Generating the mapping class group of a surface by torsion
吉原 和也 (九州大学数理学府)∗
本稿では、Σg,nを種数gのn個のpunctureを持つ有向閉曲面とし, Ng,nを種数gのn 個のpunctureを持つ非有向閉曲面とする. また, idは恒等写像を表すとする.
1. 導入
有向曲面の写像類群は向きを保つ自己微分同相写像のアイソトピー類のなす群である. この群はタイヒミュラー空間の理論やLefschetz fibrationの理論, 代数幾何学で重要な 役割を持っており, 古くから研究されてきた. 有向曲面の写像類群の生成元を求める研 究はDehnから始まり, 様々な研究がなされている. 2011年に門田[19]はΣg,0の写像類 群が位数3の元3つ, または位数4の元4つで生成できることを示した. 全種数上に存 在する有限位数の元は2, 3, 4と6のみである. 本稿では位数6の写像類群の生成系が 得られたことについて報告する. また,非有向曲面についての写像類群の生成系の研究 もなされている. Sezpietowski [21]は非有向曲面の写像類群のinvolutionによる生成系 を発見した. この生成系の個数は種数とpunctureの個数に依存する. 種数やpuncture の個数に依存しないようなinvolutionの生成系は存在するかという問題が考えられる. この問題に対して, Sezpietowski [22]はNg,0の写像類群について肯定的な回答を与え た. 彼は4つのinvolutionからなる生成系を発見した. puncture付きの曲面Ng,nにつ いて, 肯定的な回答を与えることができたので報告する.
2. 準備
2.1. 有向曲面の写像類群
Mod(Σg,n)をΣg,n上の向きとpunctureの集合を保つ自己微分同相写像のアイソトピー 類のなす群で, Σg,nの写像類群と呼ぶ. Σg,n上の単純閉曲線aについて, Σg,nをaで切 り,切り口の一方を動かさずに別の切り口を360◦ひねって再度はり合わせることによっ て得られる微分同相写像のアイソトピー類をaに沿ったDehn twistと呼び, taで表す. 写像類群Mod(Σg,n)のDehn twistに関する関係式を紹介する.
Lemma 2.1. aをΣg,n上の単純閉曲線とする. 任意のMod(Σg,n)の元fについて, 次が 成り立つ.
f taf−1 =tf(a).
Lemma 2.2 (ブレイド関係式). a, bをΣg,n上の単純閉曲線とする.
(1) aとbが交わらない時, 次が成り立つ.
tatb =tbta. (2) aとbが1点で横断的に交わる時, 次が成り立つ.
tatbta =tbtatb.
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Σg,n上の単純閉曲線の順序付けられた集合c1, c2, . . . , cnがn-チェインであるとは, ci とci+1が1点で横断的に交わり(i= 1,2, . . . , n−1), |i−j |≥2の時ciとcjが交わらな いことである. n-チェインの和集合c1∪c2∪. . . cnの正則近傍の境界成分をnが奇数の 場合d1, d2とし, nが偶数の場合dとする.
Lemma 2.3 (チェイン関係式). c1, c2, . . . , cnをΣg,n上のn-チェインとする. (1) nが奇数の時, 次が成り立つ.
(tc1tc2. . . tcn)n+1 =td1td2. (2) nが偶数の時, 次が成り立つ.
(tc1tc2. . . tcn)2n+2 =td.
次の関係式はランターン関係式と呼ばれ, Dehn [3]により発見され, Johnson [7]が再 発見したものである.
Lemma 2.4 (ランターン関係式). x1, x2を図 1に描かれている単純閉曲線とする. 次 が成り立つ.
ta1tc1tc2ta3 =tx1tx2ta2.
a1 a2 a3
c1 c2 x1
x2
図 1: ランターン関係式 2.2. 非有向曲面の写像類群
Ng,nを図 2 のように種数がg = 2r+ 1のときは種数rの有向曲面と1つの射影平面の 連結和で表し, 図 3のように種数がg = 2r+ 2のときは種数rの有向曲面と2つの射影 平面の連結和で表す.
