茨城大学教育学部紀要(教育科学)35号(1986)49−64 49
小 学 生 の 家 庭 科 観 一小学6年生に対する調査を通して一
岩 崎 恭 枝*
(1985年9月28日受理)
School Childrens Cognition of Home Economics Education
Yasue IWASAKI*
(Received September 28,1985)
は じ め に
家庭科は,学習指導要領によれば,家庭生活に基盤をおいた日常生活に必要な衣食住などに関す る基礎的な知識や技能を実践的・体験的な活動を通して身につけ,家庭生活を充実向上させようと する実践的な態度を育てる教科である。特に,小学校の家庭科においては児童に家族の一員として の自覚を持たせ,家庭と協力して家庭生活をよりよくしようとする意欲を高めさせ,家庭科学習の 中で得た基礎的な知識や技能を家庭生活の中に生かすとともに,家庭生活の理解を一層深めさせよ
うとしている。
それでは,実際子どもたちにこのようなねらいどおりに家庭科が生きているのだろうか。子ども たちはどのように家庭科を受けとめているのだろうか。
このような問題意識から,家庭科をすでに一年間履習している小学校6年生を対象に,アンケー ト調査を行なってみた。
調査の方法および対象
調査用紙は,1984年9月上旬,各学校に配布依頼した。学校を経由したため回収はスムーズに行 われ,高い回収率になった。調査用紙への記入の仕方等は各学校におまかせしたが,特に家庭科担 当の先生方の御世話になった。調査期間は1〜2週間とって無理のないように配慮した。
調査の内容は,小学生たちが「家庭科」に対してどんな見方をしているのか,また家庭科学習 の中で習得されたことが家庭生活においてどのくらい実践されているのか知るために,次のよう な項目についての調査を行った。1回答者の属性,H家庭科に対する関心度,皿学習内容に対す
*茨城大学教育学部家庭科教育研究室
表1 調査対象数および回答数 る興味度,IV学習内容に対する価値意識,
回 収 数 V学習内容の家庭での実践度についてで 対 象 者 配布数
男 女 計 回収率
ある。
取手市立小文間小β年生 73人 40人 32人 72人 98.6%
調査対象者数および回答数は表1のと 石岡市立東小6年生 199 94 97 191 96.0
水戸市立三の丸小6年生 153 78 72 150 98.0 おりである。
計 425 212 201 413 97.5
結 果 お よ び 考 察
1.家庭科に対する関心度
小学校6年で学習している8教科が好きな順にみた場合,どのような順になるのか,また,子ど もたちは8教科の中の家庭科にどのくらい関心をもっているのかを知るために,8教科に対し好き
表2 8教科の好きな順
男子(212名) {舗歎数
、 1、 1 2 3 4 5 6 7 8 無答,無効
国 語 0 (0) 6ユ(13) 6.1(13) 9.0(19) 19.3(41) 21.7(46) 23ユ(49) 14.6(31) 0 (0)
算 数 8.5(18) 10.8(23) 12.3(26) 11.8(25) 7.5(16) 11.3(24) 14.2(30) 23.6(50) 0 (0)
理 科 10.4(22) 21.7(46) 24.1(51) 17.5(37) 12.3(26) 6.6(14) 6.1(13) 0,9(2) 0.4(1)
社 会 10.4(22) 16.0(34) 17.9(38) 18.9(40) 14.6(31) 1L8(25) 5.2(11) 4,7(10) 0.4(1)
音 楽 3.7(8) 5.2(11) 3.3(7) 5.6(12) 9.9(21) 18.9(40) 19B(42) 33.0(82) 0.4(1)
図画工作 20.8(44) 20.8(44) 12.7(27) 17.5(37) 8.9(19) 6.6(14) 5.6(12) 6.6(14) 0.4(1)
家 庭 1.4(3) 4.2(9) 12.7(26) 11.3(24) 19.8(42) 17.0(36) 19.8(42) 13.7(29> 0.4(1)
体 育 44.3(94) 16.0(34) 9.9(21) 8.5(18) 6.6(14) 5.6(12) 6.6(14) 2,4(5) 0 (0)
女子(2・1名) {慈離為
こ 1、 1 2 3 4 5 6 7 8 無答,無効
国 語 9.5(19) lL9(24) 10.9(22) 10.0(20) 14.4(29) 19.9(40) 18.4(37) 4.0(8 1.0(2 算・ 数 4.5(9) 5の(10) 6.5(13) 10.0(20) 13.4(27) 13.4(27) 20.9(42) 25.9(52) 0.5(1)
理 科 4.0(8) 10.4(21) 11.4(23) 159(32) 20.9(42) 15。9(32) 11.4(23) 9.5(19 0.5(1 社 会 6.0(12) 4.0(8) 10.4(21) 10.4(21) 14.9(30) 15.9(31) 17.4(35) 20.4(41) 1.0(2)
音 楽 23.8(48) 19.9(40) 14,4(29) 10.9(22) 10.0(20) 7.5(15) 5.5(11) 7.0(14) 1.0(2)
