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障害児教育の教師教育用ビデオの作成 : 重症心身障害児の教育

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障害児教育の教師教育用 ビデオの作成

Video materials for pre or in-service training of teachers

Tomio Hosobuchi Sadao Shimizu

l

「重 症 心 身 障 害 児 の 発 達 と教 育

l」

は じ め に 松 岡武氏は、 「特殊教育の研究」 (金子書房 、 1981) で次 の よ うに述べてい る。 「現在、教員養成大学の内部には 、学問研究を ひたす らや らせ ることが よい教員 の養成にな るの だ と考 え る人 々 と、教員 に必要な実用的な知識 ・ 技能を教 えねば と考 え る人 々との対立が あ る」 (P.251) 松 岡武氏 の こ うした言説 に妥当性があ るか ど う かは、別に して、現在の障害児教育担当教員 の教 師教育の現状は、大学 では教師 としての専門的な 諸能力の うちナ レッジ ・コンビテ ンシ ィ(Knowl -edgecompetency)の養成だけに終 って しまって い るよ うに思われ る。つ ま り、障害児教育 とは何 か ? 精神薄弱児 とは ど うい う子 どもか ? 自閉 症 とい うのは どんな ことか ? こ うした障害児 の 心理 と教育が、ナ レッジとして講義 され るだけ で 終 って しまってい るかに思われ る。 ここでは、教 師 としての専門的な諸能力の重要事項 の一つであ る実践的な能力、つ ま りパ フ ォーマ ンス ・コンビ テ ソシ ィ(performancecompetency)が、教師教 育 の内容 として きちん と位置づけ られていない よ うに思われ るのであ る。む しろ、ナ レッジ ・コン ビテ ンシ ィは教育実習校 で身につけ るべ きもの と 考 え られてい るとい って もいいであろ う。 そ うだ とす ると、教師教育の問題 として、 ナ レ ッジとパ フ ォーマ ンスの二 つの コンビテンシ ィが 分・離 した ままで、はた して統一 された専門職 とし ての障害児教育担当の教師教育 として十全であ る ※宮城教 育大学 か、 とい うことにな る。筆者 らの考 えをあ えてい わせ て もらえば、ナ レッジ ・コンビテ ンシ ィとパ フ ォーマ ンス ・コンビテ ンシ ィの中間に位 置づ く ような内容が、大学での講義に取 り入れ られ る必 要があ るのでは ないか、 とい うことであ る。既に 「普通」児担当教育 の教師教育 では、教育 実習の 事前 ・事後教育 として、 また教育学あ るいは教科 教育法の講義で、マイ クロテ ィーチ ング等 が取 り あげ られ、ナ レッジ ・コンビテ ンシィだけ でな く、 パ フ ォーマ ンス ・コンビテ ソシィ-の橋わ た しに な る教授 スキルが と りあげ られは じめてい る。だ が、寡聞 ではあ るが、障 害児教育分野 では 、 まだ そ こまでにいた ってない ようであ る。それは、障 害児教育担当教員 の教師教育が歴 史的に新 しい と い うこともあ るが、多様な状態 を示す障 害児に対 す る教師 の教授 スキル として何があ るのかが、い まだ 明 らかでない ことに よろ う。 しか し、教授 ス キルが 明 らかにな っていな くて も、教師教 育はす すめ られ ているのであ るか ら、ナ レッジ ・コンビ テンシィとパ フ ォーマ ソス ・コンビテ ンシ ィの中 間に位置づ くものを教師教育に取 り入れ る努力が な され るべ きであろ う。そ うした努力のなかか ら 障害児教育におけ る教授 スキルが具体的 な もの と して うかんで くるであろ う。 「障害児教育は臨床の学 であるべ きだ」 とい う 趣 旨の発 言を よ く耳にす る。 これは、 ナ レッジだ けでは、障害児 と教育的なかかわ りを もて る コン ビテ ンシ ィを形成 した ことにな らない こ とを指摘 しているのだろ う。た しかに、障害児は 多様 で、 同一 の障害名で くくられた として も、 また、同一 の発 達段階にあるとい う把握が された と して も、

