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道東へき地校における造形教育教材開発 : 根室市立歯舞中学校の大漁旗制作を通して

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Academic year: 2021

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(1)Title. 道東へき地校における造形教育教材開発 : 根室市立歯舞中学校の大漁旗 制作を通して. Author(s). 佐々木, 宰; 亀岡, 朗子. Citation. へき地教育研究, 57: 103-108. Issue Date. 2002-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1747. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 道東へき地校における造形教育教材開発. 道東へき地校における造形教育教材開発 ─ 根室市立歯舞中学校の大漁旗制作を通して ─ 佐々木. 宰. (北海道教育大学釧路校). 亀. 岡. 朗. 子. (根室市立歯舞中学校). 実現は,学校現場の状況や教師の努力によるところが大. はじめに. きい。. 本稿は,へき地校の環境的条件を生かした造形教育の 教材開発とその実践を考察したものである。. このように,中学校における造形活動は,実際には週 あたり. 筆者の一人である亀岡は,根室市立歯舞中学校に美術. 時間程度の. 美術. が必修として課されるだけ. で,それ以外は状況次第という現実にある。. 教師として勤務しており,美術科の教科指導はもとより. 今回の学習指導要領の改訂には,生徒の体験不足が問. 各種学校行事における制作活動における造形教育に携. 題意識としてあり,カリキュラムをスリム化して多様な. わっている。. 体験の機会を増やすという基本方針が立てられていた。. 教科としての美術科と,学校行事における制作活動の. しかし,生徒の体験に深く関わる 美術. までもが授業. 両面から生徒の造形活動への興味を喚起し,さらに地域. 時間削減の対象になり,生徒のものづくりや,表現の体. 的な環境を生かした教材開発として, 大漁旗. 験を保障する時間はますます少なくなっている。. の制作. を取り上げた。 大漁旗. こうした現状の中で,生徒の制作・表現の機会を確保. 制作は,毎年の学校行事の一環として行わ. するためには,授業以外の時間を有効に利用する必要が. れていたが,今回あらためて生徒の生活環境における 大. ある。具体的には前述した 総合的な学習の時間. 漁旗 を調査し,教材化を図った。. 特別活動としてなされる学校の各種行事における取り組. なお,教材化とその実践に関しては,平成. 年度の実. 践をもとに教材研究を行い,その成果を平成 年度の実. や,. みの可能性を探ることである。 しかしながら,こうした 時間. や各種行事は,必ず. 践に生かすという期間を要している。したがって,以下. しも造形体験や制作活動を単独の目的としてなされるわ. に報告する教材研究は平成 年度の取り組みを基にして. けではない。したがって,各種行事等における活動の目. 年度以降も継. 的と,造形活動や制作活動との関連を図りつつ,相互の. おり,その成果に基づいた実践は,平成 続して行われる予定である。. 目的を達成するプログラムの開発が必要になる。 造形活動や制作活動にも,従来の教科内だけの学習内 容ではなく,生徒の生活全般に適用できる幅広さが求め. .地域環境と造形教育教材. られるだろう。そのために,地域環境における多様な学. 中学校における造形教育は,必修教科としての 美術 が中心となるが,平成. 年改訂の中学校学習指導要領に. よって授業時間が大幅に削減されるなど,必ずしも十分 な時間や機会が提供されているとはいえない状況にあ. ほど,地域環境の特徴的な事象を把握しやすく,教材化 の可能性を多く残している。 教師はもとより,生徒またその保護者(家庭),地域. によってこれを補うこと. の住民にとって共通の事象を取り上げることで,地域の. も可能ではあるが,学校の状況によってその対応は異な. 生活にとって意味のある造形活動のプログラムを策定す. る。また, 総合的な学習の時間. ることができる。. る。選択教科としての. 美術. 習の機会に着目したい。特に,小規模なコミュニティー. などで,制作や表現. 活動を取り入れるといった対応が可能ではあるが,その. もちろん, その事象は地域によってそれぞれ異なるし,.

