計
画
入
院
を
す
る
子
ど
も
への
プ レ
パレ
ー
シ
ョン
の
効 果
の
検 討
岡崎裕子
*藤原恵美子
2*山下葉 子
ヨ*森下 尚子
2*丸 山浩枝
L*二
宮 啓子
1* L *神 戸 市看 護 大 学,
Z *西 神 戸 医 療センター,
嫌元 西 神 戸 医 療セ ン ター
キー
ワー
ド:プレパ レー
シ ョ ン,
計.
画入院、
子ども、
ビデオ、
病 棟 見 学ツ アー
The
Effect
ofPreparation
ofChildren
for
Planed
Hospitalization
Yuko
OKAZAKI1
* ,Emiko
FUJIWARA2
*,
Yoko
YAMASHITA
3*,
Hisako
MORISHITA
2* ,Hiroe
MARUYAMA
i*,
Keiko
N
】
NOMIYAi
* i’Kobe
City
College
of Nursing,
2*Nishi−
KobeMedical
Center
,
i’Before
Nishi
−
Kobe
Medica】Center
Key words :Preparation
,
Planed Hospitalization,
Children.
Filmed Modeling,
Hospital Tour1 .
はじめ
に子
ども
に とっ て病 院
は未 知
の世 界
であ
り,
病 院
へ行
くこ と自体 大 変
な ことである。
こ の よ う な場 所
で,
家
庭
か ら離
さ れて,全
く違
う生 活
を余儀
な くされた り,
っ らい処置
な ど を 受 け ること は.
子 ど もにとっ
て大 き なス トレ ス と な り,
心理的混 乱
を起
こす。
こ れ に対
し,
説 明 や 配 慮 を す ることで,
その悪 影響
を 最小
限 に あ る い は緩 和
し,
子
ど もの対 処 能 力
や頑 張
り を引
き出
すこ と がで き る。
こ の よ う な関
わ り を プレ パ レー
シ ョ ンと い う。
子
どもは,
親
と一
緒
に プ レ パ レー
ショ ン に参 加
し,
その子
の発 達 に合
わせ た方
法で説 明 を受 けた り遊
ぶ こ とで,
これか ら起 き
ること をその子
なりに理解
・
納 得
し,
そ れに対
す る 感情
を表 出
す るこ と がで き る。 その結 果
,
対 処 能 力
や頑 張
り を引 き 出
して主 体 的
に乗
り 越 えること がで き,
自 信 や 自 己 肯 定 感 を 培 うこと が でき
る。
Thompson
ら (1981
) は,
プ レパ レー
シ ョ ン の ガ イ ドライ ンの中
で,
「
情 報
は子
ども
の認 知 能 力
に合
わせ て提 供
されるべ きで ある」
と示
して いる。3
〜
7
歳
の前 操 作 的思 考
の段 階
に あ る子
ども
は,
単
に話
しただけ
では 理解
で きな いが,
目
の前
に ない事 柄
を 心の中
で思 い浮
かべ る表 象
が出現 す
る。
そ れ に よ っ てある事 物
を別
の事 物
で表
す象 徴 機 能
が成
立 す る よ うにな る た め,
象 徴 遊
び や模 倣 遊
び を利
用す
る こ と で物 事
を 理解
する こと がで きる。 そ して,
こ の時期
の プ レパ レー
シ ョ ン は,
子
ども
の現 実
の生 活 (
具体 ) 体 験
か ら出発
しそ こ に戻
るも
の で はなく
て はな ら ない(
鈴 木
,
2006
)
。 そ のた め,
お 医 者 さん ごっ こな どの ごっ こ遊
び や絵 本
,
ビ デ オ な ど視 聴 覚 教 材
を用
い たり,
病棟
見学
ツ アー
な ど実 際に見 た り 聞い た り 五感
で確
認 しな が ら,
安 心
で きる簡 単
な説 明
を する よう な 関 わ り が 必 要で あ る。
我
々は,
す
で に アルバ ムやおも
ち ゃ を用
いた手術
に関
するプレパ レー
シ ョ ンを実 施
して い る。
その中
で,
手術
ど ころ か入 院 す
る こと自体
にっ いて も説 明
を受
け てお らず,
病棟
に入るまで に混乱
し,
病 室
に入
れ な かっ た子
ど も に遭 遇
し た。
そ の ため,
入 院 前
に入院
のプ レ パ レー
ショ ン を実 施
す る 必要 性
を 感 じ た。入
院
の プ レ パ レー
シ ョ ン に つ い て,
M 。lamcd
ら(
1975)
の研 究 結 果
か ら,
ビ デオ を使
っ た プ レ パ レー
ショ ンを受
けた子
ど もは,
あ ま り緊 張
ぜず
に ビデ オ の場 面
と1
司
じ よ う な状 況
に対
処 し,
退 院 後の混 乱 が少
な か っ た こと が明ら か に さ れ て い る。
ま た,
Thompsen ら(
1981
)
は,
入 院前 病棟
見学
ツ アー
に参
加 する と子 ど も は見知
らぬ環境
へ の適 応
が しやす
いと述
べ て い る。
こ の よう
に,
欧米
で はす
で にこ の ビ デオ視 聴
や病 棟
見 学ツ ァー
が 入院前
の プ レパ レー
シ ョ ンと して行
われて い る。 しか し,
日本
での 入 院のプ レパ レー
シ ョ ン の 実施 状 況
につ いて楢 木 野 (
2004
)
は,
入 院 前
に病 院 見 学
の機
会 を もっ ことに対 して,
看 護 師 や 医 師の半 数 保22
神 戸 市 看護 大 学 紀要 Vol.
