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斜面市街地 における居住環境改善策へ の

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長崎大学工学部研究報告 第30 第55 平成127 221

斜面市街地 における居住環境改善策へ のAHPの適用

棚橋 由彦 * 杉 山 和一**

圭介***

ApplicationoftheAnalyticHierarchyProcessto血eDecisionof theResidentialEnvironmentRemedyintheSlopeUrbanDistrict

by

YbshihikoTANABASHI*,KazuichiSUGIYAMA* *

andKeisukeKITAGAWA'*

Fortheprogressoftherapidmotorizationafter1980'S,improvementofparkinglotandroadtrafficnetworkcanbe notcorrespondentontheslopeurban districLTherefore,itwasgraduallyleftintheage.As theresult,therunoffofthe populationmainlyontheyounggenerationtothesuburbanddecreaseofthepopulationandprogressoftheaglngare becomlngconspicuous.ItisantlCIPatedthatthistendencywillbecomefurtherseriousinfuture.Itisconsideredthat, therefore,theimprovementoftheresidentialenvironmentinslopeurbandistrictisurgent.Inthisstudy,theNagasaki Tateyamawardistakenupasacaseobject,andtheremedyoftheresidentialenvironmentinslopeurbandistrictisex‑

a

m ined.AnalyticHierarchyProcess(AHP),asaneffectivetoolfortheresidentialenvironmentassessment,isappliedto theexaminationofthisremedyunderthecomplicatedsituationlikethedesignofcityanddistrictplanlng.Theeffective nessoftheproposedtechniqueascitizenparticipationtechniqueoftheresidentialenvironmentremedyinthedesignis examinedbasedontheanalyticalresults.

1.は じめ に

斜面都市 と呼 ばれる都市 は海外 や 日本各地 に数多 く 存在す る.我が国 におけるこれ らの都市 で は,平坦地 が乏 しく,その平坦地 も事業所や公共施設等でかな り 広 い地域 を占め られてい るため,斜面地が居住 の場 と して求め られて きた.その結果,現在の ような斜面市 街地が形成 された. これ らの斜面市街地 は,高台であ るゆえの景観や 日当た りの良 さな ど,居住地 と して優 れた条件 を備 えている. しか しなが ら,1980年代 以降 の急激 なモ ー タリゼー シ ョンの進展 に対 して,道路交 通網 や駐車場の整備 が対応 で きず,徐 々に時代 に取 り 残 され るこ ととなった.その結果,若年層 を中心 とし た人 口の郊外‑ の流 出が進 み,人口の減少お よび高齢 化の進行が顕在化 し,その傾 向は今後 もさらに深刻化 平成12421日受理

'社会開発工学科 (civilEngineeringdepartment)

… 環境科学部 (FacultyofEnvironmentalStudies) H'日本舗道株式会社 (NipponHodoCo,Ltd)

す ることが予想 される.斜面市街地 には,狭 く急 な生 活道路 を挟 んで住居が密集 している地 区が多 く,道路

を中心 と した都市基盤整備 に多 くの課題 を残 している.

これ らの都市基盤整備 の遅れは,住民 の 日常生活 に支 障 を きたす ばか りで な く,災害発生時 における避難活 動 や救急医療活動 な どに大 きな障害 となってい る. こ

の ような現状 を考 える と,斜面市街地 における居住環 境 の整備 は急務である といえる.

本研究 では,長崎市立 山地区 を事例対象 と して取 り 上 げ,斜面市街地 における居住環境 の改善策 を検討す る. また, この改善策の検討 に,都市や地区 における 計画の立案の ような複雑 な状況下 において有効 である と思 われ る主観的判断 とシステムアプローチ を融合 し た問題解 決型意 思 決 定手法 の 1つ で あ る階層 分 析 法

(2)

222 棚橋 由彦 ・杉山 和一 ・北川 圭介

AHP(AnalyticHierarchyProcess)を適用する. さらに, 解析結果か ら,居住環境改善策の立案における住民参 加手法 としての本手法の有効性 について検討する.

2.対象地区の現状

本研究では斜面市街地の居住環境改善策の検討 にあ た り,長崎市立山地区を事例研究の対象 として取 り上 げた.立山地区は中心市街地に近接 した長崎市中央東 部 に位置 してお り, 1丁 目〜 5丁 目か らなっている.

