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今、何故、成果主義か

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(1)

今 、 何 故 、 成 果 主 義 か

Why So Many Companies

injapan

Nowadays

Use Programs

of "Pay for . Performance"

Yoshimitsu

MIKI

Abstract

Though it's written in the business

text-book

that the current HRM (Human

Resource

Management)

philosophy

has been based

on the concept

of "Pay for Performance"

in the 21th

century,

will it be the best one of HRM

in Japanese

companies

?

In the increasingly

competitive

environment,

almost

all firms in Japan have recognized

the

need for higher levels

of performance

appraisal

for pay system

in HRM.

Pay for Performance

is the process

through which companies

ensure that employees

are

working

toward organizational

goals. This certainly

serve as one of the means available

to

organizations

to gain competitive

advantage.

No matter how well pay programs

for performance

appraisal

system

are designed

, they will

not be effective

if improperly

implemented.

Specifically,

individuals

should

perceive

a strong

relationship

between

their performance

and the rewards

they receive.

If rewards

are not allocated

completely

on performance

factor, which

is heavily

influenced

by the accuracy

and fairness

of

rating that managers

supply,

employees

are likely

to reduce

their efforts.

Japanese

companies

are chiefly

responsible

for implementation.

They

must complete

the rating

and provide

feedback

to employees.

Furthermore,

when 46

Diversity

Competency

Model for

Individuals"

is used,

the companies

must collaborate

with employees

to set performance

goals.

1.は

じめ.に一 日本企業を取 り巻 く現 状認識一

日本経 済 は60年 代 か ち80年 代 まで 、 お よ そ30年 間 、 「好 景 気 ⇒.企業.収益 あ拡大⇒賃金 の上昇⇒消 費 性 向 の 向上 ⇒大 暈 消 費 ⇒ 大量 隼 産 ⇒設 備 投 資 の 積極 化 ⇒ 経 済成 長 ⇒好 景 気 」 の.好循環 のサ イ クル に よ っ て 成 長 して きた 。 この 成 長 経 済 の好 循 環 に モ ノ や サ ー ビス の 供給 者 側 重 視 の経 済 シ ス テム に よ って も た らされ た 。 そ の シ ステ ム とは 、価 格 決 定 権 が 企 業 側 にあ る とい う こ とで あ る。 こ の よ うな成 長 経 済 の な か にう って 、 好 循 環 に組 み 入 れ られ た会 社 と従 業 員 の 関 係 は、 両 者 が相 互 に依 存 しあ う運 命 共 同 体 で あ り、 労 使 一 体 の 組 織 の も とに、.企業 収 益 は伸.び戛 従 業員 の賃 金 も毎 年 上 昇 を続 け られ た の で あ る。 会 社 と従 業 員 の 関 係 が 運 命 共 同体 で あ った か らこそ 、 終 身雇 用 、 年 功 序 列 人 事 処 遇、 企 業 内組 合 とい った 日本 型 雇 用 労 働 慣 行 が か た ち つ く られ た の で あ る。 言 い.換え れ ば、 日本 型 雇 用 労働 慣 行 が運

(2)

命共 同体 を形 成 す る うえ で好 都 合 だ った と もいえ る ので あ る。 成長 経 済 に支 え られ た企 業 で は、 大 量 販 売 の必 要 性 か ら営 業 職 を、 事 務 処 理 の 増 大 か ら事 務 職 を 、 製 品 や 技術 開発 の必 要 性 か ら研 究 職 や技 術 職 を大 量 に抱 え る こ とに な った 。 1958年 頃 か ら 日本 経 済 は成 長 軌 道 に乗 り1973年 のオ イ ル シ ョッ クで崩 れ る、 い わ ゆ る高 度 成 長 の 時 期 が あ った。 そ の後 、1975年 あ た りを起 点 と して 、1991年 の バ ブ ル崩 壊 に至 る安 定 成 長 期 を迎 え る。 国 際 的 に は ソ連 邦 が消 滅 ・東 西 冷戦 構造 が 終 焉 す る。 バ ブル の崩 壊 は不 良 債 権 の発 生 で 金 融 シ ス テ ム を大 き く歪 め、 そ の後 遺 症 は甚 大 で、 抜 本 的 な 解 決 の 糸 口す らつ か め て い な い の が現 状 で あ る。 冷 戦 構 造 の終 焉 は世 界 の安 全 保 障 構 造 を大 き く変 え た 。 現在 、 これ らへ の対 応 方 向 につ いて の コ ンセ ンサ スが 形 成 され に く く、 出 口の 見 え な い 閉塞 感 が 生 じて い る。 この 閉塞 感 は 日本 企 業 の従 業 員 に 「我 々 が 戦 後 営 々 と築 いて き た 日本経 済 社 会 の仕 組 み は 正 しか った の か」 とい った 自 己懐 疑 を 呼 び起 こ して い る。 イ ンタ ーネ ッ ト等 の 情 報 技術 イ ンフ ラ の飛 躍 的 な発 展 等 に よ り、 世 界 市 場 を一 つ の 市 場 とす る ボ ー ダ レス市 場 競 争 の 時 代 に突入 して い る。 従 来 、 多 くの 日本 企 業 が享 受 して い た規 制 に よ る利 益 は縮 小 し、 外 国 企 業 の 日本 市 場 へ の参 入 が相 次 い で い る。 競 争 激 化 に よ る価 格 の低 落 が 、 日本 企 業 の 利益 を 圧 迫 して 市 場 の 価 格 決 定力 に つ い て い け な い企 業 は市 場 か ら脱 落 を余 儀 な くされ て い る。 また、 世 界 規 模 で の 事 業 の最 適地 化 ・中 国 の世 界 工 場 化 の進 展 に よ り、 生 産 ・販 売 の 海 外 移 転 が集 中 的 に起 こ る 一 方、 企業 間 の 吸収 ・合併 、 提携 等 の拡 大 が進 み、 い わ ゆ る大 競 争 時 代 にな って い る。 更 に、 製 造 業 の 海 外 生産 は 国 内産 業 構 造 を空 洞 化 し、 国 内経 済 の低 迷 の主 要 な 要 因 とな って い る 日本 社 会 は世 界 最 高 の ス ピー ドで 高齢 化 が 進 展 しつ つ あ る。 企 業 組織 人 員 構成 の 高齢 化 は、 第1に 人 件 費 肥 大 化 の体 質 を恒 常 化 す る。 日本 の 賃 金 制 度 が これ まで は年功 序 列 の体 系 で あ る の で、組織 の 高齢 化 は人 件 費 の高 騰 に な らざ るを得 な い 。 第2に 、 これ まで の 日本 企 業 は加 齢 に伴 って役 職 や肩 書 き が 高 ま る制 度 に な って い る の で、 役 職 者 層 の必 要 以 上 の増 大 は、 「石 を投 げ れ ば 役職 者 に当 た る」 とい っ た状 況 を生 み、 意 思 決定 の 内部 調 整 へ の エ ネ ル ギ ー が増 加 し、 付 加 価 値 の乏 しい業 務 に時 間 を 使 わ ざ る を得 な い ので シ ン プル で ス ピー デ ィー な 意 思決 定 が な され な い とい う組 織 の硬 直 化 の 進 展 で あ る。 第3に 、 若 い時 期 に大 きな仕 事 を経 験 す るチ ャ ンス が少 な い こ とに よ り若 年 層 の モ チベ ー シ ョ ンが 低 下 して い る。 こ う した 企 業 環境 の 中 で 日本 は、 まず 、 組 織 人 員 の高 齢 化 の進 展 と年 功 的 賃 金 制 度 の 存 在 によ り "企業 の総 人 件 費 上 昇"に 歯 止 めが効 か な い状 況 に な っ て いた。 そ れが 、企 業 の高 コ ス ト体 質 とな り、 国 際 的 な企 業 競 争 力 を減 少 させ て い る。 第2に 、 企 業 の拡 大 成 長 が 難 しい状 況 の 中 、与 え得 るポ ス ト 数 が相 対 的 に不 足 し、 これ まで の 日本 的 経 営 とさ れ た"加 齢 に よ る昇 進 と ポス ト付 与 の マ ネ ジメ ン ト の神 話"が 崩 壊 して い る。 第3に 、 キ ャ ッチ ア ップ型 高 度 成 長 経 済 時 代 の 画 一 的 ・階層 的 な人 材 育 成 が、 右 肩 上 が りの成 長 が終 わ る こ とで機 能 不 全 に お ち い り、 企 業 成 長力 の源 泉 とな る独 創 的 な大 き な 戦 略 構 想 力 を有 す る人 材 、 高 度 な 専 門 ス キ ル を 持 つ 人 材 が いな い とい う"現 状 の保 有 人 材 と将 来 必 要 人 材 の間 の ア ンマ ッチ"が 拡 大 して い る。 この よ うな 経 営 の 問 題 意 識 を 背景 に、 日本 企 業 は成 果 主 義 的人 事 制 度 の導 入 を急 激 に進 めて い るの が 現 状 で あ る。 しか しな が ら、 この 時代 に 求 め な けれ ば な らな い人 事 制 度 改 革 は、 企 業 の 将 来 ビ ジ ョ ンや 経 営 戦 略 と一 体 とな った もの で な くて は な らな い と考 え る。 日本 的経 営 の強 さ は、 共 同 体 と して の 経 営 理念 に基 づ き、 「人 」 を 最 大 の経 営 資 源 と捉 え 、「人」 に視点 をあて た経営 システム にあ る。 そ れ が、 従 業 員 の 高 い 帰属 意 識 と求 心 力 を生 ん で い た。 新 た な経 営 シ ス テ ム と それ を 支 え る成 果 主 義 人 事 制 度 を探 索 す る に あ た って、 日本 的 経 営 の強 み を活 か しなが ら、 弱 み を 克 服 す る新 た な仕 組 み を付

(3)

