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医業類似行為--立法と判例 利用統計を見る

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(1)

医業類似行為--立法と判例

著者

高木 武

著者別名

Takeshi Takagi

雑誌名

東洋法学

36

1

ページ

1-54

発行年

1992-09

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003514/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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医業

類似行為

立法と判例

はしがき

 ﹁エステ﹂、﹁エステティック﹂、﹁カイロプラクティッス﹂、﹁脱毛﹂﹁増毛﹂﹁育毛﹂、﹁痩身﹂、﹁美容﹂、﹁全身美容﹂ ﹁背骨・神経治療し﹁心理療法﹂、﹁催眼療法﹂などという文字が、電話帳、新聞、週刊誌などの広告、看板、ポス ターなどに見られるが、ときには、電車、バスなどの車内や、さらに、公衆電話ボックス、、、ハス停などのおよそ人の 集まったり通ったりする空間を区切っている柱、壁などの一寸した﹁所しに、ところ狭しとばかり、これらの文字の あるステッカー︵域礫甥翫塊ポ砂嚥勧卜耐弘︶などもはられている。しかし近代的医学−医術でも、不治の疾病をかかえ、未 知の疾病もなしとは、できない。また、あん摩・マツサージ・指圧、はり、きゅうと柔道整復︵融群柾齢勤罐胆朧舗琶詰抽伽、 纈、簸胤脚協品曝陽伽桝剛瀞御蜻離緬廻鵡駒輝扇静○ う繭鵬糀融醐雄渇嚇雌馳麟蝋礫鞭緬鞍︶は、明治維新以来、1遅速の差さあるがi近代医学 ー医術の側に、法的に認容されて、固定化され、、医師の行う診療の方法としても利用されている面もあるし、また

    東洋沃学      一

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    医業類似行為       二 反対に療法や保健の方法としては蔑視されている面もある。またこうした施術以外の医業類似行為は、概して放任さ れてきたが、今日では禁止されている︵髄籍法︶。しかしこの行為は、自家繁殖または自己分裂的に生減し、近代医学        ハまレ ⋮医術と施術の側に、事実上存在するに過ぎない。しかも今日⋮はるか以前になるがーナイロン、ビニール、プラス チックなどの化学製品が出現し、さらにソフトウエア、情報などの工学・高分子化学、超半導体・半導体、遺伝子工 学などの展開は、今日枚挙のいとまがないが、これらを応用・利用するどのような療法が出現するかも分からない。 しかし、医学⋮医術は、右のような先端的諸科学を応用・利用もするが、施術もはたまた施術以外の医業類似行為も、 診療の方法として応用・利用できる︵厳緬磁セ繍州鋸顯︶。しかし施術師まして施術以外の医業類似行為の業者は、自己以 外の方法、例えば、医学ー医術の方法を応用・利用することはできない。それは、施術師は、医師・歯科医師でもな い、まして施術以外の医業類似行為業者は、施術師でもないからであるが、とくに施術以外の医業類似業者は、無資 格でも、業として行うことも事実上できる。しかし医学ー医術が、不治の疾病とするものでも、施術が治すことがで きるものもあるかもしれない。また両者︵櫨櫛.︶が不治であるとする疾病も、施術以外の医業類似行為によってのみ、 よくされるかもしれない。そこで判例で各施術を定義し、つぎに、近代化つまり欧米化をモットーとしてきた明治維 新以来のかつ近代医学⋮医術の側の、施術以外の医業類似行為とくに施術という医業類似行為の法的規制や判例の運 動を、つぎのような時代・社会の区別に分けてみることを試みようというのである。e大日本帝国憲法時代前期、⇔ 大日本帝国憲法時代後期と日日本国憲法時代、と。  社会・時代は、この国でも・国際情勢によって大きく変貌するが今日、施術はそのまま固定するかどうか、とくに

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       ハ   施術以外の医業類似行為は、放任の時代・社会を経て、そのまま禁止の逆境にあるか、さらに右のようなエステなど は、健康法、美容法、療法のいずれとして淘汰されるのであろうかどうかを、右の施術と施術以外の医業類似行為の       ム レ 法的規制を判例の運動の軌跡から暗示できれば幸いであると考える。 ︵1︶ ︵2︶  近代医学・医術︵欧米医学・医術︶を生物的医学として、他の医学・医術︵施術などを含む︶を排除するのではなく、こ れらを融和させるような考えがある。参照・アーサi・クラインマン﹁臨床人類学﹂、ピ・ユァール他﹁アジアの医学﹂、バ グワン・ダス﹁入門ア⋮ユルヴェーダ﹂、同上﹁人間アーユルヴェールダ﹂など。  拙稿﹁医業歯科医業広告﹂東洋医学六巻一号、参照・同上﹁諸種の﹁医する行為﹂﹂、岡上五巻一号、同上﹁医業類似行為 の観念について﹂同上九巻一号。  ○弩器弩■↓竃r睾9鼠Φ鼠・汐ρる8,本書によれば、アメリカ合衆国であるが、つぎのようにいわれている。四八州の 法律は異句同音に以下のようにいう。医業は、人のどのような疾病︵島ω①霧①︶、苦痛︵窓汐︶、怪我︵一菖黛望︶、身障 ︵号♂霧ξ︶または非身体的状態︵℃ξ巴8一8a鋒身︶に対して診察︵象お8。 G①︶、治療︵幕魯︶、手術︵○聴鱗①︶ または処方︵箕霧&竃︶︵醐阯罐騨ね嘔菊︶して、これらのいずれかを提供しまたはこれらのいずれかの義務の履行を企てる ものであるが、こうした四機能のいずれかの実行が医業︵鳴餌989ヨ&斎器︶を構成する。しかし足治療︵唇&魯蔓︶、 歯科医術︵α象け糞蔓︶または検眼︵ε$導Φ就望︶の免許は、除く。歯科医術︵階鍵弩望︶は、人の、歯、歯ぐき、また はあごの疾病、苦痛、怪我、障害︵号施§9身︶、身障または非身体的状態に対する診察、治療、手術または処方を行いま たはプロスティック︵℃δω夢90︶な歯その他の自然歯の代替物のブリッジ、着装、作成、修理または調整を行うものであ る。麻酔︵き①ω観のω一餌︶は、免許医師︵一一8霧a9誘す§︶、歯科医師︵8馨嘗蔓︶または登録看護婦によって管理さ 東 洋 法 学 三

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  医業類似行為       四 れ、麻酔医として特別の訓練をうけて、資格が与えられる。麻酔は、局部と一般︵雛︶の麻酔に応用する。整骨療法 ︵○ω80饗浮嘱︶は、特別免許または制限免許を持つ整骨医によって行われるが、一六の州とコロンビア地域では、整骨学 校の卒業生が医業医学試験委員会、外科医師または両者によって特典を認められている。医師︵喜誘§轡︶は、整骨方法 を採用することができるが、彼が整骨免許をうけるまでは、その整骨業の広告ができない。整骨学校の卒業生は、一定の一 六の州の医学試験委員会によって、医業、外科医業または両方︵蘇麟難外︶の特典を与えられている。物理療法 ︵もξω算誇3逗︶は、光線エネルギ⋮、例えば、太陽光線を用いる。8§o療法は渦巻プールまたは流水を用いる。ξ阜 3療法は、渦巻または流水を用いる。窮①象き○療法は、熱施用による療法で簿①§○療法と︵レントゲン療法を除く︶エレ クトロ療法を含むが、補助物を取扱い、物理療法師は、医師免許をうけるまでは、独立して業務ができない。しかし免許医 師の指示の下でのみできる背椎指圧療法︵o江δ隣8膏ω︶は、背椎指圧療法師によって行われるが、彼は、背柱円柱の操 縦によって治すという。ほとんどの州では、法律による背椎指圧師免許は、与えない。実際は、免許なしで治療︵医行為︶ はできない。足治療︵℃&§蔓︶と背椎指圧︵o耳○宕身、但し﹁背椎指圧﹂という足治療は後者と同義の︶.足治療は、 足の持病の診断と足の小外科手術を行うが、足の表面の治療に限定されている。さらに小外科治療は、足の欠陥と機能障害 の軽減し・機械的治療を加える。実際、免許は、限定的か2局度に専門化されているが、ほとんどの州の法規は、足治療師 には骨の伝達的かつ構成的疾病、足もしくは体の足以外の靱帯、筋肉もしくは腱の治療または足、靱帯、筋肉もしくは腱の 手術も禁止している。但しこれは、切断機器または局部麻酔以外のものを用いるものである。免許試験が実施される前は、 足治療師︵宕象弩鯨︶は、修業三年後学校によって与えられる足治療学位をもつことが求められていた。獣診療 ︵く簿包霊蔓き巴筥箒︶はきどのような動物に対しても診断、治療、手術または処方箋発給を行う。例外として疾病、苦 痛、怪我、身障または非身体的状態を取扱うが、動物の検査をも含み、その死亡前後の処置も行う。資格は、ほとんどの州 では、正規の学校課過程と免許が求められている。電気除去法︵Φ一Φ毎○ξ静︶は、電気針の使用によるむだ毛の除去 ︵希導○く無︶であるが、医行為もビュ⋮ティカルチュア︵ぴΦ磐受o巳93︶も構成しないむだ毛またはヘア.皮膚、毛も しくは爪の治療であり、これらは、﹁医行為外科手術﹂の範囲に入るべき身障または非身体的状態の治療のようには考えら