12
,
2008護 者
の約
30% は
「必 ず 必 要
」「
必 要
」と捉
えて い た が,
実際
に実施
して い るのは看 護 師
の14
、
4
%,
医 師
の17
.
3
% だっ た と報 告
してい る。
さらに,
視
聴 覚 教 材 を 用い る ことにっ い て は,
看 護 師
は77%
,
保 護 者
で55
.
8
%が 「必 ず 必 要
」 「必 要
」 と考
えて い た が,
実 際
に「
よ く使
用 」
「使 用 」
して い るの は20% に
も満
た な か っ た と述
べ てお
り,
あ
ま り実 施
さ れてい ない。そこで
,
本 研
究の目 的
は,
計 画入 院
をす
る3〜
7
歳
の子
ど も と その保 護者
に,
ビ デオによ る入 院生 活
の紹
介
や病 棟 見 学
ッ アー
の方
法を取 り入 れ た 入院
生活
に関
す る プレパ レー
ショ ン を実 施
し,
その効 果 を検 討 す
る た め の基 礎 的 資 料
を 得 ることであ る。
且,
用 語
の操
作
定
義
本 研 究
において,
楢 木
野(
2006)
の定 義
を参 考
に,
プ レパ レー
シ ョ ン を「
子
ども
が病 院
で直 面
・
体 験
す る であ ろ う事 態
によっ て引
き 起こ される心
理的 混 乱
に対
し,
説 明
や配 慮
を する こ と に より 悪 影響
が最 小 限
に,
あ るい は緩 和
さ れ る よ うに工夫
し,
その子
なりに立 ち
向
かい,
乗
り越え られる よ う に了
どもの対 処 能 力
や頑
張
りを 引
き出
して い く関 わ り 」 と定 義
す る。 皿.
方
法
1
,
研究 参 加 者
A 病院
に計 画 入 院
をす
る3〜
7
歳
の子
ども
と その保
護 者
で あ る。
病 院
か ら入 院 予約
が あっ
た子
ど も11
名
の紹
介
を受
け,
その保 護 者
にプレパ レー
シ ョ ン実施
の案
内
を送 付
し た。
その うち,
プ レパ レー
シ ョ ンを 受 ける こと を希
望 し,研 究 参 加
の承 諾
を得
た2
組
であ
る。
2 ,
デー
タ収 集 期 間
平 成
18年
8
〜
9
月
。
3
.