加 して い く方 向 を模 索 す べ きで あ る。

2日

本 にお ける人事制度の変遷

日本 企 業 が 戦 後 を境 に 目覚 ま しい復 旧、 高 度 経 済成 長 、 いわ ゆ る右 肩 上 が りの発 展 を遂 げ、 た びた び の危 機 を も克 服 し、 成 長 し続 け る こ とが で き た背 景 に は、 日本 型 シ ス テ ム(注01)があ る と言 わ れ て い る。 右 肩 上 が りの経 済 成 長 を続 け る こ とが で き た 時代 にお い て は、 会 社 が 従 業 員 を丸 抱 え で 面 倒 を み て くれ る環 境 の 中で 個人 の 能力 差 は大 きな 問題 で は な く、 組 織 全体 で の ア ウ トプ ッ トを重 視 した視 点 で、 従 業 員 は ポス トを与 え られ、 処 遇 され る こ とで 自分 の ポ ス トに満 足 し、 加 齢 に よ る能 力 の 発揮 を信 奉 して いた。 多 くの企 業 に お い て は年 功 序 列 賃 金 、 終 身 雇 用 、 企 業 内組 合 が 三 種 の 神 器 と謳 わ れ た人 事 制 度 が 中心 で あ った。 この 人 事 制 度 は1972年 にOECDの 「対 日労 働 報 告 書 」 で 指 摘 さ れ た もの で あ る。 終 身雇 用 とい う用 語 は ア ベ グ レ ンの"alifetimecommitment"を 翻 訳 した もの で、 安 定 的長 期 勤務 を前 提 に、 組 織 規 模 の拡 大 に伴 って年 令 や 勤 続 に応 じた ポ ス ト付 与 や 賃 金 配 分 の 処遇 を決 定 す る もの で あ る。 企 業 は従 業 員 の意 欲 と勤 勉 さ に依 存 す る組 織 運 営 とモ ラー ル コ ン トロー ル を して い る だ けで 良 く、 どち らが とい う と、 個 人 よ り も一 定 の組 織 単 位 や集 団 に対 す るイ ンセ ンテ ィブ の与 え方 を 工 夫 す る方 が、 組 織 全 体 のパ フ ォー マ ンスの 向 上 に と って重 要 で あ った 。個 人 に お い て も、 毎 年 の昇 給 、 一 定 期 間 勤 続 に よ る昇 格 ・昇 進 、 役 職 の保 障 、 計 画 的 な生 活 設 計 、 約束 され た将 来 が確 信 で き、 そ れ が揺 る ぎな き企 業 へ の忠 誠 心 を 高 あ る こ と にな っ た。 一 方 、年功序列型人事制度の問題 と して、従 業員全員の一律の昇進 ・昇格 ・昇給 による賃金水準の 上 昇 とそれ に よ る企 業 競 争 力 の 低 下 、 企 業 内改 革 意 識 の 低 下 、 ぶ ら下 が り社 員 の増 加 、 ハ イパ フ ォー マ ー のモ ラー ル ダ ウ ン、 個 人 間 の競 争 意 識 の低 下、 若 年 層 の あ き らあ感 覚 等 が 潜在 的 に発 生 して い た。 1955年 か ら65年 に一 部 の 企 業 に お い て 職 務 給(注02)が導 入 され た が、 職 務 給 は年 功 序 列 型 人 事 制 度 か らの移 行 が 難 し く定 着 す る こ とは な か った。 そ の後 、1965年 か ら75年 にか けて 高度 経 済 成 長 に も陰 りが 見 え始 め、 人 事 管 理 の面 で も能 力主 義 人 事(注03)の必 要 性 が高 ま り、 更 に、1973年 の石 油 シ ョ ッ ク に伴 う大 幅 な賃 上 げを 契 機 と して 、 そ れ ま で の 年 功 序 列人 事 制度 と矛 盾 の な い(潜 在)能 力 評価 を 基軸 と した人 事 制 度 が 大 企 業 を 中心 と して導 入 され て きた。 そ の 日本 企 業 に お け る能 力 主 義 型人 事 制度 の代 表 例 が 「職 能 資 格 制 度 」 で、 そ の制 度 で 決 ま る賃金 が"職 能 給(注04)"で あ る。 現 在 、1000人 以上 の規 模 の企 業 で は8割 以 上 に職 能 資格 制 度 が定 着 して い る。 これ は個 々 の従 業 員 の"能 力(注05)"を 評 価 して 、 能 力 の段 階 に応 じて 従 業 員 の 資 格 を定 め る制 度 で あ る。 成 果 主 義 が 導 入 され始 め る1990年 代 ま で の、 日本 企 業 に お け る人 事 制 度 の根 幹 を成 す パ ラダ イ ム で あ り、 現 在 も本 流 を な す もの で あ る。 そ れ は、"従 業 員 の 能力 を 処 遇 基 準 とす る""配 置 転 換 を行 って も本 人 の能 力 は 変 わ らな い""ラ イ ン役 職 者 と して処 遇 で き な い も の で もラ イ ン役 職 者 と同一 の 資 格 を 与 え る こ と が で き る""昇 格 を 目指 した 能 力 開 発 の動 機 づ け とな る"〔 笹 島、2000:9-10〕 こ とか ら普 及 した。 年 功 序 列 型 人 事 制 度 、 職 能 資 格 の能 力 主 義 型 人 事 制 度 とい っ た従 来 の 日本 に お け る人 事 諸 制 度 は、 処 遇 の差 のつ け方 に は違 い が あ る もの の、 基 本 的理 念 と して 「人 の 和」 を最 も重 視 した もので あ る。 会 社 は、 「従業 員 の 生 活 保 障 」 に 責 任 を持 つ こ との 代 償 と して、 従 業 員 に会 社 へ の 「滅 私奉 公」 「忠 誠 心 」 を求 め た。 こ う した 人 事 制度 の 中 で、 「個 性 の組 織 内へ の埋 没 」 「組 織 へ の ぶ ら さが り社 員 の 増加 」 等 の 問題 が起 き る一 方 、 「共 有 す る理 念 や価 値 観 に 基 づ く一・体 感 」 が 醸 成 さ れ、 日本 的経 営 とい わ れ

(4)

る中 で、 改 善 活 動 や小 集 団活 動 な どの優 れ た 活 動 が 企 業 の 大 きな 国 際競 争 力 とな った。 日本 経 済 はバ ブ ル崩 壊 後 、 長 期 低迷 期 に 突入 し、 規 制 緩 和 、 グ ロー バ ル競 争 、 ス ピー ド経 営 、 外 資 系進 出等 の環 境 の激 変 に よ り人 事 制度 改革 の 時 代 を 迎 え て い る。 経 営 環 境 が激 し く変 化 す る中 に お い て、 従 来 の人 事 パ ラ ダ イ ム の限 界 が 叫 ば れ る と と も に、 個 人 の仕 事 に対 す る価 値 観 、 ラ イ フス タ イ ル も大 き く変 わ って き た。 こ の よ うな 時代 背 景 にお い て ハ イ パ フ ォー マ ー、 ローパ フ ォー マ ー の 区別 に よ る総 額 人 件 費 の適 正 配 分 、 適正 人 員 と適 正 人 件 費 コス トの維 持 、 さ らに は フ ロー型 人 材 の活 用 に よ る人 件 費 の変 動 費 化 を進 め、 成 果 重視 の人 事 制 度 を導 入 す る こ とで、 世 界 一 と言 わ れて い る 日本 の賃 金 水 準 を 引 き下 げ る こ とが 必 要 とな った。 この要 請 に応 え る ものが 成 果主 義 人 事 制 度 で あ る。 この 制度 に お い て は、 ミ ッ シ ョ ンを遂 行 した結 果 と して の個 人 の成 果 の 質 及 び量 を評 価 し、 企 業 や部 門 、 担 当業 務 へ の付 加 価 値 貢 献 度 に応 じ、 処 遇 が決 定 され る。 一 方 、 個 人 に と って は、 成 果 に対 す る評 価、 報 酬 が年 功 主 義 ベ ー スで な くな る こ と に よ り、 不 公 平 感 の 解 消 、 若 手社 員 の や る気 高 揚 等 が期 待 され た。 平 成 不 況脱 出 に は産 業 規 制 の緩 和 が 叫 ば れ、 国 の政 策 も産 業 保護 か ら競 争 促進 へ と変 わ った。 ま た、 大 量 生 産 か ら多 品 種 少 量 生産 に儲 け の し くみ も大 き く変 わ る経 営 環 境 の なか で 、 年 齢 や 年 功 を 中心 に 行 な われ て き た一 括 賃 金 マ ネ ジメ ン ト処 遇 シス テ ム は 限 界 に つ き あ た り、 成 果 を評 価 軸 に した 個 別 賃 金 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム へ の移 行 が始 ま り、 職 能 資 格 制 度 の改 革 が始 ま ったの で あ る。 職 能 資 格 制 度 の 問題 点 は"職 能 資 格 ・昇 格 基 準 が 抽 象 的 で 年 功 主 義 的運 用""資 格 と 担 当職 務 内 容 と のギ ャ ップ""能 力 ・業 績 の 判 定 ・評 価 制度 の 客 観 性 ・合 理 性 の欠 如""能 力 ・業 績 を 反 映 しな い 賃 金""高 資格 保 有 従 業 員 の増 加 で人 件 費 負 担 増"等 が 指 摘 さ れ て い る[笹 島、2000、:10-11〕 。 能 力 主 義 型 人事 制度 とは い う もの の、 職 能 資 格 制 度 の 中核 とな る職 能 資 格 基 準 が 抽 象 的 で あ った た め 、年 功 型人 事 の既 得権 を御 破 算 に で きず 、 在 籍 等 級 と担 当職 務 が ア ンバ ラ ンス で あ った 。 しか も、 企 業 が 降 格 ・降給 を現 実 的 に実 施 不 可 能 で あ った ので 、 制 度 の運 用 が 結 果 と して 年 功 型 にな って しま った の で あ る。 3現 状 に お け る 人 事 制 度 改 革 の 意 義 人 事 制度 の改 革 は、1992年 か ら本格 的 に始 ま った とい って よ いで あ ろ う(注06)。1970年代 の オ イル シ ョッ クや1980年 代 の 円高 不 況 の と き に も、 人 件 費 や 人 員 の 削 減 の 対 象 と され た の は ブ ル ー カ ラ ー で あ った の に、92年 以 降 、 人 件 費 削 減 の 対 象 に され た の は ホ ワイ トカ ラー 、 な か で も高 賃 金 の 中高 年 管 理 職 層 で、 人 事 制 度 改 革 と して は めず ら しい こ とだ った 。 労 働 生 産 性 、 付加 価 値 生 産 性 が低 い の は管 理 職 層 のす べ て で は な い に もか か わ らず 、一一定 年 齢 を 定 め た 管 理 職 定 年 制 の導 入 な ど、 制 度 の設 計 ・運 用 が 総 じて 一 括 集 団 管 理 で あ り、 制 度 の導 入 もそ の 場 しの ぎだ った の で あ る。 これ で は管 理 者 層 の納 得 が 得 られ な か っ たの も当 然 で あ る。 これ に続 く人 事 制 度 の 改 革 へ の ア プ ロー チ は 各社 各 様 で あ る。 例 え ば、 資 格 等 級 別 の滞 留 年 数 の見 直 しや 制 度 の 能 力 主 義 的 運 用 の 貫徹 、 職 能 給 に役 割給 ・職 務給 の考 え方 の取 り込 み等 、 仕 事 内容 を反 映 させ る試 み で あ った が 、 成 果 の 捉 え方 に つ い て は、 大 き く 「付 加 価 値 貢 献 度 」 と 「目標 達 成 度 」 の 2つ に大 別 で き る。 第1の 付 加 価 値 貢 献 度 につ い て は、 社 員 各 自が 自分 の 人 件 費 に相 当 す る付 加 価 値 と売 上 高(注07)を 生 み 出 して い るの か ど うな の か で あ る。 高 度 成 長 期 に は .こ のよ うな人件費 マネジメ ン トが、厳格 に 企 業経 営 に 反 映 され て い な か った。 経 済 が低 成 長 期 に入 り、 市 場 は成 熟 して 売 上 が 伸 び悩 み 、 さ らに

