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(1)

インターネットを利用した調査法の検討

著者名(日)

島崎 哲彦, 笠原 耕三, 大竹 延幸

雑誌名

東洋大学社会学部紀要

38

2

ページ

5-25

発行年

2001-02

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00002244/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

(2)

インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸

インターネットを利用した調査法の検討

Reliability and Validity of Internet-surveys

        島崎哲彦

Akihiko SHIMAZAKI

        笠原耕三*

  Kozo KASAHARA

        大竹延幸**

 Nobuyuki OHTAKE

Abstract

  The Internet-survey has recently become more popular. This study was carried out to verify the reliability and validity of this type of survey. Among various types of Internet-survey, we focused on the“resource-based method”to evaluate the Internet- survey. The resource-based method is to let people access the questionnaires via the Web in order to collect answers at a computer trade show. To verify our results, we compared several aspects of the testing survey with traditional methods such as distributing questionnaires door-to-door.   The fbllowing items are some of our considerations to take a closer look into the difference between the lntemet・・survey and traditional methods. -Duration needed to collect all answers. -Frequency of people’s access to various types of the media and their preference fbr the media. -Relationship between people’s lifestyle and their attitude to the survey. -Recognition the testing manufacturer’s homepage receives f士om people. -Actions people took when they accessed the Web. *トンボ鉛筆 **マーケッティング・サービス

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東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) 一 Attitude people showed while accessing the web.  Through the analysis of these items, we revealed such facts as: 1)Nthough people showed different frequencies of Intemet access and quantity of information they obtained from the lnternet between the resource-based method and the traditional method, no difference was found in terms of use of conventional media and preference of media. 2)Respondents in both types of survey were similarly interested in information from the Internet. 3)There was an obvious tendency for people who accessed the questionnaires via the Internet to be more active in sports.  Breaking down the difference in the results of two methods brought us a new aspect of consideration such as the relationship between interest in sports and the method they chose besides the other predicted conclusions.  The conclusions we have reached through the analysis are: 一 The output of the resource-based Intemet-survey is reliable to a degree but several problems might still be unseen despite this study and require fUrther study. 一 Since the definition of population for a resource-based lnternet-survey still remains unclear, it is appropriate to weigh the validity of output from the Internet-survey by comparing With output f士om traditional methods.

L 研究の背景と目的 2.方法と結果 (1) (2) (3) (4) (5) 調査実施期間 個人属性の偏りと比較検討のための標本の選択 メディア利用の比較 ライフスタイルの比較 東芝消費者対応問題のホームページに関する態度の比較 3. まとめ

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インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸

1.研究の背景と目的

 社会調査と呼ばれる方法は、実証的な社会科学的研究の重要な手段として用いられてきた。なか でも、母集団を代表する標本を抽出し、標本を調査した結果から母集団の傾向を推計する標本調査 は、社会学、社会心理学、政治学などの分野では、もっとも多用されている手法である。また、こ のような手法は研究の領域にとどまらず、官公庁、マス・メディアが行う世論調査や企業が行うマ ーケティング・リサーチなど、社会の様ざまな分野でも活用されている。  従来の標本調査のもっとも一般的手法は、調査員が調査対象者宅を訪問し面接で調査を実施する 面接調査と、調査員が対象者に調査票をあずけて対象者に記入してもらい、後日再訪問して回収す る留置調査である。しかしながら、昨今、調査環境の変化によって、これらの調査手法の信頼性や 妥当性が揺らぎつつある。  第一の問題は、核家族化の進展、有職主婦の増加、都市化の進展による夜間就業者の増大、余暇 活動の拡大などによる在宅率の低下と、調査実施頻度の増大、プライバシー意識の変化、調査を装 う販売・勧誘の増加、調査協力に対する価値意識の変化による調査に対する協力拒否率の増大とい った問題に起因する調査完了率の低下である。D調査不能標本は、調査不能故に標本特性を示すデ ータが入手できず、調査完了標本の特性との間の差異を検証することができない。しかし、一般的 には両者の間に何らかの差異が存在するといわれている。したがって、信頼性の高い母集団傾向の 推計を行うためには、調査完了率の高さ、さらには標本のいかなる層においても同様の完了率の高 さが要求される。2)このような観点から、従来の調査手法の調査完了率の低下は、調査結果の信頼 性にとって大きな問題であるといえよう。  第二に、調査実施期間の長期化の問題がある。急速なスピードで社会が変化する今日、調査結果 を方針・施策の判断の参考とする官公庁や企業などは、これまで以上の調査期間の短縮を求めてい る。他方、従来の面接調査や留置調査では、調査対象者の不在率の増加と相侯って、いまや大都市 圏で行う一般的な標本調査で60~65%の回収率を確保するためには、3週間程度を要する事態に立 ち至っている。:3 )このような社会的要求と従来の調査手法の実際との乖離は、手法の妥当性を揺る がすものであるといえよう。  従来の面接法や留置法には、以上の2点のほかにも経費の効率の面からの問題がある。面接法、 留置法ともに、調査実施段階では調査員を使う労働集約型の手法であり、調査経費全体に占める人 件費の割合は大きい。対費用効果の面では、面接調査・留置調査は効率のよい手法とはいえない。4)  しかも、調査員はパート、アルバイトといった未熟練労働力が中心であり、調査員教育も十分と はいえない。そのことが調査結果に影響を及ぼす可能性も指摘されている。5)  電話調査や郵送調査のように、調査員を使わない調査手法も従来から利用されてきたが、電話調

