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Academic year: 2021

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Instructions for use

Title 遷延性意識障害患者の生活行動の獲得に向けた看護技術の開発 : 自立姿勢獲得への端座位援助の効果 [全文

の要約]

Author(s) 宮田, 久美子

Citation 北海道大学. 博士(看護学) 甲第12450号

Issue Date 2016-09-26

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/63370

Type theses (doctoral - abstract of entire text)

Note この博士論文全文の閲覧方法については、以下のサイトをご参照ください。

Note(URL) https://www.lib.hokudai.ac.jp/dissertations/copy-guides/

File Information Kumiko̲Miyata̲summary.pdf

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

(2)

学位論文の要約

博士の専攻分野の名称:博士(看護学) 氏名:宮田 久美子

学位論文題名

遷延性意識障害患者の生活行動の獲得に向けた看護技術の開発

-自立姿勢獲得への端座位援助の効果-

[緒言]

意識障害が長期化した遷延性意識障害の治療法は未だ確立しておらず、患者の増加率は 世界で毎年人口 10 万人対 0.5–2 人であると報告されている。また、遷延性意識障害患者の 多くは長期の臥床状態にあるため、強度の廃用症候群がみられることが少なくない。その ため、近年では身体の拘縮予防や残存する運動機能の維持、向上に着目したリハビリテー ションの必要性が提唱されているが、有効な方法は未開発である。

一方、日本の臨床の看護において、遷延性意識障害患者を他動的に端座位にする援助が 実践されており、意思表示や動作が発現したことが複数報告されている。しかし、その看 護の内容や身体への効果は明らかになっていない。

そのことから、本研究は、遷延性意識障害患者の生活行動を回復する看護技術として、

端座位の援助を構築するための根拠を明らかにすることを目的とした。

[研究Ⅰ]

研究Ⅰは、遷延性意識障害患者への端座位の援助の内容を明らかにすることを目的とし た。研究方法は、日常的に端座位の援助を実践する看護師5名を対象として、援助の内容 に関するインタビューを行い、その内容を質的に分析した。その結果、端座位の援助の目 的は、患者が生活するための身体をつくり、自力で生活することにむけたアセスメントで あった。また、廃用的な身体の安全を確保する方法、および自力で座位がとれるための柔 軟性やバランスの獲得への方法が確認された。

これらのことから、看護師らは遷延性意識障害患者への端座位の援助が、患者の生活行 動の自立と関連していると認識しており、彼らが持つ身体の安全を守る技術を意図的に展 開していることが明らかとなった。

[研究Ⅱ]

研究Ⅱは、遷延性意識障害患者への端座位の援助の生理的根拠を提供するため、覚醒と

(3)

端座位の姿勢との関係について検証することを目的とした。遷延性意識障害は、覚醒と意 識の内容の障害であり、その機構には脳幹が関与していることが知られている。また脳幹 には覚醒、および姿勢を制御する機能があることから、遷延性意識障害患者が抗重力姿勢 である端座位になることは、脳幹を刺激し、覚醒と姿勢の獲得に有効であると仮定した。

研究Ⅱの構成は、覚醒と端座位姿勢の関連を明らかにする研究Ⅱa、および遷延性意識障害 患者への端座位の援助の効果を覚醒と姿勢から検証する研究Ⅱbとした。

研究Ⅱa は、健康な人において覚醒が低下したときの端座位姿勢を検討した。その結果、

覚醒が低下すると、姿勢は特徴的に頭頸部が下垂し、頭頂の動揺が大きくなることが明ら かとなった。

研究Ⅱb は、遷延性意識障害患者2名に端座位の援助を継続し、姿勢を検討した。その結 果、約2週間の同援助の継続により、覚醒の改善と頭頚部の挙上、および上肢の動作の出 現が確認された。さらに、端座位の援助の過程において、看護師の観察と対応といった生 命や安全を守る看護の機能が有効であることが示された。

[総括]

本研究は、臨床において実践されている遷延性意識障害患者への端座位の援助の根拠を

提供するため、質的に援助の内容を、さらに定量的にその効果を示した。研究Ⅰおよび研

究Ⅱの結果から、遷延性意識障害患者への端座位の援助が、生活行動の回復の看護として

有効であることが明らかとなった。また、この援助には看護の独自の機能として、生命を

守るための臨床的な判断が必要であり、24 時間モニタリングを行う看護師が遷延性意識障

害患者への端座位の援助を提供する意義があることが確認された。

参照

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