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ピーマンの実は光合成しているか : ‘実体的イメージ’の形成を通した光合成認識のために

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Academic year: 2021

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(1)Title. ピーマンの実は光合成しているか : ‘実体的イメージ’の形成を通した 光合成認識のために. Author(s). 若菜, 博. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 42(2): 259-272. Issue Date. 1992-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5207. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 2巻 第2号 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第4 i ion(Sec lof Hokkaido Universi ty ofEducat t Jouma onI C)Vol .2 .42 , No. 平成 4年2月 Febmaw,1992. ピー マ ンの実は光合成しているか -- ‘実体的イメージ’ の形成を通した光合成認識のために --. 若. 菜. 博. プロロー グ. 0. 1988年度の卒論 ゼミの最中であっ た. 「光合成の教材化」 をテーマにしている学生(当時) 高森秀 樹さん (現在は北海道・留萌市立幌糠小学校教諭) に, こういう質問をしてみた. 「葉緑体の存在す る部分では光合成するというなら ば, たとえば, ピーマンの実も緑色で葉緑体を持っていそうだけ れども, ここでも光合成は行われているのかい?」 また, ピーマ ンの実と類似の事象・問題として, た と え ば,. ①. スイカ (の実) の表面の緑の部分は光合成しているのか?. ②. キュウリ (の実) は?. ③ ④. リンゴ (の実) で緑色をしている部分, 青リ ンゴは? 早生ミカ ン (の実) の緑の部分は?. ⑤. ニンジンや大根 (これらは根であるが) の土のかぶっ ていなかっ たところがよく緑色をして い る が, そ の 部 分 は ?. ⑥. ジャ ガイモ (これは地下茎) の表皮の緑色をした部分は?. ⑦. キヌサヤやイ ンゲン (これらは鞘) は?. ⑧. また, キヌサヤやイ ンゲン等は茎が緑色だが, この茎の部分は? 樹木の新しい幹や枝は緑色をしている (例えば, 梅やコーヒーの木な ど) が, この部分は? 食虫植物も緑色をしているのがあるが, これも光合成をしているのか?. ⑨ ⑩. 等々, 次々 と疑問が出てきた. 彼はその場では判断を示すことができなかったが, この質問を契機 として彼の卒業論文 「『緑』 の教材化 -- 新しい視点にもとづいた 『光合成』 の授業プラ ン作成を 1 )の構成視点 が定まっ ていっ た この論文のうち 授業書 (案) の骨格部分は 『年報い 目指して一{ , , . 2 ) この授業 プランのことを以 わみざわ -- 初等教育・教師教育研究』 第11号に報告されている{ . 下, 「高 森 プラ ン」 と 呼 ぶ こ と に す る.. この 「ピーマンの実が光合成しているかどうか一 は, より一般的には 「植物の緑色の部分は光合 成をするか」という問題提示である. 以下, 後者の問題の意味を含めて, 象徴的に,「ピーマン問題」 と いう こ と に す る.. 「ピーマン問題」について まわりの色々 な人に質問してみた 自然科学の教官の一人からは「う , . ~ん, 光合成をしていると思うが, よくわからない. 生物学の先生に聞いてみて」 と答えられた. 生物学の教官にも質問をしたが, しばらく沈黙の後,「光合成をしているでしょう. しかし, これま で考えても見なかっ た問題だ. おもしろい, 考えさせられた」 という回答だっ た. 後日談になるが, そのときの卒論ゼミ に参加していた他の学生にも次のよう な事件があった. 学 259.

(3) . 若 菜. 博. 生が家庭教師をしている中学校3年生の生徒に 「ピーマ ン問題」 を話したら, 生徒も興味をもった らしい. その生徒が中学校の理科担当の先生にこの問題を質問しにいったら, その先生に 「何を馬 鹿なことを考えているのだ」 と半ば怒られるように言われ, す ごすごと帰ってきたとのこと. 関心 をもってせっ かく質問をしにいった生徒が教師から逆に怒られてしまうという事態 が生じる のは, 今日の教育のあり様を示唆していると思う が, それにしても多種多様な反応 が出てきた 「ピーマ ン 問題」 であった.. 1 葉だけが光合成器官か それでは, 光合成に関する専門書等では, 「ピーマン問題」 をどのように説明しているだろうか. 気にかかっ て調べ始めた が, この種の問題に直接言及しているものがなかなか見つからない. ほと んどの文献が葉緑体の中で行われている光化学反応の説明であっ て, 植物の どの器官で, また どの 程度の規模で光合成が行われるのかを記述しているもの がなかなかないのだ. そして, 葉緑体の存 在する場所として葉以外の部分を記しているものもなかなか見つからない. 児童生徒向けの生物学 啓蒙書や中学校・高等学校の生物領域の教科書でも同様である. たとえば, 『岩波ジュニア科学講座第4巻生物の世界をさ ぐる』 ( 1984 ) の中の光合成の解説では, 「若い枝など葉以外のところでも クロロフィ ルをもっていれ ば光合成はおこなわれます しかし , , . 3 }と述べるまではいいのだが 「茎や根は光合成をしないで呼吸だけを 葉にくらべるとわずかです」( , 4 }とか 章の 「まとめ」 の文章ではあるが 「①植物の成長の出発点は 光エネ おこなっています」{ , , , ルギーによる無機物からの有機物合成, すなわち光合成です. このさい光をとらえる役割をするの 「 が, 葉の緑の色素クロロフィ ルです」 , ③葉で形成された糖と, 根で吸収されたさまざまな元素か 5 ) 後述するようにこ ら, 植物のからだがつくられます. これが植物の成長です」 といった記述{ れに対する例外は数多くある -- さえ, みられるのである. また, 光合成に関する教育実践研究の文献でも, 散見する限りでは, 葉以外の光合成を扱っ てい るものをまだ発見できないでいる. まるで, 葉だけが光合成の場所であるかのよう である.. ( 1 ) 植物生理学・作物生理学での専門書での扱い 最初に, 植物生理学の文献での扱いを調べてみた. 十数冊は調査したが, ようやく見つけたのが 野本宣夫・横井洋太( 19 81 )の次の記述である. 野本らは, 植物体を光合成系(F)と非光合成系(C) との複合系としてとらえ, このような植物体の認識に基 づいたモデルのことをC-F型モデルとし た上で, 「すでに何度も述べたように C-F型モデルでは 植物体は光合成系(F)と非光合成系(C) , , の二つの部分をもつ物質生産系としてとらえられている. ①光合成系は, 光条件が十分なときにその器官の呼吸よりも大きな光合成速度 を示すことの できる器官で構成されている. ②多くの植物では, 葉, とくに葉身がこれに相当するが, 包(ニ リ ンソウなど), 托葉 (エンドウなど) , 茎 (サ ボテン・ナギイカ ダな ど) のような, 葉身以外 のいろいろな器官が光合成系の主要構成器官となっ ている植物も多い. 葉柄は一般に光合成能 力が低く, 非光合成系に入れられる場合が多い. ③光合成系に含まれない器官には, 茎や根な どの栄養器官と花・果実, 各種貯蔵器官などの再生・生殖・繁殖に関与する器官がある. 光合 成系と非光合成系の和が植物体であるというCーF型モデルの考え方からすれ ば, これらの, 機能的に大きく異なる器官のすべて が非光合成系を構成することになる. ④しかし, C-F型 260.