プ
レ パ レー
ショ ン の実 施 方
法 と デー
タ収 集 方 法
(表1
) 1)
プ レ パ レー
ショ ンに使 用
す るビ デオ と保 護 者
へのパ ン フ レ ッ ト の
作 成
事 前
に,
入 院生 活
に関
す るビ デオ と,保 護者 向 け
の 入院生
活に関
する こと と家 庭
で の子
どもへ の説
明の方法
に関 す
るパ ン フ レ ッ トを作
成
した。ビデ オ は
,
人形
を 主 人公
と し て登 場
さ せ,
実
際に子 ど も が 入院
する病 棟
で撮 影
した。
内 容
は,
病 棟
の構
造
の紹 介
,
入
退院
の場
面,
食事
,
洗面
,
検
温,
遊 び,
清
拭
や入浴
な ど弖 日 の流
れ で,
約
8分 間
に編 集
し た。
保護 者 向
けの パ ン フ レッ トは,A
。tionfor
Sick
Chi】
d
−
renか ら
配 布
されて い るパ ン フ レッ ト「
What
todo
when your child
goes
into
hospital
」
を参 考
に,
r
一
どもが
入 院 す
る病 棟
で の生 活
にあ わせ て作 成 し た。
2
)
プ レパ レー
シ ョ ン の実 施 方 法
プ レ パ レ
ー
シ ョ ン の実 施
は,
病
棟
看
護師
に依 頼
した。 プ レ パ レー
シ ョ ン は,
Bams
(
20e5
)
が提
唱 す る プ レ パ レー
シ ョ ン の4
段階 (
第1
段 階
:遊 び を通
し て の ア セ ス メ ン ト,
第
2段 階
:発達
の レベ ル に応 じ た説 明
,
第3
段 階 :説明
に対
す る子
ど もの理解
の確 認
,
第
4段
階
:処 置 後
の遊
び を通 して感 情
を 表出
し,体験
し たこ と を再
統合
す る)
を参 考
に,
第
1段 階
:子
ども
が好 む
遊
び を し な が ら,
入 院に 対 す る 子 ど もの知 識や思い を アセ ス メ ン トす
る,
第
2
段 階
:入 院生 活
に関 す
るビデ オの視 聴
と病
棟 見 学 ツア「第
3
・
4
段 階
:再 度
,
子
ど もの好
む遊
び を しなが ら,
子
ども
の入 院
に対
す る思 いや 理解
を 確 認 し,
感情
の表出
を支 援
する こ と と計 画
し た。病 棟 見 学
ッ アー
は,
子
ども
がビデ オ の内容 を思
い出
し やす
い ように,
ビデオの病 棟
の構 造
の紹 介 と同
じ順 序で病 棟 を ま わる こと と し た。 遊 びや ビデ オ の視
聴
は,
病 棟
の食 堂
で行
っ た。
3
) デー
タ 収 集 方 法研 究 者
は,
プ レパ レー
シ ョ ン実 施 前
・
中 (第
1
段 階
か ら第
4 段階)
・
後
,
および入 院
1 日目
の子
ども や保
護 者
の様 子 を参 加 観 察
し,
IC
レ コー
ダー
と 観察
ノー
ト に記録
し た。子
ど もの表 情
は,
Wong−
Baker の フ ェ イス ス ケー
ル(
以.
ド
,
FS とする) (飯村
ら,
2002
)
を参 考
に して6
段 階
で観 察
した(
表
2)
。
ま た,
保 護 者
に は,
ビデ オ視 聴 前
と入 院
4〜
5
日後
の2
回
,15
分 程
度
の半
構
成面接
を行
っ た。質 問 内 容
は,
ビ デ オ視 聴 前
は,
普 段
,
子
ども を病
院へ 連 れて行 く と きの説 明
に つ いて,
今 回
の入 院
にっ い てどの ように説 明
し た か・
説
明 するっ も り か,
プレパ レー
ショ ン で気
をっ け て ほ しい ことにっ いて等
である。
于術 後
は.
プ レ パ レ
ー
シ ョ ン中
の子
ど もの様
子 を 見 た 感 想,
入 院
ま で の了
ど もの様 子
,
入 院 後
の子
ど もの様 子
につ い て等であ る。面 接
の内容
は,
IC
レ コー
ダー
に録 音
し た。
計 画 入 院をする子ど もへ のプレパ レ
ー
シ ョ ンの効 果の検討
23 表1.
プレパ レー
シ ョン の実 施 方 法と デー
タ収 集 方 法 実 施 区分 病 棟 看 護 師 1語
究者
i
プ レ パ レー
ショ
ン前.
.
.
1 予 ど も と保 護 者に挨 拶 する。
子 ど も と保 護 者 を観 察 する。
1
保 護 者に プ レパ レー
ショ
ン前の半 構 成 面 接を実 i 施 する。
i プi
レ
第
1段 階
子ど も と遊び な が ら、
コ ミュ
ニ ケー
ショ ンをは かり、
子どもの入 院に対 する思いを確 認する。
遊んで い る子ど もの様 子を 観察す る。
第 2 段 階 子どもと保 護 者に入 院 生 活に関 する ビ デ オを 見 せる。
ビ デ オを見て い る様 子を観察 する。
..
.
一
.
一
.
.
一
パ レ ー シ ョ ン 中 親 予と 緒 に病 棟 見学ツアー
を す る。 病 棟見学ツアー
して い る様
子を 観察
す る。 第 3 段 階 可度、
子ど もの好む 遊 び を し な が ら、
子ど もの …遊ん で いる子ど もの様
子を観察
する。
入 院に対する思い や哩解を確認 し、
感情の表出
: i 第 4 段 階.
を支 援 する。
一
.
.
.
.
一
.
.
.
.
.
.
一
プ レ パ レー
ショ
ン後 子どもと保護 者を見 送る。
i 子ど も と保 護 者の様 子を観 察す る。
パ ン フ レッ
トを用い て保 護 者に入 院生活や了ど もへ の説 明、
および質 疑 応 答 する。
.
一
.
.
广
.