(3) 佐々木. その方法論を一般化することは難しいが,. 宰・亀 岡 朗 子. 学校がおか. 発に行われている。その祭に生徒が披露する. よさこい. れている地域環境を把握し, その中から教師・生徒・. ソーラン踊り の指導も,地域住民によってなされてい. 家庭・地域が共通に把握することができる事象を抽出. る。. し, 活動のバリエーションを設定し,. 具体的な制作. 活動に結びつける,といった段階は示すことができる。 以下には,根室市立歯舞中学校で行われた 大漁旗. 歯舞中学校の造形教育 歯舞中学校の造形教育は,必修教科である. の制作活動を実践事例として紹介し,そのプロセスを考. 選択教科としての 美術. 察する。. 作活動等によって構成されている。 必修 美術. .根室市立歯舞中学校と地域環境及び造形教育 歯舞中学校の概要. 時間,第. 年度)。平成. 学年. 校区とする中学校である。根室では,一般に根室半島の やや西よりにある根室市街地を. 市街地 ,これよりも. 東側を 半島地区 ,西側を 西部地区 と呼ぶ。したがっ て,歯舞地区は 半島地区. 時間が設定されている. 年度からは新学習指導要領の適. 選択 美術. については,全学年共通で年間. なっている。選択 美術. の時間と内容は,すべて学校. 行事(体育祭)の 応援コンクール. のための制作にあ. てられる。 前述のように,歯舞地区は,学校行事に対する保護者 及び地域の関心がひじょうに高く,特に体育祭には多く の保護者や地域住民が参加し,コミュニティーのイベン. 名,各学年. 学級の構成となってい. 。 る(平成 年度). トとしても大きな位置を占めている。このため,体育祭 では,体育的な活動以外に,イベントを彩る様々な活動 が行われ,特に 応援コンクール. 第. 時間と. 歯舞. 地区 と呼ぶことにする。. 歯舞中学校の生徒数(平成 年度) (人) 男. 時. と呼ばれることの方が多い. が,ここでは中学校名と校区の関係を示すために. 表. 学年. 用によって全学年 時間となった。. 根室市立歯舞中学校は,根室半島先端部の歯舞地区を. 全校生徒数は. は,年間授業時数として,第. 間,第 学年 (平成. 美術 ,. 及び各種学校行事における制. 子. 女. 子. 計. 活動が全校規模で催される。 応援コンクール. 学年. と称した制作・展示. は,各学級ごとに生徒全員が集団. 制作にとりくみ, 大漁旗. のぼり. 担任教師の顔. 模. 第 学年. 写画. 第 学年. 体育祭当日に展示され,コンクール形式で評価され,そ. 計. のポイントが体育祭のポイントに加算される仕組みに. デザイン画 などの制作・展示を行う。作品は,. なっている。 教職員は,校長,教頭以下,教諭 事務官 名,公務補. 名,養護教諭. 名となっている(平成. 名,. 年度)。. こうした活動は,従来から伝統的に行われており,イ ベントを通した多様な造形活動が取り入れられている。. 歯舞地区は,典型的な漁業の街であり,生徒の保護者. そのため,イベントそのものの性格や,活動の性格が外. の大半が漁業に従事している。小規模なコミュニティー. 見的にはわかりにくいものになっているが,生徒のモチ. であるので,保護者どうし,さらに保護者の親戚も含め. ベーションとの関係や,地域イベントとしての学校全体. て互いの子どもをよく知っている。そのため,保護者た. の取り組みを利用した,小規模校ならではの取り組みと. ちは生徒に対して自分の子どものように接し,時には厳. 言えよう。. しく叱ることもあるようである。都市部では見られなく なったこうしたコミュニティー内のいわゆる しつけ が残存する良さがあるが,生徒にとっては交友関係,人 的な関係が幼少時から変化しないという面もある。 学校と地域との関係も密接であり,年に. 回行われる. . 大漁旗. の教材化. 教材化の過程 前述のように, 大漁旗. の制作はすでに学校行事の. 廃品回収や清掃活動などのボランティア活動などにおい. 一環として行われているものであった。しかし,実際に. ても,生徒と一緒に全家庭でとりくむ。また,文化祭,. は体育祭の. 体育祭への関心もひじょうに高く,保護者の協力のもと. て行われていたため,イベントを飾るための装飾物をつ. に学校行事が運営されているといっても過言ではない。. くるという側面が強かった。. 歯舞地区では,毎年. 月に地区祭典(五カ所の神社祭). が開催され,こうした地区行事に対する生徒の参加も活. 応援コンクール. のひとつの取り組みとし. 漁業関係者が大半を占める歯舞地区の地域的環境を考 えると 大漁旗. というテーマは地域の独自性が現れた.

