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スミスの課税基準論

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スミスの課税基準論

著者 榎並 洋介

雑誌名 星薬科大学一般教育論集

25

ページ 1‑33

発行年 2007

URL http://id.nii.ac.jp/1240/00000234/

(2)

ミスの課税基準論

 洋介

一  初期スミスの租税観

租税四原則と課税対象

 ︵﹃︶租税四原則の特質

 ︵二︶課税対象

内国消費税と関税

 一 初期スミスの租税観

代的な租税国家を論ずる場合にアダム・スミスの租税論を検討することは不可欠な作業である︒国民が豊かな収入を

獲得し︑それを国家に供給することによって︑市民国家を維持することは共同社会の基本である︒この意味においてまさ

ユ      国民と国家を豊かにすることが政治経済学の目的であるといえる︒スミスの時代における国家財政の特徴は︑経費にお

(3)

2 は軍事費と公債費が全経費の八割を占め︑それをまかなうための収入は消費税と関税さらに地租を含むアセスド・

タックスであった︒この莫大な経費をまかなう現実に直面して︑どのような租税体系を構築し租税収入を確保するかはス

ミスの時代にとって大きな関心事であり︑同時にこのことは財政破綻を回避するための最も重要な国家的課題であった︒

  別表−及び別表Hによれば︑平時のグレート・ブリテンの一七五〇年から一七五五年の五年間における国家経費は軍事

費が三八パーセント︑公債費が四四パーセントであり︑その財政収入は租税等純収入が七〇パーセントを占めており︑そ

内訳は内国消費税三四パーセント︑地租及びアセスド・タックスが一七パーセント︑関税が一六パーセントであった︒

さらに公債収入が三〇パーセントを占めていた︒これは︑租税収入の主たる源泉が内国消費税及び地租並びに関税である       ②ことを意味するものである︒

 一七九三年にデユーゴルド・ステユアートは︑アダム・スミスがこの期間の一七七五年頃に当時の政府の役割について

を寄せ︑﹁一国家を最低の野蛮状態から最高度の富裕にまで導くためには︑平和︵冨①○色︑軽い税︵︒器ぺ富×︒°・︶︑および

司直︹正義︺の寛大な執行︵①8一︒田巨①①口日﹇巳乙・茸①江o昌oご二乙︒⌒一8︶のほかほとんど必要としない︒他の一切は事物の自然

よってもたらされるからである﹂と論究し︑国民を豊かにするためには課税を軽くすることが政府の果たす役割       ③だと主張していたと述べている︒

これより少し遡って︑アダム・スミスが一七六二年に書いたらしい﹁国富論の初期の草稿﹄には︑支配者たちの莫大な

は貧しい人々の労働によって支払われる税金で調達していることが記してある︒さらに︑富国における貧困はその生

活行政の失策︵°︒o日︒σq冨巴︒qoユ三け6・⑰o一一8︶によるもので︑﹁それは商業または製造業の特定の部門を不適当な関税と消

費税によってか︑徴税吏たちの公認の横暴によって︑抑圧してきたにちがいない︒後者はしばしば︑かれらがとりたてる

すべての租税よりもわずらわしい︒あるいはまた︑課税によって︑したがって生活必需品の価格をつりあげることによっ

(4)

       凶 て︑それは生計維持の困難を増大させてきたにちがいない﹂と記述している︒いずれも関税と消費税および強権的な徴税

  は不適切であり︑課税による生活必需品の物価高が人々の生活維持を困難にしているのだから︑このような課税は行政の

失 策であると指摘しているのである︒

ミスはバックル公爵の大陸旅行のつきそい教師になることを承諾したために︑グラスゴウ大学における講義を一七六

末に終了し︑翌年渡仏した︒その時の講義内容が学生の受講ノートとして残っていて︑これを底本にしたと思われる

ものが﹃法学講義﹄である︒この一七六三年末までの﹃法学講義﹄においてスミスは国家収入を財産税と消費税及び関税

  と公債等に分けて講じている︒特に財産税と消費税についてはその特質と不公平性について論じているのである︒

この講義において︑スミスはまず政府を維持するためには費用が必要であるけれども︑国民が富裕といえるのはその費

  用のために抑圧されていないということでなければならないという︒また︑文明国では陸軍︑艦隊︑要塞︑公共の建物︑

裁判官︑収入官吏を維持していけば︑混乱は生じない︒しかしながら︑これらの費用を地代によって支えるのは最悪の方

  法であると主張する︒このような視座を確保して︑スミスは次のようにいうのである︒﹁すべての租税は二つに分類して考

察することができる︒すなわち所有物にたいする租税︵‖財産税ー引用者︶と消費にたいする租税である︒これらは︑政

府を支持するのに︑臣民たちを貢献させる二つの方法である︒地租は前者であり︑商品にた・するすべての税は後者であ

翫﹂︒財産税はさらに土塊貯千資財︵°・8琶と貨幣に分類した上で︑貯えと貨幣に課税するのは非常に困難である︒と

 いうのは貯えや貨幣に課税するためには商売人の帳簿を閲覧してその所有額を把握しなければならないからである︒しか

しこのような行為は自由の侵害であり︑信用を破滅させる原因になってしまうからそれらに対する課税は困難である︒土

対しては各人が所有する広さが明白だから土地課税は容易にできる︒しかしこのような理由で土地だけに課税し︑貯

3と貨幣に課税しないのは大きな不正の原因となるだろう︑とスミスはいう︒

(5)

