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小中一貫校の計画的課題と空間構成に関する考察 -施設一体型校舎を事例として- [ PDF

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(1)小中一貫校の計画的課題と空間構成に関する考察 -施設一体型校舎を事例として-. 赤木 建一 1.研究の背景と目的. 学校名. 第二次大戦後の6・3制による義務教育制度により、. H18年 建設 計画 小学校 18+1 教室数 中学校 12+1. 校舎形態. Hi 校. 諸室配置 6F 5F. A. 地下 2 階 / 地上 6 階 校地面積 10178 ㎡ 保有 小学校  ー ㎡ 面積 中学校  ー ㎡. A. 長年、小学校、中学校ではそれぞれの独自性や安定性 が確保されてきた。しかしその一方で、小学校、中学 校間での指導方法や運営方法などの差が大きく、近年、 「中1ギャップ」と呼ばれる問題が顕在化してきた。 そうした中、平成 16 年 8 月に文部科学省から、義務. 学年区分. 地下 2 階 / 地上 5 階 校地面積 11480 ㎡ 保有 小学校 7136 ㎡ 面積 中学校 8146 ㎡ 学年区分. しを含む「義務教育の改革案」が発表された。それに. 5F プール. 4F A. ており、今後もこの小中学校の枠組みを超えた新たな. 保有 面積. 校舎形態. 貫教育は制度上未整備な状態であることから、現実に. SCR. SCR SCR. SCR. 8・9. 5・6・7. SCR. 3・4. 職員室. 1・2. 管理諸室. 4F. A. SCR. 3F. A. A. 管理諸室. 校舎形態. To 校. 2F. B B. N. 1F. 5・6. SCR. 3・4. SCR. 1. SCR. A. 8・9. SCR. 体育館. 3F. B. SCR. 1F 4F. 4・3・2 制. 7. 体育館. 2F A. 23928 ㎡ 小学校 9298 ㎡ 中学校 6460 ㎡. 学校名. 柔剣道場. 諸室配置. 地上 4 階. 学年区分. A. 武道場. B2F. 校地面積. 学校体系は増加が予想される。しかしながら、小中一. 1F. B1F 体育館. Ha 校. 階数. 3F 体育館 2F. A A. 建設 H20 年 計画 小学校 18+2 教室数 中学校 9+1. 呼応する形で、現在、小中一貫校や連携校が新設され. 体育館. 諸室配置. 4・3・2 制. 学校名. 体育館. 職員室 管理諸室. プール. N. 方法に加えて教育システムの接続などの制度上の見直. 校舎形態. It 校. 1・2. SCR. B2F. 建設 H19 年 計画 小学校 18+1 教室数 中学校 12+1 階数. 教育の連続性・系統性を目途として、教育内容・運営. B1F N. 4・3・2 制. 学校名. 1F. 3・4. SCR. 2F A. 8・9. 5・6・7. SCR. 3F. 階数. SCR. SCR. 4F. 2. SCR. B. 諸室配置. A. 建設 H20 年 計画 小学校 10+1 教室数 中学校 3+1. は各学校や自治体毎に施設形態、運営方法、連携方法 など、多様で独自な取り組みがなされている段階であ. 階数. 2F. 地上 2 階 A. 校地面積. り、課題が多いと考えられる。そこで本研究では、新. 