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KPMGの担当として参加した第25回 ITS世界会議 第 25 回 ITS 世界会議のオープニングセレモニーの模様

第25回ITS世界会議参加レポート

∼マイカー規制に傾く世界の

都市交通政策と顕在化してきた

MaaSの課題∼

KPMGの担当として参加した

 第25回ITS世界会議

 ITS 世界会議は欧州、アジア太平洋、アメ リカ大陸の 3 地域が毎年交代しながら開催さ れている高度交通システム(ITS)の世界会議 です。欧州の ERTICO、アジア太平洋の ITS Japan、アメリカの ITS America という ITS 団体が各地域を代表し、3 団体が連携する形 で実施されています。第 25 回は ERTICO が 主催する会であるため、デンマークのコペン ハーゲンで開催されました。 経済産業省時代から電気自動車や燃料電池自 動車などパワートレインの分野を中心に取り 組んできた私にとって ITS とはクルマの外の 別世界であり、経済産業省自動車課でも ITS 室長(現 ITS・自動走行推進室長)が担当して いたことから無縁の世界でした。しかし、近 年では ITS 世界会議が MaaS や自動運転に関 するキーパーソンが集結する国際会議という 位置づけになっていると聞き、アドバイザー を務めている KPMG(KPMG モビリティ研 究所/あずさ監査法人テクノロジーイノベー ション支援部)の担当者として参加する機会を 頂くことができました。  実は今回のコペンハーゲン訪問及び欧州出 張には ITS 世界会議に出席するという目的に 加えて 3 つの目的がありました。一つ目は、 ITS 世界会議の開催前に同じ会場で実施される 第 4 回 MaaS Summit への出席です。二つ目 は 3 月のフィンランド訪問以来、懇意にして いる Business Finland からの提案で KPMG Japan が協賛した MaaS セミナーの開催で す。そして三つ目はドイツのミュンヘンに移 動して KPMG グループの中で自動車・モビリ ティ分野において最も積極的に取り組んでい る KPMG Germany の Automotive チ ー ム との意見交換です。  ITS 世界会議への参画に加えて、サイドイ ベントの主催や参画などによって分かったこ とは、①規制改革の追い風を受けて立ち上がっ た MaaS ビジネスが想像以上に課題山積と なっていること、②欧州の都市交通政策がマ イカー規制に更に傾いており、自動車メーカー でさえもシェアリングサービスに本格的に 乗り出す必要性に迫られていること、そして

 2018 年 10 月 4 日にソフトバンクとトヨタ自動車が新しいモビリティサービスの構築に向け

て共同出資会社を設立すると発表しました。ソフトバンク・ビジョン・ファンドなどを通して米

UBER、東南アジア GRAB、中国 DiDi などのライドシェア大手に巨額の出資を行ってきたソ

フトバンクと、世界的な自動車メーカーでありモビリティカンパニーへと変貌することを目指して

いるトヨタ自動車が手を組むことは、MaaS に向けた取り組みを更に加速することになると思わ

れます。実際に両社が共同で設立する MONET Technologies 社では未来の MaaS 事業

に向けて、移動中に調理をして宅配するサービス、移動中に診療を行うサービス、移動型オフィ

スなどを提供していくことを目指すとしています。

 国内でもようやく認知が広がり始めた MaaS ですが、一歩先を行く海外では既に MaaSビ

ジネスの課題が顕在しつつあります。9 月 17 日から 21 日にデンマークのコペンハーゲンで開

催された第 25 回 ITS 世界会議では、世界中で実証実験や事業化が進む MaaS や自動運

転について徹底した議論が行われました。ITS 世界会議とは、ITS=高度交通システムの普

及を目指して自動車メーカー、システムベンダー、関係省庁などが一堂に会して議論するため

に設立された国際会議ですが、近年において自動運転や MaaS の取り組みが急速に進む中

で、これらの新しい分野で取り組む関係者にとってのネットワーキングの場となりつつあります。

 そこで「胎動する次世代ビークルの世界」第 13 回ではインタビュー取材を小休止し、第 25

回 ITS 世界会議の模様と、様々なセッションを通して見えてきた世界の都市交通政策の変貌

と顕在化してきた MaaS の課題についてレポートしたいと思います。

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MaaS Alliance が主催した第 4 回 MaaS Summit の様子 スウェーデンの UbiGo 社のプレゼンテーションタイトル(ITS 世界会議での発表より)