4 さらに一般の商品にかけられる税について次のようにいう︒﹁地租をのぞいて︑われわれの租税は一般に商品にかけられ

て︑これらの税には土地所有に課せられる税よりもはるかに大きな不平等がある︒人びとの消費は必ずしもつねに︑

らの所有に対応しないで︑かれらの気前のよさに比例する︒商品に税がかけられると︑それらの価格は上昇し︑商人

たちの競争は妨げられるにちがいない︒人為的な欠乏がおこり︑勤労︵日9の含巴への刺激は減少し︑生産される品物の量     ㈲も少なくなる﹂︒みられるように︑ここには一般商品に対する消費課税が生産性を低下させるという論理の展開をみてとる

ことができる︒すなわち︑一般商品に対する消費課税は商品価格を上昇させる︒すると︑それに応じて商人の利益が減じ︑

商品の取扱量が減少する︒価格上昇は消費者の購買力を低下させるから︑生産量も増加せず︑したがって生産性も低下し

しまうという︒生産性の低下をこのような観点から考察しているのは興味あるところである︒

ミスは土地だけの課税には大いに問題があるとしながらも︑同時に他方では二つの大きな長所があるという︒すなわ

ち︑一つは土地所有への課税は大きな費用をかけずに徴収できるということである︒徴税官は州の郷士︵σqΦ巳一︒∋四旦たち

よって選ばれるから安全に国庫に納入される︒しかしながら︑他方において消費税は徴収するために使用する役人達が

膨大な数にのぼり︑ほとんど彼等に食い潰されるという問題点をかかえる︒したがって︑これらの役人達を支えるために

多大の費用を必要とするから︑政府が必要としているよりも多くの消費税を徴収しなければならない︒さらに︑土地だ

けの課税の二つ目の長所について﹁それが商品の価格をひきあげる傾向をもたないことであって︑なぜならそれは穀物と

家畜に比例してでなく︑地代に比例して払われるからである︒小作人がこの税を払うとすれば︑かれは地代をちょうどそ      m

け減額して払うのだ﹂という︒しかしながら︑イングランドにおいてすべての消費に税がかけられるのはあきらかに

あるとスミスは主張する︒なぜならば︑﹁年々の地租を払う地主は︑消費にたいする諸税のうちの大きな部分をも

うのである︒このことのために︑地主階級がまず︑負担が自分たちの肩にかかることを考えて︑戦争について不平をい

(6)

       捌   う﹂のである︒事実︑地主は地租と消費税の大部分を政府に支払うのだが︑その多くが度重なる戦争の費用にあてられて

ことを勘酌すると︑イングランドの戦費調達の財源に関し︑地主に二重の担税を強いることは︑地主の税負担が過大

なるという理由をもって︑スミスは現行制度を批判するのである︒

    続いて彼は消費税について論じる︒﹁所有にたいする税は︑当然︑平等であるが︑消費にたいする税は︑当然︑不平等で

  ある︒なぜなら︑後者は︑ときには商人によって︑ときには消費者によって払われ︑またときには輸入業者によって払わ

消費者から払いもどしをうけなければならないからである﹂︒このように消費税の不平等性を指摘した上で︑消

費税は財産税と比べて二つの長所があると論じる︒一つは︑消費税は目立たないように支払われること︒そして二つには︑

  消費税は生活上の奢移品の出費を縮小させるように機能するということである︒すなわち︑﹁消費税にたいしてあまり不平

声がたかくないのは︑それが商人によって支払われ︑商人がそれを品物にのせるからであって︑このようにしてそれは

民衆によって気づかれることなく支払われるのである﹂︒例えば︑第一の点についていえば︑ニポンドのお茶を買うとき

われわれは︑その価格の大部分が政府に支払われた税であることをかえりみることはなく︑したがってそれがその商品

自然価格にすぎないかのように満足して支払う︒おなじようにして︑もしビールにたいして追加の税がかけられると︑

その価格は上昇するにちがいないのだが︑群衆はそのうらみを本来の対象である政府にむか・て直接に表明しないで︑酒

あびせる︒かれらは税価格と自然価格とを混同しているためである︒したが・て︑商人によ・て支払われる消費税は︑

 自由にとってひじょうに好都合であるように見え︑この政府によってつねに歓迎されるだろう﹂︒いわばこの場合には商人

︑︑︑ が徴税者の役割を果たすために政府にとっては好都合であるという︒

さらに︑財産税と比べたときの消費税の第二の長所についていえば︑多くの地主が破滅してしまうのは税金を支払うた

5自分の領地を抵当に入れるからである︒地主の破滅を阻止するためには﹁小作人にかれの地代の一部の支払いとして︑

(7)