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  れない。自治体︵鞭︶は、地方免許によって規制する。免許は、電気除去法業界内の充分な研修の証拠を提示する志願者に   与えられる。調剤︵冨貰影8図︶は、薬剤を準備し調剤する技術とこれを実行することであり、免許医師が処方するような   診療その他の治療方法の用意をするが、薬剤師︵℃訂馨8巨︶は、直接、患者に処方しまたは患者を治療することはでき   ない。彼は薬学のバチェラの学位または薬剤学校の卒業のために四年制の特別学校で学習した後、州免許試験で薬剤師にな   る。美容文化︵ぴ窪暮噸o巳露悉︶は、肉の切除または治療でない表面接触の応用による皮膚、ヘア、爪などの外表の手入   ︵指導を含む︶とその美容化であるが、疾病の治療は、含まない。化粧による身障を除くことを含む。電気除去法の場合の   ように、地域または畠治体の規制の下にある。心理学︵℃亀9巳品畷︶は、精神の調査を目的としてもつ科学であるが、心   理学者は、精神疾病の治療を補充するテストを作るために、精神病学者︵篇鷲江畳器︶によって診察に招致される、と。   しかし、これらの多くは、施術に似ないで、むしろ施術でない医業類似行為に近いようであるが、医療制度調査会答申﹁医   療制度全般についての改善の基本方策﹂︵腿一獣畔一一一︶にも散見され理学療法、職能訓練、物理療法、言語療法、難聴訓練、   弱視訓練などとも異なるようである。施術や施術以外の医業類似行為は、生物的医学の系統に入らない特殊のものとして考   えられているようである。しかし、施術や施術以外の医業類似行為とくに施術は、伝統的な独立に固執しないで、近代医学   −医術の下に入るべきであろう。 ︵3︶朝日新聞︵平四・五・二三︶によれば、厚生省は、二二日、業界を指導する立場から、ある研究財団の設立を認可した。   しかし業界は、美顔や脱毛からストレス解消までの営業内容をもち、療法の中には医師法に触れるような行為も見られ、苦   情が寄せられているという。厚生省は、この財団を通じて営業内容などの実態調査を進め、業界としての基準を作りたいと   いうが、美顔は、その目的、方法などによっては、医師法違反といえるかもしれない。脱毛は、手術であり、ストレス解消   にいたっては、医師法違反であると、断“ 静・できよう。施術法︵衡︶によって施術は規制され、施術以外の医業類似行為は、   禁止され、罰則もある︵無鉱躁ゴ憂︶。厚生省は、調査とはいえ禁止されていたり、医師法違反といえるようなこを営業する   者に手をかすようなことは、不可解であるというほかはない。 東 洋 法 学 五

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医業類似行為 山 ノ\ 医業類似行為の立法的の沿革 8 大日本帝国憲法時代前期  明治七年︵酢鰍七︶、医制は.鍼治灸治ヲ業トスル者ハ内外科医ノ差図ヲ受ルニ非サレバ施術スヘカラス、若シ私カニ其術ヲ行 ヒ或ハ方薬ヲ与フル者ハ其業ヲ禁シ科ノ軽重二応シテ処分アルヘシ﹂とする。  しかしそのはじめの頃は、新政府は、政治的には、近代化や王政復古のスロ⋮ガンをかかげ、経済には、原始的蓄 積が行われ、まだ一連の改革を椎進するための絶対主義的支配体制を目的とする西南戦争︵瑚飴セ切韓、︶も勃発してい ないから、右の規定は、実施されるはずがない。右の医制では注目すべきことは、西洋医の指図の下に伝統的鍼灸術 を置くということである。これは医術︵漢方︶に対して平行・独立的存在であった鍼灸術にとっては革命的なもので あるからである。  明治一八年︵を鋤八︶、内務省は、入歯歯抜口中療治接骨営業者取締方を発し︵瑚崩計弧酵蜘聴月.︶、新規にこれらを開業 しょうとする者は、医師開業試験︵瑚飴七韓、︶に合格したものに限り、既に開業している者については、各府・県が 取締規則を定め鑑札を与え取締を行うべきであるとして、各府・県に通達する。その結果、入歯・歯抜・口中療治だ けを行っていた業者は、歯科医師側から、厳重に取締られるべしとされるが、接骨業者は、そのまま通達の恩恵をう       ハ い けることになる。  また同年、鍼術灸術営業差許方が発され、従来開業者も新規開業者も、自今、出願させ、その修業履歴を検され、

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相当であると認められるときは、鍼術や灸術を営業することが差し許されるとされる。そこで各府・県は、右の通達 に基づいて、それぞれ取締規則を制定し営業者に免許・鑑札を与え、入歯・歯抜・口中療治業者・接骨業者、鍼術業 者と灸術業者を取締るが、按摩業者については、政府から何等の指示もなく、府・県によっては、鍼術業者や灸術業 者に準じる取扱いをするものもあるとされている。すくなくとも、各府・県では、按摩業者以外の医業類似行為は公 的に認められ、取締られた、といえよう。  しかし新政府は、西南戦争でようやく政治的統一に自信を持ちはじめるが、言論と組識にょる自由民権運動に、国 会設立を約束し、その時期を明示し︵醐樽︶。その準備を行う︵纏髄端灘脇磁鰍脚韓簸蛉翻華囎榊︷欄鞭取︶。経済的には機械製造 業は、近代化の端緒を開こうとし︵瑚始乙駒斡倒︶、軽工業は、すでに近代工業として成立している。そしてやがて大日 本帝国憲法は、制定;発布され︵朋堕一に鳶礁範︶、選挙法が制定され︵鯉︶、はじめての衆議院議員の選挙が、制限的であ るが、行われる︵瑚砿焔碑築︶。こうして国家の統治機構が整う。内閣は、すでに太政官を廃し、九省からなり、法制局 も設けられ、第一回帝国議会開院式も行われる︵韻灘鵬蛉鞭蕪鱗詠勃︶。経済的には、日清戦争︵瑚飴荒靴払鱗︶や、日露 戦争︵糊治一蕉q四鰍︶は、産業革命︵朋勲鉱範︶をうながし、軽工業は、産業資本を確立し、とくに日露戦争︵糊挿、一畿酬無︶ は、重工業を軍事工業と結びつけ、一応、産業資本を確立し、資本は、蓄積−集中化するが、農村をさらに貧農と地 主に、都布を、一層、無産者と有産者に分解し、ついに支配階級と労働階級の対立をさらに深刻化しようとする。し かし前者︵勲酷暫︶は、後者︵顯醸瀞︶と妥協し、改正選挙法︵調始硫硫韓.︶は次第に制限を緩和する方向をとり選挙法は改正       バ   を重ねて、二〇年間存続する。     東 洋 法 学      七

