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看護学および社会福祉学領域におけるコーパス言語学的アプローチの基礎研究

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       * 岡山県立大学保健福祉学部 ** 岡山県立大学大学院保健福祉学研究科看護学専攻 *** 岡山県立大学大学院保健福祉学研究科保健福祉学専攻 1.はじめに  まず、看護学および社会福祉学領域とコーパス言 語学との親和性について考えてみたい。例えば、一 般的なカメラがフレーム内に収まる「現実世界」を 幾何学的に近似した<世界>として再現すること を可能にしているのに対し、ヒトが捉える「現実 世界」の心的表象を言語で切り出し、再現するいわ ば「現実世界」の虚構とも言えるメディア上の<世 界>とでは、その言語的再現性という点に関しては 正確さに欠けると言える。つまり、物理的実体や社 会的事象が織り成すまさに森羅万象の「現実世界」 と、それらに対する受容的解釈行為から形成される 心的表象と、そこから発展的且つ相互作用的な能動 的産出行為の結果として言語によって再現する<世 界>との間には、受け手や読み手の経験値などに起 因する知覚・認知上のズレや歪みが散在している。 確かに、言語や映像等のメディアを駆使して「現実 世界」(の一端) を “ ソレ ” らしいものとして近似的 に扱うことは可能であるが、“ソレ ” をまさに “ ソレ ” として言語的に再現することはほぼ不可能と考えら れ、何らかのズレや歪み、時に偏向的な “ 特定の読 み ” が与えられることがある。  同様に、看護学および社会福祉学領域で扱う「現 実世界」とメディア(主に言語)によって再現され る<世界>との間においても、ズレや歪み、特定の 読みが介在していると言える。本稿では、そうした 看護学と社会福祉学領域での「現実世界」とメディ ア上で言語的に再現される<世界>とのズレや歪 み、とりわけ特定の読みに関して、コーパス言語学 的手法と内容分析を取り入れながら、分析考察をす すめていくことにする。実際、言葉のデータベース と言えるコーパスは、多種多様なヒトが言語的に再 現している<世界>の集積と捉えられ、ヒトの< 世界>の捉え方を観察可能な状態にしたものと言え る。また、それを基に統計的に抽出された語は、< 世界>の一端を担う特徴的な構成要素であり、コー パスに内在する物理的実体や社会的事象を投影する ものと考えられる。  本稿は、岡山県立大学大学院博士前期課程の専攻 共通科目である「国際コミュニケーション特論」で 取り上げた内容を基に、その研究成果の一環として 履修学生が各自の研究テーマに関連する研究キー

看護学および社会福祉学領域における

コーパス言語学的アプローチの基礎研究

関根紳太郎 * 岡部真子 ** 小林由夏 ** 佐々木彩佳 **

角田八千代 ** 橋口伸之介 *** 水野正義 ***

要旨 本稿は、岡山県立大学大学院前期課程の専攻共通科目である「国際コミュニケーション特論」で取り上 げたコーパス言語学と内容分析を用いて、履修者が共同執筆者として各自の研究テーマの一端を解明するもの である。本稿では、分析対象として共通の看護社会福祉領域コーパスを作成し、それを基に分析対象語を抽出 した。そして、分析対象語を含む言葉の意味的まとまり(ディスコースおよびディスコース・セグメント)に 対して内容分析を試みた。本稿は、複数の執筆者によるオムニバス的論考であるため、考察結果も様々であるが、 看護学および社会福祉学領域へのコーパス言語学的アプローチの推進のために、速報的・記録的にまとめた研 究プロポーザル的要素を含むものである。 キーワード:コーパス言語学、内容分析、看護、社会福祉、国際コミュニケーション