フィンランドの MaaS Global 社が提供する定額マルチモーダルサービスのWhim 出典:https://maas.global/

スウェーデンの UbiGo 社が提供するマルチモーダルサービス(ITS 世界会議での発表より) ③改めて欧米中の都市交通政策が新しいモビ リティビジネスのインキュベーション機能を 担っている実態が浮き彫りになったことです。 今回はこれらの内容について詳しくレポート したいと思います。

想像以上に課題山積のMaaSビジネス

 ITS 世界会議が始まる直前の 9 月 17 日㈪ の午前中に開催されたのが MaaS Alliance が 主催した第 4 回 MaaS サミットです。MaaS Alliance とは MaaS に関する官民のコンソー シアムですが、その会長は欧州の ITS 団体 である ERTICO のトップが務めています。 Alliance のメンバーには 3 月に訪問したフィ ンランドの運輸通信省、MaaS Global 社が 入っており、コペンハーゲン市、ヘルシンキ 市、バルセロナ交通局、ミラノ市といった自 治体やmoovel(ダイムラー系のMaaS 会社)、 EasyMile(自動運転バスのスタートアップ)、 UBER、Via(ニューヨークを中心としたライ ドシェアのスタートアップ)なども参画してい ます。9 月 17 日に開催された MaaS Summit では、フィンランドで MaaS 推進のために 大胆な規制改革を断行した Berner 運輸通信 大臣、欧州委員会で運輸交通を担当する最高 責任者である Bulc コミッショナー、そして MaaS Alliance 及び ERITICO のトップであ る Bangsgaard 会長が参画し、MaaS ビジネ スに関する喧々諤々の議論が行われました。  Summit では①データの扱い、②規制の仕 組み、③インフラや都市計画、④サービスの あり方やビジネスモデルという 4 つのテーマ が設定され、それぞれのテーマについて予め 決められた4つのチームが議論するという形 式で進められたのですが、議論の結果として 浮かび上がってきたことは MaaS、特にフィ ンランドの MaaS Global 社やスウェーデン の UbiGo 社が展開している「マルチモーダル サービス= MaaS オペレーター」のビジネスに 様々な課題が顕在化してきたことです。  MaaS オペレーターとは電車やバスなどの 公共交通、レンタカー、カーシェアリング、 タクシー、自転車シェアリングなどのあらゆ る移動サービスを統合し、パッケージ化され たサービスとして提供する事業者のことを指 します。代表的なフィンランド発の MaaS Global 社では Whim という定額サービスを 提供しており、月額 499 ユーロ(約 6 万 5 千 円)を支払えばヘルシンキ市内のタクシー、 レンタカー、カーシェアリング、公共交通、 自転車シェアリングが使い放題となるサービ スを提供しています(図を参照)。スウェー デンを代表する MaaS オペレーターである UbiGo 社でも同様のサービスを提供していま す。ただし、これらの MaaS オペレーターの 大きな特徴は彼ら自身が移動サービスを提供 するのではなく、既存のサービス事業者と提 携することで複数のサービスをパッケージ化 (aggregate)しているということです。一方、 UBER などのサービス事業者も MaaS を目指 しているといわれていますが、彼らの場合は ライドシェアや自転車シェアなどのサービス を自ら提供していますので、MaaS オペレー ターとは異なるビジネスモデルといえます。 この点は MaaS ビジネスを語るうえで留意し ておくべき重要な点です。

