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認知スタイルと感情的情報の種類の違いが記憶課題に与える影響

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Academic year: 2021

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(1)Title. 認知スタイルと感情的情報の種類の違いが記憶課題に与える影響. Author(s). 新田, 寛子; 宮崎, 拓弥. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 66(2): 13-22. Issue Date. 2016-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7863. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第66巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 66, No.2. 平 成 28 年 2 月 February, 2016. 認知スタイルと感情的情報の種類の違いが記憶課題に与える影響 新田 寛子・宮崎 拓弥 北海道教育大学旭川校教育心理学研究室. The Effects of Individual Differences in Cognitive Styles and of Emotional Information on Memory task NITTA Hiroko and MIYAZAKI Takuya Department of educational psychology, Asahikawa campus, Hokkaido University of Education. ABSTRACT The present research investigated the individual differences in cognitive styles that effect the incidental recall of emotional stimulus. 207 university students completed the three questionnaires of cognitive styles; VVQ, SOP and J-OSIQ. Participants were classified as ⒜ visualizers or ⒝ verbalizers on the basis of their scores of VVQ and SOP, and ⒞ high or low-object imagers or ⒟ high or low-spatial imagers on the basis of their scores of J-OSIQ. They also rated positive, negative, or neutral words for their emotional value. These ratings were followed by an incidental recall task, in which participants recalled as many of the words as possible. On the basis of SOP, Visualizers displayed superior recall for the words compared to verbalizers. On the basis of J-OSIQ, low-spatial imagers displayed superior recall for the words compared to high-spatial imagers. No interaction effect between cognitive styles and emotional conditions was found significant.. 本研究では,学習者の認知スタイルの違いと刺. きる。この分類では,個人のイメージが視覚的で. 激種類の違いが課題遂行に及ぼす影響について検. あるのか言語的であるのかが基準となっている。. 討する。認知スタイルとは,個人に生まれつき備. 具体的には,視覚型の人は,心の中で絵を思い浮. わっている無意識的な特質であり,個人の情報処. かべるような視覚的イメージを用いて情報処理や. 理の仕方や課題遂行のための方略に関連があると. 記憶などの認知活動を行いやすいとされている。. されている(e.g., Ausburn & Ausburn, 1978)。. 一方で,言語型の人は,心の声のような言語的な. 認 知 ス タ イ ル の 代 表 的 な も の の 一 つ と し て,. 手がかりを用いてそれらの認知活動を行いやすい. Richardson(1977)による視覚型(Visualizer). といわれている。. と言語型(Verbalizer)の分類を挙げることがで. 視覚型・言語型による認知スタイルの分類につ. 13.

(3) 新田 寛子・宮崎 拓弥. い て は, 次 の よ う な 検 討 が な さ れ て い る。. 得意とすると考えられた文章とイメージ画像から. Bartlett(1932)はインクブロット(インクの染み). 構成された教材を用いた条件において学習成績が. を実験参加者に提示し,それがどのように見える. 高くなることはなかった。また,Kollöffe(2012). かを報告させた。その結果,視覚型の実験参加者. は言語的教材と視覚的教材を用いて数学の確率の. は,具体物や自らが感じた感情を,経験に基づい. 問題を解かせ,視覚型と言語型に分類される実験. て報告する傾向が顕著であることが示された。例. 参加者の学習パフォーマンスを比較した。事前の. えば, 「昔読んだ物語に出てきたラクダみたい」. 予想では,視覚型の実験参加者には確率の樹形図. などとインクブロットを形容した。一方で,言語. が提示されているような視覚的な教材が適してい. 型の実験参加者は,より簡潔でわかりやすく報告. て,言語型の実験参加者には確率が数式で提示さ. する傾向が顕著にみられた。例えば,単に「足跡」. れているような言語的な教材が適していると考え. な ど と イ ン ク ブ ロ ッ ト を 形 容 し た。 