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一括 しえない部分が あ り、個別臨床的にアプ ロー チ しなければな らない ことが多い。 このこ とは、 ナ レッジ ・コンビテ t/シ ィだけでは どうしよ うも ない とい うだけでな く、個別事例を丁寧に臨床的 に接近 す る経験を与 え なければ教師教育 としては 片手 おち とい うことで ある。だが、 これは教師教 育の内容に事例研究 的 な事項を加えれば解決 す る ものではないだろ う。障害児について事例研究 を させて も、 1年間にか かわ りあえるのは、せいぜ い1名に とどまって しま うだろ う。対象 として選 択 した障害児 につい ては事例研究 のなかで くわ し く接近 していけ るだ ろ うが、それが他の多様 な障 害児 との教育的かかわ りに どれだけ転移す るかは、 疑問のあるところで あ る。障害児教育担 当の教師 教育 として事例研究 的 な事項が重要であ りなが ら、 対象児童を増やすには限界が ある とい うこ とにな れは、事例研究的な事 項を ビデオ教材 でお ぎな う 以外に方法はないで あ ろ う。 ここで筆者 らの ビデ オ教材作成 の意図を まとめ てみ ると次の よ うにな る。 1) 大学での教師教 育にナ レッジ ・コンビテ ン シ ィとパ フ ォーマ ンス ・コンビテ ンシ ィの中 間に位置づ くものが必要である。 2)障害児 の事例研究的な事項が、障害児教育 担 当の教師教育 では重要 である。 ところで、以下に説 明す るビデオ教材は、障害 児教育専攻 の学部学生 に対す るプ リ ・サ ー ビス も さることなが ら、現職 者に対す るイ ソ ・サ ービス に も利用可能だ と考 えている。 1. 教師の意思決定 モデル 実際 の授業を録画 して きて、学生 に視聴 させて 解説 す るとい うことが 行われてい るが、筆者たち の作成 した ビデオ教材 は、教師が重症心身障害児 に事例的に アプ ローチ してい くにあた って とる意 志決定過程をモデル的 に考 えて、視聴者に もその 過程 を考 え させ よ うと してい る。 そ して、筆者 ら は、そのモデルを概 的 次の ように考 えてい る。 ① ② ③ フィ-ドバック つ ま り、重症心身障 害児 を担 当す る教師 の とる 第1の意志決定は、対象 とす る子 どもの観察 とし て何を観 るか、 とい うことである。子 どもの観 察 は、傍観ではないはずで働 きかけを通 して の子 ど もの反応 の観察であるか ら、 「子 どもの ∼ を観 たいか ら--・を してみ る」 とい うことを決定 しな ければな らないわけである。第2の意志決定は、 観察に もとづいた指導 目標 の設定 である。 ここで は、具体的な 目標が設定 されなければな らない。 目標が具体的であれば、第3の意志決定が それだ け容易になる。第3の意思決定は、設定 された 目 標を達成す るために、 どんな活動 を考 え、 どんな 教材 ・教具を使 うかであ るO これは、 ブル ーナ ー (Bruner,∫.5.1961)のい う翻案(translation)とい っていいだろ う。重症心身障害児 の教育では、教 師がたい- ん苦労す る ところ とい って もいい。 こ れが考 え られ決定 されなければ、実際 の指導に入 ることは できない。 こ うした3つ の意志決定を経 て実際の指導 に入 るが、指導 の結果は 「子 どもの 観察」 の しなお しとして フ ィー ドノミックす る場 合 もあれば 「指導 目標 の設定」 あるいは 「教材 ・教 具 の工夫」に フィー ド/ミックす ることもあろ う。 ところで、筆者 らの作成 した ビデオ教材は、上 述の意思決定 をひ と りの重症心身障害児について ビデオを視聴 させなが ら、視聴者 に行あせ ようと す るものである。だが、 この ビデオ教材は、単に 視聴す るだけの ものでは ない。以下 の フローチ ャ ー トをみてわかる よ うに、途 中に 「あなたな ら指 導 目標 として何を設定 しますか

「意見をだ しあ お う

「討論 してみ よ う」な どのテ ロ ップ表示が でて、視聴者 たちが意見をだ しあ った り、討論 し なが ら視聴 してい くものである。 つ ま り、 ビデオ のプ レイ - ス トップ - プ レイ・-・・とい う使 い 方を しなが ら、視聴者が教師 にな ったつ も りで意 思決定を行わせて、それ と実際 の現場教師 の とっ た意志決定を対比 させ てい くよ うにつ くられてい るのである。

2

.

ビデオ教材のフ ローチ ャー ト このVTR教材は、以下 の 4つのパ ー トか ら構 成 されている。(1)対象児 の実態 を大 まかに把捉 さ せ る。(2)問題意識 に基づいて、対象児 の行動及び 障害状況をす り詳細に観察 させ る。(3)以上 の行動

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観 察か ら、対象児 -の指導 目標 を考 え させ るo(4) 次 に,実際 のVTR画面 の時系列にそ って、各 指導 目標を達成す るため の教材 ・教具 を考 え させ パー トの内容を説明す る。 る。 表1. ビ デ オ 教 材 の 7 E]- チ ャ ー ト VTRの構成 内 容 の 説 明 タイ トル (スター ト) ①学習者 に、 「これか らみ る子 どもの担 当教師である こと」 どんな子 どもかをみてみ よう! を意識 させ 、その立場 か ら 「何 を指導 目標 とすべ きか」 と 問い、全体の方向づけ を行 ったo この ように学習者の立場 (9あなたは、 これか らみ る子 ども と問題を明確に してお くことは、ただ漠 然 と子 どもを観察 の担当教師ですo何 を指導 目標 に させ るよ りも、学習者の興味 .関心を促進す るとともに、 すべ きかを考 えなが らみ ま しょう 与 え られ た情報 を整理 しやす くす ると思われ るo l ② ここでは、子 どもの実態を大 まかに把捉 させ るために、 ② .看護婦 さん との遊び 子 どもの 日常的 な行動及び人 との関わ りの様子を紹介 したo ・日常的な行動I また、同時に、 「寝た き りである」、 「てんかん発作が あ る」、 -「ことば .身ぶ りに よる コ ミュニケーシ ョンが で き ない」等 を テ ロ ップで提示 し、VTRか らは十分に とらえ 坐育歴 .医学的診断 られない点を補 足 したo ③指導 目標を設定 す るために、 も ③ これ までに知 りえた子 どもの実際についての情報は 、子 つと知 りたい情報はあ りませんか ? ④ ∼を知 りたい どもの全体像に関す る ものであるo Lたが って、 これ を も とに指導 目標 を設定す るのは困難であ り、 よ り詳細な情報 に よ り、各 自が 自分な りの 「子 ども像」を作 り上げてい る と思われ る○ したが って、各学習者が指導 目標 の設定 のた めに必要 とす る情報は必ず しも同一 ではないo Lか し、学 習者が相互 に知 りたい情報 を出 し合 うことに よ り、子 ども の実態 について さまざまな見方が あるととを学べ るで あろ ∼は ど うな っているか選 択 肢 t (9 視覚 の ようす うo ④ 自由時 間や遊 びな どの場面を通 して、子 どもが 日常生活 において どの よ うな行動 の レパ - トリ-を身につけて いる かを大 まかに知 ることが で きたo Lか し、 この ように障害 の重い子 の場合行動 その ものが乏 し く、微細 なので、 これ までの行動観察では十分な資料は得 られないo そこで、教 師は具体的かつ特定 の場面を設定 し、種 々の働 きかけ を行 な う中で行動を見極めてい く必要が あろ うo この よ うな場 面設恵を通 じて、子 どもが どの ような感覚を使 って行 動を 起 こ してい るか 、そ して何がで きて何が で きないかを 明確 に し、指導 目標設定 の手がか りが得 られ るo ここでは、学習者の要求に応 じて提示す る情報は、(1)視 覚の ようす、(2)聴覚 の よ うす、(3)姿勢及び身体 (手 の動 き を含む) の動 き、 の3点 に限定 したo これは、 この よ うに