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    医業類似行為       八  明治四四年︵一勉︶、按摩営業取締規則と鍼術灸術営業取締規則も、制定される。両規則の要旨は、つぎのようで ある﹃、  ↑ D按摩術にはマッサージ術を含むが、それぞれの営業を行うには、地方長管の行う試験に合格しまたはその指定す る学校・講習所を卒業した後、地方長官の免許・鑑札を受けなければならない︵鰹︶。㈱精神病者、伝染性の疾患あ る者または素行不良であると認める者には、免許鑑札を交付しないものとし禁鋼以上の刑に処せられた者には、免許 鑑札を交付しないこともあり︵籍、㎜︶の四年以上、各術を修業した者でなければ、右の試験をうけることができない。 但し盲人は、二年以上の修業履歴で、受験できる︵縮囲︶。⑭営業者は、何等の方法を以ってするを問わず流派名また は卒業した学校・講習所の名称・修業の証明を与えた教師の氏名を除く外、業務上その技能、施術方法または経歴に 関する広告を行うことを得ず︵雛纏緬鱗︶㈱営業者は、住所地を他の道・府・県に移したときは、一〇日以内に鑑札を添 え後の住所地の地方長官に届出なければならない︵購鱒肱懸︶。@営業者が第二条㈲に該当しまたは業務上犯罪若しくは 不正の行為のあったときは、住所地の地方長官は、期日を定めてその営業を停止しまたは免許を取消し免許・鑑札を 返納させることあるべし、取消処分を受けた者でも、疾病治療しまたは改俊の情が顕著なときは、再び免許鑑札を交 付することができる︵購鱗絨鎌蜘︶。Gう免許鑑札を受けずして、営業をしもしくは停止中営業をした者または第五条・第 六条もしくは第七条︵翻撒編籍継騰︶に違背した者は、五〇円以下の罰金に処す︵纈盤細鍼︶。㈱第六条第一項︵魏難鼠難覇︶ 第七条︵綱乱蜘喚鰍礫鰍澱︶もしくは第八条︵麟韓駈︶第八条一項︵醐嶽勢雛︶第九条︵醐杜侍職許︶第一〇条に違背した者は科料に処 する︵購饗;鱗.︶。鍼術業者には、鍼術を施すときは、鍼、手と手術の局部を消毒すべし︵磁勲.︶、鍼術灸術業者に

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は、潟血、切開その他の手術を行いもしくは電気、烙鉄の類を用いまたは薬品を投与しもしくはこれを指示すること を得ず︵蝋籟.︶と。  右の規定によれば、まず個人営業を前提として、国家の法令︵鰻︶の形式によるが、取締の主体は、地方長官であり、 その取締の内容は近代的である。とくに目の不自由な人に対しては、好意的な配慮がみられ、さらに⋮時代遅れ的で あるが1業務広告は、︸定事項以外は、宣伝・広告できないとし、一定の場合、行政処分ができる︵搬饗緬懸.︶とし 各業者は、医療的倫理的存在であることも示しているといえよう。さらに鍼灸業者に対する一定の義務︵騨︶や禁止 ︵跡︶は、医療的には当然のことであるとされるであろうが、しかし按摩・マッサ⋮ジ師が投薬など︵鱒喚勢馳︶をすれば 旧医師法・旧歯科医師法︵略∼︶に直接問われる。鍼術師・灸術師が投薬などを行えば、まず鍼術灸術営業取締規則︵酬噛’ 条︶に問擬されるべきである。しかし万一直接・旧医師法・旧歯科医師法に問われるとすれば、施術業者の免許、同        ハくズぢ  規則︵蝶︶の規定などの存在意義がなくなるであろう。 ︵1︶

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 厚生省・同資料篇八四頁以下。  厚生省・前掲書・二〇八頁以下。  取締法規の制定などについては、厚生省﹁医制百年﹂二二一二頁以下、厚生省・同資料篇一頁以下三五頁以下、六二頁以下。 題があろうが業者は自ら、社会的な信用、医療的能力などを失なっているであろう。 ても行われている。例えば、現行の施術法︵昭三〇法∼六∼︶附則ωによって、これが行われている。しかし政策的には問  このようにすでに無免許営業している者に対して妥協し、免許、法規などの存在意義などを失わせることは、今日におい 東 洋 法 学 九

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   医業類似行為       一〇 ︵5︶新政府は、近代医学に立脚した医師制度の確立のために、学校的教育による医育と医師試験を強行する。明治五年︵︸八  七二年︶の学制発布の際には、東校などがあり、公立病院医学教場と医学的の生徒数は、四、三 三名︵明一二年・ 八七  九︶であったという︵厚生省・前掲書三一−二頁︶。そのために施術の取締は、地方庁に委ねられたといってもいい。なお、  社会・時代の背景は、拙稿・東洋法学六巻一号による。  口 大日本帝国憲法時代後期  大正九年︵餅敏一㎜︶、按摩術営業取締規則は、営業者は、脱臼または骨折の患者に施術を為すことができない。ただ し医師の同意を得た病者についてはこの限りではない︵旺諜︶。地方長官指定の学校もしくは講習所でマッサージ術を 修業しまたはマッサ⋮ジ術の試験に合格し免許鑑札を受けた者しか、マッサージ術を標榜することができない︵唖条 、一一︶。第一〇条の規定の中に、かつ第五条の下に、第五条の二、第五条の三を加える︵無○︶。附則に、本令の規定は、       ハユ  柔道の教授を行う者で、捻挫、脱臼と骨折に対して行う柔道整復術にこれを準用する、とする。  わが資本主義は、世界資本主義の全面危機を巧みに克服するが、世界的規模の戦争︵讐軟越騨蹴懲確一一一観︶にょって 未曽有の躍進的展開と中国大陸侵攻の機会を得る。産業は、軍需と輸出を中心として発展し、資本は集中し、独占的 になり、重工業は、軽工業に対する比重を激増し、世界的規模の戦争の終焉による経済的混乱を早目に切抜けたわが 資本主義も、一九二〇年の恐慌に続く、一連の世界恐慌に見舞われるが、これからの脱出口として満州事件をおこし、 軍事・重工業化を顕著にし、資本の集中ー独占化がすすみ、トラスト化による財閥の重工業の支配が著しくなる。し

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かし中国の東北地方への侵略は、さらに戦争の拡大を必要とし、ついに昭和一二年︵レ勒一、︸︶の盧溝橋爆破事件を契機 として、中国と臼本は、全面戦争に突入し、さらに二度目の世界的規模の戦争はすでにヨ⋮ロッパにはじまっていた ︵醐築︶が、わが国は、極東の地からこの戦争に加わる︵網嫌翫硲.︶。しかしその結果、大敗北を喫する︵網嫌配珊鱗.︶。 戦争経済は、国家統制という方式で進められるが、国家資本は独占資本と結合し、これを従属させる国家独占資本主 義になる。しかしこの大敗北は、完全に、これを破壊する。  政治的には、無産階級や婦人の社会的勢力も拡大し、普通選挙運動も、力をもち、大正一四年︵を載、一︶、ついに普 通選挙法が制定される。しかし婦人に対しては、選挙権は、まだ与えられない。按摩術営業取締規則の改正内容は、 つぎのように改正された、といえよう。  ↑ の医師の同意を得ることが必要であるとするが、しかしこれは、医療的には当然であり、回マッサージ標榜につい ても、同じであるといえよう。の柔道整復への本規則の準用については、当時の社会情勢の下で、柔道家の生活が不 安であったので、その救済として、準用が許されたというが、余りにも簡単に、柔道整復が按摩術などの医業類似行 為・施術の中へ参入したから疑念が残る。  明治三九年︵山叙o︶、旧医師法・旧歯科医師法が制定されるが、按摩術や、鍼術・灸術でない医業類似行為︵麟腿鰹 む︶は、放任されることになる。明治四一年︵た勒D︶、警察犯処罰令︵醐熱棚卜艇執︶は、病者に対して禁圧、祈疇、符呪な どを行いまたは神符、神水などを与え医療を妨げる者には科料を科する旨の規定をもつ。しかし、これでは右のよう な施術以外の放任されている医業類似行為は、取締ることができず、依然として放任される医業類似行為があること

