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電析法による多層膜の作製とその特性に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

電析法による多層膜の作製とその特性に関する研究( 内容の

要旨(Summary) )

Author(s)

三宅, 猛司

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第171号

Issue Date

2002-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1892

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題 目 三 宅 猛 司(愛知県) 博 士(工学) 甲 第 171 号 平成14年 3月25日 物質工学専攻 電析法による多層膜の作製とその特性に関する研究 (Studies on preparation oflmltilayers by

electrodeposition and their properties) 学位論文審査委員 (主査).教 授 箕 浦▲ 秀 樹 (副査) 教 授 橋 場 稔 教 授 竹 内 助教授 杉 浦 隆 豊

論文内容の要旨

多層膜とは、異なる金属層を原子オーダーから数十ナノメーターオーダーの膜厚で交互 に規則的に積層させた材料であり、これにより従来にはない新材料を創製したり、材料に 新たな機能を付与しようとするものである。この作製には今まで主として、スパッタ法や 蒸着法などに代表される乾式法を用いた作製が主流であったが、この方法では、特性は良 好であるものの、高真空技術や基板温度の高度制御技術が必要不可欠である。これに対し て、もし湿式法としての電析法が可能であれば、低温プロセス化が可能で、低環境負荷型 であり、成膜速度も速くでき、低コスト化も可能であることなどの利点があるものの、得 られる膜の組成や構造の精密な制御に難があるとされてきた。 本論文は、電析法による多層膜作製を取り上げたもので、とりわけ一浴法によりC扉Ni -P多層膜作製を得ることを検討し、その作成法の確立と得られる膜の評価を行ったもの である。 まず第1章では、多層膜の研究に関する歴史を概観した。その中で、多層膜化の意義を 明らかにした後、特にそれらの機械的性質に関する検討が不十分であることを指摘し、本 研究がCu/Ni・P多層膜を例に、主にそれを明らかにすることを目的とすることを述べてい る。 第2章では、CuJNi・P多層膜作製に先立って、C山Ni多層膜作製を試み、定電流パルス 電解法を用いたスルファミン酸塩浴からのそれの製膜条件を明らかにしている。特に、Cu とNiという2種の層を一浴から交互に析出させるた めの条件を見出している。 第3章では、硬質材料に挟まれた軟質材料が潤滑的な働きをして摩擦摩耗特性を向上さ せることを目的として、硬質材料であるNi・Pと軟質材料であるCllを交互に積層させる 試みを、硫酸ニッケル、硫酸銅、亜リン酸、クエン酸ナトリウムからなるめっき浴からの′

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-56-一浴法からの定電流パルス電解法により行っている。その結果、その製膜が可能であるこ と、パルス電流値を変化させることにより、アモルファスNi・P層と結晶性のNi・P層とを 選択的に積層させ得ることなどを明らかにした。 第4章では、アモルファス構造のNi・P層を50nm一定、Cu層を25nmから75nmま で変化させたC測・P多層膜を作製し、その多層膜の硬度と摩擦摩耗特性について検討を 行った。その結果、多層膜の硬度では、複合則の関係を満たすこと、多層膜化することで 摩耗量が単層膜と比べ1/6程度であることから、耐摩耗性が大きく向上することなどを明 らかにし、これが、クラックやポイドの次第が、多層膜内部の界面によって抑制されるこ とによるものであると推測している。 第5章では、Cu層とNi・P層の膜厚比を1として、各層の膜厚を50nmから300nmま で変化させたCu/Ni・P多層膜を作製し、それぞれの多層膜を200℃から600℃までの熱処 理をそれぞれ2時間行った時の結晶構造と硬度への影響についての検討を行っている。そ の結果、熱処理温度400℃までは多層構造を有し、それ以上の熱処理温度では熱拡散によ り合金化することを見出し、また、一層あたりの膜厚が薄くなるに伴い多層膜の硬度は増 加し、硬度と一層当たりの膜厚の関係は、ポール・ピッチの関係式を満たすことなどを明 らかにしている。 最後にこれらの検討結果をまとめている。