本地区は現在の 1,2丁 目か ら先 に形成 され始 め,そ の後 3,4丁 目と拡大 し,最後 に標高 の高 い 5丁 目が 形成 されてきた.地区内には店舗 などは少 な く,ほ と ん どの土地が住宅地 として利用 されてお り,特 に一戸 建 て住宅が斜面地 に密集 して建 ち並 んでいる.

‑ 1に立山地区の1999年の面積,人口,人口密度 を示す.人口密度 に注 目する と,3,4丁 目が高 い こ とが分かる.1,2丁 目は,地区内 に学校 や墓地が, 5丁 目は調整区域がその多 くを占めている. したがっ て,秦‑ 1では比較的低い人口密度 となっているが, 実際は3,4丁 目と同様 に高密度 な市街地が形成 され ている.

表 ‑ 1 立山地区の面積,人口,人口密度

面積 人口 人口密度

(krd) (人) (/ha) 1 0.068 494 72.6 2 0.074 589 79.6 3 0.040 643 160.1 4 0.047 562 119.6 5 0.312 678 21.7 合計 0.541 2966 54.8 図‑ 1に立山地区の世帯数お よび人口の推移 を示す.

1985年 までは世帯数,人口 ともに増加 しているが,そ の後は世帯数では横 ばい状態,人口は減少傾向にある.

また,図‑2に地区の年齢階層別の人口構成 を示す.

立山地区全体の高齢化率は17.5%と長崎市平均15.6%

2%程度上回っているに過 ぎないが,これは最 も人 口の多い5丁 目の9.1%とい う低い値 による ところが 大 きい.1,2丁 目では20%を超 え,非常 に高 い高齢 化率 を示 している.

次 に,地区の生活道路の状況 について述べ る.地区 内には28本の市道が配置 されている. しか しなが ら, 全市道延長の59.6%では, 自動車が進入で きない状況

となっている.特 に,1‑4丁 目でその状況が 目立つ.

また,里道 も含めた歩道の状況 を表‑2に示す.幅貞

2000 1500

芸1000

500 0

4000 3500

3000 2500

2000 19651970197519801985199019951999

‑ 1 立山地区世帯数お よび人口の推移 (1995年)

lHHTTTTT1234LE)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

‑ 2 立山地区の年齢階層別の人口構成 (1995年) についてみる と2.0m未満の歩道が多 く,全般的 に狭 陰であることが分かる.勾配 については5.0%未満の 歩道は全歩道の総延長の10.1%にす ぎず,ほとんどの 歩道が階段道路 もしくは5.0%以上の勾配 となってい る. さらに,縦道 と横道の分類 についてみると,縦道 の割合が56.9%と半分以上の比率 を占めている. これ に対 して,横道はわずか24.0%であ り,縦道 に比べて 小 さな比率 となっている. この ような状況では,水平 方向への移動が困難であ り,徒歩での移動の際 には必

‑2 立山地区の歩道状況

延長(m) 割合 (%)

帽貞W 1.0m≦W<2.W<1.0m0m 4255686 74.6.35 W≧2.0m 1145 19.2

勾配I <5.≧5.0%0% 2650750 410.3.11 階段区間 2794 46.8

等高線角度との 000‑300(横道) 1434 24.0 300‑600(中間) 1140 19.1 600‑900(縦道) 3395 56.9

(3)

斜面市街地 における屠住環境改善策への AHPの適用

ず階段 や坂道の上 り下 りが必要 とな り,特 に高齢者や 身障者 に とって大 きな負担 となってい る.

また,立 山地区の住宅築年数の調査結果 を表‑ 3 示す.表 をみ る と 1,2丁 目で築年 数50年以上 な どの 古い住宅が多い. これ と対照的に,5丁 目では新 しい 住宅が多い ことが分 かる. これは,前述 した立山地区 が開発 されて きた経緯 とも符合 している, また,地区 全体的 に10年未満の住宅が少 な く,住宅の建替 えが進 まない ことや新たに立山地区に住 み始め る人が少 ない 現状が読み取 れる. これ らの住宅問題 は,宅地の接道 条件 な どを規制 した建築基準法 に起因 している と考 え

られる.