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VTRの構成 内 容 の 説 明

聴覚のよ

l

を外界 との関連で把 えることが重要だ と考 えた ことに よるo しか し、学習者 の中には、 これ ら3点以外について も情報 を求めて くる者 もい るであろ うoそ の場合には、教授者が 口頭で説 明 して も よい し、 「何故、 それが知 りたいのか」 と反問 し、討論 して もよいだろ うo ⑤ ライ トの持続光 .点滅光 を子 どもの正面 .左 .右 .上 か ⑦ 姿勢及び身体 (辛 ら星示 し、それぞれ の視覚 刺激 に対す る行動を観察 してい を含む )の動 き 行動上 の所見の まとめ る場面 ⑥ ブザ ー (強 .弱)普 .タンバ リンを用 いて子 どもの音 に 対す る振 り向 きがみ られ るか どうか を観察 してい る場面 ⑦ 引 きお こし反応 を調べ、首すわ りの様子及び後 弓反張 の 強 さを観察 してい る場面 と仰臥位 での手 の使い方を観察 し てい る場面 (勤さて、 ⑧ ここでは、 これ までの行動観察に基づ き、指導 目標を考 あなたな ら、 この子に どんな指導 え させ るo その際 、指導 目標はで きる限 り子 どもの具体的 目標 を設定 しますか 行動 レベルで表現す る よ うに指示すべ きであるo とい うの l は、後に評価を行い、教授活動 の適否を判断す るに あた つて指導 目標 と実際 の行動 の変化 との比較 .対応が容易にな ⑨ 討 論 ると考 え られ るか らであるo み んなで討論 してみ よう ⑨ 各学習者 の設定 した指導 目標を発表 させ る とともに、指 I

i

導 目標例を板書す るな どして、学習者 同士 で、 「何故、そ の指導 目標を設定す るのか」の理 由づけを中心 に討論を組 織 す るo ここでの討論 の 目的は、適切な指導 目標は何かを 決定す ることでは な く、様 々な指導 目標が あ りうる こと、 そ して、それぞれ 明確な理 由づけがな されなければな らな い ことを学ばせ る ことであるo多種多様 な指導 目標が設定 しうることを認識 した うえでひ とつの指導 目標を選択 で き ⑲ あなたな ら、指導 目標 を達成 す る ようになることが重要で あろ うo るために どんな教材 .教具を使 い ⑲ ここでは、上記 の指導 目標を達成す るために各 々 どんな ますか l 教材 .教具を使 うかを考 え させ る○ ⑪ 各学習者 の考 えた教材 .教具を発表 しあい、学習者 同士 で、 「何故、その教材 .教具を使 うのか」の理 由づけを中 ⑪ 意見を出 しあお う 心に討論を組織 す るo ここでの討論 の 目的は、指導 目標 の I 場合 と同様に適切 な教材 .教具を決定す ることでは な く、ひ とつの指導 目標 に対 して、様 々な教材 .教具が考 え られ ⑲ 実際 の指導場面を見てみ よう ることを学ばせ る ことにあるo どんな教材 .教具が適切で l

おわ り

(

tDee

nd) あるかは、 この よ うな重度 の子 どもの場合、結果的に しか 論 じられない ことが多いo Lたが って、教師は、教材 .敬 具 の レパ ー トリーを広 く身につけてい ることの方が重要だ と思われ るo ㊥ 最後 に実際 の指導場面を見て、 自分たちの予想が あた つ

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3.学生 に実際 に使 用 してみた結果 ビデオ作成後、国立東信病院附属看護学校 の心理 学 の授業及 び長野大学の障害児教育実習指導 の授 業 で使用 してみ た。教師や看護婦 (士) をめざす 学生た ちで障害児教育 に関す る一般的な教授を う けて、重症心身障害児 について もナ レッジを与え られていた。 以下 では、学生 た ちが ビデオを ス トップして討 論及び意見 のだ しあいをする3つの意思決定場面 で どんな意 見をだ したかを簡 単に紹介 してお く。 (1) 「指導 目標 を設定す るために もっと知 りた い情報はあ りませ んか」 この点 に関 して筆者 らが学生 か ら質問がで る と予想 して用意 しておいた情報は、①視覚 の よ うす、(診聴覚 の よ うす、@姿 勢及 び身体の動 き (手 の動 きを含む) の3点であ った。実際の授 業場面で学生か ら提 出 された質問は、筆者 らの 予想 とはは一致す る ものであ った。例えば 、視 覚 に関 しては、 「指を動かせばその方向に 目を 動かすのか?

「視 力は正常か?」等 の質問が あ り、聴覚に関 しては、 「音 に対する反応は ど うか?

「声 に どの くらい反応す るのか」等 の 質問があ り、姿 勢及 び身体の動 きに関 しては、 「どの程 度身体を動かせ るのか?

「遊 んでい る時 の運 動 (行動)範 囲は?

「手は どこまで 使 えるのか?

「物 をつかめるのか?」等 の質 問が あ った。 一方、筆者 らの予想 した上記3点に含 まれな い質問 もだ され た。 例えば、 「栄養摂取方法は ど うな っているのか?

「循環器、呼吸器の状 態は?