… 入院 1日 目 入院日 に勤務 して いれ ば 子 ど も を受け持っ。
入 院1日日の 子どもの様 子を観 察 する。
入 院後 入 院 4〜
5 日[≡ 入 院 後 (4〜
5日目)に保護者
に半構成
面接
を実 施す る。表
2
.
フェ イス スケー
ル(
FS
)
o l 1 } 閏 5
4 .
デー
タ分 析
方 法参 加 観 察
と半 構 成 面 接
で録 音
さ れ たIC レコー
ダー,
お よ び記 録
した観 察
ノー
トか ら逐語 録
を作 成
し た。 逐 語 録を繰
り 返 し読
み,
入院
の プ レ パ レー
ショ ンに対
す る子
ど もや保 護 者
の反
応に関 す
る..
・
文
を抽 出
し,
場 面
ご とに分 析
した。
FS
は,
個
々 の変 化
に着 目
して分 析
し た。5
,
倫
理的 配
慮神
戸市 看
護大 学 倫
理委 員 会
よ り本
研究 実 施
の承 認 を得
た。子
ど もの保 護 者
に は,
研 究 目 的
・
方 法
の明示
,
研 究 目的 以外
にデー
タを使
用 しない こと,
プライバ シー・
匿名
の厳 守
,
研 究 参 加
へ の中止
・
中 断
の自由
,
および今 後
の治 療
に影 響
が ない こと を口頭
と文 書
で説明
し「
司 意 を 得た。
子ど もへ は,
プ レ パ レー
ショ ンを実 施
する こと を伝
え,
ロ頭
でr
承
を得
た。IV
.
結
果
1 .
研
究参
加者
の背 景 (
表
3
)小 手術
を 受 ける 6歳
の子 ど も と両 親,
5歳の 子 ど も と母親
の 2組
で あっ た。
子
ど も は 2人
と も初
め て の入
院
・
手
術で,
今
まで に プ レ パ レー
ショ ンを 受 け たこ と は な か っ た。
2人
と もプ レパ レー
シ ョ ン まで に今 回
の 入院
や手 術
にっ い て親
か ら簡 単
に説
明 を受
け ていた。
2 .
プレ パ レー
ショ ン時
の子
ど もの様 子
とフ ェ イス スケ
ー
ル(
FS
) (
表
4
)
【】
は,
カ テ ゴリー
名
を, 「」
は,子
ど も や保
護
者
の発 言 を あ
ら わ してい る。1
)
プレ パ レー
シ ョ ン実 施 前来 棟 時
,
2
人
とも 【
緊 張
してお り】
,
表 情
は硬 く
,
看 護 師
の問
い か けに も う な ず く程 度 だっ た が,
【病 棟 に入
るのを嫌
が るこ とはな かっ
た】 (
FS2
)
。2
)
プ レパ レー
シ ョ ン実
施中
ま ず
,
第
1
段 階
と して,
看 護 師
が遊
びに誘
う と,
2
人
と も【自分
の好
き な遊 び を 選択
した】
。 遊 び始
める と,2
人
と も遊
びに夢
中
に なり,
笑 顔
が見
られる よ う に なっ た(
FSO)
。
途中
,
看 護 師
が一
緒
に遊 び な が ら子
どもの 入 院につ い て の理解
を確
認 し よ う と質 問 す
る24
神 戸 市 看 護 大 学 紀 要 Vol.
]2,
2008 表3
.
対 象の背景 子 ど も の 子 ど も 入院 目的 入 院・
手 術 参 加 者 の 年 齢 経 験の有 無 プ レパ レー
シ ョ ン プレ パ レー
ショ ン 入 院時の プレ パ レー
ショ
ン 前 の親か らの入 院 か ら入 院ま で 時 の 付 き 添い 付き添い にっ い て の説 明の有無 の 期 間 の者
ユ
後 ビ 答 院 夕 回 ン 入 イ の A 6歳 B 手術 5歳 手 術 な し なし有
有蠶
弟 躙 23日 19日親
親 父 母 母 親 母 親 母 親 と,
B
は,
笑 顔
で「入 院 す
る」と話
し,
【
遊 び
な が ら看
護師
の質 問
に答 えて い た】 (
FSO
)
。
しか し,
A は,
質 問
さ れ る と再
び表
1
青
が硬
くな り,【
う な ずく
のみ だっ た】 (
FS 2)
。
第
2
段 階
と して,
ビデ オ視 聴
を促 す
と,
2
人
とも嫌
がるこ となく
ビ デ オ視 聴
に うっ ること ができ た。
そ し て,
最 後
まで ビデ オを視 聴 す
る こと ができ
た。視 聴 中
,
A は,
はじ めは持 参
したハ
ンカ チを 触
り な が ら【
黙
っ て見ていた 】 (FS
1
)
。 しか し,
入浴
や ト イレな ど普
段 子
ども 自身
が行
っ ている生 活行 動
を同
じ よ う に 人形
も して い る場 面
が登場
し た こ と,
ま た,
自分
が今
い る場 所
が映
っ たことで【
子
ど もの興 味
をひく
こと がで き】
,
A は,
笑 顔
に な っ た (FSO )。
B
は,
「人 形 や ん」「
ご飯 残
して る 」 な ど1
つ1
っ の場
面
に反 応 し, 楽 しんでい た(
FSO
)
。 また,
「処 置
室っ て何
? 」 と自
ら質 問
し たり,
「こ れ(
聴 診 器) 音 聞
こえ る んや ろ ?」
と自分
の知
っ てい ること を 話 し,
褒
め ら れ る と更
に喜
ん で お り,
【
ビ デ オを媒 体
に看 護師
とコ ミュ ニ ケー
ショ ンを と り】
,
【
話
すことで入院
に対
す る 理解
を深
めて い た】
。
ビ デオ が
終 ∫
し,看
護師
が病 棟
.