‑3 立山地区の住宅築年数

築年数 1丁 目 2丁 目 3丁 目 4丁 目 5丁 目 00‑10 ll.2% 8.9% 6.1% 8.3% 6.6%

10‑20 17.0% 14.3% 6.7% 22.2% 35.0%

20‑30 18.1% 23.6% 25.1% 32.2% 47.0%

30‑40 14.4% 14.8% 31.8% 23.3% 6.6%

40‑50 20.7% 14.3% 21.8% 8.9% 0.5%

以上 に述べ たことか ら,立山地区の現状 の問題点 と して,次 の ようなことが挙 げ られ る.

若年層 を中心 とした人口の流 出によ り,空洞化や 高齢化の進行が著 しい.

自動車が進入す ることがで きない地区が多 く,火 災発生時の消防活動 も困難であ り,防災面 におい て も問題が大 きい.

横道の不足 によ り,水平移動が困難である.

(彰 急勾配の階段道路が多 く,上下移動 にも難があ る.

(9 老朽化住宅の増加や人口流 出に伴 う空 き家 ・空 き 地の発生がみ られ る.

3.居住環境改善策の検討

本研究では立 山地区の居住環境改善 を目的 として, 階層分析法 AHPを用 い た改善策の検討 を行 った.改 善策 は立山地区の現状 を考慮 し,評価基準お よび個 々 の整備項 目,整備方法 を設定 した.AHPの適用 は, 住民側 と行政側 の2つの視点か ら別個 に検討 した.

3.1 階層分析法 AHP(AnalyticHierarchyProcess) 階層分析法 AHPは,問題 の分析 におい て主観 的判 断 とシステムアプローチ を融合 した問題解決型意思決 定手法の1つであ り,不確定 な状況や多様 な評価基準 において有効 な手法 で あ る.AHpで は問題 を解 決す

223

るために, まず問題 の要素 を最終 目標,評価基準 ,代 替案の3つの関係で捉 えて階層構造 を作 り上げる.そ して,最終 目的か らみて評価基準 の重要度 を求め,吹 に各評価基準か らみて代替案の重要度 を評価 し,最後 に, これ らを最終 目的か らみた代替案の評価 に換算す る.AHPは この評価 の過程 で,経験 や勘 を生 か して, これ まではモデル化や定量化が難 しかったケース も扱 えるように しているのが特徴である. 1)2'

3.2 基本 コンセプ トの設定

立山地区の居住環境改善策 を考 えるにあた り, まち づ くりに対する基本 コンセプ トとして以下の4つ を設 定 した.

環境 に配慮 したまちづ くり 【環境】

災害 に対 して安全 な まちづ くり 【防災】

利便性 を考 えたまちづ くり 【利便性】

住民 のつ なが りを大切 にす る まちづ くり【つ なが り】

この 4つの基本 コンセ プ トを AHPにおけ る評価基 準 として用いる. なお, これ以降は各基本 コンセプ ト の省略 として 【 】内のキー ワー ドを用 いる.

3.3 整備項 目の設定

立 山地区の現状 を考慮 し,車道整備,横道整備 ,懸 垂型昇降機 の設置,駐車場整備, インフラ整備 に伴 う 移転住宅の6項 目の整備項 目とその具体 的な整備方法

を挙 げた.その結果 を表‑4に示す.

3.4 階層構造の設定

表‑ 4に示 した改善策 に対 して AHPを適用 し,そ れぞれの整備項 目における整備方法の検討 を行 った.

本研究では, この検討 を住民側 と行政側 の2つの視点 か ら行 った.住民側の視点か らの検討 は前述 した4 の基本 コンセプ トを評価基準 に用 いた.一方,行政側 の視点か らの検討 は住民側 同様4つの基本 コンセプ ト による検討 (行政側の視点A) を行 うとともに, 5つ 目の評価基準 として 【費用l とい う観点 を加 えた検討 (行政側 の視点 B) もあわせ て行 った.本研究 にお け る階層構造 を図‑ 3に示す.