「排湛 ・排尿は ど うな っているのか?J 等 である。 これ らは今回対象に した学生が看護 学校生 であることか ら、医学上、看護上 の諸事 項 への関心が高 く、それが反映 され た もの と考 え られ るO授業 の開始に さきだち、 「今 日は、 君 たちは看護婦 (士)ではな く、教師です」 と い うことを強 くいいは したが、職業意識はぬけ なか ったのだろ う。 これ ら予想に含 まれていな か った質問については、教師が 口頭 で説明 した。 また、す でに提示済の事柄に関す る質問 もみ ら れたが、学生間の討論 で代行 しすむ ことであっ た。つ ま り、 ビデオの内容を変更 しな くて も十 分筆者 らの意図を遂行 で きるとい うことが、ほ ば確認で きた よ うに思われ るわけであ る。 (2) 「さて、あなたな らこの子に どんな指導 目 標 を設定 しますか」 学生の設定 した指導 目標は大 別 して(む感覚機 能 に関す る もの、②運動機能に関す る もの、③ コ ミュニケーシ ョ1/に関す る ものに分類 できる. これ らの指導 目標 の中で も、① と②に属 す るも のを挙げた学生が 多か った。例えは、 「視覚 ・ 聴覚 で物を追 うこ とが で きる ようにす る」、「残 っている視覚 ・聴覚 を活用 させ る」、 「手を使 わせ る」、 「手 で物を掠 った り、持つ ことが で きる ようにす る」、 「目の前にある ものに手 を 出 させ る」、 「座位保持の時間を延長 させ る」 等 である。 また、③ に属す るもの としては 「排 涯 の有無や食欲 を何かのサ イ ンで相手 に伝 え ら れ る ようにす る」、 「自分 の体をつか って感情 を表現 できる ようにす る」等 である。 実際 の指導 目標は

打)目の前に呈示 された事 物 に 目と手を用 いて働 きかけることが で きる よ うにす るO(ロ)座位姿勢 の安定化 を促す.(うおは しゃぎ反応 の発現 を促す、 とい うもの であ った。 U)と(I)については、学生 たちの設定 した指導 目 標 とほぼ一致 していた。摘 ま快 ・不快 の情動的 交流を中心 とした初歩的 な コ ミュニケ ーシ ョン 関係の形成はやや高次す ぎる指導 目標 といえ よ う。 尚、学生た ちの挙げた指導 目標は極 めてあい まいな ものが少な くなか った。例えば、 「こち らの働 きかけに対 して反応 できるようにす る」 「ひ と りで遊べ るよ うにす る」、「自分 で何かで きるよ うにする」等 の大雑把 す ぎる ものや 「刺 激 を与 える」 、 「触覚をのはす、で きるだけ多 くの ものに触れ させ る」、 「身体 ・精神機能 を 高 めるために訓練 す る」等 の ように指導 目標 と 指導方法 とを混乱 させている ものがみ られた。 指導 目標 とは 「働 きかけに よって達成 され るべ き子 どもの行動」であ り、それはでき る限 り具 体的な行動 レベルで記述 され るべ きだ と考え る。 したが って、 この点については討論中十 分配慮 す る必要が あろ う。 (3) 「あなたな ら指導 目標を達成 するた めに ど んな教材 ・教具を使用 しますか」 ここでは、学生 た ちにで きるだけた くさんの

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教材 ・教具を列挙す るように指示 した。多 くの 学生は5つ前後の教材 ・教具を挙 げていた。 こ れ らの教具 の内訳は 、やは りガ ラガラ ・スズ ・ タ ンバ リソ ・タイ コ等の市販 の玩具をその まま 利用 しようとす る ものが多か った。 しか し、中 には これ ら市販の玩具に加えて 「さわ る とパ ッ と光 る もの」、 「さわ ると音 ので る もの」

「に ぎると音がで る もの」、 「角度を変えると音が 出る もの」等 とい ったち ェっと工夫を加えた教 具を利用 しよ うとする者 もいた。 この ように市 販の教具を工夫 して改造 していこ うとす る観点 は重症心身障害児 の指導を行 ううえで非常に大 切だ と考え る。 こ うした子 どもた ちの場合、市 販 の教具をそのまま利用 して も十 分な成果を挙 げ ることは少ないであろ う。 したが って、その 際教師が教材 ・教具 の レパ ー トリーを どれ くら い多 く身につけてい るか、 または どれ くらい多 く考 え られ るかが重要 となる。前述 の よ うに多 くの学生はパ ターン化 した伝統的な教具 しか挙 げ られない。パ ター ン化 した発想を どう創造的 な ものに してい くかは、教師教育 としては今後 の課題 であろ う。 3つの意思決定にかかわ っての学生 の提 出 した 質問や アソサ ーは上述の とお りであ ったが、 この ビデオを観ての感想 としては、 「教師が どんな こ とを考 えて教育す るのかがわか った

