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「食」を巡る一連の過程を重視した幼児に対する食育実践の試み-“みそ汁隊”活動からの考察-

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Academic year: 2021

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(1)「食」を巡る一連の過程を重視した幼児に対する食育実践の試み      一 “みそ汁隊’’活動からの考察 一                学校教育学専攻                幼年教育コース.                  M07023K                  廣 陽子 幼児及び保護者のr食」に関わる意識と行動の変. 【問題の所在と目的】.  近年,社会構造が急激に変化するとともに,国. 容を量的側面と質的側面の双方から実践効果を推. 民のライフスタイルや価値観・二一ズが高度化・. 定し,今後の幼児期における食育実践のあり方に. 多様化し,国民の食生活や食に対する意識が変化. ついて考察を加えることをねらいとする。 【食育実践概容】. してきた。これらを踏まえ「食」を巡る多様な課 題を背景にし,2005年に「食育基本法」が施行さ.  “みそ汁隊’’を結成し,「食を巡る一連の過程の. れた。「食育基本法」においては「食育」は生きる. 直接体験化」r幼稚園と家庭の循環牲を考慮した食. 上での基本であって,教育の三本柱である知育・. 育展開」「量的・質的側面からの同時評価」を実践. 徳育・体育の基礎となるべきものと位置付けられ. 視点とし,5ヶ月間に亘り,1グループ9名で70. ている。. 人分を3回,継続的にみそ汁を作る,食育実践を.  幼児のr食」の問題も様々な側面からなり,そ. 創造・展開した。. 【食育実践効果の推定】. れが,将来を担う子どもの発育・発達に大きく反 映することが懸念される。そこで政府は『楽しく.  質問紙の内容は,実践群に対しては,実践前,. 食べる子どもに∼食からはじまる健やかガイド. 実践後,実践約1年後に幼児の「食」に関する質」. ∼』を作成し,子どもの発育・発達に応じた食盲. 間及ぴ保護者白身のr食」に関する質問について. 目標に沿った食育を推進している。r食育」は子ど. 回答を求めた。また,対照群については,実践群. もが成人に成った時点でr食を営むカ」を持つこ. と同様のアンケート記入を求めた。. とを願い,幼児期は「その基礎を培うこと」とし. 対象■. ている。そこで,幼児期を対象としたr食」に関. 貫間業■査. わる研究はどの程度なされているか,集団保育施. 人数(名). 設においての食育実践ついて先行文献より調査し た。その結果,r実践内容断片化」r実践展開の方 向性」,「実践評価の現状の問題点」といった問題. 点が抽出された。この問題点を踏まえて,食育実 践を創造・展開し,その実践の有効性を検討する。. 結果,実践群のみの実践効.  本実践研究の目的は,幼児が「食」を巡る一連. ①. 実践約1年後ですべての幼児がみそ汁隊活動 は「楽しかった」と肯定的な評価であった。. の過程を重視した調理体験を行い,幼児の体験が 家庭へと循環・回帰することを視野に入れた食育. ②. 実践を創造・展開する。本実践を行うことにより,. 「食事への期待感」が実践前後で有意に向上 した。. 一74一.

(2) ③ 実践直後の自由記述でr食材への興味・関心」. るのではなく,幼児の積極性を重視し,家庭で調.   r調理への興味・関心」r偏食の改善」r栄誉. 理をしたかった幼児を受容・許容する傾向が示唆.   への気付き」など多様な指借が確認されたが,. された。意識は幼児が作ったみそ汁を試食するこ.   実践約1年後では特に「調理への興味・関心」. とで,食材等の固定働念が払拭され,食べの新た.   に対する指欄が実践前を凌駕し同常に定着. な気持ちに累がる可能性屯示唆された。さらに, 「食を巡る一連の過程の直接体験化」「幼稚園と家.   していることが推測された ④ 保護者に,実践前,後に「子どもが料理を手. 庭の循環性を考慮した食育展開』は幼児と保護者.   伝ってくれるのはありがたいですか」「子ど. の相互関係を促進させ,実践約1年後の幼児の食.   もが料理をしたかった時進んでさせますか」. べの興味1関心の拡大から,幼児及び保講者の家.   の質問に対して有意差が確認され,幼児の調. 庭における調理の習慣化になることが推測された。.   理行動を受容・許容する姿勢が確認された。.  これまでの食育実践は,断片的な調理体験,一. ⑤ 実践後の自由記述より,保護者は,成長した. 方向の実践方向なため,親子間の関係が希穂な状.   幼児を認め,幼児が学んだ事柄が家庭に反映. 況であったと推案される。しかし,本実践は保護.   することが推測された。また,白身の食べの. 者の参加を視野にいれて,循原性を考慮したため,.   気付きや改善となりより良い生活を築くき. 親子間の相互作用が促進され,幼児も保証者も共.   っかけとなった。. に変容する姿が少なからず確認された。.  本食青実践は,先行研究を批判的に概勧するこ. ①幼児の手伝い行動に,交互作用は認められな. とにより得た課題からの改善策を,幼稚園で可能.   かった。. な限り取り入れるように工夫を重ねて展開した。. ②幼児の食育実践推定尺度において交互作用. しかし,食育実践の展開を考える際,集団保育施.   は認められなかった。. 設の興境,家庭環境,現況の保育計画など幼児を. ③ 保講者と幼児の料理に関わる質問3項1ヨ中1. 取巻く環境は様々に違うことを考慮して,幼児に.  つに交互作用が認められ,本実践形式の有効性. とってより良い食育実践を創造・展開する必要が.  が少なからず,実証された。. ある。. 【総括と今後の課題】.  食材選択から食するまでの過程を切ることのな い直接体酸を操り返し,継続的に実施するといっ た「食を巡る一連の過程の直接体験化」をするこ とで,幼児の実践に対する満足感は高まり,食材 への興味・関心や調理への興味・関心が拡大され. 8構化. ることが推測される。また,r幼稚園と家庭の循原. 性を考慮した食育展開」は,幼児の変容のみなら. 図  『食」を遮る一運の選程を重祖した. ず,保護者の幼児に対する接し方,食べの意識の. 食育実踏の劾呆の推定. 変容をも促がすことが示唆された。具体的には,. 主任指導教員  名須川 知子 教授. 幼児の調理参加について保講者の気持ちを優先す.  指導教員   鴫崎 博同  准教授. 一75一.

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参照

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