図画工作 14.9(30) 13.9(28) 10,4(21) 11.4(23) 9.0(18) 10.9(22) 12.9(26) 15.9(32) 0.5(1)
家 庭 18.4(37) 203(41) 21.9(44) 17.9(36) 9.5(19) 7,0(14) 3.5(7) 1.0(2) 0。5(1)
体 育 20.4(41) 13.4(27) 14.4(29) 11.9(24) 6.5(13) 8.5(17) 7.5(15) 16。4(33) 1.0(2)
全体(413名) {編欲数
こ 1、 1 2 3 4 5 6 7 8 無答,無効
国 語 9.5(19) 9.0(37) 8.5(35) 9.4(39) 16.9(70) 20.8(86 20.8(86) 9.4(39) 0.5(2)
算 数 6.5(27) 8.0(33) 9.4(39) 10.9(45) 10.4(43) 12.4(51) 17.4(72) 24.7(102 0.2(1)
理 科 7。3(30) 16.2(67) 17.9(74) 16.7(69) 16.5(68) 11,1(46) 8.7(36) 5.1(2ユ) 0.5(2)
社 会 8.2(34) 10.2(42) 14.3(59) 14β(61) 14.8(61) 13.5(56) 11.1(46) 123(51) 0.7(3)
音 楽 13.5(56) 12.3(51) 8.7(36) 8.2(34) 10.0(41) 13.3(55) 12。8(53) 20.3(84) 0.7(3)
図画工作 179(74) 17.4(72) 11.6(48) 14.5(60) 9.0(37) 8.7(36) 9.2(38) 11.1(46) 0.5(2)
家 庭 10.0(40) 12.1(50) 16.9(70) 14.5(60) 14.8(61) 12.1(50) 11.9(49) 7.5(31) 0.5(2)
体 育 32.7(135) 14.8(61) 12.1(50) 10.2(42) 6.5(27) 7.0(29) 7.0(29) 9.2(38) 0.5(2)
−
岩崎:小学生の家庭科観 51
な順に番号をつけてもらった。表2は各教科ごとに,それぞれの順位を選んだものの割合をあらわ したものである。
また,1番とした教科に8点,2番とした教科に7点というように順に1点ずつ下げて点を与え,
各教科の平均点を示したものが,図1である。
家庭科は,平均46点で,4番目に好きな教科となっているが,男女差が音楽とならんで大きく,
男子では,3.5点で6位,女子では5.8点で1位と関心にかなりの差があることがわかる。
緊 2.家庭科の授業は楽
@しいか
8 :=:婁孝 家庭科の授業そのもの 7
フ育 6
一一一一全体
5
に思っているか,感じて
「るかを知るために,楽
__@ .∠4 1
@ 3
@
@ 、 2
@ /11 1家庭 1 0
\ 、
@ \
@ \
@ \\ \\\ \
しい,楽しくない,普通
@ の三段階に分けて理由と
@ ともに聞いてみた。図2,
8 76、5、4 32 1
@ \1 1
@ 2
1 2 3 4 / 5 6 7
@ // !/ 8 これらを見ると,家庭
@ 科の授業を楽しいと思っ
@ ている児童の割合は,男
『ヤー4
@\ ・5
子34.9%,女子697%で
6
}画工作
しいとは思っていず,6
@ 割強の男子は家庭科の授
7 社会
8 業に対しおもしろさを感
纂 じていないことがわかる。
氓ノ,楽しいと感じて 図1・男女別各教科の平均点 いる理由,ふつうと感じ
ている理由,楽しくない
(%) と感じている理由につい 男子 34.9 43.9 20.3 0.8 て考えてみる。まず,楽 女子 69.7 28.4 α5 しいと感じている理由に は実に多くの理由があげ 全体 51β 36.3 :::11.1: 0.7
られているが,第1は,
圏…一楽しいと思う圏…・一楽しいと思わない 「鑓実習力・楽しい,お
閉・一…ふつう ロ………鰭・鰍 もしろい悌2は腱っ
たりするのが楽しい」で図2.家庭科の授業は楽しいか
あり,以下調理実習や被
表3各理由
家庭科の授業が楽しい理由 家庭科の授業がふつうであると思う理由
(全体数214) 〔全体数150)
調理実習があるから楽しい 47.2GO1) 調理をするのは好きだが,縫いものが%人
製 縫いものがあるから楽しい 24.3(52) 好きではない 18.7(28)
作 いろいろ作るからよい 14・5(31) 楽しいときもある魁つまらないとき
● 調理が食べられるから 6・1(13) もあるから 17.3(26,
実習に関 手作りのものを作るから ゥ分の好きなようにできるから ソ理をおぼえる,調理のしかたが 墲ゥる
3.7(8) 楽しいとも,楽しくないとも言えない2.8(6) 調理などの実習は楽しいが,話だけの
@ 授業はつまらない2.3(5)
11,3(17)
W.0(12)
するもの
縫い方を学べる ュふうして作るから
?Hができるから
1.9(4) 調理は好きだがその他は好きではな ソ9(2) い
O.9(2) 調理や縫ったりするのがうまくできな
7.3(11)
作ったものをあとで使えるから 0.5(1) いから 6.7(10)