「先生が教 育上 どんな ことで苦労するかがわか った」等が あ り,比較的好意的な もので あった。

「重 症 心 身 障 害 者 の 発 達 と教 育

Ⅱ」

1.は じめに一演絹 的な資質論の不毛性 -いわゆ る 「普通」児担 当の教師について もそ う であるが、戦後障 害児教育 の教師についての資質 論が さまざまに展開 されて きた。古 くは近藤益雄 の 「のん き、 こん き、げん き」が あ り、その論者 をあげれば き りが な くな るだ ろ う。 しか し、それ らは森清氏 (前熊本大学教授) の 指摘 (「現代精神薄弱児講座1 教育原理」全 日 本特殊教育連盟編 、 日本文化学社、 1974年) を ま つ まで もな く、 「教育 の本質か ら浜鐸的に追求 し ようとす る方法 と、一般 の教師 あるいは特定 の教 師か ら帰納的に導 き出そ うとす る方法」 の どち ら かであ った。近藤益雄 の 「のん き、 こん き、げ ん き」な どは、彼 の実践 活動か ら帰納的に導 き出 さ れ た貴重な教訓 とい うべ きものであろ う。だが、 演符的方法で資質論を論 じようとす るな ら、教育 の本質が、いわゆ る 「普通」児 と障 害児 とでは違 うのか ど うかが問題 とな って こよ う。極端ないい 方をすれば、障害児 のそれは、 ケアとか看護 であ ■ り、教育 の範囲外で しか論 じられない とい うのな ら問題 であるが 、現今 ではいわゆ る 「普通」児 の 教育 と障 学児 のそれは、教育 の本質か らみれば少 しも変わ る ものでない とい うのが確認 され てい る 事実 とい っていいであろ う。 とす ると、演縛的方 法 よ り得 られ る障 害児 教育 の資質論 と大 同小異 と い うことにな らないだ ろ うか。た しかに、「普通」 児 に とって優秀 な教師は、障害児に とって も優秀 な教師であ り、その逆に、ある障害児にとって優秀 な教師は、 「普通」児 に とって も優秀 な教師 であ る とい う経験的な事実は、大 同小異論の傍証 とい えるか もしれない。前述 の森清氏が、諸研究家 の 指摘 してい る障害児教育 (精神薄弱児教育)担 当 教師に望 まれ る資質を検討 した結果 として言 って い ることは、 「多 くの研究者がいろいろの視点か ら指摘 してい るが、 さて、それ らの資質が普通教 育 (筆者 らのい う 「普通」児 の教育) の教師 とど こが達 うか とな ると、教育活動の本質か らしてほ とん ど変わ りはない ともいえ る」 (P.133)とい うことである。 教師 の資質論 として、いわゆ る 「普通 」児 の教 育 と障害児教育 では 同 じだ とい う結論は、た しか に妥 当だ し,少 しも誤 りではない。で も、それだ けでは、障害児教育 におけ る教師教育の意義は薄 弱な もの とな って しま うだろ う。現実問題 として、 障害児教育をいわゆ る 「普通」児教育に解消 しえ ない し、独 自の教師教育 も展開 してい るのである か ら、いわゆ る 「普通」児 の教育 との共通性に着 目しなが らも相対的に独 自性を もった資質論が必 要 となろ う。それでは、その相対的 に独 自性を も った資質論は、浜梓的方法で可能 であろ うか。不 可能な ことはないだろ うか。だが、相対的な独 自 性は対象が もつ ものであるか ら、対象 である障害 児教育 の事実を分析 す ることが まず あ って しか る べ きでなか ろ うか。それをぬいた演鐸だけか らの 資質論 では、相対的な独 自性を抽 出 して も抽象的

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で、教師教育の方法-の示唆は 限 られ た ものであ ろ う。教師 教育 の内容 と方法に具体的 な示 唆を得 られ る ような資質論 を確立 す るためには、障害児 教育におけ る教師 の仕事の分析 を通 した帰納的方 法 に よることが よいであろ う。 2. 資質論から教授 スキル論へ それ では帰納的方法 とい った場合、多種多様な 教師 の仕事 のなかで どこに視 点を与 え るべ きなの だ ろ う。近藤益雄 の 「のん き、 こん き、げんき」 とい う資質論は、彼 の実践全体か らでて きた もの で、貴重 では あるが、教師 の仕事の中心 といえは、 それは授業活動 とい っていいのではなかろ うか。 障 害児教育 の場合、身辺 自立 の指導、 日常生活 の 指導 、養護 ・訓練 の指導な ど障 害の状態に よって は 、教育活動の中心が通常の意味か らい って授業 活動 とは いえない ものにな ってい ることも多い。 だが 、 どんな形態 の指導 であろ うと、教師 の教授 行動が あ り、子 どもの学習行動が ある限 り、そ こ には授業活動が あるとい うべ きだ ろ う。 この授業 活動 の分析 か ら、教師に望 まれ る資質論がつ くり だ され る必要が あるであろ う。 とまれ,授業活動 の分析 か ら うまれ る資質論を ≠資質論Oとい っていいのだろ うかOいわゆ る QL資 質論o とい うのは、国語辞典的にいえば 「生 まれ つ きの性質、天性」であ り、養成不能 とい うニ ュ ア ンスす ら感 じさせ る。 また、人格論的な意味 も 感 じさせ、抽象的 ・一般的で ことた りるのかの印 象 もうける。それ では、教師教育 の内容 と方法に 具体的な示唆を与 える ような もの とな らないだ ろ う. これ では こまるわけであるか ら、 ≠資質論O は、で きるな ら用語 を変えて しか るべ きとい うこ とに な る。 ど う変 えた ら妥 当 かは不 確か である が、 ここでは一応、 「教授 スキル」 とい う語を考 えてお こ う。 とい うのは、その語が教師教育 の具 体的な ターゲ ットとして使用 されて きつつある し、 厳 密な概念規定が あるわけではないが教師 の仕事 の中核 ともいえる授業活動を分析 す ることで ≠ス キルQは 明確に され ると考えてい る点 で、筆者 ら の考 え と一致するか らである。ただ、 ことあ って おかなければいけないのは、 「スキル」 とい って も、その レベルは さまざまで統一 されてい るわけ では ない。筆者 らとしては、 (今後 も追求 してい くが)厳密な法則 の適用方術 とい う意味 の「技術」 や 「こつ」でな く、つ ま り単純 な 「教授方法の技 術」 とい うもので もな く、個性豊かで さまざまな パ ー ソナ リテ ィをそなえた教師が、子 どもとの対 応 のなかで行使す る考 え方 とその行動 とで もい う べ きもの と考 えてお くこととしてい る。 そ うした 「教授 スキル」を さく・りだす ことで、筆者 らとし ては、従来の QL資質論Oか らはえ られない、重要 な教師教育-の具体的方法や 内容 をえることが で きると考 えてい る。 3. 「教授 スキ