見学
ツアー
に誘
う と,
A は,
先 頭
を き っ て【
自ら進ん で い き 】 (FSO
),
B
は,母親
に手
を引
か れて【
看 護 師
の後
ろか ら歩
いて行
っ
た】 (
FS 1)
。
2
人と も, ギ ャラ リー
に掲 示
してある作 品
を見
て,
【自分
の知
って い るも
の(
キ ャ ラ ク ター
な ど)
を探
し て いた 】。
さ らに,
「(壁の絵の中
に)
うさ ぎがい る よ(
B
)
」 とビ デ オ に登 場
した物 を 見
っ け た り,
逆
に 「天井
の(
モ ビー
ルが)
ない(
A
)」
と言
っ て ビ デ オ に は登 場
し て い た が,
実 際
に行
って み る と ない もの を 見 つ けて教
えて く れ,
【
ビデ オ の内 容
と実 際
と を比
べ て い た】
。
こ の よ うに,
子
ど も達
は,
ビデ オの内 容
を よ く覚
えてお り,
覚 えて いる こと を褒
め ら れ る と,
さ ら に喜
ん で見
っ けた ものを教
え て くれ た(
FSO )。
2
人
と もプ レイルー
ム の中
に入 る と ど ん な お も ちゃ が あるの か調
べ た り,
実 際
に お も ち ゃ で遊
んで い た(
FSO
)
。 ま た,病
室
で は,看 護 師
か ら 「こ の ベ ッ ド が A君
のベ ッ ド に な る よ」と言 わ れ ると,
確 かめ る よう
にベ ッ ドを触
っ ており
,
【実 際
のも
の に触 れ
るこ とで イメー
ジを 膨 ら ま せて いた】
(FSO
)
。 さ らに,
病 棟 を 回
りな が ら子
ど も た ち は,
「(
入 院
し た ら)
カ ブ トム シ (の絵
を) 書
く(
A
)
」や 「ゾロ リ の ビデ オあ る ?(
B
)
」と【
入 院 後
の楽
しみ を自分
な り に.
見っ けて いた】
。病 棟 見 学
ツ アー
が終
了 し,
第3
段 階に移
行 しよ う と元
にいた場 所
に戻
る と最 初
に遊
んで いたも
のを取 り出
し,
す ぐに遊び だ した(
FSO
)
。子
ど も は遊 び な が ら【看護 師
と病 棟 見 学
ツ アー
の感 想 を 話
して お り】
,
「楽 し かっ た」
と 笑 顔で答 えて い た(
FSO
)
。 さ らに,
2
人
と も 「ひさ ち ん(
主人 公
の人 形 )
い た よ」 と【
病 棟
見学
ッ アー
で見っ けた もの を 伝 えて いた】。
3
)
プ レパ レー
ショ ン実 施 後
遊
び が終 了
し,
帰
る時
に看 護 師
が遊
びに使
っ たお絵
か きセ ッ トを 渡 し な が ら 「今 度
,
入 院
の時
に持
っ
てき
てね。 ま た遊
ぼ うね。 」と話 す
と,
.