(5)

深 刻 な不 況 で売 上 が減 少 す る と付 加 価 値 も減 少 す る。 そ こで 、 人 件 費 の 変 動費 化 の必 要 性 が 叫 ば れ、 ま た、 今 年(2002年)の 春 闘 は 「定 昇 維 持 ・ベ ア ・ゼ ロ」(注08)の基 調 で 労使 が合 意 し、 昇 給 神 話 も崩 壊 の兆 しを み せ て き た。 こ う した経 営 環 境 に あ って 、 減 量 経 営 を 続 けな が ら高 付 加 価 値 創 造 の経 営 の し くみ づ く りを ど うつ くるか が 大 き な企 業 テー マ にな って い る。 賃 金 原 資 が伸 び悩 む な か で、 一 定 枠 の賃 金 原 資 を い か に公 正 に社 員 個 々人 に配 分 す るか と い う個 別 賃 金 マ ネ ジ メ ン トが注 目さ れて い る。 年 功 主 義 や能 力 主 義 に代 わ って、 付加 価 値 が 人 件 費 の原 資 で あ る こ とか ら付加 価 値 貢 献度 を成 果 の べ 一 ス に置 く成 果 主 義 が導 入 され て き た。 第2の 目標 達 成 度 につ いて は、 目標 管 理 制度 に よ る成 果 の 把 握 で あ る。 この制 度 は 目標 達 成 の プ ロ セ スや達 成 度 な どを 「成果 」 とす るの が一 般 的 で あ っ たか らで あ る。従 業 員一 人 ひ と りが上 司 と面 接 ・ 相 談 して、 自 らの仕 事 目標 を 設 定 し、 目標 の達 成 に向 けて 自分 の仕 事 を管 理 して い くシ ス テ ムで 、 具 体 的 に は 「目標 チ ャ レン ジ シー トの 記入 ⇒ 上 司 と面 談 して仕 事 目標 の 自主 設 定 ⇒ 半 期 が 終 え た 時 点 で 再 度 、 上 司 と面 談 して 仕 事 目標 の 進 捗状 況 の適 否 、 目標 の 修正 や変 更 な ど、 上 司か ら指 示 や ア ドバ イ ス を受 け る⇒ 期 末 に 目標 達 成 度 や 達成 まで の プ ロセ ス評 価 」 で、 成 果 に対 す る評 価 が な され 、 一単年 度 単 位 の 目標 管 理 を完 結 す るの が 一 般 的 な プ ロセ スで あ る。 賃 金 原 資 が 一 定 で あれ ば 、 あ る従業 員 が他 よ りも よ り多 く⑳賃 金 を獲 得 す る ため に は、 よ り高 い成 果 責 任 を達 成 しな けれ ば な らな い。 成 果 を め ぐる競 争 原 理 と して 「仕 事 目標 の 設 定 ⇒ 達 成 ⇒ 高 い 評 価 ⇒ 社 員 価 値 の 向 上 ⇒ 社 員 満足 ⇒ 自己実 現 ⇒ 個 人 の成 長 ⇒ 一 段 と レベ ル ア ップ した 仕 事 目標 の設 定 」 と い う好 循 環 が 、 個 人 と して の生 きが い や働 き が い に な り、 ひ い て は モ ラ ール や モ チ ベ ー シ ョンが 高 ま り、 企 業 収益 に もつ な が る と考 え られ て き た。 今 日、 多 くの 企 業 に お い て成 果 主 義 的人 事 制 度 が導 入 され て い る が、 企 業 が 意 図 した人 件 費 抑 制 は 達 成 され て い る もの の、 従 業 員 の多 くは、 自己 の処 遇 に対 す る不 満 や将 来 へ の 不 安 な どか ら企 業 に対 す る信 頼 性 を 低 下 させ る と と もに、 自己 の成 果 を意 識 す るあ ま り、 組 織 成 果 の軽 視 や共 同体 意 識 の希 薄 化 い うマ イ ナ ス面 が顕 在 化 しつ つ、 様 々 な 問題 点 を発 生 させ て い る。 例 え ば、 各社 各様 の人 事 制 度 改革 に つ い て は、環 境 変 化 対 応 型 の人 材 育 成 とい った レベル ま で達 して お らず、 成 長 経 済 時代 に お け る賃 金 制 度 の見 直 しが主 な テ ー マ に な って い る。 しか も、 賃 金 制 度 に成 果 主 義 を反 映 さ せ る際 に は、 「経 営 環 境 の 質 的 な 構 造 変 化 」 や 「人 事 制度 改 革 の理 念 」 の経 営幹 部 か らの 説得 が 必 要 不 可 欠 の要 件 で あ るに もか か わ らず 、 高 度 成 長 経 済 の時 代 に肥 大 化 した ホ ワ イ トカ ラー 、 と くに 中高 年 管 理 職 層 の 人 件 費 を圧 縮 す るた め に、 年 俸 制 な どの成 果 主 義 型 賃 金 制 度 を唐 突 に導 入 して い る傾 向 が強 い。 現 代 は サー ビス経 済 や ソ フ ト経 済 が進 展 し、 デ ジタ ル経 済 や ネ ッ トワー ク経 済 の 時代 とな って い る。 こ う した 時代 潮 流 を受 け て、 かつ て の よ うな 重 厚 長 大 の装 置 産 業 か ら、 情報 通 信 サ ー ビス産 業 や 金 融 サ ー ビス産 業 へ と、 産 業 構 造 も就 業 人 口構 成 も大 き く変 化 して い る。 売 上 高 よ り も収 益 率(利 益 率) の重 要 性 が 叫 ば れ、 この収 益 率 の高 さが 競 争 優 位 の経 営 を実 現 す るの で 、 高付 加 価 値 創 造 の経 営 が ク ロー ズ ア ップ され て い る。 競 争 社 会 へ の 対 応 の なか で 、 ま た、 企 業 の 収 益力 が衰 え て い く過 程 で 、伸 び悩 む賃 金 原 資 を ど う公 正 に社 員 に配 分 す るか とい った 観 点 か ら、 仕 事 の結 果 が 問 わ れ る成 果 主 義 型 賃 金 制 度 が導 入 され る に及 ん で、 社 員 の 意 識 に も少 しず つ 変 化 が 生 じて きた の で あ る。 市 場 で は競 争 原 理 が支 配 す るの と同 じよ うに、 企 業 内部 へ も競 争 原 理 が 反 映 され る とい った意 識 変 化 で あ る。 付 加 価 値 の高 い製 品 や サ ー ビス を開 発 す る に は、 創 造 性 や 専 門 性 、 革:新性 、 チ ャ レ ンジ精 神 や ベ ン チ ャー ス ピ リ ッ トに富 ん だ人 材 、 異 能 異 才 の 人 材 が 必 要 不 可 欠 で あ る。横 並 び が重 ん じ られ た これ ま で の企 業 社 会 に お い て は、 異 能 異 才 と い った 人 材 は異 端 と して 扱 わ れ 、 敬遠 さ れ た が、 こ の よ うな 人 材 を いか に育 成 す るか、 確 保 す るか、 ヘ ッ ドハ ンテ ィ ングす るか とい った こ とが人 事 の テー マ に な り、