(4) 道東へき地校における造形教育教材開発. ユニークなものである。したがって,このテーマを生か しつつ,単なる装飾物の制作にとどまらない発展的な教 材化を構想した。それは, 大漁旗. (国旗). を,地域の文化と. してとらえ,漁業の街である生活環境との関わりや,生 徒の保護者の多くが 大漁旗. に寄せる思いを明らかに. (大漁旗) 無地に文字のみ. しながら,制作活動につなげていくというものである。 そのために,生徒の家庭(保護者)を対象とした. 大. 漁旗に関するアンケート を実施した。これは生徒の生 大漁旗. 活環境において. がどのように浸透しているの. か,また歯舞地区の保護者の. (船名旗) 派手な色彩が施 されている. 大漁旗 に対する意識や. 思いを知ることを目的としたものである。 アンケート調査を通して知り得た事柄をもとに,全体 的な計画を立てた。 大漁旗. のデザインを伝達デザイ. ンととらえ,伝達内容の具体的なイメージ化,効果的な 図. 配色等の造形的な学習内容を設定した。実際の大漁旗の. 出漁の船を飾る旗の種類. デザインを見ながら,アンケートによって明らかになっ た保護者(漁師)の願いと,そのイメージ化(図案化). これまで学校での制作活動で. 大漁旗. と呼んできた. を実例を通して学ぶことに関しては,地域の文化を学ぶ. ものは実は 船名旗. 機会としてとらえた。. きたことになるが,保護者もこの呼称で制作が行われて. 全体的な計画を立てたのちは,制作への取り組み準備. であり,誤った呼称で取り組んで. いることを理解しているため,当面は. 大漁旗. という. 呼称を用いることとした。. を進めている。. アンケートの調査項目は, 大漁旗の所有の有無, 大漁旗に関するアンケート. 調査から. 所有枚数,. このアンケート調査は,生徒の家庭の大半が漁業関係 者であることから,各家庭に対して行ったものである。 大漁旗. 大漁旗. にたいしてどのような思い. 旗を使用する機会や. 目的, 漁師にとっての大漁旗(船名旗)の意味,の 項目を中心とした。. が生徒の家庭環境にどのように浸透している. か,また保護者が. 所有する旗の図柄,. の大漁旗の所有に関しては,. 家庭中,. 家庭が所. 有していた。 の所有枚数に関しては,次の表のような結果になっ. や願いを抱いているかなど,全体的な状況把握を目的と していた。したがって,数量的・統計的な処理を目的と. た。何十枚も持っている家庭もあり,さらには. したものではない。. 上の家庭もあった。. 枚以. アンケートを全生徒の家庭に対して依頼したところ, 家庭からの回答があった。 大漁旗. 表. という漁師のシ. 所有する枚数. ンボルに関わるものであったため,大漁旗を所有する家. 枚所有. また,アンケートによって寄せられた情報から,これ 大漁旗. 家庭数. 枚所有. 庭からひじょうに丁寧で詳細な回答を得た。 まで. 大漁旗の所有枚数と家庭数. 枚所有. と一般的に呼んできた色鮮やかな旗は,. 実際には 船名旗. と呼ばれるものであり,本来の. 大. 枚所有. 漁旗 とは無地に. 大漁 という文字が書かれただけの. 枚所有 枚所有. ものを指す,ということが明らかになった。. 枚所有 枚所有 枚所有. の図柄に関しては, 波 日. 松竹梅. 太陽. 魚(鯛など) 朝. などがほとんどであった。旗の図柄は,. 業者に任せてしまうことが多く,また業者の用意したカ タログから選ぶこともあるという。本来の大漁旗(白地.