    東洋法 学      二

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医業類似行為 一二 になる。  しかし大正四年︵を魅︶頃になると、放任されている医業類似行為業者の数が急激に増加し、各府・県は、取締に 困るという。例えば徳島県は、内務省に電気治療の取締について照会するが、内務省は、目下、詮議中であると回答 する。また和歌山県がこうした医業類似行為について、全国的取締法令の制定の意向があるか、ないならば、当県令 で取締っていいかの旨を内務省に照会するが、内務省は、当省とは別に、貴庁で、適宣御措置相成可然に存候と回答 する。そこで各府・県は、個別的に取締ることになる。しかし府・県によっては届出制もあれば、許可制もあるとい う。なお鍼術灸術業者は、鍼術灸術医法制定の請願を帝国議会に提出する︵欣妊計二韓.︶が、その後も、その旨の請願 があったという。しかしその頃には、西洋医つまり近代的医育によって医師試験に合格した医師の数も多く医師層は、 有産階級に属しているので、、こうした請願運動は、成功すべくもなく、むしろ業者の思い上りのようなものを覚え  ︵芝︶ よう。  しかし、しばらくして東京府は、施術以外の医業類似行為である﹁療術行為二関スル取締規則﹂を地方庁としては おそらくはじめて制定する︵翻搬薙酢朗︶のであろう。これによれば、施術以外の医業類似行為つまり療術行為は、﹁他 ノ法令二於テ認メラレタル資格ヲ有シ其ノ範囲内二於テ為ス診療又ハ施術ヲ除クノ外、疾病ノ治療又ハ保健ノ目的ヲ 以テ光・熱・器械器具其ノ他ノ物ヲ使用シ若ハ広用シ又ハ四肢ヲ運用シテ他人二施術ヲ為スヲ謂フ﹂とする。これは、 医術・歯科医術と施術以外つまり施術以外の医業類似行為のはじめての立法規定であり、今日でも通用するといって       ハ   もいい医業類似行為の定義であるが、この定義は、しかしとくに﹁物﹂︵酵餉祉︶を用いないで、その物、術者の手な

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どを患者−患部との接触のない術には、通用しないおそれがあると考えられる。 ︵1︶厚生省・前掲書二⋮二頁以下、同資料篇八六頁。 ︵2︶時代・社会の背景は、拙稿・前掲東洋法学六巻一号による。参照・同上 ︵3︶厚生省・前掲書二二四頁以下、しかしそのために、判例は、直接・旧医師法の規定︵条一︶に問擬するが、東京府以外の  府・県でも、施術以外の医業類似行為について取締規則が定められたと思われる。しかし何らの取締もしなかった府・県も  あったという︵扇上︶。  口 日本国憲法時代  戦争は、財政の未曽有の膨張をもたらし、重要産業では、国家統制方式が考えられ、企業の集中が著しく、民需工 業は、当然、軍需工業への転換が求められ、産業資本と銀行資本の独占との結合が、顕著になる。庶民は劣悪な労働 条件にあえぎ、労働組合は解散に追込まれ、政治はファシズム的な大政翼賛会の傘下に入り、労働者は産業報国会に 吸収される。しかし、わが国は、ポッダム宣言を受諾し、連合国に降伏するが、ポツダム官言は、日本軍の武装解除、 軍国主義の廃絶、行政権の弱体化などの戦時体制の解体はもちろん、政府に民主々義的傾向の強化復活のため一切の 障碍を除去すべきことをも命じる。政治的には、選挙法は、成年女性も有権者にし、完全な普通選挙制をもち、日本 国憲法が制定され︵耀蜘響鱗.︶、翌年から施行される。経済的には、絶望的状態は、アメリカとソ同盟の冷戦とくに 朝鮮戦争︵網蜘迄砺鱗︶によって解放され、わが資本主義は、その再建の途を確保し、二度のオイル・ショックを経てま

    東洋法学       =二

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    医業類似行為       一四       ハユロ すます強大になり、ソ同盟のペレストロイカ・市場開放をむかえ今臼に及んでいる。  昭和一二年︵た勒四︶、あん摩術営業取締規則及び鍼術灸術営業取締規則の特例に関する件︵聯鉋π年︶が制定される。 これは、朝鮮、台湾、樺太、満州などの外地で、法令に基づいて免許されていた日本国籍をもつ業者の救済を図るた めに、当分の間、履歴を審査し、そのまま免許を本人に与えることができるというものである。  あん摩、はり、きゅう、柔道整復師等営業法が制定される︵醐遡バ響靖輪ヒ○○︶。この法律は、あん摩術営業取締規        ハ   則、鍼術灸術営業取締規則と、あん摩術営業取締規則附則第六項を併せたものであるが、厚生省は、すでに医療制度 審議会に、施術業とそれ以外のこの医業類似行為について諮問する︵昭鞠.、一︶。  その答申の要旨は、つぎのようである。eD鍼、灸、あん摩、マッサ!ジ、柔道整復、医業類似行為営業の取扱いに ついては、人体に関するものであるから、本来すべて医学上の知識の十分な医師をして取扱わぜるのが適当である。 しかしこれらの申には、医療の補助手段として効果があると考えられるものがあり、また科学的に更に究明せられる べき余地のあるものもあるので、これらについては、差当り左記のように取扱うのが適当である。@鍼灸、あん摩、 マッサージ、柔道整復営業は、すべて医師の指導の下にあるのでなければ、患者に対してその施術を行わしめないこ ととし、の鍼、灸営業については、盲人には原則として新規には免許を与えないものとし、口柔道整復営業について は、原則として新規には免許を与えないものとし、困またいわゆる医業類似行為︵施術以外の︶は、凡てこれを禁止 するというものである。  しかしこの答申の要旨はつぎのように言うことができるであろう。

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 答申全体については、近代医学万能というような考え方が目立つようである。近代医学も他の学問・学術の応用と して発達してきた面もあり、医学ー医術は、医療の中心であることは否定できないにしても、右のように断定する ことはできないであろう。↑Dについては、医療の補助手段として考えられるかまたは科学的究明の余地があるかは別 にして、施術や施術以外の医業類似行為の存在意義は、それなりに認められるであろうと思われる。それは、疾病ま たは怪我の程度・種類にもよるが、これらの中の特定のものにしか、よくすることができないものもあり、これらは、 予防または保建にとって不可欠であると考えられるものもあるからである。回については、相当であると思われるが ﹁医師の指導の下﹂といっても、具体的に多岐多様な意味が考えられよう。⑲については、職業選択の自由︵総融乳、一︶ からは、とくに許されるものであるかは疑わしい。口については、別に柔道整復のみについていうわけではないが、 のと同様に、一般的に疑念をもつ。㈲については、はたして禁止できるであろうかと思われる。それは、例えばセン サ⋮、半導体など、情報機器などの発達によって今後、どのようなもの︵行為︶が出現するか分からないからである。 したがってどのような、鍼灸、あん摩、柔道整復などのつまり施術以外の療法や保健方法などが出現するかは、いか に近代医学ー医術でも想像ができないことであろう、と。  諮問の仕方にもよるが、政府は、あん摩・鍼・灸・柔道整復法︵謎触勃醐醜濠二轟レ︶案の提案理由で、免許は、一定の 学校または養成施設を卒業した上で、知事の行う試験に合格した者に与え、これ︵艦齢︶も人の疾病健康に関する業務 は、一定の学術技能を修めた者でなければ行うことができないものとすることは、保健上、絶対必要であるから、こ の際免許を受ける資格を従来より引上げ、これらの者の素質の向上を図ることにしたという。