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こ う した人 材 に対 して どの よ う な賃金 制 度 を設 けた ら よ いか とい っ た こ とが人 事 の 課題 とな って き た。 労 働 市 場 に お け る市 場価 値 、 転 職 可 能 性 、 付 加 価 値 創 造 性 が 重 視 され る よ うに な って、 従 業 員 は 勤務 先 の企 業 だ け に通 用 す るゼ ネ ラ リス トか ら、 よ り高 い専 門知 識 や 専 門 技 術 を 身 につ け た ス ペ シ ャ リス トへ、 さ らに 国 内外 の労 働 市 場 で も需要 の あ る プ ロフ ェ ッシ ョナル にな るこ とを理 想 とす るよ うにな っ て きた 。 こ う した人 材 に対 す る成 果 主 義 人 事 マ ネ ジ メ ン ト手 法 は成 長 経 済 時 代 の よ うな集 団=括 管 理 で は な く、 個 人 の能 力 や成 果 に応 じて 格 差 を 設 けた 賃 金 を 支 払 う こ とを 目的 に行 な わ れ る従 業 員 一 人 ひ と り を対 象 と した個 別 管理 で あ る。 そ れ は、 企 業 収 益 へ の貢 献 度(成 果)を 指 標 と して、 生 き方 や働 き方 、 賃 金 や福 利 厚 生 に成 果 を反 映 させ る もの で あ る。 企 業 収 益 と 自分 の 職務 の役 割 や責 務 をつ ね に セ ル フ マ ネ ジメ ン トして お く こ とに よ って 、 環 境 変 化 対応 型 の 人 材 が 育成 され る とす る もので あ る。 成 果 主 義 型 賃 金 制 度 は、 年 功 や 能 力 で な く仕事 の結 果 に対 して賃 金 が支 払 わ れ る。 会 社 業 績 に どれ だ け貢 献 した か とい う個 人 業 績(成 果)を 人 事考 課 の対 象 とす る。 .した が って、 個 人 業 績 が上 が らな け れ ば賃 金 は下 が る。 賃 金 は毎 年 上昇 す る とい う昇 給 神 話 の 崩壊 で あ る。 会 社 業 績 が 落 ち込 み、 今 後 も急 回復 は望 め な い状 況 の 中 で 賃 金 だ け が上 が り続 け られ るわ け が な い。 成 果 主 義 型 賃 金 制 度 の下 で 脱 落 し、 退 社 して い く従 業 員 が い る こ とが 重要 で、 この 制 度 の考 え方 が次 第 に従 業 員 に理 解 され て い け ば、 社 内 に緊 張 感 や 競 争 関 係 が生 ま れ、 企 業 全 体 が活 性 化 して い くこ と に な る。 企 業 が ゴ ー イ ング コ ンサ ー ンで あ る 限 り、 これ ま で の職 能資 格 制 度 の もとで の成 果 主 義 型 人 事 制度 の導 入 で あ るの で、 最 低 限 の 「等 級 制 度」 「資 格 制度 」 「職 能制 度 」 が 必 要 で あ る の は い う まで もな い 現 在 、 成 果 主 義 型 人 事 制 度 を導 入 して い る企 業 で は、 等 級 制 度 に つ い て は職 能 資 格 等 級(注09)や職 務 等 級 が 使 わ れ て い る。 この場 合 の成 果 主 義 の等 級 制 度 は、 社 内 に お け る上 下 、優 劣 の序 列 を つ け るの が 目的 で はな く丶 成 果責 任 の大 き さ を示 す 指 標 と して 設 計 ・運 用 され る こ と にな る。 資 格 制 度 につ い て は、 図 表01に 示 した ブ ロ ー ドバ ン デ ィ ン グ(注10)を採 用 し、 基 本 給 部 分 に は さ ほ ど成 果 責 任 達成 度 を反 映 さ せず に、 賞 与 に ウエ イ トを置 い て、 成 果 責 任達 成 度 に応 じて支 給 月 数:を増 減 させ て い く目標 管 理 評 価 制 度(注11)が導 入 され て い る。 企 業 に よ って は評 価 者 を ラ イ ンの 上 司 た ち

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ば か りで は な く、 他 の 組 織 の 上 司 や部 下 も含 め た 多 面 評 価(360度 評 価)(注12)を採 用 して い る と こ ろ もあ る。 組 織 を ス リム化 ・フ ラ ッ ト化 し、 可 能 な 限 り少 数 精鋭 型 に す るた め、 プ ロ ジ ェク トチ ー ム制 に す る こ と が先 達 企 業 で 考 え られ て い る。 プ ロ ジ ェ ク トチー ム制 の賃 金 制 度 と して は、 チ ー ムの 成 果 責 任 達 成 度 を基 準 に、 各 メ ンバ ー の チ ー ム貢 献 度 に応 じて チ ー ム報 酬 を再 配 分 す る とい っ た試 み で あ る。 終 身 雇 用 や 年 功 序 列 賃 金 制 度 は企業 と社 員 の 関 係 が運 命共 同体 で あ り、 労 使 一 体 の相 互 依 存 関 係 で あ る。 従 業 員 に対 して 可 能 な 限 り雇 用 を保 障 し、 福 利厚 生 な どの サ ー ビズ も提 供 す る。 そ の 代 償 と し て従 業 員 に は会 社 に対 して 忠誠 心 を要 求 す る と い う、個 人 の生 き が い や働 きが い につ いて も丸 抱 え し て しま う発 想 で あ るが 、 成 果主 義 人 事 制 度 は 自己 実現 に よ る個 人 の成 長 を会 社 の成 長 に連 動 させ よ う とす る発 想 で あ る。 この 場合 、 企 業 は個 人 の成 長 を支 援 す る こ とに よ って、 企 業 収 益 を獲 得 す る こ と にな るの で、 「依 存 か ら自立 へ 」 「他 律 力疹 自律 へ」 「新 た な契 約 の概 念 に よ る 自由 と 自己責 任 へ 」 「結 果 平 等 か ら機 会 平 等 へ」 と人 事 制 度 の 内容 が変 革 し、 企 業 と個 人 は成 果 主 義 をべ 一 ス に した ビ ジネ ス パ ー トナ ー シ ッ プの 関係 とな る。 現行 の 労 働基 準法 に は、 賃 金 お よ び労 働 時 間 そ の他 の労 働 条 件 につ いて の 企 業 の 義 務(従 業 員 の権 利)に 関 す る規 定 は定 め られ て い るが、 そ の逆 の規 定 は ほ とん ど な い。 企 業 は従 業 員 の労 務 提 供 の代 償 と して賃 金 、 福 利 厚 生 く そ の費 用 を負 担 しな け れ ば な らな いが 、 従 業 員 が 企 業 に対 して負 うべ き義 務 の規 定 は な い。 とは い う もの の、 従 業 員 は企 業 か ら提 供 され た 賃 金 そ の 他 の 受 益 に応 え て、 仕 事 の 結 果(成 果)を 出 さな け れ ば な らな い。 これ は従 業 員 の義 務 で あ り、 企 業 の 権 利 で あ る。 成 果 に応 じて賃 金 が決 定 さ れ る こと につ いて 明文 化 さ れ た もの はな い が 、 権 利 と義 務 、 受 益 と負 担 は コイ ンの表 裏 の よ うに な って お り、 これ らが 一 つ に な って 契 約 が 成 立 す る。企 業 と個 人 の問 に新 た な契 約 の概 念 を導 入 す る こ とに よ って 、 成 果 主 義 に よ る企 業 と個 人 の ビ ジネ ス パ ー トナ ー シ ップ が成 立 す る こ とに な る。 ζ の成 果 責 任 を め ぐる企 業 と個 人 の新 たな 関 係 の 基盤 が 、 自由 と 自己責 任 の原 則 で あ り、 機 会 平 等 の原 則 で あ る。 個 人 に成 果(企 業 業 績 貢 献 度)責 任 を 問 う以 上 、 働 き方 に は複 数 の 選 択 肢 を 設 けて 自由 に し、 成 果 に相 応 す る賃 金 の 支 払 い に つ いて 企 業責 任 とす る とい う考 え方 で あ る。 様 々 な 問 題 点(注13)を内在 化 して い る 目標 管 理 制 度 も、 従 業 員 の仕 事 目標 の難 易度 や 達 成 度 、 な い しは達 成 ま で の プ ロセ ス を成 果 と して 算 定 ・評 価 し、 そ れ に応 じて賃 金 を支 払 う とい う新 しい契 約 の 概 念 に基 づ く成 果 主 義 型 賃 金 制度 で設 計 ・運 用 され て は じめ て効 果 を発 揮 す る もの で あ る と いい た い。 人 事 制 度 に契 約 の概 念 が導入 され る と採 用 制 度 も、 従業 員 を雇 って仕 事 を与 え る とい った こ とか ら、 まず 仕 事 が あ って、 そ の仕 事 の た め に従 業 員 を 採 用 す る こ と にな ら ざ るを得 な い。 従 業 員 の成 果 義 務 を優 先 させ た採 用 制 度 で、 仕 事 に必 要 な 人 材 を 、 必 要 な と き に、 必 要 な人 数 だ け採 用 す る。 これ が 、 現 在 、 契 約 社 員 や ア ウ トソ ー シ ン グの 多 用 を 促 して い るの で あ る。

4間

違 った成果主義人事制度

1)識 者 の 指 摘 す る問 題 点 日本 能 率 協 会 が2001年7月 に実 施 した"従 業 員 ・人 事 担 当者 ・専 門家84名 の意 見 ア ンケ ー ト調 査" が 成 果 主 義 の 現 状 の 問 題 点 と今 後 の方 向性 を示 して い る["人 材 教 育"編 集 部2001:35-39]。 これ に よ る と、 従 業 員 が 指 摘 した 成 果主 義 に対 す る問 題 点 は 、 「評 価 の 公 平 性 ・透 明性 に疑 問 が残 る」 「長 期 的 な 視 点 で の チ ャ レ ンジ精 神 を 阻害 す る」 とい う2つ の意 見 に集 約 で き る。 人 事 担 当者 の指 摘 す る 問 題 点 と して は 「報 酬 全 体 に対 す る成 果 反 映 の 程 度(割 合)の 低 さ」 「個 人 目標 の 抵 下 」 「(会社 都 合