ま た,. られた。しかし,実験結果は教材の種類と認知ス. Hiscock(1976)は実験参加者に物語文を読ませ,. タイルの間に明確な関連を示すものではなかった。. それを再生させる実験を行った。その結果,視覚. このように,認知スタイルと教材の情報形式が. 型の実験参加者は高イメージ形容詞を多く再生. 合致した場合には学習効率が上昇し,学習成績が. し,言語型の実験参加者は低イメージ形容詞を多. 向上するという仮説に基づいて実施された研究が. く再生する傾向がみられた。これらの研究から明. 数多くあるものの,この仮説を明確に支持する結. らかなように,視覚型と言語型では,それぞれで. 果は十分には得られていないのが現状である。し. 得意とする情報処理が異なり,特性も異なること. かし,これらの先行研究には,実験材料である教. が示されるとともに,認知スタイルに応じた個人. 材の選択方法に共通した問題があると指摘するこ. 差が存在することが示されてきている。. とができる。すなわち,提示した材料の性質が認. このような認知スタイルの特性を踏まえ,教育. 知スタイルの特性に十分には合致していない可能. 心理学,コンピュータ教育などの各分野では,個. 性があると考えられる。この可能性を検証するた. 人の認知スタイルの特性に合った条件で学習する. めには,各認知スタイルが有する特性についてよ. ことによって学習が促進し,学習効率も向上する. り具体的に吟味する必要があるだろう。. と の 立 場 か ら 検 証 が な さ れ て き て い る(e.g.,. 認知スタイルにおける視覚型と言語型の特性. Kollöffel, 2012; Massa & Mayer, 2006; Mayer &. は,一般的には次のように捉えられている。つま. Massa, 2003) 。例えば,Chen & Sun(2012)は,. り,視覚型の人は,視覚的な情報の処理を得意と. マルチメディア教材を用いて認知スタイルと学習. したり好んだりし,視覚的な手がかりによって情. パフォーマンスの関連について検討を行った。こ. 報の処理を行うとされている。加えて,視覚型の. の実験で用いられたマルチメディア教材は3種類. 人は言語型の人よりも感情的に情報を処理すると. あり,文章とイメージ画像から構成されている教. もいわれている。一方で,言語型の人は,言語的. 材,ビデオ教材,アニメーション教材であった。. な情報の処理を得意としたり好んだりし,言語的. これらの教材を視覚型と言語型に分類される実験. な手がりによって情報の処理を行うとされてい. 参加者に提示した。その結果,視覚型に分類され. る。加えて,視覚型の人とは異なり,情報の感情. た実験参加者はビデオ教材を用いた条件において. 的な側面を捉えて処理する傾向は少ないといわれ. 学習パフォーマンスが最も良いことが明らかと. ている。さらに,実験データに基づくより実証的. なった。 それと同時に,ビデオ教材やアニメーショ. な特性としては,視覚型の人はより具体的なイ. ン教材のようにダイナミックな教材は視覚型に適. メージをもって記憶再生する一方で,言語型の人. していることも示唆された。しかしながら,事前. は具体的なイメージを必要とせずに記憶再生をす. の予想に反して,言語型の実験参加者は,彼らが. る 傾 向 が あ る こ と が 示 さ れ て い る(Bartlett,. 14.

(4) 認知スタイルと感情的情報の種類の違いが記憶課題に与える影響. 1932; Hiscock, 1976, 1978)。このように,視覚型・. 快なものかを評定することが求められているだけ. 言語型の認知スタイルの特性は,視覚的な情報処. にも関わらず対象の感情価を評定する際には,イ. 理を得意とするか,あるいは言語的な情報処理を. メージの惹起が伴われることが明確に示された。. 得意とするかという基本的な枠組みによって捉え. また,高視覚イメージ能力群の実験参加者は,低. ることができるが,これをより具体的にみてみる. 視覚イメージ能力群の実験参加者に比べて,より. と,両者における感情的な情報処理とイメージの. 多くのイメージを惹起することが明らかとなっ. 使用の違いにそれぞれの特性が反映されると捉え. た。さらに,「惹起したイメージはあの時のあれ. 直すことができる。. であった」といったように,対象を明確に限定で. 認知スタイルの違いに応じた学習教材を提示す. きるイメージを惹起した数も高視覚イメージ能力. ることにより学習成績が向上するか否かを検討し. 群の方が低視覚イメージ能力群に比べて多かった. た従来の研究は,視覚型の認知スタイルが得意と. が,両群の差は単なる名詞リスト条件の時が最も. するであろう視覚的教材と言語型の認知スタイル. 小さく,ネガティブ名詞句リスト条件でやや大き. が得意とするであろう言語的教材などのように,. くなり,ポジティブ名詞句リスト条件で最も大き. 非常にシンプルな材料の分類に基づいて行われて. くなった。このように,宮崎らで用いられた刺激. いる。そのため,視覚型であればより具体的なイ. リストの感情価を評定させた場合には,イメージ. メージをもって感情的に情報を処理しやすく,言. が同時に惹起するとともに,刺激の感情価と個人. 語型であれば具体的なイメージは必要とせず,感. の視覚イメージ能力の違いによって,イメージ惹. 情的な情報の処理も行いにくいといった,認知ス. 起の程度が異なることが示された。. タイル特性のより詳細な側面までは考慮されてい. これらの実験結果と認知スタイルの特性とを照. なかった。このことが,学習成績を向上させる認. らし合わせると,視覚型の人は視覚イメージを用. 知スタイルと学習教材の種類の適切な組み合わせ. いやすい傾向が強いため,視覚イメージに左右さ. を必ずしもみいだすことができていない原因の一. れやすいと予想される。そのため,視覚イメージ. つと考えることができる。したがって,遂行に際. の影響を受けにくいと考えられる言語型の人と比. して使用されるイメージ,及び感情情報処理の違. べると,イメージを喚起しやすいポジティブ名詞. いがみられるような学習材料を設定することがで. 句とイメージを喚起しにくいネガティブ名詞句で. きれば,視覚型・言語型の認知スタイルに応じた. は両者の情報処理の差がより大きくなると予想さ. 学習成績の違いが認められるであろう。. れる。一方で,言語型の人では視覚イメージの影. 前述したような視覚型と言語型の認知スタイル. 響を受けにくい。