トランジスタの容量性負荷を有するエミッタ・ホロ
ワのパルス応答について (第2報) : アナログ計算
機による応答特性の解析
著者
川原 浩一郎
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
4
ページ
57-62
別言語のタイトル
ON THE PULSE RESPONSE OF A CAPACITIVLY LOADED
TRANSISTOR EMITTER FOLLOWER (No. 2)
トランジスタの容量性負荷を有するエミッタ・ホロ
ワのパルス応答について (第2報) : アナログ計算
機による応答特性の解析
著者
川原 浩一郎
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
4
ページ
57-62
別言語のタイトル
ON THE PULSE RESPONSE OF A CAPACITIVLY LOADED
TRANSISTOR EMITTER FOLLOWER (No. 2)
ト ラ ン ジ ス タ の 容 量 性 負 荷 を 有 す る
エ ミ ッ タ 。 ホ ロ ワ の パ ル ス 応 答 に つ い て
(第2報)
一 ア ナ ロ グ 計 算 機 に よ る 応 答 特 性 の 解 析 一
川 原 浩 一 郎
(受理昭和39年6月5日) ONTFmPULSERESPONSEOFACAPACIT1VLYLOADED TRANSISTOREM血TERFOLLOWER(No.2) K6ichir6KAWAHARA Inthispaperonthepulseresponseofaemitterfollower,anapproachtothepractical outputwaveisanalysedbyintroducinganemitterimpedance(paralellcircuitofaforward emitterresistanceノ力andanemitterdiffusioncapacitanceCz,,‘)intothemodiIiedTeqivalent circuit, Theresponseofthetransferfunctionforlmitstepinput,ofwhichthedenominatorpolinomial is2nd-or3rd-oderinPoperator,1scomparedrespectivly・ Paticularyinthecaseof3rd-order(whichrealizesinI・回,CD,cinsertion)ananalogcomputor isusedtodrawthetimeresponseofthegiventransferhmctioninplaceofcomplicateculculation totimefunction Asaresultnewcriteriaofacriticalconditionfornon-oescilatorylssuchoutlinedthat unstableareawidensinKをく0.1andreverselyinK>0.2foranalloytypejunctionunit. 1 . ま え が き エミッタ・ホロワのパルス応答においては,特に負 荷が容量性の場合,パルスの立上り特性が良く(即ち 立上り時間が短い),且つ不要な過度振動の起きない, いわゆる臨界状態の立上りを得ることが必要とされ る.この点に関して,筆者は前報3)において,変型T 型高周波等価回路を用いて,パルスの応等特性を解析 し,臨界状態の応答波形について,実測値と計算値と を比較検討して安定な立上り特性を与える諸回路定数 の設定についての資料を得たが,今回は,更に立上り 特性に影響を及ぼすとみられる順方向エミッタ接合抵 抗 , 並 び に エ ミ ッ タ 拡 散 容 量 を 挿 入 し た 回 路 で , 伝 達 特性を調べてみた. この2つの新しい素子が並列回路として等価回路に 挿入されると,伝達関数の分母の次数が演算子pに関 して3次となり,その根を筆算で求めるには非常に多 くの計算過程を必要とし,更に時間関数に変換するこ とは2次の場合に比較して,極めて困難で,安定な動 作範囲も求め難い. 幸いに,今回はアナログ計算機(日立製低速型,以 下アン・コンと略す)を使用する機会を得たので,与 えられた伝達関数を模擬することによって得られた応 答波形を計算値として採用し,実験値と比較してみた 結果をここに報告する. 2 . 等 価 回 路 に つ い て 変形T型等価回路において,前報3)ではエミッタ接 合部の順方向抵抗,ノ・必とエミッタ拡散容量,Q,,‘を 省略して,伝達関数の分母pに関する2次式として, パルス応答,並びに安定な動作範囲を計算したが,こ のエミッタ内部インピーダンスは高周波特性に相当な 影響を及ぼすと考えられる. ゲルマニウム・トランジスタにおいては『Eは,普 通のT型等価回路のパラメータとしてのエミッタ抵抗 J・‘と違い,エミッタ,ベースを一つのダイオードと考 えて,その接合部の抵抗を計算したもので,常温では 近似的には次式で与えられる.′