 MaaS Summit での議論や ITS 世界会議に

おける MaaS に関する様々なセッションでは MaaS オペレーターのビジネスモデルについ ての様々な課題が挙げられていました。代表 的なのは MaaS オペレータービジネスが「儲 からない」ということです。スウェーデンの UbiGo の担当は “Show Me The Money” と いうタイトルで プ レ ゼ ン テ ー ション(写真参 照)を行い、複 数のモビリティ サービスを統合 するだけでは十 分な付加価値が 出せず、儲から な い こ と を 明 らかにしました。同じ プレゼンテーションの 中で語られたことは、 MaaS オペレータービ ジネスはネット通販の アマゾン、旅行サイト のエクスペディア、民 泊サイトの Airbnb(エ アビーアンドビー)の ようなプラットフォー マ ー 型 の ビ ジ ネ ス モ デ ル に は な り に く い と い う こ と で す。 な ぜならば、プラットフォーマー型ビジネスで は膨大な顧客層を抱えることで小規模事業者 から 25%もの手数料を取ることができます が、MaaS オペレータービジネスの場合は顧 客がローカルに偏ってしまうことから顧客層 が小規模に限定されてしまうからとのことで した。フィンランドの MaaS Global 社は、 MaaS オペレータービジネスを通してモビリ ティ版の Netfl ix(動画配信サービス)を目指す

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と主張してきましたので、UbiGo のこのプレ ゼンテーションは MaaS Global が掲げる理 想が現実的には難しいことを裏付けたといえ ます。  MaaS オ ペ レ ー タ ー ビ ジ ネ ス に つ い て 顕在化した課題はビジネスモデルだけでは あ り ま せ ん。 ① 利 害 対 立、 ② 相 互 運 用 性 (Interoperability)、③データ、④交通政策に ついても課題が明らかになってきました。そ れぞれについて解説していきたいと思います。 ① 利害対立の問題  MaaS オペレーターと様々なモビリティ サービスの事業者との間で利害対立が発生し ているという問題です。MaaS オペレーター が自らサービスを提供せずにサービス事業者 と提携する形をとっていることに起因してい るわけですが、カーシェアリングや自転車シェ アなどのモビリティサービスを提供している 事業者にとってみると、新規の顧客を獲得で きたり、これまで以上の収益増が見込めたり しない限りは MaaS Global や UbiGo のよう なパッケージ型サービスと提携するメリット はありません。また、パッケージ型のサービ スに組み込まれることによって、顧客との対 面が自社ではなく MaaS オペレーターになっ てしまうため、顧客からのフィードバックが 無くなってしまうというデメリットも抱え込 んでしまいます。そのため、MaaS オペレー ターは提携してもらえるサービス事業者探し に苦戦しているようであり、実際に UbiGo の 担当者は顧客獲得よりもパートナー事業者獲 得に苦労するほうが多いと語っていました。 ② 相互運用性(Interoperability)の問題  相互運用性とは MaaS オペレーターが公共 交通機関や複数のサービス事業者とシステム を統合する際に発生する問題のことを指しま す。それぞれのサービス事業者が独自の予約・ 発券・決済システムを構築していることから 統合型のサービスを提供しようとすると異な るシステムやアプリとの連携が必要となって きます。かつて GSM という携帯電話の通信 方式で国際標準化に成功したフィンランド政 府としては MaaS についても国際標準を握っ ていきたいという意向があるようで、Berner 運輸通信大臣の発言からはその意向が透けて 見えました。しかし、欧州委員会の Bulc コミッ ショナーはまずはビジネス面での連携が先で あり、規制を入れるには時期尚早という考え を示しました。 ③ データの問題  データの問題とは①の利害対立にも関係す る話ですが、MaaS オペレーター、モビリティ サービス事業者、公共交通事業者の間でデー タの取り扱いに関する利益相反が発生すると いう話です。公共交通事業を抱える行政とし ては、公共交通の利便性向上や利用率向上に つながるデータをフィードバックしてもらえ るとの期待から MaaS オペレーターなどの民 間事業者に公共交通に関するデータを提供し ています。また、MaaS オペレーターと提携 するモビリティサービス事業者としては提携 の見返りに MaaS オペレーターからユーザー に関するデータを入手したいと考えていま す。一方で、MaaS オペレーターとしてもモ ビリティサービス事業者が既に保有している 顧客のデータを入手したいと考えています。 つまり、誰もが顧客データを入手したいと考 えており、多くの顧客データをつかんだもの が競争優位に立てることからデータをめぐる 対立はなかなか解決しないと思われます。 ④ 都市によって異なる交通政策  MaaS オペレーターにとっての更なる悩み は国や都市によって異なる交通政策です。フィ ンランドやスウェーデンのように “MaaS オペ レーター ” というビジネスを創出しようとして いる国や都市では MaaS オペレーターが自ら 事業展開できる可能性が高いといえます。一 方で、ITS 世界会議が行われたコペンハーゲン では、市の交通局が MaaS 専用のアプリを提 供することで、できる限り公共交通を組み込 んだ移動を奨励しています。同様の取り組み はオーストリアのウィーン市でも行われてい ます。こういう都市では交通局が競合相手と なってしまうため、MaaS オペレーターにとっ て事業展開する魅力が低いと思われます。更 に、日本など MaaS への関心が高まっていな い国や都市への事業展開は簡単ではありませ ん。このような事情を踏まえると、MaaS オ ペレータービジネスの事業環境は交通政策に よるところが非常に大きいといえます。  また、コペンハーゲン市の例が示す通り、 都市交通当局の関心は市内の渋滞や環境問題 を解決することにありますので、自家用車の 利用を減らし、公共交通や自転車などの利用 を増やすことができれば MaaS オペレーター のビジネスの成否にはこだわらないと思われ ます。  第 7 回で報告したヘルシンキ出張レポー トでは、MaaS ビジネスの普及のためにフィ ンランドの運輸通信省が規制の大改革を進め たことをお伝えしましたが、今回の MaaS Summit や ITS 世界会議を通して分かったこ とは、規制改革だけでは MaaS ビジネスが軌 道に乗るわけではなく、異なる事業者との利 害調整、都市交通政策との融合、稼げるビジ ネスモデルの確立など様々な課題を解決しな ければ本格普及に至らないということでした。