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ワードを分析対象として、看護学および社会福祉学 領域という括りの中で英語圏メディアにより再現さ れる(「現実世界」と近似的な)<世界>を評価し たものである。本稿では、“ 評価 ” を「研究対象を 分析、検証し、そこで用いられる言語の意味的特 性や言語から醸成されるコンテクストや言外の意 味、いわゆる “ 含み ” を解明することであり、<世 界>に内在する特定の読みを顕在化すること」と定 義する。こうした評価を実践することで、各履修学 生が、主たるテクストである言語やコンテクストの 主成分と言える「(異)文化(的意味付け)」に対す る意識の高まりを含めた「メタ言語力」や「メタコ ミュニケーション力」を養い、より高みから研究対 象となる<世界>を俯瞰し、翻って、言語や文化の 要素を多分に包含する看護学および社会福祉学領域 の「現実世界」と<世界>への意識が深化すること を期待する。  なお、本稿の執筆にあたり、「国際コミュニケー ション特論」の全履修学生 6 名が、研究の主旨を理 解し、共通の研究手法を用いて、各自の学問的関心 を研究ノート的にまとめることを目指した。また、 考察結果は様々であるが、科目担当責任者が投稿論 文として一貫性のある内容構成および書式となるよ う体裁を整えた。 2.研究方法とコーパス分析  まず、分析対象となる看護社会福祉領域コーパス を作成する。コーパス作成にあたり、各執筆者の研 究領域(看護学、幼児教育学・保育、社会福祉学) に関連するメディア上のテキストから採取する。1) 次に、分析対象コーパスと参照コーパス2)を用い て、特徴語(keyness)を抽出する。抽出するにあ たり、統計指標の1つである対数尤度比(G-score) を採用する。3)そして、抽出された特徴語と共起 する語(以下、関連語とする)を包含する意味のあ る文のかたまり(ディスコース)もしくはその断片 (ディスコース・セグメント)について内容分析を 試みる。  こうしたコーパスを活用した量的分析は、研究者 の恣意性をかなりの程度まで排除し、統計的有意性 を根拠とした客観的妥当性を担保することを可能に していると言える。  巻末の表が看護社会福祉領域コーパスの特徴語上 位 30 語である。(紙面の制約上、上位 30 語を抽出 した。また、機能語である the や and 等は排除し、 内容的に意味のある内容語のみを掲載した。) 3.内容分析  2で抽出した特徴語を基に、6名の執筆者が各自 の学問的関心により分析対象語を選出し、それらを 内包するディスコースおよびディスコースセグメン トについて内容分析をすすめる。 3-1.岡部研究  近年、IT 技術は著しい発達を遂げている。その 中でも、ウェアラブルウォッチやスマートバンドな どの身体装着型のウェアラブルデバイスの市場規模 は年々拡大している。特に、ウェアラブルウォッチ は、歩数や消費カロリーだけでなく血圧、心拍、睡 眠の質など様々な項目が測定可能となっている。こ のことから、自身の生体情報を 24 時間セルフモニ タリングすることができ、健康管理の新しい方法の 一つになりえると考えられている。そこで研究テー マとして、ウェアラブルデバイスを活用した介入を 行うことで地域住民の健康意識は向上するのかとい う点について明らかにしていきたいと考えている。 その研究の一端として、今回メディアを活用した量 的分析としてコーパスを用い、質的考察として内容 分析を取り入れ、国際的視座からエビデンスの一部 分の抽出と評価を試みる。 【量的分析】  本稿では、看護社会福祉領域コーパスにおいて コーパス言語学的に特徴が見られた health を中心語 とし、それに共起する関連語として care を選択し た。これら 2 語を分析対象として、英語文化圏の中 で社会的にどのように使用されているのかを考察す るとともに、その概念が医療・看護の〈世界〉でど う活用できるのか検討してみたい。 ードを分析対象として、看護学および社会福祉学領 域という括りの中で英語圏メディアにより再現され る(「現実世界」と近似的な)<世界>を評価したも のである。本稿では、“評価”を「研究対象を分析、 検証し、そこで用いられる言語の意味的特性や言語 から醸成されるコンテクストや言外の意味、いわゆ る“含み”を解明することであり、<世界>に内在 する特定の読みを顕在化すること」と定義する。こ うした評価を実践することで、各履修学生が、主た るテクストである言語やコンテクストの主成分と言 える「(異)文化(的意味付け)」に対する意識の高 まりを含めた「メタ言語力」や「メタコミュニケー ション力」が養成され、より高みから研究対象とな る<世界>を俯瞰し、翻って、言語や文化の要素を 多分に包含する看護学および社会福祉学領域の「現 実世界」と<世界>への意識が深化することを期待 する。 なお、本稿の執筆にあたり、「国際コミュニケーシ ョン特論」の全履修学生 6 名が、研究の主旨を理解 し、共通の研究手法を用いて、各自の学問的関心を 研究ノート的にまとめることを目指した。また、考 察結果は様々であるが、科目担当責任者が投稿論文 として一貫性のある内容構成および書式となるよう 体裁を整えた。 2 2.. 研研究究方方法法ととココーーパパスス分分析析 まず、分析対象となる看護社会福祉領域コーパス を作成する。コーパス作成にあたり、各執筆者の研 究領域(看護学、幼児教育学・保育、社会福祉学) に関連するメディア上のテキストから採取する。1) 次に、分析対象コーパスと参照コーパス2)を用いて、 特徴語(keyness)を抽出する。抽出するにあたり、 統計指標の1つである対数尤度比(G-score)を採用 する。3)そして、抽出された特徴語と共起する語(以 下、関連語とする)を包含する意味のある文のかた まり(ディスコース)もしくはその断片(ディスコ ース・セグメント)について内容分析を試みる。 こうしたコーパスを活用した量的分析は、研究者 の恣意性をかなりの程度まで排除し、統計的有意性 を根拠とした客観的妥当性を担保することを可能に していると言える。 巻末の表が看護社会福祉領域コーパスの特徴語上 位 30 語である。(紙面の制約上、上位 30 語を抽出 した。また、機能語である the や and 等は排除し、 内容的に意味のある内容語のみを掲載した。) 3 3..内内容容分分析析 2の抽出した特徴語を基に、6名の執筆者が各自の 学問的関心により分析対象語を選出し、それらを内 包するディスコースおよびディスコースセグメント について内容分析をすすめる。 3 3--11..岡岡部部研研究究 近年、IT 技術は著しい発達を遂げている。その中 でも、ウェアラブルウォッチやスマートバンドなど の身体装着型のウェアラブルデバイスの市場規模は 年々拡大している。特に、ウェアラブルウォッチは、 歩数や消費カロリーだけでなく血圧、心拍、睡眠の 質など様々な項目が測定可能となっている。このこ とから、自身の生体情報を 24 時間セルフモニタリ ングすることができ、健康管理の新しい方法の一つ になりえると考えられている。そこで研究テーマと して、ウェアラブルデバイスを活用した介入を行う ことで地域住民の健康意識は向上するのかという点 について明らかにしていきたいと考えている。その 研究の一端として、今回メディアを活用した量的分 析としてコーパスを用い、質的考察として内容分析 を取り入れ、国際的視座からエビデンスの一部分の 抽出と評価を試みる。 【量的分析】 本稿では、看護社会福祉領域コーパスにおいてコ ーパス言語学的に特徴が見られた health を中心語 とし、それに共起する関連語として care を選択した。 これら 2 語を分析対象として、英語文化圏の中で社 会的にどのように使用されているのかを考察すると ともに、その概念が医療・看護の〈世界〉でどう活 用できるのか検討してみたい。 health care 中心語頻度 225 共起語頻度 169 共起頻度 33 コーパス語数 66190 ■共起強度計量結果■ 共起頻度 33.000 Tスコア 5.645 相互情報量 5.844 対数尤度比 214.13

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【内容分析】 *下線とイタリック体は筆者、以下 同じ。なお、T スコアと相互情報量は石井(2004) を参照。

1)Mobile technology has become a ubiquitous part of everyday life and is changing the way we offer clinical care and perform clinical research. [The Future of Wearable Technologies and Remote

Monitoring in Health Care. 2019]

用例1)では、モバイル技術は日常生活の至る所に あり、私たちの臨床ケアと臨床研究の方法を変化さ せているという指摘がある。

2)We have unprecedented access to data for one's self-care as well as for sharing with health care providers. Meeting the challenge posed by the influx of wearable device data requires a multidisciplinary team of researchers, clinicians, software developers, information technologists and statisticians. Although the possibility of what can be achieved with the ever-evolving wearable technologies seems to be unlimited, regulatory agencies have provided a framework to establish standards for clinical applications, which will also affect research applications.

用例2)では、IT 技術が自己のセルフケアデータ を医療関係者4)と共有し活用できるという点に着眼 している。また、ウェアラブル機器データの導入に よる課題解決には研究者や、臨床医、ソフトウェア の開発者、情報技術者や統計学者など、学際的な研 究チームが必要であると述べている。 【まとめと考察】   こ う し た 用 例 か ら、 内 容 分 析 の 中 で 注 目 し た、ubiquitous について国語辞典で見てみると、 ubiquitous とは、「あらゆるものにコンピューター が内蔵され、いつでも、どこでもコンピューターの 支援が得られるような世界や概念」を指すもので、 インターネットなどの情報ネットワークに、場所や 時間の制約なくアクセスできる環境が整えば、場 所にとらわれない働き方や娯楽が実現できるよう になるという概念であると記されている。また、 一般にユビキタス・コンピューティングともいわ れ、人がコンピューター機器を身につける方法を研 究するユビキタスの一分野にウェアラブル・コン ピューターがある。英英辞典では、“seeming to be everywhere-sometimes used humorously” とある。 このことからも、ubiquitous は時や場所を超えてコ ンピューターに管理制御されているという概念であ ることが分かる。  次に身体にコンピューター機器を装着するユビ キタスの一分野であるウェアラブルデバイスに ついて考えてみると、まず初めにウェアラブル (wearable)とは、「①身につけられるさま」「②着用 できるさま」などがあり、英英辞書のwearableは、 “computer that is designed to be worn as an item of clothing” とある。  このようにウェアラブルとは、常にコンピュー ターを身体に装着することができるという事を指し ている。先の内容分析にも示したように、ウェアラ ブルデバイスによってコンタクトレンズ装着時の眼 の状態をセルフモニタリングすることを可能とし、 それによってドライアイ疾患の理解につなげること や、また、歩数や活動量以外の測定項目としては、 心拍や血圧、睡眠の質など幅広い項目を測定し、バ イタルサインをセルフモニタリングすることは、ヘ ルスケアをユビキタスの環境下で管理する一助にな ると言えよう。  一方で、ウェアラブル機器でのデータ管理は始 まったばかりである。今後様々な職種との連携を通 してウェアラブルのシステム開発は推進されていく と考えられる。その中で、看護職など医療関係者と してヘルスケアの視点からの利用法についても今後 検討を深めていく必要があろう。 3-2.小林研究  研究テーマは、高齢者のコミュニティ・エンパワ メントに影響する要因について検討することであ り、そのためには日本国内だけでなく、国際的な視 点からみた地域社会資源5)を踏まえて考察すること が重要であると考える。そこでメディアを活用した 量的分析としてのコーパスと質的考察である内容分 析を取り入れた。 【量的分析】  本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいて言 語学的に特徴的であった social を中心語とし、それ と共起する関連語の capital を分析対象として、そ れが英語文化圏でいかに社会的に使用されているか

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を考察するとともに、その概念がエンパワーメント の研究においてどのように活用できるかを検討した

い。

【内容分析】

1)One of the major interests articulated by stakeholders is gaining an understanding why some communities adapt better to change than others, why some communities are able to do better with a given set of resources, and what influences shape community confidence in achieving goals. Stakeholders are especially keen to understand what role social capital may have in shaping these outcomes. If the links between social capital and community confidence and adaptability are shown to be sufficiently strong, then building social capital in communities is likely to become an increasing focus of policy.

