資本装備の結果と して確実に所得増大の保障がない。 第二に資本装備充 実の結果, 多少とも節約される労働力の確実な消化先が見当 らない. む しろ過小農の場合恒常的. 確実消化先が見当るときは資本装備を縮小 して農業外へ流出する場合が普通である. ししたがっ て第二次産業が発達している府県, 県民所得の高い府県程農業投資の意欲が減退していると考え られるのであり, この点例えば府県の信用農業協同組合連合 会の貯貸率をとってみても工業県富 裕県程貯貸率が低くなっていることからも明らかである (第15図). 第三に農家の資金不足は資産 第1 5図. 府県別信農連の貯貸率と県民総所得に対する第2次 産業所得の比率, 県民1人あたり所得との関係 (昭和3 5年度) 修 整 連 の 財培 率. . --一一一 県氏1人当り角 得 ---‐-- - - -芽 . 欠蓬髪希ォ ) 号の吸え碁瀞庁得 2. 4 0 2. に占める比 率. A. :. ハ. 職 、 平均~. ″. 、 対 き チメメ 、. 耀. 0 2 2. .. 00 2. ハ. 簸 A ^ パ M ( A N. ハ. { V-L二JA L MIM‐ ‐ 卿〇. 兆考案省秋山福淡妬群鰭千束神山新哀静修石橋燐綴三瀬京大奈兵和岡鳥島広山御番高愛揺彬妥無大営廃 児 海 奈 歌 - 嶺姦子城田形島木木馬玉薬友; i製渇野岡山川井阜知重翼都願寂彦山山頂根島ロ髭鵜如媛風質崎本分崎霧. (注) 1 ) 信農連貯貸率と第2次産業所得比率との相関 ニー rニ -0,671. 2 ) 信農連貯貸率と県民1人当り所得との相関 rニ ニー0.502. (資料) 貯貸率 (昭36.3末) は 「農林金融」1961 No,5 による. 所得および第2次産 業の所得比率は企画庁 「国民所得白書」 昭3 6による, 但し群馬, 東京, 京都の第2 次産業所得比率は前掲書にこれを欠く故 「財政金融統計月報J N0 33による. た ,1 だし数字はこの分のみは34年度 2 -1 8-.

(15) . 沢. ロ. 信. 光. として固定資産投資よりも流動性資産としての預金を欲っする。 第四に農業協同組合の経営安全 の意欲である. いずれの原因によるぅとも資金流出は農業発展にとってはマイ ナスの 要 因 で あ. り, 特に農業の資本装備の貧困を招来せずにはいない. しかし資本装備の貧困は, 一方では財政 が土地制度の改革達成土地 改良開拓の実施により農業生産を増大せしめ, 食糧自給態勢の強化,. 輸入食糧の増大を防遇せしめ たにせよ, そ してその面から外貨使用の近代産業への転換を絶対的 相対的に増大せ しめたにせよ, 農業労働力の流出による農業賃金の上昇により, その存在基盤を. 失うことになる. 農業賃金の上昇は資本の価値構成の低下, 生産費の上昇を招来せずにはおかな いのであり (第31表) , 加えて第二次産業を主とする輸出増大の要請が加われを 加わる程これら輸. 出品のコス ト低下の要因と して食糧価格の低下が要請されることになる。 かく して資本装備の貧 困はその社会的存在の基盤を喪失することになる。 したがって財政も叉農業金融を動員 してこれ. が向上を重要課題としてかかえ込まざるを得なくな る。 そ してそれこそが資本主義の農 業に対す る要請となる. その意味で3 5年までの農業財政は, もちろん農業金融と不可分の形 をとりながら. も一つの転期に逢着することになる。 だが, それはそれとしてさきにも述べた如く農業内投資発 展の阻止的要因として農業内蓄積資金の農業外流出をみた場合, 財政資金の農業投下の役割りは い よ い よ 重 大 な も の とな ろ う.. つぎに, 農業よりの資金流出の実情をみよう. 