‘
一
喝
(
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f
l
n
A
)
1
9
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…
…
…
(
1
)
rbbノ:ベースひろがり抵抗 Rざ:電源内部抵抗 、 : エ ミ ッ タ 順 方 向 接 合 抵 抗 Cb'c:コレクタ接合容量 Cb'0:エミッタ拡散容量 Z。:負荷インピーダンス(負荷抵抗RL と附加容量Ceの並列回路) r d : コ レ ク タ 抵 抗 β : エ ミ ッ タ 接 地 電 流 増 巾 定 数 第 1 図 変 形 T 形 高 周 波 等 価 回 路 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 4 号 1.2 こ こ に , A は ベ ー ス の 有 効 面 積 , D は ベ ー ス 域 の 拡散定数でいずれも与えられたトランジスタについて 一定な値である.(3)式を変形して次式を得る. B 動 b , B ' Q)“0== /VVVV ︻凸 Rg Ch'c ︲︵︺︹uTI d 少シラ一号“、ぐI LE A 〃 2
ノ.E・cb'e=一五万………(4)
βizl ZI
r四・q'‘はベース域での小数キャリアの遅れの時定 数で,ベース接地電流増巾定数の3.b低下する角周 波数の"0と次式で関係づけられる. 58 (6) (5) 金一必疏一足GH
地・Czj杉 この(5)式より,の"・を知るとC0'eを逆に算出す ることができる. 以上より等価回路として,第1図を採用し,解析を 進めてみる. 但し,一般的なT型小信号パラメータとしてのj・‘ より}・刀は算出することもできる. 小信号動作のごとく,或る固定された動作点でのノ.E は(1)式で算出されるが,パルスの応答のごとく,動 作点が広範囲に移動する,いわゆる大振巾動作の場合 には,(1)式をそのまま導入すればI・必は非直線的な 抵抗となり,計算が非常に複雑となることも予想され る.通常の小信号動作時の一般的な規格ではほぼぼ 25∼80回程度となっている. 次に,エミッタ接合面から注入された小数キャリア はベース域で再結合によって失われながら,例えば拡 散によりコレクタ接合而に致達する.即ち,漏洩のあ る伝送線路として解かれる.ここに現われる容量がい わゆる拡散容量と呼ぶべきもので,エミッタ,ベース 間にバイアスがかかると,当然或る量の電荷が蓄砿さ れる.この電荷はトランジスタが動作を開始しても, 或る瞬間においては常にこの充電電荷が存在している ことになる. この蓄積電荷Qz’は,エミッタ,ベース間電圧脇'己 の関数で,脇'9に対する微分値が拡散容量Cl,'eを与 える.‐49坐=Cl,,e………(2)
α”e 又Q、'9はベース巾砿ベース域の電荷密度pの関 数であるところから(2)式より次の値を得る4).C"。=器………(3)
3.麺,C6'eを考慮に入れた伝達関数 第1図に示されている等価回路について,通常成立 するノ・">磁,RLなる条件のもとで,Q'cは負荷容量 cbに含めて考え,これを新にQとして,入出力の 伝達比ひLん’を求めてみると次のごとくなる. (1+β)RLG
(
ん
)
=
器
=
’
+
j
o
C
‘
R
‘
必十砿脇十畿鵠
(7)式の置換式について,亜Gは前報3)にて用い たパラメータと同一であるが,’・",Cl,'eに関して,新 にK′,Hなる2個のパラメータが追加されている. そこで(5)式は(7)式により次のごとく整理さ れる. ここで(6)式を次のごとき置換を行なう.のJ一噸蹄
﹄8PR
(7)〈K=。βceR‘
Kノー①βCO'cRz,0 . 59 0 5垂 41G 川 原 : ト ラ ン ジ ス タ の 容 量 性 負 荷 を 有 す る エ ミ ッ タ ・ ホ ロ ワ の パルス応答について(第2報),
託
+
命
)
(
,
+
β
・
+
'
)
G ( p ) = − 雀 一 生 ノ′
‘
+
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+
¥
z
+
¥
1
,
2
斗
(
G
ゴ
帯
L
+
聖
響
±
'