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    医業類似行為      一六  この政府理由の方が答申より現実的であるといえるであろう。そのあん摩・はり・きゅう・柔道整復等営業法の要 旨は、ω従来の営業免許を資格免許として、﹁身分﹂的とし、@一定の学校・養成施設を卒業することと、これを 都・道・府・県知事の行う試験を受けるための要件とし、その試験の合格を、さらに免許をする要件とし、の都・ 道・府・県知事は、衛生上、害を生じるおそれがあると認めるときは、施術者に対して、業務について必要な指示を 与えることができるとし、ω施術所の構造設備に関する規制を新しく設けるなどとし、㈲放任行為であった施術以外 の医業類似行為については、これを全面的に禁止するが、現在営業を行っている業者については、所定の届出を行っ た者は、昭和三〇年末までその営業ができるとする。しかしこの妥協は、国家の意思を不明確にすることは、いうま でもない。  これによって、あん摩術、マッサージ術、はり術、きゅう術と柔道整復術の取締については、法律の形式が与えら れ、ωから⑭までによって、それぞれ相応の規定が設けられているといえよう。しかし放任であった医業類似行為は、 依然として処罰されるまで放任される医業類似行為と届出の医業類似行為に分けられることになる。  昭和二六年︵籔五︶、あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法は、その名称を﹁あん摩師、はり師、きゅう師及 び柔道整復師﹂と改め、営業の広告ができる事項を示し、内地以外の地域の法令による免許取得者に対する免許附与 期間を臨時的にして﹁当分の間輪と規定する。  昭和二八年︵一薇五︶、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法は、受験資格などについて、改正されるが、 地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律︵醐檬砕匙甑語年︶によって試験委員の設

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置などの規定をもつように改正される。  昭和三九年︵野軌六︶、右のあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法は、﹁あん摩マッサ⋮ジ指圧師、はり師、 きゅう師及び柔道整復師法﹂と改正され、昭和四五年、柔道整復師法︵湖蹄娼畷礫︶が、独立して制定されるに伴って、 現行の﹁あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等饒する法律を改称する︵曙証き、.  現行の施術法︵趨総訟七︶は、つぎのようである。 第一 医師以外の者で、施術︵腰髄曜復︶を業としようとする者で施術を業としようするは、それぞれ、各免許を受けなければならな い︵攣甦碧柔諜棄、皿︶.  第二 施術師は、外科手術を行い、または薬品を投与し、もしくはその指示をする等の行為をしてはならない︵翻瀟融潮鱗柔︶。  第三 施術師は、医師の同意を得た場合の外、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない︵齢灘融鵡鱗柔︶。但し、柔道整復師は、 応急手当をする場合は、この限りでない︵翻瀟融壌鱗柔︶。  第四 はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指と施術の局部を消毒しなければならない︵瀧籍法︶。  第五 施術師は、正当な理由なく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない、施術師でなくなった後においても、同 様とする︵翻瀟融枕蘇塑藻︶。  第六 各施術業または施術所に関しては、何人も文書その他いかなる方法によるを間わず、左に掲げる事項を除くほか、広告し てはならない︵醜纏靴齢諺野篠羅騙榛縮ポし︶. (二〉 を⇒ (ロ) (イ 施術師である旨と、その氏名と住所 業務の種類︵揉磁穐難踊烈籔灘箭熟.噸職イ駒る︶。 施術所の名称、電話番号と所在の場所を表示する事項︵翻灘倣胱墾璽、霧柔︶。 施術日又は施術時間︵鮪瀟融蹴墾纈珊朋柔︶。 東 洋 法 学 一七

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     医業類似行為      一八  因 その他厚生大臣が指定する事項︵縢道魏鞭繍勧鰍渤醜擁購に鰍珪曜姫恥い︶。  前項第一号︵ω︶乃至と第二号︵醜備鰯靴麟断響騒胱撫藤ザ乱︶に掲げる事項について広告する場合においても、その内容は、 その技能、施術方法または経歴に関する事項にわたってはならない︵鮪繭融蹴鱗二顛柔︶。  第七 何人も、第一条に掲げるものを除くほか、医業類似行為を業としてはならない。但し柔道整復を業とする場合については、 柔道整復師法の定めるところによる︵遊蒲雑︶。医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行ってはなら ない︵喋難︶.  第八 つぎの各号に該当する者は、三〇万円または二〇万円以下の罰金に処される︵魏盤壁た鱗∫犠蘇の︶。  @ 第七の無免許施術業罪㈲第五の守秘義務違反@一定の場合の業務停止・禁止違反⑥第二・第三または第四の業務制限・禁 止・下命遵守義務違反@第六の業務広告違反ω免許取消・停止処分違反  あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律と柔道整復師法との間には、右のように各規定には差 異があるが、その趣旨は、同じであるといえよう。むしろ柔道整復法の施術法と差異、同法の施術法からの独立など に戸惑う。  施術以外の医業類似行為については、昭和二二年︵セ勧四︶、一定の場合、医業類似行為をなすことを業とする者の 取締に関する件︵噸玲︶が公布されるが、これは、政府が法的根拠を与えることを目的とすることを示したまでで、内       ハヨ  容にわたっては何らの規定もないものである。

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戦後については、歴史学研究会篇﹁田本同時代史﹂︵一−五巻︶ 厚生省・前掲書二二七頁以下、厚生省・購資料一七五頁以下 厚生省・岡資料一七七頁以下 による。参照・同上・同上書。 二 施 術  施術は、判例によって、つぎのように観念される。  8あん摩 マッサージ術は、軽擦法、強擦法、揉捏法、叩打法、圧迫法等の方式により成り、これらの技術は、本来、汎く人

の身体に対し、葺外表吉作嬰透達させる馨である︵譲罐畿被結講難霧京鱗塑灘鱗纂購四鞭﹄、.

 あん摩術は筋肉または、神経の上に経絡に基づいて主に手指にょって力を施すものである︵轍摩鞭噸麟醜鱗翻測違版鰍賠糠嗜部欄涛審駆囎躯 欝、、諦論菱年鍵蹴諺三霧自醐三躍、准、.  最初の判例ωは、直接には、マッサージ術に触れているが、間接的には、あん摩術は、軽擦・強擦・揉捏、叩打、 圧迫等︵雛勘の︶などからなり、人の身体の外表より作用を透達させるものであるとしているようである。後の判例勧 は、もっと、医療的に、その実体的な方法︵酵能︶を示し、あん摩術を説明している、といえるであろうが、そのあん 摩術に関するところをさらに加えれば、右の判例働は、つぎのよう隻 ・及する。  あん摩術は、三十有余年の歴史を有し印度より西蔵支那を経て、わが国に伝来し、あまねく医療または衛生の目的に用いられた が、わが国で行われているものは、漢方医学又はその系統に属する学理に出たものである。その方法は、各手技の組合または各手 東 洋 法 学 一九

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    医業類似行為      二〇 技の力度の強弱、範囲、長短、遅速等が、あん摩術者の患者に対する診漸によって、常に一定せず千変万化するといえども、筋肉 または神経の上に経絡に基づいて主に手指によって力を施すものであり、これには古来、振螢屈曲屈伸内転蘇廻索引叩打押圧等の 名目をつける。自彊術は、自動的ものと他動的ものに分けられるが、自動的ものは、按摩と全然と異なることは、敢えて贅言を要 せず、他動的ものは、その方法が多少類似するものがある。④自彊術は、按摩術が経絡に基づくが、そうではない。⑤他動的自彊 術は、患者と施術者の姿勢が各運動の形式に従うが、按摩術は、こうした形式がない。◎自彊術は、一定の形式に従い施術者が全        ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ 身の重量を利用し手技によらないが、按摩術は、経絡系統を追い主として指端の技巧を用いる。③自彊術は、按摩術のように経絡 ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ     ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ に対して中心部より、その末端に向けて揉むこともなく、またマッサ⋮ジのように、手足の末端より身体の中心に向けて手技を行 うことがない。  結局、右の判決理由によって、あん摩術の方法の細部を示すことができたが、とくに、あん摩術は、人の身体の中 心部から末端に向けるというところは、示唆的であるといえよう。しかし自彊術の方法の一つが、あん摩術に類似す るだけであるから、按摩術営業取締規則第一条にいうあん摩術中に包まれないとする判示には疑念がある。それはな るほど、その一部があん摩術には含まれ、その一部が行われれば、無免許あん摩術になるからである。  ロ マッサージ術 マッサージ術は、軽擦、弱擦、揉捏、即打、圧迫等の方式からなり︵醐例︶、マッサ;ジは、人の身体の末端 より身体の中心に向けて手技を行う︵㈱例︶。 とされているが、右の判例ωの上告趣意は、つぎのようにいう。  被告人︵勤鰍サー︶は、婦人病の治療を営む目的をもって、いわゆる婦人科マッサージ術を施した外、なおその屈曲のはなはだしい 者に対して、ペッサリュ⋮ムを膣内に挿入し、子宮頸に籔用した上、婦人科マッサ⋮ジを施し、さらに外炎症予防のために、患部 にイヒチオ⋮ルを塗布する等の各種の治療行為を施し、その都度、患者等より一回毎、︸定の料金を申しうけ、医業を行ったもの

