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論 文 内 容 の 要 旨

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Academic year: 2021

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(1)

氏名・(本籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与の口付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

高  野     泰(埼玉県)

工  学  博  士

工博甲第  30  号 昭和62年2月25日 学位規則第5条第1項該当

電子科学研究科 電子材料科学専攻

不純物を添加したAe2Ss3ガラスの交流導電率

(委員長)

教 授 藤 安   洋

教 授 野 上   稔  教 授 熊 川 征 司 教 授 山 田 祥 二  教 授 畑 中 義 式

論 文 内 容 の 要 旨

非晶質半導体は,欠陥または不純物による局在状態をギャップ中にもつ。これらは非晶質半導体に 固有な物性に大きな影響を与えている。Mottらは非晶質半導体内の欠陥を説明するために荷電欠陥 モデルを提案した。このモデルでは非晶質半導体内の欠陥はダングリングボンドによるものと考え た。そして非晶質カルコゲナイド半導体(S,Se,Teを含む半導体)では正に帯電した欠陥D+と負 に帯電した欠陥D ̄(荷電欠陥)が優勢であり,電子が1個だけの中性のダソグリングボンドDOは ほとんど存在しないとした。このモデルによりカルコゲナイドガラスに対して定性的な説明ができる ようになった。しかし依然として不純物添加効果に関しては不明な点が多い。

本研究では不純物添加時の局在状態及び導電機構を直接に調べる目的で,不純物を添加したAs2Se3 ガラスの交流導電率を測定した。ここで交流導電率,げaCとは角周波数山の交流電界下での導電率 から直流導電率を引いたものとして定義される。この交流導電率は主に局在状態間でのホッピング伝 導により生ずると考えられている。交流導電率の測定は周波数範囲30Hz〜1MHz,温度範囲77〜

350Kで行った。試料は融液凍結法により作製した。1価金属のCu,3価のGa,In,遷移金属で あるMnを不純物としてAs2Se3ガラスに添加した。Cu添加濃度は0.025〜2at%であり,Ga添 加濃度は0.05〜1at%である。In添加濃度は0.03〜0.3at%であり,Mn添加濃度は0.025〜0・7 at%である。

GaまたはInを添加した試料において,交流導電率は山の1乗に比例した。温度が変化してもこ

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(2)

の周波数依存性はほとんど変化しない。また交流導電率の大きさも温度にあまり依存しない。交流導 電率の大きさはGaまたはInの添加濃度が変わっても,あまり変化しない。これらの特徴は無添加 試料(不純物を添加していない試料)での交流導電率のそれと同じであった。これらの不純物を添加 しても交流導電機構は変化せず,D+とD ̄の問でのバイポーラロンホッピングが優勢であることが わかった。また荷電欠陥の密度は不純物を添加してもほとんど変化しないこともわかった。

Cuを0・1at%以上添加した試料においては室温でqac∝wO・8であった。また交流導電率の大き さはCu添加濃度が増加すると増加した。交流導電率は200K以下では温度にほとんど依存しない が,200K以上では温度が上昇するにつれて増加する。また高温域における交流導電率の増加の程度 は低周波数ほど大きい。以上の特徴はバイポーラロンホッピングでは説明できない。シングルポーラ ロンホッピングとバイポーラロンホッピングの共存を仮定することによってのみ解釈できることがわ かった。CuはD+,D ̄とは別に新しい局在状態をつくりだし,シングルポーラロンホッピングに 寄与すると考えられる。またCuを添加しても荷電欠陥が依然として存在し,その数は変化しない こともわかった。

いままで非晶質半導休における交流導電率はqac=A(uS(A,Sは周波数に無関係な定数)と記述 できた。しかしMnを添加した場合,交流導電率は上式で記述できず特異な周波数依存性を示した。

温度依存性においても交流導電率は温度の増加に対して単調には増加せず,ある温度でピークを示し た0これらはいままで観察されなかった現象である。Mnはバンドギャップ中に新しく局在状態をつ くる。Mn添加により生じた局在状態はペア(2つの局在状態の対)をつくり,すべてのペアが同じ 性質をもつ(ペア内の局在状態の問にあるェネルギー障壁の高さ及びペア内の局在状態問の距離が,

すべてのペアで等しい)と仮定すると実験結果を説明できることがわかった。他の不純物を添加した 試料及び無添加試料の場合には局在状態が空間的にランダムに分布して存在していたことを考える と,Mn添加の場合には特異であることがわかる。またこのペアの密度は0.1at%の添加濃度までは 増加し,それ以上では飽和することがわかった。

以上のようにカルコゲナイドガラス中の局在状態に対する不純物添加効果が交流導電率の測定によ って明らかになった。

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参照

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