∫覧 ども
は う れ し そ うに う な ずいてお り,
【
入院
の時
の楽
しみ を看 護 師
と共 有
し て い た】
。
そ して,
【笑顔
で帰宅
した 】 (FSO
)。3
,
プ
レパ レー
シ ョ ン後
の家 庭
での 子 ど も の 反 応帰
宅 後
,
A
は 「3
日 で帰
れる ん だよ ね?」 と,
B は「あ
そ こ に入 院 す
るんや ね 」 と【
入院
す る時期
や場 所
を 確 認 して き た 】。 そ して,
病 院
に持
っ て行
く お も ちゃ など【自分
の持
ち物
を囗分
で準 備
して い た】。 さ らに, きょ う だい にペ ッ ト の世 話
を頼
む な ど,
【
きょう
だい に自分
の役 割
の代行依頼】
を し た り, きょう だいに入
院 巾
に乎 紙
を く れる よ うに頼
むな ど,
了
ども
な りに【
きょうだい との関 係 性の維 持 】 を 図っ
てい た。 また,
入 院
が近
づく
と,
A
は,
普 段
よ り無
口 に な り,
親
にス キ ン シ ッ プを 求め るよ うにな り,
B
は,
「嫌 だ な あ」
と繰
り返 し言
う よ うになり
,
子
ども
は【
入 院
に対 す
る感 情
を表 出 す
る よ うにな っ た】
。
了
ど も た ち はこ の よ うに その子
な りに準 備
を して入 院
に向
かっ
てお
り,
入
計 画 入 院 をする子 ど もへ の プレ パ レ
ー
ショ ンの効 果の検 討25
表4.
プ レパ レー
ション時 の 子 ど も の様子 とフェイス スケー
ル (FS
)場 面
子
ども
の
反
応 Aの FS B の FS プレ パ レ
ー
ショ ン前 緊 張し て い た 嫌がらずに病 棟に入る こと ができた 2 2 ビデオ視 聴 前の遊び 自分の好 きな遊びを 選 択し た 遊びな が ら看 護 師の質 問に答え て い た 看 護 師の質 問に対してうなず くのみ だっ
た 0→ 2 ビデ オ視 聴 中 黙っ
て見て いた ビデ オの 内 容に 興味を 引 か れて いた ビデ オ を媒 体に して看 護 師とコ ミュニ
ケー
シ ョ ンを とっ
ていた 話 すことで理解を深めて いた2
→
02
→0
病 棟 見学
ツ アー
中
病 棟 見学ツ アー
終 了 後の遊 び 自 ら進んで行っ
た 看護師の後ろ か らつ いて行っ
た 自分の知っ
ている もの (キ tS ラ ク ター
な ど) を 探し て い た ほかのス タッフ に声 をか け られて喜ん で い た ビデ ォに登 場し たもの を見っ けて いた 実 際に 見 るこ とで入院に対す る イメー
ジを膨ら ませ て い た 入 院 後の 楽 し み を 自 分 な り に 見つ けて いた 看 護 師と病 棟 見 学ッ アー
の感 想を話して いた 病 棟 見 学ツ アー
で見っ けた ものを伝えて いた 0 1→
0 プ レパ レー
シ ョ ン 終 了 後 入 院の時の楽しみ を看 護 師と共 有して いた 笑 顔で帰っ た 0 0 表5
.
入院 後の子 ど もの反応 とフェ イススケー
ル (FS
) 子 ど も の 反 応A
のFS Bの FS スムー
ズに病 棟に入る こと ができた プ レパ レー
シ ョ ンを実 施し た看 護 師に出会う と笑 顔になった す ぐに普 段ど おり遊ぶこと ができた 他の子どもとす ぐに遊ぶ ことができた 病 棟の構 造に迷 うことがな く積 極 的に行動できた ケ ア に主 体 的に参 加でき た 入 院に よ る生 活パ ター
ン の変 化に混 乱する こと が な かった 人 形に愛 着 を感 じていた 手 術の プ レ パ レー
ショ ンの導 人がス ムー
ズだった 2→
02−>
O 院 当 日,
家 を出
る と き に嫌
が ること は な かっ た。
4 .
入院 後
の 子 ど も の 反応
とFS
(
表
5
)
病 棟
に来
たと き,
2
人 と も表 情
は硬
く,
親
の後
ろ に つ い て歩
い て来
た が,
【
スムー
ズ に病 棟
に入
る こ と が で き た】 (
FS
2
)
。 そ して,
【
プレ パ レー
シ ョ ン を実 施
した看
護師
に出会
うと笑 顔
に な り】
,
看
護師
と約 束
し た通 り
「(
お絵
か きセ ッ トを) 持
っ て来
た よ。」
と子
ど も が 自 ら話 して くれ た (FSO
)。
子
ども
は,
ビ デ オや病 棟 見 学
ッアー
で見
たこと を よ く覚 えて いた。
ま ず,
病 室に案 内 さ れ る と 躊 躇 す るこ となく
ベ ッ ド に上
がり
,
おも
ちゃな ど臼分
の荷 物
を出
し,
自分
の好 き な遊
び を始
め,
【
す ぐに普 段
ど お り遊
ぶ こと ができ
た】 (
FSO
)
。ま
た,
遊
び な が ら同 室
の子
ど も が何
を しているのか観 察
し た り話
しか けて お り,
【
他
の子
ど も とす
ぐに遊
ぶ こ と が で きた】
。さ らに
,
子
ど も は,
迷 うこと な く トイレや プレイルー
ム に行
くこ と がで き た り,
処 置
室に行
く とき も臼
ら すす
ん で入
っ てお り,
【病 棟
の構 造
に迷 う
こと が なく積
極 的に行.