“MaaS 原理主義者 ” の主張と

 自動車業界との対立

 ITS 世界会議の初日である 9 月 17 日㈪の 夜にはデンマーク市内にあるフィンランド大 使公邸において Business Finland、フィン ランド運輸通信省、KPMG Japan で共催し たフィンランド MaaS セミナーが行われま し た。MaaS 推 進 の 旗 振 り 役 と し て 大 胆 な 規制改革を進めた Berner 運輸通信大臣が自 らオープニングスピーチを行い、Business Finland の Mikko Koskue 氏、MaaS Global の Hietanen CEO がプレゼンテーションを行 い、日本側を代表して私が日本における MaaS の現状と課題についてお話ししました。  Berner 運輸通信大臣のスピーチについて最 も興味深かったことは、彼女が原稿なしでス ラスラとスピーチを行ったことです。政治シ ステムの違いがあるのでしょうが、政策の中 身について熟知している人がトップに立って いることの強みを感じた瞬間でした。その上 で、何度も強調していたことは、これからの 時代は何よりもデータが大事になっていくと いうことと、変革の波はモビリティの分野だ けでなく医療、エネルギー、住宅などにも広 がっていくだろうということです。変革の波 を感じ取り、先行して規制改革などの政策を

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MOIA 社が開発したシェアドバン車両(ITS 世界会議における展 示ブースにて) パネルディスカッションで発 言する MOIA 社の CEO である Harms 氏(ITS 世界会議より) 断行していく行政トップのスタンスは日本国 としても見習うべきことが多いと感じました。  フィンランド MaaS セミナーの中で、是 非 と も 取 り 上 げ た い の は MaaS Global の Hietanen CEO が「一般家庭の移動支出のう ちの 85%が自家用車の購入と維持に使われて おり、残りの 15%が公共交通やモビリティ サービスに使われていることから、15% の中 での奪い合いではなく、85% を含めたあらゆ る移動支出を MaaS Global が提供していき たい」と発言したことです。これにより彼らは 自動車メーカーのビジネスモデルにチャレン ジしていくスタンスを明確にしたのです。実 は、同様の発言はスウェーデンの UbiGo の担 当者も行っており、「MaaS ビジネスとはクル マ所有との競争である」と述べ、そのために決 済システムを含めてあらゆるサービスの統合 が必要と主張していました。  また、米国で MaaS 推進の中心人物と思わ れ る Schweiger Consulting の Schweiger CEO は ITS 世界会議でのプレゼンテーション において MaaS 及び MaaS でないものを次の ように定義していました。 ・ MaaS とは需要に応じてあらゆる交通サー ビスを一つのサービスに統合したもの ・ ライドシェア、カーシェア、自転車シェア、 自動運転バスだけでは MaaS とは言えない ・ 自家用車通勤からのシフトを促すサービス 提案や優遇サービスも MaaS ではない ・ 運転ができない移動弱者に対する代替サー ビスも MaaS ではない ・ 個人向けのモビリティを中心として様々な モビリティサービスを統合したものの MaaS ではない つまり、MaaS オペレーターのようなビジネ スモデルだけが MaaS と呼べると主張してい るわけです。  私はこのような主張をする人たちを勝手に “MaaS 原理主義者 ” と呼ぶことにしました。 MaaS 原理主義者は「MaaS こそがユーザーに 提供しうる未来の移動手段であり、その最終 目的は自家用車の所有をあきらめさせること だ」と信じています。  