(4) . ピーマンの実は光合成しているか. モデルが, 本質的には栄養成長のモデルである ことを考えると, 茎や根な どの栄養器官のみを 6 ) 非光合成器官と して扱うほうが妥当であろう」{ と して い る.. ここからいえる ことは, 光条件の十分な場合, マクロ 的な視点に立っ ているC- F型モデルから みて, 光合成系 (器官) とみなしうるか否 かの判定基準は, 器官の呼吸速度よりも大きな光合成速 モデルが栄養 度をもつか どうかということである(①) . これは納得する. ただし, これはCーF型 呼吸速度との差 「 光合成速度と たときに 生産系 という立場からみ 成長モデルであり, 植物の物質 」 , に着目することになるからであって, 注目する器官が光合成をしていない という ことにはもちろん ならない. 生きた植物体では, 常に同化と異化が進んでいることに注意する必要がある. また, 上の基準からしても, 葉身以外の器官 (包 (葡) , 托葉, 茎など) も光合成系の主要構成器 「 官となる植物の 多い」 ことも確認できる (②) . 「 しかし, ②でこのように述べながら, ③・④では②の例を排除する場合 を想定して, 茎や根など の栄養器官のみを非光合成器官として扱う」 ということになる. ③と④の脈絡もわかり づらいが, 結局, ここではCー F型モデルからみた場合の結論として茎や 根などの栄養器官のみを非光合成器官として扱っ ているということだ. ここで上の述べたことを整理すると, C-F型モ デルでは光合成速度と呼吸速度の差によってラ 光合成 「器官」 か否かが定義されており, その場合でも, 葉だけが光合成器官とされるもの ではな い と いう こ と で あ る.. )の指摘も見いだした. 特定の植物ではあるが, 「タ バコやツルイ ンゲンマ 1973 次いで, 戸塚績 ( 7 ( } メのように, クロロ プラスト [葉緑体] をもつ茎では, 明所下でかなりの C02固定をする」 とい う の で あ る.. )が, 「葉緑体は葉 ばかりでなく若い緑色をしたムギの穂やマメのさや な 1988 さらに, 井田和子 ( どにもたくさんあっ て, 葉に劣らない光合成を行う. 果実, 葉柄, 茎などで緑色のところはす べて 8 )と 脚注で小さく--しか 葉緑体が存在し光合成をしている が, 光合成量はあまり 大きく ない」( , し, 「ピーマン問題」 にとっ ては重要な -- 記述をしているの を見つけた. かなりの数の植物生理学の文献を調 べたが, 葉身以外での光合成に触れている部 分を発見しえた 1 ) のものはデータがわりあい 97 3 のは, 以上の3冊であった. しかし, これらの記述も, 戸塚績 ( 豊富なものの, まだ全体として断片 的であり, 具体的な データが不足しており, 私の知りたいこ と に十分応えるものではなかっ た. しばらく時期 がたっ てから, 農学領域での作物 生理学に関する文献では どう扱っているか, 調査 することを思いついた. 調べてみる と, そこでは, あっさりと葉以外の光合成活動についての記述 が数多く見つかっ たのである. ) という小冊子で, 「光合成 19 63 たとえ ば, 戸刈義次 は 『作物のはなし -- 農業の基礎知識』 ( は, 葉でなければできないというのではありません. たとえば, 茎でもいくらかは光合成 をおこな う こ と が で き ま す」と 書 き, さ ら に 続 けて, 「し か し, ふ つ う の ば あ い は, 葉 に 比 べ て ず っ と 能 率 が. 落ちます.これはすべての 面で葉のほう が光合成を遂行するのに適した体制 をとっているからです」 9 ) この指摘は, 後述する植物の適応・分化に関して重要な点である. と述べている( . ) も, コムギ, オオムギ等の 「これらの作物では, 穂, 葉鞘, 茎も, かなり高い 1 984 玖村敦彦 ( 1 0 )とする 光合成活性を備えている」{ . ) も, 葉のそれよりも劣っているものの 「果実自体にも光合成能力があることは 1989 松井弘之 ( 以 前 か ら 知 ら れ」 た こ と で あ り, 具 体 的 に は, ネ ー ブ ル オ レ ン ジ, レモ ン, ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン, リ 261.

(5) . 若 菜. 博. ンゴ, モモ, カキ, ニホンナシ, ブドウ, イチジクなどでの果実 における光合成能力についての研 1 1 ) 究報告が多数なさ れていることを述べている( . 津野幸人 ( 1 971 ) も 「一般に高等植物において, 光合成を行う部位は葉身とは限らず その他の , 1 2 )と言い切っ ている 器官でも葉緑素を有する組織は, 光合成機能を持つと考えて差支えない」( . 以上の文献の記述を含めて, この作物生理学の分野では, 葉緑体の存在する部分では光合成は条 件さえあれば発現することは衆知のことであり, しかもそれが具体的に記述されていることがわか 1 3 ) っ て き た( .. 2 ( ) 光合成研究史からの分析 さて, 「葉緑体の存在する部分では光合成は条件さ えあれば発現する」という命題が 光合成学史 , でどのように形成されてきたのか, 改めて調べて みることにした . 1 4機 よれば 緑色植物や藻類の細胞が光を受 け 光合成の研究の歴史を調べている市村浩 ( 198 3 )( , 1 5 )の研究は次のような経過をた どっ ている: て酸素を発生すること を見いだしたプリース トリ{ 「彼 [プリース トリ] は水中にガラス容器を沈め 茎の下端と根を覆うようにして そこから , , 出る気泡を一週 間にわたって集めた. 硝空気 [一酸化窒素NO] をつかう検定法 によっ て そ , れが純良な -- 脱フロギストン化さ れた -- 空気であることが判 明した ところがここで彼 . は, 植物を取り出した のちもなお容器の中に気泡が発生し続けることに気づき 容器 の内壁に , 付着した緑色 の物体 ( t ) からそれが発生しているのを見いだす. それ以前より実 t eenma r e gr 験に使用してきたガラス容器を総点検した彼は,green matter が す で に 付 着 して い る も の の 多 い こ とを知 っ た.. 私の使っている容器のうち の多くのものにこれと同じ緑色の物体が付着していることが分 ったので, 私はそれらに汲みたての井戸水を満した. 逆さに立てて置いたところ, それら全 部から, 同じように脱フロギス トン化された空気が大量 に -- とりわけ 太陽の光のもとに , 置いた場合に -- 採集された. こう して PRIESTLEY は, green ma t t e rからの脱フロギストン空気 の放出に光が関係すること 1 6 } を見 い だ した」{ .. ここでは, 光を受けて酸素を発生する場所が葉に限定されているわけではさらさらなく むしろ , 葉ではなく, 茎や根の部分に注目しながら研究が進めら れたのである そして 酸素発生の場所が , . ter t green ma , つ まり 葉 緑体 そ の もの で 行わ れて いる こ とが 明 確 に語 られ て いる の である. .. ところで, 光合成に関する啓蒙書と して定評があり, 光合成の教材研究 のなかでも頻繁に参考に され, また引用さ れている宇佐美正一郎著 『緑と光と人間 -- 光合成の探究』 ( 1977 ) を見ると, 1 7 )-- 彼は プリーストリの研究に興味を持ち 植物の炭酸同化および呼吸を発見 イ ンゲンホウス( , , した -- の研究について, 次のような記述がある: 「植物は日中 太陽のあたっ ている間は プリース トリーのいうように空気を浄化しているが , , , 日陰や日没後の夜間には, 動物と同じよう に空気を汚濁化している しかも空気を浄化する能 . 力は, 植物のすべての部分に備わっ ているのではなく, 葉や緑色の茎の部分のみがこの能力を もっていて, 花や果実や根のような緑色でない部分にはこの能力はない とイ ンヘンハウスは , 右の著書 [『植物についての実験』 17 80年] に書いている. [中略] つまり植物の緑色部分に光があたると, 脱フロジス トン空気 (現在でいう酸素) を 1 8 ) 発 生 する, と 彼 [イ ンゲ ン ホ ウ スコ は い う」 ( .. ここまでの記述では, 植物の緑色部分が酸素を作る部分であることが明らか である ところが . , 262.