動で き た】 (
FSO
)
。
検 温
で は,
看護 師
とビデ オ で見
て覚
えて いること を話
し な が ら,
「
わ あ光
っ て る(
B
)
」と自
ら機 器
に触 れ
る など楽
しん で おり,
【
ケ ア に主体
的に参
加でき た 】(
FSO
)
。
ま た,
遊
びの途 中
に検 温
の時 間
に な るとす
ぐに遊
び を終 了 す
る こと ができた り,
食 事
が 配 膳 さ れ る と臼
ら于
を洗
いに行
く な ど食 事
の準 備
が でき
た り,
普 段
と違
う就 寝 時 間
にも
か か わ らず
すぐ
に入 眠
する こ と がで き,
【
入 院
によ る生
活
パ ター
ン の変 化
に 混乱 す
る こ と が な か っ た】
。
看 護 師
がビデオ に登場
し た人 形
を 子どもの と ころに連
れて行 く
と,
子
ど もは,.
.
一
緒
に遊 びに参 加
さ せてお医者
さん ごっ こを し た り,食
事
の時
は臼分
の横
に座
ら せてい る な ど【人形
に愛着
を感
じて いた】
。 そ して,
手
術の プレパ レー
シ ョ ン の ア ルバ ム にも 同じ人 形が登場
した こ と で,
手 術
の プレパ レー
シ ョ ン にも楽
しみな が ら 参 加 してお り,
【手 術の プ レパ レー
シ ョ ン の導
入26
神 戸 市 看 護 大 学 紀 要 Vol.
12,
2008 が ス ムー
ズ だっ た】 (
FS
1
)
。
5 .
保 護 者
の反 応 (表6
)2
組
の親
とも
,
普
.
段
の受 診
か ら子
ど も に事 実
を伝
え てお り,
受 診
の際
に子 ど もに抵 抗
さ れ困
っ
た経 験
は な かっ
た。 そ して,
す
で に今
回の入 院
につ い ても 「お泊
り するよ 」 「治 して も ら うよ」
と子
ど もに話
し て お り,
プ レパ レー
シ ョ ンに.
参 加
する た め に病
院へ行
く時
も 「お話
し聞
きに行
こう(
A
)
」
「病 院 見
に行
こう(
B)」
と話
して お り,子
ども が拒 否
す ること は な かっ
た。プレパ レ
ー
シ ョ ンの参 加 動 機
と して,
「(
入 院
にっ い て) 詳 し く は 壽.
うてないか らこ こ で(
聞
い て ほ しい)
(
A
)
」 と看 護 師
に入 院
にっ い て親
が知
ら ない こ と を 【子 ど もに直 接 話
すこと を 望ん で い た】
り,
「私
が出
産
の時
こうい うの(
病 棟 見 学
ッ アー
) が あっ て, す ご い ため になっ た か ら。子
ど も も同
じよ う に構
え が で き るか な と思
っ て(
B
)
」 と実 際
に 入院
す る場
を 見 ること で 【子
ど もに入院
に対
する“
心構
え”
をっ ける こ と を望
んで い た】
。 しか し,A
は 「(
プ レパ レー
シ ョ ン に参
加
して も) 実 際
に そ の場 (
入 院 )
に なら
ない と わ か ら へ んやろ し」 と子 どもが理 解で き る か半 信 半 疑
で あっ
た。プ レ パ レ
ー
ショ ン中
の親
は,
子ども 同 様に ビ デオ や病
棟
の施
設に興 味
を もっ て見
ており
,
【子
ど も と一
緒
に参 加
し】
,
途 中
,
親
か ら看 護 師
に質
問 を した り す る こと は な く,【
y
一
ど もの様 子
を見 守
っ
てい た】
。 プ レ パ レー
ショ ン に参 加
して い ると きの子
ども
の様 子 を 見
て,
「
(子 ど も が) 興 味
を持
っ てみてい るな(
A
)」 「怖
がっ て ないあ なあ(
B)
」「(
病 棟 見学
ツ アー
が)探 検
ごっ こ み たい で 楽 し そ う (B
)」
と 【子 ど もの反 応 を 見て安
心 して い た】
。 さ ら に,
プ レ パ レー
ショ ン の内容
を み て 「丁 寧 に して も ら え た (A
)」 「不 安
が らな くて よ か っ た(
B
)
」と,
【看 護 師
が子
ども
に伝
え た内容
につ いて評価
し】
,
「信 頼 感
が 持て た(
A
)
」と【