図 2: g = 2r+ 1についての曲面Ng,nとその上の単純閉曲線
図 3: g = 2r+ 2についての曲面Ng,nとその上の単純閉曲線
Mod(Ng,n)をNg,n上のpunctureの集合を保つ自己微分同相写像のアイソトピー類の なす群で, Ng,nの写像類群と呼ぶ. cをNg,n上の単純閉曲線とする. cの正則近傍がア ニュラスのときcを両側単純閉曲線,cの正則近傍がメビウスの帯のときcを片側単純閉 曲線と呼ぶ.
cが両側単純閉曲線のとき, cに沿ったDehn twistを定義できる. 次の性質を持つ. Lemma 2.5. fを曲面Ng,nの任意の微分同相写像, cをNg,n上の両側単純閉曲線とす る. この時, 次が成り立つ.
tϵf(c) =f tcf−1.
ここでNcをcの正則近傍とするとき, 制限f |Ncが向きを保つ(resp. 向きを逆にする) ならば, ϵ= 1(resp. ϵ=−1)である.
Mod(Ng,n)はDehn twistだけでは生成できないことが知られている. Mod(Ng,n)を 生成するためにはDehn twistとは別の写像が必要である. Y-homeomorphismは次のよ うに定義される写像である. 1点で横断的に交わる片側単純閉曲線mと両側単純閉曲線 aについて,m∪aの正則近傍Kは1つ穴あきクラインの壷に同相である. Mをmの正 則近傍とする. Y-homeomorphism Ym,aはKの境界を固定したままaに沿ってMを1 周回すことによって得られる微分同相写像のアイソトピー類である(図 4).
Y m,a
→
a m
∂K
図 4: Y-homeomorphism
xをNg,n上のpucture, αをxを基点とする片側単純閉曲線とする. Mをαの正則近 傍とすると, Mは1つのpunctureを持つメビウスの帯に同相である. Mの境界を固定
して, xをαに1周回すことで得られる微分同相写像のアイソトピー類をpuncture slide と呼ぶ(図 5).
→ v
α
図 5: puncture slide Y-homeomorphismとpuncture slideは次の性質を持つ.
Lemma 2.6. 1点で横断的に交わるNg,n上の片側単純閉曲線mと両側単純閉曲線aに ついて, 次が成り立つ.
(1) Ym−1,a =Ym,a. (2) Ym,a−1 =Ym,a−1.
(3) Ng,n上の任意の微分同相写像fについて, f Ym,af−1 =Yf(m),f(a). ここで, 単純閉曲線cについてc−1はcの向きを逆にしたものである.
Lemma 2.7. vを片側単純閉曲線αに沿ったxのpuncture slideとする. Ng,nの任意の 微分同相写像fについて, f vf−1はf(α)に沿ったf(x)のpuncture slideである.
3. 写像類群の生成系
3.1. 有向曲面の写像類群の生成系
有向曲面の写像類群の最初の生成系はDehnにより与えられた.
Theorem 3.1. [3] Mod(Σg,0) は有限個に多くのDehn twistにより生成される.
LickorishはMod(Σg,0)の有限生成系を与えた.
Theorem 3.2. [12] Mod(Σg,0)は3g−1個のDehn twist
ta1, ta2, . . . , tag, tb1, tb2, . . . , tbg, tc1, tc2, . . . , tcg−1 により生成される.
Humphriesはこの結果を改善し、さらにDehn twistによる最小の生成系を与えた.
Theorem 3.3. [6] Mod(Σg,0)は2g+ 1個のDehn twist ta1, ta2, tb1, tb2, . . . , tbg, tc1, tc2, . . . , tcg−1
により生成される. これはMod(Σg,0)を生成するDehn twistの最小の個数である.
図 6: Lickorish generator
puncture付きの曲面についてもDehn twistにより生成されることが知られている.
Dehn twist以外の元を考えるとHumphriesの生成元の個数より少ない個数の生成系を
構成することができる. 次のような問題を考えることができる.
Problem 3.1. Mod(Σg,n)は有限位数の元で生成できるか? Problem 3.2. Mod(Σg,n)の最小の生成系を決定せよ.
問題 3.1に対して, 1971年にMaclachlan [16]がpunctureを持たない場合に, その後 Patterson [20]がpuncutreを持つ場合に有限位数の元により生成できることを示した.
involutionによる写像類群の生成については最初にMcCarthyとPapadopoulosにより 考えられ, ある特定のinvolutionの無限個の共役類により生成されることが示された. Theorem 3.4. [15] Mod(Σg,0)は無限個のinvolutionにより生成される.