保有 面積. 35547 ㎡ 小学校 3905 ㎡ 中学校 5317 ㎡. 学年区分. 設施設一体型校舎を対象として小中一貫校の計画的特. 4・3・2 制. 学校名. 徴と課題を整理し、その空間構成を考察することを目. 校舎形態. Fu 校. 階数. 2-1.調査対象. 学年区分. 平成 16 年8月以降に雑誌及びHPで発表された新. 学校名. 保有 面積. A. 3校を選定し、以上7校を調査対象校とした(図1)。. 校舎形態. Si 校. 「一貫校」とは小・中学校の校務分掌組織が一体化. A. 6・3 制. H19 年 建設 計画 小学校 12+1 教室数 中学校 9+1. 校務分掌組織が別個にあり、独立して運営されている. 階数. 地上 3 階. 学校と定義する。しかし、施設一体型の場合、その間 に明確な差異が見られなくなる傾向にあるため、本研 究では全て「小中一貫校」と表記する。. SCR. 3. SCR. 9. SCR 7・8. 管理諸室. 4F. 9. SCR プール SCR. SCR. 2F. 7. SCR. SCR. 3F 体育館. A. 1F 柔道場. 校舎形態. A. 8 管理諸室 職員室. 5・6. 3・4 1・2. 体育館. 管理諸室 A. A. 3F A. 2F 体育館 1F. 9 8 SCR. SCR. 5・6 SCR. SCR 3・4 SCR 7 SCR 管理諸室 1・2 SCR. N. 6・3 制. 表 1. 研究概要. 図1. 調査校概要. 研究方法. 調査対象. 調査概要. 資料調査①. 各建築系雑誌 各自治体 HP 文部科学省HP. 小中一貫・連携校のデータ及び平面プランの収集. 空間構成に関して各校の特徴を整理し、さらに、アン. 資料調査②. 各教育委員会. 各学校基礎データの把握. ケート調査(有効回答数 84 人、回収率 84.8%)を実. 資料調査③. 各学校. 詳細な学級教室平面プランの収集及びデータの把握. アンケート調査. 職員室及び教員コーナーに関する意識アンケート調査. 施して、分析・考察を行った(表 1)。なお、本研究. 分析と考察. 施設一体型教育校 6 校の学級担任 施設一体型教育校 7 校の学級担任. 収集資料から各学校に関する詳細な分析及び考察. 2-2.調査方法 施設台帳、学校要覧等の資料から教育プログラムと. では各学年名称を「1 ~ 9 学年」と統一して表記する。. 21-. A. 諸室配置. 40000 ㎡ 小学校 6868 ㎡ 中学校 6429 ㎡. 学年区分. 4・5・6. 1F SCR 1・2. A. 校地面積 保有 面積. A. N. Te 校. 学校名. し運営されている学校、「連携校」とは小・中学校の. プール. 諸室配置. 地下 1 階 / 地上 4 階 校地面積 34466 ㎡ 保有 小学校 9636 ㎡ 面積 中学校 7793 ㎡ 学年区分. 管理諸室. N. 階数. 校の4校、及び小中連携校から Si 校、Fu 校、Te 校の. SCR. A. 6・3 制. H20 年 建設 計画 小学校 18+1 教室数 中学校 12+3. 設施設一体型小中一貫校から Hi 校、It 校、Ha 校、To. 2F A. 48415 ㎡ 小学校 7590 ㎡ 中学校 6962 ㎡. 2.研究方法. 1∼9. SCR. 諸室配置. 地上 2 階. 校地面積. 体育館. N. H20年 建設 計画 小学校 24+2 教室数 中学校 12+2. 的とする。. 1F. A. A.

