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情報リテラシー教育におけるチーム学習の効果

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 79 回全国大会. 4E-02. 情報リテラシー教育におけるチーム学習の効果 内田君子†. 大矢芳彦‡. 奥田隆史††. 名古屋学芸大学†. 名古屋外国語大学‡. 愛知県立大学††. 施した.これらの測定手法は,情報教育における協同学. 1.はじめに 大学教育において,学生同士の相互作用を多く取り入 れた授業が推奨され,様々な教育方法が模索されてい. 習研究において有効性が確認されている[6]. 一斉方式による演習授業の後,9 回目,10 回目にチー ム学習の実験授業を行った.授業は情報モラルのリテラ. る.なかでもグループ形式の授業は,学習者の深い学 び,主体性や学習意欲を喚起する教育方法として期待さ れ,情報教育における効果についても数多く報告されて いる[1,2].. シー向上を目的として,モラルリテラシーの予習資料に 基づく自己学習確認問題を個人(個人テスト)ならびに チーム(1 回目をチームテスト 1,2 回目をチームテスト 2)によって解決させた.チームテストにおけるチームは,. 学習者の深い学びを実現しようとする教育方法とし て,基礎的科目にも適用可能なグループ形式の授業法で ある TBL(Team-Based Learning)[3]がある.TBL は. 履修者名簿からランダムに選んだ 4 人編成とした. また,チーム学習の効果は,1)成績上昇度,2)チー ム学習満足度・認識度,3)チーム学習活性度により検討. Larry K. Michaelsen が大人数授業を能動的にするため. した.1)成績上昇度は,チームテスト 1 と個人テストの. に開発した手法である.TBL は国外では大学やビジネス などの領域で約 30 年の活用実績があり,国内では医療系 大学において導入され始め,新しい授業形態として注目 されている.. 得点差,及びチームテスト 1 とチームテスト 2 の得点差 を用いた.2)チーム学習満足度・認識度は,チームテス ト後に行ったアンケート調査の,チーム学習に対する満 足の度合いを測定する 15 問[4]と,協同作業に対する認. 本研究は,TBL を基礎知識の積み上げを重視する情報 リテラシーの授業に取り入れ,チーム学習の効果を成績 上昇度,チーム学習満足度・認識度[4],チーム学習活性 度により検討を行う.さらに,最適なチームを作り出す 手法であるチーム・ビルディング[5]において,チームメ. 識を測定する 18 問[4]の各合計値を用いた.3)チーム学 習活性度は,チームテスト中の会話を机上に設置したミ ーティングレコーダー(一部受講生は IC レコーダー)で 収集し,テキスト化してカウントした発話数を用いた.. ンバーの特性を考慮する必要性が指摘されていることか. 3.実験授業の結果. ら,チーム学習の効果と受講生特性(学習意欲と性格特. 本節では,実験授業の結果について述べる.まず,チ ーム学習の効果を,成績上昇度,チーム学習満足度・認 識度,チーム学習活性度により示す.次に,各チーム学. 性)との関連性についても考察する. 以下,第 2 節でチーム学習の実験授業について概説 し,第 3 節で実験授業の結果を示す.最後第 4 節で,ま. 初回授業. とめ及び今後の課題を述べる.. 2.実験授業の概要. 2~8回. 2016 年前期に,愛知県内の私立大学 2 大学で,情報リ. パーソナリティ 調査. 東大式エゴグラム新版TEGⅡ(10分) 学芸大式学習意欲検査GAMI(10分). 一斉方式の情報リテラシー演習授業 テスト資料に基づく自己学習 (授業時間外2週間). (7回). テラシー科目受講生 144 名を対象にチーム学習の実験授 業を行った(図 1).実験授業は,週 1 回 90 分の授業 15. 個人テスト(10分). 回の 1 回目,9 回目,10 回目に行った.. 自由会話(5分). 1 回目に,受講生特性の調査として,学習意欲を測定す. 9回. 実験授業1 チームテスト1(15分). る GAMI(Gakugei Academic Motivation Inventory:学芸大. アンケート1(10分). 式学習意欲検査)[6],性格特性を測定する TEGⅡ(Tokyo University EgogramⅡ:東大式エゴグラム新版)[7]を実. 自由会話(5分) 10回. The Effect of Team-Based Learning in Computer Literacy Education † Kimko Uchida・Nagoya University of Arts and Sciences ‡ Yoshihiko Oya ・Nagoya University of Foreign Studies †† Takashi Okuda ・Aichi Prefectural University. 4-431. 実験授業2. チームテスト2(30分) アンケート2(10分). 11~15回 一斉方式の情報リテラシー演習授業. 図 1 チーム学習実験授業の流れ. Copyright 2017 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 79 回全国大会. 35. 表 1 チーム学習活性度と受講生特性. チームテスト1-個人テスト. 30. チームテスト2-チームテスト1. 人数 群 (発話数) H 35 チームテスト1 L 45. 25 20 人 数 15 10. チームテスト2 5. H L. 37 43. 