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東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) 査では短時間の簡単な質問しかできないといった問題があるし、6)郵送調査では調査完了率が低く、 しかも回答者が調査内容に関心がある層に偏るといった問題がある。7)  ところで、情報化社会という言葉が使われ出して久しいが、この十数年の間の高度情報化の進展 はめざましいものがある。このような変化が調査実施の手法に影響を与えなかったわけではない。 1980年代には、まずファクシミリを利用した調査手法が登場した。1980年代末から1990年代初頭に なると、自動的に調査対象者に電話をかけるCATI(Computer-Assisted Telephone Interviewing)や、 パソコン通信、8)ビデオテックス網9)といったネットワークと端末を介して対象者と接触するC ASI(Computer-Assisted Self-lnterviewing)に分類されるような新しい情報通信技術を利用した電子 調査の手法が研究され、本格的な活用が始まった。その後1992年、日本でもインターネットの商用 が開始され、1ggo年代後半の急速な普及を迎えると、インターネットを利用した調査が盛んになっ た。1999年に(社)日本マーケティング・リサーチ協会が会員社を対象に行った調査結果では、回 答のあった調査機関の45%がインターネット調査を行っている。10)また、インターネット調査はそ の手軽さ故に、調査専門機関に限らず数多くの企業によって実施されている。このように、インタ ーネットなどのコンピュータ・ネットワークを利用した電子調査が、社会調査の実施に一定のシェ アを占めるに至っているのが現状である。  インターネットを利用した調査手法は、手法の内容によって、オープン型、パネル型、リソース 型に大別される。オープン型は、www(woTld wide web)上で調査票を公開し、不特定の閲覧者に調査 協力を求める手法である。パネル型は、WWW上で調査協力の意思をもつ者を集め、それらの人びと を対象に複数回の調査を実施する手法である。リソース型は、WWW上で調査協力者を集めて登録し、 登録者の中から調査対象者を選ぶ手法であり、その方法によってリソース内オープン方式、属性絞 り込み方式、サンプリング方式の3つに分類される。リソース内オープン方式は、登録者全員にバナ ー広告などで調査協力を呼びかける手法であり、属性絞り込み方式は登録者の中から性・年齢など の個人属性によって調査対象者を絞り込み、電子メールなどで調査を実施する手法である。サンプ リング方式は、登録者の中から無作為に調査対象者を抽出し、電子メールなどで調査を実施する手 法である。IDこれらの手法は、インターネットに限らず、パソコン通信などのコンピュータ・ネッ トワークを利用した調査にも共通するものである。  ところで、コンピュータ・ネットワークを利用した電子調査は、従来の手法における回収率の低 下、調査実施期間の長期化、経費面における非効率といった今日的問題を解決できるのであろうか。 先行研究では、コンピュータ・ネットワークを利用した電子調査手法について、①調査実施の迅速 化が可能となる、②調査員を使わないので、人的要素の調査結果への影響を排除できる、③回収率 が高く、標本調査の結果から母集団の真の値を推計するのに有効性がある、④特定層に限定した調 査に対する適合性に優れている、⑤追跡調査などの複雑な手順の調査に適合するといった長所が明 らかになっている。12)

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インターネノトを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸  これらの点と従来の手法の問題を照合してみる。①にあげられるように、電子調査は一般的に調 査票作成から集計完了まで1週間から10日程度であり、調査期間の長期化の問題は解決可能であ る。13)  次に、③で電子調査は高回収率の確保が可能としているが、それはモニター制を前提とするもの である。オープン型では、どれだけの人が調査票を閲覧したか、あるいはどの程度詳しく閲覧した かが不明であり、回収率の測定そのものが不可能である。パネル型やリソース型では、調査対象者 数が明確であるため回収率の測定が可能であり、かつ高回収率の確保が可能であると考えられる。 しかし、母集団の定義と標本の母集団に対する代表性の問題は、高回収率の確保とは別のものであ る。どのような高回収率が確保されても、母集団そのものが曖昧であったり、標本が母集団を的確 に代表する代表性をもっていなければ、調査結果から母集団の傾向を推計することはできない。こ の観点からみると、インターネット調査の手法のうちオープン型は、母集団が不明であり標本の代 表性も保障されていないので、調査手法としての妥当性を欠くものである。パネル型とリソース型 も、当初募集した調査協力者集団に対する統計・推計は成り立つが、その集団と一般の人びとの特 性の違いが明らかにされない限り、調査結果から一般的傾向を推論することはできない。若年層や 有職者層などの特定層に偏ったインターネット普及の現況では、インターネット利用者から調査協 力者を募集するのではなく、住民基本台帳などから標本を抽出しモニター設定を行わない限り、人 びとの一般的傾向を推計することは不可能である。このようなモニター設定を行う場合、情報機器 の利用能力による応諾の偏りや応諾者に対する情報端末の賃与、ネットワークの開設などといった 問題が浮上してくる。14)  従来の手法における対費用効果の問題については、先行研究では電子調査の利用による改善は期 待できないとしている。住民基本台帳から抽出した標本へのモニター依頼、応諾者への情報端末の 賃与、ネットワークの開設などで大きな初期投資を必要とするため、そのコストを1回ずつの調査費 用に反映させざるを得ないからである。15)前掲のインターネットを利用したオープン型、パネル型、 リソース型といった調査手法は、既存のネットワークを利用し、かつ既に情報端末を所有している 人びとを対象とするため、初期投資が少額で済み、結果として安価な調査費用で済む。しかし、対 象者が既に情報端末を所有してインターネットを利用している人びとに限定されるため、調査結果 からの母集団の傾向の推計と結果の解釈に問題が生じるのである。  このように考察してみると、インターネットなどを利用した電子調査は、様ざまな利点が認めら れるものの、最大の問題点は調査対象者の抽出方法と推計の問題に集約されるといえよう。しかし、 このような問題を孕みながら、電子調査、特にインターネット調査は、手軽さ故に急速に利用者が 増加しつつある。このような状況の中で、現在もっとも要求されることは、一般的に利用されてい るインターネット調査の手法の特性を明らかにすることであろう。  本研究では、インターネットを利用したリソース型調査で、かつパネル調査の事例をとりあげて、 その特性を明らかにすることを目指した。具体的には、文具メーカーのトンボ鉛筆の協力を得て、

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東洋大学社会学部紀要第38・2号(2000年度) 同社が実施しているインターネット調査の結果と16}と、留置法で実施した同じ内容の調査の結果17) を、ライフスタイルと東芝消費者対応問題のホームページについて比較検討して、インターネット 調査の特性を明らかにし、調査結果の信頼性と手法の妥当性を検証しようと試みた。