(2) 3.運営面からたみた小中一貫校の特徴. 学年. 1. 学年区分. 2. CRゾーニング. 3-1.4・3・2 制区分と 6・3 制区分. 指導方法. 小中一貫教育の最も大きな特徴として、新たな学年. Hi. 運営方式. 4. 時間割 職員室. 校の 4 校であり、学年区分 6・3 制を採用している学. 運動場 学年. 1. 2. 3. 4. 教室型. 5. 学年. 1. 学年区分. CRゾーニング 指導方法. し、その他の項目に関しては節目が様々な学年で設け られており、その区分が曖昧になっている。一方で、. 教室型. 2. 体育館 1. 学年区分 CRゾーニング. 2. To. 教室型. く、節目を様々な段階で設けることで小中間の差を段. 運動場 2. 教室型. 6. 4. 5. 6. 1. 2. 3. CRゾーニング. 6. 4. 学級担任制. 運営方式. 教室型 時間割. 特別教室型. 編成を行っている。具体的には、全学年で同一時程、. 運動場. 小学校グラウンド 1. 2. CRゾーニング 指導方法. 3. 学級担任制. 運営方式. 6 6. 4. 時間割. 5. 運動場. 8. Ha 校. られた(図 3)。これは、1、3、5 限の直前の休憩時. Fu 校. 間が長いため時間調節をそこで行い、一日の時程を揃. Te 校. To 校. Si 校. 4−3−2制. み後の5限目で授業時間を調整している学校が多くみ. 小学校グラウンド. 学年 授業時間 1 2 3 4 5 6 7 8 9 45 分 45 分 45 分. 45 分 50 分. 【校数】 7 6 5. 教科担任制. 50分/時限. 1人. 大体育館/小体育館. 中学校グラウンド. 4. 1 1 1. 45 分. 50 分. 2. 4. 1 0. 1 1. 1. 1. 3 6−3制. Hi 校. 区分制. 学校名 It 校. 登校時. 1. 1. 1. 2. 2. 1限目. 2限目. 1 1. 3. 3 限目. 2 4 限目. 3 1 昼休み. 5 限目. 図 3. 授業開始時刻を合わせている学校数. 21-. 9. 3 3. 図2. 調査校項目別区分一覧. 校 45 分+ 15 分、中学校 50 分+ 10 分)、③中休み、. える工夫を行っていると考えられる。. 7. 一体型. 体育館. 校時、授業開始の 1 限目、中休み後の3限目、昼休. 6. 普通教室型. 職員室. 昼休みで調整する等が挙げられる。中でも、一日の登. 中学校体育館. 中学校グラウンド. 一部教科担任制. 45分/時限. 校長. る、②授業+休憩の 1 単位を 60 分で合わせる(小学. 中学校校長. 中学校校務センター. 特別教室型. 教室型. せる工夫がなされており、①授業時間を全校で統一す. 普通教室型. 小学校体育館. 学年. 9. 3. 50分/時限. 小学校校長. 学年区分. 8. 教科担任制. 45分/時限. 校長. 校. 7. 3. 小学校校務センター. 向上や円滑な学校運営のために各校で授業時間を合わ. 中学校グラウンド. 6. オープンスペース型. 体育館. Te. 50分/時限. 5. 職員室. 授業に切り替えるものがある。さらに、教室利用率の. 教科教室型. ホームベース. 1人. と、授業時間が異なることから、学校毎に独自の時程 4・5 年生又は 6・7 年生の間で 45 分授業から 50 分. 3. 6. 指導方法. 業時間の 1 単位時間は小学校 45 分、中学校 50 分」. 9. 3. 一体型. 学年区分. Si. 8. 教科担任制. 小学校グラウンド. 学年. 校. 7. 大体育館/小体育館. 運動場. 程編成が挙げられる。学校教育法施行規則により「授. 6. 一部教科担任制. 45分/時限. 体育館. 一体型校舎による運営上の特徴として、特徴的な時. 50分/時限. オープンスペース型. 校長. 3-2.45 分授業と 50 分授業の時程編成. 教科担任制. セミクローズ型. 1人. 職員室. ズな移行を目指すシステムであると考えられる。. 9 2. 一部教科担任制. 特別教室型. 総合教室型. 時間割. ることがわかる。