学習意欲GAMI 促進傾向 抑制傾向 m 74.76 35.82 69.76 40.18 * * 75.08 36.24 69.40 39.90 * *. 0 -3. -2. -1. 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. CP 13.00 10.89 * 13.51 10.24 **. 性格特性TEGⅡ A FC AC m 15.76 9.29 14.38 11.85 14.24 9.09 12.20 12.78 * 15.76 9.86 14.65 12.41 14.26 8.52 11.74 12.64 ** ** ρ <0.01 * ρ <0.05. NP. (4)各チーム学習の効果と受講生特性との関係性. 得点差. 図 2 成績上昇度(テスト得点差). 上述したチーム学習効果の(1)~(3)の 3 指標と,受講. 18. 生特性との関係性を検討した.具体的には,3 指標が平. 16. 均以上の受講生を H 群,平均未満を L 群に分類し,群間. 14. で学習意欲及び性格特性の尺度値を比較した. 比較の結果,3 指標すべてにおいて,H 群は L 群と比較. 12. して学習意欲の促進傾向が強く抑制傾向が弱いことが示. 10. 人 数 8. された.多くの尺度で有意差も認められた(表 1 はミー. チームテスト1 チームテスト2. 6. ティングレコーダーを使用して発話収集した 80 名のチー. 4. ム学習活性度,m は平均値,ρ は有意確率を表す).ま. 2. た,性格特性に関しては,H 群が自己肯定の構えを有し. 0 0~1. 1~2. 2~3. 3~4. 4~5. 5~6 6~7 7~8 発話数/1分間. 8~9 9~10 10~11 11~12. (CP:Critical Parent と FC:Rree Child が高値),L 群 は自己否定の構えを有する(AC:Adapted Child が高値). 図 3 チーム学習活性度(発話数). ことが示され,複数尺度で有意差も確認された.. 習の効果と受講生特性との関係性について述べる.. 4.まとめ. (1)成績上昇度 成績上昇度の結果を図 2 に示す.個人テストと比較し てチームテスト 1 の得点が,チームテスト 1 と比較して チームテスト 2 の得点が高くなり,チーム学習により上 昇したことが示された.その一方で,得点が下降した受 講生が 17%存在した.チーム学習の効果が得られなかっ たのは,個人テスト得点が高かった(効果無:84 点/100 点満点,効果有:61 点)受講生であった.. 情報モラルリテラシーの授業にチーム学習を導入した 結果,テスト得点や受講生のチーム学習に対する満足度 及び肯定的認識が上昇したこと,チーム内の発話が活発 であったこと,などが確認された.これらの結果は,チ ーム学習が学習成績や心理的適応,対人関係,授業態度 の改善に効果があること,すなわち,チーム学習が大学 の情報リテラシー授業に有効な手法であることを示唆す るものと考えられる.. (2)チーム学習満足度・認識度. 今後の課題は,実験者と被実験者を異にした環境で追. チーム学習満足度は,学習者本人及びチームメンバー の満足度ともに高く,チームテスト 2 でさらに上昇した ことが確認できた(チームテスト 1:本人 3.9/5 段階スケ ール,チームメンバー4.2,チームテスト 2:本人 4.1, チームメンバー4.3). 一方,チーム学習認識度は,チームで学習することへ の肯定的認識(協同効用 4.5)が強く,否定的認識(個人 志向 2.2,互恵懸念 1.5)が弱いこと,チームテスト 2 で その傾向がより強くなったことが示された. (3)チーム学習活性度 チーム学習活性度の結果を図 3 に示す.1 分間あたり の平均発話数は,チームテスト 1 が 6 回,チームテスト 2 が 4 回で,全体として活発に発話が交わされていた. しかしその一方で,個人差が大きいこともわかった(チ ームテスト1:最大値 12,最小値 1,チームテスト 2: 最大値 9,最小値 0).. 実験を行い,結果の妥当性を吟味することである.. 参考文献 [1] 生田目康子,“ピア・レビューをともなうグループ学 習の評価-斉型プログラミング授業への適用”,情報処理 学会論文誌,Vol.45,No.9,pp.2226-2235,2004. [2] 植竹明文,“情報リテラシ教育における効果的なグル ープワークの実施に向けての一考察”,専修大学情報科学 研究所所報,No.81,pp.26-29,2013. [3] Larry K. Michaelsen et al.,Team-Based Learning:Small Group Learning’s Next Big Step,Jossey-Bass,104pp.,2008. [4] 杉 江 修 治 , 『 協 同 学 習 入 門 』 , ナ カ ニ シ ヤ 出 版 , pp.144-145,2015. [5] 堀公俊,加藤彰,加留部貴行,『チーム・ビルディン グ―人と人を「つなぐ」技法』,日本経済新聞出版社, 222pp.,2007. [6] 内田君子,大矢芳彦,奥田隆史,“情報基礎教育にお けるペアワーク時の発話量とパーソナリティの特徴”,情 報処理学会論文誌,Vol.55,No.5,pp.1595-1599,2014.. 4-432. Copyright 2017 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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