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の)人 事 異 動 」 「個 人 の 成 果 の みの(極 端 な)重 視 」 な ど で あ る。 専 門 家 に よ る問題 指 摘 と して は経 営戦 略 と成 果 主 義 が 連 動 して な く、 企 業 が期 待 す る成 果 が財 務 と も連 動 して な い と い う、報酬 と 成 果 と の定 量 的 な裏 づ け が不 明確i」「個 人 の キ ャ リア 形 成 につ な が らな い成 果主 義 は コ ア人 材 の流 出 に な る」 とい う指 摘 で あ る。 要 す る に、 「成 果主 義 は 個 人 の 自立 を基 本 に す る の に、 個 人 論 理 で な く 組織 論 理 が 前 面 に 出す ぎ て い る」 との 意 見 で あ る。 各 種人 事 施 策 は、 当然 の こ となが ら、 企 業 が 目的 遂行 の た め に主 導 権 を握 って 実 施 す る も の で あ るが、 企 業 の 理 由、 悪 く言 え ば企 業 の都 合 の み に よ り 実 施 され るケ ー ス が多 々 あ る との 専 門 家 の 意 見 で あ る。 ア ンケ ー ト以 外 の専 門 家 の 意 見 を 参考 に取 り上 げ て み る と、 河合[2001:13-16]は 「哲 学 な き成 果 主 義 を 導 入 し、 失 敗 に終 わ って い る会 社 は、 そ の 取 り組 み姿 勢 に"制 度 信 仰 主 義 型""コ ピー型" "目 的 勘 違 い型""低 い志 型""逃 げ腰 型"の5 つ の パ タ ー ン(滋4)がみ られ る」 と指 摘 、 成 果 主 義 が 根 づ く企 業 に は 「哲 学 、 トッ プの コ ミッ トメ ン ト、 リー ダ ー起 用 ・交 代 の仕 組 み が あ り、 導 入 プ ロ セ ス の ポ イ ン トは"上 か ら変 え る""コ ミュニ ケ ー シ ョ ンを戦 略 と して 位 置 づ け る"こ と で あ る」 と い う。 柴 田[2001:8-20]は 成 果 主 義 の実 現 構 造(図 表02)を 提 示 し、 そ の実 現 の た め の 視 点 と して 、 「① 経 営 戦 略 実 行 の た め の人 事 戦 略(人 事 戦 略 は 自社 の ビ ジネ ス モ デ ル を 強 化 す る もの で な け れ ば な らな い)、 ② トップ マ ネ ジ メ ン トの コ ミッ トメ ン ト(ト ップ の迷 い は成 果 主 義 を 実 現 しな い ば か りか 混 乱 を招 く)、 ③ 成 果 風 土 に マ ッチす る組 織 風 土(組 織 風 土 改 革 の た め の 行 動 改 革 プ ロ グ ラ ム を 意 図 的 に実施 せ よ)、 ④ 効 果 的 な イ ンセ ンテ ィブ(成 果 応 報 性 を確 保 せ よ)、 ⑤ 給与 以 外 の制 度 との 整 合 性 (人事 制 度 を総 合 的 に整 合 させ よ)」 の5点 を強 調 す る。 2)現 状 の 問題 点 と その 分 析 専 門家 に指 摘 され る まで もな く、 企 業 と い う場 の 中 で 、 一 定 の 成 果 を あ げ そ の見 返 りを享 受 す る個 人 が、 企 業 が提 唱す る成 果 主 義 方 針 あ る い は、 人 事施 策 を どの よ うに受 け止 め、 活 用 し、 満 足 ・魅 力 図 表02成 果 主 義 の 実 現 構 造(出 所)柴 田、2002,:pO4

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を感 じて し・るの か が 、 個 人 論 理 に基 づ く成 果 主 義 人 事 とい う こ とを考 え る 際 の ス タ ー トポ イ ン トで あ る。 この視 点 か ら認 識 で き る問題 点 の 第1は"目 標設 定 ・評 価 の側 面"で あ る。 目標 設 定 は 「経営 ビジ ョ ン⇒ 経 営 戦 略 ⇒ 経 営 計 画 ⇒ 日常 業 務⇒ 日常 管 理 」 へ の 順 に な り、 この一 連 の経 営 活 動 が好 循 環 す る こ と に よ って 企 業 利益 が もた ら され、 企 業 の存 続 や 雇 用 の 安 定 が確 保 で き る と い う し くみ の確 立 のた め の もの で な け れ ば な らな い。 この た め、 目標 管 理 制 度 は 、 この経 営 サ イ ク ル を従 業 員1人 ひ と りが み ず か ら管 理 して い く設 計 に な って い る。 目標 管 理 制 度 は また 、 目標 管 理 評 価 制度 と も呼 ばれ るよ うに、 従 業 員1人 ひ と りが設 定 した仕 事 目標 の管 理 とそ の結 果 に対 し、 い か に公 正 か つ 納 得 性 の あ る評価 が 下 せ るか とい う制 度 で あ る。 つ ま り、 目標 管 理 制 度 の キ ー ポ イ ン トは、 評 価 制 度 の設 計 ・運用 の公 正 さ と納 得 性 で あ る。 この よ うに、 業 務 目標 の設 定 、 ア ウ トプ ッ ト、 プ ロセ ス等 の評 価 ・フ ィー ドバ ックが一 体 と して機 能 しな けれ ば本 来 の 成果 主 義 は成 り立 た な い。 なぜ な らば、 成 果主 義 の す べ てが 、個 人 の昇 格 ・昇進 ・ 昇給 ・キ ャ リア ア ップ等 に大 き な影 響 を与 え 、 充 足 感 、 働 き が い感 、 納 得 感 の 醸 成 に関係 す るか らで あ る。 と ころ が、 目標 設 定 に お い て、 企 業 の ビ ジ ョ ン、 組 織 目標 との 連 動 が 暖 昧 にな って お り、 個 人 或 い は組 織 の成 果 の積 み重 ね が企 業 全 体 の 成 果 に集 約 さ れ な い のが 多 くの 企 業 の 実 態 で あ る。 ま た、 個 人 に と って も組 織 構 成 員 で あ る が ゆえ に部 分 最 適 を求 め セ ク シ ョナ リズ ム に陥 り、 組 織 ・企 業 目標 へ の共 同参 画 意 識 の高 揚 を 図 る こ とが 困 難 とな って い る の も問題 で あ る。 そ もそ も目標 設 定 理 論 と 目標 管 理 の リンキ ング が 暖 昧 で あ る こ とか ら、 個 人 が評 価 して ほ しい面 と 会 社 が評 価 す る面 の ギ ャ ップが 生 じ、 従 業 員 側 の不 公 平 感 ・不 信 感 ・納 得 性 の欠 如 を助 長 し、 成 果 に 関 して非 現 実 的 な 期待 の実 現 者 と して 従業 員 が"TheCulprits"に な りが ちで あ る[Robbins,1997: 63-64]。 ま た 顧 客 ニ ー ズ の 多様 化 に伴 い プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム の メ ンバ ー の一 員 とな る こ とが 多 いが 、 評 定 権 者 で あ る上 司か ら離 れ て 業 務 を 遂行 せ ざ る を得 な い従 業 員 に と って、 正 当 に納 得 い く評 価 が 得 られ な い と い う不 信 感 も問 題 で あ る。 目標 設定 及 び評 価 基 準 の 暖 昧 さに加 え て 、 さ ら に企 業 の都 合 に よ る相 対 評 価 を 組 み込 む こ と に よ り、 そ の妥 当性 ・納 得 性 は ます ます 揺 らい で い る。 組 織 評 価 と個 人 評価 の 関連 が 明確 に 出来 な い以 上 、 評 価 分 布 は相 対 評 価 にす る こ とが 企 業管 理 の ニ ー ズ に一 致 した もの とな る。 そ こで、 従 業 員 側 か らす れ ば、 相 対 評 価 の 実 施 は成 果 主 義 が 名 ば か りで あ る との 受 け取 り方 に な らざ る を得 な い。 ま た、 部 門 間 に評 価 の 甘 辛 が あ り、 業 績 の 良 し悪 しの判 断基 準 に曖 昧 さが あ れ ば、 従 業 員 は評 価 が甘 く、 業 績 の 良 い部 門 へ の 異 動 希 望 が 増 え 、全 体最 適 を前 提 と した 人 員 配 置 は言 葉 だ け の もの とな って くる。 日常 業 務 にお け る仕事 目標 を管 理 しな が ら成 果 を 上 げ る とい う こ とは、 日常 業 務 の遂 行 の 過 程 で 生 ず る問 題 点 を解 決 す る と い う こ とで あ る。 問題 が 解 決 で きれ ば、 お のず と成 果 は上 が る。 問 題 点 を 解 決 す る に は、 常 に問 題意 識 を も って 問題 点 の所 在 を 発 見 で きな け れ ば な らな い。 要 す る に、 成 果 主 義 型 賃金 制 度 の評 価 は"問 題意 識 ⇒ 問題発 見 能 力 ⇒ 問題 解 決 能 力"を 重 視 す る もの で な くて はな らな い。 と こ ろが、 実 際 に は、 問 題 が あ るの か な い の か す ら関 心 が な く、 ひ たす ら定 型 化 され た 日常 業 務 に 埋 没 して い る従 業 員 が 多 い の で あ る。 管 理 職 も一 般 社 員 も 日常業 務 に追 われ て 、 自 らの仕 事 を 客 観 化 し て 、"問 題 解 決"の 視 点 か ら見 直 す とい った作 業 を行 な って い な い。 この状 態 で は成 果 は上 が らな い し、事 な か れ主 義 が横 行 す る こ とに な る し、 チ ャ レ ン ジ精神 が欠 如 す る こ と に な る。 組 織 の 中 の 人 間 の モ チ ベ ー シ ョ ンを考 察 す る と き に、 も っ と も統 合 的 な モ デ ル と言 わ れ るL.W. ポー タ ー=E.Eロ ー ラ ー の期 待 理 論(TheExpectancyTheory)で は、 従 業 員 が ど の程 度 業 績 を あ げ られ るか は、 個 人 の 「能 力 ・資 質 」 と 「努 力 の 方 向付 け(役 割 知 覚)」 の2つ の要 因 に依 存 す る と