[Sosial Capital and Social Wellbeing(Discussion Paper)

Commonwealth of Australia 2002 ]  オーストラリアの利害関係者(すなわち地方自治 体、地域住民、地方企業団体等)によって明確にさ れた主要な関心事の 1 つは、あるコミュニティが他 のコミュニティよりも変化に順応しやすい理由、あ るコミュニティが与えられた一通りの資源によって よりうまくできる理由、そしてコミュニティが目標 を達成するために何が影響を与えるのかを理解する ことである。利害関係者は、社会関係資本がこれら の結果を形成するうえでどのような役割を果たして いるのかを理解することに特に熱心である。社会関 係資本と地域社会の信頼と適合性との間の関連性が 十分に強いことが示されている場合、地域社会に社 会関係資本を構築することが政策において一層重視 されるようになる可能性が高いと筆者は指摘してい る。

2)The potential benefits of social capital can be seen by looking at social bonds. In the United Kingdom, for example, a government survey found that more people secure jobs through personal contacts than through advertisements. Such support can be even more important in countries where the rule of law is weak or where the state offers few social services: clans can fund the education of relatives and find them work, and look after orphans and the elderly. But bonds can hinder people, too. Almost by definition, tightly knit communities, such as some immigrant groups, have strong social bonds, with individuals relying heavily for support on relatives or people who share their ethnicity.

[OECD Insights: Human Capital. What is social

capital? OECD Submitted by WebminForTheIOM4d on October 28, 2009 ]  社会関係資本の潜在的な利益は、社会的絆を見る ことによって見ることができる。たとえばイギリス では、政府の調査によると、広告よりも個人的な連 絡先を通じて仕事を確保する人が多いことが明らか となった。このような社会的な結びつきや地域の支 えは、法の支配が弱い国や社会サービスがほとんど ない国ではさらに重要になる可能性があり、氏族が 親戚の教育に資金を提供し、仕事を見つけ、孤児や 高齢者の世話をすることができる。また、一般的に は、一部の移民グループのような緊密に結びついた コミュニティは強い社会的絆を持っており、個人は 親戚や民族を共有する人々への支援に強く依存して いる様子が窺える。 【まとめと考察】  このように、イギリスなどの法の支配が弱い国で は、円滑な社会(や地域コミュニティ)のネット ワークの構築(結束)とその効率性を高める資源と して social capital を捉えており、政府と地域が一 丸となって social capital を社会(や地域コミュニ ティ)に導入し、稼働させようとする高い意識や活 動が見られる。特に社会的弱者(高齢者や課題のあ る方)に対するそうした支援活動は、エンパワーメ 研究においてどのように活用できるかを検討したい。 social capital 中心語頻度 246 共起語頻度 162 共起頻度 135 コーパス語数 66190 ■共起強度計量結果■ 共起頻度 135.000 Tスコア 11.567 相互情報量 7.809 対数尤度比 1457.80 【内容分析】※下線は筆者、以下同じ。

1)One of the major interests articulated by stakeholders is gaining an understanding why some communities adapt better to change than others, why some communities are able to do better with a given set of resources, and what influences shape community confidence in achieving goals. Stakeholders are especially keen to understand what role social capital may have in shaping these outcomes. If the links between social capital and community confidence and adaptability are shown to be sufficiently strong, then building social capital in communities is likely to become an increasing focus of policy. [Sosial Capital and Social Wellbeing(Discussion Paper)Commonwealth of Australia 2002 ] オーストラリアの利害関係者(すなわち地方自治体、 地域住民、地方企業団体等)によって明確にされた 主要な関心事の 1 つは、あるコミュニティが他のコ ミュニティよりも変化に順応しやすい理由、あるコ ミュニティが与えられた一通りの資源によってより うまくできる理由、そしてコミュニティが目標を達 成するために何が影響を与えるのかを理解すること である。 利害関係者は、社会関係資本がこれらの結 果を形成するうえでどのような役割を果たしている のかを理解することに特に熱心である。 社会関係資 本と地域社会の信頼と適合性との間の関連性が十分 に強いことが示されている場合、地域社会に社会関 係資本を構築することが政策において一層重視され るようになる可能性が高いと筆者は指摘している。 2)The potential benefits of social capital can be

seen by looking at social bonds. In the United Kingdom, for example, a government survey found that more people secure jobs through personal contacts than through advertisements. Such support can be even more important in countries where the rule of law is weak or where the state offers few social services: clans can fund the education of relatives and find them work, and look after orphans and the elderly. But bonds can hinder people, too. Almost by definition, tightly knit communities, such as some

immigrant groups, have strong social bonds, with individuals relying heavily for support on

relatives or people who share their ethnicity. [OECD Insights: Human Capital. What is social capital? OECD Submitted by

WebminForTheIOM4d on October 28, 2009 ] 社会関係資本の潜在的な利益は、社会的絆を見るこ とによって見ることができる。たとえばイギリスで は、政府の調査によると、広告よりも個人的な連絡 先を通じて仕事を確保する人が多いことが明らかと なった。このような社会的な結びつきや地域の支え は、法の支配が弱い国や社会サービスがほとんどな い国ではさらに重要になる可能性があり、氏族が親 戚の教育に資金を提供し、仕事を見つけ、孤児や高 齢者の世話をすることができる。また、一般的には、 一部の移民グループのような緊密に結びついたコミ ュニティは強い社会的絆を持っており、個人は親戚 や民族を共有する人々への支援に強く依存している 様子が窺える。 【まとめと考察】 このように、イギリスなどの法の支配が弱い国で は、円滑な社会(や地域コミュニティ)のネットワ ークの構築(結束)とその効率性を高める資源とし て social capital を捉えており、政府と地域が一丸と なって social capital を社会(や地域コミュニティ) に導入し、稼働させようとする高い意識や活動が見 られる。特に社会的弱者(高齢者や課題のある方) に対するそうした支援活動は、エンパワーメントの 促進のための潤滑油として機能していると言える。 エンパワーメントとは、国語辞典では、「①力をつ けること」、「(特に女性が)力をつけ、連帯して行動 することによって自分たちの置かれた不利な状況を

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ントの促進のための潤滑油として機能していると言 える。  エンパワーメントとは、国語辞典では、「①力を つけること」、「(特に女性が)力をつけ、連帯して 行動することによって自分たちの置かれた不利な状 況を変えること」、「権限の委譲」、「(開発途上国な どの)自立促進」などの意味があり、また、英語辞 書的には、