2.方法と結果

(1)鯛査実施期間  電子調査の調査実施期間が従来の面接法や留置法に比べて短いことは先行研究で明らかなことで あるが、19)本研究では2㎜年第1回トンボEメール調査(ライフスタイルに関する調査、以下ライ フスタイルEメール調査)の回答返信状況によって確認してみる。  ライフスタイルEメール調査の日別状況は、表1に示す通り、調査票発信当日に35.2%が回答を 返信し、3日目には返信数が半数を突破し、7日目で70%を超える回収率に達している。他方、東 洋大学社会学部社会調査室による同内容の留置調査(以下、ライフスタイル留置調査)は、3週間 の調査実施期間を要しており、一般的にも同様の傾向である。|9) 表1 ライフスタイルEメール罰査の日別回答返信状況 発  信 回答受信 月 日 2000.3.22(水) 3.22(水) 3.23(木) 3.24(金) 3.25(土) 3.26(H) 3.27(月) 3.28(火) 3.29~4.12 日別数 (256) 35.2 90 14.1 36 6.3 16 3.9 10 2.0 5 3.9 10 55 14 35 9 累積数 35.2     49.2     55.5      59.4     61.3      65.2      70.7      74.2   90     126      142      152     157     167      181      190  このような結果から、リソース型インターネット調査は先行研究の電子調査と同様、調査実施期 間が短くて済み、調査利用者の短期間で結果を得たいという要求に応えるものであるといえよう。 (2)個人属性の偏りと比較検討のための標本の選択  本研究は、リソース型インターネット調査の結果と調査手法として一般的な手法のひとつである 留置調査の結果を比較して、インターネット調査の特性を明らかにすることを目的としている。リ ソース型インターネット調査であるトンボEメール調査の標本はビジネスショーの来訪者から募集 したものであり、確率比例二段抽出法(末端抽出はクォーター法)によって標本を抽出した東洋大 学の留置調査に比べると、標本属性の分布に偏りがある。  表2~表4は、ライフスタイル調査におけるEメール調査と留置調査の個人属性の比較である。 Eメール調査は留置調査に比べてやや女性の比率が高く、年齢層が20歳~40歳代、特に30歳代に集 中しており、「専門的・技術的職業」と「事務的職業」が突出して多く、「自営商工業者」、「産業労

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インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸 働者」、「商業労働者」といった職業従事者はごく僅かであり、 いという傾向がみられる。 また「主婦」や「学生」も皆無に近 表2 ライフスタイル調査の標本属性 ①性 別 標本数 男 性 女 性 不 明 Eメール調査  計 勤め人 190人 177 44.7% 43.5 55.3% 565 (B)  計 勤め人 298 81 49.0 71.4 5LO 25.9 留置調査 (C)  計 勤め人 296 94 49,7 69.1 50.3 30.9 表3 ライフスタイル調査の標本属性 ②年齢別 標本数 10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 不 明 Eメール調査  計 勤め人 190人  0.5%  24.7 177        23.7 43.7    195    10.5 45.8    20.3    10.2 0.5 0.5 (B)  計 勤め人 298 81 4」「▼

Q/2

20.l l4.8 20.1    20.5    19.8 27.2    21.0    27.2 10.1 7.4 留置調査 (C)  計 勤め人 296 94 5う一

Q/3

206 9 4 1 19.9    20.3    19.9 23.4    28.7    24.5 8つ」

95

表4 ライフスタイル調査の標本属性 ③職業別 標本数 専門的技 管理的 事務的 自営商 産 業 術的職業 職 業 職 業 工業者 労働者

商業専業学生

労働者 王     婦 その他 不 明 ・無職      計 190人 Eメール調査     勤め人177 36.3%   lLl    46.3 38.4    11.9    49.7 1。1 O.5 1.1 05 0.5 2.6   (B) 留置調査   (C) 言十  298     8,7 勤め人  81   32.1 9.7   8.4 35.8    32.1 12.4   5.7 6.0    20.5    16.8 9.7 2.0 言†  296    10.8 勤め人 94   34.0 9.5   11.5 29.8    36.2 13.9   6.4 5」    21.6    15.5 5.4 0.3  表5~表7は、東芝消費者対応問題のホームページに関する調査(以下、東芝問題ホームページ 調査)におけるEメール調査と留置調査の個人属性の比較である。Eメール調査は留置調査に比べ て男性の比率が高く、年齢層が30歳代に偏っており、「専門的・技術的職業」、「事務的職業」、「管理 的職業」が突出して多く、「自営商工業者」、「産業労働者」、「商業労働者」といった職業従事者はご く僅かであり、また「主婦」や「学生」も皆無に近いという傾向がみられる。

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東洋大学社会学部紀要第38’2号(2㎜年度) 表5 東芝消費者対応問題のホームページに関する標本属性 ①性 別 標本数 男 性 女 性 不 明 Eメール調査  計 勤め人 112人 91 63.4% 73.6 24.1 26.4 12.5 留置調査(A)  計 勤め人 298 95 51.0 64.2 49.0 35.8 表6 東芝消費者対応問題のホームページに関する標本属性 ②年齢別 標本数  10歳代  20歳代  30歳代  40歳代  50歳代  60歳代  不 明        計  112人 Eメール調査       勤め人 91 0.9%    11.6     12.1 37.5 44.0 21.4 26.4 15.2 17.6 0.9 12.5        計  298 留置調査(A)       勤め人 95 10.1 1。1 20.5 23.2 19.8 28.4 205 25.3 19.8 22。1 9.4 表7 東芝消費者対応問題のホームページに関する標本属性③職業別 標本数専門的技管理的 事務的 自営商 産 業 商 業 専 業 学 生 その他 不 明        王 婦        労働者        ・無職       労働者

   術的職業職業職業工業者

     計 ll2人 39.3%  16.1  25.9  0.9  0.9  0.9 Eメール調査     勤め人91  48.4  19.8  31.9  -   一 3.6   12.5      言t  298    1L4 留置調査(A)     勤め人95  35.8 6.4   14.1 20.0  44.2 7.7 7.4     7.7    25.2    16.4     3.7  ライフスタイル調査と東芝問題ホームページ調査の両方に共通してみられる傾向は、Eメール調 査の個人属性が、30歳代を中心とする若年層と、「専門的・技術的職業」、「事務的職業」、「管理的職 業」といった勤め人層に偏っている点であり、この傾向はインターネット利用層の偏りと共通する ものであると考えられる。  それにしても、Eメール調査と留置調査の結果の比較にあたって、それぞれの調査の全標本の集 計結果を用いたのでは属性の違いが結果に及ぼす影響が大きく、調査手法の特性を明らかにするこ とは困難である。そこで、性別、年齢別が不明な標本を取り除き、さらに「勤め人」層に限定した 標本で集計を行い、Eメール調査と留置調査の結果を比較することとした。  表2~表7の「勤め人」層の欄は、Eメール調査、留置調査の双方について、前掲の標本の選択 を行った上で集計した結果である。この結果、留置調査の個人属性は男性比率が高くなり、東芝問 題ホームページ調査ではEメール調査と留置調査の性別比率が近づいたが、ライフスタイル調査で はEメール調査に比べて留置調査の男性比率がかなり高くなった。また、年齢別では「勤め人」層 に標本を絞り込んでも、留置調査に比べてEメール調査における30歳代の比率の高さは目立ってい