+
(8) 酉血 Ⅱ /66 Cb'c (8)式の分母の〃に関する3次方程式の尖根は負の 値を持つものが少くとも1ケは必ず存在し,係数はす べて正で右上りの曲線となる.そこで,この分母を次 のごとく置く. /1(p)="3+』"2十動十c…・・….(9)H
(
'
等
型
力
(G+HXHβ0)+1 X 爾 一 、 4 但 し』=H上f皇+坐蓋且
j=−2些
1+ノーgと.. のβ βoはβの低周波でのイ直でのβは遮断角周波数であ る.(8)式の分母はpに関して3次,分子は2次とな っているが,K'=〃=oの時は前報におけるG(p)の 式に同じになることはいうまでもない. 分母の3次式について,その根が複素根とならな い,いわゆる臨界曲線をK;G,瓦K'のパラメータ で画くことは非常に困難で,3次方程式の求根法によ って,求ぬると,KGに関して更に4次式が現われて, 安定な動作範囲を求めることは,事実上不可能に近い ようである. そこで,この(8)式のG,Kを前報の2次式の臨 界線上の値に取り,K7,Hを(1),(2)式より計算 して,アナ・コンによって3次方程式のグラフを画か せて求根し,出力の応答波形を画かせることを試みた.B
=
G
帯
'
+
G
(
'
+
β
,
)
K+
l
6=(G+HX1+β0)+1
KKノ+里吐βo)±1
. K ノ . ………(10) 2 Ⅱ 』,B,CはいずれもG,KKソ,Hのパラメータを 持ち,(9)式が複素根を持たない安定範囲についての 判別式を求めることは前述のごとく不可能に近いが, 2次式について既に計算された臨界線上の①∼③まで の各点について(10)式に代入し,第1表のごとくA, B,Cを決定し,求根を行なう. 10、 β0−
1
8 I。。d6q2q4q6q8’
k − テ ロ C7,'6 臨 界 曲 線 上 の 各 点 第 2 図 2 次 式 の 臨 界 曲 線 尖験には負荷抵抗500J2とし,前に述べたごとき ノヵ,Q,eを決めて,3次方程式のグラフをアナ・コン により画かせてみたものが第3−1∼8図である.こ の図はCD'eが2000pFとして得たグラフで,Q,eか 375pFの時より出力の応答が実験値に近い.Cb,eの 375pFは①β=1.2×106[rad/s]として(5)式より計 算にて求めたもので,・2000pFは実験上の想定として 4 . ア ナ ・ コ ン に よ る 求 根 (8)式の各パラメータ(K;G,K',H)を2SA17H (日立製高速度スイッチ用Ge合金型トランジスタ) について計算してみる.第’図の等価回路のパラメー タの値は次のようになる. O ‘ 0.9910.0090.34 0 . 1 0 . 0 2 8 5 4 5 0.060.0396.8.168.2 0.0430.05211.575.5 0.030.06316.594 0.020.09725150.5 0.010.16350260.4 0.0050.2554100412 r〃 =1002 =24〃(『‘=5pより計算したもの, (1)式では逆算してIも=1.1mA となり,実際のLの変化の平 均値付近となる) = 4 0 K p =110 =10pF =375pF = 2 1 M CG
「
K
│
(
愚
)
│
(
影
)
γbハノ 12345678 、① ③針 赤 当J﹂20 10 0 −10 60 4114 2801 2090 1691 1110 686 465 第 1 表 八 の の 各 係 数 の 値 ( 2 次 式 の 臨 界 曲 線 上 の 各 点 ) 第3−4図④./1(p)=(p+20Xp2+1助十100) 第3−7図⑦Xp)=(p+36)2(p+17.85) −10 −10
│’
Czj'e=2000pf,Kノー5.76×10-2,H=0.048G Cb'8=375pf,K/=1.08×10-2,H=0.048G 測定点−12345678 K G一四血脈皿唖皿皿皿35
[ O 】 10 0 10 B C A B C ノ 4 225000 7840 3510 2010 1236 595 231 108 1 2 0 0 0 0 0 2 4 0 1 6 3 7 0 4 1 8 0 0 5 8 1 1 4 5 1 8 7 0 0 4 5 6 8 3 1 0 7 0 0 3 9 4 8 2 6 6 0 0 3 5 3 7 3 3 1 8 0 2 9 2 1 1 1 2 3 0 2 5 1 3 9 5 7 4 2 2 9 2 0 . 0 0 9 3 1 9 1 3 1 9 0 3 6Ⅲ 0 . 0 2 8 1 3 3 0.0396121 0 . 0 5 2 1 1 4 0 . 0 6 3 1 1 0 0 . 0 9 7 1 0 5 0 . 1 6 3 1 0 0 0.255498 20 20 10 0 −10 30 20 第3−1図①Xp)=(p+18Xp2+222p+12374) 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 4 号 即: I 20 10 0 U︵U色司且 −10 第3−5図⑤Xp)=(p+8.5)2(p+17.85) 第3−2図②Xp)=p+20)3 第3−3図③Xp)=(p+15.2)3 0 、 −10 10 、 10’