“the act or action of empowering someone or something : the granting of the power, right, or authority to perform various acts or duties” や “the state of being empowered to do something : the power, right, or authority to do something” と ある。さらに、動詞 empower は、“to give official authority or legal power to” や “to promote the self-actualization or influence of” と な っ て お り、 「(法的な)権利や権限を与え」たり、それらを行使 する「自立的活動を促し」たりするといったことが 含意されている。  また、看護分野におけるエンパワーメントは「パ ワーレスな人々が自らの生活をコントロールする能 力を獲得し、生活する組織、生活構造に影響を与え るプロセス」6)と定義され、患者が自らの問題を解 決できるようにするために、患者に本来備わってい る能力を引き出すよう働きかけることであるとも捉 えられる。この点から、支援や環境の構築により、 患者が本来の能力を引き出せるようになるその過程 がエンパワーメントと考えられる。つまり、エンパ ワーメントという語に表象される(認知的)意味世 界が成立するには、本来自己が有する能力を最大限 に活かせない(社会的)環境にある人の、そうした 環境からの脱却であり、本人とその支援者による抵 抗とみなすことができよう。 3-3.佐々木研究  近年の日本国内における社会構造の変化として、 家族構成の変化や家庭と地域関係の希薄化などが挙 げられる。今後ますます家族の在り方、地域関係が 多様化していくことが予測され、その変化に伴い 様々な社会現象に対応していくことも時には重要で ある。そこで今回は、研究テーマである地域住民と 子育て家族との関わりについて、多文化的な背景を もつ英語文化圏の文献を通して検討する。メディア を活用した量的分析であるコーパスと、質的分析と しての内容分析を行い、多文化的な視点で地域と子 育て家族について考察したいと思う。 【量的分析】  本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいて言 語学的に特徴的であった social を中心語、それと共 起する関連語の capital を分析対象として、それが 英語文化圏でいかに捉えられているかを考察すると ともに、日本の近年の変化を踏まえた上で、子育て 家族が周囲にある支援の認識に繋がる考え方につい て検討してみたい。 *上掲の 3-2 小林研究の表を参照 【内容分析】

1)Author Lyda Hanifan referred to social capital as “those tangible assets [that] count for most in the daily lives of people: namely goodwill, fellowship, sympathy, and social intercourse among the individuals and families who make up a social unit”.

That gives some sense of what’s meant by social capital, although today it would be hard to come up with a single definition that satisfied everyone. For the sake of simplicity, however, we can think of social capital as the links, shared values and understandings in society that enable individuals and groups to trust each other and so work together.

[OECD Insights: Human Capital. What is social capital?

OECD,Submitted by WebminForTheIOMm4d on October 28, 2009]  ソーシャル・キャピタル(以下、SC とする)は 「人々の日常生活の中で最も重要とされる有形資 産:すなわち、社会的単位を構成する個人と家族の 間の善意の心、交わり、共感、そして社会的交わ り」と定義されている。SC が何を意味しているの かについて、今日ではすべての人を満足させる単一 の定義を思いつくことは困難だが、ある程度の意味 として、SC とは、個人とグループが互いに信頼し 合い、協力することを可能にする、社会におけるつ ながり、共有された価値観および相互理解として考 えることができると示されている。

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potentially provide valuable insights into the social networks and links that individuals and communities have, and importantly how these networks and links can be utilised to contribute to positive outcomes for the individual and the community alike.

[Social Capital and Social Wellbeing (Discussion Paper),

Commonwealth of Australia 2002]  SC の測定は、個人とコミュニティの持つソー シャルネットワークやつながりに価値ある見識をも たらすとされており、どのようにしてこれらのネッ トワークやつながりを個人とコミュニティ同様にプ ラスの成果として寄与するよう利用できるかが重要 だと示唆されている。 【まとめと考察】  英語文化圏であるオーストラリアにおいて、社 会で生じる様々な人を介した現象を、SC という概 念で説明し、官民協働で社会の仕組みに取り入れ ようとしている。OECD7)(2001) の定義で説明す れ ば、SC と は、"networks, together with shared norms, values and understandings which facilitate cooperation within or among groups" と あ る。 つ まり、集団内部・集団間の協力を円滑にする共通の 規範、価値観・理解をともなうネットワークと訳さ れ、ネットワークがその根幹であると言える。英 語文化圏の多くは、宗教的な背景から個人主義が 主流である。個人主義とは広辞苑 ( 第 4 版 ) では、 「個人を立脚点とし、社会や集団も個人の集合と考 え、それらの利益に優先させて個人の意義を認める 態度」とあり、英語辞書においても “the belief that the rights and freedom of individual people are the most important rights in a society” と、同様な捉え 方がされている。しかし、個人の概念は文化的な背 景より異なっているため、SC の理解に際しては、 宗教的な要素も加味する必要がある。8)  以上のことを踏まえると、英語文化圏における SC は、個人やその集まりであるコミュニティに価 値ある見識をもたらし、また、個人、コミュニティ が自らネットワークやつながり等を改善すること ができる可能性をもつものであると捉えられる。し かし日本においては、このように SC の価値を共有 し、相互理解へ繋げるという考え方は一般的ではな い。各々の個人は地域の所有している SC に対し異 なる価値観を持ち、それ故に資源に気づかないこと や、無意識での限界設定が生じるのである。そのた め、英語文化圏のように、SC を無限に広がる多様 な種類の資源として捉え、個人そしてコミュニティ の中で活用していくためには、価値観の共有や相互 理解の機会が重要となってくると考えられる。地域 の中で自分たちの持つ資源について、各自の意見を 共有し様々な人の目線から考えることで、共通理解 につながり、その地域の SC に関する価値観が共有 される。これは特別な機会を設ける必要はなく、地 域の会合など何らかの集まりにおいて、話題を提供 すれば簡単に行うことができる。  このようにして SC を通して相互理解を深めるこ とにより、特別に地域外からの支援がなくとも、地 域内の資源によりある程度の困難が解消されると考 えられる。特に、子どもに関係した家族の役割や子 育ての役割を考える中で、SC の考え方を取り入れ ることは、フォーマルな支援では支えきれない部分 を人と人とのつながりを活用したインフォーマルな 支援でまかなうことにつながるであろう。 3-4 角田研究  研究テーマは「乳児の睡眠」と睡眠が継続されや すい「寝床環境」である。「寝床環境」を整えるう えで、まず「乳児の睡眠」についてのより広い知見 を得ることが重要であると考えた。そこで、コーパ ス分析を用いて、日本国内のみでなく英語文化圏で の文献から国際的な知見を得たうえで、乳児の睡眠 について質的考察を試みたいと思う。 【量的分析】  本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいて コーパス言語学に特徴的であった infant を中心語と し、それと共起する関連語の sleep を分析対象とし て、それが英語文化圏でいかに使用されているかを community alike.