農業よりの資金流出ルートとして農 家よりの直 接ルートと, 農業団体を通ずるルート, すなわち農家よりみて間接ルートの二つがある. いずれ. のルートを通じようとも近代産業へ流出することには変りはない。 直接ルートからの流出状況を. みよう. ルートは近代金融機関・証券機関を通ずるものである。 近代金融機関は農家に関する限 り受信用の機能を果すが, 大まかに言って授信用を拒否する。 その限りでほとん ど一 方 的 で あ. ) る. 金融機関証券機関を通ずる流出高は3 6年3月末, 第3 5表の如く推計される1 。 還流分を差 し 引けば, 表から計算して6318億円となる。 もっともこの数字は生命保険会社を 除いた数字である. が, このほか生命保険会社への農家掛金は1637億円にのぼる. 保険会社は株式市場の機 関投資家 )し, 特に基幹産業への貸付者と して と して, 長期設備資金の貸付者と しての役割は小さくな い2 3 ) は重要である 。 だがそれはともかく, これら金融機関に対する農家の預金掛金の総額は全国全 第3 5表 民間金融機関に対する農家預金掛金推計 (36. 3 末残高:億円) 預 金 掛 金 総 額 (A) 銀 相. 9兆3744. 行 互 銀 行. 信 用. 金 庫. 株式・有価証券 生 命 保 計. 険. 掛金 貯金. 305 7 1 84 0. う ち, 農 家 預 金 掛 金 (B) / (A) 農家貸出 全国(B) 北海道(C)(C) / (B) 額 (D) 3871. 133. }矧 }. 12. 9890 3兆6348. 475. 67. 2110. 21. 7435. 1637. 74. 15兆8875. 8490. 307. 農 家 戸 数 (全世帯) 2063万. 606万. 23万. % 3,4. }. 3,O. 14,1. 1,O 4,5 3,6. 3 .8. % 4 .1. 243. 3628. 3,5. 181. 216. 4.8 5.9. 111. 5,3. 535. }. 22,O. 364 2110. ?. 1637? 7955. 30 ,O. (注) 1) 株式有価証券は公社o公団・公庫の各債券, 金融債, 事業債, 株式の計をあらわす 株式は大蔵 . 省調全国上場株式資本金による 2 ) 生命保険の(A)欄は運用資産の総額をあらわす. 生命保険協会 調べによる。 3 ) 銀行, 相互銀行・信用金庫の(A)欄は大蔵省 「財政金融統計月報」 No .134による 4 ) 農家貯金掛金は筆者の推計, 推計法については本文 註( 1 ) をみよ 5 ) 農家貸出額は中金 「農林 金融の実情」1 1による. 96 -12 9-.

(16) . 北海道農業の財政的考 察皿 世帯のそれの5 .3%程度を占めるに過ぎない. それにも拘わらず農家の掛金はもとより預金が全 て現金であることに近代産業からすれば重要な意義がある. これ ら現金預金を基礎と して銀行は. 数倍の預金の創造が可能であり, 農家預金の実額よりかなり大きい額が近代産業に供給されてい よう. もとより農家資金の農業外流出は他産業の発展を促進する有力な財源たり得ても農業に対 して資金空白をもたらすことはいうまでもない. そ してこのような流出は生産力の格差による資. 本主義下の農業にとっ て必然なものである故に本道農家もその例外たり得ない。 本道農家の預金 掛 金は全国農家のそれの3 ,6%程度にあたるものとみ られる. もっ とも本道の場合にも金融機関 ) よりの直接農家貸付が僅小なが ら存する故に4 , 流出は表に示 した307億円よりは かなり少くな. るものと思われる. ともかく資本主義の発展が拡大すればする程, かかる資本の流出は今後ます ます強化 しよう。 