実習がうまくできるから 0.5(1) 縫ったりするのがめんどうだから,時
せんたくが楽しい 05(1) 間がかかるから 6.0(9)
関家 家で役立てられるから
「ろいろなことが身につくから
す庭 家庭のことがよくわかるようになる 23(5) 作ったりするのが面倒だから 19.6(9)
る生 大人になって役立つ,これから先役 調理したり縫ったりするのがうまくで も活 に立つ
カ活に必要なものを作ることができる
L4(3) きないから
ソ9(2) 作ったりするのが苦手だから
19.6(9)
P09(5)
のに 家事ができるようになる 0.9(2) ぬったりするのがきらいだから 8.7(4)
針の使い方や縫い方がむずかしいから 6.5(3)
教師に
ヨする烽フ 先生がおもしろい,教え方がよい
調理したり縫ったりするのはむずかし1.9(4) くて男にはむいていないから
6.5(3)
裁縫で指をさすから 2.2(1)
いろいろなことができるから 3.3(7) 先生がこわいから 4.4(2)
そ おもしろいから,楽しいから 3.3(7) 先生の説明の意味がわからないから
P.9(4)
2.2(1)
家庭科が好き
家でやらないことをやる 1.4(3) やっていることがおもしろくないから 21.7(10)
の 気楽にできる勉強だから
ヌんどんわからないことを学習できる
1.4(3) 嫌いだから
O.9(2) いろいろなことをやらないから
6.5(3)
Q.2(1)
簡単にできるから α9(2) あまり必要としていないし,できない 2.2(1)
他 自分たちで活動することが多いから 緕閧ノなれるから
0.5(1) やることがおそいから ソ5(1) 上手な人とくらべられるから
2.2(1)
Q.2(1)
興味があるから 0.5(1) 忘れものをするから 2.2(1)
なんとなく好き α5(1) みんなが変なことを言うから 22(1)
服製作分野に関する理由が多いことがわかる。このことから,児童は,調理をする楽しみ,物をつ くる楽しみ,完成する喜びを感じているように思われる。
また,「家で役立てられるから」「家庭のことがよくわかるようになるから」「いろいろなこと が身につくから」というように,家庭科で実習したことを家庭において生かそうという気持ちがあ ることもうかがえる。さらに,「みんなでできるから」「自分たちで活動することが多いから」と いう理由もあり,これらからは家庭科の教科性が感じられる。いずれにしても,全般的にみて,児 童は調理実習・製作といった部分に魅力を感じているようである。
ふつうと感じている理由についてみると,これに答えたのは,家庭科の授業の中で楽しいと感じ
岩崎:小学生の家庭科観 53
る部分もあるのだが,そうでないと感じる部分もある児童であろう。一番多いのは,「調理をする のは好きだが,縫い物が好きではない」(1a7%)であり,これは調理に対する興味はあるが,被服 製作分野に対する関心の低さを物語るものといえよう。また,ふつうの理由の4位には「調理実習 は楽しいが話だけの授業はつまらないから」(8.0%)とある。これは,いわゆる家庭科のうちの理 論面に対する児童の関心の低さを示しているといえよう。つまり,児童は話を聞くだけといった受 身的な授業にはおもしろさを感じていないと言えよう。 「楽しいけど女子が中心になってしまうか ら」と答えていた男子児童がいたが,このことは現在の家庭科の教材の問題を指摘しているように 思われる。
楽しくない理由についてみてみると,「作ったりすることが面倒だから」(1a1%),「作るのが苦 手だから」(10.6%),「調理したり縫ったりするのがうまくできないから」,「縫ったりするのが好 きではないから」(8.5%)というように,被服製作・調理実習など実際手を動かす授業が楽しくない と指摘している。だが,その楽しくないわけとして「作ることが下手だから」「うまくできないか
● ● ● ● ● ●
ら」というのがあることは問題である。家庭科の授業では,ものをうまくつくる,上手につくると
● ● ● ●
いうよりも,上手につくろうということの方が目的なのだが,子どもたちはものがうまくつくれな いと家庭科の授業は楽しくないと感じるのである。なかに「上手な人とくらべられるから」と答え ている児童もいることから,製作そのものに価値をおく現状もあるのであろう。また,男子には,
「調理したりぬったりするのはむずかしくて男にはむいていない」(7.0%),「あまり必要として いないし,できない」(23%)といった役割分業意識を感じさせる理由もみられた。
以上,家庭科の授業について,楽しい,ふつう,楽しくないのそれぞれの理由について考察した が,児童は調理実習や製作教材に非常に高い関心を示しており,楽しい,楽しくない理由もほぼ
この面からでているようである。それゆえに,なんの目的で,何を,どのように教えるのかという ことが,特に実習,製作においては問われるように思う。
3.学習内容に対する興味度
既習である5年生の家庭科の学習内容を,被服・食物・住居と家族の各領域から全体で21項目選 び出し,これらの項目に対して児童がどのくらい興味をもっているのかを示したものが図3である。
全体的にみると,まず第1に「おやつ」に圧倒的興味が集まっているのがわかる。これは「非常 に興味がある」(7a4%)「やや興味がある」(13.3%)あわせて86.7%もの児童が興味をもっており,