そのため,ポジティブな名詞句. が有する具体的な特性と対応しやすい材料とし. とネガティブな名詞句との間にイメージ喚起力の. て,本研究では宮崎・本山・菱谷(2013)で使用. 違いがあったとしても,それぞれの情報処理の差. された刺激を用いることとした。宮崎らは,名詞. は視覚型ほどは大きくないと予想される。. だけからなるリストとそれらの名詞を最もポジ. 認知スタイル研究のもう一つの問題として,認. ティブ,あるいは最もネガティブに変化させる修. 知スタイルの分類の多様化を挙げることができ. 飾語を付加した名詞句のリストを用意した。そし. る。上述したRichardson(1977)による分類の他. て,それらのリスト内の語からポジティブまたは. にも,様々な観点からの認知スタイルの分類がこ. ネガティブな感情がどれだけ喚起させられるかに. れまでになされており,それぞれの立場に対応し. ついて判断する感情価評定を行った。それに加え. た多くの質問紙が開発されてきている。そこで,. て,それらの感情価評定を行っている最中に,イ. 本研究では,複数の認知スタイル質問紙を同時に. メージが惹起されたか否かについて判断させた。. 用いることで各認知スタイルの特性を比較し,い. その結果,リスト内の語がどれだけ快なものか不. ずれの分類で今回の刺激種類の違いによる影響が. 15.

(5) 新田 寛子・宮崎 拓弥. みられるかを明らかにすることも目的とする。な. は,近年の研究成果を反映しているとともに,今. お,本研究ではVisualizer-Verbalizer Questionnaire,. 後の認知スタイル研究でより多く活用されること. Style of Processing Scale,そしてObject-Spatial. が予想される質問紙である。. Imagery Questionnaireを使用することとする。. 本研究では,視覚型・言語型,あるいは物体イ. Visualizer-Verbalizer Questionnaire(Richardson,. メージ型・空間イメージ型の認知スタイルとポジ. 1977)は認知スタイルを視覚型と言語型に分類す. ティブ・中性・ネガティブな刺激語を用いて,そ. る基礎的な質問紙の一つであることから採用する. れらの感情価を評定する際に惹起されるイメージ. こととした。Style of Processing Scale(Childers,. 情報との間に情報処理の向上などの何らかの対応. Houston & Heckler, 1985)はVisualizer-Verbalizer. 関係をみいだすことができるかどうかについて,. Questionnaireを改良したものであり,認知スタ. 探索的に検討することとする。その際,偶発再生. イル特性の情報処理の側面により焦点を当てた質. 課題を利用することで,記憶過程に対する影響を. 問紙だと考えることができる。また,これら二つ. 考慮することとした。偶発再生課題を利用したの. の質問紙はいずれも視覚型・言語型を区別する質. は,ポジティブ・中性・ネガティブな刺激語を用. 問紙であるが,Style of Processing Scaleの方が. いてイメージ情報処理の基礎過程の解明に焦点を. 質問項目の内容が具体的であり,かつ,4件法で. 当てた宮崎ら(2013)とは異なり,記憶過程にお. 回答を求めているため,より鋭敏に認知スタイル. ける影響に焦点を当てたためである。. の 傾 向 を 測 る こ と が で き る と 考 え ら れ る。 Object-Spatial Imagery Questionnaire (Blajenkova, Kozhevnikov & Motes, 2006) は. 方 法. Visualizer-Verbalizer QuestionnaireとStyle of. 実験参加者 心理学の講義を受講しているA大学. Processing Scaleとは異なり,視覚型・言語型の. の大学生67名とB大学の大学生91名の計158名が. 観点で認知スタイルを分類するものではない。こ. 実験に参加した。A大学では男子学生15名,女子. れは,近年の脳イメージング技法の発展に伴い,. 学生52名であり,B大学では男子学生67名,女子. 新 し く 考 案 さ れ た 認 知 ス タ イ ル で あ る(e.g.,. 学生23名,性別未記入者1名であった。実験参加. Blanzhenkova & Kozhevnikov, 2009, 2010;. 者の平均年齢は19.6歳(SD = 3.4)であった。. Kozhevnikov, Kosslyn & Shephard, 2005)。この. 材料 実験には3種類の認知スタイル質問紙と偶. 認知スタイルは,二つの視覚情報処理経路に基づ. 発再生課題のための小冊子を用いた。質問紙は. いた個人の視覚イメージの処理傾向によってそれ. Richardson(1977)によるVisualizer-Verbalizer. ぞれに対応した認知スタイルに区別する。その認. Questionnaire(以下VVQとする) ,Childers, Houston. 知 ス タ イ ル の う ち, 物 体 イ メ ー ジ(object. and Heckler(1985)によるStyle of processing scale. imagery)型の人は,より視覚イメージが色鮮や. (以下SOPとする) ,及びKawahara and Matsuoka. かで,写実的な解像度の高いイメージを用い,イ. (2012)による日本語版Object-Spatial Imagery. メージを全体として捉える傾向にあることが報告. Questionnaire(以下J-OSIQとする)を用いた。. さ れ て い る。 一 方, 空 間 イ メ ー ジ(spatial. 各質問紙は実験参加者の認知スタイルを測定する. imagery)型の人は,物体や部品間の空間的配置. ことができる。VVQでは,15項目の質問につい. に関する情報処理を得意とし,かつ心的回転など. て「はい」または「いいえ」の2件法で回答を求. のイメージ操作を得意とするとされている。加え. め,参加者が視覚的なイメージと言語的なイメー. て,物体イメージ型は視覚芸術,空間イメージ型. ジのいずれを用いやすい傾向があるかを測定でき. は自然科学を専門とする人に多いことも報告され. る。例えば,「言葉を使わなければならない仕事. て い る。Object-Spatial Imagery Questionnaire. をするのが好きだ」,「現実かと思うくらい鮮明な. 16.