(6) . ピーマンの実は光合成しているか. 後の方で, 次のような記述が出てくるのである. 「光合成は植物の緑 色部分だけで行われていることは, 約200年前にイ ンヘンハウスによって みいだされていたが, 葉の細胞内にある葉緑体 が光合成の場であることは, つ ぎのような実験 に よ っ て 確 か め ら れ た.. 894年にエンゲルマンは, 細胞の 一部分だけに細い光束 があたるような集光 19世紀の 末期,1 器を顕微鏡にとりつ け, 葉緑体 が螺旋形の帯状をしているアオミドロという 淡水産の藻類を使 っ て実験した. 光合成によっ て発生する酸 素の検出には, 酸素のある方向に泳いでゆく好気性 細菌を入れておいた. すると, 葉緑体に光 があたったときだけ, 細菌がそこに集 まり, 葉緑体 1 9 ) 以外の部分を照射したときは細菌は動かなかっ た」( . 「 「 ここで, 不思議に思う. いつのまにか 光合成の場」 が 「植物の緑色部分」 から 葉の細胞内に 「 ある葉緑体」に移行して しまっ ているのである. さらに, 揚 げ 足 を と る つ も り は な い の だ が, 葉 の 細胞内にある葉緑体が光合成の場である」 ことを確認する 実験だというのに, エンゲルマンの実験 は藻類であるアオミドロの葉緑体を使っ ているのである. 浅学の私にはアオミドロに 「葉」 -- フ 日, 通常に言われる 「葉」 とは陸上の高等植物のように分化した葉身をイメー ジするのが自然であ 960年の提出した系統樹の中では, 藻類は 「葉状 ろう -- があるとは思えない. クロ ンキストの1 2 0 )-- の { 植物一--「体に根・茎・葉の区別 がなく, 水分や養分を運ぶ維管束 が発達していないもの」 一種とされて いる. すぐれた生物学者までもが, 「葉緑体」= 「葉の中にあるもの」 と思いこんで しまう節がみられる のだ. 筆が滑ったといえ ばそうかもしれないが, 「ピーマン問題」を考えている 立場からは困惑させ られてしまうのである. しかも, 宇佐美のこの本は名著の誉れが高く -- 私もその評 価に同意して い る ■- 影響力も大きいだけに, よけい上のことが気にかかるのである. 2 1 )の本にもその懸念される影 )( 1 990 実際, 宇佐美のこの部分の記述を参考にしている矢 吹禽毒 ( 「 響 が 現 れ て いる よ う に 思 わ れ る. 矢 吹 は, イ ンゲ ン ホ ウ ス の 実 験 に つ い て, イ ン ゲ ン ホ ウ ス が 空. 2 2 )と せっ かく 気を浄化する機能 をもっ ているのは, 葉や茎の緑色の部分であることを見出 した」( , 述べながら, 「か く して プリ ー ス トリ ー イ ン ヘ ン ホ ー ス, セ ネ ビエ と 進 ん で き た 光 合 成 研 究 も ソ シ ュ ー , ,. ルにいたっ て完成し, 植物の緑色部分に光 があたると, 葉の中で大気中の二酸化炭素と根から 2 3 〕 吸収した水とが作用 し, 有機物質をつくり, 酸素を放出することが明確になっ た」( と して しま い, さ ら に. 「植物はどのように育つ だろうか, という人類の永い疑問に対し, 前述のように植物の緑色の 部分で大気中の 二酸化炭素と根から吸収した水とが, 太陽の光によっ て, 有機物 (炭水化物) 2 4 ) を合 成 して 生 育 して い る の だ, と いう こ と が 解 明 さ れ」(. たと, まとめている. 光合成の場 が 「葉や茎の緑色の部 分」 から 「葉の中」 へ, さらに 「植物の緑 色の部分」 と転々 としてしまうのである.. 植物生理学の文献や中学校・高等学校の光合成教育での材料に葉以外のものがなかなか取り上げ. られないのは, 上述したような 「葉緑体は葉の中にあるもの」 という先入観 的思いこみが一つには 起因しているのではないだろうか.. 謝本だ ( 3 ) 光合成 「器官」 は葉紀. 先に,「葉緑体の存在する部 分では条件さえあれば光合成は発現する」と述べた. この命題から「植 ) がただちに解決するわけ 物の緑色をした部分は光合成をするか」 という問題 (= 「ピーマ ン問題」 263.

(7) . 若 菜. 博. ではない. つまり, 植物の緑色部分 にはすべての葉緑体があると考えてよいだろうかという 問題が その間に存在するから である. これについては宇佐美 ( 1 977 ) が次 のように説明している : 「植物の葉や茎が緑色をしているの は 細胞内の穎粒である 葉緑体が緑色のためであることは , まえに述べたが, 葉緑体もその全体が緑色なのではなくて グラナのところだけが緑色なので , 2 5 } ある. こ の 緑 色 は ク ロ ロ フ ィ ル と い う 色 素 に よ る の で あ る」( .. 「クロロフィ ルは植物によっ て細胞の中で合成される 種子が発芽するとき もともと 種子の . , 中にはまったく含まれていなくて, 発芽につれて双葉や若芽で合成が起こり 緑色になる 高 , . 等植物では, クロロフィ ルの合成に光が必要であって 暗所で発芽すると クロロフィ ルが合 , , 2 6 成 さ れ な い か ら 緑 に な ら ず, も や し に な っ て し ま う」{ ) .. このことから, 植物の緑色部分に はすべて葉緑体があると判断してかまわないであろう . ところで, 先に述べたC-F型モデル -- これはマク ロ的視点に立っ ている -- での高等植物 の光合成・非光合成器官 は, 葉・茎・根等に分類されているものだっ た しかし ミクロ的にみた . , 場合の光合成 「器官」 はむしろ葉緑体そのものであるといってよいであろう . たとえば, 柴田和雄 ( 1982 ) は, 「高等植物および藻類の光合成器官は, 細胞中に存在する直径数 2 7 }と 述 べ て い る ミク ロ ン の 葉 緑 体 (ク ロ ロ プラ ス ト) と 呼 ば れ る 穎 粒 で す」( .. さらに, 中村運 ( 1 988 ) も, 「光を受ける植物細胞に は [中略]独立した光合成器官の葉緑体が含まれる 秋の紅葉のよ う , . にクロロフィ ルを失いカロチノイ ドなどを残すものは有色体と呼び 暗所で黄化 した植物にみ , られるような色素類をもたないものは白色体と呼ばれる しかし これらも適温 で光が与えら . , れるとクロロフィ ル合成が起り, 葉緑体に戻る 細胞内における 葉緑体の位置とか形態 は 固 . , 2 8 } 定的なものではなく, 光などの条件に応じて変化する」( と して い る.. 石田政弘 ( 19 82 )も 「現存している高等植物や藻類など 真核植物の光合成器官は 葉緑体という形態的にも 機 , , , 能的にも独立 した細胞小器官である 一方光 合成細菌や藍藻のような原核細胞 の光合成器官は . , チラコイ ドやこれの発達した膜系からできている (光合成細菌のチラコイ ドを特にクロマトフ ォ アという) . いずれも原形質膜の細胞内陥入 によっ て生じたもので, 形態的に独立した小器官 2 9 ) で は な い」(. と 述 べ る.. 上記の3者のいう 「器官」 は, 厳密にいえば 「小器官」 あるいは 「細胞小器官 とでもいう方が 」 よいのかもしれない. 中村運 ( 1987 ) は, 「小器官は各細胞代謝を分画し, その特異性を保証するた 3 0 )と述べているが その意味での小器官である めの構造体である」{ , . これまで述べてきたことか ら, ① 「葉緑体のある場所では光合成を行うことが できる」 ② 「植物 , 「光合成の 『器官』 は葉緑体である ということが確認 でき の緑色の部分には葉緑体があるJ ③ , 」 る. こう して, 光合成の 「ピーマン問題」 自体の理論的結論はす でに出ているといっ てよいであろ う.. ( 4 ) 葉身以外の光合成の諸例 こ こ で, さ ら に 葉 以タ の器官が光合成をしている例を諸文献の記述からとりあげてみよう. . まず, 茎の部分での光合成活動はどうなっ ているだろうか? サボテンな どでは, 葉が針状になっ てしまい, その代わりに茎が光合成を営んでいること( 3 1 )は有 264.