しかし、いずれも小・中学校のスムー. 3. 学級担任制. 運営方式. 校. 8. 小グラウンド/大グラウンド共有 1. CRゾーニング. Fu. 7. 一体型. 指導方法. かに接続しようとするものであるという違いが見られ. 6. 大体育館. 学年 学年区分. 6・3 制は小中間の差を確保しつつ、それらをなめら. ホームベース. 中学校校長. 特別教室型. 体育館. 階的に解消し連続させるものであるということ。一方、. 普通教室. 50分/時限. 5. 45分/時限. 校長. 職員室. 教科担任制. 3 ワンフロアに全学年配置. オープンスペース型. 時間割. 2 制とは新たな単位での学年区分を強調するのではな. 9. 2 2. 教科教室型. 一体型. 4. 学級担任制. 運営方式. 校. わらず、それと一致する傾向があること。さらに、4・3・. 3 4. 指導方法. る。以上より、CR ゾーニングは学年区分の如何に関. 8. 共有. 学年. 生の間に節目が設けられているという特徴がみられ. 7. 3 3. 1階大体育館/2階小体育館. 運動場. り、その他の項目に関しては、多くの項目で 6・7 年. 6. 一部教科担任制. 小学校校長. 職員室. 後者 3 校でも学年区分と CR ゾーニングは一致してお. 5. オープンスペース型. 45分/時限. 校長. 4. 特別教室型. 総合教室型. 時間割. 大体育館. 共有. 3. 4 4. 学級担任制. 運営方式. 校. 普通教室. 一体型. 小体育館. 運動場. Ha. 9 2 2. 1人. 体育館. ルーム(以下 CR)ゾーニングが一致している。しか. 8. 45分/時限. 校長. 小規模校である To 校を除く 3 校で学年区分とクラス. 7. 教科担任制. 特別教室型. 職員室. 学校の項目別区分一覧を図 2 に示す。前者 4 校では. 6. オープンスペース型. 時間割. ズに行うために考えられたものである。ここで、各. 中学校体育館. 3 3. 学級担任制. 運営方式. 校. 普通教室. 共有. 4 4. 指導方法. 年を区分するものであり、6・7 年生間の接続をスムー. 9 2 2. 教科担任制. 45分/時限. 小学校体育館. 学年区分. It. 8. 1人. CRゾーニング. とは 1 ~ 4 年生、5 ~ 7 年生、8・9 年生の 3 つに学. 7. 一体型. 体育館. 校 は Fu 校、Si 校、Te 校 の 3 校 で あ る。4・3・2 制. 6. 特別教室型. 校長. 2 制 を 採 用 し て い る 学 校 は Hi 校、It 校、Ha 校、To. 5. 3 3. オープンスペース型. 教室型. 校. 区分が挙げられる。調査対象校のうち学年区分 4・3・. 3. 4 4 学級担任制. 1. 1. 6 限目. 下校時.

(3) 4.施設一体型校舎における空間構成. 学校規模と階数の関係. 施設一体型小中一貫校が新設される背景は、自治体. 【CR数/敷地面積 (単位:数/1000㎡)】. 4-1.郊外型小中一貫校と都市型小中一貫校. 学校名. の教育方針、新興住宅地への学校新設、郊外又は都市 部での少子化に伴う小中合併による新設のいずれかの 場合が多い。それらの社会的背景と各校の立地及びそ の周辺状況から、郊外型小中一貫校と都市型小中一貫 校とに分類し、学校規模と階数の関係、校舎形態及び アプローチ空間に関して分析を行った(図 4)。 4-2.学校規模と階数の関係. * 9)を超える学校が 5 校、そのうち 3 校は 5 層以. It 校(30CR/11,480㎡) Hi 校(30CR/10,179㎡). 2 1.5. Si 校(36CR/24,466㎡) Ha 校(27CR/24,359㎡). 1. Fu 校(30CR/48,415㎡). 0.5 0. To 校(13CR/35,947㎡). 【階数】 1. 0. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 約48,000㎡∼24,000㎡. 約24,000㎡∼11,000㎡. ※凡例. り、都市部では既存校地利用の場合が多く、11,000. 