(6) 認知スタイルと感情的情報の種類の違いが記憶課題に与える影響. 空想をすることがある」などの項目が含まれる。. の教示が記載されているとともに,語の自由再生. SOPでは,22項目の質問について「いつもあては. を遂行するためのスペースが設けられた。. まる」を1, 「いつもあてはまらない」を4とし. 手続き 質問紙と偶発再生課題はいずれも集団で. た4件法で回答を求め,参加者の言語型尺度(11. 行われた。質問紙はVVQ,SOP,J-OSIQの順に. 項目)と視覚型尺度(11項目)から認知スタイル. 実施され,それぞれへの回答は個人のペースに委. の得点を測定できる。例えば,「言葉を扱う活動. ねられた。偶発再生課題は,偶発課題としての語. をするのが楽しい」,「視覚的イメージを思い浮か. の感情価評定を全参加者が終了した後,フィラー. べるという追体験をすることが好きで,日常生活. 課題が実施された。フィラー課題では,3分間で. の中で追体験する時間がある」などの項目が含ま. できるだけ多くの都市名を書くように求めた。3. れる。J-OSIQでは,30項目の質問について「あ. 分経過後,偶発課題時に提示された語の自由再生. てはまる」を1, 「あてはまらない」を5とした. を求めた。この際,ポジティブ,ネガティブの各. 5件法で回答を求め,参加者の物体イメージ型尺. 条件では,名詞句のうちの名詞部分だけを再生す. 度(15項目)得点と空間イメージ型尺度(15項目). れば良いことを教示した。全実験参加者が終了次. 得点を測定できる。例えば,「明るい色使いや得. 第,小冊子が回収された。質問紙と偶発再生課題. 意な形状のモダンアートの絵が好きだ」,「ブロッ. の実施は,A大学では2日に分けて行われ,B大. クや紙を使用した空間的な遊び(レゴ,テトリス,. 学では同一日に実施された。. 折り紙など)が得意だ」などの項目が含まれる。 偶発再生課題のための小冊子は,宮崎ら(2013) で用いられたものと同等のものを使用した。小冊. 結 果. 子は,表紙,偶発課題としての語の感情価を評定. 実験参加者158名のうち,いずれかの質問紙を. するページ,およびフィラー課題と語の自由再生. 一種類でも回答しなかった者と回答に不備のあっ. を記述するための白紙の計3ページで構成されて. た者を除く,111名を分析対象とした。分析対象. いた。 表紙には教示と注意事項が記載されていた。. 者である111名のうち,男性は58名,女性は53名. 2ページ目には,19項目の語がそれぞれどの程度. であった。. 参加者にとって快か不快かを判断するように求め. 各認知スタイル質問紙への回答はそれぞれの算. るためのリストが記載されていた。判断は「不快」. 出方法に従って得点化した。VVQの得点をVVQ. を1とし, 「中性」を4,「快」を7とした7件法. 得点,SOPの得点をSOP得点,J-OSIQの物体イ. により求めた。小冊子は3種類あり,統制,ポジ. メージ型尺度の得点をobject得点,空間イメージ. ティブ, ネガティブの各感情条件に対応していた。. 型尺度の得点をspatial得点と呼ぶこととする。. 統制条件では,19語の名詞の感情価を評定するた. VVQによる実験参加者の分類 実験参加者が. めのリストが含まれていた。ポジティブ,ネガティ. 視覚的なイメージと言語的なイメージのいずれを. ブの各条件では,統制条件で用いた名詞を最もポ. 用いやすいかをVVQ得点により分類した。VVQ. ジティブ,あるいは最もネガティブに変化させる. 得点の平均値は9.17であり,標準偏差は1.91であっ. 修飾句が付加されていた。例えば,統制条件で提. た。また,中央値は9.00であった。VVQ得点が中. 示する名詞が「ビール」である時には,ポジティ. 央値と同じであった参加者を除外したうえで,10. ブ条件では「冷えたビール」という快名詞句が提. 以上の参加者を視覚型に,8以下の参加者を言語. 示された。また,ネガティブ条件では「生ぬるい. 型に分類した。その結果,視覚型の参加者は47名. ビール」という不快名詞句が提示された。3ペー. となり,そのうち統制条件は17名,ポジティブ条. ジ目にはフィラー課題のための「知っている世界. 件は14名,ネガティブ条件は16名となった。一方. の都市をできるだけたくさんあげてください」と. で,言語型の参加者は42名となり,そのうち統制. 17.