6 を支払わせることである︒消費税がこの不都合をともなうことはない︒ある人が︑生活上の奢移品への出費が多すぎ

ることを知るならば︑かれはただちに自分の消費を縮小することができる﹂︒したがって︑消費税は財産税に対して個々人

遇 を破滅させる傾向は大きくないという︒また︑財産税も消費税もその徴収の仕方によっては勤労︵日江已ω☆匂11産業︶

      ⑨

有利であったり不利であったりすると述べている︒

しかしこのような財産税と消費税についてのスミスの議論は︑一七五二年にデイビイッド・ヒュームが発表した租税に

関する論説から強い影響を受けた思われる︒すなわちヒュームは次のようにいっている︒﹁最良の租税は︑消費︑ことに奢

修的消費にかけられるような租税である︒なぜなら︑このような税は国民に感じられることが最も少ないからである︒そ

支払いは︑ある程度︑自発的なもののように思われる︒というのは︑ひとは課税された財貨をどの程度まで使用するか

を選択することができるからである︒それは徐々に︑そして知らず知らずのうちに支払われる︒それは分別をもって課徴

される場合には︑自然に節制と節倹とを生み出す︒また︑それは財貨の自然価格と混同され︑消費者にはほとんど気付か

ない︒その唯一の欠点は︑徴収に費用がかかることである︒財産にかけられる税は︑費用を要せず徴収されるが︑しか

しそれには他のあらゆる欠点がある︒とはいえ︑たいていの国は︑いま↓つの消費税の不足分を補うために︑やむなくこ

税に頼っている﹂︒ヒュームは奢修的消費に課税する国内消費税を最良の租税と考えている︒それが最良の租税であると

う理由は︑国民の負担感が少ないし︑支払いは個々人の任意により選択するから自発的なものであるし︑あまり意識し

ないものであるし︑自己抑制的でもあるからである︒ただ最大の欠点は徴税に費用がかかり過ぎるという点である︒この

ヒュームの見解はそのまま既述のスミスの論述に重なるのである︒ここにスミスがヒュームをお手本にした根拠を垣間見

ることができるであろう︒このような興味ある指摘はヒュームが消費者の奢移的消費に税源を求め︑財産税はこの消費税

足分を補う租税として位置づけていることである︒

(8)

期のスミスはヒュームのように消費税と財産税の位置づけを明確にしているわけではない︒ただ両者の租税に関して

目すべきことは︑彼が不公平や不平等という表現を多用していることである︒また︑徴税のための費用については比較

的明確に認識し論述しているが︑課税の判断となる基準や徴収のための原則については明確に主張していない︒これらが

明確になるのは一七七六年の﹃国富論﹄初版の刊行によってである︒

   

ω  この点については︑拙稿﹁アダム・スミスの租税利益説について﹂﹃星薬科大学一般教育論集﹄第八輯︑一九九一年︑参看︒

   末尾掲載の別表−及び別表11については︑ロ.国゜司后戸㎏ボ恩詠eきミへ6㌔S§9∀︑§So肉o§Nミへ§︑eNgP忘Oを基本にした︒

  なお︑別表−及び別表Hについては︑斉藤忠雄﹁アダム・スミスの公債思想︵上︶﹃修道商学﹄︹広島商科大学︺第二三巻第二号︑一

年︑八一頁及び八八頁による︒公債については︑拙稿﹁アダム・スミスの公債批判論﹂﹃星薬科大学一般教育論集﹄第十輯︑一

年︑参看︒なお︑↓八世紀イギリスにおいて消費税と地租及び関税はコニ大国庫収入源となり︑初期ブルジョア国家における

  資本蓄積に適合した典型的な収益税として国家財政上不可欠の要素となったものである﹂︵隅田哲司﹃イギリス財政史研究﹄ミネル

ヴァ垂旦房︑昭和四六年︑一九三頁︶︒また︑戸﹀°ζ已切ぴq轟︿ρ﹀合日o力目日05勺已σ一ざ巴づ昌8①昌巳︶一︒・日9己oP日﹃ぎ§斗災§⇔

ミo⑦S貢Φ臼げぺ日≦﹈一切○口①昌亀﹀°ψ乙力泣昌昌o門O図㌣oa二⑩﹃①も゜N⑩c◎°参照︒

 切ざ丙§∀ミヘミさ§o弍ミ﹄⇔魯§句§へSσ司O已ひq巴ユ乙︒↓o≦ぼ戸﹂﹃⑩ωw>已αq已゜・9ωζ゜×①=oぺ゜Zo≦くo鼻゜一⑩ΦOも゜Oo︒°福鎌忠恕訳﹃ア

ダム・スミスの生涯と著作﹄お茶の水書房︑一九八四年︑七八頁︒

論 ωま§切§言︾句ミ心§咋§亀㊥§冨・ミ9≦巨昌力︒ぴ3︒︒8芦︾二讐ω言ω客民︒=︒sZ儂ぎ﹃穴一・⊃Φm輻ωωN︒こ合§切ミS

 ↑8§さ句§㌔さ魯ミ心§60︒99α旦力F°忌8方OO°閃筈駕r㊥゜ρ︒︒↑苗PO江oa一q⊃□︒︒も゜㎝Φべ゜水田洋訳﹃国富論草稿﹄日本評論  社・昭和二三年六吾・また水田洋訳﹃法学嚢﹄岩馨店・二・・五年︑所収︑四五吾.以下岩波書店版を使用︒