昇降口. 線集約型. 動線(太い程人数が多い). 都市部では既存校地への高層化した校舎が増加すると. アプローチ空間. Hi校. スロープ. To校 2Fウッドデッキ. It校. 学びのゲート. Fu校. Si校. パサージュ. 中庭. 校舎. ロの字型 大きな中庭を含む形態。. 直線型 直線状の細長い形態。. 該当校:Ha校 To校. 該当校:Hi校 Si校. コの字型. 考えられ、これまで実例の少ない高層化による CR と. 門. 門から昇降口までの間を線的空間でアプ ローチを演出。. Ha校 コミュニテガーデン. 校舎形態. ㎡~ 24,000㎡程度の敷地に建設されている。今後も. 10. 敷地 面積. 具体例 該当校と. 校地、既存校地、既存校地+新校地利用の 3 種類あ. 9. 5∼8層. 門から昇降口までの間を面的空間でアプ ローチを演出。. 因は敷地面積の大きさにあると考えられる。敷地は新. L字型. 校舎が同方向に2度折れた形態。. 直線状校舎が1度折れた平面。. 該当校:Fu校 . 該当校:It校 . 図 4. 郊外型小中一貫校と都市型小中一貫校の特徴. SCR、職員室、図書室などの上下間の配置関係や、生. 小中積層. 小中分棟. ①小中積層密集型. 徒及び教員の縦動線を考慮した設計・計画が必要とな. 小中のCRが分棟で、平面上でCRが 一か所にまとまったもの。 小学生CR. 中学生CR. 小中のCRが同一平面上で一か所にま とまったもの。. 中学生CR. ○ Si 校 Te 校. ④小中積層分散型. ⑤小中分棟分散型. 小中のCRが積層し、平面上でCRが 分散したもの。. C R 分 散 小学生CR. 中学生CR. ○ Ha 校. 童・生徒相互に利用される場所が必要であり、その最. ③小中同一平面密集型. 小学生CR. 中学生CR. ○ Hi 校 It 校. は小中一貫教育の目的の一つでもある。そのため、児. 小中同一平面. ②小中分棟密集型. 小中のCRが積層し、平面上でCRが 一か所にまとまったもの。 C R 密 小学生CR 集. 小中一貫校では、年齢差の大きい児童・生徒が登下 一体感を容易に感じられるという利点があり、それら. ※注 【階数】:地階も含む 学校名 ( 全CR数 , 敷地面積 ). 2.5. 2∼4層. 上である。それらはすべて都市型に分類され、その要. 校を行うため一般的な学校では不可能な日常的交流や. Hi校 It校 Si校. 階数. アプローチ空間. 挙げられる。調査対象校中、CR 数が 27(1 学年 3CR. 4-3.アプローチ空間と校舎形態. 都市型小中一貫校. 面集約型. 施設一体型の特徴として施設の大規模化・高層化が. ると判断される。. 3. 郊外型小中一貫校 Ha校 To校 Fu校. ⑥小中同一平面分散型. 小中のCRが分棟で、平面上でCRが 分散したもの。. 小中のCRが同一平面上で分散したも の。. 小学生CR. 小学生CR. 中学生CR. ○ Fu 校. 中学生CR. ○ To 校. 図 5.CR 配置形態分類. 6. 3. 4F. 1F. 3F. 授業時間. 45 分. 4F 3F 50 分 2F. Te校. ゾーニング. 3. 授業時間. 2F. 50 分. 学年区分. 6. 1F. Si校. ゾーニング. 1F. 4. 45 分. 2F. 2F. 授業時間. 1F. 45 分. 3. 学年区分. えられる。実際、調査対象校でもアプローチ空間の工. 2F. 4. 50 分. Fu校. ゾーニング. 1. 4. 2F. 3. 授業時間. 2. 45 分. 3F. 2 50 分. 学年区分. アプローチ空間の演出が極めて重要になってくると考. 4. 2F. 3. To校. ゾーニング. 3. 3F. 45 分. 授業時間. 3F. 4F. 学年区分. 3. 2. Ha校. ゾーニング. 4F. 4F. 5. 4. 授業時間. 3. 2 45 分. 学年区分. 6. 5F. It校. ゾーニング. 7. 題点もあると考えられる。故に、施設一体型校舎では. 2. 授業時間. 8. 