(7) 新田 寛子・宮崎 拓弥. 条件は13名,ポジティブ条件は15名,ネガティブ 条件は14名となった。視覚型・言語型それぞれの 認知スタイルに実験参加者を適切に割り当てるこ とができたかを確認するため,両群のVVQ得点 についてt検定を実施した。その結果,視覚型と 言 語 型 の 間 に 有 意 差 が 認 め ら れ た(t(84) = -17.96,p<.001)。また,認知スタイルごとに実 験参加者が偏りなく各感情条件に割り当てられて いたかを確認するため,それぞれの認知スタイル 群のVVQ得点について感情条件(ネガティブ・. 12 10 8 6 4. 視覚型. 2 0. 言語型 negative. control. positive. Fig.1 VVQ得点に基づく各群の偶発再生課題成績 (平均再生数). 統制・ポジティブ)を要因とする分散分析を行っ た。その結果,視覚型と言語型ともに感情条件に. 語型のいずれかであるかをSOP得点により分類し. よ る 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た( 視 覚 型;. た。SOP得点の平均値は49.7であり,標準偏差は. F(2, 44) = 0.50, n.s. 言語型;F(2, 39) = 0.23, n.s.) 。. 6.6であった。また,中央値は50.0であった。SOP. これは,視覚型・言語型ともに同程度のVVQ得. 得点が中央値と同じであった参加者を除外し,. 点を示す参加者が各感情条件に割り当てられたこ. SOP得点が49以下の参加者を視覚型に,51以上の. とを示している。これらのことから,実験参加者. 参加者を言語型に分類した。その結果,視覚型の. は各群,各条件に適切に割り当てられたことが確. 参加者は47名となり,そのうち統制条件は14名,. 認された。. ポジティブ条件は14名,ネガティブ条件は19名と. Table.1 VVQ得点に基づく群・条件の割り当て人数. 視覚型. 言語型. 47. 42. 統制. 17. ポジティブ. 14. ネガティブ. 16. 統制. 13. ポジティブ. 15. ネガティブ. 14. なった。一方で,言語型の参加者は55名となり, そのうち統制条件は19名,ポジティブ条件は20名, ネガティブ条件は16名となった。これらの実験参 加者の割り当てが適切であったかどうかを確認す るため,視覚型・言語型のSOP得点についてt検 定を実施したところ,有意差が認められた(t(95) = -12.75, p<.001)。また,実験参加者が各感情条 件に適切に割り当てられていたかを確認するた め,各認知スタイル群のSOP得点について感情条. VVQによる認知スタイルの分類と提示した刺. 件(ネガティブ・統制・ポジティブ)を要因とす. 激種類の違いが偶発再生課題成績に与える影響を. る分散分析を行った。その結果,視覚型と言語型. 検討するために,偶発再生課題成績を従属変数と. のそれぞれで,各感情条件間に有意な差は認めら. する,認知スタイル(視覚型・言語型)×感情条. れなかった(視覚型;F(2, 44) = 0.574, n.s. 言語. 件(ネガティブ・統制・ポジティブ)の2要因分. 型;F(2, 52) = 0.529, n.s.)。これらより,実験参. 散分析を行った。その結果,感情条件の主効果の. 加者は各群,各条件に適切に割り当てられたこと. み有意であった(F(2, 83) = 3.49, p<.05)。Ryan. が確認された。. 法による多重比較の結果,偶発再生課題成績は統 制条件がポジティブ条件よりも有意に高かった。 SOPによる実験参加者の分類 実験参加者が 視覚的な情報処理を得意,または好む視覚型か, もしくは言語的な情報処理を得意,または好む言. 18.