つぎに流出ルートの第二と して農業協同組合とその上級系統金融機関がある。 まず農協勘定を. 777億円であり, その差額 みれば, 昭和36年3月末, 全国農協で残高に して貯金7932億円貸付金3 155億円である。 これらのうち, 殆ん どが預ヶ金となり, 一部は有価証券に投 じられるのであ は4. るが, 預ヶ金は信農連の段階で, さらに農林中金の段階で農業外へ流出することになる. いま流 88億円有価証券 6表の如くになる。 これによれば農協段階で系統外預金4 出残高を 一括すれば第3 137億円, 信農連の段階で, 系統外預ヶ金および金銭信託702億円有価証券1038億円コールp ー ソ 第36表 農協等の主要勘定抜牽 (36 ,3末)(億円). 全 国 農協 貯 貸. 付. 金 金. 7932. 37 77. (農業外流出). 系統外預ケ金. 488. 有 価 証 券 全国信農連 (農業外流出). 137. 券 1038 ロ ー ン 134. 農 林中 金 (農業外流出 ) LI 、 、-. 金融機関貸出1. コ ー ル,ロ ー ン/. 1 有 価 証 券 51 関連 産 業 貸 出 108 8 , うち,林業水産業 264 (流 入) 19 農林債券発行残高5 1 うち,所属団体引受3. 1 .2 ,3の合計流出残高 4155. 141による. 962p (注) 農林中金 「農林金融の実情」1 , .140-p. 134 億円, 農林中金段階で金融機関 貸 出 と コ ー ル ロ ー ン で 計 585 億 円 有. 8億 価証券511億円関連産業貸出108 1その内 円がある. 関連産業貸出は5. 容は実は肥料産業農業資財産業その 他酒精の如き加工産業 が主であり,. この外にも水産林業がある. もっと も中金段階での資金は農業のみな ら ず林業水産業か らの預ヶ金が含まれ る故, 純粋に農業のみの金融機関で はないが, ともかく林業水産業の貸. 出 しといっ た狭義農業外の産業を 除 しの 殆 ん どが 前 記 け ば 関 連 産 業 貸 出 しの殆んどが前記 けば関連産業貸出. 64億円を除けば, 農民外産業に投 じられるのであって大まかに言って, 林業水産業への貸出 し分2. 824億円が狭義農業外へ流出 したとみてよい. さらに前述の系統機関保有の有価証券は 殆んどその 大部分が株式 o 公営事業債叉は公私営 企業債 であり, 狭義国債は農協系統機関では 中金のみが9 ) 億円足 らず保有するに過 ぎず6 , 又地方債に しても中金のみ が18億円足 らず保有 す る に 過 ぎ な ) 155億円となる (これを農林漁公庫発 い7 . ともかく 各段階の上記農業外流出を 計算すると合計4 せよ (第7表))。しかし一方これら系 8 1 7 4 億円と対比 年から 5 年までの公庫の原資累計 3 足の昭和26 統機関は系統外よりの借入があるのであり, また農林債券の発行による外部か らの資金の流入が. 7 7億円程度と計算される (第3 ある。 系統外借入をみるに, 系統機関総体と して系統外借入は14 表)。 表において信連借入と中金の対信連貸出の間に若干の差があるが, これは統計上の不突合に 6 よるものであろう。 さらに農林債券の発行による資金の農業流入残高をみるに, 同期末 (3 .3末) 1億 農林債券発行残高は利付債割引債を合せて519億円であり, これらのうち所属団体引受けが3 -13 0-.