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インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸 る。職業別でも、Eメール調査と留置調査の間で「専門的・技術的職業」、「管理的職業」、「事務的 職業」の比率の高低がみられる。しかし、少なくとも、インターネットの利用は他の個人属性より も職業によって大きく左右されると推察されるので、一般的には3つの職業に限定した標本によっ て、ライフスタイルや東芝問題ホームページに関する回答を比較することとし、性別や年齢別で回 答傾向が大きく異なると考えられる項目は、さらに個人属性を限定して比較することとした。 (3)メディア利用の比較  「勤め人」層に標本を限定して、新聞の閲読状況、テレビの視聴状況について、Eメール調査と 留置調査の傾向を比較した結果が、表8と表9である。  新聞の閲読状況については、平日朝刊と休日朝刊をとりあげて比較したが、Eメール調査の方が やや閲読時間が短い傾向がみられるものの、x2検定の結果ではふたつの手法の間に有意な差は検出 されなかった。 表8 新聞閲読状況(勤め人) ①平日朝刊 標本数  ~10分  ~20分  ~30分  ~1時間 1時間超 読まない 不  明 Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 23.1% 12.6

04

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23

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 U    X:=6・58 ②休日朝刊 標本数  ~10分  ~20分  ~30分  ~1時間 1時間超 読まない 不  明 Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 9.9% 6.3 22.0 14.7 601 007

23

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21

41「〉 4丁3 90ノ 0/5

17

14

   X2=3.80 (注)X!検定:***O.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。  テレビの視聴状況については、平日と休日の視聴時間をとりあげて比較したが、新聞の閲読状況 と同様、Eメール調査の方がやや視聴時間が短い傾向がみられるものの、 X2検定の結果ではふたつ の手法の間に有意な差は検出されなかった。 表9 テレビ視聴状況(勤め人) ①平日 標本数 ~30分 ~1時間 ~2時間 ~3時間 ~4時間 一5時間 5時間超 見ない 不 明 Eメール調査 留置調査(A) 91人 12.1% 95   6.3 33.0    26.4    17.6     5.5 21.1   34.7   21.】    10.5

3234

2.1 1 1 11 xi・=7.04

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東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) ②休日 標本数 ~30分 ~1時間 ~2時間 ~3時間 ~4時間 ~5時間 5時間超 見ない 不 明 Eメール調査 留置調査(A)

91人1:1%1}:ム潟;1:1};:lll:;};:;:

1 . 1    X’=4.67 (注)X2検定:***O.1%水準で有意差、** 1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。  インターネットについては、Eメール調査の調査対象者全員が少なくともEメールを使用してい る。他方、留置調査の対象者は、インターネット利用者が半数弱で、毎日利用しているものは30% 程度である。 表10 インターネット利用状況〔留置■査(A)のみ〕(勤め人) 標本数  毎日利用  週に2,3回利用  月に2,3回利用  それ以下  全く利用しない  不 明 95人 30.5% 10.5 4.2 4.2 50.5  このような分析結果から、新聞、テレビといった従来のマス・メディアの利用については、Eメ ール調査の標本を構成する人びとは一般の人びとと差がないが、インターネットの利用についての み一般の人びとと異なる傾向があるといえよう。 (4)ライフスタイルの比較  ライフスタイルについては、「この1年間に行ったスポーツ」と、メディアと消費態度に関する志 向の質問を用いて比較した。比較にあたって、これらの項目は性別で大きな差があると考えられる ので、Eメール調査・留置調査とも標本を「勤め人」の中の男性に限定して比較を試みた。 ①スポーツ活動  表11はこの1年間に行ったスポーツの状況を示しており、①は「勤め人」全体の、②はそのうち 男性のみのふたつの手法の回答傾向の比較である。全体の回答傾向と男性のみの回答傾向を比べる と、Eメール調査と留置調査の間で男性のみの方が比率の差が小さく、男性に限定した比較の妥当 性を示しているといえる。  男性の「勤め人」についてふたつの手法の回答傾向を比較すると、一般的に普及度が高いとみら れるスポーツの中では、スキー、水泳、テニス、卓球、バドミントンで明らかにEメール調査の方 が回答比率が高く、スキー、水泳では1%水準で有意な差があり、テニス、卓球、バドミントンで は5%水準で有意な差がみられる。普及度の高いスポーツの中で、2つの調査手法の調査結果の間 で有意な差がみられないのは、野球、ゴルフ、サッカー、ソフトボールである。また、「この1年間 に行ったスポーツはない・不明」の回答は、留置調査の比率がEメール調査の比率の2倍以上で、1 %水準で有意な差を示している。

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      インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸  以上のような分析結果から、スポーツについては、一般の人びとよりEメール調査の標本を構成 する人びとの方が活動的であり、かつ、さまざまなスポーッを行っているといえよう。       表11 この1年間に行なったスポーツ(勤め人のみ) ①全体 標本数  野 球 サッカー 相撲 バレー バスケット アメリカン ラグビー          ボール  ボール  フットポール Eメール調査 留置調査(C) xコ検定 177人  14.1% 94    20.2      1.26 6.8 6.4 0.02 1.1 0.07 6.2 3.2 0.60 2.8 3.2 0.04 -ω

2L

LO

11

 3 テニス ゴルフ ボクシング  キック  レスリング      ボクシング 柔 道  剣 道 マラソン 駅 伝 Eメール調査 留置調査(C) x:検定 25.4 7、4 9.26** 16.9 17.O O.02 0.6   - -     1.1 0.07      0.13 3