看 護 師
に信 頼 感
を抱
いて いた】
。プ レパ レ
ー
シ ョ ン後のパ ン フ レッ トを用
い た入 院
生活
や子
ども
へ の説 明
の とき,
親
は,
入院
時
の持
ち物
に つ い て質 問
し たり
,
「
打
ち解
け ない と な か な か話
せ な い子
な ん です(
A)」
と子
ど もの性 格
や, 「薬
が苦 手
で飲
め ない か も し れ ま せ ん(
B)
」と子
ど もの特 性
を伝
え,
入 院 中
に【
看 護 師
に配慮
してほ しいこと伝 えていた 】。
そ して
,
こ のよ うにプレパ レー
シ ョ ンに親
と して参
加
した ことで,
「
ああ,
入 院
して手 術
す るんだ な と 思っ た (B
)」
と話
して い る ように【
保 護 者 自身
の“
心構
え”
を
っ けて い た】
。
帰
宅後
,
入 院
が近
づく
にっ れ親
は,
子
どもに入 院
や手術
につ い て繰 り
返 し話
して いた が,
「痛 く
ない よと か(
話 す
の は)
やめて くだ さい っ て聞い ておい てよかっ た。…
(
中 略 ) (
手 術 後 )子
ど もも
そ の通 り
やっ た み た い な こと言
っ て た し(B
)」と 【ア ドバ イス を 子 ど もへ の説 明
に役
立て てい た】
。 そ して,
子
ども
が「(
入 院 期
間
は 2週 間程
であ
るが)
3
日で帰
れ る ん だ よ ね(
A )
」
と話
してく
る と親
は子
ども
が間違
っ た 理解
を して い るこ とに気
づ き,
【子
ど もの理解
を確 認
し,
正 しい情 報
を与
え て い た】
。
そ して,
「だ ん だ ん無口に なっ て きて,
い っ も より
スキ ン シ ッ プ を求
める よう
に な り まし
た(
A)」
「入院
日が決
ま っ た ら不 安
な 感 じになっ
て,
“
嫌
だ なあ”
を連 発
して いま
した(
B)
」と【子
ども
の変 化
を敏 感
に感 じ と り 】,
「で も まあ こん な も ん か と(
B
)」
と【
ネ ガテ ィブ な反 応 も肯 定 的
に受
け止
め るこ と がで きた】。
これ らの よ うに家 庭において入院
まで,
親
は,
子
ども
の入 院
に対 す
る準 備 を
.
支 援
して いた。
入 院 後
,
子 ど も が病棟
の中
で迷 わなかっ
た こと だ け で なく
,
「何
が どこ に ある かわか っ た し(
B
)
」 と【
親
も病 棟
の構 造
が わ か り迷
わ な か っ た】
。 ま た,
「子
ど もは薬
が 飲 め ないっ
て こと を話
し て た ら,
初
日か ら薬
の ことを気
に して工夫
して も ら えて よ かっ た (B
)」
と 事 前に子 ど もの特 性
を伝
え てお くことで,
入 院 当 初
から対処
しても
ら え たことで【
事 前
に 子 ど もの特
性
を伝
え たこ とに対
する看
護師
の 配 慮 を評 価
して い た】
。
そ して,
「
次 何 す
る か大 体
わ か っ て た し(
A )
」
「眠 れ ない と か 困 ることはな かっ
た ですね(
B)
」と【
入 院
に よ り子
ど も の生 活
パ ター
ンが変化
して も親
が 戸 惑 うことは な かっ た】
。 さ らに,
子
ど も が乎 術
の プ レ パ レー
シ ョ ンに も楽
し み な が ら参 加 して い たことにつ い て,
「(
プ レ パ レー
シ ョ ン のア ル バ ムに)
ビ デ オ と同
じ人 形
がで て きて,
○ ○ も喜ん でま し た し,
怖 がるこ と が な かっ
たの で。結 構 安
心になっ た と思
います (
B
)
」と【手 術
の プレ パ レー
シ ョ ンへ の導 入 がス ムー
ズだっ たこと を評 価
して いた】
。
以 上
の こ とか ら【
プ レ パ レー
シ ョ ン に参 加
してよ かっ た と 感 じて いた】
。
V .
考 察
1
.
プ
レ パ レー
シ ョ ンの方
法 について本
研 究で は,
プ レパ レー
シ ョ ン の最初
と最 後に遊 び計 画 入 院をする予どもへ の プ レパ レ