課  ⑤9°ミさ句§㌔︐︐§やきミ6︒島き§§§⇔﹄§の§忘︒さ真軌ミ言§ヘミ誘登ミe9句§せ﹄合§切§§痴80葺9冨①o︒9江゜白︷  三華§°言﹃三︒ぎ△已§⁝︒8↑°旨・∩昌・Φ§三゜・蓮︾ξ゜・昌゜・旨匡①︷・・ξ・ωΦ゜以下・︵°・︶と表記・

ミ   高島善哉・水田洋訳﹃グラスゴウ大学講義﹄日本評論社︑一九四七年︑四三二頁︒水田洋訳﹃法学講義﹄岩波書店︑二〇〇五年︑三

八一頁︒以下︑岩波書店版を使用︒

 ︷豆α゜も゜︾︒古O°訳三八二頁︒7m ︷宮臼゜も﹄﹄ピ訳三八二〜三八三頁︒一七七〇年の消費税の徴税官の組織図と人数については︑﹂09ロ︒﹁oξ︒□﹃言鯨§ミ句ミさ§S

(9)

8 §へ§§婁︑§⇔So㎏ボ恩詠心句︑ミや﹂◎句句㎏品図己5ヂ日コペ旨①口﹂Φ゜︒⑩◆ジヨン・ブリュア著 大久保桂子訳﹃財政11軍事国家の衝

撃﹄名古屋大学出版会︑二〇〇三年︑一一二頁︑参照︒

⑧  夏切︶もN合゜訳三八三〜三八四頁

 以上の引用はビ︵ロ︶もカ゜ト⊃芯iN±°訳三八四頁〜三八八頁による︒

oo U①<己民已日P§ミ鳶鵠O心㎏8§O§膏句o合一〇〇乞一芸①ロ一葺8匹已○江05げぺ同已σqo口oカ○けξo一さ∨日oご三くm誘一qo喘≦一゜り△o白切日勺﹁oωψり 一⑩やOも゜°︒ρ田中敏弘訳﹃ヒューム政治経済論集﹄お茶の水書房︑一九八三年︑一〇四頁︒なお︑ヒュームの租税の経済効果につい

 ては︑田中敏弘﹁社会科学者としてのヒューム﹄未来社︑一九七一年︑七四〜九九頁︑参照︒

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(12)

と課税対象

ダム・スミスは彼の租税体系を自著﹃国富論﹄第五篇第二節において展開することによって︑前述の課題を明確にす

る︒家産国家において国家の必要経費をまかなうことは不十分なので︑大きな文明国ではどこでもなんらかの種類の租税

よってその必要経費をまかなっている︒スミスは﹁国民が︑各自の私的収入の一部を︑主権者または国家の公共の収入

  を調達するために醸出する﹂という︒家産国家に代る租税国家の主張である︒

義の浪費国家とは異なり︑スミスのいう近代国家は私的資本の活動を活発にし︑それを促進し維持するために必

要最低限の諸活動を義務とした︒それは国防︑司法︑公共事業及び国家の威厳を維持することであった︒これらの義務を

行するには︑一定の経費を前提とするし︑この経費を支えるには一定の収入を必要とするのである︒しからば︑

・のような国家の必要経費をまかなうべき収入をど・に求めるべきか︒主権者の財産は増00する経費をまかなうには不+

分な財源でしかない・そうだとすれば︑残りは国民の収入からまかなわざるをえないのである・個人の私的収入は・地代・

利潤及び賃銀の三種類から生じる︒したがって︑租税は終局的にはこの三種類のいずれからか︑またはこれら三種類の収

︑︑︑ 入のすべてから無差別に支払わざるをえない︑とスミスは考えるのである︒消費税はこの無差別に支払われる租税である︒

ミスは租税論の冒頭においてその間の事情を次のようにいう︒﹁各個人の私的収入は︑本書第一篇で明らかにしたとお

11 り︑結局のところ︑地代︑利潤および賃銀という三種の源泉から生ずる︒したがって︑あらゆる租税も︑終局的には︑こ

(13)

12 ら三種の収入のどれかから︑あるいは無差別にそれらすべてから支払わざるをえない︒私は︑まず︑第一に︑地代にか

けようとする税︑第二に利潤にかけようとする税︑第三に賃銀にかけようとする税︑第四に私的収入のこれら三源泉すべ      ②

差 別にかけようとする税について︑できるだけよく説明するように努めたい﹂と明言する︒

ミスはこのように租税の全体系を述べて個別の税を具体的に検討するのであるが︑その前に課税の判断となる基準に

論じる︒すなわち︑それは公平の原則︑確実の原則︑便宜の原則及び徴税における節約の原則と呼ばれるいわゆる

原則についてである︒これら四つの原則は課税対象を考察するときに極めて重要な基準となるものである︒そこ

で︑われわれは次にそれぞれの原則についてその特質を考察することにする︒       θ

  まつ︑第一の公平の原則についてスミスは次のようにいう︒﹁すべての国家の臣民は︑その政府を維持するために︑各人

それぞれの担税力︵①亘一一亘︒ω︶にできるだけ比例して︑言いかえれば︑各自が国家の保護のもとで︑それぞれ手に入れる収

きるだけ比例して︑醇出すべきである︒一大国における政府の経費と各個人との関係は︑一大所有地における︑そ

費と共同借地人との関係に似ており︑土ハ同借地人は︑だれでもこの所有地から受ける︑それぞれの利益︵一つ↓①﹃Φ切↓ω︶

例して薩出する義務がある︒この原則を守るかいなかということに︑いわゆる課税の公平不公平がかかっている︒こ

こではっきりと述べておかねばならないのは︑上記三種の収入︵地代︑利潤︑賃銀ー引用者︶のうち︑終局的には︑その

どれかただ一つにかかるような税はすべて︑他の二つに影響しないのだから︑その点でかならず不公平なものだというこ   ④とである﹂︒この原則は政府の保護の下で手に入れた各自の収入に比例して︑政府を維持する費用を各個人が担税すべきで