[Social Capital and Social Wellbeing (Discussion Paper), Commonwealth of Australia 2002]

SC の測定は、個人とコミュニティの持つソーシャル ネットワークやつながりに価値ある見識をもたらす とされており、どのようにしてこれらのネットワー クやつながりを個人とコミュニティ同様にプラスの 成果として寄与するよう利用できるかが重要だと示 唆されている。 【まとめと考察】 英語文化圏であるオーストラリアにおいて、社会 で生じる様々な人を介した現象を、SC という概念で 説明し、官民協働で社会の仕組みに取り入れようと している。OECD7)(2001)の定義で説明すれば、SC

とは、"networks, together with shared norms, values and understandings which facilitate cooperation within or among groups"とある。つま り、集団内部・集団間の協力を円滑にする共通の規 範、価値観・理解をともなうネットワークと訳され、 ネットワークがその根幹であると言える。英語文化 圏の多くは、宗教的な背景から個人主義が主流であ る。個人主義とは広辞苑(第 4 版)では、「個人を立脚 点とし、社会や集団も個人の集合と考え、それらの 利益に優先させて個人の意義を認める態度」とあり、 英語辞書においても“the belief that the rights and freedom of individual people are the most important rights in a society”と、同様な捉え方が されている。しかし、個人の概念は文化的な背景よ り異なっているため、SC の理解に際しては、宗教 的な要素も加味する必要がある。8) 以上のことを踏まえると、英語文化圏における SC は、個人やその集まりであるコミュニティに価値あ る見識をもたらし、また、個人、コミュニティが自 らネットワークやつながり等を改善することができ る可能性をもつものであると捉えられる。しかし日 本においては、このように SC の価値を共有し、相 互理解へ繋げるという考え方は一般的ではない。 各々の個人は地域の所有している SC に対し異なる 価値観を持ち、それ故に資源に気づかないことや、 無意識での限界設定が生じるのである。そのため、 英語文化圏のように、SC を無限に広がる多様な種 類の資源として捉え、個人そしてコミュニティの中 で活用していくためには、価値観の共有や相互理解 の機会が重要となってくると考えられる。地域の中 で自分たちの持つ資源について、各自の意見を共有 し様々な人の目線から考えることで、共通理解につ ながり、その地域の SC に関する価値観が共有され る。これは特別な機会を設ける必要はなく、地域の 会合など何らかの集まりにおいて、話題を提供すれ ば簡単に行うことができる。 このようにして SC を通して相互理解を深めるこ とにより、特別に地域外からの支援がなくとも、地 域内の資源によりある程度の困難が解消されると考 えられる。特に、子どもに関係した家族の役割や子 育ての役割を考える中で、SC の考え方を取り入れ ることは、フォーマルな支援では支えきれない部分 を人と人とのつながりを活用したインフォーマルな 支援でまかなうことにつながるであろう。 3 3--44 角角田田研研究究 研究テーマは「乳児の睡眠」と睡眠が継続されや すい「寝床環境」である。「寝床環境」を整えるうえ で、まず「乳児の睡眠」についてのより広い知見を 得ることが重要であると考えた。そこで、コーパス 分析を用いて、日本国内のみでなく英語文化圏での 文献から国際的な知見を得たうえで、乳児の睡眠に ついて質的考察を試みたいと思う。 【量的分析】 本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいてコ ーパス言語学に特徴的であった infant を中心語と し、それと共起する関連語の sleep を分析対象とし て、それが英語文化圏でいかに使用されているかを 考察するとともに、睡眠という<世界>の中で「乳 児 infant」と「睡眠 sleep」について検討したい。 infant sleep 中心語頻度 130 共起語頻度 236 共起頻度 23 コーパス語数 66190 ■共起強度計量結果■ 共起頻度 23.000 Tスコア 4.699 相互情報量 5.633 対数尤度比 140.94 【内容分析】※下線は筆者、以下、同じ。 1)several studies have identified increased

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考察するとともに、睡眠という<世界>の中で「乳 児 infant」と「睡眠 sleep」について検討したい。 【内容分析】

1)several studies have identified increased cortisol levels during pregnancy and after delivery in depressed mothers, suggesting that the maternal hypothalamic pituitary adrenal axis in utero may impact infant sleep. This would serve to prime the stress response in infants and subsequently interfere with the initiation and maintenance of sleep.  …….. and whether those high-risk infants with the most disturbed sleep go on to develop early-onset depression. If so, it will be necessary to determine whether sleep in infancy is modifiable and to define the optimal conditions for entrainment of sleep to the nocturnal period. There is already evidence to indicate that education and behavior sleep interventions improve sleep in both mothers and infants.  [Sleep, Vol. 32, No. 5, 2009 ] 用例1)において、うつ病の母親の妊娠中・産後に おけるコルチゾール値の上昇を確認した研究より、 母親の視床下部下垂体副腎系が乳児の睡眠に影響を 与えている可能性があると指摘している。これは、 乳児のストレス反応を促進させ、その後の睡眠の維 持を妨げている要因になると述べている。乳児の睡 眠行動に影響を与える多くの環境的社会的要因があ る中、母親のうつ傾向が乳児の睡眠に影響を与えて いる可能性を示唆している。乳児の睡眠に影響を与 えている他の要因、ハイリスクな睡眠障害がある乳 児がうつ病の早期発症とも関連しているのかを明確 にしていくには、より大規模な研究が必要であると も述べている。近年では行動的教育的な睡眠介入に より、母親と乳児双方の睡眠が改善されるというエ ビデンスがあるため、今後の研究により乳児期の睡 眠障害は改善できるかどうか、また、夜間睡眠時の 最適条件が何であるかを明らかにしていく必要があ ると明示している。

2)First-time mothers are at particular risk for poor sleep (Lee &Zaffke, 1999; Signal et al, 2007), possibly due to the challenges of learning and adjusting to a new role. Given the burden sleep

loss places on new parents, interventions to help them minimize the stress of sleep loss and assist them in coping with night-time infant care would be welcomed. ……..The interventions are typically behavioral-educational, as hypnotic medications are not recommended for management of long-term sleep problems (i.e., those lasting more than 2 weeks), are not conducive to night-time infant care, and should be avoided if possible in breastfeeding mothers because of potential risk to the newborn (Wolfson & Lee, 2005). Given the demands of the postpartum period, easily implemented, behavioral-educational interventions are the appropriate approach for improving sleep among new parents.  Results for behavioral-educational interventions promoting maternal well-being by improving infant sleep are promising

[Research in Nursing & Health. 2011 Feb; 34(1): 7–19.

Published online 2010 Nov 17.]