21項目中第1位である。このことから興味の集中している「おやつ」の教材的価値を再認識する必 要があるのではないかと思われる。第2に,これら21項目の内容を理解事項と技能事項に分類して みてみると,やはり,一般に理解事項より技能事項の方が興味度が高いということがわかる。ただ 技能事項の中でも「名前のぬいとり」や「ボタンやスナップをつける」「洗たく」などは,非常に 興味があると答えているものの割合が10%台であり,他の技能事項にくらべて興味度が低い。また 理解事項の中でも「野菜の栄養や調理のしかた」 「ミシンの扱い方」は製作分野に関連した理解事 項であるが,非常に興味があると答えたものがそれぞれ2a7%,19.6%となっており,これは「お やつ」を除いた他の理解事項より興味度が高くなっている。このことからも,児童が「作ること」
に対し,より興味をもっていることが推測できる。
〈住居と家族〉
@家庭内の仕事や私たちので
全体 (%)
2
男子 女子
@ 2D・05
(%)
きる仕事 7 455 467 31 443
09 OB 3皿1ρ
22,0 39 7 4 6 2 393 4
②すまいの汚れ
15 1B 一\ 聖D
1 5. 1 382 7 338 24 BO
③整理・整とんのしかた 317
12 29 OB 15
361 1 塁 37 自 0 239 343 124
④掃除のしかた
〜』A、
A、\ 1ま2 〜\〜 \_一 419 \ IP 、
〈食 物〉 133叢 癖、1 Io
⑤おやつ 箏._ ,
_一〃〆/ 09 ,3_一…クーン/ 04 _一コン シ/ 15
〈被 服〉
1 38 392 4 19 49 36 1a
⑥衣服の働きや季節・気温に
合った衣服の着方 、 09 08 lo
f10 94 354 0 9 26
⑦ミシンの扱い方 lo
04 2. / 一 4 3 5
⑧下着の働きや良い下着の選 … 、。4_ 、。, 7. 344 監 4 21 68
び方 12 \、 08 〜 L5
一
u 254 16 25 〜3 、 、1,、 。
⑨針と糸を使っての名前の縫いとり
/ 2
21笈黶@ 一 13 4 20
4 179
⑩ボタンやスナソプをつける
\ 、 、
@ \_ L2
、 謹 _ 一響゜ 、
09 〜一...̀ 讐.」、1 1D
当読、
⑪小物つくり 撚74
㎜
f 07 / 〆/R D5
26 1 49 勿 16
⑫袋つくり
,「 19 28 ./ / /3505
1 3Q 7 2 季
⑬ミシンを使っての直線縫い 4 25 10
05 一r 0.4 35 05
5 37 19 234
⑭洗たく 2G8 35 1
〈食 物〉 】5 09 o
⑮日常食品に含まれている栄 186 356 09 2 i7 14 _ n
養素の種類と働き 07 OB 5
⑯正しいガスの使い方 07 167 400 1σ酉 151 354 9 428 婁
07 04 丘o
⑰卵の栄養や性質 39 1 詑
睦 _警゜
4
磐 轟 。7 一 19 @ 一̀易、 ヨ、 ID
⑱野菜の栄養や調理のしかた 5
、
A、 95 、1一̀ ㌦1−〜 \ 1̀_ 5 10
7 − 一 24 14
⑲野菜サラダの調理 5 174 8
12 OB rr 一ゴ 15
⑳ゆで卵の調理 27 、 、5 ≦虚9
252 8
o 09 、\ 置o
⑳緑黄色野菜(ほうれん草)の油 7 87 08 −184− 14 須. 2 174
いため
■ すごく興味がある 閣…少し興味がある 目…ふつう 口 あまり興味がない 囲…ぜんぜん興味がない ロ…無答・無効
図3 学習内容に対する興味度
第3に,領域別に興味度をみてみると,「住居と家族」の領域では,最も高い興味を示している のは「整理・整とんのしかた」(1a7%)であるが,「おやつ」の4分の1である。全般的にみて,
理解面,理論面が多いためか,児童にとってはあまり興味のある内容とはいえないようである。次 に,被服領域では,先に述べたように,「小物づくり」「ふくろづくり」といった技能項目,しか も製作に関する分野に興味が集まっており,衣服の着方,選び方といった内容は興味の湧かないも のであることがわかる。食物領域では,全体的に興味度が高く,しかも,調理実習に高い関心,興 味を抱いている様子がうかがえる。
また,これらを男女別にみてみると,第1に,全体的に見て,男子より女子の方が学習内容に対 してより高い興味を示していることがわかる。特に被服製作分野についてみてみると,女子が男子 の4倍近い比で高い興味を示している。同じ製作・実習分野でも調理に関してはこれほど大きな 男女差はみられない。「おやつ」は,男女ともに興味を示す項目の中では最も男女差のみられない 項目である。
4.学習内容に対する価値意識
前節と同じ項目で,それらに対し児童はどのくらい重要さを感じているのかをみたものが,図4 である。これをみて第1に気づくことは,全体的にみて学習内容に対する児童の価値意識が高いと いうことである。つまり,「大切であると思う」と答えた児童の割合が50%以上ある項目をみると,
岩崎:小学生の家庭科観 55