あるという租税の根拠となる考え方を明らかにしている︒全般的な利益に対しては課税する政府側の公平の概念と担税す

る国民の側の公平の概念とに齪齪があってはならない︒国家は国民を差別なく公平に保護し︑その庇護の下で国民は利益

を獲得するということである︒

(14)

  しかし︑スミスは﹃国富論﹄第五篇の結論部分において次のようにいったのである︒﹁社会を防衛する経費と元首の尊厳

  をたもつための経費とは︑ともに社会全体の一般的利益のために支出されるものである︒したがって︑それらは︑社会の

員みんなが︑各自の能力にできるだけ比例して出すというかたちで︑社会全体の一般的酸出によってまかな

われるのが理にかなっている︒司法行政費も疑いもなく社会全体の利益のために支出されるものと考えられる︒したがっ      ⑤ て︑これを社会全体の一般的醸出によってまかなうことには︑なんの不穏当な点もない﹂︒租税の負担の根拠を考える場

  合︑社会の全般的な利益に対しては全ての社会構成員が各自の能力に比例して貢納する︒具体的には︑国防費︑元首の威

を維持する費用︑司法行政費︑道路や交通機関を維持する経費︑教育施設と宗教上の教化施設の経費などをスミスは挙

  げている︒

  しかしながら︑彼は続けて個別的な利益に関して次のようにいうのである︒﹁ある経費のもたらす利益が社会の一部分に

      ⑥ 限られるのに︑その経費を社会全体で醸出しなくてはならぬ︑というのは公正ではない﹂と︒個別的な利益に対しては︑

その受益者が貢納するのが穏当であるということである︒この文言は租税負担を考察するばあい︑公平の概念とは何かと

う問題やその公平を実現するための方法とは何かという極めて重要な課題が含まれていて︑二一世紀の現在まで議論が

継続して・るテ←である︒一般的利益と個別的利益とを区分したばあいの租税負担の在り方が議論の的になる問題であ

る︒言い警れば応能か又は応益による租税の負担が公平の原則に合致するのか否かに関わる問題であるといえ翫︒

ミスの考え方の特徴は︑社会の↓般的な収入は国防や元首の威厳を維持する経費をまかなうばかりでなく︑個別的利

を享受する部門もまかなわなければならないということに求めることができる︒だから︑できるだけ収入に負担をかけ

  ない形でそれらの諸経費を受益者に負担させることである︒租税利益説と負担能力説を一般的なものと個別的なものに識

13   し︑これを経費論の側から捉え︑経費と収入の関係の議論をとおして︑一国の資本蓄積を促進する視点に基本的視座を

(15)

14 えていることである︒スミスにとって公平の原則は国家と国民との関係から生まれた必然的な義務であり︑国家による

個人の財産や生命の保護に対しては国民が公平に租税を負担すべき倫理的な規範である︒同時に︑各個人の収入や能力に      ⑧

応 じて貢納するのは現実の経済問題としては合理性があるという認識である︒

  第二の確実の原則について︑スミスは次のようにいう︒﹁各個人が支払わされる税金は︑確定的でなければならず︑恣意

的であってはならない︒支払いの時期︑支払いの方法︑支払いの額は︑すべて︑納税者にもそのほかだれにも︑簡単明瞭

なければならない︒そうでない場合には︑納税義務者はだれでも︑多かれ少なかれ徴税人の意のままとなり︑徴税人は

気にくわない納税者には税を重くすることもできる︒税を重くするぞとおどしては︑贈物や役得をせしめることもできる︒

税の不確定は︑傲慢でもなく︑腐敗していなくてさえ︑ほんらい不人気なこういう階層の人たちの傲慢を奨励し︑腐敗

を助長するのである︒各個人の支払うべき租税が確定しているということは︑課税においてきわめて重大なことがらであ       ⑨るから︑ごくわずかな不確定でさえ︑ひどい不公平にも勝る大きな害をもたらすくらいである﹂︒この原則は国庫収入を確

なものにするために必要不可欠なものである︒これを充足するためには納税者や他の人達にとって納税の支払時期や支

支払金額が簡単明瞭でなければならない︒なぜならば︑徴税官は気にくわない納税者に対して権力を行使して

的に加重するから︑その際に行使する贈物や役得を要求するような傲慢な行為やそのような腐敗を禁止することが必

要だからである︒これは前述の公平の原則を補完するものとして重要である︒また︑この原則は私有財産制度における最

高規範である所有権を恣意的に侵害してしまうと行政権と財産権の調和を崩すことになるために︑これを確立することは

社 会にとって租税制度の指標となる極めて重要な課題である︒

し︑スミスは各種の収入に無差別にかけることを意図する税である人頭税について︑これは恣意的なものであると

認 識して次のようにいう︒﹁人頭税はもしそれを各納税者の財産なり収入なりに比例させようとすれば︑まったく恣意的な

(16)