用例2)では、新たな役割の獲得や変化に適応する ため睡眠不足になるリスクが特に高い初産の母親に 着眼している。睡眠不足が親に与える負担を考える と、睡眠不足によるストレスを最小限にし、夜間の 乳児のケアがスムーズに行えるように支援をしてい く必要があるとも述べている。用例1)でも取り上 げられたように介入は行動的教育的アプローチであ り、睡眠薬の使用は 2 週間以上続く長期の睡眠問題 には適さないと指摘している。また、睡眠薬の使用 は、母乳育児の母親にとって新生児への潜在的なリ スクを避けるために可能な限り避けた方がよいとの 指摘もある。産後のニーズを考えた時、親の睡眠改 善のために簡単に用いることができる行動的教育的 介入は、乳児の睡眠を促進させ、結果的に母親の幸 福感を促すことになると考察している。 【まとめと考察】  英語圏において、親を含めた「乳児の睡眠」は行 動教育的アプローチにより改善する可能性があると 捉えていることがわかった。また、睡眠障害は親の うつ傾向などの健康状態(具体的にはうつ傾向の妊 産婦のコルチゾール高値であること)と関連してい る可能性があるとの文献もあることから、心理的問 題だけでなく身体的な側面からも分析していく必要 性があると示唆されていた。

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 母子の睡眠を含めた健康状態は、相互に関連して おり母親の睡眠状態は問題なくとも、乳児に睡眠障 害がおこることにより、母親の睡眠不足が助長さ れ、母親がうつ傾向に陥る可能性もある。いずれに しても、母子相互間で睡眠問題は同調しており、乳 児の睡眠が母親の睡眠に大きく関連していることが 言える。  また、親に行動的教育的アプローチをすることで 乳児の睡眠が促進されるとの研究報告があり、乳児 の睡眠改善における有益な示唆があった。具体的に は騒音・光・温度・運動・食事及び睡眠のリズムな どの睡眠環境や寝床環境、日中の生活リズムを、必 要に応じ改善することにより、乳児の睡眠が改善さ れ、親の睡眠障害が最小限になり幸福度が増すこと が考えられる。  これらの結果から、母子相互の睡眠が快適になる よう睡眠に関する行動教育的アプローチと身体的側 面からのアプローチ、睡眠衛生環境(寝床環境含 む)の整備の重要性が明らかになった。乳児の睡眠 についての知見を今後も深めていき、今後の「乳児 の寝床環境」の研究につなげていきたい。 3-5 橋口研究  研究テーマは、幼児にふさわしい園庭環境を検討 することであり、そのためには日本国内だけでなく 国際的なエビデンスを踏まえた考察も重要だと考え る。そこで、今回メディアを活用した量的分析とし てのコーパスと、質的考察としての内容分析を取り 入れることで国際的視座からエビデンスの一端を抽 出し、評価を試みる。 【量的分析】  本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいて コーパス言語学的に特徴的であった play を中心語 とし、それと共起する関連語の outdoor を分析対象 として、それが英語文化圏でいかに(社会的に)使 用されているかを考察するとともに、その概念が幼 児教育・保育の〈世界〉でどのように活用できるか について検討してみたい。 2.【内容分析】

1)Outdoor play is significantly different from indoor play. The outdoor environment permits noise, movement, and greater freedom with raw materials, such as water, sand, dirt, and construction materials. When challenging playground equipment is available, outdoor play offers children the opportunity to increase physical activity, and thus develop muscle strength and coordination. Outdoor play time and school recess should be provided in all programs for children of all ages and abilities.

[play essential for all children Imagination Playground. 2019.05.19]  戸外遊びは室内遊びに対してはっきりと異なって いる。屋外環境では、水や砂、汚れや圧縮された物 質のような生の物質の使用によって、音や様々な動 きそして、さらに自由奔放な動きを提供してくれ る。興味をそそるような園庭設備が利用可能な場 合、戸外遊びは子供たちに身体活動を増加させる機 会を提供し、そしてそれにより筋力を発達させるこ とができると指摘している。あらゆる年代と様々な 身体能力をもった子どもたちに戸外遊びの時間が必 要ということである。

2)Many play activities enable children to gain perspectives on the world and to practice culturally sensitive skills that will allow adequate functioning in the global world in which they live. Notable curriculum planning provides for this sensitivity and skill development through play. [play essential for all children Imagination Playground. 2019.05.19]  沢山の遊びによって世界についての観点を得るこ とや文化的感受力の訓練をすることができ、子ども たちが生きるグローバルな世界に適応する能力を育 むことが可能であろう。 も、母子相互間で睡眠問題は同調しており、乳児の 睡眠が母親の睡眠に大きく関連していることが言え る。 また、親に行動的教育的アプローチをすることで 乳児の睡眠が促進されるとの研究報告があり、乳児 の睡眠改善における有益な示唆があった。具体的に は騒音・光・温度・運動・食事及び睡眠のリズムな どの睡眠環境や寝床環境、日中の生活リズムを、必 要に応じ改善することにより、乳児の睡眠が改善さ れ、親の睡眠障害が最小限になり幸福度が増すこと が考えられる。 これらの結果から、母子相互の睡眠が快適になる よう睡眠に関する行動教育的アプローチと身体的側 面からのアプローチ、睡眠衛生環境(寝床環境含む) の整備の重要性が明らかになった。乳児の睡眠につ いての知見を今後も深めていき、今後の「乳児の寝 床環境」の研究につなげていきたい。 3 3--55 橋橋口口研研究究 研究テーマは、幼児にふさわしい園庭環境を検討す ることであり、そのためには日本国内だけでなく国 際的なエビデンスを踏まえた考察も重要だと考える。 そこで、今回メディアを活用した量的分析としての コーパスと、質的考察としての内容分析を取り入れ ることで国際的視座からエビデンスの一端を抽出し、 評価を試みる。 【量的分析】 本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいてコー パス言語学的に特徴的であった play を中心語とし、 それと共起する関連語の outdoor を分析対象として、 それが英語文化圏でいかに(社会的に)使用されて いるかを考察するとともに、その概念が幼児教育・ 保育の〈世界〉でどのように活用できるかについて 検討してみたい。 outdoor play 中心語頻度 156 共起語頻度 16 共起頻度 13 コーパス語数 66190 ■共起強度計量結果■ 共起頻度 13.000 Tスコア 3.595 相互情報量 8.429 対数尤度比 142.99 2.内容分析 *イタリック体は筆者

1)Outdoor play is significantly different from indoor play. The outdoor environment permits noise, movement, and greater freedom with raw materials, such as water, sand, dirt, and construction materials. When challenging playground equipment is available, outdoor play offers children the opportunity to increase physical activity, and thus develop muscle strength and coordination. Outdoor play time and school recess should be provided in all programs for children of all ages and abilities.

[play essential for all children Imagination Playground.2019.05.19] 戸外遊びは室内遊びに対してはっきりと異なってい る。屋外環境では、水や砂、汚れや圧縮された物質 のような生の物質の使用によって、音や様々な動き そして、さらに自由奔放な動きを提供してくれる。 興味をそそるような園庭設備が利用可能な場合、戸 外遊びは子供たちに身体活動を増加させる機会を提 供し、そしてそれにより筋力を発達させることがで きると指摘している。あらゆる年代と様々な身体能 力をもった子どもたちに戸外遊びの時間が必要とい うことである。

2)Many play activities enable children to gain perspectives on the world and to practice culturally sensitive skills that will allow adequate functioning in the global world in which they live.Notable curriculum planning provides for this sensitivity and skill development through play.