(5) 佐々木. 宰・亀 岡 朗 子. に文字)は自分で注文するものだが,船名旗に関しては. 難事故の危険性に常に直面した操業であり,それだけに. 自分で注文するものではなく,たいていは親戚や町内会. 大漁旗は漁師の生活やこの地区の繁栄を祈願する象徴的. から新造船のお祝いとして贈られるものであるという。. なものである。. 派手な色彩による図案の他に, 祝大漁. 船名. 贈呈. 者の氏名 が必ず入れられている。 の旗を使用する機会やその目的に関しては,以下の ような回答があった。. したがって, 教材化にあたっては, デザイン上のユニー クさや色彩などの形式的な側面に注目するだけでなく, 操業や地区の発展を祈願した漁師の思いを伝達する地域 の造形的な文化という側面を学習できる過程を設定する. ・新造船の進水時. 必要がある。. ・地区祭典などのお祭り. その上で,生徒の願い(学級としての願い)を表した. ・正月. 自分たちの大漁旗づくりにつながるような制作指導の過. ・仕事始め. 程を想定することとした。. ・さけます漁,棹前昆布漁,貝殻島昆布漁の出漁時 ・船魂祭(ふなだまさい. 指導計画の作成. 月 日)時. ・各種祝典時 ・海洋少年団のパレード時. 指導計画は, 全体オリエンテーション 構想と下絵. 着彩と仕上げ. 全体オリエンテーション. ・船主による乗組員慰労の宴会時. の. デザインの. 段階を基本とした。. に関しては,放課後の時. ・地域の小学校の運動会時. 間を使って行い, デザインの構想と下絵. ・よさこいソーラン祭りのはっぴとして. げ に関しては,選択美術の 時間をあてることとした。. 上記の回答をみると,船の進水や出漁などの漁業に関 する重要な行事の他,地域の祭典や行事などにも大漁旗. 着彩と仕上. 全体の指導計画および目標,準備,評価に関しては以 下のように設定した。. (船名旗)が関わっていることがわかる。この回答は大 表. 漁旗を所有しない家庭からも寄せられているので,歯舞 地区の住民であれば漁業に直接従事していなくても年間. 時数. 以下のような回答を得た。 ・景気づけ ・大漁祈願 ・仕事や生活から切り離せない大切なもの ・漁業を生活の糧にしているものにとって常々大漁旗. 放 課 後 等 の 時 間. 過去の作品や既成の 大漁旗を見ながら, 出漁や地域の発展へ の漁師の願いをシン ボル化した大漁旗の デザインを学ぶ。. には感謝の心を持っている。節目節目に掲げる大漁 旗は,今年も無事故で大漁で終漁することを祈願す る意味を持つ ・安全に操業できて,大漁であったときの一種のお祝 い事の意味 ・地域の繁栄 ・漁師として一人前になったことをまわりの人に認め てもらうという意味 ・神棚のしめ縄のようなもの ・船の安全,乗組員の健康を守るお札みたいなもの ・魔よけ ・縁起物 ・一枚一枚飾りながら,神主さんに祝詞をあげてもら い,船に魂を入れてもらうので神聖な気持ちになる 上記の回答から,大漁旗(船名旗)は,歯舞地区の漁 師たちにとってひじょうに重要で,ある種の神聖さを もったものであることがわかる。この地区の漁業は,海. 教師の働きかけ. 【全体オリエンテーション】. を通して目にする機会が多々あることがわかる。 漁師にとっての大漁旗(船名旗)の意味については,. 生徒の活動. 全体の指導計画. 体育祭での勝利を願 う,象徴的なモチー フをイメージさせる。 大 漁 旗 の モ チー フ (朝日,鯛,宝船, 波,七福神,亀)な どを参考にさせる。. 【着 彩 と 仕 上 げ】 授. アクリル系の水溶性 業 絵の具を用い,筆や ︵ 刷毛で着彩し,仕上 時 げを行う。 間 ︶. 放課後の時間. 校区の小学校に寄贈 作品例や視覚的 された大漁旗,過去 資料の準備 の作品を提示し,伝 えたい内容を表すデ ザインに気づかせ る。地域で目にする 大漁旗のデザインに 対する興味を喚起す る。. 【デザインの構想と下絵】 授 アイデアスケッチを し,学級の願いを表 業 す図案を考える。体 ︵ 育祭への取り組み目 時 標となるキャッチフ 間 レーズを考え,図案 ︶ に適したレタリング をする。. 留 意 点. 選択美術 キャッチフレー ズの例として は, 必勝 逆 転勝利 完全 制覇 など. 選択美術. 混食による彩度の低 塗りむらや汚れ 下を確認させなが が生じないよう ら,視認性の高い配 に注意する 色,鮮やかな配色を 意識させ,丁寧に作 業させる。.