(17) . . 沢. 口. 信. ) 円あり8 , のこりは 資金運用部・民間金 融機関・個人によって 引受けられたもの. 第37表 農協・信連 農林中金の借入. (億円). (昭36 .3 末) 借. 入 (A). 貸. 出 (B). 差額(AーB). 対農協 貸出 農協の借入 14 62. 信. 連. 中. 金. 13031 13,. 寸信連貸出 55 中金の女 2 0 ,. 信連の借入 中金の借入. 57. 光. である。 これら個のの引受けの中に農民 も入ろうが, ともかく農業団体以外で消. 化された 残高をみると488億円 が農業金 2. 融機関へ流入したことになる。 さて, 以上のことから系統金融機関か. 0,2. らの前記農業外流出合計4 155億円, 系統. 147. (注) 1) 借入は系統および系統外を含む計. 2p 2 ) 中金 「農林金融の実情」196 ,68 P.70 P,71 P ,219 P ,228 によ る。. 金融機関の系統外借入14 7億円, 農林債 券による流入額4 88億円によ っ て 純流出 額 を 求 め る と3520億 円 とな る。 こ れ が35. 年度末の純流出残高と推計される数字である。 ところで, 農協およびその系統金融機関を通ずる 資金のかかる流出はさきに述べた農 家よりの直接農業外流出と同 じく, 資本主義と小農の生産 力 の格差, それによる信用力の格差によるものであり, これら系統金融機関の経営の経 済性と堅全 性とを企図する限り (同時に国がその堅全性を保持せ しめるため 第ー 6図 農協.信連残高. 資産の一部を資本主義へ 投資することを義務づけている) ,財政に. 貯貸率(貸出金/貯金). .. %. よ る 強 力 の 挺 入 れ の 行 な わ れ ざ る 限 り, ま ぬ が れ 難 い 宿 命 的 現 象 な の で あ る. 系 統 金 融 機 関 を 通 ず る 以 上 の よ う な 流 出 は た だ に 特. 2 2ひ. 殊時点として偶然的に生じたものではなく, この事は第16図の貯. 桔達( 北海道). 鋤. 湘. 貸 率 の 低 さ (全 国 の 場 合 をさ す) に よ っ て も 容 易 に 想 像 し得 よ ) う9 。 な お, 北 海 道 に つ い て 農 協 ・ 北 信連 に つ い て 附 言 す れ ば, o ) そ の 異 常 な 高 い 貯 貸 率 故 に (第16 さ き に 筆 者 が 指 摘 せ る 如 くl. 形ひ ハ 、 /・. 伽一 “‐. ′. /\. ′ 》 , ー E. 」. 図参照) 資金の農業外流出の余裕は少いのであり, 農業外流出と して農協 は系統外預金残高9 ,5億円有価証券o .好意円, 北信連のそ. ,. ノ と海道 )\ ノ 農協は. /. 農民の蓄積資金の導入機関たる性 櫛 強、のであり, 従前の著 し. 一 ′. い 高 貯貸 率 が こ れ を 物 語 っ て い る と 言 えよ う。 そ して こ のよ う な. M もぐに 喜義諸離農繊舞踏饗農園蟹髭. 6 o:. 農協(全国). 性格は本道農業の 脆弱性不安定性によることは勿論である。 しか. . 2 0-. 備連(全国). , , , , , , ,, ,. 貫き 諾資織 濠叢紙袋無袋 憲. 中金 「農林金融の実情」 各年 北信連「北海道組合金融統計」 第1輯による. 昭32. 3 以降は北信連 「さい きん組合金融資料」 昭37 ,12. 刊にょる。. 義の囲綾下にある以上, オ バ ー ロ ー ン の解 消 と 同 時 に, 内 地 的 農業外流出現象が屋開されよう し, 他面農協自らの資金の資本主. 義的運用-利潤追及-として経済事業活動を強化することとなろ ) 2 う1 。. 再び農業外資金流出について全国の場合にも どろう。 農協系統. 金 融 機 関 の 資 金流 出 に つ い て は 以 上 述 べ た 如 く で あ る が, 流 出 は こ れ の み に 止 ま る も の で はな い。 と 言 う の は農 業 共 済 組 合 を 通 ず. る流出があるからである。 しかし農業共済組合は農業共済組合連 1- 一13.