(8) . ピーマンの実は光合成しているか 0C 20k 名 で あ る.ツ ル ナ シイ ン ゲ ンマ メ の 茎 も 30 l ux 以上では光合成が呼吸を上まわるほどだとい ,. 3 2 ) また カタクリの有花個体では 葉身はもちろん 葉 うし, タバコの茎も光合成を行っ ている( , , . , 3 ) これらのことは 「0 プロロー グ」 での⑧の疑問 -- 緑 3 柄や茎でも光合成生産が行われている{ . 色の茎は光合成しているか? -- ヘの解答に結 びつく. 穂でも光合成が行われている. ムギ等では, 未熟な穂が活発な光合成を行 い, たとえば,「オオム ギでは穂の光合成速度が最大値で16mgC02/穂/hrで, 穂に蓄積した炭水化物量の60%が穂自体 3 4 ) イネでも 乳熟期において葉身 に比べ「真の光合成速度」 の光合成作用に依存している」という( , . 3 5 ) で一桁低いオーダーではあるが, 穂・茎・薬鞘で光合成していることが報告されている{ . 枝や幹ではどうだろうか? 木本植物でも,「樹種によっ ては, 比較的若い枝や幹にクロロ プラストが含まれている. ヨーロ ッ 3 { 6 )という お パ トリネコの林分では, 幹や樹皮の光合成量がそれらの呼吸量の20~30%に達する」 . そらく, 梅やコーヒーの木の若い幹や枝も光合成しているだろう. これは, 「0 プロローグ」 での ⑨の疑問 -- 樹木の緑色の幹や枝は光合成しているか? -- への解答に結びつく. 根ではどうだろうか? マングロー ブでは, その気根が光合成することが矢吹菌寄 ( 1990 ) によっ て報告されており, 「光 強 度 0 33ca 2 l i / / の下で 垂下根 ヤエヤマヒルギの支柱根( )の総光合成量は1‐08mg ・ 伽 mn . , 2 2 C02/d in/hr 呼吸速度0 /dm /hr 胆・C02 ‐61- . ヒルギダマシの直立根では, 総光合成速度0‐55 2 ・C0 d匝 h凸こ対 し / 呼 吸 速 度 は0 2 ・C0 6 dm2 /hrで, いずれも光合成反応が認められ mg . mg 3 7 ) る と と も に 低 い 光 強 度 で あ っ た が, そ の 量 は 呼 吸 量 を 上 ま わ っ て い た」{ とさ れ て い る.. さらにまた, 矢吹は, 沖縄県西表島のヒルギダマシおよびマヤ プシキの直立根についての光-光 合成曲線の算出データを示しながら, 「ここではマングローブの直立気根ならびに支柱根が 明らかに光合成反応を行なっているこ , とを確認したことに意義がある. したがって, 光合成反応によっ て生成された酸素が泥中の根 に供給されて呼吸を助けていることが考えられる. また気根の光合成によっ て生成される炭水 化物も根に送られ, 物質生産としても大きい意義を持つ. , この点についても, まっ たく新しい 3 8 } 知 見 と い え る」 (. と報告している. このことは 「0 プロローグ」 での⑤の疑問 -- 緑色をした根は光合成している か ? -- に関係するだろう. 実ではどうだろうか? 4C0 明固定量が8 光合成能力が相対的に高いものとして, たとえば, ブドウではピーク時での1 2 5 cpm 厄なn2で あ る こ と ~10×105cpm/d廟2で あ り, ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン, モ モ で ピ ー ク 時 に 約 4 ×10. 3 9 ) これは 「0 プロローグ」 での①~④の疑問 -- 緑色をした実は光合成する が報告されている( . か ? -- への解答に結 びつく .. 2. 光合成教育における 「ピー マン問題」. 1 ( ) 進化・適応の問題としての 「ピーマン問題」 地球上に最初の植物としての藻類が現れたのは約30数億年前,陸上植物が現れたのは約4億年前 とい わ れて い る.. これまで述べてきたように, 光合成の場所というとまずイメージされすぎてしまう のが葉身であ 265.

(9) . 若 菜. 博. る. 確かに葉の光合成能力は, 一般 に, 他の器官と比べると相対的に高い値 をもつ. 葉身とそれ以外の部位との同一植物での光合成能力を比較している データを現時点ではまだ少し しか入手していなのだが, 紹介しておこう. たとえ ば, ツルナシイ ンゲンマメ の葉では開薬直後のみかけの光合成速度 は最高値 で3~5mg 0C 300ppm のC0 濃度で正のみかけの 4 0 ) 茎 で は 20k C02/d加2 /hr で あ る が( l ux 以上の照度, 30 2 , , 4 ( 1 } 2 を示す d k n h C 0 / / その値は0~1 光合成速度をもち, r 1曜 2 . oC C0 濃度:30 0ppm, 飽和光下でのみ 12 また, オオムギの単位葉面積あたりの光合成速度( 2 , 4 2 2 { ) オオムギの穂での光合成速度 かけの光合成量)は15mgC02 /d血 /hr程度 とされているのに対し, 4 3 ) は最大値で16mgC02/穂/hr で あ る( . すでに紹介したように, イネでは葉身に比べ一桁低いオーダーで穂・茎・葉鞘での 「真の光合成 速 度」 を も っ て い る.. これらの事例は, いずれも葉以外の光合成活動が相対的に活発なものである. もちろん, 戸刈義 次も述べていたように, 一般に, 葉の方が他の器官に比べ, 光合成を遂行するのに適した体制を持 っているのは当然である. そして, その上で, 葉身での光合成能力の高いことは, 進化および適応 の結果であるこ とをおさえるのが重要だ。 この点では次の二つの点に留意する必要がある. 一つは, 植物の進化をみると, 植物の元々の原 初的なありようは葉状組織であっ たということである. いわ ば, 植物の各器官の 「先祖」 は藻類の 葉状組織であり, それから分化した各器官が葉の機能の痕跡を残し, 光合成能力を持っ ていても不 思議ではない. それが植物の陸上への生活拡大にともない, 高等陸上植物に多くみられる根・茎・ 葉の分化 がなされてきたのである. こう して, 葉は, 一般に, それ以外の器官と比べれ ば, 光合成 活動に圧倒的に有利な体制を作り上 げることができた. 「葉緑体の存在する部分では光合成は条件さえあれば発現する」 ことを理解することは, ピーマ ンの実も光合成していることの理解である. さらに, ピーマンの実での光合成能力は葉身の能力と 大きな差があり, それは器官の分化という植物の一つの進化に沿って考えていくことができるので はな い か.. 陸上植物に多くみられる根・茎・葉の分化も, もともと, 陸上での生活への適応の結果である. 98 6 たとえ ば, 安田善 ( 1 ) は, 「花は葉の変わったものであるから 前にあげた花の四つの部分 [めしべ, おしべ, 花びら, , がく] のうち, どれが花びら状になっ ても不思議はないわけである. しかし, めしべが花びら 状になった例はきかない. この本では花の色を花 びらの色の意味で用いると前に述べたが, 厳密にいえ ば, 花びら状に 4 4 ) な っ た 葉 の 色 と い わ な く て は な ら な い で あ ろ う」{. と, 花と葉とが相同であることを述べている. そしてまた, このことから当然, 果実は元々 は葉が変形してできたものであることもわ かり, ピ 4 5 ) 光合成能力をもっていることも自然にとらえられること ーマンの実も葉の変形したものであり{ , に な る.. また, 食虫植物も光合成をしていること, サボテン等の砂漠地帯の植物 が茎で光合成をしている ことも植物の適応, 器官の適応の問題として興味ある題材 となろう. 食虫植物の生活様式は, 炭素 固定でない, 窒素固定の問題ともかかわっていく. ipotency) も 「ピ ー マ ン問 題」 か ら み え て き そ tot 植 物 の 細 胞 の 「全 能 性」 あ る い は 「全 形 成 能」 (. うだ. 植物細胞の 「全能性」 とは, 1個の細胞の中に1個体 を作り上げる能力を備えていることを 26 6.