(6) 道東へき地校における造形教育教材開発. 指導目標. 活動の都合によってとらえていくだけでなく,地域の. 地域の造形文化. 人々にとってそれがどのような意味をもっているかを掘. ・大漁旗と自分たちの生活環境との関係を知る. り下げる必要性が,今回の再教材化の過程を通して浮き. ・大漁旗に込められた漁師の願いや思いを知る. 彫りにされた。. 視覚伝達デザイン ・伝達内容を象徴する表現の方法を知る. 課題と展望. ・伝達のための色や形の効果的な使い方を知る. 大漁旗. の制作は,選択美術の時間を利用して,学. 造形体験. 校行事に関わる制作活動をするものである。生徒にとっ. ・自分たちの願いや思いをデザインする体験をする. ては,学習活動というよりも学校行事の準備の一環とい. ・イメージの具体化の作業を体験する. う意識が強い。総合性を取り入れた実践と言うこともで. ・レタリングの作業を体験する. きるが,反面,教師がねらった学習としての側面が伝わ. ・塗りの作業を体験する. りにくいという問題も生じる。. 準備. 前述のように,学習指導要領の改訂によって授業時間 家庭科教諭が縫合). ・布(. 数が削減されたため,中学校 美術 は授業時間の中で,. ・アクリル系水溶性絵の具(ガッシュ). 生徒の表現体験やものづくり体験を保障することが難し. ・刷毛,筆等. くなってきている。学校行事に関連させた. 評価. 大漁旗. 制. 作のような造形活動は,このような状況に対する試みの. ・地域の造形文化としての大漁旗の理解. 一つではあるが, 表現をより豊かなものに導くためには,. ・デザインの過程の理解. 基礎的な造形能力の育成が必要になる。. ・色や形・配置の効果の理解. したがって,今後の課題としては,通常の美術科のカ. ・作業の丁寧さと仕上がり. リキュラムにおいて育成する生徒の造形的な能力とのバ ランスを保つような,必修美術と選択美術のカリキュラ ム編成が必要となる。. .今後の展望と課題. 必修美術では基礎的な能力育成に重点を置き,選択美. 従来の教材の再教材化. 術ではそれを応用するような機能分担を想定しながら,. 大漁旗. 学校生活全体を通して造形教育が可能になるような学習. の制作は,従来から伝統的に行われてきた. 造形教材である。生徒や保護者,教師もこれまでの活動. 環境を整備することが求められる。. に慣れ親しんでいるが,その反面,イベントの装飾物と なる形式的な制作活動となっていた側面もある。 大漁旗 に, 大漁旗. へき地校,小規模校が置かれている環境においては, 生徒を刺激するような美術・造形文化が多いとはいえな. は地域にとっても親しみのあるテーマだけ. い。しかしながら,少人数による指導が可能なことや,. そのものがもっている意味を改めて掘り. さらに家庭の協力を得ながら教材開発が可能なことなど. 起こし,地域文化として改めてとらえようとしたことは,. のメリットを生かし,地域の造形的な素材を教材化して. 従来の教材の再教材化であるともいえる。 大漁旗. いくことの意義は大きい。. を. 作ることには変わりはないが, 指導にあたる教師自身や, 制作活動の主体となる生徒が, 大漁旗. に込められた. 漁師(保護者や家庭,地域)の思いを再認識して学習す. 参考文献. ることは,単なる制作活動をこえて,地域の文化を学習. ・根室市立歯舞中学校, 平成. 年研修集録 ,. することにつながっていく。. ・根室市立歯舞中学校, 平成. 年度学校経営の概要 ,. 今回は,アンケート調査を通した生徒の家庭からの情 報提供によって 大漁旗 た。 大漁旗. の多様な側面が明らかになっ. と呼んでいたものが実際には. 船名旗. にあたるものであることなど,指導にあたる教師自身も 認識していなかった事柄がわかった。 へき地,小規模校では,地域素材の教材化がさかんに 行われているが,実際にはその過程において,取り上げ る地域素材の掘り下げが不十分であるためにこうした誤 謬が生じていることも十分予測される。地域素材を教育. 付. 記 本研究の調査に関して,根室市立歯舞中学校の保護者. の方々の多大な協力を得ました。感謝の意をあらわしま す。.

(7) 佐々木. 宰・亀 岡 朗 子. 写真. 体育祭の 応援コンクール と大漁旗. 写真. 生徒が作った大漁旗. 写真. 体育祭の 応援コンクール と大漁旗. 写真. 生徒が作った大漁旗. 写真. 大漁旗の制作風景. 写真. 生徒が作った大漁旗. 写真. 大漁旗の制作風景. 写真. 生徒が作った大漁旗.

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