第3−6図⑥Xp)=(p+19.8Xp2+9‘2p+29)ノ
届
4 0 3 −上 0 2 0 ‘ 一_p140ユ30120110100908
O”“鋤4,鋤’Mrr
一一_一一一一一一
一P一一一−−− −−
−−−
20 20-
-
-
塔
_
ノ
7万一
20 − 2翌一ノ
/
100 . 1 ( ) 陣 2 ( ) . 3 ( ) . 4 . ( ) . 5 0 . イ リ l ) . 7 ( ) . 8 ( ) . I ) 1 . ( ) 1 . 1 1 . 2 61 →r(“) 30 第 4 図 ア ナ ・ コ ン に よ る 応 答 波 形 6.アナ・コンによる応答波形 第3図によって,求められた根により,原伝達関数 をアナ・コンにて模擬して,その単位間数の入力に対 する応答波形を画かせたものが第4図である.波形① と②との間に相当の開きがあるが,Gの各々の値を比 べるとこの程度の差は充分考えられる.原波形(入力 単位関数)は1.5Vであり,Gは大きい程(即ち電源 内部抵抗が小さい程)入力波形に近づくのは当然であ るが,ベース電流が過電流にならない程度に抑える必 要があり,余り大きなGは実用的でない. 実際の応答波形と分母を2次式として計算した波形 (CD'c,'・必を省略した場合)と分母を3次式として, アナ・コンで画かせた波形(いずれも1.5Vパルス入 力)との比較を示したものが第5図である. これによるとCD'e,坊の挿入された効果は余り顕 著に現われていないが,2次式の計算値より多少の近 似は見られる. 計算に用いたG,Kが3次式としての其の臨界曲線 20 10. 、 一 − ]0: 第3−8図③Xp)=('十2.5)2(p+16.6) 考えた値であるが,この方がより実験値に近い. 得られた3次曲線については,測定点②,③では3 重根で,①の複素根④,⑤,⑦,③点の1単根,2重 根となるところから,2次の臨界IMI線に比べてKの小 さなところ(ほぼK<0.1)では振動範囲が広がり,K の大きいところ(K>0.2)では逆に狭まっていると考 えられる.即ち実際に挿入可能な付加容量Ceの値が 2次による設計値より大きくなるということになる. このことは実測値からも或る程度推測できることで ある. 1.6 1,1 1,2 1.0 0.8 0.(i 0.4 0.2 n o 二二一=
「 「
rlIlIIII 11 /: j→出力応答V
く 一 一 一一 川 原 : ト ラ ン ジ ス タ の 容 量 性 負 荷 を 有 す る エ ミ ッ タ ・ ホ ロ ワ の パルス応答について(第2報) ワー U 、 3 0 ‘ 4 0 . 5 ( ) . ( ; ( 1 . 7 0 . 8 ( ) 1 ノ I . ( 1 1 1.4↑
1
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出’.o 力 応0.ド 答0.6(
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② ー ( 1 0 . 1 0 . 2 U 、 3 0 4 4 0 . 5 ( ) . ( 』 ( 1 . 7 ( ) _ 8 ( ) ! 』 I . ( ) 一 0.2 一 一 一 一 一 一 ( ) . 1 0 . 2 ( ) . ; ) ( ) . 4 1 . 0 . 5 0 . イ リ l ) . 7 ( ) . 8 ( ) . I ) 1 . ( ) 1 . 1 1 . 2 −1 →r(“) 応 答 波 形 の 比 較 第 5 区 出 力 20−
1
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塑量星
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三
一 一 百 .■p一一 ・一一 一 ■一 一ジ ゴー 11 一 一 主 一 F 一、 ‐−−‐③ 一一一・一一.−①‐,雪、 餌 ︲ 1 1 一 一一 二P ロ − 1 に 。③ ⑦ ⑤〃
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