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なりと、原審は判示するが、しかし、マッサージ術営業者には何故、婦人科に属する患者の治療を禁止するのか、これについて説 明もなく、何等の証拠もしめさない。とくに第一審の第三回公判調書中には、つぎのような問と答を見るが、④婦人科的マッサー ジ術については相当な学識経験者に子宮病を治療させるために、その患者に、マッサージ術を施すことは差支えがないか︵問︶← 差支えないと思う︵答︶。⑤そのマッサ⋮ジ術を施すに当って、二指を膣内に挿入して診駈することは、医師がすべきかまたは医師 以外の者もできるか︵問︶←完全なマッサージをするには、まず完全な診断をしなければならない。それは、マッサージの予備行 為である︵答︶︵熱榊机征紛鯛沙凍騰脚弓靴都ジ︶と答える。これによれば、婦人科であろうがなかろうがマッサージ術免許者がその術︵脚 封ー︶を施すのは正当な業務行為であり婦人科疾患については相当学識を有し経験のある者は、子宮疾患に対してマッサージ術を施 すことは、何等、差支えなしと琶うにありては、これは本件の被告人の行為を是認するものである。︵中略︶マッサ⋮ジ術は、医師 もできるが、マッサージ術の免許者も、またこれをすることができることは当然である。また斯術の範囲は、全身たるとまた局部 たるとを問わず疾患の治療を許していることは、法規上はもちろん斯術の沿革より見るも明らかである。ただ医師と異なる点は、 投薬をしないことと手術・切解等ができないことである。按摩術営業取締規則第五条の二は、営業者に脱臼又は骨折の患部の施術 を施すことを禁止し、﹁但し医師の同意を得たる者についてはこの限りにあらず﹂と規定するが、原判決では、この規定は、もっと もよく其の精神︵徹卿騨劉ジ︶を表明し脱臼または骨折のような場合は、ことに其の診断治療の困難であり、営業免許者は、医師の同 意ある場合に限り始めてこれを行うことを許したもので、これはまったく例示的規定で、かかる困難な場合は、みな等しく独断で、 施術を行うことができないというが、この証拠の説明によれば、いわゆる婦人科は、他の疾患に比較して困難な場合であり、すべ て医師の同意を必要とするということになる。しかし何を根拠として、右のような解釈が生じるのか諒解に苦しむところである。 子宮前屈のような場合、産婆のように実験をもつ者は、容易に診断ができることは、原審鑑定人の供述によって明白であり、もし 原審判決の説明のように、斯術業者は、治療困難な場合はもちろん禁忌病であるとして自己の治療を拒むも自己の診漸の結果、治 療容易であると確信した場合でも、なお医師の局意を要するものであるか疑問がないとすることはできない。つぎのように解釈で きないであろうか。斯術者は、まったく医師の附属者にして斯業は独立の営業に非ずといわざるべからずかくのごときことは、法 規を待って解すべきものにして独断的な解釈を許すべきものにあらず、と。 東 洋 法 学 二一

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    医業類似行為       二二  まず、判例ωが、右のような上告趣意のいわば、回答であるとすれば、マッサ⋮ジがその回答として専ら外表より 作用を透達させるものであることが分かろう。つぎに、上告趣意書には学識経験をマッサージ術の学識経験を医学的 なそれに、かえるような危弁的ものがあるにしても、形式的にはマッサージ術が、当時の現行の按摩術営業取締規則 の規定からは、部位をとわず治療方法または健康方法としては、上告趣意のようにいうことができると考えられると ころもあり、また判決の説明の同規則第五条の二の解釈は、目的論的解釈であり、例示的規定であるという点も危弁 のようであるが、むしろ上告趣意のいうのは、実証的であり、支持すべきであろうといえよう。しかし、身体の外表 でなく、内部に施術したのであるから実質的には、マッサージ術自体診療・医行為であり、まして、脱臼・骨折の治 療も、診療である。なお体内に施術したことと外炎症予防のために、患部にイヒチオ⋮ル塗布することは、原告にお いては、婦人科マッサージに伴うものであるが、客観的には、必ずしもそうではなく、まさに禁止されている診察と 薬剤の投与︵灘磁轟︶に当るものであろう。  日 指圧 患者に対して聴診、触診、指圧等を行う方法がマッサージあん摩の類に似て、これと異なる︵蘇㈱法雛戒留熔騰胴灘継轍雛 欧阪蟹パ鷲鐵雀郵雛却譲集鰻霧五塑鏑︶.  これによれば、﹁指圧﹂があん摩やマッサージと類似するが異なっているものであるということになる。その上告 趣意の﹁指圧﹂の部分を辿れば、つぎのようである。  指圧は、患部の診断並びに自己の指頭を患部に触れる︵源輔勲紛ぽ錠し︶が、指圧の方法は、単に患部について指で押えまたは押す のみである。聴診器の使用も、単に被告人︵指圧師︶の施術が相当患部の神経を刺激する場合があるため、患者がこれに耐えるか

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否かを調べる程度で、これ︵糟診︶を使用するに止まる。被告人の施術は、指頭で神経系統を追ってゆき、患者が疹痛を感じる箇所 と被告人自身の直感で、患部を発見し、これ︵講︶に対して指頭で、患部の神経を押して刺激を与え、これによって患部の疾患を治 療させる特殊の療法であると。  以上で、指圧の診察方法、治療方法などが明白になったと思われる。ただこの指圧を、右上告趣意は第二審裁判所 の、蛭療法と同様の外科的手術であるというごときは全く牽強附会も甚しい独断であるといわざるを得ないとする。 この点は、上告趣意を支持する。それは、右のように、指圧は、指頭を、実体的方法として、患部を、指頭で押える もの︵仕方の方法︶であるからである。しかし﹁外科的手術﹂というにも、理由がある。患者は、鳩尾を激しく押さ れたため、乳の下がどきどきし、心臓が元の位置に戻ったかと思ったとか、別の患者は、指圧治療をうけた際、死ん でもいいから、やめてくれと苦痛を訴えたとか、また眼球を指圧されてから、異様な疾痛を覚えて医師の診断を求め たところ、左眼球結膜出血、左前胸部は皮下出血し、右背部筋肉圧傷などの傷害をうけていた、と言われているが、 とくに最後の例は、外科的手術的である、ととくにされるのであろう︵醸騰醜に拓御判︶。  四 はり 鍼の方法によって疾病を治す術をいう︵瑚蠣師法雛飯轍結檸雌嚇審聾獣識巻大旛職糊陛郵欄轡ハ號八購赦誰︶。  鍼術は、鍼砥の方法以外に出ずるべからず︵嘲鞭轟肱蔵販被囎聴附年燦∼熔銘翻耀地額却講擁1繍鞭薩講鰍写醸臨鰯卸覇㎡五瑠︶。  とされているが、とくに診察範囲が問題にされていることが目立つので、はりの診察の許容範囲を示すと、以下の ような判例がある。  はり師は、はりを施すのを禁忌するか否を検査する限度においてのみ患者を診察することができる︵細医縣砿縫販轍膿纏件大獺附旛岬鮪駆 峡巻湖馳年誰翻紅湖識二網㌫年激衛縮跡︸薯八糠顯酬礁セ︶。はり師がはり術に関係なく、またはその範囲をこえて疾病を診断し、これに適応