(8) 認知スタイルと感情的情報の種類の違いが記憶課題に与える影響. Table.2 SOP得点に基づく群・条件の割り当て人数. 類した。その結果,低群は54名となり,そのうち. 統制. 14. 統制条件は19名,ポジティブ条件は15名,ネガティ. ポジティブ. 14. ブ条件は20名となった。また,高群は54名となり,. ネガティブ. 19. そのうち統制条件は16名,ポジティブ条件は21名,. 統制. 19. ネガティブ条件は17名となった。実験参加者が. ポジティブ. 20. object得点高群と低群に適切に割り当てられてい. ネガティブ. 16. たかを確認するため,両群のobject得点について. 視覚型. 言語型. 47. 55. t検定を実施した。その結果,有意差が認められ SOPによる認知スタイルの分類と提示した刺激. た(t(106) = -14.10, p<.001)。 ま た, 実 験 参 加. 種類の違いが偶発再生課題成績に与える影響を検. 者が各感情条件に適切に割り当てられていたかを. 討するために,偶発再生課題成績を従属変数とす. 確認するため,高・低それぞれの群のobject得点. る,認知スタイル(視覚型・言語型)×感情条件. について,感情条件(ネガティブ・統制・ポジティ. (ネガティブ・統制・ポジティブ)の2要因分散. ブ)を要因とする分散分析を行った。その結果,. 分析を行った。その結果,認知スタイルに有意傾. 高群と低群ともに,感情条件間に有意な差は認め. 向がみられ,視覚型が言語型よりも偶発再生課題. られなかった(高群;F(2, 51) = 0.238, n.s. 低群;. の成績が高かった(F(1, 96) = 2.90, p<.10)。また,. F(2, 51) = 0.659, n.s.)。これらのことから,実験. 感情条件の主効果が有意であり(F(2, 96) = 4.91,. 参加者は各群,各条件に適切に割り当てられたこ. p<.01) 。Ryan法による多重比較の結果,統制条. とが確認された。. 件がポジティブ条件よりも有意に高かった。 12. Table.3 object得点に基づく群・条件の割り当て人数. 低群. 10. 54. 8 6. 高群. 4 2. 視覚型. 0. 言語型 negative. control. positive. Fig.2 SOP得点に基づく偶発再生課題成績(平均再 生数). 54. 統制. 19. ポジティブ. 15. ネガティブ. 20. 統制. 16. ポジティブ. 21. ネガティブ. 17. object得点と提示した刺激種類の違いが偶発再 生課題成績に与える影響を検討するために,偶発 再生課題成績を従属変数とする,object得点(低 群・高群)×感情条件(ネガティブ・統制・ポジ. J-OSIQによる実験参加者の分類 参加者の視. ティブ)の2要因分散分析を行った。その結果,. 覚イメージが,鮮明なイメージの処理が得意な物. 感情条件の主効果のみが有意であり(F(2, 102). 体イメージ型,あるいは抽象的なイメージ処理が. = 4.14, p<.05),Ryan法による多重比較の結果,. 得意な空間イメージ型のいずれであるかを. 統制条件がポジティブ条件よりも有意に高かった。. J-OSIQのobject得 点, お よ びspatial得 点 に よ り. spatial得点の平均値は2.70であり,標準偏差は. 分類した。object得点の平均値は3.09であり,標. 0.66であった。このとき中央値は2.69であり,こ. 準偏差は0.68であった。このとき,中央値は3.14. れよりも低い得点を示す参加者を低群,高い得点. であり,これよりも低い得点を示す参加者を低群. を示す参加者を高群に分類した。その結果,低群. に,これよりも高い得点を示す参加者を高群に分. は48名となり,そのうち統制条件は14名,ポジティ. 19.

(9) 新田 寛子・宮崎 拓弥. ティブ)の2要因分散分析を行った。その結果,. 12. spatial得点の主効果(F(1, 97) = 4.05, p<.05)と. 10. 感情条件の主効果(F(2, 97) = 5.24, p<.01)のそ. 8. れぞれが有意であった。spatial得点は低群が高群. 6. よりも偶発再生課題の成績が有意に高かった。ま. 4 2. 低群. 0. 高群 negative. control. た,感情条件の主効果については,Ryan法によ る多重比較の結果,統制条件がポジティブ条件に 対して有意に高いことが示された。. positive. Fig.3 object得点に基づく偶発再生課題成績(平均 再生数). ブ条件は17名,ネガティブ条件は17名となった。 また,高群は55名であり,そのうち統制条件は19 名,ポジティブ条件は17名,ネガティブ条件は19 名であった。実験参加者がspatial得点高群・低群 に適切に割り当てられていたかを確認するため に, 両群のspatial得点についてt検定を実施した。 その結果,有意差が認められた(t(101) = -14.38, p<.001) 。また,実験参加者が各感情条件に適切 に割り当てられていたかを確認するため,高・低 各群のspatial得点について,感情条件(ネガティ ブ・統制・ポジティブ)を要因とする分散分析を. 12 10 8 6 4 2. 低群. 0. 高群 negative. control. positive. Fig.4 spatial得点に基づく偶発再生課題成績(平均 再生数). 考 察. 行った。その結果,高群と低群ともに,感情条件. 本研究では学習者の認知スタイルの違いと提示. 間に有意な差は認められなかった(高群;F(2,. した刺激種類の違いが記憶成績に与える影響を明. 52) = 0.666, n.s. 低群;F(2, 45) = 1.19, n.s.)。こ. らかにすることを目的とした。提示した材料は,. れらより,それぞれの実験参加者は各群,各条件. 感情的な側面について刺激種類を操作した。その. に適切に割り当てられたことが確認された。. 結果,認知スタイルの違いによる有意な効果は. Table.4 spatial得点に基づく群・条件の割り当て人数. 低群. 高群. 48. 55. 統制. 14. ポジティブ. 17. ネガティブ. 17. 統制. 19. ポジティブ. 17. ネガティブ. 19. SOP得点とJ-OSIQのspatial得点についてみられ た。SOP得点で認知スタイルを分類した場合に は,視覚型の人が言語型の人よりも記憶再生成績 が高かった。また,spatial得点では低群が高群よ りも記憶再生成績が高かった。一方で,感情条件 の違いによる有意な効果はすべての認知スタイル の分類においてみられ,感情的な修飾句が付加さ れない統制群がもっとも記憶再生成績がよく,続 いてネガティブな感情を喚起させるような修飾句. spatial得点と提示した刺激種類の違いが偶発再. が付加されたネガティブ条件が高く,最後にポジ. 生課題成績に与える影響を検討するために,偶発. ティブな感情を喚起させるような修飾句が付加さ. 再生課題成績を従属変数とする,spatial得点(低. れたポジティブ条件の順であった。. 群・高群)×感情条件(ネガティブ・統制・ポジ. SOP得点において視覚型が言語型よりも記憶再. 20.