4.検討結果および考察

階層分析法 AHPに よる評価 を行 う際 には,各 々の 要因間すべ ての組み合 わせ について比較 を行 う必要が ある. これ を AHPにおける一対 比較 とい うが,今 回, この比較 を行 う意思決定者 として住民側 の視点か らの 検討 は立 山 自治会 の関係者 (自治会長 を含 め15名),

(4)

224 棚橋 由彦 ・杉 山 和 一 ・北 川 圭 介

義‑ 4 整備項 目お よび整備 方法 整備項 目 整備 内容 整備 方法

車道 道 路 形 態 1.歩車分離 2.歩車共存

1.排 除す る 2.排 除 しない

Ⅲ 幅 2. 4m1. 4m未満以上 6m未満 3. 6m以上8m未満

配 置 間 隔 1.標高差40m 2.標高差60m

一 方 通 行 1.実施す る 2.実施 しない

横 道 道 路 形 態 1.歩行者専用 2.バ イク通行 可

1. 2m未満

2. 2m以上4m未満

配 置 間 隔 1.車道 間1 2.車道 間2

2.200m間隔 3.設置 しない

駐車場 設 置 場 所 2.1.地 区内地 区縁辺部

1.大型駐車場 2.小 型駐車場 を分散 公 園 1. まとめて 1つ

2.分散 す る

移転住宅 整備 に伴 う移 転 住 宅イ ン フ ラ 1.地区内代 替地 の撮供 2.共 同住宅

3.金銭補償

行政側 の視 点か らの検討 は長崎市都市整備部 まちづ く り課 の関係 者 に参加 して頂 いた.立 山 自治会 は長崎市 都市整備 部 まちづ く り課 とともに これ まで数 回の まち づ くり勉 強会 を行 ってお り, まちづ くりに対す る関心 は比較的高 い と思 われ る.

4.1 住 民側 の視 点 お よび行政側 の視 点Aか らの検

(1) 基本 コンセ プ ト

まず ,‑対比較評価 に よ り得 られた両者 の基本 コン セ プ トに対す る重要度 を表‑5に示す .検討結果 をみ

I.て一1' .‑書 ...1' ‑ 3 本研究 にお ける階層構造

る と両者 ともに 【防災】の重要度が他 に比べ て著 しく 大 き くなっている. これは,本地 区が抱 える災害 に弱 い とい う特性 を両者 とも強 く意識 した結果が反映 され てい るこ とを示 してい る.2番 目に高 い重 要度 を占め たのは,住民側 の検討 では 【利便性 】 であ り,行 政側 の検 討 で は 【つ なが り】 で あ った。 また, 【環境 】 に つい て は両 者 と もに低 い重 要度 で あ った. なお,C.. は コンシステ ンシー指 数 (consistency index)とい う 評価結果 の首尾 一貫性 の尺度 を示す値 であ り,完全 な 整合性 を持 つ場合 は この値 が 0とな り,不整合性 が高 くな る ほ どこの値 は大 き くな る.C..の値 は0.15 下であれば合格 であ る とい うこ とが経験則 よ り提 案 さ れてい る.今 回の検討で は両者 ともに この数値 を満 た

してお り,検討結果 の整合性 は十分 であ る.

(2)整備項 日

次 に各整備項 目にお ける検討結果 につ いて述べ る.

車道 Ⅰ(道路形態 ),横 道 Ⅱ(幅員),懸垂型昇 降機(設置 方法)の住民側 と行 政側Aの検 討結 果 を表 ‑6,7 それぞれ 示す.

車道 Ⅰで は,両者 ともに 【防災】とい う観点 で は 「 車分離」, 【つ なが り】 とい う観点 で は 「歩車共存」 の 方が高 い値 となってい る. これは,両評価基準 の特性 を良 く反映 した結果 だ と思 われ る.しか しなが ら,【 境 】, 【利便性 】の観点 か らの評価結果 で は,住民側 で は同 じ評価 であ るの に対 し,行 政側 では ともに 「歩車 共存」 の方が高 い値 となってお り,両者 の考 え方 の違 い を顕著 に表 してい る.総合評価 につ いてみ る と,住

‑ 5 基本 コンセ プ トの重 要度

評価基準 住民側 行政側A

(∋環境 0.121 0.127

② 防災 0.500 0.487

③ 利便性 0.215 0.162

④ つ なが り 0.164 0.223

(5)

斜面 市街地 における居住環境改善策へのAHPの適用

民側では 「歩車分離」が 「歩車共存」 をやや上回る結 果 となった. これは,評価基準の重要度 において 【 災】の占める比率が高いため,その結果が影響 したた めであると考 え られる.一方,行政側では「歩車共存」

の方が高い評価 となった.最 も重要度の高い 【防災】

では 「歩車分離」 の評価が高かったが,その他3つの 評価基準 による結果か ら, この ような総合評価 となっ た.以上の ことか ら,車道 Ⅰでは両者の望 む整備方法 に違いがあることが把握で きた.