②すまいのよごれ(634%),③整理・整とんのしかた(69.2%),④そうじのしかた(622%),⑥衣 服の働き・季節や気温に合った衣服の着方(647%),⑧下着の働きやよい下着の選び方(57.6%〉 ⑭せんたく(70.0%),⑮日常食品に含まれている栄養素の種類とそのはたらき(663%),⑯正しい ガスの使い方(80.9%)の8項目ある。大切だと思うと答えた児童が40%以上いる項目までを考える と21項目中13項目あり,児童は家庭科の教育的価値を比較的高く評価しているということができる。 一全体一 k家族〕 全体 1 男子 女子19 33 1 0
①家庭内の仕事や私たちので 48 474 38 561 9β きる仕事 〔住居〕 3 12 1 51ρ ②すまいの汚れ 322 5 4皇 5 22
1 10 24 1 100β ③整理・整とんのしかた 281 57 387 815 16
1 12 2 1 10 10 ④掃除のしかた 622 9 528 434 1 25
一一}…… 〔会食〕 12 14 1』
⑤お や つ 409 9」4 5 439 439 監0 378 552 60
〔被服〕 34 、7・@ 19 。51渇 ⑥衣服の働きや季節気温に合 5卍4 406 61 78β 194
った衣服の着方 17 _一/『 20
⑦ミシンの扱い方 487 419 77 3G 2 542 142 偲 28
19 1 1 20 ⑧下着の働きや良い下着の選 576 341 472 96 U 688 2 4 び方 12 4 30 】0 ⑨針と糸を使って名前のぬい 225 637 126 凸18 651 21 6
とり 17 】5!5 ⑩ボタンやスナップをつける 293 581 109 142 642 198 517
15 10
⑪小物作り 174 632 17 ∫且5 5呂9 307 9 676
一 12 3 10 ⑫袋 作 り 25 576 15 132 575 278 383 577
17 20
⑬ミシンを使っての直線縫い 525 133 16 59 23翼 458
27 15 4 5
⑭洗 た く 0 59 56昼 268
〔食物〕 17 1515
⑮日常食品に含まれている栄 663 264 5 29 4 736 234
養素の種類と働き 24 12 2 05 】D ⑯正しいガスの使い方 809 155 74 199 109
46 15 8 D 15 ⑰卵の栄養や性質 6 492 377 519 453
12 14 [5 10 ⑱野菜の栄養や調理のしかた 484 0 349 547 90 34β 2 14 2 1n ⑲野菜サラダの調理 59β 1 240 642 104 18 552
115 1 9 4 10 ⑳ゆで卵の調理 734 8 727 重37 204 741
12 4 2510
⑳縁黄色野菜(ほうれん草)の 26 64里 85 1 嗣6 42 328 63
油いため
ロ…大切だと思う 國…ふつう 目…大切でないと思う ロ…無答・無効
図4 学習内容に対する価値意識
であろう。領域的にみてみると,まず「住居と家族」領域では,「整理・整とんのしかた」「すま いの汚れ」「そうじのしかた」「家庭内の仕事や私たちのできる仕事」の4項目のすべてが入って いる。このことから,児童はすまいや家庭の管理面の合理化に関する項目に対しては高い価値意識を 持っているようである。被服領域では,「洗たく」をはじめとして,「衣服の働きや季節・気温に合 った衣服の着方」「下着のはたらきや下着のえらび方」「ミシンのあつかい方」といった被服領域に おける管理面合理化に関する項目が高い評価を得ている。食物領域では,「正しいガスの使い方」
「日常食品に含まれている栄養素の種類とその働き」「野菜の栄養や調理のしかた」と3項目が10位 以内にはいっており,これは栄養および技術習得に関する理解事項である。以上のことをまとめて みると,児童は,すまい・家庭生活に関する面,衣服の着方,食物の栄養,食物領域の技術習面に 関する理論面といった点に高い価値意識を持っていることがわかる。
次に,価値意識の低い項目について考えてみると,第1位が「ゆでたまごの調理」(16.0%),2位 が「小物づくり」 (17.4%),3位「はりと糸を使っての名前のぬいとり」 (22.5%),以下「ふく うつくり」(2a4%),「緑黄色野菜の油いための調理」 (26.2%),「ボタンやスナップをつけ
る」 (2a3%),「ミシンを使っての直線ぬい」(324%),「野菜サラダの調理」 (327%)と つづく。これらを見ると,被服領域においても,食物領域においても,製作・実習といった技術習 得面に対する価値意識が低いといえる。これは「大切でないと思う」と答えた児童の割合を見ても 明らかである。
以上のようなことから,児童は,家庭科の学習内容の中のいわゆる理論面に対しては一般的に高 い価値意識をもっているが,製作・実習分野における技術習得面に対してはあまり価値を感じてい ないといえる。また,同じ技術習得に関しても,「ミシンの扱い方」や「調理のし方」、といった理 解事項には比較的高い価値意識を示していることから,製作そのものには価値を感じていなくても,
それらの使い方,用法などについては重要度を感じているものと思われる。
また,男女別にみてみると,「おやつ」を除いたすべての項目において女子の方が男子よりも高 い価値意識をもっている。「大切だとは思わない」と答えた児童の割合を見ても明らかである。男 子と女子の価値意識の差はほとんどの項目で10〜30%みられるが,特に25%以上男女差のある項目 をあげてみると,「小物つくり」「袋つくり」「ミシンの扱い方」「ミシンを使っての直線ぬい」