10

0.6 0.07 4.5 1.1 1.28 陸上競技  スキー スノー  アイス  スケート ボード  ホッケー 水 泳 マリン  体 操 スポーツ Eメール調査 留置調査(C) x:検定 2.3 1.1 0.05 33.9 9.6 17.84*** 6.2 2,l L46 6,8 1.1 3.19 40.7 6.4 33.57***

 7530

841

2.3 0.92 モーター スポーツ 合気道  弓 道 ラクロス  ソフト      ボール 卓 球 バドミントン なし      不 明

ル査 一調定 メ置検

E留X

4.5 2.1 0.44 0.6 0.07 9.0 4.3 L36 16,4 3.2 9.04** 16.9      19.2 4.3    52.1 7.78**   29.76*** ②男性のみ 標本数  野 球 サッカー 相撲 バレー バスケット アメリカン ラグビー          ボール  ボール  フノトポール Eメール調査 留置調査(C) γ三検定 77人  27.3% 65    29.2     0.00 14.3 9.2 0.45 1.3 0.Ol

21例

530

5.2 4.6 0.05 17’

30

10

500 テニス ゴルフ ボクシング  キック  レスリング      ボクシング 柔 道  剣 道 マラソン 駅 伝 Eメール調査 留置調査(C) ピ検定 22.1 6.2 6.32* 20.8 23.1 0.02 500

10

15 0.00 1.3 0.Ol   2

551

!O11 陸上競技  スキー スノー  アイス  スケート ボード  ホッケー 水 泳 マリン  体 操 スポーツ Eメール調査 留置調査(C) x2検定   2/050

2|0

36.4 10.8 11.09** L5 0.00 10.4 L5 3.33 33.8 4.6 16.73** 3.9 4.6 0.05 1.3 0.Ol

(13)

東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) モーター  合気道  弓 道  ラクロス  ソフト  卓 球  ハドミントン なし・TM.、

スポーツ        ボール      不明

糖○ ル査 一調定 メ置微

E留X

1:{ : 0.29   一 1.3 0.Ol 14.3     16.9      18.2      19,5 6.2      4.6       4.6      44.6 L66     4.17*     4.96*     9.24** (注)X:検定:***O.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。 ②メディアと消費態度に関する志向性  表12~表15はメディアに関する志向性、、表16は消費態度に関する志向性を示しており、各表の① は「勤め人」全体の、②はそのうち男性のみのふたつの手法の回答傾向の比較である。  「勤め人」全体では、メディアに関する志向性の回答のうち「映画を見るのが好き」で5%水準 で有意な差が、「本はマンガや写真等ビジュアル中心のものより、文章を中心としたものが好き」で 1%水準で有意な差がみられ、「貯蓄するより、消費にお金を回すべき」という消費態度に関する回 答でも5%水準で有意な差がみられるが、男性のみの回答では、メディアに関する志向性と消費態 度に関する志向性のいずれでも有意な差が検出されなかった。  このような分析結果から、メディアに関する志向性と消費態度に関する志向性のいずれも、一般 の人びととEメール調査の標本を構成する人びととの間に大差はないといえる。特に、インターネ ット利用者であるEメール調査の対象者が、一般の人びとに比べてマンガ本や写真といったビジュ アルな出版物に強い志向性を持っていないという点には留意する必要があろう。 表12 本を読むのが好き(勤め人のみ) ①全体 標本数  そう思う  まあ    どちらとも  あまり    そう    不 明       そう思う  いえない   そう思わない  思わない Eメール調査   177人 留置調査(B)  81 50.8% 45.7

26

80ノ 〔∠2 2〔∠ 4丁3

66

勺’〔∠

3226

   γ1=2.73 ②男性のみ 標本数  そう思う  まあ    どちらとも  あまり     そう    不 明       そう思う  いえない   そう思わない  思わない Eメール調査 留置調査(B) 77人 60 41.757.1%

73

4∀3 〔∠3 0/0

10

8378

110

37

   xi=5’19 (注)X!検定:***0.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。 表13映画を見るのが好き(勤め人のみ) ①全体

標本数 そう思う まあ  どちらとも あまり  そう  不明

      そう思う  いえない   そう思わない  思わない Eメール調査   177人 留置調査(B)  81 36.7% 29.6 2〔∠

67

つJ2

12

300 641 100 つ」6 う細4 3(ヲ τ2 X2=10.47*

(14)

インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸 ②男性のみ 標本数  そう思う  まあ       そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(B) 77人60 35.1% 25.0

8736

32

ーペ∠

48

?」3

11

-l

77

56

(∠7    X2=5.63 (注)ピ検定:***O.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。        表14 新聞はすみずみまで読む方(勤め人のみ) ①全体 標本数  そう思う  まあ       そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(B) 177人 81 12.4% 16,0 へ∠へ∠

32

2内∠ 16.4 28.4 27.1 21.0 0/0/ 00/ 2 2.5    xi=925 ②男性のみ 標本数  そう思う  まあ       そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(B) 77人 60 169%183

03

108 へ∠2

12

Q/8 52J 今61 4〆0

77

35

の0 3.3    X』4・49 (注)X1検定:***O.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。  表15 本はマンガや写真等ビジュアル中心のものより、文章を中心としたものの方が好き(勤め人のみ) ①全体 標本数  そう思う  まあ       そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(B) 177人 81 11.9% 24.7 107

8412

0843

13

0つ」

37

2 0/8

06

   Z:=16.93** ②男性のみ 標本数  そう思う  まあ       そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(B) 77人 60 10.4% 20.0

1726

2つ’

44

3000

へ∠3 QU3

1090

   Z2=8.87 (注)X’検定:***O.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。        表16 貯蓄するより、消費にお金を回すべき(勤め人のみ) ①全体 標本数  そう思う  まあ       そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(B) 177人    5.1% 81     3.7

13

42

4T6 つ〔0

45

内∠- 〆Ol

OI

(∠2

43

X2=9・94*

(15)

東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) ②男性のみ 標本数  そう思う  まあ    どちらとも  あまり    そう    不 明       そう思う  いえない   そう思わない  思わない Eメール調査 留置調査(B) 77人 60 9.1% 3.3