横 道 Ⅲで は,住 民側 はす べ て の評 価 基準 で 「2m 以上4m未満」 の方が高 い評価 で あ った. したが っ て,総合評価 について も同様の結果 となった.一方, 行政側では, 【環境】と 【つ なが り】では「2m未満

が,【防災】 と 【利便 性】で は 「2m以 上4m未 満」

が高 い評価 で あ り,総 合評価 で は 「2m以 上4m 満」の方が高い評価 となった.評価基準 によって評価 が分かれたが,最 も重要度の大 きい 【防災】での評価 が反映 してこの ような総合評価 になった.以上の よう に,横道 Ⅱでは,各評価基準での評価 において違いが 見 られる ものの,総合評価 で は ともに 「2m以上4m 未満」の方が高い評価 となってお り,両者が同様の整 備方法 を望 んでい ることが把握で きた.

225

懸垂型昇降機では,両者 ともにすべての評価基準 に おいて,設置 しない」 は低 い評価 となっている.「 区内中央部」 と 200m間隔」の各評価基準 にお いて の評価 は表‑ 6,7に示す通 りであ るが,総合評価 に つ いてみ る と,住 民側 で は 200m間隔」,行 政側 で は 「地区内中央部」が高い評価 となった. この結果は, 両者 ともに最 も重要度の大 きな 【防災】での評価結果

に起因 してい るものである.

以下,同様 に各整備項 目について検討 を行 った.紘 面 の都合上,総合評価 のみ を表‑8に示す.表中に影 をつけた項 目は最 も高い評価値 を示す ものである.な お,すべ ての検討 においてC..≦0.15であ り,整合 性 の条件 を満 た した ものである.

4.2 行政側の視点Bからの検討 (1) 基本 コンセプ ト

評価 基準 に前述 した 4つ の基本 コ ンセ プ トに 【 用】 を加 えた検討結果 を表‑9に示す.結果 をみ る と, ここで も 【防災】 とい う評価基準の重要度が最 も高 く, 0.404で あ った.一方,【費用】の重 要度 は0.191で あ

り,2番 目とい う結果 となった.他の評価基準 と比較 して も,それほ ど大 きな違いは見 られない ことか ら, 秦‑ 6 車道 Ⅰ,横道 Ⅱ,懸垂型昇降機 における住民側の検討結果

0.121 0.500 ( 0.21便5 0.つ なが り164 総合評価

車道 Ⅰ 00

. . 5 5 0 0

0

0 0

0..

6

3

6

3

7

3 00..

5 5 0 0 0 0 0 0 . . 2 7 5 5 0 0 0 0 . . 4 5 4 5 3 7

横道 2

2 m m

4m未

0 0 . . 3 6 3 6 3 7

00..

2

8

0 0 0 0

00..28

0 0 0 0 0 0 . . 2 7 5 5 0 0 0 0 . . 2 7 2 7 3 7

200m

0

0.4

. 4 7 4 2

4 00..3515

9

7 00..26419

3 0

0.

. 3

5

4

82

8 0 0 .

.

3 5 6 3

9

1

秦‑ 7 車道 Ⅰ,横道 Ⅲ,懸垂型昇降機 における行政側 Aの検討結果

0.127 0 ( .487 0.16便2 0性(むつ.223が り 総合評価

車道

00.

.

2

7

5

5

0 0

0

0..725500 0

0

.

. 8

16

3

7 03

0

.

. 8

12

7 5

5 0.

0 .

46

5 3 2

8

横 道

2 2 m m

4m未満

0 0 . . 8 1 3 6 3 7

00..816373

0 0 . . 8 1 3 6

73

0 0 . . 2 7 5 5 0 0 0 0 . . 3 6 9 1 0 0

200m

0 0 . . 7 1 5 7

18 0.7530.207

0 0 . . 2 7 0 5

7

3 0 0 . . 2 7 0 2 2 5 0 0 . . 5 4 3 0 6 1

(6)