学年区分. 9. いこと、児童・生徒数が多いことなど、解決すべき問. Hi校. ゾーニング. 学年. あると考えられる。一方、年齢差と共に体格差も大き. 学年区分. も利用頻度の高く、日常的なものがアプローチ空間で. 3F 2F 50 分 1F 3F. 45 分. 6. 2F. 2F. 45 分. 1F. 図 6. 学年区分、CRゾーニング、時程区分の一致状況. 夫は多くみられた。アプローチ空間は郊外型の面集約. 4-4.施設一体型校舎における CR 構成. 型と都市型の線集約型の 2 つに分類される。面集約. CR 構成はその配置形態と CR ゾーニングにより決. 型では児童・生徒がコミュニティーガーデンやウッ. 定されると考えられる。配置形態は校舎形態との関連. ドデッキ、中庭といった面的広がりのある場所を介し. が強く、図5のように分類される。その特徴は、都. て交流や登下校を行う。一方線集約型は、スロープや. 市型で密集型、郊外型で分散型に、さらに、4・3・2. ゲート、パサージュといった線的空間を介して登下校. 制では積層型、6・3 制では分棟型になる傾向がある. を行うといった空間演出が行われている。これらのア. ことが挙げられる。配置形態決定後、次に CR ゾーニ. プローチ空間は校舎の軸として機能している場合が多. ングに留意する必要があり、それは学年区分と一致す. く、限られた敷地の中での校舎形態を決定する一つの. るように構成することが重要である(図 6)。これは、. 要因にもなっていると考えられる。. 3 章 -2 で述べた学年による時程のずれの発生といっ. 21-.

(4) た運営面及び、児童生徒の学年区分への帰属意識との. 科目別 SCR 共有利用の校数グラフ ※凡例. 共有利用 非共有利用. 校別 SCR 必要室数と整備室数の比較. 一致を図るためである。授業時間のずれに関しては、. 【校数】 7. 14. 授業中と休み時間の学年が同時刻に発生し、授業及び. 6. 12. 教室運営に支障が生じる場合がある。そのため、その. 3 2. 5. 10. 4. 8. を分ける必要がある。さらに、この時程編成は学年区. 理 科. 音 楽. 図美 工術. 技 術. 家 庭 科. 必要室数 整備室数. 100 * *. *. *. 80. * *. 60. 6 4. 40. 2 0. 校別 SCR 保有面積率 【保有面積/基準面積(%)】. It 校. Ha 校. To 校. Fu 校. Si 校. Te 校. 20 0. Hi 校. It 校. Ha 校. Fu 校. Si 校. 平 均. ︻校名︼. 0. *. ︻校名︼. ︻科目︼. 1. ずれが生じる 4・5 年生又は 6・7 年生の間でゾーン. ※凡例. 【室数】. 図 7. SCR 共有化の実態. 分に応じて設定されているため、学年区分と CR ゾー ニングを一致させることで解決が図られる。また、児 童生徒の学年区分への帰属意識のずれを生じさせない. 個別型. 近接型. 中学用 SCR と小学用 SCR をそれ ぞれ整備し、相互に利用する。小 中の SCR の使い分けが可能とな る。. 中学用 SCR と小学用 SCR を近接 配置し、関連教科を集約する。集 約したことで、整備室数を減らす こともできる。. 一体型. 削減型. 中学用 SCR と小学用 SCR の面積 を合算して一つの SCR を整備す る。小中の合同利用が可能となる。. ためにも、学校生活の中心となる CR のゾーニングと 学年区分の一致は重要であると考えられる。. 中学用 SCR と小学用 SCR の共有 利用を前提として、一つの教室を 整備する。SCRの面積を削減す ることができる。. 図 8.SCR 小中共有化パターン分類. 4-5.施設一体型における SCR 構成. 4-3-2 制. 施設一体型での SCR 構成の留意点として、小中間. N=40. 6-3 制. N=41. 0. SCR 共有利用を考慮する点が挙げられる。この共有利. 20. 40. 60. 80. 100 【%】. ※凡例. 用により学習面での交流・連携が促進される。実際、. 不満. 