(10) 認知スタイルと感情的情報の種類の違いが記憶課題に与える影響. 生成績が高かったことは,本実験に用いた名詞句. れなかった。しかしながら,同じように認知スタ. が具体名詞であったことに起因すると考えられる. イルを視覚型と言語型に分類するSOPとVVQに. かもしれない。本実験で使用した実験材料は視覚. 基づいた結果を比較してみると,SOPでは群間に. 的側面に焦点があてられ,視覚イメージを惹起し. 差がみられ,VVQでは差がみられなかったこと. や す い 名 詞 句 が 採 用 さ れ て い る( 宮 崎 ら,. が明らかとなった。これは,今回の実験状況に限. 2013) 。Hiscock(1976)の報告にあるように,視. 定すればSOPの方が認知スタイルの違いを鋭敏に. 覚型は言語型よりも具体的な高イメージ形容詞を. 測定できることを示唆するものといえる。また,. 再生する際の成績がよい。また,Paivio, Yuille. J-OSIQのspatial得点に基づいた分析からは,空. and Smythe(1966)では,対連合リストを呈示. 間イメージと具体名詞の記憶との関連についての. した後で,実験参加者が学習時にどのような手が. 新たな視点を提供する結果が得られたといえる。. かりを用いたかということに関する報告を収集し. ただし,現時点ではOSIQに基づいて分類される. た。その際,言語的連合手かがりは高イメージな. 空間イメージ型の高群が具体的にどのようなイ. 対よりも低イメージな対において多く報告される. メージを日常場面で活用しているかについては,. こと,反対に,イメージ的連合手がかりは抽象的. 十分に把握されていない。加えて,物体イメージ. な低イメージ対よりも具体的で高イメージな対に. 型と空間イメージ型の分類では,高群についての. おいてより多く報告されることが示されている。. 言及はみられるものの,それぞれの分類の低群が. これらのことを考慮すると,視覚イメージは具体. どのような特性を有するのかについてはほとんど. 名詞との結びつきが強いと想定することができ. 言及されていない。本研究結果は,物体イメージ. る。本実験で用いた材料は具体名詞であったた. と空間イメージの相互の関係も含めて,それぞれ. め,SOPに基づいて分類された視覚型の参加者が. の高群・低群の特性について明確化する研究が進. イメージを想起しやすい状況に置かれ,記憶再生. められる一助となるものと考えられる。. 成績が高かったと考えることができる。. 本研究の問題点としては,実験において各群に. また,J-OSIQのspatial得点に基づいて分類し. 十分な参加者を確保することができなかったこと. た場合,低群が高群よりも記憶再生成績が高かっ. が挙げられる。例えば川原・松岡(2012)では914. た。このことから,低群の方が今回の実験状況に. 人 が 研 究 に 参 加 し,Kozhevnikov, Blazhenkova,. おける記憶再生に適していたと考えられる。先行. and Becker(2010)では413人が参加した。その. 研究では,空間イメージ型の人は視覚イメージの. 他の研究をみても,実験参加者の認知スタイルを. 中でも,イメージ対象物とその対象物の周りの空. 区別するためには大規模な参加者により検討が進. 間などに焦点を当てた処理をしやすいとされてい. められている。これらの研究と比較すると,本研. る。そのため,想起するイメージ対象物そのもの. 究では実験参加者の人数が大幅に少なく,参加者. の具体性は低く,概念的で抽象的であるとされて. を異なる認知スタイルに分類したとしても,それ. いる。言い換えると,空間イメージでの処理では,. ぞれの認知スタイルの違いを検出できるほど極端. 具体性を省略したイメージを用いる傾向があると. なタイプに分類できたわけではなかった可能性が. 考えられる。このこととspatial得点低群が高群よ. 考えられる。そのために,各認知スタイルとの間. りも記憶再生成績が高かった本実験の結果を照ら. で明確な記憶成績の差が認められなかったのかも. し合わせると,具体名詞の記憶の保持は空間イ. しれない。. メージによる情報処理傾向が低い方が適している. また,より本質的な問題点として,本研究で設. と考えることができるかもしれない。. 定した実験状況が適切ではなかった可能性を挙げ. 本研究では,認知スタイルと処理する感情的情. ることができるかもしれない。認知スタイルに関. 報の種類との間に積極的な関連を示す結果は得ら. しては,様々な分野を広く学習するような場合で. 21.

