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Academic year: 2021

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令和2年度都立看護専門学校推薦入学試験小論文課題

次の文章を読んで、設問に答えなさい。

「スロー・リーディング」とは、一冊の本にできるだけ時間をかけ、ゆっく りと読むことである。鑑賞の手間を惜しまず、その手間にこそ、読書の楽しみ を見出す。そうした本の読み方だと、ひとまずは了解してもらいたい。スロー・

リーディングをする読者を、私たちは、 「スロー・リーダー」と呼ぶことにしよ う。

一冊の本を、価値あるものにするかどうかは、読み方次第である。たとえば、

海外で見知らぬ土地を訪れることをイメージしてみよう。出張で訪れた町を、

空き時間のほんの一、二時間でザッと見て回るのと、一週間滞在して、地図を 片手に、丹念に歩いて回るのとでは、同じ場所に行ったといっても、その理解 の深さや印象の強さ、得られた知識の量には、大きな違いがあるだろう。旅行 は、行ったという事実に意味があるのではない(よくそれを自慢する人もいる が) 。行って、どれくらいその土地の魅力を堪能

たんのう

できたかに意味がある。

読書もまた同じである。ある本を速読して、つまらなかった、という感想を 抱くのは、忙しない旅行者と同じかもしれない。じっくり時間をかけて滞在し た人が、 「えっ、あそこにすごくおいしいレストランがあったのに! 行かなか ったの?あそこの景色は? えっ、ちゃんと見てないの?」と驚き、不憫

ふ び ん

に感 じるのと同じで、スロー・リーダーが楽しむことのできた本の中の様々な仕掛 けや、意味深い一節、絶妙な表現などを、みんな見落としてしまっている可能 性がある。速読のあとに残るのは、単に読んだという事実だけだ。スロー・リ ーディングとは、それゆえ、得をする読書、損をしないための読書と言い換え てもいいかもしれない。

出典:平野啓一郎著(2019) 「本の読み方 スロー・リーディングの実践 」 株式会社 PHP 研究所

(設問)

著者が伝えたいことを 200 字程度に要約した上で、 「本の読み方」について、

あなたの考えを、体験を踏まえて要約を含め 800 字程度で述べなさい。

参照

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