そういう MaaS 原理主義者に対して異論を 唱えたのがフォルクスワーゲングループでシェ アドバン事業を展開する MOIA 社です。MOIA 社の CEO である Harms 氏はパネルディス カッションで「MaaS のような異なる移動手段 をつなぐプラットフォームの必要性は分かる が、本来の目的は都市の渋滞を減らすことであ り、そのためにはクルマを置いて出かけたく なるサービス提案のほうが重要」と主張しまし た。つまり、既存のサービスを組み合わせるだ けではユーザーはクルマを置いて出かけようと しないし、そもそもクルマの所有をあきらめな いだろうと言い切ったわけです。  MaaS 原理主義者 vs 現実主義者の対立は、 自動車産業を抱えている国か否かということ も影響しているように思います。ただ、MaaS 原理主義者が十分に理解していないことは、 MaaS を本格的に普及させていくために必要 となる自動運転や AI といった最新技術、電気 自動車や燃料電池自動車などの次世代パワー トレイン技術に対して巨額の投資が可能なの は、自動車産業か米中の IT ジャイアント(グー グル、アップル、バイドゥ、アリババなど)で あるということです。したがって、MaaS 原 理主義者がこのまま自動車業界と敵対するよ うなスタンスを貫き続けると、米中の IT ジャ イアントの軍門に下るという判断をしない限 り、自動運転・AI・次世代パワートレインな どの最新技術を活用することができないこと になります。   フ ィ ン ラ ン ド MaaS セ ミ ナ ー に お い て MaaS Global の Hietanen CEO は「 ク ル マ を所有することが夢であったように、MaaS にふさわしい夢が必要」と語りました。つま り、複数の移動サービスを束ねただけでは自 家用車所有をあきらめさせることが難しいこ とを既に理解しているのです。  MaaS 原理主義者の中からも、MaaS の本 格的な普及のためには今のような統合された サービスの提供だけでは利用者が十分に増え ないため、デベロッパーを巻き込んで MaaS サービスが予め組み込まれた不動産を提供す る、企業から従業員に支給されているガソリ ン代補助(Company Car)を MaaS や公共交 通手当に振り替えるべきといった議論が出ま した。    MaaS オペレーターのビジネスモデルが成 立しうるかが微妙なタイミングにおいて、巨額 の研究開発投資が可能となる自動車業界と対立 するスタンスをとっていることは、MaaS オ ペレーターというビジネスの将来性の危うさに つながるのではないか、それが MaaS を取り 巻く様々な議論を経て感じた私の結論です。

都市交通から排除される傾向にある

 自家用車

 フォルクスワーゲングループである MOIA 社の CEO が「クルマを置いて出かけたくなる サービス」を提案しようとしていると発言して いましたが、MOIA 社では都市に増えすぎたク ルマを減らし、都市を市民の手に戻すためにク ルマ中心から人間中心への都市交通とシフトさ せることを目指しています。自動車を大量生産 し、自家用車による移動であるモータリゼー ションを推進してきた会社の代表例がフォルク スワーゲンですが、同社の関連会社がモータリ ゼーションと逆行する取り組みを目指している ことに驚きを隠せませんでした。  フォルクスワーゲンが MOIA のような部門 を設立した背景には、欧州の都市部において 自家用車移動の制限が年々厳しくなっている ことがあるのではないかと推測しています。 現にロンドンやストックホルム(スウェーデ ン)では市内中心部に乗り入れる一般車両に対 して Congestion Charge(渋滞税)が賦課さ れています。今回訪れたコペンハーゲン市で も自家用車を排除していく交通政策がとられ ていることが随所から感じられました。