(10) . ピーマンの実は光合成しているか. いう. 現在の段階では動物の細胞 ではこの全能性が確認されておらず, 植物と動物の細胞の大きく 4 6 ( 4 7 } } 異 なる 点 と な っ て い る と い う( .. ジャガイモはなぜ種から育てずに, 種イモから育てること ができるのだろうか. すいかを育てる 4 8 )が可 のにカボチャ に接ぎ木することやリ ンゴの挿し木, 等々‐ これらの栄養繁殖 (無性繁殖) 法{ 能なのは, 植物細胞の全能性に関わっ ている‐ 第2の留意点は, 「葉緑体の存在する部分では光合 成は条件さえあれば発現する」立場から, 緑色 をしていない植物の光合成がかえって不思議にそして効果的にみえてくるように思えることだ. た と え ば, アカ ジ ン の 葉 は 緑 色 で は な い. す る と,「こ の 葉 は 葉 緑 体 を も た な い の だ ろ う か ?」「光 合 成 を して い な い の だ ろ う か ?」 と い う 疑 問 が 生 じる だ ろ う. あ た た め た エ タ ノ ー ル で ア カ ジ ン の. 1984 ) は 「これを見た子 葉を処理すると紫色で隠されていた緑を見ることができる. 江川多喜雄 ( どもたちは『緑 がかくれていた. や っ ぱり光合成しているんだ』 『やっ ぱり, 葉緑体のあるところで 4 9 } 光 合 成 して い る ん だ』 と と ら え た」 と 報 告 して い る( .. 他方, 陸上の花の咲く種子植物の 中でもギンリ ョウソウ (ユウレイ ソウ) やシャク ジョウバナの ような緑色をしていない植物もある. これらは, 緑色色素クロロフィ ルをもっておらず, 光合成能 5 0 ) 力 が な い{ .. これらの事例をとりあ げることにより, 光合成活動の場が葉緑体であることを強く実感できる 可 能性が広がるであろう. また, 海藻類には, 褐藻 (コ ンブ・ワカメ・ヒ ジキな ど) や紅藻 (テングサなど) のように緑色 をしていないものが数多くある. これに対しても, 「ピーマ ン問題」 を重視する立場からは, 「これ らの海藻類は葉緑体をもっ ていないのだろうか?」 「光合成をしていないのだろうか?」という疑問 5 1 ) 実は すべての藻類は緑色の光合成色素 であるクロロフィ ルaをも が, 自然にでてくるだろう( , . っているのである. ところが, 陸上と海中では届く光の波長 (色) が違い, さらに水中ではその深 omを越すと届く光の色は青と緑になり, さらに さによっ て届く光の波長 が異なっ てくる. 水面下1 深くなると緑色になり, さらには光のほとんど届かない深海の世界 が続く. 陸上植物 が緑色をして いるのは, クロロフィ ルaが緑色の光は不用なものとして反 射してしまうから緑色に見えるのであ る. ところが水面下では, 浅所を除け ば, 陸上の植物 が利用 できない青や緑色の光しかないのであ る.. 海藻類は, 浅いところでは緑色をした緑藻類 が多く, 深くなるにつれて紅色をもつ紅藻類や茶色 っ ぽい褐藻類が多くなる, という傾向がある. ただし, 例外もあり, 浅いところに生える紅藻も多 数あり, 逆に深いところに生息する緑藻類もか なりいる. ただ, 浅所の紅藻は, たとえばアサクサ ノリ -- これは紅藻であるが -- のように, 黒紫色や茶色などの暗い色をしており, 深所の緑藻 2 5 ) は緑色とは言いがたい暗い濁った暗緑色をしている( . 浅 い と ころ で は 陸 上 の 光 と そ れ ほ ど違 わ な い か ら, ク ロ ロ フ ィ ル a で 光 の エ ネ ル ギ ー を と ら え る. ことが可能であり, 緑藻類 が多いのも肯定できる‐ ところが, やや深所では, 届く光の波長 (色) が違うから, クロロフィ ルaだけでは, 光のエネルギーを利用できない事態 が生じる. そのために, 紅藻類では, 光合成補助色素である赤色のフィ コエリスリン -- これは, クロロフィ ルaがほとん ど吸収できない緑色の光を吸収する 一一 から光のエネルギーをクロロフィ ルaに伝達し,光合成を 行っ ている. 紅藻類では, このように, 深度による届く光の波長(色)の変化に対して, 光合成(補 助) 色素の組成によっ て, 見事な適応をしているのである. 褐藻類では, 少し, 事情が異なる. 褐藻類の適応の仕方は, 光合成 (補助) 色素の組成によると いうよりは, つ まり, 光の色への適応というよりは, 光の量の変化, つまり光強度の 変化への適応 267.