ものとなる︒人の資産状態というものは︑日に日に変わるもので︑どんな税金よりも我慢ならない検査をやり︑少なくと

も毎年一度は調査のやり直しをしないかぎり︑憶測するしかない︒だから︑税額の査定は︑たいていの場合︑査定官のご

嫌がいいか悪いかによらざるをえないし︑もしそれを各納税者の推定財産なしに︑その身分に比例させると︑こんどは

まったく不公平になる︒身分が同じでも︑財産の大きさが違うのはよくあることだからである︒したがって︑このような

税 は︑公平にしようとすれば︑まったく恣意的で不確定なものになり︑また確定的で恣意的でないものにしようとすれば︑

まったく不公平なものになってしまう︒この税は︑軽かろうと重かろうと︑つねに最大の不満の種は︑それが不確定だ︑

ということである︒一方︑かなりの程度の不公平でも税が軽ければなんとか我慢できる︒しかし︑重ければ︑まったく堪

たいものになる﹂︒納税者にとって人頭税は軽ければ我慢するという︒というのは︑もともと人頭税は個人に対して頭

割りに同額を課税する租税であるが︑税額を査定する時に納税者の担税能力の差を考慮しないと不公平な税となるからで

  ある︒

  次に第三の便宜の原則について︑スミスは次のようにいう︒﹁すべての租税は︑納税者が支払うのにもっとも都合のよさ

   そうな時期に︑また方法で︑徴収すべきである︒土地や家屋の賃料にたいする税で︑これらの賃料が普通支払われるのと

同じ時期に納付することにな・ているものは︑納税者が支払うのにもっとも都合のよさそうな時期︑つまり︑納める金を

ちばんも・ていそうな時期に徴収する・﹂とになる・覆品のような消費財にたいする税は・すべて終局的にはその消費

者によって︑しかも一般には消費者にとってたいへん都合のよい方法で支払われる︒消費者は奢移品を買う必要が起るた

しずつ支払うのである︒そのうえ︑自分の好みにおうじて買うも買わぬも消費者の自由なのだから︑もしかれがこ      ⑫ 種の税から何か大きな不便をこうむるとしても︑それはまったく自業自得というものである﹂︒スミスはここで具体的に

15

  徴収すべき時期や方法について言及している︒すなわち︑土地や家賃に対する税は地代を支払う時が納税者にとって最も

(17)

16 便利であるという︒これら納付が定まっている時期は納税者が予め予定すべき時期であり︑したがって現金を一番多く準

し所持している時期であるから都合がよいわけである︒これに対して奢修品のような消費財に対する税は︑消費者が奢

を買う度に少しずつ支払うものである︒奢修品は必需品ではないので︑一般消費税ではなく個別消費税である︒した

て︑奢移品の購買者が担税者であるという意味において︑収入の個別的格差を前提とすれば︑購買の選択肢とその幅

は大きいといえる︒スミスが自業自得だというのは︑消費者選択の自由の下で奢移品を購買したために生活上不自由が生

じるのは当人の勝手であるといういわば切り捨てた表現である︒個人の経済活動の自由を侵害しないことを前提にして︑

囲内で個人の能力に応じて消費することを意味するもので︑社会階級に基づく収入の格差を踏まえた理解の仕方で

あるといえよう︒

後の第四原則である徴税における節約の原則とは徴税費用を最少にするという意味であるが︑これについてスミスは

次のようにいう︒﹁すべての租税は︑国民のポケットから取り立てるにせよ︑また収入がポケットに入らぬようにしてしま

うにせよ︑それらの分と︑国庫に入る分との差が︑できるだけ小さくなるように工夫すべきである﹂︒これは国庫の収入額

と国民の支払額との差額を最少にすることを重視する考え方である︒租税が本質的に不生産的であることを考慮すると︑

この差額は浪費となるので︑これを最小限にすべきであるという原則である︒そして︑スミスはこの原則を妨げる原因に

ケースを挙げる︒

 一つは徴税官の人数と俸給についてである︒すなわち︑﹁徴収にあたっておおぜいの役人を要し︑その俸給が租税収入の       ㎜

大 部分を食ってしまい︑またその役得が国民にさらに余分の税を課した形になることがありうる﹂︒肥大する徴税機構とそ

を支える人件費増加に対する警告である︒租税収入の大部分を徴税官︑査察官︑計量官︑現場役人︑本局役人等の増加

ともなう俸給支払によって国庫収入が減少していくのである︒例えば︑︵註︶の別表mにおける一七七〇年の消費税執行

(18)

