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フレームワーク手法に基づく制御系シミュレーションの効率化

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Academic year: 2021

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フレームワーク手法に基づく制御系シミュレーションの効率化

*

片岡 正俊†  小林 正幸  池田 英俊§ 三菱電機株式会社

* Making control system simulation efficient by using a framework method

Masatoshi Kataoka, Mitsubishi Electric Corporation Information Technology Center Masayuki Kobayashi, Mitsubishi Electric Corporation Design Systems Engineering Center § Hidetoshi Ikeda, Mitsubishi Electric Corporation Advanced Technology R&D Center 1.はじめに  制御系シミュレーションソフトウェアがパソ コン上で動くようになり、ユーザにとって益々 使いやすいものとなってきたが、シミュレーシ ョンを含む設計作業全体をみわたすと、データ の再利用、過去の設計ノウハウの活用等、まだ まだ十分ではない。  筆者らは、設計プロセス全体を効率化する視 点にたち、フレームワーク手法に基づく制御系 シミュレーションシステムを構築した。  本稿では、このシステム概要を紹介すると共 に、フレームワーク手法を活用することで、設 計作業の効率化が図れるだけでなく、設計ノウ ハウがシステムに蓄積し、経験の浅い技術者も 高度な設計が可能になる事を指摘する。 2.制御系設計作業とその課題  制御系設計作業とは、図1に示すように、制 御対象 P(s)が目標値に追随する制御器 C(s)を設 計することである。 制 御 器 C(s) 制 御 対 象 P(s) 目 標 値 制 御 量 + ー 図1.制御系の構成 一般に、この設計においては、動的システムで ある制御対象 P(s)ならびに制御器 C(s)をブロッ ク線図で表現し、その制御器のパラメータを所 定の制御性能が得られるまで、試行錯誤的に変 化させる形で設計が進められる。  この際の問題点として指摘されるのは、ベテ ラン設計者であれば,その経験から簡単に初期 解を得て、その後徐々にチューニングしていく ことができるが、経験の乏しい設計者の場合、 初期解に至るまでに多くの時間を要する事であ る。  筆者らは、この対策として、ある程度望まし い初期解が得られるまで、対話型で解の探索を くりかえすユーザインタフェースの提案を行っ た。[1][2] この探索は通常、特定の制御指 標を見ながら行うものであるが、今回この部分 をフレームワーク化し、初期解が満たすべき条 件入力を行うと、そのためのシミュレーション を繰り返し実行するプログラム(以下、シナリ オと呼ぶ)を自動作成し、初期解を自動計算す る方式を開発した。 3.フレームワーク手法の適用  フレームワーク手法とは、JAVAプログラ ミングの効率化手法として、最近注目されてい る。[3] その考え方は図2に示すように処理 の手順をあらかじめパターン化し、そのパター ンに必要な固有ロジックを選択、組み合わせて ソフトウェアを構成する。 フ レ ー ム ワ ー ク 固有処理ー1 固有処理ー2 固有処理ー3 処 理 の 流 れ (パ タ ー ン ) 呼出し 呼出し 呼出し 図2.フレームワークの処理概念 筆者らは、この考え方を制御系設計の初期解を 求めるシナリオ作成に適用した。一般に制御系 のシミュレーションは、以下の5つの部分から 構成され、パラメータを変更しては、この処理 を繰り返す。 (1) シミュレーションモジュール選択 (2) 評価指標モジュール選択 (3) データセット選択 (4) シミュレーション実行

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4G-2

情報処理学会第65回全国大会

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(5) シミュレーション結果保存 すなわち、設計者はみずからの対象とする制御 対象と制御器を指定すると、それに対応したシ ミュレーションモジュールが選択され、初期解 として満たすべき制御指標を指定すると評価指 標計算モジュールが選択される。その後、パラ メータのデータセットを選択、その中のどのパ ラメータを変更するのかを指示すれば、自動的 に、図3のような処理手順をおこなうシナリオ が自動生成される。 モジュール・データ セット選択 シミュレーショ ンモジュール 評価指標モ ジュール データセット データ 更新 シミュレーション実行 シナリオ型出力 計算結果 ファイル 条件満足? 始 終 Y N 図3.自動生成されるシナリオ 4.例題による検証  制御系設計の例題として、無駄時間つき1次 遅れをPIコントローラで制御する問題を考え る。図4参照。 図4. 制御系設計の例題 ここ で、 ス テッ プ 応答 の目 標 値が 整 定幅 - 1 0%ないし+15%の範囲に4秒以内に整定す る初期解を求める事が課題である。  この課題に対し、以下のように記述すること で、シナリオが自動生成され、シミュレーショ ンを繰り返す。 (1) 制御対象:1/(S+1)*e-s (2) 制御器:Kp(1+Ki/S) (3) 制御目標:整定時間=4,-10%+15% (4) パラメータ: 0.1<Kp<1.0 (5) パラメータ: 0.1<Ki<1.0 その結果であるシミュレーション時間を、こう したシナリオを使わないで、全探索した場合と の比較で以下に示すと、 (A)全探索:    130.2 秒 (B)シナリオ探索:  86.3 秒 となり約2/3の時間に短縮できた事がわかる。 また、この 際の探索初 期値(①) 、探索途中 解 (②)、制御目標を満たす初期解(③)、整定時間 最小解(④)を図5に示す。  こうした自動生成されたシナリオを用いる事 により、従来より早く、初期解をみつけ、その 後のパラメータのチューニングがよりやりやす くなることがわかった。 ①探索初期値 ②探索途中解 ③初期解 ④整定時間最小解 ① ④ ② 図5.計算結果 5.考察  ベテランでない設計者が初期解を見つけるの に、シナリオを活用したシミュレーションが有 効である事を検証した。このシナリオ作成も、 フレームワーク手法を援用することで簡単に実 現できる事もあわせて確かめる事ができた。  このことは、単にシミュレーションを効率化 するだけでなく、制御対象、制御器、制御目標、 パラメータが1セットとなったケーススタディ であり、これを蓄積することにより同種の問題 に対する知識ベースを形成する事ができる。  この知識ベースを活用することにより、未熟 な技術者でもベテランに近い設計が可能になる と筆者らは考えている。 参考文献 [1] 片岡、小林:ワークステーション上のシミュレ ーション言語におけるユーザインタフェースに ついて、第7回シミュレーションテクノロジー コンファレンス、1988年6月 [2] 小林、小池、川村:フレームワークの概念に基 づくシミュレーションユーザインタフェースの 開発、第12回シミュレーションテクノロジー コンファレンス、1993年6月 [3] 特集:フレームワークで生産性をあげる、日経 オープンシステム、2002年2月号

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参照

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