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徳島県内在住外国人に対する支援の現状と課題 : 生活実態聞き取り調査をもとに

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Academic year: 2021

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70 多文化共生領域

徳島県内在住外国人に対する支援の現状と課題

−生活実態聞き取り調査をもとに−  在住外国人の増加に伴い,徳島県は彼らを住民として認める視点を重視し,言語・習慣・制度・ 文化等の違いによる外国人と日本人との間に生じる得る軋轢の軽減に向け,多岐にわたる取り組み を推進してきた。例えば県内では,県及び各市町村レベルにある国際交流協会や NPO・NGO 等の 団体によって,日本語習得支援,生活支援,防災に関する知識普及等を含む諸活動が行われている。 しかし,こうした外国人を対象とした支援では,彼ら自身の抱える諸問題に十分に対応しきれてい ないことも推測される。  そこで本稿は,徳島県内在住の外国人の生活実態に関する聞き取り調査をもとに彼らに対する支 援の現状と課題を検討した。聞き取り調査は,多様な経歴,年代(20 代3人,30 代3人,40 代1人, 60 代1人),国籍(アメリカ,ペルー,エジプト,ベトナム,モンゴル,スウェーデン,フィリピン, 韓国),滞在期間(35 年1人,9年1人,7年2人,5年1人,3年2人,8ヶ月1人)の者合計 8人(男性6人,女性2人)を対象に実施した。  調査の結果,例えば次のような事例があることが判明した。技能実習生は,自身の職場における 日本人との間の賃金格差に不満を漏らしていた。留学生は,日本滞在中に日本での就職先の情報が 得にくいことを指摘した。また,日本社会に精通した長期滞在者の中には,将来の生活設計の不安 定さや日本人の配偶者と死別した場合による自身の老後を案じる者もいた。その他,宗教上の理由 により自身の子どもが通う小学校の給食の内容を気にする者もいた。  今後の課題として次のことが挙げられる。第1に,国際交流協会や各支援団体の活動では対応で きない問題を抱えた外国人に対し,諸行事を通じて日本人に対しても意識啓発を行うとともに,外 国人との交流を深め,彼らが抱える問題の内実を理解してもらうよう促す必要がある。第2に,諸 問題を抱えた外国人に対する心理援助の具体的な施策においては,福祉の側面からのアプローチも 必要になるため,例えば民生委員による訪問等では,地域の国際交流団体と語学等の面で効果的に 連携し,その対象に含める必要がある。第3に,日本人のみが考案・実施する現行の外国人支援の あり方を改め,外国人にも実施者として支援活動に参加してもらう必要がある。 生涯学習研究院 多文化共生領域 岡   里 美

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