(11) . 若 菜. 博. を して い る と いう.. 深所に生 息している一部の緑藻類は, 緑色の光を利用することができる. これらの緑藻類には, シホナキサンチンという色素があり, この色素は緑色光を捕獲する光合成補助色素として機能して 5 3 ) いる の で ある( .. このように, それぞれの環境において, 異なる波長 (色) や強さの光条件を海藻は見事に光合成 に利用している. 陸上植物を含め, 植物の基本的生活は光合成活動である. そして, 光合成を行う 上で最も基本的なことは光を獲得する条件である. 「ピーマン問題」 から次々 と疑問が生じ これらの疑問を大切にし発展させることから 光合成 , , を軸にした植物の生活の多様性と歴史性, そしてその中にある神秘的とでもいうべき合理性の認識 が芽生 えてくるのではないだろうか. ( 2 ) 光合成認識過程における実体的イメージの形成 われわれは, 「科学的概念形成に関する 一つの仮説」 として 「科学的概念形成の全過程にわたっ 5 4 ) ここでは実体 て, 実体的イメージの形成こそが, 決定的な役割を担っ ている」 と主張してきた( . 的イメージについて詳論する余裕はないが, 実体的イメージとは 「認識対象の本質的な構造を正確 に反映した感性的イメージであり, それはあくまでも感性的でありながら, 対象の本質的認識を媒 5 5 )と規定されるものである 実体的イメージとしてわれわれが 介する実体的特質をそなえたもの」( . 考える代表的な例の一つは, 仮説実験授業の授業書 「ものとその重さ」 における 「すべての物体は, 原子からできており, 物体は形を変えてもその原子の数は変わらないので重さは保存される」 とい 5 6 } う物体の原子論的イメージであった( . 光合成の認識過程において, 「植物の緑色をした部分はすべて光合成する能力をも つ」というイメ ー ジを 「当初の」 実体的イメージ (So ) として設定することができるのではないかというのが私の 5 7 )と共通した問題群の配列が 光合成の 考えである. このことにより, 授業書 「ものとその重さ」( , 授業プランにおいても可能になると思う. 「ものとその重さJ における 「問題1」 は有名な 「体重計の問題」 である( 5 8 } われわれの考える . 実体的イメージの視点による, この 「問題1」 の位置 づ けは 「もっ とも複雑な巨視的物体である人 間の重さはどんなに形を変えても変わらないという典型的事実Foを生徒たちに提示することによ 5 9に とにある ) を形成する基礎をつくる」( って, その背後にある実体的イメージ (So . 光合成の認識過程においては以下のように考えることができるのではないか. 植物の光合成活動 の実際のあり様は複雑であるが, まず陸上植物において植物の種類あるいは同一植物の部位が変わ 「ピーマンの実 ろうとも緑色をした部分では光合成を行う能力があるという一連の典型的事実 「 プ グ は光合成するか」 という問題および ロロー 」 での①から⑩の疑問に示される問題群もここで 扱われるだろう -- を提示し, この問題の系列の経過において, 「緑色植物の光合成は葉緑体で行 われる」 という実体的イメージ (S) を獲得するに至る. 次いで, 緑色をしていない植物 陸上 植物・海藻類 -- の光合成の事実を提示し, 光合成補助色素 (同化色素) の役割にも注目しなが 「 ら,「藻類まで含めて植物の光合成は葉緑体で行われる」 , 光合成を行うのは細胞小器官としての葉 緑体である」 という認識形成の道筋を予想することができる. 光合成教育の分野は, ともすると教師が教えこむ授業になりがちなところである. これを避ける ために色々な試みがなされており, たとえば, 科学史 (光合成研究史) に学ぶ光合成の授業プラン 6 0 ) これらの試みも 上で述べた実体的イメージの形成という視点で 検討 なども提案されている( , , . することが必要であろう. 268.

(12) . ピーマンの実は光合成しているか. 3 今後の課題 これまで述べてきたようなね らいを背景に持ちな がら, 授業プラン化したものが, 授業書案 「光 「高森 プラ ン」 6 1 )( ) である. それは, まだ素案の段階であり, 実際に実験授業にかけるため 合成」{ には, いくつかの修正・補訂 が必要であると考えている. その作業の基本的課題は, 前節で述べた 「実体的イメー ジ」 形成の視点に基 づいた 「問題」 の配列である. 高森 プランでは, 「問題」 の配列 がまだ平板であり, またその 「問題」 への解答の仕 方も, 検証実験がまだ準備されていないことも 一つの原因となっ て, 天下り的である. とりわ け, 「葉以外の部位が光合成をしているか どうか」に 関わる 「問題」 はこの授業 プランの一つの 鍵となるところであるから, 「問題」 として独立させ, 実 験および結果の説明も具体化する必要がある. そのためにも, 以下の点が課題となる だろう. ( 1 ) 葉以外の光合成能力の具体的データ, そして同 一植物での葉とその他の部位の光合成量の比 較できるデータの調 査が必要であろう. このことは植物の器官の分化とその意義をとらえる上 でも重要である. ( 2 ) 「ピーマンの実」 (他の類似のものでもかまわないが)そのものが光合成をしていることを簡 単に示せる実験 が可能か どうかの検討およ び追求である. ( 3 ) 葉以外の部位での光合 成活動に必要なC02は どのよう に供給されているのか?そ してピー マンの実に気孔はあるのかの調査である. これは葉と花の相同にも関係する. ( 4 ) 海藻類の光合成について 「高森 プラ ン」 はやや単純化し過 ぎのきらいがあり, この部分の正 確を期することである. つ まり, 高森 プランでは海藻類の光合成につ いてエンゲルマンの補色 海中の光が緑色光であるから, 赤色の海藻は海中の深所に適応し, 逆に, 緑藻は赤 適応説 色光の豊富な浅所に適応し,また褐藻は両者の中間の深さに適応しているという説 一一 に沿っ て解説している が, これには例外も多く誤解を招く恐れがある. 9年度の4年次学生・大宮健 一さん (現在は, 北海道札幌市立信濃小学校 ( 2 ) 3 )については, 198 ,( 教諭) の卒業論文 「緑色と光合成 -- ピーマ ンの実も光合成している か」 で追究し, ピーマンの実 2 6 ) まだ直接的な成果をみていない に多数の葉緑体 が存在することを顕微鏡で確認した が{ , . また,( 2 )については, 葉身の光合成活動を示す実験として従来よく行われているヨウ素デンプン 反応には難点があることをここで指摘しておこう. 第1に, 光合成でできるものはデン プンとは限 らないことである. 第2に, 光があたっ ていた葉身の当該の場所にデン プンがあったとしても, そ れが輸送されてきたものなのかあるいはそこでの光合成産物であるのかは不明のままであるからで ある. この実験が意味あるように見えるのは, 植物の葉身に光があたるとき, そこには光合成活動 が起きていることがむしろ暗黙の前提として考えられているからなのであり, その意味では, この 実験は光合成活動の存在証明としては, 状況証拠的なものである. いずれにしても, この実験だけ で光合成活動の直接の証左とするのは不十分である. 上のことは, 「ピーマ ンの実」のように光合成 しているか どうか常識的に判断しがたいものに対してヨウ素デンプン反応実験によって検証しよう としたとき, イメー ジしやすいであろう. デンプン反応が出たとしても, それは輸送によるものか もしれないという疑問がただちに出てくる だろう. そこで, 光合成の検証実験 としては, 光合成活動によっ て減少したガスおよ び産出されたガスを 測定できれ ば -- それも教室でも使用可能な簡 易な方法で,さらにまた精度の高い測定 ができれば 2 )の実験としてより ふさわ しいことになる. これは, 光合成研究史の流れにも照応すること --,( 269.