(11) 新田 寛子・宮崎 拓弥. も個人のスタイルが安定しているのか,あるいは 変動的であるのかについて,双方の立場からの研 究結果が報告されており,議論が続けられている (Cools & Bellens, 2012)。このことを考慮すると, 認知スタイルの違いは本研究で設定した名詞句の 記憶のような非常に限定的な状況で現れるような ものではなく,より日常的で複雑な状況において こそ現れるものであるのかもしれない。こうした 問題を明らかにして,より応用的な研究を進める ためにも,数多く提唱されている認知スタイルそ れぞれの特性はいかなるものであるのかについ て,詳細に検討する必要があるといえる。. recall from prose. The Journal of General psychology, 94, 295-299. Hiscock, M. (1978). Imagery assessment through selfreport: What do imagery questionnaires measure? Journal of Consulting and Clinical Psychology, 46, 223230. Kawahara, M., & Matsuoka, K. (2012). Development of a Japanese Version of the Object-Spatial Imagery Questionnaire (J-OSIQ). Interdisciplinary Information Sciences, 18, 13-18. 川原正弘・松岡和生(2012) .物体・空間イメージ型の個 人差 日本心理学会第13回大会発表論文集,26-27. Kollöffel, B. (2012). Exploring the relation between visualize- verbalizer cognitive styles and performance with visual and verbal learning material. Computers & Education, 58, 697-706.. 引用文献 Ausburn, L. J., & Ausburn, F. B. (1978). Cognitive styles: Some information and implications for instructional design. Educational Communications & Technology Journal, 26, 337-354. Bartlett, F. C. (1932). Remembering: A study in experimental and social psychology. London: Cambridge University Press. Blazhenkova, O. & Kozhevnikov, M. (2009). The new object-spatial-verbal cognitive style model: Theory and measurement. Applied Cognitive Psychology, 23, 638-663. Blajenkova, O., & Kozhevnikov, M. (2010). Visual-object ability: A new dimension of non-verbal intelligence. Cognition, 117, 276-301. Blajenkova, O., Kozhevnikov, M., & Motes, M. A. (2006). Object-spatial imagery: A new self-report imagery questionnaire. Applied Cognitive Psychology, 20, 239263. Chen, C. M., & Sun, Y. C. (2012). Assessing the effects of different multimedia materials on emotions and learning performance for visual and verbal style learners. Computers & Education, 59, 1273-1285. Childers, T. L., Houston, M. J., & Heckler, S. E. (1985). Measurement of Individual Differences in Visual versus Verbal Information Processing. Journal of Consumer Research, 12, 125-134. Cools, E., & Bellens, K. (2012). The onion model: myth or reality in the field of individual differences psychology? Learning and Individual Differences, 22, 455-462. Hiscock, M. (1976). Effects of adjective imagery on. 22. Kozhevnikov, M., Blanzhenkova, O., & Becker, M. (2010). Trade-off in object versus spatial visualization abilities: Restriction in the development of visualprocessing resources. Psychonomic Bulletin & Review, 17, 29-35. Kozhevnikov, M., Kosslyn, S., & Shephard, J. (2005). Spatial versus object visualizers: A new characterization of visual cognitive style. Memory and Cognition, 33, 710-726. 宮崎拓弥・本山宏希・菱谷晋介(2013) .感情喚起に随伴 してイメージは惹起されるか:名詞の感情価評定に基 づく検討 若手イメージ研究者のためのブラッシュ アップセミナー予稿集,30-34. Massa, L. J., & Mayer . R. E. (2006). Testing the ATI hypothesis: Should multimedia instruction accommodate verbalizer-visualizer cognitive style? Learning and Individual Differences, 16, 321-335. Mayer, R. E., & Massa, L. J. (2003). Three facets of visual and verbal learners: Cognitive ability, cognitive style, and learning preference. Journal of Educational Psychology, 95, 833-841. Paivio, A., Yuille, J. C., & Smythe, P. C. (1966). Stimulus and response abstractness, imagery, and meaningfulness, and reported mediators in pairedassociate learning. Canadian Journal of Psychology, 20, 362-377. Richardson, A. (1977). Verbalizer-Visualizer: A cognitive style dimension. Journal of Mental Imagery, 1, 109-125.. (新田 寛子 旭川校大学院生 現伊達市立伊達小学校教諭) (宮崎 拓弥 旭川校准教授) .

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