織図はこのことを如実に証明している︒しかもこれら官職の報酬はやや高く支払われているとしてスミスは次のように

う︒﹁官職の報酬は普通の職業や専門職業のように︑市場の自由競争によって規制されるものではないし︑またしたがっ

て︑その仕事の性質上必要とされるところより高いのであって︑それは政府の行政に当たる者が︑自分にも直属の部下に

  も︑むしろ十分以上の報酬をえてして出したがるからである﹂︒こうした官僚機構の肥大化とそれを維持する人件費の増加

原因になって国民に増税を強いるのは注意すべきことである︒したがって︑徴税官の人員の制限や徴税機構の効率的な

業務運営が︑この原則に照らして重要であるということになる︒いわば政府組織の肥大化は納税者である国民の負担の増

  加になるので︑可能な限りこれを避けるべきことを強調しているといえる︒

ケースの二つ目は︑租税は国民の勤労意欲を妨げ︑生産的労働に従事する者を減らす原因になるというものである︒こ

ことが結果として納税の財源を減少させ国民の税金の支払を苦しくさせるという︒すなわち︑﹁租税が国民の勤労意欲を

  妨げ︑国民が︑たくさんの人々に生計と仕事とを与えられるはずの特定事業部門に従事するのに水をさすことがありうる︒

税は︑一方で国民に支払を義務づけておきながら︑他方では︑さもなければもっとらくに支払えるはずの財源のいくら       ㎝  を︑こういうやり方で減少させ︑あるいは︑おそらくだめにしてしまうことがありうる﹂と︒重い課税は国民の勤労意

欲を削ぐ要因になるし︑高率の課税は産業活動を阻害する・とになる︒・ずれも国庫に納付する税収入を減らすことにな

る事例である︒

徴税費用最少の原則を妨げる原因となる第三のケースについてスミスは次のようにいう︒﹁租税は︑その税を免れようと

企てて失敗する不幸な人々に︑没収その他の罰を加えることによって︑しばしばかれらを没落させ︑こうして︑社会がか

   らの資本の運用から得られたはずの便益を絶ってしまうことがありうる︒無分別に税をかけると︑密輸を強く誘うこと

        ぽ

ユ       ほ  なる﹂︒脱税者から担保として経済基盤である原資を強制収用できる法律は生産的な経済活動から生まれる便益を奪う

(19)

18 ことにもなり︑原資の没収による一時的な収入は別として︑継続的な国庫収入は減ることになる︒また︑重い課税は密輸

を誘うという︒これについてスミスは一七七四年のケイムズ卿の﹁密輸の機会がある時には︑税を適度のものにすべきで

ある﹂という﹃人類史素描﹄における課税六原則を参照するように脚注を付している︒ここには一七〇七年の合邦後にお

けるスコットランドのイングランド重商主義政策にみられる高率関税に対する批判がこめられている︒思慮のない重い課

税は密輸貿易を勢いづけるので︑ケイムズ卿が言うように適度な課税が重要な原則であることをスミスは主張するのであ

る︒

  そして︑最後の第四のケースについてスミスは次のようにいう︒﹁徴税人が頻繁に臨検に来たり︑不愉快な検査をしたり

するから︑国民は︑租税のためにおおいに無用の手数︑迷惑︑そして圧制をこうむることがある︒迷惑は︑厳密に言えば

費用とは言えないけれども︑だれもが︑それから︑免れるためなら︑よろこんでこのくらいは出そうというその費用と︑

明らかに価値が等しい︒租税がしばしば︑主権者を利する以上に︑国民にとって︑はるかに重い負担となることがあるの       酬は︑これら四つの場合のいずれかである﹂と︒徴税人の頻繁な臨検や不愉快な検査は迷惑料ともいえるほどのもので︑そ

ために要する手数などは国民の経済活動を阻害するから徴税費節約の原則に反するものである︒租税が国庫収入額を大

きく上回って国民の負担を重くするのは上述のこれら四つのケースであるとしてスミスはその改善工夫を説くのである︒

きた租税の四大課税原則︑すなわち公平の原則︑確実の原則︑便宜の原則︑徴税における節約の原則は正義の

原則であり有用であるからどの国民も注意を払ってきたが︑しかしながら︑各国︑各国民の努力にもかかわらず︑これら

則がすべて満たされて成功した租税は存在していないというのがスミスの認識である︒この四大課税原則に一貫する

ば︑租税は資本の再生産活動を阻害してはならないという原則を前提にして︑その上で国家機能を維持

するためには↓定の国庫収入を確保しなければならないという至上命題を実現する手段であることである︒それは国富の

(20)