「野菜の栄養や調理のし方」であり,男子は被服製作分野に対して低い価値意識しかもっていない ことがわかる2
5.学習内容の実践度
学習指導要領には,「家庭科では習得した知識と技能を家庭生活の中に積極的に生かし… …2)」
とあるが,児童は家庭において家庭科学習の中で得た知識・技術をどのくらい実践しているの だろうか。項目は,被服・食物・住居と家族の各領域から2〜8項目,計18項目を選んだ。この中 には家庭科学習内容として教科書にあげられているものと,教科書にはないが家庭科学習内容の派 生と考えられるものとがある。この結果は,図5である。これをみると,まず第1に,いつもやる と答えた児童の割合が少ない項目の多いことに驚かされる。 「いつもやる」と答えた児童が10%以 下の項目は,18項目中,11項目もあるのである。実践度の高いものを順にみてみると,「整理・整
とん」 (3a7%),「食事のとき茶わんをならべる」 (36.3%)「そうじ」 (31.2%),「食事の
あと茶わんを洗ったり,しまったりする」 (2a5%)となっている。このうち,「整理・整とん」 3)「そうじ」は家庭科学習内容として入ってはいるが,これは基本的生活習慣にもあてはまる内容な
ので「家庭科で習ったから」という気持ちで実践しているとは思えない。逆に,いつもやると答え た児童の割合が最も低いものから考えてみると,「スカート・ズボンのすそなどのほころびをなお す」 (1,9%),「はかりで食品をはかる」 (2.2%),「計量スプーンではかる」 (29%),
「かぎばりであむ」 (39%),「ししゅうをする」 (58%),「ミシンでぬう」(58%),「野 菜いためをつくる」(58%)と続いている。このことから考えられることは,「スカートやズボ
ンのすそのほころびを直す」や「かぎばりであむ」の項目は,家庭科教材としてまだ行っていない ためともいえる。これはこの2つが「全然やったことがない」と答えている児童がそれぞれ68.0%,
61.3%もいることからも推測できる。それならば,家庭科の授業に登場したものであれば実践度は 高くなるかといえばそうでもないようである。たとえば,「ミシンでぬう」 (58%),「野菜い ためをする」(5.8%),など,家庭科学習内容として出てきたものでも「いつもやる」と答えた児 童の割合は低い方にはいる。こうしてみると,家庭科の授業でやったから……といって,それが即,
岩崎:小学生の家庭科観 57
(%)
@ 19
@ボタンやスナップをつける 6B 6LO 303 i \ 12t 3
②ミシンで縫う 5. 68B 242
、
1 、\、 12 1
③アイロンかけ 10.1 740 14.5
/} 12 2
④洗たく 乳 75.0 162 1 「 , 幽 , 2!7
i
⑤ししゅうをする 5B 65.9 257
i・ ._一一一… 17・ 9
⑥かぎばりで編む 39 332 61
噛欝一ほ… セ / ㈲ 麗・l i\一一一_.『『〜一一〜一一一.〜....34一面
⑧整理・整とん 387 567
1 / 1715rl1
⑨掃除 312 65.
… ,一一一一 __一一一一一 12,…
⑩野菜サラダをつくる 8 633 271 1 ・ \ 暫 \ 15,1
1幽
⑪ゆで卵をつくる 68 78B 133
l l ,,一一一 22 1
⑫野菜いためをつくる 5B 67.6 317 1 \一 一㍉.
L脚響鵬洗・た 2・・\ ・α、 \差
; \ tl211
⑭食事のとき茶わんを並べる 3σ3 55.0 τ5
1 ./
E 〆 12
⑮ぞイフでくだものの皮をむ 191 6&8 n9
\14 5
「
ィうちょうで野菜など醐 1a・ 7,, 。1
…一語 一一_一一 幽
⑰はかりで食品をはかる 58.6 37B
i 29 1 15,11
⑱計量スプーンではかる 588 36.8
■…いつもやる 囮…や・たこと嫡る 巨ヨ…ぜんぜんやったことがない
ロ…鰭・無効
図5 家庭での実践度
家庭での実践にはつながらないようである。男女別にみると,すべての項目において,女子の方が 男子よりも多く実践していることがわかる。また,男女とも「やったことがある」と答えている児 童の割合がかなり多く,「やったことはあるが,毎日のようにはしていない」という子どもの実態 が推測される。
さらに,「いっもやる」は2点,「やったことがある」は1点,「全然やったことがない」は0 点として集計し,男女別の平均をみると,男子126点,女子19.4点で,女子が男子を6.8点ほど上
まわっており,女子の実践度の高さがわかる。この点数を個人別に示しそのばらつきをみたのが図 6である。
・男子
人数 x女子 X
@ o
20
X
怐@ ● x ×
15
● ×
o x
怐@ ● x
● ● ●
10
T
× × X
@ ×
@ ×
@ x
@ ●
怐@ X X X ×
● X× ●
× ● o ×
δ ● ● x ×
@ 1
5 10 15 20 25 30 35点数 図6 実践度の点数分布
6.興味度と価値意識との関係
前節でそれぞれ学習内容に対する興味度,そして価値意識をみてきたわけであるが,興味度と価 値意識の間にはどんな関係があるのだろうか。それをみたのが図7である。