226 棚橋 由彦 ・杉 山 和 一 ・北 川 圭介

8 整備項 目合評価

整備項 目 整備 方法 住民 行 政側 A 行政側 B

車 道 1.歩車分離 0.543 0.468 0.420

2.歩草共存 0.457 0.532 0.580

車 道 1.排 除す る 0.359 0.392 0.487

2.排 除 しない 0.641 0.608 0.513

舗 道 2.4m1.4m未満以上6m未満 0.0.312053 0.0.129994 0.0.229452

3.6m以上8m未満 0.572 0.508 0.463 車 道 Ⅳ 1.標高差40cm 0.656 0.692 0.720 2.標高差60cm 0.344 0.308 0.280 車 道 1.実施 す る 0.461 0.400 0.360

2.実施 しない 0.539 0.600 0.640

横 道 1.歩行 者専用 0.461 0.390 0.354

2.バ イク通行可 0.539 0.610 0.646

横 道 1.2m未満 0.227 0.390 0.354

2.2m以上4m未満 0.773 0.610 0.646 横 道 1.車道間 1本 0.359 0.576 0.641 2.車道2本 0.641 0.424 0.359

懸 垂 型

昇 降 機 21.地区内中央部.2∝)m間隔 00..361539 0.0.531406 0.0.486435 3.設置 しない 0.1m 0.063 0.079

駐車場 1.地 区内 0.583 0.607 0.646

2.地 区縁 辺部 0.417 0.393 0.354 駐車場 1.大型駐 車場 0.220 0.177 0.273

2.小 型駐 車場 を分散 0.780 0.823 0.727 1. まとめて 1つ 0.368 0.187 0.197 2.分散 す る 0.632 0.823 0.803

21.地区 内代 替地 の提供. 00..328787 00..352384 0.0.327540 3.金銭補償 0.334 0.093 0.133 立 山地 区 の居住 環境 改 善 にお いて, 【費用 】 は さほ ど

突 出 した問題 で は ない と行 政側 は考 えてい る ようであ る.

(2)整備項 目

総 合 評 価 の み を表‑ 8に示 す .行 政 側 の視 点 Aで の検討 と比較す る と,評価値 に多少 の変化 はみ られた が ,評価順位 が変 わる まで には至 らなか った. これ は, 新 た に加 えた 【費用 】とい う評価基準 の重 要度 が0.191

とそれほ ど大 き くなか った ためであ る.

5.

現在 の斜 面市街 地 で は,人 口の空洞化 や高齢化 ,災 害 に対 す る安全性 , または 日常生活 にお ける障害 な ど の さまざ まな都市 間題 が生 じてい る. これ らの要因 は, 都 市基盤整備 の遅 れ に よる ところが大 きい.本研 究 で は,長崎市 立 山地 区 を事例研 究 の対 象 に取 り上 げ, こ れ ら都市基盤整備計 画 にお ける住民 参加手法 と して階 層 分析 法AHPを適用 し,改善 策 の検 討 を行 った.立 山地 区の まちづ くりにおい ては,住 民側 ,行 政側 の両 者 ともに 【防災】 を第一 に考 えてお り,各整備方法 に つ いて も, ほぼ同様 の方法 を望 んで いる こ とが把鐘 で

(7)

斜面市街地 にお ける居住環境改善策‑ のAHPの適用

秦‑ 9 基本 コンセプ トの重要度

評価基準 行政側B

(∋環境 0.116 (罫防災 0.404

③ 利便性 0.135 (むつ なが り 0.154

⑤ 費用 0.191

きた.具体 的な計画案 を策定す ることは住民 の方 々に は困難か も しれ ないが,い くつかの計画案 か らその地 区に適 した計画 を選択す る こ とは住民 の方 々に も可能 であ り,AHP手法 はその選択 に有 効 で あ る こ とが今 回の解析結果 よ り明 らか になった.

6.今後 の課題

斜面市街地 において, よ り良い まちづ くりを行 うた めには,住民の方 々の まちづ くりに対す る知識や関心 をさらに高 めてい く必 要が あ り,住民 と行 政の更 なる 連携 が期待 され る.加 えて,建築基準法の弾力的 な運 用 な ど,斜面市街地 の特性 に対す る配慮 も必 要である

と考 える.

参考文献

1)刀根 薫 :ゲ ー ム感 覚 意 思 決 定 法 AHP入 門, 日 科技連,pp.2‑46,1986.3

2)木下栄蔵 :わか りやす い意思決定 入門,近代 科学 ,pp.55‑65,1996.2

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参照

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