Luoはpunctureの個数が0個、または1の時に有限個のinvolutionで生成されること を示した.
Theorem 3.5. [14] nを0または1とする. Mod(Σg,n)は有限個のinvolutionで生成さ れる.
Luoは同論文のなかで, 次の問題を出している.
Problem 3.3. Mod(Σg,n)について, 種数gと点の個数nに依存しない有限位数のみか らなる生成元の個数の普遍的な上界は存在するか?
BrendleとFarbはこの問題について, 肯定的な解答を与えた. Theorem 3.6. [1]
(1) g ≥1について, Mod(Σg,0)は3個の有限位数の元により生成される.
(2) g ≥3かつn = 0, またはg ≥4かつ n ≤1について, Mod(Σg,n)は6個のinvolution により生成される.
BrendleとFarbはこの系として次を得た.
Cor 3.1. [1] g ≥3かつn = 0, またはg ≥4かつ n≤ 1について, Mod(Σg,n)は6個の 生成元を持つコクセター群の商として実現できる.
任意の個数のpunctreを持つ曲面についてはKassabovがこの問題に肯定的な解答を 与えた.
Theorem 3.7. [8]
(1) g ≥8について, Mod(Σg,n)は4個のinvolutionにより生成される.
(2) g ≥6について, Mod(Σg,n)は5個のinvolutionにより生成される. (3) g ≥4について, Mod(Σg,n)は6個のinvolutionにより生成される.
門田はこの結果を改善し, 次の生成系を得た. Theorem 3.8. [17]
(1) g ≥7について, Mod(Σg,n)は4個のinvolutionにより生成される.
(2) g ≥5について, Mod(Σg,n)は5個のinvolutionにより生成される.
有限位数の生成元については次の結果が知られている.
Theorem 3.9. [1]g ≥3のとき, Mod(Σg,0)は位数2g+ 2, 4g+ 2, 2により生成される. Korkmazは次の有限位数の生成系を与えた. また, Korkmazの結果は問題3.2に対し て解答を与えている. Korkmazの生成系は最小の生成系である.
Theorem 3.10. [10] Mod(Σg,0)は位数4g+ 2の元2つにより生成される. 門田は位数3の元のみ, または位数4の元のみからなる生成系を求めた.
Theorem 3.11. [19]
(1) g ≥3について, M(Σg,0)は3個の位数3の元により生成される.
(2) g ≥3について, M(Σg,0)は4個の位数4の元により生成される.
Duは次の生成系を得た.
Theorem 3.12. [4]
(1) g ≥3について, Mod(Σg,0)は3個のinvolutionと1個の位数3の元により生成され る.
(2) Mod(Σ3,0)は4個のinvolutionと1個の位数3の元により生成される.
次は主結果の1つである.
Main Theorem 3.1. Mod(Σg,0)はg ≥7のとき位数6の元3つ, g = 5,6のとき位数6 の元4つで生成される.
Lanierは最近次の生成系を得た.
Theorem 3.13. k ≥5とg ≥(k−1)(k−3)について, Mod(Σg,0)は位数kの元4つで 生成される. kが3の倍数である時, Mod(Σg,0)を生成する位数kの元の個数は3つで十 分である.
3.2. 非有向曲面の写像類群の生成系
非有向曲面Ng,nの写像類群の生成系は最初Lickorishにより発見された.
Theorem 3.14. [11]
(1) Mod(Ng,0)はDehn twistとY-homeomorphismにより生成される.
(2) Mod(Ng,0)はDehn twistのみでは生成できない.
有限生成系はpunctureなしの場合にChilingworth, punctureありの場合にKorkmaz により与えられた. Humphriesの結果の非有向曲面版は廣瀬とSzepietowskiにより与 えられた.
Theorem 3.15. [5, 23] M(Ng,0)はg個のDehn twistと1つのY-homeomorphismによ り生成される. さらに、この生成系はDehn twistとY-homeomorphismからなる最小の 生成系である.
非有向曲面版の問題 3.1に対しては, Szepietowskiが次を証明した.
Theorem 3.16. [21] g ≥1について, M(Ng,n)はinvolutionにより生成される.