グラフをみて第1にいえることは,全体的にみて興味度に比べて価値意識が高いということであ る。また,グラフはある一定のカープをえがいているもの同志,分類することができるようである。
そこで,まず21項目を理論に関する項目と製作・技能に関する項目に分けてみる。理論に関する項 目は,①〜⑧,⑮〜⑱の12項目であり,残りの⑨〜⑭,⑲〜⑳の9項目が製作・技能に関する項目 である。ここで,理論に関する項目をX,製作に関する項目をYとすると,これらにはそれぞれ特 徴のあることがわかる。第1に,Y項目はX項目に比して価値意識は低いが,興味度は高いという
ことである。Y項目のうち,特に「小物つくり」「袋つくり」といった製作分野や調理実習の項目は かなり興味度が高くなっている。それに対し,X項目はY項目に比して興味度は低いが,価値意識は 高くなっている。これは特に②〜④,⑥⑧⑮⑯の各項目のグラフを見ても明らかである。
しかし,この中で⑭の「洗たく」だけは1項目例外としてあげられる。これは実習教材であるも のの,価値意識は高く,興味度はさほど高くないからである。洗たく以外のY項目については,学 習に対する興味度は高いものの,価値は高く感じていないことがわかる。すなわち,実習は楽しい,
おもしろいと感ずるが,それが大切とは思えないというのが児童の考えのようである。
一方,X項目にみられる特徴としては,一般に興味度が低いわりには高い価値意識をもっている ということだが,この中にも例外が1つある。それは,⑤の「おやつ」である。これは教科書では
岩崎:小学生の家庭科観 59
①家庭内の②すまいの ③整理・整 ④そうじの ⑤おやっ⑥衣服の働⑦ミシンの⑧下着の働⑨針と糸を⑩ボタンや⑪小物作り⑫袋作り
仕事や私た 汚れ とんのしか しかた きや季節・ 扱い方 きや良い下 使っての名 スナップを
ちのできる た 気温に合っ 着の選び方 前のぬいと つける
仕事 た衣服のき り
かた
{
民
A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C
⑬ミシンを gっての直
?ハい
⑭洗た く ⑮日常食品 ノ含まれて
「る栄養素とそのはた
轤ォ
⑯正しいガ Xの使いか
ス
⑰卵の栄養 竦ォ質
⑱野菜の栄 {や調理の
オかた
⑲野菜サラ
̲の調理 ⑳ゆでたまイの調理
⑳緑黄色野 リ(ほうれ 草)の油
「ため
ぜあふ少す〔んま しご興ぜりつ興く味一一一
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100 がな iるあ
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80 ズ 夫ふ夫 〔ciA
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40 思 と 〕
20
妻 辱い
A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C A B C
図7 興味度と価値意識の関係
おやつの買い方等を教授するため,X項目の方にいれてみたが,それはどちらかといえばY項目と 同じカーブを示している。「おやつ」に関しても児童は興味はもっていても学習の必要性は感じて いないということであろう。
「おやつ」を除いたX項目はさらに2つに分けられる。それは①⑦⑰⑱といった項目と,②③④
⑥⑧⑮⑯といった項目である。前者は家族に関しての項目と被服・食物領域の製作・技能に関する 理論面を示す項目である。後者はすまい,着方,栄養,ガスの使い方といった理論面である。前者 はX項目のうちでも価値意識が低いものの集まりであり,これらは価値意識の方が高いものの価値 意識と興味度のグラフは同じようなカーブをえがいている。このうち,⑦と⑱は価値意識と興味度 がほとんど同じカーブであり,興味度と価値意識が同程度であることがわかる。この⑦と⑱はどち
らも製作・技能に関する方法・理論を表わす項目であり,これらに対しては児童は興味も価値も感 じていることがわかる。また後者については,児童は興味はあまり感じていなくても,価値意識は 高く示しており,家庭科において家庭生活の合理化についての学習を期待していることがうかがえ
る。
しかし,一番望ましいと思われるのは,児童が興味も価値意識も同じように高く感じることがで 、
きることである。価値意識と興味度の関係をみてみると,ほとんどの項目がこの2つに大きな差が あり,これは家庭科における1つの問題を示していると思われる。製作分野に児童が高い興味を示 すのは,やはり作ること,手を動かすことに楽しさや喜びを感じているためであろう。だがこれが 楽しいだけに終わってしまうのは,作ることのみに習熟してしまうためではなかろうか。
また,理論の分野に児童が高い価値意識は示すが,興味はないということは,授業の進め方,教 授方法に問題があるのではないだろうか。理論面はとかく一方的な教授,すなわち児童にとっては 受身的な授業になりがちである。
このように,価値意識・興味度の関係をみると,この中に考えなければならない問題が多くある ことに気づかされる。
7.実践度と興味度・価値意識の関係