(13) . 若 菜. 博. で ある.. ) 植物の光合成を測定する方法は, 基本的には, ①吸収される炭酸 ガス(C02 , ②排出される酸素 (02 ) , ③生成される炭水化物 (または乾物) のいずれかを定量すれ ばよ い. この3つのうち では, 「0 又はC0 を測る方法が精度の上で優れており 特にC02を測る方法が比較的容易であるし精 2 2 , 6 3 )とされる 現在のオーソドックスな測定法は 赤外線ガス分析法による炭酸ガス 度も一番高い」( , . 4 6 ) ただし これはどこにあるというものではないし 事実 私の勤 濃度を測定する方法だそうだ( , , , . 務先にもない. 小・中・高等学校の教育現場で使用するのはさらに困難であろう. そこで, もっ と 982 ) の開発した測定 1 簡便な実験が望ましいのだが, 片山斜康・彦坂純子・横浜康継・ 古谷庫造 ( 5 6 )-- 原理としては発生した02を体積で定量する -- が利用できる可能性もある 法{ . 以上の諸点を追究しながら, 光合成授業プランの改訂と, 実験授業の実施を目指していきたい.. 〈注〉 8 9年3月1 1日, 於:北海道大学) にて口頭発表. ( 1 ) 第33回北海道教育学会研究発表大会学生部会 ( 19 『年報いわみざわ -- 初等教育・教師教育研究』 第 ( ) 高森秀樹 ( ): 「緑の教材化 -- 授業書案 〈光合成〉 2 1 99 0 」 , , 0‐ 6 11号, 北海道教育大学岩見沢分校, pp 6 ‐6 . 『 { ) 木村允 ( ): 「草や木はどのようにして大きくなるか」 3 19 8 4 , 岩波ジュニア科学講座第4巻生物の世界をさ ぐ 987年発行の第3刷版から行った. 以下の引用も同様である. る』 , 岩波書店, p .16 . なお, 引用は1 ( 4 ) 木村允:前掲書, p 2 1 ‐ . 9 ( 5 ) 木村允:前掲書, p ‐2 ‐ なお, 下線は引用者による. ( ) 野本宣夫・横井洋太 ( ): 『生物学教育講座6植物の物質生産』 6 19 81 , 東海大学出版会, p .51 . なお, ①~④の数 字と下線は引用者が付加した‐ 『 ( ) 戸塚搬 ( 1 ): 「物質生産に関与する光合成・呼吸器能」 7 97 3 ,共 , 木村允・戸塚綾 生態学講座9植物の生産過程』 立出版づ p ‐51 ‐ なお, 下線は引用者による‐ 『 ( 8 ) 井田和子 ( 1 98 8 ): 「光合成」 , 増田芳雄編著 絵とき植物生理学入門』 , オーム社, p ‐67の脚注‐ 家の光協会 3 ( 9 ) 戸刈義次 ( 1 96 3 ): 『作物のはなし -- 農業の基礎知識』 ,p , .8 . の 玖村数彦 ( Q 19 8 4 ): 「果実・種子の形成, 発育」 , 佐藤庚・山崎耕宇・庄子貞雄・前忠彦・秋田重誠・中像博良・ 文永堂出版 玖村敦彦・渡辺和之 『作物の生態生理』 8 , ,p . .27 菊池卓郎編著 『果樹の物質生産と収量 -- 増収技術の 回 松井弘之 ( 19 89 ): 「光合成産物の生産と分配」 平野暁 ・ , 基礎理論』 ‐3 9 , 農文協, pp . ‐37 『 ): 「植物体の部位と光合成特性」 9 Q の 津野幸人 ( 197 1 , 養賢堂, p , 戸刈義次監修 作物の光合成と物質生産』 .9 . 「 ピーマン問題 { 3 1 ) なお, 後で気がっいたのだが, 」にとって有益な記述をしている文献は, 植物生態学における「物 質生産」 をテーマとしている分野 -- 生産生態学 一一 のものであり, また, 作物生理学での光合成研究の方法も 32年のボイ 元はこの 「植物の物質生産」 の考え方を踏襲・発展させたものであった. これらの研究は, いずれも19 センーイエセン 『植物の物質生産』 から始まるとされている. 『 側 市村浩 ( ): 「植物による空気浄化への光の関与 -- 光合成研究史1」 19 8 3 , 生物科学』 , 第35巻第1号. 「 「 1733 Q 5 ) PR工 ESTLEY , ブ ル ー ス トー リ , Joseph ( ‐2.6) の 日 本 語 での 人 名 表 記 は, プリ ー ス ト リ」 .3.13~1804 「 『 ー」 3年) 198 , プルーストリー一等, 様々である. 引用の場合は別にして, 私の文章では 岩波生物学辞典第3版』( での 表 記 「ブルース トリ」 を用 いる こ とにす る‐. ‐1 8 Q 6 ) 市村浩:前掲論文, pp .17 ‐ 下線は引用者による‐. 「 「 「 Q ) INGENHOUS 1730 7 Z , イ ンヘ ンハ ウス」 , イ ンヘン , Jan ( ‐12 ‐8~1799 ‐9‐7) の 人名 表 記 も イ ンゲ ンホ ウ ス」. ホース」 など様々だが, 基本的にはやはり 『岩波生物学辞典第3版』 の表記 「インゲンホウス」 に従うこととする‐ Q ) 宇佐美正一郎( 1 9 77 ):『緑と光と人間 -- 光合成の探究』 8‐3 9 8 , そしえて文庫, pp .3 . ただし, この文献は現在 品切れ中である. なお, 下線は引用者による. Q ) 宇佐美正一郎:前掲書, pp 4 ‐7 5 9 ‐7 . なお, 引用にあたって漢数字は算用数字に直した. 下線は引用者による. 2 5 ( の 西揮÷俊 ( 9 8 9 ): 『海藻学入門』 1 , 講談社学術文庫, p ‐2 ‐ 下線は引用者による. 9 9 2 ( D 矢吹菌欝 ( 1 0 ): 『風と光合成 -- 葉面境界層と植物の環境対応』 , 慶文協.. 270.