60

一)ど」 qJく」

0796

(∠-

31

4¶7

33

03

   X2=6.53 (注)xi検定:***O.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。 (5)東芝消費者対応問題のホームページに関する態度の比較  東芝の消費者のクレームに対する対応問題が世の中に知られ始めたのは1999年2月頃であり、消 費者がホームページを開設し、新聞・雑誌などのマス・メディアにとりあげられ社会問題となった のは、同年の6月から7月にかけてである。  表17は東芝消費者対応問題の認知状況であり、表18は同問題について消費者側が開設したホーム ページへのアクセス行動の状況である。表19から表23は、同問題に対する態度を測定した結果であ る。なお、この問題に関する認知、行動、態度は職業と年齢層別で差があるものと考えられるので、 標本数の減少による問題はあるものの、Eメール調査、留置調査ともに標本を「勤め人」層の30歳 代に限定して回答傾向を比較した。表17~表23の各表の①は「勤め人」層全体の回答結果であり、 ②は30歳代の「勤め人」層の回答結果である。 ①東芝消費者対応問題の認知  30歳代の「勤め人」層の東芝消費者対応問題の認知状況をみると、Eメール調査の方が留置調査 より認知率が高く、5%水準で有意な差が検出された。  この分析結果から、一般の人びとよりインターネット利用者の方が、ホームページとかかわる故 にこの問題に対する関心が高かったか、もしくはこの問題の情報に接する機会が多かったことを示 しているといえよう。        表17 東芝(東芝クレーム問題)の認知働め人のみ) ①全体 標本数 詳しい いきさつまで 知っている  た がつ いある ながい ら件て 知事つ はう知 くいは し・つと 詳そこ 知らない 不  明 Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 48.4% 21.1 O/4

27

44丁  3

8580

1 1    X2=21.26*** ②30歳代 標本数  で  まる  つい いさて しきつ 詳い知 詳そこ し・つと くいは はう知 知事つ ら件て ながい いある がつ  た 知らない 不  明 Eメール調査 留置調査(A) 40人 27 57.5% 37.0 ξ」3

7333

 2

0659

   X2=8・00* (注)X2検定:***0.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。

(16)

インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸 ②ホームページへのアクセス行動  30歳代の「勤め人」層の東芝問題のホームページへのアクセス状況をみると、留置調査ではアク セス率が僅かであるのに対して、Eメール調査では1/3を超える比率となっており、1%水準で 有意な差(イェーツの修正後)が検出されている。  インターネット利用者の東芝消費者対応問題のホームページへのアクセス率が一般的傾向より高 いのは当然のことであり、また、このことはインターネット利用者の情報行動一般に敷術して、情 報環境に占めるインターネット情報の割合が一般の人びとより大きいと推論することが可能であろ う。  表18 東芝問題のホームページへのアクセス経験(動め人のみ) ①全体 標本数 あ る な い 不 明 Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 35.2% 6、3 56.0 93.7 8.8  X2(イェーッの修正)=25.62*** ②30歳代 標本数 あ る な い 不 明 Eメール調査 留置調査(A) 40人27 47.5% ll.1 く」0/

78

」400 5.0          x2(イェーツの修正)=9.00** (注)X2検定:***0.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。 ③東芝消費者対応問題のホーム〔一ジに対する態度  東芝消費者対応問題のホームページに対する態度は、「a.この東芝問題のホームページは消費者 が作ったものであり、そうした一方的な意見が、インターネットという不特定多数を対象としたメ ディアで流されるのは問題である。」(表19)、「b.この東芝問題にみるように、消費者対メーカー という力関係は、インターネットを使うことで、消費者が多少なりともメーカーに対抗することが 可能になった。」(表20)、「c.この東芝問題の消費者がホームページ上で、録音された電話の会話 内容を流したのは行き過ぎだと思う。」(表21)、「d.自分でホームページを作ることが出来れば、 自分も今回のような問題に遭遇した時、同じようにインターネットを利用して抗議すると思う。」 (表22)という4つの意見に対する回答傾向と、「e.今回の東芝問題は正当な抗議だと思いますか。 それとも単なる中傷だと思いますか。」(表23)という質問に対する回答で測定した。  30歳代の「勤め人」層の回答傾向をみると、Eメール調査、留置調査とも、「a.この東芝問題の ホームページは消費者が作ったものであり、そうした一方的な意見が、インターネットという不特 定多数を対象としたメディアで流されるのは問題である。」、「c.この東芝問題の消費者がホームペ ージ上で、録音された電話の会話内容を流したのは行き過ぎだと思う。」、「d.自分でホームページ

(17)

東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) を作ることが出来れば、自分も今回のような問題に遭遇した時、同じようにインターネットを利用 して抗議する。」の3つの意見に対しては肯定、否定に態度が分かれる傾向があるが、「b.この東 芝問題にみるように、消費者対メーカーという力関係はインターネットを使うことで、消費者が多 少なりともメーカーに対抗することが可能になった。」という意見に対してはメディアの力を肯定す る傾向が強く、今回の東芝問題は正当な抗議だとする傾向も強い。Eメール調査と留置調査の回答 を比較すると、すべての項目でEメール調査の回答の方が消費者寄りの傾向を示しているが、検定 結果ではいずれの項目でも有意な差は検出されなかった。  このような分析結果から、東芝消費者対応問題のホームページの内容に対して、Eメール調査の 対象者であるインターネット利用者の方が若干消費者寄りの態度を示しているが、大勢としては一 般的傾向と大きな差はないといえるであろう。         表19東芝問題ホームページに対する態度働め人のみ) (a)「この東芝問題のホームページは消費者が作ったものであり、そうした一方的な意見が、   インターネットという不特定多数を対象としたメディアで流されるのは問題である。」 ①全体 標本数  そう思う まあ    どちらとも そう思う  いえない あまり     そう    不 明そう思わない  思わない Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 15.4% 15.8 0/3

06

2角∠

55

10Q/

12

ξ」7

49

30.8 8.4 1〔∠    X2=16.18** ②30歳代 標本数  そう思う まあ そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(A) 40人27 12.5% lI.1