(18) . 北海道農業の財政的考察 m 合会と農家の単なる仲介機関と言ってよく (農業災害補償法第122条, 第123条参照) , 契約金の殆. んどが共済連に集中される。 共済連の資金は保険の性質上長期安定的な性格を持つ. これの運用 資産を昭和3 5年末についてみるに総額8 60億円であり, そのうち信連への預金が7 6%約700億円に 達するが (第38表) , この預金の一部は信連を仲介機関とする農業への還元貸 付にあて られ, それ 3 ) それ以外の共済連の直貸による還元貸付を合せて115億円の貸付が行なわれている1 . これら還元. 4 ) 貸付の用途は土地取得改良o土地利用施設o農業機械購入 o 畜産o 住 宅 改 善 等 で あ る1 . しか し. 還元貸付は運用資産の13%を占めるに過ぎない。 共済連の資金の他産業 へ流 出分と しては信連へ の預金の一部, 有価証券・金銭信 託・系統外預金が考えられる。 資本主義の高度成長によって一 ) 5 層流出を深めよう1 . さて, 以上は農業よりの資本主義への資金流出につい てみたものであるが, かかる農業より他産業への資金の. 第3 8表 農業共済組合連合会の 資産運用状況 (昭35度末) 残. 運用 資 産 合 計 預. 信. 農 農. 億円 860. 金. 699. 連. 658. (うち定期的) 信. 高. ( 55 7). 連. 外. 42. 信 証. 託 券. 12 124. 金. 16. 運 用 不 動 産. 7. 金 有 貸. 銭 価 付. 構 成 比 100,O 81,4. 76.5 4,9. 15 14 .4 19. 0 ,8. (注) 中金 「農林金融の実情」19 62 p,99に よ る。. 流出は, 近代産業の発展促進の有力な挺となり得ても農 業自 らの発展を渋滞せ しめずにはおかないのであり, こ こに農業と他産業との格差の拡大強化を 生ぜしめるので. あり, そのような格差の強化はさらに農業よりの資金流 出を促進せしめる循還的作用をもた らすものである. そ. こでそのような資金の流出を部分的にせよ, 制度金融の. 制度をもって阻止 しながら, 流出の空白を公経済によっ. て埋めているのが, 財政の農業投資であり, 財政の農業 支出なのである. かくみれば財政は制度金融の制度とと. もに (制度資金それ自体財政資金の供給によって, ある いは財政による利子補給損失補償の 挺入れによって存在. する) ,まさに農業の資金的空白を埋めるパイ プとみな し. てよい. かく して財政は資本主義の農業よりの資金吸収, そ してそれによっ てもたらされる農業 の資金的空白を埋 める補充者と しての機能を荷負うのであり, 農業に対する財政の投入が多けれ ば 多い程, 資金的空白を埋めて農業総体としての拡大再生産の起動力となるのである. では財政 はどの程度農業の資金空白を埋 めているのであろうか. 35年度を1例年次と して国家財政の農業. 投入と農協系統金融機関を通ずる農業外流出資金を比較 したのが第3 9表である. これによれば財 政の農業発展の積極的経 費 (農業費と農 業基盤整備費) と して, 流出の86 5%が埋め ら れ て お , り, さらに 発展の消極的経 費 (災害 復旧の農業関係費) を合せるな らば, 農業外流出資金の埋め てなお余 りあるかの如く である. しか し, これは流出として金額のより大きい第3 5表にみた農家 からの直接流出, あるいは共済連を通ずる流出が除外されていることも合せて考えね ば な ら な. し、. さて, ここでさきに指摘 した第一点, すなわち財政投下による農業公共事業費の直接税として 農家吸収よ りはるかに大きい点, それは他産業から租税としての価値吸収によ ,って可能であった 点を考え合せるな らば, 農業よりの資金が金融機関あるいは証券機関を通じて他産業 に 吸 収 さ れ, それが国家財政を通じて他産業より農業に還流されている事実--もとより吸上げが還流よ. り大きいことはすでにみた通り--を看取 し得るのである。 近代産業の発展はますます農業より の資金流出を促進するであろう。 その時いよいよ多量に財政を通じて農業内 へ資金が還流されな. い限り農業の発展は望 めない し, また資金の片道通行一一一吸上げのみ一一に陥入ることをまぬ 一132一.

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