この生成元の個数は種数gと点の個数nに依存する. 非有向曲面版のLuoの問題 3.3 が考えられるが, punctureを持たない曲面Ng,0の場合にSzepietowskiは肯定的な解答 を与えた.
Theorem 3.17. [22] g ≥4について, M(Ng,0)は4つのinvolutionにより生成される. 次は2つめの主結果である. punctureを持つ曲面Ng,nについて, 非有向曲面版のLuo の問題に肯定的な解答を与えることができた.
Main Theorem 3.2. (1) g ≥13かつgが奇数のとき, M(Ng,n)は8個のinvolutionに より生成される.
(2) g ≥14かつgが偶数のとき, M(Ng,n)は11個のinvolutionにより生成される.
4. 主結果の証明
4.1. Main Theorem 3.1の証明 種数g = 5mのときのみを示す(m≥2).
4.1.1. 位数6の元fの構成
図 7のように曲面Σg,0 を曲線a3, c1, c2, ϵ1, c4, c5, a5i−3, c5i−3, c5i−2, c5i−1, c5i, a5i+1 (i = 2,3, . . . ,g−55)とδg−4に沿って切る. このとき, g5個の曲面S1, S2, . . . , Sg−5
5 , S1′を得る. S1 は6(g−5)
5 + 13個の境界成分を持つ球面, Sjは6個の境界成分a5j−3, c5j−3, c5j−2, c5j−1, c5j, a5j+1をもつ球面, S1′は1つの境界成分δg−4をもつ種数4の曲面である.
図 7: 曲面を切る曲線I f1′, f2, . . . , fg−5
5
を図 8のようなπ
3回転とする. ただし, f1′は境界成分δg−4を固定する と仮定する. この写像たちは次のように境界成分に作用する.
(f1′)5(c5) = (f1′)4(c1) = (f1′)3(c4) = (f1′)2(c2) = f1′(ϵ1) = a3
fj5(a5j−3) =fj4(c5j−3) = fj3(c5j−2) = fj2(c5j−1) =fj(c5j) =a5j+1 (j = 2,3, . . . ,g−5 5 ).
図 8: π3回転f1′, f2, . . . , fg−5 5
図 8において, δg−4は球面の後側にあり, (f1′)6 =tδg−4であることに注意する. tδg−4を キャンセルするために, f1′′を次のように定める.
f1′′ = (tag−3tbg−3tcg−3tbg−2ta′
g−2)−1(tag−1tbg−1tcg−1tbgtag).
チェイン関係式より(f1′′)6 =tδ−1 g−4
である.微分同相写像f1′, f1′′, f2, . . . , fg−5 5
は境界上一 致するので, この写像たちは位数6の微分同相写像f : Σg →Σgを定める.
4.1.2. 位数6の元hの構成
f : Σg →Σgと同様の方法で位数6の元h: Σg →Σgを構成する. 図9のように曲面Σgを 曲線a1, a2, c2, c3, ϵ2, ϵ3, a5i−5, c5i−5, c5i−4, c5i−3, c5i−2, a5i−1 (i= 2,3, . . . ,g5)に沿って切り,
g+5
5 個の曲面T1, T2, . . . , Tg+5
5
を得る. Tg+5
5
は6g
5 個の境界成分を持つ球面,T1は6個の境 界成分a1, a2, c2, c3, ϵ2, ϵ3をもつ球面,Tjは6個の境界成分a5j−5, c5j−5, c5j−4, c5j−3, c5j−2, a5j−1をもつ球面である(j = 2,3, . . . ,g5).
図 9: 曲面を切る曲線II h1, h2, . . . , hg+5
5
を図 10と図 11のようなπ
3回転とする. この写像たちは次のように境 界成分に作用する.
h51(a1) = h41(ϵ2) = h31(ϵ3) =h21(c3) =h1(c2) = a2
h5j(a5j−5) = h4j(c5j−5) =h3j(c5j−4) =h2j(c5j−3) =hj(c5j−2) =a5j−1 (j = 2,3, . . . ,g−5 5 ).
図 10: π3 回転h1, h2, . . . , hg
5
図 11: π3回転hg+5
5
微分同相写像h1, h2, . . . , hg+5
5
は境界上一致するので,この写像たちは位数6の微分同 相写像h: Σg →Σgを定める.