(14) . ピーマンの実は光合成しているか ( 2 ) 矢吹菌寄:前掲書, p 2 .31 ‐ 下線は引用者による‐ 「 「 2 ( 3 ) 矢吹菌欝:前掲書, p 2 , イ ンヘンホース」 と .3 . 下線は引用者による. なお, この著書では イ ンヘンハウス」 いう 2種類の表記が同時に用いられている‐ ( の 矢吹菌欝:前掲書, p 2 5 .3 . 下線は引用者による‐ 鰯 宇佐美正一郎:前掲書, p 4 .8 . ( 2 6 ) 宇佐美正一郎:前掲書, p 8 .7 . 節 柴田和雄 ( 1 2 ): 『光と植物 -- 光合成のエネルギーとエントロピー』 98 0 , 培風館, p ‐1 ‐ ): 『基礎生物学 -- 分子と細胞レベルから見た生命像』 ( 2 8 〉 中村運 ( 1 98 8 , 培風館, p ‐24 ‐ 下線は引用者による‐ 『 98 2 ): 「光合成器官の進化」 側 石田政弘 ( 1 3 2 ‐ , 中村運編 生体機構の進化』 , 講談社, pp ‐31 ‐ ( 3 の 中村運 ( 1 ): 『細胞進化 -- 真核細胞の起原』 987 8 , 培風館, p .9 . { 3 P 碓井益雄・真船和夫・八杉龍一編 ( 1 ): 『生物科学辞典』 95 6 9 , みすず書房, p .25 . 『生態学講座9植物の生産過程』 共 ( 3 2 ) 戸塚綾 ( ): 「物質生産に関与する光合成・呼吸機能」 1 97 3 木村允・ 戸塚綾 , , 立出版, p 1 .5 . { 3 ) 野本宣夫・横井洋太:前掲書, p 3 41 ‐1 ‐ 3 の 戸塚掴:前掲書, pp ( ‐ 52 .51 . ( 3 5 ) 玖村敦彦:前掲書, p 8の表41より‐ .27 ( 3 6 ) 戸塚綾:前掲書, p 2 5 ‐ . ( 3 ) 矢吹菌講:前掲書, pp 6‐ 1 97 7 .19 ‐ マングローブの気根での光合成の発見の経緯についても次のように報告されて いる: 「著者ら (矢吹・北宅・杉, 1 98 ) はタイ国ラノンのマングローブ林を調査した際に, ヒルギダマシの直立 4 気根, ヤエヤマヒルギの垂下気根 (支柱根) など気根の表皮下に薬緑層があることを認めた‐ このことからこれら 気根は光合成反応を行ない, そのときに発生する酸素が根に供給・拡散されることが考えられた. そこで気根の一部を切断し, 切口から水が入らぬようにして, 水の入ったガラスのコップの中に入れてみると, 気根の各部から, 気泡がつぎつぎと出てくるのが認められた‐ 各種の気根を日本に持ち帰り, 光合成速度を測定し たところ, 明らかに光合成反応が行なわれており, 著者らの考え方が正しいことが確認された」(同書,p ) 9 6 .1 ‐引 用にあたって漢数字は算用数字に直した. め 矢吹菌需:前掲書, pp は 97 ‐1 98 .1 . なお, 引用にあたって漢数字は算用数字に直した‐ ( 3 9 ) 松井弘之:前掲書,p 11図より‐ しかも,「果樹の種類や品種によっては, 果実におけるC02固定が果 ‐ .38の第2 実の成長・発育や品質に極めて重要な役割を果たしていると考えられる」 (同書, p ) とされる. .39 ◎ 戸塚綾:前掲書, p 4 9 . . 揖 戸塚繕:前掲書, p ( 2の図1 8より‐ ‐5 ‐4 棚 ) 秋田重誠・村田吉男 ( 19 71 ): 「光合成特性の種間差」 , 戸刈義次監修 『作物の光合成と物質生産』 , 養賢堂, p . 104の 表 1‐ 22よ り.. 鋸 ) 戸塚繍:前掲書, p 1 ‐5 ‐ 園 安田費 ( ): 『改訂版花の色の謎』 19 86 , 東海大学出版会, p .4. 櫛 ) この 「花と葉の相同」 を一つの視点にした被子植物の授業プランを, 春日秀夫さん (札幌藻岩高等学校教論) が 提案・実践している. また, このプランの中で, 果実が葉の変形であることの一つの材料としてピーマンの実も取 り上げられている. 春日秀夫 ( 1 98 9 ): 「『八百屋の生物学』 -- 果実を使って考えよう」 , 科学教育研究協議会北 『 海道ブロック機関誌 北海道の理科教育 -- 自然と進化』 8‐ 122 , 第24号, pp ‐10 . 「 はめ 中村運 ( ): 『生命を語る -- その思想の流れ』 1 98 8 , 化学同人, p .8. 動物ではうまくいきませんが, 植物で すと体の一部から細胞を取り出して培養すると, また一本の植物に育ちます. 作物などでは, この細胞培養技術は 実用化の域に達しています. つまり, 一個の細胞の中には, 一個体をつくり上げるのに必要な遺伝子が備わってい るのです‐ このような性質を全能性といいますが, 動物細胞にも一式の遺伝子が入っているはずですから, 将来は 動物でも体の一部の細胞を培養して一匹の動物をつくることのできる日がくるでしょう‐ もっとも, こんなことを 人間社会に応用したならば, 深刻な問題を生むことは確実です」 . 「 は 7 ) 増田芳雄編著 ( 1 9 88 ): 『絵とき植物生理学入門』 , オーム社, p .7‐ 植物は動物と異なり (少なくとも現在のと ころ) 1個1個の細胞が条件によ てはもとの個体に再生する能力を備えて いる. この条件は主として植物ホルモ っ , ンのバランスで, そのバランスによって葉だけが再生したり, あるいは根だけが再生したりする. これらの器官や i 個体を再生する植物の能力を “全形成能”( ) とよび, その能力がどのように発揮されるか, すなわち, t t t o ency po 植物のもつ遺伝情報がどのように発現されるかは主として植物ホルモンの割合で決められる」 ‐ 棚 ); 「地上にナス, 地中にイモ -- 接ぎ木でできる ) この点については, 次の文献が参考になる. 八鍬利郎 (1987 こんな植物」; 「なぜリンゴやナシは接ぎ木 (栄養繁殖) で増やすのか」 , (いずれも, 山極隆編集代表 『話題源生物 271.

(15) . 若 菜. 博. 一一 心を揺する楽しい授業』 ‐6 1 , 東京法令出版, に所収) ,p , 口絵写真 (カラー) およびpp .60 ‐94 . 棚 ) 江川多喜雄 ( 8 ): 「いろいろな植物で光合成の実験」 19 4 , 理科教室編集部編 『楽しくわかる実験・観察』 , 新生出 版, pp .208‐209 ‐. 「 ( 5 の 宇佐美正一郎:前掲書, p .14 . この例は, 高森プラン」 でも扱われている‐ 高森秀樹:前掲論文, p .63 . ( D 藻類の光合成に関して, 次の文献が有益だった. 横浜康継 ( 5 19 82 ): 『海藻の謎 -- 緑への道』 三省堂 , . ただ し, 現在品切れ中. ◎ 横浜康継:前掲書, p .25 . 鰯) 横浜康継:前掲書, p 0 .14 . の 高村泰雄編著 ( ( 5 ): 『物理教授法の研究 -- 授業書方式による学習指導法の改善』 1 987 , 北海道大学図書刊行会, p.44 .. ( ) 高村泰雄:前掲書, p 5 5 4 .4 . 「 「 「 ) 高村泰雄:前掲書, p ( 5 6 4 , 電磁気学」 , 熱力学」 に即していえば, .8 . また, われわれの作成した授業書 力学」 「 「 それぞれ, 力学的相互作用における 衝突物体の変形」 , 電磁気学的相互作用における 場の変動・伝播」 , 熱力学 的平衡形成過程における 「ゆらぎ」 を実体的イメージとして設定した (同書, pp 5 6 ) .52‐ . ( ) この授業書は仮説実験授業関係の色々な文献で紹介されているが, ここでは入手の容易さ等を考慮して, 次の文 5 7 献からこの授業書に関する紹介を行う. 板倉聖宣 ( 19 66 ): 『未来の科学教育』 , 国土新書. ( 5 ) 板倉聖宣:前掲書, pp 8 ‐ 2 1 9 1 . . ( 5 9 ) 高村泰雄:前掲書, p 8 ‐4 . 回 ) 山田由史 ( 1 99 0 ): 「科学史に学ぶ光合成の発見の授業」 , 科学教育研究協議会北海道ブロック機関誌 『北海道の 理科教育 -- 自然と進化』 第2 5号, pp 107 5‐ , .9 . 回 高森秀樹:前掲論文. G 鋤 第34回北海道教育学会学生部会 ( 19 90年3月3日, 於:北海道教育大学岩見沢分校) にて口頭発表. 岡 村田吉男 ( 19 55 ): 「光合成測定法」 , 戸刈義次・山田登・杉山直儀・原田登五郎・林武共編 『作物の生理生態』 , 朝倉書店, p 3 1 . . G 鋪 井田和子:前掲書, p .83 . ◎ 片山箭康・彦坂純子・横浜康継・古谷庫造 ( 98 2 ): 「高校生物教育における呼吸と光合成の定量実験( 1 )冊- 改 2 『 良型簡易プロダクトメーターを用いた陸上植物の光合成量の測定」 17 , 生物教育』 , 第23巻第2号, pp ‐12‐ . (本 学 助 教授 ・ 岩見 沢 分 校). 27 2.

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参照

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