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図 表03THEEXPECTANSYTHEORYMODEL(出 所)Kleiman,1.,1997,:p291 され る。 業 績 を あ げ れ ば、 そ の水 準 に 従 って 、 報 酬 が 生 ま れ る と期 待 で き る。 これ らの期 待 は 、 「努 力 → 業 績 」 と 「業 績 → 報 酬 」 の2つ の 期 待(図 表03)に 分 け られ るが 、 両方 の期 待 を一 括 した 「努 力 → 報 酬 」 は 、"仕 事 の達 成 そ の もの か ら生 じる や りが い、 達 成 感 、 成 長 感 な どの 内発 的報 酬(Valued IntrinsicReward)"と"給 与 、 貫 与 、 昇 進 ・昇 給 承 認 な ど組 織 の 中 の シ ス テ ムや 他 者 を介 しそ 手 に 入 る外 発 的 報 酬(ValuedExtrinsicReward)"か ら構 成 され る。 得 られ た 報 酬 に対 す る満 足 度 は、 報 酬 の 絶 対 的 な大 き さだ けで な く、"ど の程 度 の水 準 が フ ェ アで 納 得 が い くもの か とい う知 覚""ど の よ うな 役 割 を与 え られ て い るか とい う知 覚"に も左 右 さ れ る。 この モ デ ル は 日本 で も妥 当 す る こ とが検:証され て き た が、 い くつ か の論 点 が指 摘 され て い る。第1 の 論 点 は 、 日本 の 従 業 員 は どれ だ け の努 力 を 投入 す る か を決 め る の に、 努 力 が 報 酬 に至 る時 間 幅 を短 期 的 に 頑 張 る とい うの とは違 った長 期 性 を重 視 す る価 値 観 が働 くと い う もので あ る。 また、 この モ で ル は経 済人 モ デ ル(経 済 的報 酬 に よ って行 動 は変 わ る)を 想 定 した もの で あ り、 このモデルでは説 明 で き な い 同 一化 メ カ ニ ズ ム が 日本 で は重 視 さ れ て い る と い う もので あ る。 サ ッカー選 手 を 目指 して い る少年 は チ ー ム メ ンバ ー との フ ィ ール ド練 習 に努 力 す る が、 こ の行 動 は必 ず しも報 酬 へ の期 待 を計 算 して い る もの で は な い。 こ れ1まチ ー ムが 認 め る一 流 選 手 の よ う にな りた い と い う同一 化 メ カ ニ ズ ム に よ るモ チ ベ ー シ ョンが働 い て い る と い う も の で あ る。 日本 で は あ ら ゆ る分 野 で個 人 に差 をつ け な い制 度 が良 い と され て お り、 これ が集 団(職 場)活 性化 へ の原 動 力 とな り、従 業 員 の集 団 帰属 意 識 を生 み 、 将 来 人 生 設 計 へ の安 心 感 につ なが って いた 。 企 業 は長 期 雇 用 を 前 提 とす る終 身 ・年 功 の 日本 的 経 営 と して長 期 に わ た りギ リギ リまで 従 業 員 の 評 価 処 遇 に差 別 を つ けず、 将 来 へ の期 待 感 を もたせ 続 け る こ とで、 全 員 参 加 の集 団的 帰 属 意識 を生 み 出 し、 そ れ を梃 子 に して個 々人 の モ チ ベ ー シ ョ ンの高 揚 を可 能 に して い た ので あ る。 第2の 論 点 は、 成 果 主 義 で は個 人 の成 果 を 評価 す る だ け に止 ま らず、 評 価 の 結 果 を本 人 に知 ら しめ、 さ らに育 成 、 啓 発 して い くこ とが求 め られ るの に、 終 身 雇 用 の処 遇 の過 程 で は、 従 業 員 は 自分 の 業 務 成 果 に対 して どの 程度 企 業 が評 価 して い るの か が 明確 に されず 、 従 業 員 自 らの 自 己評 価 との ギ ャ ップ に苦 しむ こ とに な っ た。 職 能 資格 制 度 にお い て も潜 在能 力 重 視 で あ ったの で、 能 力 の差 を個 人 に フ ィー

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ドバ ックす る こ と は難 しか った 。 加 え て 、 明 らか に成 果 が 劣 る社 員 との 比較 に お い て、 処 遇 の平 等 が 人 事 の 公 平 性 と いわ れ る こ とで企 業 へ の不 信 感 を増 長 させ た の で あ る。 これ らは成 果 に伴 う魅 力 あ る 処 遇 格 差 に は程 遠 い状 態 で あ った とい うほ か な い。 そ こで 、成 果 主 義 を導 入 す る こ と にな るが、 間違 っ た成 果 主 義 の第1は 、 結 果主 義 と の混 同 で あ る。 結 果 は成 果 の 一 部 で あ り、 そ の意 味 で は結 果 主 義 も成 果 主 義 の一 類 型 で あ る が、 結 果 主 義 は、 プ ロセ ス や 、 そ の 過 程 で の具 体 的 な 中 間成 果 物 な どを基 本 的 に は無 視 して最 終 的 な結 果 の み を 評 価 の 対 象 と す るの で 、 本 来 の 成 果主 義 とは い え な い。 た とえ ば、 同 じ業 績 で も、 そ れ が顧 客 満 足 度 を 満 た しな が ら達 成 させ た の か 、 そ れ と も、 顧 客 とは利 害 相 反 の 中 で得 た もの な の か は、 結 果 主 義 で は同 じ評 価 で あ るが 、 成 果主 義 に お い て は両 者 は成 果 と して の評 価 が大 き く分 か れ る。 結 果 主 義 の 問題 点 は 中 間成 果 の軽 視 で、 業 績 を第 一 優 先 に す る の で、 短 期 成 果 志 向 にな りが ちで あ る。 成 果 を 出 す の に 時 間 が か か る研 究 開発 の よ うな業 務 で は短 期 成 果 志 向で は、従 業 員 に と って は プ ロセ ス軽 視 にな り、 不 満 が 残 り、納 得 感 ・働 きが い感 を 阻害 す る こ と にな るの は当 然 の 帰結 で あ ろ う。 さ らに、 結 果 主 義 の も とで、 従 業 員 がや る気 を持 っ て新 しい もの に チ ャレ ン ジ して失 敗 した場 合 、 目 標 未 達 成 の評 価 に な り、 モ チベ ー シ ョ ンは急 激 に低 下 す る。 そ の結 果 、 従 業 員 は 自己 防衛 に走 り、 目 標 設 定 の レベ ル を低 くす る こ と に な る。 低 い個 人 成 果 の積 み重 ね が 低 い組 織成 果 を もた ら し、 企 業 の 付 加 価 値 向上 を 阻害 す る と い う大 き な問 題 を 発 生 させ る こ と に な る。 間違 った成 果 主 義 の第2は ヒエ ラル キ ー 組 織 階 層 の 中で 権 限 委 譲 が行 わ れ て い な い こ とで あ る。 従 来 の 日本 の人 事 管 理 制 度 に お いて は、 ヒエ ラル キー 的 階 層 の 中で 成 果 を追 求 す る の が最 も効 率 的 で、 従 業 員 一 人 一 人 が 勝 手 な 行 動 を と る と、 全体(組 織)最 適 が 実 現 で きな くな る と考 え られ て い た。 し か しなが ら、 顧 客 ニ ー ズ が 多 様 化 して い る現 在 、 必 要 な 成 果 を 引 き出 す た め に は、 従 業 員 個 人 の 自 由 裁 量 権 の範 囲 をで き るだ け広 げ る こ とが必 須 の 条 件 とな って くる。 あ れ を や って は い け な い、 これ を や れ とい った よ うに制 限 を して お い て、 結果 の み を要 求 して も本 人 の納 得 感 は得 られ な いか らで あ る。 そ の 第3は 適 材 適 所 と人 材 育 成 を軽 視 して い る こ とで あ る。成 果 が 問 わ れ る ので あれ ば、 従 業 員 は 自 らの 働 く場 所 を 選 択 し、 そ こで能 力 を 活 か し、 恒 常 的 に高 い成 果 を実 現 した い と希 望 す る。 と ころ が、 間 違 った 成 果 主 義 で は、 自 らの能 力 が発 揮 しに くい場 所 で成 果 を 問 わ れ るの で 、 個 人 の 業 務 に対 す るモ ラ ール は あ が らな い 。 また 、 成 果 主 義 は 、 そ の 目 的 と して、 「会 社 ビジ ョ ンに あ った成 果志 向 の 強 い 行 動 が で き る人 材 の確 保 」 に あ るの に、 現 状 で は成 果 に対 す る評 価 の本 人 へ の フ ィー ドバ ッ ク が 暖 昧 で あ り、 この結 果 、 ど うず れ ば会 社 の ビ ジ ョンに沿 った成 果 が 出せ るの か の 能 力 開 発 が で き な くな って い る。 この よ うな 問題 点 に つ い て、 多 くの先 達 企 業 で は、 改 善 を実 施 して い る こ と も事 実 で あ る。 た とえ ば、 目標 管 理 制 度 に"目 標 設 定 ⇒ 評 価 ⇒ 育 成 ⇒ フ ィー ドバ ッ ク⇒ フ ォロ ー"や"目 標 面 接 の仕 組 み" (図 表04)な どを 取 り入 れ 、 客 観 性 、 公平 性 を保 った成 果 主 義 の 実 現 へ の 一 助 と して い る ケ ー ス も増 え て い る。 した が って、 これ ら企 業 の事 例 を一 つ 一 つ 細 か に分 析 す る こ と に よ り、 そ れ らの 問題 点 へ の改 善 点 を模 索 す る こ とは で き る が、 成 果 主 義 全 体 を有 機 的 に結 びつ けた 解 には辿 りつ け な い で あ ろ う。 そ れ は現 状 の根 底 に流 れ る成 果 主 義 の捉 え方 に、 一 義 性 、 断 片 性 、 局 所 性 が あ り、 多 くの施 策 が 人 件 費 の 引 き下 げ や変 動 費 化 を 目的 に実 施 され て い る か らで あ る。 この こ と は、 言 い換 え れ ば、"企 業"と"個 人"の 視 点 の求 め る方 向性 の 食 い違 いが 読 み 取 れ る と い う こ とで あ る。 企 業 は、 経 営 環 境 の激:変、 競 争 激 化 、 経 営 の変 革 ニ ー ズ で 待 った な しの状 況 に現 在 追 い込 ま れ て い る。 過 去 何 年 も続 いて き た企 業 文 化 ・経 営 体 質 ・マ ネ ジメ ン トス タ イ ル の変 革 や人 事 施 策 の変 革 等 を実 現 で き な い ま ま、 優 勝 劣 敗 の 二 極 構 造 の塀 の上 で 劣 敗 の 側 に転 げ落 ち よ うと し、 そ