」 と教師の意思決定過 程 上述 した ような意味 での 「教授 スキル」を抽 出 す る方法は多様だろ う。 ここでは、教師が障害児 を対象に して授業活動を組織 しよ うとす る時の標 準的な手順

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)

を想定 して、 その手順 の節 々に生 じる教師の意思決定 を もとに して考えてみ ることにす る。 障害児 を 目の前に して、教師が まず第1に考 え る ことは 、何を子 どもに指導 で きるのか とい うこ とであろ う。子 どもの障害 の状態 に対応 して、発 達 をふ まえなが らも、教師 自らの子 どもに対す る 願 いを具体的な指導 目標 として設定 しなければな らないだ ろ う。障害児学校 の学習指導要領 に準拠 して指導 目標 を設定す るに して も現実の子 どもに 合致 しえ る ものに修正 しなければな らないだろ う。 この ような指導 目標の設定にかかわ る教師 の意思 決定 を、授業活動の立案 スキル とで もここではい ってお こ う。 指導 目標を設定 したあ と、それを実現 す るため の活動を、教師は第2に考 え るであろ う。考え ら れた さまざまな活動は、精選 されて、順序 づけ ら れ るだろ う。例えは、 「手 の探索力を高め る」 と い う指導 目標を設定 した と して、その指導 目標 を 達成 するための活動 として、 「手 で物を とる

「手 で物 をひ っは る

「手 で押 す

「手 で回転 させ る」 「手 でなぜ る」な どた くさんあるが、それ らは精 選 され、順序 づけ られなければな らないだ ろ う。 これ も授業活動 の立案 スキル といえる ものの一部 だが、精選 ・順序 づけのスキル とよんでお く。 精選 ・順序 づけが終 ると、教師は、第3の意思 決定 として、記述 され た活 動を最 も具体 的 に明示 し、それ を使 うことで教師 のめ ざ した活動 と目標

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の達成 とな るよ うな教材 ・教具 を考案 しなければ な らないだろ う。 これは教授 目標の教授学的な翻 案 といわれ る作業で あ る。障 害児教育では、障害 の状態が重け九は重 いほ ど授業は活動 として組織 されなければ意味が な い. まさに や為す ことに よ り学ぶJ'が行われ る ことで授業活動は成立 に導 か れ る とい っていい。 それを実現 させ るのが 、 ここ での教師 の意志決定 で、翻案 スキル とよぶ ことに す る。 第4の教師 の意思決 定は、実際の授業活動の展 開のなかで行われ る。授業活動の展開のなかで、 教師は子 どもと/i-パルおよび ノン ・/i-パルな コ ミュニケーシ ョンを もとに臨機応変 の意思決定 を してい く。子 どもの表情、 また、教師の ことば かけに対す る反応、 さらに、子 どもの教具 に対す る取 り組みの状況な どを もとに、教師は展開上必 要 とされ る意志決定 を次か ら次- としてい く。 こ うした意志決定 を教師 の授業活動展開 スキル とこ こでは よんでお こ う。 第5の意志決定は 、上述の よ うな意志決定を も とに して、授業活動が一応終了 した時、い ままで の意志決定 とその実行 をふ りかえ り,次の授業活 動に活かすべ き反省点 を まとめ ることについてな され る。 さまざまな反省点のなかか ら、次 の授業 活動に活かすべ き点 を確実にひろいだす時 の教師 の意志決定 とそ こでの やスキルタ といえるか ら、 評価 スキル とよぶ こと もできよう。 以上 の よ うに、授業活動の組織 ・展開の過程 で 教師 の意志決定 とそれ にかかわ る tスキルタが考 え られ るのである。 こ こでは、 あ くまで もその大 枠 を示 したにす ぎない ので、具体的な内容は、授 業活動 の研究 を進め るなかで明 らかに していかな ければな らないだろ う。 4.ビデオ教材 と教 師の意思決定 ところで、今回教師教育用に作成 した ビデオ教 材は、前述の教師の意 思決定 とそれにかかわ る≠ス キルQでいえは、第2の精選 ・順序づけのスキル お よび第3の翻案 スキルを主に と りあげた教材 で ある。 それ も重症心身障 害児 の一事例を と りあげ て、その事例に即 しなが ら指導 目標を設定 したあ と、 目標 の達成 のため の活動の精選 ・順序 づけを 視聴者に考 え させ る とと もに、具体的な 目標 にみ あった活動 とそれ に使 う教材 お よび教具を考 え さ せ ようとす る ものであ る。 なお、今回筆者 らの作成 した ビデオ教材は、単 に視聴 して一定 の知織 を得 る とい うだけの もので はな く、 「あなたな らど う考 え ますか