    東洋法学       二三

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医業類似行為 二四 する薬を投与する行為は、医行為の範囲に属し、例え診察に当り使用した器具が聴診器や検温器のように危害を生じるおそれがな いものであっても、同様である︵鋼︶。  鍼灸術は、鍼憂または灼灸の方法によって疾病の治療または予防を目的とするものであるから、其の目的達成のためには必然的 に被術者の身体を診察する必要がある。したがって営業者の出来る診察行為は、医師に比較して著しく制限され、人体に危険を招 来するおそれのある診察方法は、医師にのみに許される。︵中略︶鍼灸営業者のできる診察行為は、その施術に必要な限度つまり禁 忌疾病の有無を知るとともに、その疾病の治療または予防の目的の達成のためにもっとも有効な経冗を定める限度で豪も人体に危 険を招来すべきおそれのない方法に依ることを要するものと解すべきである︵珊羅櫛灘違蔽噸酷韓略月礫炬曝大徽返臓黛禰一壽献瀬髄裁棄鰍審隙難 野毯講︶.  しかし診察の方法は、はり術に観念される方法としては、右にいう禁忌疾病の有無を知る方法または疾病の治療もしくは予防 の目的達成のためにもっとも有効な経冗を定める限度であり、その器具も用いるべきでないと考えられる︵鋼︶。  治療についても、はりの方法以外に出ることはできない︵醐例︶というべきであろう。  ㈲ きゅう きゅう術は、もぐさを人体の皮膚に付着させて、これに点火し、それをもって治療の方法とするものであり、もぐ さ等を付着させるべき部位の適否は、治療の効果に影響することが大であるから、その部位を示すことは、きゅう術の主要行為に

属する︵旛論諜羅醐蟻講購華鑛聖野蓑護辮騨誌覇、、蟻鰍鰍︶.

 きゅう術は、直接、問接にもぐさを皮膚にはり、これをやいて皮膚に火傷を生じさせ、または単に身体に温熱を与えて、疾病を 治療する術を指称するから、人の皮膚に﹁すりみそ﹂を塗布し、または紙片に﹁すりみそ﹂を塗ったものを皮膚にあて、そのみそ にもぐさをはり、これをやいて人体に温熱を与える方法をほどこすことは、きゅう術に当る︵膨鍮灸賄蝋麟融辮糠襯違版灘酷購鮒部欄涛審鵬麟 舞、、麺藷㌔鯉醗謬八轟醗談護︶.  これについての上告趣意は、古来より用いられし弘法大師の灸は、莫を紙にまき込み、葉巻煙草または万年筆位の太さの棒

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状を造りその先端に火を点じて人体に当て、温熱を与えて治療する方法であるけれど、人体に火傷を生じることのないことを特長 とする。この施術を世俗一般には、灸と呼称しおれども、何人もこれをきゅう術と見るが、営業鑑札をうけて施術をしていること を聞かないまたこの施術を行う者を処罰した例を聞いたことがない、とする。  弘法大師の灸の取扱い︵↑姻砂醐題︶は、ともかくとして、@Dの判例では、﹁もぐさ﹂を人体の皮膚に付着させて、こ れに点火することを、きゅう術の基本であるとしているようであるが、しかし判例㈲では、﹁すりみそ﹂を皮膚に塗 付し、または紙片に﹁すりみそ﹂を塗ったものを皮膚にあて、その﹁すりみそ﹂に﹁もぐさ﹂を貼じ、これを灼き人 体に温熱を与えることであるから、﹁もぐさ等しの﹁等﹂は﹁紙片﹂や﹁すりみそ﹂である。しかしこの場合﹁もぐ さ﹂は、直接、皮膚に付着するものではないというべきである。この点からは、この﹁すりみそ﹂灸は、きゅう術で はないというべきであろう、とも考えられる。  因 柔道整復 一〇余名の打撲、捻挫、骨折等の患者に対して、その患部其の他を揉み撫で又は引伸す等の施術をすることは柔 道整復術である︵厳鱒糀縮業融聯鞭蝿腿娠鰍告騨耕れ藻卜熔勃顎区難鋪第陛籍砿趨観識号大賭叢劇︶。        ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  ヤ  この事件の被告人は、柔道を教援する者であり、按摩術営業取締規則附則末項には、柔道の教授を為す者において 打撲、捻挫、脱臼と骨折に対して行う柔道整復には按摩整復営業取締規則第一〇条を準用処断すべきである旨の規定 がある。この規定は大正九年︵か軌、一︶の同規則の改正によって設けられる。したがってこの判例には違法がない。  ところが、柔道の教授をしていない者が、一〇数名に対して、足部、腕部などの骨折、脱臼等について、患部を揉 み、擦り、板片を当て補強を与える等の治療を行ったので、同条によって処断されたが、大審院は事実審理を行い、 東 洋 法 学 二五

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     医業類似行為      二六 つぎのようにいう。  右のように柔道の教授を為す者が、捻挫等に対する柔道整復を行ったときに、同項によって同規則第一〇条を準用処断すべきも のであるが、柔道を教授しない者が、免許鑑札をうけないで、脱臼骨折に対する柔道整復を行っても、右附則末項の適用をうける べきものでない。これを理由として、他の犯罪が成立するには、格別、岡項によって右の同規則第一〇条を準用処断すべきもので ない。蓋し脱蔭骨折の対症療法は、一種の医行為に属するから、医師以外の者にこれ︵猴髄︶を許すのは、例外のことであるので、 右の附則未項の規定は、厳格に解釈し柔道の教授を為す者に限り同規則に準拠し免許鑑札を受ければ、叙上の患部に対する柔道整 復営業を為すことを許したものと解するを相当とするからである。原判決が単に前記判示した事実を認定したに止まり被告人は、 柔道教授を行う者であるか否かを確定せず轍く右附則末項によって右岡規則を準用処断したるは理由不備の違法のあるもので、論 旨は、結局理由がある︵繊輝塘喋識辮規鞘雛籔灘告騨難︸藻蕃熔脚府灘撒薪騨一署解府醜磁九大懸難刑一㌦部轍腱号昭靴鱗無脚胡、㌦蹴田鍍螺挑年︶。  この判決を支持する。臼的論解釈論からは、柔道の教授の有無を問わず、処罰することは、肯かれる。それは、同 規則による取締−許可の目的は、一般抽象的危険の防止であるが、柔道教授を行っていることが重要であることにな る。しかし﹁柔道を教授する者﹂に限定すること自体もおかしいとすることができる。それは柔道をよくする者こそ、 柔道整復ができるからであるりしかし実証論的には、﹁柔道を教授﹂する・しないこと自体が重要であり、規定され ていない柔道を教授しない者を処断することが問題であるからである。 ︵1︶ 以下の判例は、主として厚生省﹁厚生行政関係判決集﹂四二九頁以下による。引用の最後の数字は、その頁数であり、区   裁は、区裁判所であり、簡裁は、簡易裁判所であり、地裁は、地方裁判所であり、最高裁は、最高裁判所である。この判例   集は、昭和三五年二九六〇年︶辺りまでのものであるが、それ以降の作業も期待したい。なお刑集は、大審院のあるとき

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  は、大審院刑事判例集であり、戦後は、最高裁判所刑事判例集であり、高刑特は、高等裁判所刑事判決特報である。また評   論は、法律判例学説評論全集の略称である。    医制は、わが国の診療をはじめ医療全体の近代化の青写真であるといえる。そこには、﹁医政﹂は、文部省が統ふとし   ︵一条︶、医学校、教員附外国教師、医師、薬舗附売薬の項目が設けられ、翌年、改正医制が発され、﹁医制﹂は、公私病院、   医師、薬舗附売薬の項目をもち、当分の間の取扱い・措置まで定め、実行できることは、出来るだけ行うことにし、文部省   より改正医制にして三府に達される︵同上・資料篇三六頁以下︶。 ︵2︶施術は、伝統的な徒弟制度的であったようであるから、その営業者の数の把握も、困難である。その最大の原因は、おそ   らく、中央政府は、医育に力をいれ、施術は、地方庁に委ねられていたからであろう︵厚生省・前掲書︵百年史︶七六ー七   九頁、同資料、二〇八頁以下︶。この年、皇室は、貧民救済の一助として内幣金を下賜する。施術業に関する統計もまだ出   ていない。両規則によってようやく指定学校や講習会が作られ作動し、施術師の養成がようやくはじまる。 三 時代・社会と医業類似行為の判例  8 大日本帝国憲法時代前期  新政府は、医学−医術を近代化するために、医師国家試験を強行するが、その手はじめに、医制を制定し、三府に       ︵き       ︵2﹀ 達する︵糊鞘砒砕︶。医制は、形式では太政官の布達であり、今日的にいえば、訓令・通達であろう。しかしその実質は、 医療行政方針であろう。医制は、近代医学ー医術は、ヨーロッパとくにドイツ医学−医術であるとして、西洋医を漢 方医にかえ、その下に、医業類似行為を位置させようとするのである。その表現は、右の鍼術・灸術を、医学ー医術 東 洋 法 学 二七