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〔目標 の 設定 〕

① 業務遂行 目標 ②営 業売上 目標 ③ 人材育成 目標 ④評価基準の設定 上 司 、 ☆ ☆ 〉 目 育 〉 〉 .〉 層 〉 :〉 標 成 〉 面 面 〉 接 接 部 下 〔プ ロセ ス と結 果 の管 理 〕

u

① 業務 遂 行 プ ロセス と達 成 度 ② 売 上 目標達 成度 ③ 職務 遂 行 能力 とス キ ル の レベ ルア ップ度(質 と量) ④ 人事 考 課へ 直結 ・反 映 図 表04共 働 シ ス テム れ を留 め るた め に 限 られ た資 源 の 効 率 的 配 分(結 果 重 視 の 成 果主 義)を 個 人 に 当 て は め よ う とな り振 り構 わ ず必 死 に試 み て い るの が 現 実 で あ ろ う。 一 方 、 個 人 にお い て は 、成 果 に応 じた処 遇 自体 に は賛 同 を示 す もの の、 成 果 主 義 を 機 能 させ る制 度 が 未 整 備 の まま で あ るの で、 納 得 性 に欠 如 し、 憤 懣 や る か た な く感 じて い る のが 現 状 で あ る。 企 業 も従 業 員 も過 去 の 成功 体 験 が 重 くの しか か り、 人 事 制 度 を 抜 本 的 に再 構 築 す る ことが で きな い で い る。 企 業 は生 き 残 りの た め の環 境 変 化 へ の 自発 的適 応 を待 っ て い る時 間 的 余 裕 もな い現在 、 一 番 安 易 な 方 法 と して、 企 業 の 置 か れ て い る状 況 を個 人 へ も理 解 させ 、 一 方 的 に結 果 主 義 方 針 の 徹 底 を促 す こ と とな って しま った の で あ る 。 以 上 の考 察 か ら現 状 の 問 題 点 を ま と め る と、 「成 果主 義 の 目的 が 暖 昧 な ま ま、 あ るい は 偏 っ た状 態 で、 企 業 論 理 の み で 、 局 所 的、 一・義 的 に結 果 主 義 的色 彩 の 強 い施 策 を 人 事 施 策 に組 み 込 ん で い る」 「企 業 生 き残 りの た め に付 加 価 値 を もた らす 人 材 とそ の 人 材 を 機 能 させ る人 事 施 策 を 明確iにで きな い ま ま個 人 へ の処 遇 を 結 果 主 義 の 濃 い成 果 主 義 で 対 応 しよ うと して い る」 「企 業 に よ って異 な る過 去 の 成 功 ・失 敗 体 験 に根 ざ した人 事 諸 制 度 の 中 で、 今 後 と も残 して お く もの、 変 革 す る もの 、 排 除 す る も の等 の 選 別 が な され な い ま ま、 成 果 主 義 人 事 制 度 を追 加 的 に導 入 して い る」 と い う こ とが で き る。

5成

果主義の本来のあ り方

今 ま で 述 べ て きた よ うに、噛今 日、 日本 企 業 で 展 開 さ れ て い る成 果 主 義 人 事 制 度 の 多 くは平 均賃 金 の 上 昇 が 許 され な い 企 業 環境 の 中 で の総 人 件 費 削 減 お よ び賃 金 配 分 の適 正 化 ・公 平 性(高 度 経 済成 長 下 にお け る年 功 的 賃 金 体 系 が維 持 で き な くな り、 賃金 の適 正 配 分 、 す な わ ち個 人 の 賃 金格 差 の拡 大)を 追 求 す るた め の もの で あ った。 事 業 部 制 や カ ンパ ニ ー制 を導 入 して い る企 業 にお いて は、 個 人 で な く 事業 部 や カ ンパ ニ ー の収 益 に応 じて 異 な る処 遇 体 系 を持 つ 企 業 も見 られ るが 、 これ らは事 業 責 任 の 明 確化 や意 思 決定 の迅 速化 を 目的 と した もの で あ り、 人 事 戦 略 と して の 成 果 主 義 人事 制度 に は繋 が って い な い 。 成 果 主 義 とい う言 葉 が企 業 内 で 語 ら れ る場 合 、 「成 果(結 果)に 見 合 った 給 与 体 系 」 の み に 焦点 を 当 て た もの に す ぎ な い。 本 来 、 給 与 制 度 を含 め た人 事 制 度 は長 期 的 な 経 営戦 略 を達 成 す るた め の人 事 戦 略 の ひ とつ の シス テ ム(ツ ー ル).で あ り、新 たな給与体系を設計 ・導入 す る以前 に、企業 ビ ジ ョン と は何 か 、 企 業 の 事 業 領 域 や コア ・コ ン ピテ ン ス(注15)をど こ に求 め るか と い う経 営 戦 略 を 明 確 に し、 そ のバ リュ ー を共 有 化 す る こ とが 先 決 で あ る。 「成 果(結 果)貢 献 度 に よ り報 酬 を 決 め る」 とい う局 所 的 な成 果主 義 の導 入 が、 共 同体 意 識 を希 薄

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化 し、過 度 の個 人 主 義 化 を 引 き起 こ した。 さ らに、 日本 的 経 営 と しば しば批 判 され る共 同体 運 営 的企 業風 土 の 中 で積 み上 げ られ て き た"共 有 す る理 念 や価 値 観 に基 づ く一 体 感"を 失 わ せ、 個 々人 の成 果 が シナ ー ジ効 果 を発 揮 して組 織 成 果 を もた らす こ とに な って いな い と い った 問題(会 社 全 体 の生 産 性 を低 下 させ て しま うマ イ ナ ス効 果:全 体 最 適 で な く部 分 最 適 の 追 求)が 顕 在 化 して い るの で あ る。 さ らに 、 現 行 の 成 果 主 義 の あ り方 で は 、 個 人 が 自主 的 に 働 くこ とが で き る条 件 が 欠 如 して お り、 「会 社 ビ ジ ョンに あ った成 果 志 向 の強 い行 動 が で き る人 材 を育 成 す る」 こ と にな らな い とい う問題 を も抱 え て い る。 した が って 、 成 果 主 義 の本 来 の あ り方 と して は、 単 に 「結 果 主 義 との 混 同 の 問 題 」 「目標設 定 ・評 価 に お け る権 限委 譲 の 問題 」 「適 材 適 所 と人 材 育 成 の 問題」 とい った 現 状 にお け る成 果 主義 の事 象 的 ・ 表 面 的 な 問題 点 に対 す る解 決 に主 眼 を お くの で は な く、 個 人 が 自主 的 に働 く こ とが で き る条 件 を確 保 す る と と もに、 日本 的経 営 の強 み で あ る共 同体 意 識 を活 用 して い く こ とで、 企 業 成 果 を最 大 化 して い く とい う経 営 戦 略 と一 体 化 した人 事 戦 略 の 中で 構 築 して い か な け れ ば な らな い と考 え る。 1980年 代 に お い て、 海 外 か ら日本 的 経 営 の 強 さが 注 目を浴 び、 集 団主 義 的行 動 様 式 や 所 属 組 織 へ の ロ イ ヤル テ ィー を ベ ー ス と した チ ー ム ワー ク重 視 の人 事 制 度 や 長 期 的 人 材 育 成 、QCサ ー クル 運 動 や 品質 保 証 活 動 等 、 日本 的 経 営 手 法 を 海 外企 業 が 研 究 して 取 り入 れ て い った。 言 い換 えれ ば、 日本 企 業 の強 み で あ っ た 日本 的 経 営 手 法 の 基本 原 理 とは 、 人 的 資本 の重 視 で あ り、 チ ー ム プ レー を 評価 し、 ま た企 業 と従 業 員 の一 体 感 の 重 視 で あ った。 確 か に、 没個 性 を強 要 し、 平 等 意 識 を追 求 す る中 で 個 人 を 企 業 文 化 の 中 に囲 い込 む こ とで共 同体 意 識 を植 え 付 けて い く とい う従 来 の 日本 的 経 営 手 法 は、21世 紀 企 業 にお け る従 業 員 の意 識 か らは到 底 受 け入 れ られ る もの で は な い。 しか しな が ら、 付 加価 値 を創 造 し、 変化 に対 し柔 軟 か つ ス ピー デ ィー に対 応 で き る従 業 員 の コ ミ ッ トメ ン トの 高 い エ クセ レ ン ト企業 にお いて は、 付 加 価 値 創 出 の源 泉 で あ る人 的資 本 を 「共 有 す る理 念 や 価 値 観 に基 づ く一 体 感 」 の 中 で そ の能 力 を最 大 限 発 揮 させ て い く こ とが極 め て重 要 な要 素 とな って い る 〔三 木 、2001〕。 した が って、 過 去 の共 同体 意 識 で不 要 とな る面 を払 拭 した新 た な る共 同 体 意 識 、 言 い換 え れ ば企 業 理 念 や価 値 観 を共 有 す る こ とで、 一 体 感 を醸 成 した チ ー ム ワー ク的 な 共 同 体 意 識 を確 立 して い く仕 組 み作 りが21世 紀 日本 企業 の最 大 の課 題 で あ る。 個 人 の視 点 に立 て ば 、 働 く側 も 自律 性 が高 ま り、 自己 実 現 に 向 け た キ ャ リアア ップ志 向 が増 し、 企 業 ビ ジ ョ ンと 自己 の 価 値 観 の 一 致 を よ り重 視 し、 企 業 に 隷 属 す る とい う気 質 か ら脱 却 して、 パ ー トナ ー と して 「企 業 へ の 信 頼 感 」 と 「や りが い感 」 を追 求 し て い く とい う こ とが21世 紀 日本 企 業 の課 題 とな る。 日本 企 業 は人 事 制 度 を 中 心 に大 き く変 貌 す る過 程 に あ るの が現 在 で あ る 〔江 波 戸 、2001〕。

6成

果主義 実現への具体 的試 み

成 果 主 義 の 目的 で あ る"成 果 志 向の 強 い行 動 を 引 き 出す"た め の具 体 的 な試 み と して、 成 果 主 義 人 事 制 度 を採 用 して成 功 して い る企 業 事 例 を 参 考 に5項 目あげ た い。 そ の第11ま 、 「職 務 制 度 の 抜本 改定(権 限委 譲 の 徹底 と組 織 構 造 の 改 革)」 で あ る。 多 様 な顧 客 ・市 場 の ニ ー ズ とそ の 急 速 な変 化 に対 応 す る た め に は、 管理 部 内 主 導 の ヒエ ラル キー 的組 織 構 造 を変 革 し、 現 場 へ の権 限 委 譲 を徹 底 す る こ とで 、 顧 客 価 値 の 向上 に向 けた行 動 が ス ピー デ ィー に発 揮 され る よ う な柔 軟 な 組 織 を構 築 す る こ とが 必 要 で あ る。 そ の 基 準 づ く りの ひ とつ が外 資 系 企 業 な どで採 用 され て い る 「職 務 給 」 で あ る。 フ ァイ ザ ー製 薬 は課 長 級 以 上 の管 理 職 に 「机 の価 値(注16)」を導 入 し、 それを 一 般 従 業 員 にま で 導 入 して い る 。 オ リンパ ス 光 学工 業 は 「職 能 ゾー ン資 格 制度(注17)」を 導入 して い る。