「討論! 意見をだ しあお う」のテ ロ ップ表示がでて、視聴 者が ビデオ教材を もとに して討論、意見の交換が で きる よ うに してある。 つ ま り、 ビデオを プ レイ - ス トップ - プ レイ・--とい う使 い方 を しな が ら、討議 のなかで学習がすすめ られ るよ うに し てある (この方法を東京大学 の藤 岡信勝氏は 「ス トップモーシ ョン方式」 と呼 んでい るも これは、 授業活動等を ビデオで単に視聴 させ るだけである と、現場 の実践経験を もたない学生や人た ちは、 何に こそ注 目すべ きかがわか らないために、有効 に教育効界を あげない とい う筆者 らの経験に よっ てい る。授業活動等を単に視聴 させ るだけではな く有効 に視聴 させ るには、教師が コメン トを加 え なが ら視聴 した り視聴後 コメン トをす るとい う方 法 もあるが、視聴者 である学生が可能 な限 り実践 家 の立場 に立 って教師 の意思決定を経験で きる よ うに、 「あなたは、 この子 (重症心身障害児M . T児) の担 当教師です」 とい うことを強調 してい るばか りか、教師 の意思決定 の節 々で視聴者が相 互 に十分討議 で きるよ うに してある。その討議は、 現場 で教育実践 を 自ら組織 しようとす る時、 ど う して も思考 し、可能な ら仲間たち と討議 して、 自 己決定を しなければな らない事項についての討議 とな ることを予定 しての もので、 この討議 を通 し て視聴者が 自ら意思決定者 としての思考を習得す ることが望 まれてい るわけである。 なお、今回の ビデオ教材は、指導 目標 の設定や 精選 ・順序づけを視聴者 とともに考 え させ もす る がかな りの時 間を さいて教材 ・教具 を考 え させ る ように してある理 由を簡単 に述べ るな ら、それは 重症心身障害児 の授業活動の展開では、 これがキ ーポイ ン トと考 え られ るか らである。 5. ビデオ教材のフ ローチ ャー ト このVTR教材は、ひ と りの重症心身障害児の 数年 問にわた る指導経過、教師 の意思決定過程 の モデル (清水 ら、 1983)に もとづいて編集 した も のである。その内容は、以下 の3つのパ ー トか ら

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構成 されてい る。(1)対象児の実態 を大 まかに把捉 動内容) を考 え させ る。 させ る (感覚 ・運動機能を 中心に)0(2)以上の行 では、実際 のVTR画面の時系列にそ って、各 動観察か ら、対象児- の指導 目標を考 え させ る。 パー トの内容を説 明す る。 (3)その指導 目標 に対応 させ て実際 の指導方法 (宿 表 2. ビ デ オ 画 面 の 7 日 - チ ャ ー ト VTRの構成 内 容 の 説 明 タイ トル (スター ト) ① このVTR教材 で学習す る学生たちは、すべて 「これか I ここに紹介 す るのは9歳2ケ月 ですol

,M.T(

女) らみ る子 どもの担 当教師」 とい う位置づけであるo その う えで、何 を指導 目標 とすべ きかを念頭において子 どもの行 動をVTRで観察 して もら うわけである○ ここで、各学生 ① あなたは、 この子 の担 当教師 で は これ まで学習 して きた障害児教育及び発達 に関す る知識 すo あなたは、何を この子の指導 を もとに 「対象児 の発達 レベル」、 「何が で きて、何が で 目標 に しますかo きないか」等 を考慮 して対象児 の行動の水準を推定 してい

かな くてはな らないo ・指導員や教師 の設定場面 ②行動観察には 自由な場面 で行動を観察す る方法 と条件設 ・日常生活 での行動 の様子i 坐育歴 .医学的所見 (テ ロ ップ ) 定場面での行動を観察す る方法 と大 き く2通 りの方法が あ るo ここでは この2通 りの方法に よ り対象児 の行動 を観察 して もら うo画面 には必要 と思われ る情報をテ ロップで提 ∫ 示 したoそ して、最後に 「触覚

「視覚

「聴覚」 の主要 各種感覚の使 い方 のまとめ 感覚 の使 い方について整理 して提示 したo ③ さて、 ③ ここでは、以上 の行動観察に もとづ き、指導 目標 を考 え あなたは、 この子 の指導 目標 とし させ るo その際、対象児 との ラポー トはすでに十分 で きて て何を設定 しますか ? い るもの としたo ラポー トをつ くることは確かに重要 な こ (あなた と, この子 との問には ラ とであ り、 ラポ ー トが確立 していなければ どの ような働 き ポ- トがで きてい ます.) かけ も意味 をな さない ことは い うまで もないo前に報 告 し f たVTR教材 で も、 「ラポー トの確立」を指導 目標 として 掲 げて くる者が あ ったo しか し、 ここでは、 この よ うな指 導者 と対象児 との関係についてではな く、純粋 に対象児 の 達成すべ き行動、 あるいは こ うな ってほ しい と考え る具体 ④ 討 論 ! 的行動を考え させ ることに したo具体的な行動を考 え させ 意見をだ しあお う るとい うことは、子 どもに対す るアクテ ィビテ ィを考 え さ 指導 目標 せ ることに もつなが るので、討論では重視 したいo ④ ここでは、各学習者 の設定 した指導 目標 を発表 させ ると ともに、指導 目標 例を板書す るな どして、学習者同士 で討 論 を組織す るo ここでの討論 内容は主 に各指導 目標 それ 自 体ではな く、その設定理 由であるo この よ うな重症心 身障 M .T児が 自分の意志で自由 害児 を対象 とした場合、各指導者 の視点 の置 き方に よって に手を動か して、物を操作 し さまざまな指導 目標が考 え られ るので、何が最 も適切 な指 ていけ るようにす るo 導 目標であるかは一概には決定 で きないo Lたが って 、 こ 、 そのために、 こでは、何が適切 な指導 目標 であるかを決定 すること よ り ・感覚 と手 の協応を強め る もむ しろ、 「どの ような理 由で どの ような指導 目標が設定 ・手 の運動に多様な方向性を しうるのか」を知 ることが重要 と思われ るo現場教師 とし