4.1.3. 位数6の元によるDehn twistの生成
ランターン関係式を使って, Dehn twistを位数6の元の積として表示する. ランターン 関係式より
ta1tc1tc2ta3 =tx1tx2ta2 が成り立つ. これを書き換えて,
ta1 = (tx1t−1c1 )(tx2t−1a3)(ta2t−1c2 ) を得る. fとhの構成法より,
f4(a2) =x1, f2(a2) =x2, f4(c2) = c1, f2(c2) = a3,
h(c2) = a2. が成り立つ. kを積tc2h−1t−c1
2 とする. kは位数6の元である. 次が成り立つ.
ta2t−c21 =th(c2)t−c21 =htc2h−1t−c21 =hk.
tx1t−c1
1 =tf4(a2)t−f41(c2)=f4ta2t−c1
2 f−4 =f4hkf−4.
tx2t−a1
3 =tf2(a2)t−f21(c2)=f2ta2t−c1
2 f−2 =f2hkf−2. 上の式より,
ta1 = (f4hkf−4)(f2hkf−2)(hk) が成り立つ.
4.1.4. 位数6の元による写像類群の生成
Gをf, h, kから生成されるMod(Σg,0)の部分群とする. 今ta1は位数6の元f, h, kの積 であるので,ta1 ∈Gである. a1にf, h, kを作用させて, Humphriesの生成系の曲線に移 すことができるならば, Lemma 2.1よりG= Mod(Σg,0)を示すことができる. Σg,0上の 曲線a, bについて, a→f bはf(a) = bを表わすとする. 図 12より, a1をHumphriesの生 成元のすべての曲線に写すことができる. よって, G= Mod(Σg,0)が示せた.
図 12: f, h, kのHumphriesの生成元への作用
4.2. Main Theorem 3.2の証明
以下g = 2r+ 1, r= 2k, n= 2l+ 1を仮定する. PMod(Ng,n)をpunctureをpointwiseに 止めるような写像類からなるMod(Ng,n)の部分群,Symnをn次対称群とする. Korkmaz はPMod(Ng,n)の有限生成系を発見した.
Theorem 4.1. [9] PMod(Ng,n)は以下の元により生成される.
(1) l∈Sについて, tl. (2) 1≤j ≤nについて, vj. (3) y.
ただし, S = {a1, a2,· · ·, ar, b1, b2, c1, c2,· · · , cr−1, d1, d2, e1, e2,· · · , en−1}, vjは図13の曲線αjに沿ったpuncture slide,
yは図 14の曲線ξを境界成分とするクラインの壷の上のY-homeomorphismである.
次は完全系列になる.
1→PMod(Ng,b)→Mod(Ng,b)→π Symn→1.
準同型写像πはMod(Ng,b)の元のpunctureへの作用により与えられる.
Main Theorem 3.2を証明するために次の補題を使う.
図 13: 曲線αj
図 14: 曲線ξ
Lemma 4.1. HとQを群とし、NとKをHの部分群とする. Hが次の完全系列を持 つと仮定する.
1→N →i H →π Q→1.
i(N)⊂Kかつπ |K:K →Qが全射であるならば, K =Hが成り立つ.
上の完全系列と補題 4.1より, involutionの集合GでPMod(Ng,b)を含み, πのGへの 制限がSymnに全射的に写るようなものを構成すればよい.
4.2.1. involutionによるDehn twistの生成
図15と図16のような2つのNg,nのモデルを考える. 2つの図の点線に沿って手前から奥 に向かうように鏡をおいているとする. この鏡による鏡映は曲面Ng,b上のinvolutionσ とτを与える.
τ(a1) =a−11であることに注意する. Rを積τ σとすると, Rは曲面Ng,n上の曲線に次 のように作用する.
(1)R(a1) =a2, R(a2) = a3, . . . , R(ak) = ak+1, R(ak+1) = ak+2, . . . , R(ar−1) =ar. (2)R(b1) =b2, R(b2) =b3, . . . , R(bk) = bk+1, R(bk+1) =bk+2, . . . , R(br−1) =br. (3)R(c1) = c2, R(c2) = c3, . . . , R(ck) = ck+1, R(ck+1) =ck+2, . . . , R(cr−2) = cr−1.
mirror
図 15: 鏡映σ :Ng,n→Ng,n
mirror
図 16: 鏡映τ :Ng,n→Ng,n