[play essential for all children Imagination Playground.2019.05.19] 沢山の遊びによって世界についての観点を得ること や文化的に敏感な能力の練習をすることができ、子 どもたちが生きるグローバルな世界に適応する能力 を育むことが可能であろう。 【まとめと考察】 このように、英語文化圏では、筋力や筋収縮とい った身体能力や文化的感受性の涵養ができる活動と

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【まとめと考察】

 このように、英語文化圏では、筋力や筋収縮と いった身体能力や文化的感受性の涵養ができる活動 として、outdoor play を捉えている。Outdoor play は室内遊びとは異なって砂や水といった物質がある ことやそのような物質の使用が可能なことによって 身体活動が促されると言われている。また、年齢や 発達によらず全ての子どものために outdoor play の 時間を設け、カリキュラムを適切かつ計画的に提供 することが幼児教育・保育において求められている ことがわかる。  Outdoor play で発達するとされている能力とし て、身体能力だけでなく感受性といった非認知的な 能力が挙げられているが、OECD ではこういった 能力を社会情動的スキルと呼んでいる。社会情動的 スキルは、「個人のウェル・ビーイングや社会経済 的進歩少なくとも一つの側面において影響を与え (生産性)、異議のある測定が可能であり(測定可能 性)、環境の変化や投資により変化させることがで きる(可鍛性)個々の性質」と定義9)される。その 価値が米国の経済学者 Heckman によって提唱10) れている。  以上のことから戸外遊びが幼児教育において重要 な環境であることが読み取れる。園での戸外遊びの 環境における育ちを保障するには、園庭環境の整備 が大切なことは明白である。興味をそそるような園 庭であることが身体活動の機会を促す。このこと は、非認知能力の育ちに置き換えても同じだと考え られる。そこで、どのような園庭設備が子どもを惹 きつけそこでの遊びによって、身体的または非認知 能力的に何が育っているのかという視点から園庭環 境を検討することも今後重要になるのではないかと いうことが本研究のエビデンスの一端として抽出す ることができた。 3-6 水野研究  研究テーマは、英語文化圏において性的虐待を受 けた経験のある母親が備えているリスクは、どのよ うなものが存在するのかを明らかにすることであ る。子どもの性的虐待被害の発生率は国際的に比較 して低い一方で発生件数が年々増加しているわが国11) にとって、発生率が高い英語文化圏の知見を取り入 れることは重要なことであると考える。 【量的分析】  本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいて コーパス言語学的に特徴的であった abuse を中心語 とし、それと共起する関連語の history を分析対象 として、それらの語に投影される虐待の〈世界〉を 考察するとともに、子ども虐待研究において、どの ように活用できるのかについて検討していきたい。 【内容分析】

1)This raises the question of whether mothers with a history of sexual abuse may expose their children to high-risk situation, perhaps by allowing contact with male offending partners or other perpetrators outside the home. In speculating about this process, some have suggested that survivor mothers are emotionally distant and removed from their children and that these characteristics may increase their children vulnerability to sexual victimization of their own children.

[Child Maltreatment, Vol. 8, No. 4 (November 2003), pp.

319-333]  母親が性的虐待を経験していると、問題のある男 性と関係を持ってしまう可能性があり、その異性関 係が、母親の子どもをハイリスクな状況にさらすか もしれない。また、いくつかの文献では、性的虐待 を経験した母親は自分の子どもから心理的、物理的 に距離を置くことや、これらの特徴により、その母 親の子どもが性的な被害にあいやすくなる可能性が あることを示唆している。

2)Timmons-Mitchell, Chandler-Holtz, and Semple (1996) found that mothers with a history of CSA experienced significantly more symptoms

して、outdoor play を捉えている。outdoor play は 室内遊びとは異なって砂や水といった物質があるこ とやそのような物質の使用が可能なことによって身 体活動が促されると言われている。また、年齢や発 達によらず全ての子どものために outdoor play の時 間を設け、カリキュラムを適切かつ計画的に提供す ることが幼児教育・保育において求められているこ とがわかる。 outdoor play で発達するとされている能力として、 身体能力だけでなく感受性といった非認知的な能力 が挙げられているが、OECD ではこういった能力を 社会情動的スキルと呼んでいる。社会情動的スキル は、「個人のウェル・ビーイングや社会経済的進歩少 なくとも一つの側面において影響を与え(生産性)、 異議のある測定が可能であり(測定可能性)、環境の 変化や投資により変化させることができる(可鍛性) 個々の性質」と定義9)される。その価値が米国の経 済学者 Heckman によって提唱10)されている。 以上のことから戸外遊びが幼児教育において重要 な環境であることが読み取れる。園での戸外遊びの 環境における育ちを保障するには、園庭環境の整備 が大切なことは明白である。興味をそそるような園 庭であることが身体活動の機会を促す。このことは、 非認知能力の育ちに置き換えても同じだと考えられ る。そこで、どのような園庭設備が子どもを惹きつ けそこでの遊びによって、身体的または非認知能力 的に何が育っているのかという視点から園庭環境を 検討することも今後重要になるのではないかという ことが本研究のエビデンスの一端として抽出するこ とができた。 3 3--66 水水野野研研究究 研究テーマは、英語文化圏において性的虐待を受 けた経験のある母親が備えているリスクは、どのよ うなものが存在するのかを明らかにすることである。 子どもの性的虐待被害の発生率は国際的に比較して 低い一方で発生件数が年々増加しているわが国11) にとって、発生率が高い英語文化圏の知見を取り入 れることは重要なことであると考える。 【量的分析】 本項では、看護社会福祉領域コーパスにおいてコ ーパス言語学的に特徴的であった abuse を中心語と し、それと共起する関連語の history を分析対象と して、それらの語に投影される虐待の〈世界〉を考 察するとともに、子ども虐待研究において、どのよ うに活用できるのかについて検討していきたい。 abuse history 中心語頻度 168 共起語頻度 105 共起頻度 26 コーパス語数 66190 ■共起強度計量結果■ 共起頻度 26.000 Tスコア 5.047 相互情報量 6.608 対数尤度比 197.81 【内容分析】

1)This raises the question of whether mothers with a history of sexual abuse may expose their children to high-risk situation, perhaps by allowing contact with male offending partners or other perpetrators outside the home. In speculating about this process, some have suggested that survivor mothers are emotionally distant and removed from their children and that these characteristics may increase their children vulnerability to sexual victimization of their own children. 母親が性的虐待を経験していると、問題のある男 性と関係を持ってしまう可能性があり、その異性関 係が、母親の子どもをハイリスクな状況にさらすか もしれない。また、いくつかの文献では、性的虐待 を経験した母親は自分の子どもから心理的、物理的 に距離を置くことや、これらの特徴により、その母 親の子どもが性的な被害にあいやすくなる可能性が あることを示唆している。

2 ) Timmons-Mitchell, Chandler-Holtz, and Semple (1996) found that mothers with a history of CSA experienced significantly more symptoms of post-traumatic stress disorder(PTSD) following discovery of their child abuse than did non-sexually-abused mothers. Similarly, using a Canadian and Aboriginal Canadian sample, Hiebert-Murphy (1998) reported that a history of

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of post-traumatic stress disorder(PTSD) following discovery of their child abuse than did non-sexually-abused mothers. Similarly, using a Canadian and Aboriginal Canadian sample, Hiebert-Murphy (1998) reported that a history of CSA, in addition to a lack of social support and the use of avoidant coping strategies, was related to greater emotional distress following disclosure of a child sexual abuse. Deblinger, Stauffer, and Landsberg (1994) reported that mothers own sexual abuse history was associated with greater feelings of aloneness and personal distress in facing the news of their children abuse.

[Child Maltreatment, Vol. 8, No. 4 (November 2003), pp.