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VTRの構成 内 容 の 説 明 で、ある指導 目標を明確な理 由づけ の もとで選 択 で きる力 を身 につけ る必要が あろ うo ⑤ 「手 の運動に多様な方向性を も ⑤ 「感覚 と手 の協応」と「手 の運動の多様 な方 向性」とは相 たせ る」には、手に どんな働 きを も 互 に関連 しあ ってい るoつ ま り、手 の運動に多様な方 向性 たせ叫 、と、あなたは考えますか ?討 1 論 ! を もたせ るとい うことは、各課題状況に応 じて よ りコン トロール された手 の動 きの拡大を意味 してお り、 そのために 意見をだ しあお う ほ視覚や聴覚を十分活用 して手 の運 動を誘導 す ることが必 I 要 とな る. ここでは、手の運動に多様 な方向性 を もたせ る (参先生方は次の ように考え ましたo ために、手の どんな楼能 (働 き)に着 目するかを考え させ るo 1.物をつかみ、引 きよせ る 2.せ る物の引 きよせに方 向性を もた (特別な働 きかけを しな くて も、手 で物 をつか んだ り、投げ参事は さまざまな機能 を もっているo いわゆ る正常児 では 3.物に手を出 し、押す た りが いわば 自然に獲得 されてい くかの ようにみえ るO L l か し、感覚や運動が初期の レベルに留 まってい る重症心身 (罫 「物をつかみ、引 きよせ る」 こ 障 害児 では こ うした行動が なかなか獲得 されず 、感覚 に も との指導 をす るために、あなたは とづ く運動を引 き出す ことが重要だ と考 え られてい るo こ どんな活動を考え ますか ?討 1 論! こでは、 「つかむり挙げたが、 これ らを含 めて多様な機能を考え られ る よう.

「引 きよせ る

「押す」等 の機能を取 意見をだ しあお うI (にな ることをね らい としてい るo笥ここでい う活動 とは、学習場面 .教材 .教具 .手順 な ど ト 指 導 t場 面 ⑧ 「物を引きよせ、方向性を もた を含 めた課題状況を意味 しているo多様な活動 を考 え させ るのがね らいo ⑧一般に、重症心身障害者は、外界- の能動的 .自発的な 探索行動が乏 し く、 また あ つて も刺激 に引 きず られた よう せ る」 ことの指導 のために、あな な受動的 .衝動的な関わ りであることが多いo この よ うに たは どんな活動を考 え ますか ?意見をだ しあお う討 lー 論! 初歩的な統制 されていない感覚や運動に よる関わ りでは十 分安定 した空間は成立せず、外界は未分化 なま まとなるo そ こで、教師 の働 きかけ としては、その子 の自発行動に着 目しつつ、視覚 の統制 の もとに十分調節 された手の運動を 指 導 場 面 l 引 き出 して い くこ とが 重要 とな ると この対象 児は他者 の「手」に関心を示 し、手を伸 ばす ことか ら、手袋を利用 し て提示板 の さまざまな位置に手袋を置 き、手で とらせ る学

l

指導 のために、あなたは どんな活「物に手を出

、押す」 ことの

(

習や ス ライデ ィングブ ロ ックを用いた学習を行 ってい るo

9

「押 す」や 「はなす」な どの学習は 「引 く

「つかむ」 動を考 え ますか ? な どの学習 よ りも困難だ と考 え られてい るO これは、.A.「つ -討 l 論, かむり、 その結果 も触覚 な どの原初的な感覚に よって も十分確

「引 く」は事物を手 に入れ る過程で必要 な活姦i:.あ 意見をだ しあお う 認 しうること、そ して、その後 「ふ る

「たた く」等 の活 f l 指 導 場 面

1

動を展開 し うることか ら自己の行動を意味 づけ ることが容易 とな るが、 「押す

「ほなす」はそ うした確認や意味 づ けが困難であることに よる と思われ るo実際、教育現場で i ⑲ さて、先生方の指導 でM .T児は ど うかわ つたで し ょうお わ りI(Theend) も 「押す

「はなす」学習 を ど う取 り組むかほ大 きな問題 とな ってい る ようであるo その意味 で も、 ここで種 々の活 動を考 え させ ることは重要 であろ うo

(11)

お わ リ に 重症心身障 害児 の教育は歴 史的に も浅 く、 まだ 大系 的 ・組織 的な教育方法が確立 して いるわ けで はない。今 回作成 した ビデオの素材 とな った教育 実践 もけ っ してモデル として位置 づけ られ る よ う な ものでは ない。 しか し、場 面 ご とに教師が 何を 観察 し、 ど う工夫 してい ったか とい う点 につ いて は、十分教材 た りえ る ものである。学生 は こ うし た工夫 を こそ学ばなければな らない。教師 教育 の なかで重要 な点は、 こ うした実践 場面 におけ る意 思決定- の援助 であろ う。は じめて重症心身障 害 児 と接 した学生 はただおろおろす るはか りでい っ たい どこか ら手 をつけて よいかわか らず困惑 して しま うのが 常 であ るO ビデオ教材 を用 いて こ うし た体験 を教室 の中で リアルに再現 し、実際 に担 当 教師 にな ったつ も りで教育方法を集団的に討議 し て い くことは、未来 の教師 の実践 的力量形成 の上 で きわ めて有効 と思われ る。 (1990.1.18受理) 文 献 1)中島昭美(1977) :人間行動の成 り立ち-重複障 害教育の基本的立場か ら、重役陣害教育研究所紀要 第1巻2号. 2)細網富夫 ・阿部幸黍 (1981) :重度 ・重複障害児 の感覚 ・運動蹴能に関する事例的研究、日本特殊教 育学会第19回大会発表論文集286- 287. 3)清水貞夫 ・細測富夫 (1983):障害児教育の教師 教育用 ビデオの作成、その1-重症心身障害児の教 育-。電子通信学会技術研究報告VOL 83,No.16, ET83-1,73-78. 4)細網富夫 ・清水貞夫(1983):障害児教育の教師 教育用 ビデオの作成、その2-重症心身障害児の教 育-.電子通信学会技術研究報告VOL.83,No.16, ET83-2,49-54. 5)菅野重道 ・宇佐川浩他 (1982):発達障害幼児の 視知覚運動教具の系統的開発 と臨床的適用に関する 研究C安田生命社会事業団年報、第17号、 65-89 6)藤岡信勝 (1989):子 どもの発言-の対応の工夫、 発達の遅れ と教育No.383,20-23.

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