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そ の 第2は 、 現 場 に権 限委 譲 され た組 織 で働 く従 業 員 の成 果 の 評 価 単 位 を 「プ ロセ ス を含 む 協 働 取 り組 み成 果 」 とす る とい う もので あ る。 成 果 を指 向す る行 動 を 評 価 す る こ とが成 果 主 義 の本 質 的 な 目 的 で あ り、 そ の た め に は単 な る個 々人 の 結 果(業 績)だ けで な く、 チ ー ムや グル ー プ とい った単 位 で の 協 働 取 り組 み の プ ロ セ ス を も評 価 す る。 「会 社 目標 → 部 内 ・部 署 目標 → 個 人 目標 」 の 連 関 が 明確 で あ れ ば、 個 人 成 果 の積 み重 ね が 組 織 成 果 とな り、 その 合 計 が 企業 価 値 とな るが、 個 人 目標 の設 定 とそ の達 成 評 価 の精 微 化 に は 限界 が あ る。 これ を無 理 に あえ て 精 緻化 す る と、組織 におけるメ ンバ ー相互 協 力 や 暗黙 の役 割 分 担 で 円滑 化 され て い る組 織 運 営 が崩 壊 す る。 顧 客 満足 ・付 加 価 値 創 出 ・ス ピー ド 経 営 が企 業 の競 争 力 に大 き く影 響 を及 ぼ して い く企 業環 境 にお い て は、 様 々 な技 術 や 情 報 を駆 使 して い か な けれ ば な らず 、 個 人 の 知識 や ス キ ル に依 存 して付 加価 値 を創 出 して い く こ とは き わ め て難 し く な り、 「共 有 す る理 念 や価 値観 に 基 づ く一一体 感 」 の 中 で 、 個 々人 の ス キル を相 互 に活 か し、 協 働 の シ ナ ー ジ効 果 を発 揮 させ る こ とが重 要 とな る。 つ ま り、 個 々人 の貢 献 度 を個 人 目標 と関 連 付 けて 評 価 し て い くこ とが 難 か しい と い う こ とで あ る。 そ こで 、 チー ムや グル ー プ とい った単 位 に対 して評 価 す る こ と も加 味 して、 個 人 の 納 得 感 とや りが !・感 を 醸 成 す る こ と が 必 要 で あ る との 認 識 が 重 要 に な って く る。 自分 の 評 価 に不 満 の あ る と き に ・ 「360度ア セ ス メ ン トと評 価 異 議 申 し立 て 制 度 」 を確 保 して い る 日本IBM(注18)、 メデ ィ コ ン(注19)、プ ラ イ ス ウ ォー タ ーハ ウス ク ーパ ス コ ンサ ル タ ン ト(注20)が参 考 にな る で あ ろ う。 成 果 評 価 に個 人 業 績 に加 え、 会 社全 体 、 チ ー ム の業 績 を加 味 す るの はspcジ ャパ ン(注21)であ る。 そ の第3は 、 職 務 給 に 内在 す る い ろ い ろ な 問題 を克 服 す る試 み と して 、 コ ン ピテ ン シー ア ドバ ンテ イ ジー ズ(図 表05)が あ る。 それ が 「行 動 能 力 コ ン ピテ ンシ ーの 基 準 書 の 作 成 」 で あ る。 コ ン ピテ ン シー は ハ冖 バ ー ド大 学 の心 理 学 者 デ ィ ビ ッ ト ・マ ク レラ ン ドが 最 初 に提 唱 した 概 念(21項 目)で あ る [Flannery,T.&Plantten,P.,1996,:92]。 コ ン ピテ ン シー は企 業 の 数 ほ ど存 在 す る とい わ れ る ほ ど、 基 準 とな る項 目は定 ま って い な いが 、 保 有(潜 在)能 力 よ り も発 揮(顕 在)能 力 を 評価 す る と ころ は 一 致 した見 解 で あ る(図 表06) 。 大 久 保[2000、:61]は コ ン ピテ ン シー へ の 期 待 と して 「能 力 の言 語 化 、 人 事 シス テ ム の一 本 化 、 労 働 市 場 との 連 動 、 成 果 主 義 の サ ポー トツー ル 、 コス トダ ウ ンの き っか け」 の5項 目を指 摘 す る。 殊 の 外 、 世 界 各 国 の 先 達 企 業 で コ ン ピテ ン シー が 注 目さ れ て い る の は成 果 主 義 の 究 極 の姿 が コ ン ピテ ンシー の 基 準 書 で あ るか らで あ る。 川上[2001:22]は 「コ ン ピテ ンシ ー の研 究 は、 もと も とハ イパ フ ォー マ ー の 事 例 研 究 か ら始 ま った もの で あ る。 何 が高 い成 果 につ な が る 鍵 なの か は 、 当然 、 各 企 業 にお い て、 そ の 成 功 要 因 は違 うはず で あ る。 そ の成 功 要 因 を 明確 に抽 出 し、 それ を 会 社 に示 す こ とが コ ン ピテ ン シー導 入 の 最 も重 要 な 意 味 な の で あ る」 と、 常 に 自社 に お け る成 功 要 因 は何 で あ るか を突 き詰 め て い く姿 勢 の重 要性 を強調 す る。 このベ ンチ マー クのハ イパ フ ォーマ ー ・ τ勧e鰹eso鵬e・BasedV耋ew=Re屬at重o賤sh恥sBetweenAsse老s,Capab撒ies, andOompetencies (TangibleAssets十ntangibieAssets)・一 ・一 一 一 一 一 一 ㈱ 一 一 Assetscombmedwlthcapabmtlesproducecompetenαesthatcanyieldcompetlt}veadvantages. 図 表05TheResource-BasedView(出 所)Miller,A,1998, .:p119

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モ デ ル と は 別 に、 将 来 の 研 究 開 発 戦 略 上 必 要 と さ れ る能 力 要 件 を 武 田 薬 品 で は コ ン ピ テ ン シ ー (成 果 に 向 け て 行 動 化 さ れ た 能 力)と 解 釈 し、 自社 版 の コ ン ピ テ ン シ ー 項 目基 準 書 を 社 内 で 書 き上 げ 、 自社 の 期 待 す る 社 員 像 の イ メ ー ジ を 明 確 に 示 す こ と で 、 人 材 の 開 発 に つ な げ て い る [柳 下 、2001]。2000年 に 組 合 員 約3万 人 を 対 象 と し て 社 員 に は こ う あ って ほ し い と い う 経 営 理 念 や 倫 理 規 範 を 行 動 指 針 や 能 力 要 件 に 具 現 化 し た コ ン ピ テ ン シ ー に 着 目 し た 人 事 シ ス テ ム 「プ ラ ク テ ィ ス フ ァ イ ル 制 度 」(注22)を導 入 し た の は NECで あ る 。 GEは キ ャ リ ア バ ン ドを 決 め る の に コ ン ピ テ ン シ ー を 使 っ て い る 。 バ ンデ ィ ン グ に は3つ の ア プ ロ ー チ(図 表07)が あ り、 そ の1つ が コ ン ピ テ ン シ ー で あ る 。 コ ン ピテ ン シ ー と ブ ロ ー ド バ ン デ ィ ン グ の 関 係 に つ い て 、 川 上[2000:25] は 、 そ の 第 一 段 階 は 、 組 織 内 の 各 個 人 の コ ン ピ テ ン シ ー の 特 徴 を正 確 に 把 握 し、 コ ン ピテ ン シ ー モ デ ル に 人 を 合 わ せ て い く上 司 の マ ネ ジ メ ン ト が 求 め ら れ 、 第 二 段 階 は 人 に 仕 事 の 勧 め 方 や 取 り組 み 課 題 を あ わ せ て い くや り方 で あ る 、 と指 摘 す る。 ソ ニ ー は 役 割 を 中 心 とす る 「バ リ ュ ー バ ン ド(注23)」を 部 長 以 上 に 導 入 し て い る 。 そ の 第4は 、 「職 務 の 選 択 と自律 的 な キ ャ リ ア形 成 」 で あ る。 付 加 価 値 創 造 が競 争 力 の 中核 とな る 21世 紀 企 業 に お い て は、 付 加 価 値 創 出 の源 泉 で あ る個 人 の 能 力 を最 大 限発 揮 させ る 自律 的 な仕 事 の 仕 組 み が必 要 で あ る。 個 人 の価 値 観 が与 え られ た仕 事 の遂 行 か らキ ャ リア 指 向 に変 化 す る 中、 個 人 の 価 値 観 ・働 き が い 感 を尊 重 して い く こ とが、 企 業 ・個 人 に と って 最 も効 果 的 な選 択 とな る。 自己 の キ ャ リア形 成 、 自己 実現 、 ラ イ フ ワ ー ク を最 大 限尊 重 し、 職 務 を 自分 自身 で選 択 で き る仕 組 み を 構 築 す る こ とが必 要 で あ る。 ベ ネ ッセ コ ー ポ レー シ ョン の職 務 完 全希 望 制(注24)の場 合 、 チ ー ム あ る いは グル ー プ の メ ンバ ー の定 め る定 員 以 上 の希 望 者 が いた ら リー ダー が 選考 す る。 つ ま り、 従 業 員 は 自分 の や り た い職 務 が実 現 で き る と思 うチ ー ムへ の参 加 希 望 を 申 し出 で き るが、 希 望 す る仕 事 が 社 内 に存 在 しな い場 合 に は、 静 か に会 社 を去 る こ とで 、 社 内で の雇 用 ミス マ ッチ が解 消 さ れ る と共 に、 自律 型 人 材 の 能 力 発 揮 につ な げて い く とい う もの で あ る。 シチ ズ ン時 計 は管 理 職 を 社 内価 値 と市 場 価 値(注25)の両 軸 で評 価 して い る。 そ の第5は 、 「新 しい共 同 体 意 識 の 再 生 」 で あ る。 従 来 の 日本 的 経 営 の強 みで あ っ た 「囲 い込 み方 式 」 に よ る共 同体 意 識 は成 果 主 義 の導 入 に よ り も はや崩 壊 しつ つ あ るが、 自律 型 人 材 や 個人 の価 値 観 の尊 重 と共 同 体 意 識 は相 反 す る と み な す の は誤 っ た認 識 で あ る 〔"人材 教 育"編 集 部 、2000(a)〕 〔"日経 ビ ジネ ス"編 集 部 、2002〕。 会 社 の ビジ ョ ンに あ った 成 果志 向 の 強 い 行動 を 引 き 出す し くみ を チ ー ムや グル ー プ、 の れ ん分 け、

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