319-333]   用 例 2) で は、Timmons-Mitchell、Chandler-Holtz、および Semple(1996)は、性的虐待を受け ていない母親よりも、性的虐待を受けたことがある 母親は、子どもの虐待の発見後に有意により多く の PTSD の症状を経験したことを見出した。同様 に、カナダ人および先住民族のカナダ人サンプルを 使用して、Hiebert-Murphy(1998)は、社会的支 援の欠如および意図的な回避の使用に加えて、幼少 期の性的虐待経験の開示が大きな精神的苦痛と関連 していたと報告した。Deblinger、Stauffer、および Landsberg(1994)は、母親自身の性的虐待の経験 は、子どもの虐待のニュースに直面する際、より強 い孤独感および個人的苦痛に関連していたと報告し た。 【まとめと考察】  以上のことから、英語文化圏では、性的虐待の被 害を背景に持つ母親は、PTSD や精神的苦痛を引き 起こすといったように、心理的な面で大きなリスク を伴っていると認識していることが明らかになっ た。また、そういった母親が子どもにリスク与える 要因として、母親の異性関係をあげていたことも特 徴的であった。  Widom および Klhts によると、女性の被虐待経 験は、売春を行うことへの予見となり、特に性的虐 待とネグレクトを受けた女性がその後の売春行動と 大きく関連していたことを明らかにしている。12) 特定の男性と関係を持つこととなる売春を行う傾向 があることからも、性的虐待を受けた女性は問題の ある男性との関係を持ちやすくなる可能性がある。 また、問題のある男性との接触は、女性の心理的な 要因だけでなく、そういった男性が周囲に存在して いるところで生活しているといった、環境的要因と も関係していると考えられる。  母親が子どもに対して与えるリスクに関しては、 他者からの被害を受けやすくなるだけでなく、発達 にも影響を及ぼす。さらに、性的虐待だけでなく、 子ども虐待を受けた経験のある母親は、連鎖してそ の後の親子関係にも引き継がれるというリスクを備 えさせることがこれまでの研究でも明らかになって いる。つまり、母親の子どもだけでなく、孫やひ孫 にも影響する可能性がある。内容分析では、母親の 子どもへのリスクについて言及されていたが、リス クが子孫にも連鎖していくことについても考える必 要がある。  今回の分析によって、英語文化圏では、母親の被 性的虐待経験は、母親自身とその子どもにもリスク が伴うという見方を持っていることがわかった。 4.総括  「国際コミュニケーション特論」の履修者である 執筆者 6 名がコーパス言語学的アプローチをとり、 各自の学問的関心と合致する特徴語を抽出し、内容 分析を試みた。岡部研究は、看護学領域でありなが ら、工学的研究を取り入れており、ウェアラブルデ バイス(着用型高度情報通信端末)の活用がヘルス プロモーション等のさらなる推進に有効であること を示している。小林研究と佐々木研究は、ソーシャ ルキャピタルを分析対象としたものであるが、小林 は、社会的弱者に対する支援や環境の構築により、 そうした人々が本来の能力を引き出せるようになる 過程がエンパワーメントであると指摘するのに対 し、佐々木は、ヒトの内面に影響を与える宗教的信 念や価値観、また心的状態の変容をもたらす家族や コミュニティといった環境もソーシャルキャピタル の一端として取り上げていたのは興味深い。角田研 究は、乳幼児と睡眠の関係性について、行動教育的 視点と睡眠衛生環境(寝床環境含む)の整備の重要 性を顕在化させた。橋口研究は、幼児教育・保育領 域であり、outdoor play が身体能力や文化的感受性 を涵養することを指摘するとともに、社会情動的ス キルとの関連性についても触れている。最後に、水 野研究は、性的虐待経験の影響に関する内容である

(11)

が、特に母親の性的虐待経験が心理的、環境的連鎖 につながることを鮮明化している。  以上の通り、研究テーマや学問的関心はさまざま であるが、看護学、社会福祉学といった研究領域で あっても、コーパス言語学という量的分析およびそ こで抽出された特徴語に対する内容分析との親和性 は少なからずあると判断できる考察結果であったと 言えよう。 5.むすびにかえて  重複するが、本稿は大学院博士前期課程科目であ る「国際コミュニケーション特論」で取り上げた コーパス言語学と内容分析を用いて、各執筆者の研 究テーマの一端を解明する試みである。複数の執筆 者が、複数の研究テーマにより分析考察したという 点において、オムニバス的論考とも言える。しかし ながら、それゆえ、作成した分析対象コーパスの質 に一定程度の揺れが認められることは否定できな い。そうした質的な揺れは、コーパス言語学におい て、統計結果の精度に多少なりとも影響すると言え る。この点は、本稿の考察結果には再考すべきこと が多分に含まれていることを意味する。このあた り、今後の課題としたい。  それでも、看護と社会福祉、それぞれの「現実世 界」と分析対象が描き出す<世界>との間に発生し ている特定の読み等を捉え、それらを顕在化する学 問的姿勢は十分に意識できたと言える。今後もこう した試みをすすめていきたい。 1 )分析対象コーパス(看護社会福祉領域コーパ ス)では、多岐にわたるメディア上のテキスト (ニュース記事、論説、学術専門誌、大学修士論 文等)から採取しているため、紙面の制約上、具 体的な参照元については省略する。 2 )参照コーパスとして、FROWN および FLOB コーパスを使用した。それらは 1990 年代のアメ リカ、イギリスそれぞれの出版物より採取され た約 100 万語のコーパス(合計約 200 万語)であ り、本稿では平均的な現代英語の参照用サンプル として適当であると考えた。 3 )石川(2004、pp.15-16.)は、対数尤度比(Log-Likelihood score) に 基 づ く こ と で、 異 な る 母 データサイズを持つ 2 つのコーパスの頻度を正し く比較し、特徴性を抽出することが可能になると している。また、染谷(2010、p.71.)は、特徴度 (keyness) とは、目標 [ 分析対象 ] コーパスと参照 コーパスにおける頻度差の顕著性の度合いを示す 統計的な指標で、そのうち一定水準以上の特徴度 を示す単語を目標 [ 分析対象 ] コーパスにおける 「キーワード」(特徴語)としており、対数尤度比 はχ 2 統計量と比べて、①正規分布を前提としな いでよい、②稀な現象を過剰評価しない、③サン プルの量的な差が結果に影響しない、という利点 があるため、現在では特徴度の算出には対数尤度 比を使うのが一般的であるとも指摘している。 4 )医療関係者とは、医療法によって「医師、歯科 医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手」と 定義されている。 5 )地域社会資源とは、地域で暮らす人々のニーズ を充足するために用いられる有形無形の資源であ り、制度や機関、人材、資金、技術、知識、人と 人との繋がりなどが含まれる。

6 )Segal SP, Silverman C, Temkin T (1995) Measuring empowerment in client-run self-help agencies. Community Mental Health Journal, 31(3),215-227.

7 )OECD[Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構 ] とは、先 進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、経 済成長、貿易自由化、途上国支援に対する貢献等 を目的として活動している国際的な組織。 8 )英語文化圏における個人は、絶対的な存在であ る神と各々がつながっているという共通点をもっ た存在であり、日本における捉え方と異なること に留意しなければならない。 9 )OECD ベネッセ教育総合研究所(2015) 10 )Heckman(2015)『幼児教育の経済学』 11 )「日本における性的児童虐待の近年の動向」、『厚 生の指標』64(4)、pp. 22-26.

12 )American Journal of Public Health, Vol. 86, No.4 (November 1996), pp.1607-1622. 付記  本稿の執筆にあたり、貴重な励ましのお言葉をく ださった高橋徹氏(本学保健福祉学部看護学科教 授)には、執筆者一同、この場を借りて厚くお礼申 し上げる。

参照

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