増進と個人の経済活動の自由によってもたらされるから︑可能な限り租税は節約を旨とし︑浪費を避け︑個人の経済的圧

ならぬように位置づけていることである︒したがって︑スミスは正義の原則に反しない限り︑租税は社会的に許容さ

るべきものであると理解するのである︒

ほ ﹄さきQS這ヘミoミoきミさ☆さ⇔○や§傷ミSoきミミミきひへoびげ喝>O③日oQ昌一日゜国合甘江︑乞一日O白日障o匹已o江o戸目09°り゜

目ぼoq日巴三⊆日∋碧ぺ窪α①コo己自゜qo日Oo×9国q≦日○①⇒8ロ日§o<○巨∋o°・°合①゜︒口日①O巨oロ子op臼oロ品切O﹄°PωO⑩゜頁数

関しては︑特に断らない限り︑キャナン版のものを表記する︒以下︑§ミミミき☆§句と略す︒大河内一男監訳﹃国富論﹄一九

  七六年︑中央公論社三巻本を使用する︒訳m二一九頁︒この場合の租税国家は市民的国家の意味あいが強い︒私的収入をもって租税

  論を組立てることの意味は﹁市民的収入によって支えられた国家というイメージであり︑国家の生産的資本を削減して不生産的労働

  者を雇う本質的に不生産的国家という国家イメージであろう﹂佐藤滋正﹁アダム・スミスの租税論について﹂﹃研究紀要﹂︵尾道短期

学︶第四四巻第二号︑一九九五年︑一四九頁︒

 ﹂宮亀゜も゜ω一〇訳m二一︑○頁︒

 第一の原則については既に論じたことがある︒拙稿﹁アダム・スミスの租税利益説について﹂﹃星薬科大学一般教育論集﹄第八輯︑

    九九一年︑参看︒

  き足Sミ≧§§㊤PωOq⊃°訳m二︐︑○〜二二一頁︒

θ ﹇巨ユ゜も゜ωOO訳m二〇五頁︒

  ⑥ 庄﹇匹スPωOO°訳m二〇⊥ハ貝︒ 斉藤悟郎桓税論上︽・は利益説か能力説かL﹃新潟大学法経論集﹄第六巻第豆一九五⊥ハ筈北条喜代治桓税利益説の衰退L

 ﹃経済論叢﹄︹京都大学︺第九六巻第四号︑一九六五年︒山崎怜﹁明治・大正期におけるスミス租税第一原則解釈の諸類型﹂﹃香川大学  経済論き第三九巻第二買元⊥ハ六年・山崎怜﹁昭和期におけるスミス租税第一原則の解釈について﹂﹃香川大学経済学部研究年報﹄

ミ   第七号︑一九六八年︒また︑財政学でいう一般的利益と個別的利益の理解の仕方については︑井藤半弥﹁財政学と利益主義﹂﹃千葉敬

済大学研究論集﹂第五号︑一九七一年︑参照︒

9  ⑧ ﹁アダム・スミスの第一の原則においての租税根拠に関する論争は︑その利益説は租税が支払わねばならぬところの倫理的な根拠1 を明らかになしたるのに対して︑能力説は租税負担における実際上の問題として把握していたものと理解する⁝︒しかもアダム・ス

(21)

ミスの公平の原則は租税の根拠と租税負担との関係との統↓的な理念による公平の原則なのである﹂西村正幸﹃アダム・スミスの財2   政論講義ー自由主義と財政ー﹄嵯峨野出版︑昭和六一年︑八四頁︒

    きミSミさ×へ§㊤℃Pω一〇1ωご゜訳m二二一頁︒この原則は市場経済における生産力の低下を防止するためにも役立つとする見

  解がある︒すなわち︑﹁個人の経済行為が成るべく徴税行為によって阻害されざる様にとの配慮にもとずくものである︒蓋し︑租税の

支払い時期︑支払い方法︑支払うべき金額が明瞭かつ簡単でなければ︑個人の経済活動は︑計画的合理的に営まれ得ず︑生産力は低

  下するからである﹂井手文雄﹃占典派の財政論﹂創造社︑昭和三五年︑二九八頁︒

  中谷武雄﹃スミス経済学の国家と財政﹄ナカニシヤ出版︑一九九六年︑一五五頁︑参照︒

O きミSミ﹀ミへ§㊤Pωmb︒°訳m↓︑九三〜二九四頁︒

 ⁝け︷Oスpω=°訳m.一二二頁︒

03  百﹇●﹂Pω=°訳m二二二頁︒

 同上︒

o励 甘9ロ器≦①﹁︑ぱ⑩鯉§§ミ∂§3ミミさミ×§亀SO㎏さ恩含舌のsミoこ⑳句゜︒㎏N°︒SC白≦日=ぺ日①戸お゜︒q⊃°大久保佳子訳﹃財

11軍事国家の衝撃 戦争・カネ・イギリス国家一Φo︒°︒1一べ゜︒ω﹄名古屋大学出版会︑二〇〇三年︑=二頁︒また︑一六九〇年〜一七

年の消費税部門の定員は別表m及び別表Wのとおりである︒同訳書一=二頁︒

§ミSミき註§㊤Pωb︒一゜訳m二九二頁︒   m 臣︷P

 ま﹇吾Oやωご−四一N訳田.一二二頁〜二二三頁︒

巨臼も゜ω一︾⊃°訳m二二三頁︒ちなみにケイムズ卿の課税六原則とは次のものをいう︒一︑﹁密輸の機会がある時には︑税を適度の

  ものにすべきである﹂二︑﹁徴収の経費がかさむような税は避けるべきである﹂三︑﹁恣意的な税は避けるべきである﹂四︑﹁できるだ

  け貧民には軽く︑富者には重く税をかけることによって﹂富の不平等を﹁ただすべきである﹂五︑﹁国民を貧乏にする傾向にある税は︑

りをこめて拒否すべきである﹂六︑﹁納税者の宣誓を要求する税は避けるべきである﹂切沁災さ8ミSo尽亀oQミ﹂§ボけ司口oコq

国o日P﹇o己民四∋霧ニベベ゜<o=°℃込ぱ゜

きミSミき嵩§㊤訳m二二三〜二二四頁︒

参照

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この標準設計基準に定めのない場合は,技術基準その他の関係法令等に

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