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    医業類似行為       二八 の下に位置づけ、営業者は内・外科医の差図を、うけることを原則として、ひそかに独立して、それを行うことなど を禁止し、その禁止などを犯した者を、応分に処罰することを旨として示している。しかしまだわが国には近代的医 学⋮医術もなく、医制は、ただ漢方医の世界に一石を投じたまでのことであり、まして漢方とならぶ伝統的な鍼術・ 灸術の世界では右の医制の医業類似行為に対する規定は、何らの意味もなかったといえよう。しかし新政府によって、 諸々の改革が行われ、国会の設立も約束され︵瑚飴肝欄碑.︶、その準備の一環としての内閣制の樹立とくに内務省の設 置︵朋飴航五八.︶は、改革の推進基地の開設であったのであろう。入歯歯抜口中療治接骨営業者取締方、とくに鍼術灸 術営業差許方は、内務省から発される︵瑚搬︶が、各府・県は、その取締の主体として、営業者にのぞみ、営業者の 出願を受理し、その修業履歴を点検し、相当であるときは、その営業を許可する。この営業者には、鍼術業や灸術業 者のみでなく、入歯歯抜口中療治業者も含むが、按摩術業者は含まない。そこで、府・県によっては、按摩術業者に は、按摩術業以外の医業類似業者に関する法規を準用するところもあったというが、おそらく、鑑札・免許︵許可︶ の制度は、各営業者や新規開業者にとってもはじめてのことであり、案外、制度自体の理解もなく、漫然と鑑札・免 許をうけた者も多く、反対に、実際に、各営業を行う者も、多くあるという推定もできよう。それは、とくに教育の        ハヨ  普及、教育、経済などの程度・種類などは、必ずしも高いといえないからである。やがて教育が普及し、エリ⋮ト・ コ⋮スは、明確化しようとするが、鍼術・灸術営業者などは、医師との距離をますます大きくし、庶民階級の中にと りこまれる。第一回の総選挙は、直接税一〇円以上を納めることが制限であったために、当時︵朋に把碑築︶の総人口三 千万人に対し、有権者数は、四五万人であり、総人口に対して一・一三%にすぎなかったが、おそらくそれ以降の選

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       ハぐレ 挙でも鍼術・灸術業者等の中には投票権をもつ者は少なく、多くは参政権がなかったのであろう。  按摩営業取締規則や鍼術灸術営業取締規則︵瑚飴運欄韓.︶は、マッサ⋮ジ術をはじめて登場させ、営業者には、地方 長官の公的試験を課し合格しまたは地方長官の指定学校もしくは指定講習所を卒業すれば、免許・鑑札する︵匁鄭謙に講 鰍靴群徽教︶。しかし、一定の疾病のある者または素行不良の者には鑑札・免許を与えない。禁鋼以上の刑に処された者 には鑑札・免許を交付しないとし業務広告を制限し、行政処分の制度を設けて、その営業者の資質の向上を図るなど する。この内容は、正に近代的であるというべきであるが、左のような判例がある。  医師法第二条と新潟県鍼灸治営業取締規則第五条第二条とを対照して律意の在る所を按ずるに医師法に於ては営業の目的を もって免許をうけず、みだりに医術を行った者を罰す。鍼灸治営業取締規則では、医術を営業とする目的があるのではなく、ただ 鍼灸治を受けた患者に薬剤と処方を与えまたはこれを指示した鍼灸治者を罰する趣旨であって、両者の別は、営業の目的をもって 医術を行いたると然からざるところにあるものとする。原判決の認定によれば、被告は、営業の目的をもって、免許をうけず、み だりに丁外一〇名に対して医術を行ったものであるので、医師法第二条を犯したものでなく果して鍼灸治者営業取締規則を適用 すべき場合でないことは勿論であるから、原院が単に医師法のみに拠って処分をしたことは、相当である︵綿鵡羅醸轍結事難二騨無賭繍講

簿蕗舗壕雛糊鞘誕請幣五瑠○︶.

 按ずるに鍼灸術は、医師と同じく疾病治療を目的としまたの疾病に対しては相応の効験を有するものがあるといえども、その術 は、鍼硫または灼灸の方法以外に出るべからず、もし外科的手術を施しもしくは薬剤を用いるがごときは、医術の範認を犯し純然 たる医師の行為を行うものに外ならず、原判決は、被告の診療投薬の行為を認めて、被告が医師の行為を行ったものと判定したも ので、被告人が鍼術を施した事実を認めたにかかわらず、隅々投薬の事実があったことをもって之を附会して医術を行ったものと 判示したものでない。けたし医師は、疾病を診察し治療の方法を講ずるを以って医術を行ったものというべきであり、医師自ら投 薬せざるも、その術を行ったというを妨げないから、投薬の有無は、医術を行ったか否の標準とならない。故に原判決は、相当で 東 洋 法 学 二九

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     医業類似行為       三〇 あって、その理由における所なし︵鰯磁轟肱雌醐被酷醐鮒奪璽熔銘酷鰹地職蛆第紅購略砧盤嵯藩蹴号大購襯酬鷺螂翻決四瑚燃四︶。  因て按ずるに大阪府鍼灸術営業取締具則は、鍼灸術営業者が医師の業体に属すべき行為を為すことを禁じ、これについて制裁を 規定したものであって、医叢を常粟どレで往争だ者を処罰ず衝極旨ひ頓ぐ、原判決の認定した事実によれば、被告は、免許を受け ないで、私かに医業を為さんとし、Kの疾病を診察し薬品を調合して、これを投与したものであるから、その所為は、当該規則に 解れるものでなくして、医師法第二条に該当するものとする。故に原審は、之を同法に問擬したことは、正当であって不当では

ない︵耀纒響讐肇顯第臨驚墾ハ燵攣雛襯れ蕪藷壕︶.

 最初の判例は、まだ鍼術・灸術営業取締規則が制定されない頃のものであるが、また被告人は、鍼灸の目的︵営業 の︶をもって行ったのに何故に医業を行ったというかというのに、判決は、これに答えずとにかく医業を行ったとい い、これは強弁のようであり、何故に医術を行ったという点は、まったく不明であるといえよう。しかしつぎと最後 の判例は、とくに投薬があって、医業の範囲を侵したといえようから、支持できる。だが、つぎの判決は、弁解的で あるといえよう。しかし医師法も、鍼術・灸術営業取締規則も按摩術営業取締規則も制定されて間もないのに︵瀾雁獅 醐麟購獅独鵬溶醐酷無祓轟ル競範六年︶、右の判例の出現は、貴重であるという他はない。それは、各判決はぎこちないが、旧 医師法︵条︸︶の解釈として概して正鵠をえて、医療関係者の主体法の解釈と適用のはじめての作動であるからである。 ︵1︶厚生省・前掲書︵百年史︶一一頁以下、同・前掲︵同資料篇︶三六頁以下、 ︵2︶医制は、今日的にいえば、行政計画ともいえよう。それは、わが国の医療制度の近代化の大方針であったからである。そ   の源は、五力条の御誓文︵慶応四年二八六八年︶であろう。しかし医制の内容は、余りにも、理想的であり、当時の文化   程度・種類︵民度︶からは、不能的であった。そのために、新政府は、東京・京都と大阪の三府に達する︵明治七年.︸八

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