0905

3う’ l∩∠ 「∠⊂J

59

21

0508

21

へ∠1 く∨ー 〔∠7’ 〜>4    xi==2・92 (注)X2検定:***0.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。         表20 東芝問題ホームページに対する態度(勤め人のみ) (b)「この東芝問題にみるように、消費者対メーカーという力関係は、インターネットを   使うことで、消費者が多少なりともメーカーに対抗することが可能になった。」 ①全体 標本数  そう思う まあ そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(A) 91人95 52.7% 27.4 30.8 47.4

78

τ6

55

5つ」 つJl

31

2、1    γユ=14.87** ②30歳代 標本数  そう思う まあ そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(A) 40人 27 50.0% 25.9

07

〜▼0

34

12

〇(∠ 0う一 3.7 三〇 7.4    X2=6・92 (注)Z2検定:***0」%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。

(18)

インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸         表21 東芝問題ホームページに対する態度(勤め人のみ) (c)「この東芝問題の消費者がホームページ上で、録音された電話の会話内容を流したのは   行き過ぎだと思う。」 ①全体 標本数  そう思う まあ そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 16.5% i5.8

70

8ハU -〔∠

3613

200 〔∠づ1 4「4

21

(∠1 ’00 4「5

l112

   疋z=18.89*** ②30歳代 標本数  そう思う まあ そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(A) 40人27 12.596 14.8

51

〔∠- 〔∠- 25.0 44.4

58

7411

20.0 7.4

5427

   X1=・4.88 (注)X2検定:***0.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。         表22 東芝問題ホームページに対する態度(勤め人のみ) (d)「自分でホームページを作ることが出来れば、自分も今回のような問題に遭遇した時、   同じようにインターネットを利用して抗議すると思う。」 ①全体 標本数  そう思う まあ そう思う いえない   そう思わない  思わない

どちらとも あまり  そう  不明

Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 17.6% 95

7682

13

92J 007 0/6 008

22

3くノ

13

1112

   X2=7.03 ②30歳代 標本数  そう思う まあ    どちらとも そう思う  いえない

あまり  そう  不明

そう思わない  思わない Eメール調査 留置調査(A) 40人 27 15.0% 3.7 20.0 14.8

0609

2ぺ∠

77

54

00

ξ」7 2つ」 ’)4 〔∠7    X2ニ4.85 (注)ピ検定:***0.1%水準で有意差、**1%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。         表23 東芝問題ホームページに対する態度働め人のみ) (e)「今回の東芝問題は正当な抗議だと思いますか。それとも単なる中傷だと思いますか。」 ①全体 標本数 正当な抗議 だと思う どちらとも いえない 単なる中傷 だと思う 不 明 Eメール調査 留置調査(A) 91人 95 39.6% 28.4

38

7rO415

32

2丘U 2」 駕!=251

(19)

東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) ②30歳代 標本数 正当な抗議 だと思う どちらとも いえない 単なる中傷 だと思う 不 明 Eメール調査 留置調査(A) 40人 27 40.0% 25.9 45.0 44.4 15.0 22.2 7.4    X 2= L33 (注)X’検定:***O.1%水準で有意差、**i%水準で有意差、*5%水準で有意差、アスタリスク無しは有意差なし。

3.まとめ

 本研究は、インターネット調査の信頼性と妥当性の検証を目指して、留置調査との比較によって インターネット調査の特性を明らかにしようとした。このためには、同じ母集団から均質な2組の 標本を抽出し、同一内容の質問をふたつの手法で実施し、それらの回答傾向を比較するのが妥当な 方法のひとつである。しかし、本研究ではインターネット調査の一般的姿がそのまま反映された調 査結果を用いた方がよりその特性を解明できると考えて、既存のリソース型インターネット調査の モニターを利用して調査を実施した。  このため、一般的な確率比例2段抽出法によって標本を抽出した留置調査の結果と比較するにあた って、Eメール調査の標本の個人属性の分布に合わせて留置調査の標本を限定することが必要とな り、結果として比較対照する標本数が時に小数となってしまうという問題が生じた。しかし、この ような問題にもかかわらず、インターネット調査と留置調査の結果を比較し、インターネット調査 の特性を一定程度明らかにすることができたといえる。  インターネット調査の特性の第一点として、本研究ではインターネット調査が7日間で70%を超 える回収率に達することが判明し、留置調査が3週間を要したのに対して短期間で調査完了が可能 であることを、先行研究20)同様検証できた。  次にメディアの利用に関しては、当然のことながらインターネット調査の対象者のインターネッ ト利用状況には一般的傾向と大きな差があるが、新聞とテレビの従来のマス・メディアの利用時間 は一般的傾向と変わらないことが判明した。このことは、質問の中のライフスタイル項目の回答傾 向の分析でも裏付けられた。ふたつの手法の男性の「勤め人」層の回答傾向の分析においても、映 画鑑賞の志向性、新聞閲読の志向性、さらには出版物におけるビジュアル志向性でも、インターネ ット調査対象者の志向は一般的傾向と変わらないことが検証されている。  ライフスタイルのうちスポーツ活動については、ふたつの手法の男性の「勤め人」層の回答傾向 の分析から、インターネット調査対象者の方が活動的であり、野球、ゴルフといった大衆化したス ポーッでは一般的傾向と変わりがないが、スキー、水泳、テニス、卓球、バドミントンといった季 節性の高いスポーツや対戦相手を一人必要とする球技を行っているものが多いという傾向が検出さ れた。

(20)

インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸  なお、ライフスタイル項目のひとつである消費態度の志向性においても、インターネット調査対 象者の回答は一般的傾向と変わらなかった。  東芝消費者対応問題のホームページに関する認知、行動、態度については、ふたつの手法の結果 を30歳代の「勤め人」層に絞って比較した。この結果、東芝消費者対応問題の認知とこの問題に関 して消費者側が開設したホームページへのアクセス行動においては、インターネット調査対象者の 回答比率が高いが、このホームページに対する5つの局面からの意見に対する態度は、若干の差は みられるものの、一般的傾向と大差がないという分析結果を得た。  以上の分析結果を総合すると、リソース型インターネット調査では、メディアの利用の中でイン ターネットに限って一般的傾向と差があり、かつ、インターネットに掲載された情報に対する認知 度が高い傾向がある。しかし、新聞やテレビといった従来からのマス・メディアの利用時間は一般 的傾向と同様であり、新聞、書籍、映画といたマス・メディアの利用の志向もまた、一般的傾向と 差がないといえる。また、インターネットに関して、利用実態は一般的傾向と異なるものの、その 情報内容に対する態度は、一般的傾向と大差がない。したがって、インターネットやおそらくコン ピュータや情報通信のニューメディアなどの調査項目を除いて、インターネット調査を通じて、メ ディアに関する項目について一般的傾向とそう変わらない結果を得ることが可能であり、インター ネット調査は一定の信頼性を有する調査手法であるといえよう。  ただし、スポーッ活動でインターネット調査の回答傾向が一般的傾向と差異があったように、イ ンターネットと直接関係しない局面で一般的傾向と異なる傾向を示すこともある。本研究ではそれ 以外の項目について検討していないので、スポーツ活動の回答に反映されたような解明されていな いインターネット利用者の特性が数多くあるのではないかという疑問が残る。  そこで、インターネット調査の利用にあたっては、事前に一度、信頼性や妥当性が検証されてい る面接調査や留置調査といった従来の手法で基準となるデータを入手し、インターネット調査の結 果と参照して解釈する必要があると考えられる。具体的には、1~2年に1度、従来手法による調 査を実施し、その間必要に応じてインターネット調査を繰り返して行い、インターネット調査の結 果の解釈にあたっては規準となる項目について常に従来調査の結果との差異を念頭において行うと いう手法である。  ただし、このような手法を用いたとしても、母集団定義の曖昧さは残る。厳密には、インターネ ット調査法の中でもっとも信頼性があると考えられるリソース型であっても、その結果をもって一 般的傾向を推計するのは無理がある。インターネット調査は、一般的傾向を推論する程度のデータ しか得られないという限界の認識の下に利用するのが妥当であろう。  ましてや、オープン型インターネット調査は母集団がまったく不明瞭であり、一般的傾向の推計 どころか、推論さえも不可能である。オープン型インターネット調査は定量的調査とは考えず、人 びとの発想などを入手するための定性的調査と位置付けて利用するのが妥当であろう。  本研究は、標本数、調査項目とも限られた条件の中で実施した。したがって、得られた分析結果

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東洋大学社会学部紀要第38-2号(2000年度) もまた限定されたものであり、残された課題は数多い。他方、コンピュータやインターネットは急 速に家庭・個人に普及しつつあり、インターネット調査の環境も大いに変化していくこととなろう。 このような点を念頭において、新しい調査技法の開発・発展のために今後も数多くの事例研究を積 み重ねることが肝要である。 【注】 1)島崎哲彦編r社会調査の実際」学文社、2000年、120~122ページ。 2)同書、122~123ページ。 3)同書、126~127ページ。 4)同書、19ページ。 5)同書、123~124ページ。 6)同書、26ページ。 7)鈴木裕久、島崎哲彦「情報機器を利用した調査法の検討(その2)」「東京大学社会情報研究所調査研究紀   要」No5、1995年、171~173ページ。 8)川浦康至「コンピュータ・コミュニケーションの世界にようこそ」、川上善郎他「電子ネットワーキングの   社会心理」誠信書房、1993年、47~70ページ。 9)江原謙一「キャプテン・リサーチ・システムの設計の長所と課題」、浅野煕彦編「マーケティングリサーチ   最前線」同友館、1992年、165~175ページ。 10)(社)日本マーケティング・リサーチ協会インターネット・リサーチ委員会「日本におけるインターネット   リサーチの現状と課題一ガイドラインについての考え方一11999年、4ページ。 11)吉村宰、大隅昇「インターネット環境を利用したデータ取得一複数サイトにおける同時比較実験調査一」   「日本行動計量学会第27回大会発表論文抄録集]1999年、117ページ。 12)島崎編、前掲書、27~29ページ。 13)同書、27ページ。 14)同書、31~32ページ。 15)同書、31ページ。 16)1998年に開催された東京ビジネスショウ(5月)、名古屋ビジネスショウ(6月)、大阪ビジネスショウ(6月)   のトンボ鉛筆のコーナーを訪れた人びとの中から、調査協力者を集めて調査の対象者としたリソース型のイ   ンターネット調査であり、調査はパネルで実施している。   本研究に用いた調査は、トンボ鉛筆の協力を得て、下記の通り2回にわたって実施したものである。   ①第1回調査(東芝消費者対応問題のホームページに関する内容)    調査タイトル:1999年第5回トンボEメール調査    調査開始日 :1999年10月26日    発信標本数 :162標本    回収標本数 :112標本    回収率   :69.1%   ②第2回調査(ライフスタイルに関する内容)    調査タイトル:2000年第1回トンボEメール調査 調査開始日 発信標本数 回収標本数 回収率 :2000年3月22日 :256標本 :190標本 :74.2%    ※2回の調査とも、発進数にはメールアドレス変更などによる未着が含まれる。 17)留置調査は下記の要領で実施した。   ①東芝消費者対応問題に関する内容の調査    調査タイトル   :マス・コミュニケーション行動に関する調査(A)

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       インターネットを利用した調査法の検討/島崎哲彦・笠原耕三・大竹延幸    調査対象者    :15歳~69歳の男女個人    調査地域      :首都圏30Km圏    調査対象者抽出方法:確率比例二段抽出法(末端抽出はクォーター法)    調査実施時期   :1999年10月    調査主体     :東洋大学社会学部社会調査室    標本数      :300標本(クォーター法による指定標本数の合計)    回収標本数    :298標本   ②ライフスタイルに関する内容の調査    調査タイトル   :マス・コミュニケーション行動に関する調査(B)および(C)    調査対象者    :15歳~69歳の男女個人    調査地域     :首都圏30Km圏    調査対象者抽出方法:確率比例二段抽出法(末端抽出はクォーター法)    調査実施時期   :1999年10月    調査主体     :東洋大学社会学部社会調査室    標本数      :(B)(C)ともに300標本(クォーター法による指定標本数の合計)    回収標本数    :(B)298標本、(C)296標本   ※ライフスタイルに関する質問のうち、メディアや貯蓄・消費に関する項目は(B)調査に、1年間に行っ    たスポーッに関する項目は(C)調査に含まれる。 18)鈴木、島崎、前掲論文、156ページ。 19)島崎編、前掲書、126ページ。 20)同書、126べ一ジ。

参照

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