学年区分. 共有利用を行っている学校は多く、共有利用の多い科. やや不満. やや満足. 満足. N値. 図 9. 一体型職員室に関する意識調査アンケート. 目は家庭科、音楽であり、共有化することで整備室数. 9. 及び保有面積を削減している現状がある ( 図 7)。共有. 7. 方法としては、個別型、近接型、一体型、削減型の 4. 5. N=12. 8. N=11 N=12. 6. つに分類できる(図 8)。しかし、このうち削減型は. N=11 N=9. 4. N=9. 2. N=11. 3. 学習面であまり効果的でないと考えられる。その理由. N=9. 1. N=9. 0. として、時程のずれによる教室利用率低下、小中での. 20. 40. ※凡例 学年. 器具の差異等が挙げられる。故に、SCR 空間構成は、 一体校となり関連教科における整備可能室数の増加を. 学年教員コーナーは 無く、不要である. 学年教員コーナーは 有るが、不要である. 学年教員コーナー不要. 60. 80. 100 【%】. 学年教員コーナー必要. 学年教員コーナーは 無く、必要である. 学年教員コーナーは 有り、必要である. N値. 図 10. 学年教員コーナーに関する意識調査アンケート. 利用した近接型による関連教科の機能別教室整備や、. 5. まとめ. 複数学級が同時に授業展開可能な広さを確保し、可動. 本研究では施設一体型校舎を事例として、1)4・3・2. 間仕切りによる可変的な室利用を可能とした一体型の. 制では接続を段階的に行い、6・3 制では節目を設け. 空間構成が学習面からみて有効であると考えられる。. ること、2) 各校独自に学年間の時程を合わせる工夫. 4-6.施設一体型における職員室構成. を行っていることを明らかにした。さらに、一貫校を. 職員室構成は、Si 校を除く6校で一体型職員室が. 郊外型と都市型に分類し、3) 高層化による上下間の. 採用されている。小中一貫校では、小・中学校の教員. 配置関係や縦動線を考慮した設計・計画が必要となる. 同士の連携、協働、打ち合わせ、交流が必須であると. こと、4) 一体型校舎におけるアプローチ空間が校舎. 考えられる。教員の職員室に関する意識調査アンケー. 形態の軸となることを明らかにした。さらに、空間構. トでは 4・3・2 制、6・3 制の学校共に一体型職員室. 成に関して、5)CR ゾーニングと学年区分とを一致さ. で「やや満足」、「満足」が合わせて約 90%を占めて. せる必要性、6) 学習面から SCR の共有化は関連教科. いる(図 9)。理由は、教員同士の情報交換の容易さ、. 近接型及び一体型が効果的であること、7) 職員室は. 小中の学校文化を超えた一体感などが挙げられる。ま. 小中一体型が有効であり、学年教員コーナーは小学校. た、学年教員コーナーに関するアンケート調査では、. 中・高学年の整備が優先的であることを明らかにした。. 4、5 年生で「必要」が約 80%を占め、低学年及び中. 今後は、より詳細な実態分析等を通じて新設施設一体. 学生では「不要」という意見が増加する。これは、小. 型小中一貫校における空間計画における検証を行う。. 学校低学年は CR 周辺での活動が多く、中学生は教科 担任制に移行するためであると考えられる。以上のこ とから、小中一貫校では一体型職員室が望ましいこと、 学年教員コーナーは小学校中・高学年を優先的に整備 する必要があるということが分かる。. 謝辞 調査にあたり各市町村の関係者の方々、並びに各小中学校の先生方には多大なご協 力を戴きました。記して心より感謝いたします。 注釈 1)倉斗綾子 , 上野淳他:学校運営と学習・生活活動の実態からみた小中一貫校の建築 計画的考察 , 日本建築学会技術報告集 , 2008 年 6 月 2)国立教育政策研究所 文教施設研究センター:小中一貫の特色を活かした学校づく り , 「小中一貫教育校における学校施設の在り方に関する調査研究」研究会 , 2009. 21-.

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