論文審査結果の要旨

多層膜とは、異なる金属層を原子オーダーから数十ナノメーターオーダーの膜厚で交互 に規則的に積層させた材料であり、これにより従来にはない新材料を創製したり、材料に 新たな機能を付与しようとするものである。この作製には今まで主として、スパッタ法や 蒸着法などに代表される乾式法を用いた作製が主流であったが、この方法では、特性は良 好であるものの、高真空技術や基板温度の高度制御技術が必要不可欠である。これに対し て、もし湿式法としての電析法が可能であれば、低温プロセス化が可能で、低環境負荷型 であり、成膜速度も速くでき、低コスト化も可能であることなどの利点があるものの、得 られる膜の組成や構造の精密な制御に難があるとされてきた。 本論文は、電析法による多層膜作製を取り上げたもので、とりわけ一浴法によりCu/Ni -P多層膜作製を得ることを検討し、その作成法の確立と得られる膜の評価を行ったもの である。 まずCu/Ni・P多層膜作製に先立って、Cu/Ni多層膜作製を試み、定電流パルス電解法を 用いたスルファミン酸塩浴からのそれの製膜条件を明らかにしている(第2章)。 次に、硬質材料に挟まれた軟質材料が潤滑的な働きをして摩擦摩耗特性を向上させるこ とを目的として、硬質材料であるNi・Pと軟質材料であるCuを交互に積層させる試みを、 硫酸ニッケル、硫酸銅、亜リン酸、クエン酸ナトリウムからなるめっき浴からの一浴法か

らの定電流パルス電解法により行っ七いる(第3章)。その結果、その製膜が可能である

こと、パルス電流値を変化させることにより、アモルファスNi・P層と結晶性のNi・P層と

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-57-を選択的に積層させ得ることなどを明らかにした。 続いて、アモルファス構造のNi・P層を50n皿一定、Cu層を25nmから75nmまで変 化させたCu/Ni-P多層膜を作製し、その多層膜の硬度と摩擦摩耗特性について検討を行っ た(第4章)。その結果、多層膜の硬度では、複合別の関係を満たすこと、多層膜化する ことで摩耗量が単層膜と比べ1/6程度である.ことから、耐摩耗性が大きく向上することな

どを明らかにし、これが、クラックやポイドの次第が、多層嘩内部の界面によって抑制さ

れることによるものであると推測している。 最後に、Cu層とNi・P層の膜厚比を1として、各層の膜厚を50n皿から300nmまで変 化させたCu/Ni・P多層膜を作製し、それぞれの多層膜を200℃から600℃までの熱処理を それぞれ2時間行った時の結晶構造と硬度への影響についての検討を行っている(第5章)。 その結果、熱処理温度400℃までは多層構造を有し、それ以上の熱処理温度では熱拡散に より合金化することを見出し、また、一層あたりの膜厚が薄くなるに伴い多層膜の硬度は 増加し、硬度と一層当たりの膜厚の関係は、ポール・ピッチの関係式を満たすことなどを 明らかにしている。

以上のように、本研究は、新規な手法による多層膜作製に挑戦し、特に今まで検討がな

されてきていなかった機械的性質に焦点をあてて検討したもので、磨耗特性等の明らかな 向上を確認しており、学位論文の内容として十分であることを確認した。

最終試験結果の要旨

1月28日に1時間余にわたって最終試験を実施した。 プレゼンテーションにおいては、研究の背景を述べた後、論文の第3章、第4章及び第 5章を中心に、その内容を講演し、その後、20分間にわたって質問を受けた。その中では、 特に伸上P相の結晶学的性質についての知識に関して問われ、明確さを書いた回答があっ たこと、多層膜化することによる磨耗特性の改善に関して、CuとN卜Pの組み合わせの必 要性に関する議論がなされ、やや明確にならなかった点は見られたが、あとはほぼ的確に 答えることができた。 以上のことから、最終試験には合格と判定された。

参照

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