学習内容の実践度の節で実践度を点数化し,その頻度を比べてみたが,ここでは実践度の高い者 と実践度の低い者とをそれぞれ選び,両者の興味度と価値意識をみてみる。実践度の高い者とは,
240点以上をマークした者,また実践度の低い者とはao以下の者である。なお,実践度の高い者 は36名,実践度の低い者は38名であり,実践度の高い者の内訳は男子1名,女子35名,実践度の低 い者は38名全員男子であった。
図8は,実践度と興味度の度合を表わしたものである。これを見ると,実践度の高い者は実践度 の低い者に比べて興味度が高いということがよくわかる。このことからやはり家庭で実践を多くす る児童の方がそうでない児童と比べて学習内容に対する興味・関心が高いということが言える。ま た,このことは,実践度の高い者の興味度が女子の平均よりも高く,また実践度の低い者の興味度 が男子の平均よりも低いということからもわかる。
実践度の低い者と高い者とで差がみられないのは「おやつ」の項目だけである。これは男子と女 子を比べた場合にも差がほとんどなかった唯一の項目であったが,実践度の高低でみた場合でも差 がない教材といえる。「おやつ」はどの児童にとっても興味深い教材といえよう。
実践度の低い者は, 「おやつ」の次には調理の分野に対し比較的高い興味を示していることがわ かる。そして調理の分野の次には「洗たく」に興味をもっている。しかし,それらは男子の興味度 に比べれば低い値でしかない。これらのことからみると,実践度の低い者は家庭科に対してあまり 興味・関心をいだいていないことがわかる。また逆に,興味・関心がないゆえに家庭での実践もし ないということになるのだろうか。
一方,実践度の高い者は非常に興味があると答えた者の割合が50%以上あるものは6項目あり,
少しあると答えた者の割合までを含めると,50%以下の者はわずかに「日常食品に含まれている栄 養素の種類とそのはたらき」「正しいガスの使い方」「卵の栄養や性質」の3項目だけである。こ のことからも実践度の高いものの家庭科に対する興味の高さがよくわかる。また実践度の高い者は,
特に調理実習や被服の製作分野に高い興味度を示している。いわゆる実習関係に強い関心をもって いる。これは女子の傾向と同じである。しかし,「非常に興味がある」と答えた者の割合が女子の それよりも高いことから,実践度の高い者ほど実習関係に興味が高いといえる。
岩崎:小学生の家庭科観 61
層非常に興味がある ロぜんぜん興味がない 囲少し興味がある 圖無答・無効
零灘纂 諜殊難騨ち藤熱・講蟹 29 0 ::::i・i42.1・:・≧ヨ 184 237 ②すまいの汚れ 28. 314 286 8β2β 7g:::::,:::::36B・i・i・i・i 2L1 2&g ③整理・整とんの仕方 4& 5マ 20ρ 7
2.6 2.9
7ρ 2&gi・i・i・i 263 342 ④掃除のしかた 8β 229 343 1M 29 V1.1 5B旺・:132i・弼⑤おやつ 777 14357
捌 糊 麗26鱗繊欝騨 訓 ・・ 一※・lllO跣・2U 89 342 ⑦ミシンの扱い方 34 37.1 20σiiiiii::ii 57
・263 316・・・ … ⑧醸欝や良い下着 ・ ・… 7 27
蛻黶@u ㎝;;1⑨灘轡ての名前 協 銅 器㌦器
漁237::::… 37 447 ⑩ボタンやスナップをつけ 28β 4& 171
@ る
Q37 .・・…26.3 13.2 31β ⑪小物作り 800 1435ク:
10.5i184;,i、i、; 3g.5 26.3 ⑫袋作り 65°7 22 9 8°6
1・126・・撒 ・・3 2・・⑬献を使・ての直線 ・・7 2292・・11・2.6 34 290 342 ⑭洗たく 29 2α0 ン::i257. 114
3. :::i・ii31βi 2&g 237 ⑯正しいガスの使い方 229 200 371 17.
四79…≧i・i211 19 263 ⑰卵の栄養と性質 20 2 286 20つ
・…競 2・1 2・・⑱覆菜の栄養と調理のしか ・8 ・… 27
211 237 : ・;::・2L1 10. 237 ⑲野菜サラダの調理 77− }71
@ 29 U3 237 n5 184 ⑳ゆでたまごの調理 OO 22 1145
8−一…@肛1⑳騰縢雛晶鐘ん草) 田 ・・m29
図8 実践度と興味度
価値意識においても,実践度の高い者の方が低い者にくらべて高い値を示すということが図9よ りわかる。特に,実践度の高い者はきわめて高い価値意識を示している。なぜなら,その値は女子 の価値意識の値をかなり上まわっているからである。加えて実践度の高い者は「大切でないと思う」
と答えた児童の割合が0%である項目がほとんどであることからも実践度の高い者のもつ価値意識 の高さがうかがえる。
ところで,実践度の低い者の方が価値意識を高く持っている項目が唯一ある。それは⑤のおやつ である。これは男子と女子の価値意識を比べたときにも差がなかったが実践度の高い者と低い者を 比べた場合にもそのことが言える。
しかし,それ以外の項目は実践度の高い者の方が低い者に比べて著るしく価値意識が高い。この ことから実践度の高い者は家庭科の学習そのものに価値を高く感じているといえる。男女ともに1 位にあがる項目をみると,「正しいガスの使い方」がそうであり,この項目の重要度が明確に出て
いる。