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ヘリコプターを用いた総合的な空中物理探査システムの開発

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

火山災害、地震災害、大規模斜面災害などの自然災害による被害を軽減するためには、これらの災害が発生 する危険性のある地域に対して、危険地域に立ち入ることなく、地下の状態を詳細に把握することが重要であ る。このためには、空中から地下の様々な物性値を迅速かつ詳細に取得できる空中探査システムが必要である。

目 的

空中電磁、空中磁気、空中放射能、空中熱赤外映像の各探査法を高精度化、統合化することにより、広域の 地下情報を把握するための総合空中探査システムを開発する(図 1)。

主な成果

1.地下深部の高温異常域の探査法の開発 空中電磁探査法で探査できる深度は、これまで地下 200m 程度であったが、より深い深度まで探査可能と するため、地表ソース型空中電磁探査法を採用し、この原理に沿った装置を開発した。開発した装置は、最 大で地下 1000m 程度までの比抵抗分布を探査できることがわかった(図 2)。 空中磁気探査では、高精度の位置情報に基づく詳細な磁場空間ポテンシャルマップを作成することができ た(図 3)。これらの手法を用い、低比抵抗・弱磁化を示す地下深部の高温異常域を探知することが可能で ある。 2.地下浅部の高温異常域の探査法の開発 空中放射能探査では、センサー感度に依存する放射線強度(単位: cps)を、地質の違いを定量的に評価 可能な放射線吸収線量率(単位: nGy/h)に変換する手法を開発した。 空中熱赤外映像探査では、数千枚の熱赤外画像のそれぞれに位置情報を付加することにより、調査地域全 体の高品質な連続合成熱赤外画像を作ることができた(図 4)。これらにより、地下浅部の破砕域(高放射 能を示す)や高温異常域を探知することが可能である。 3.総合空中探査システムの開発 これら 4 つの空中探査は、一台のヘリコプターによる 3 回の飛行を行なうことで実施可能である。これに より、災害危険地域に立ち入ることなく、安全に、迅速に、低コストで地表∼地下 1000m の様々な物性値 を取得できる総合空中探査システムを開発した。本システムを繰り返し適用することにより、地下の異常を いち早く検知することが可能である。 なお、本研究は、文部科学省の補助金を使用して実施したものである。

今後の展開

各探査法のデータ処理技術のさらなる高度化を図るとともに、開発した総合空中探査システムを災害危険地 域に繰り返し適用し、データの蓄積を図ることにより、防災に役立てていく。 主担当者 地球工学研究所 地圏科学領域 主任研究員 伊藤 久敏 関連報告書 「ヘリコプターを用いた総合的な空中物理探査システムの開発(その 1、その 2)」電力中央 研究所報告: N06011、N06012(2007 年 3 月) 116

ヘリコプターを用いた総合的な空中物理探査システムの開発

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9.電力施設建設・保全

117 0 1000 5 5000 S N nT 45500 47500 N N 中岳 烏帽 子岳 杵島 岳 1km 中岳 火口 [℃] 中 岳火口 60 10 N 図4 阿蘇火山の地表面温度分布 図3 磁場空間ポテンシャルマップ 図2 阿蘇火山の比抵抗分布の南北断面図 図1 ヘリコプターを用いた総合空中探査システム 空中熱赤外:地表面の 温度分布から熱異常箇 所を把握 空中放射能:地下浅部 の放射性物質の分布か ら断層、変質帯を把握 空中磁気:地下の磁気 異常から熱構造、火山 体や断層を把握 空中電磁:地下1kmま での比抵抗分布から地 質・水理構造を把握 比抵抗(Ωm) 標高 (m) 赤い箇所は強い磁化域(玄武岩質の火 山)を示す。 赤い箇所 (低比抵抗 域)から熱 水域を探査 可能。

1000m

中岳火口(西方)

参照

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