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自転車専用道路の入り口(左)、自転車専用道路を通行する様子(右) 自動運転のコペンハーゲンメトロ(左) 現在の路線図(右) コペンハーゲンメトロの最終的な路線計画 (出典:コペンハーゲンメトロのサイトより) 市内の自転車道の様子 サイクリストとして PRしていたデンマーク皇太子  コペンハーゲン市では 2013 年に温暖化対 策である Climate Plan を策定し、2025 年 までに市全体での CO2排出量をゼロにする= カーボンニュートラルを目指しています。そ の目標の実現のため、交通分野では交通モー ドの優先順位を①自転車、②歩行者、③公共 交通、④自家用車と位置づけ、基本的に自転 車、歩行者、公共交通を主体とした街づくり を進めており、これまでに 800 万ユーロ(約 10 億円)を投入しています。  代表的なのが自転車道の整備と自転車用信 号の導入です。 久しぶりにコペンハーゲンを訪 れましたがオランダのアムステルダムのように 市内にくまなく自転車道が張り巡らされ、 若者 だけでなく、子供連れの母親や年配の人たちま で自転車で移動していることに驚きました。 既 にコペンハーゲン市内の通勤・通学者の 4 割 以上が自転車を利用しているとのことですが、 市内の一部には自転車専用道路も設けられ、 とにかく自転車が最優先の移動手段として位置 づけられていることの印象を強く受けました。 実際にオープニングセレモニーでスピーチした デンマーク皇太子もご自身がサイクリストであ り、コペンハーゲンはサイクリストにとって最 適な街であると発言されていました。 私が訪問 した時期が9月というサイクリングに最適な気 候であったため、自転車移動の違和感は全くあ りませんでしたが、 夏や冬などの状況をコペン ハーゲン市の担当に聞いてみたところ、コペン ハーゲンは降雪が少なく、 豪雨も少ないので自 転車移動が可能とのことでした。ただし、タク シードライバーによると雨の日は市内の道路の 渋滞が相当ひどくなるとのことですので、 必ず しも自転車中心主義の交通システムが万全とい うわけではなさそうです。いずれにせよ、 高温 多湿で豪雨も降雪もある日本ではここまでの自 転車中心主義の交通政策をとることは難しいだ ろうと思いました。  コペンハーゲン市の取り組みとしてもう一 つ代表的なのは自動運転メトロの導入です。 空港と市内を結ぶ路線を含めて2路線が既に 整備されており、2019 年 7 月に開通予定の 環状線 M3、その後に開通予定の M4 を含め て 2024 年には 4 路線となる計画です。実際 に自動運転メトロの乗車してみましたが、海 外の空港などで利用する無人列車の乗車感覚 に近く、同じく自動運転のゆりかもめと比較 すると圧倒的に加速が良く、スピードも出て いました。ちなみに 2020 年以降に日立製作 所製の車両が導入されるようです。  このようにコペンハーゲン市の交通政策は 自家用車を都市交通から極力排除していく方 向で進められており、環境派の市長が台頭す る中でこのような政策は欧州各地で広がりつ つあるものと思われます。

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ITS 世界会議の会場と最寄り駅を結ぶ自動運転バスによるシャトルサービス

様々な自動運転車両がデモ走行する会場内(左:イギリスの Pathfi nder、右:フランスの Navya 社の Autonom Cab)

モノレールの代 替として低 速自動 運 転バスを活 用した新しい交 通システムの構 想( 米 Jacksonville 交通局の発表資料より)

欧州にも広がりつつある

 ポートランドモデル

 コペンハーゲン市の交通システムを体験 し、米国オレゴン州のポートランド市のモデ ルと近似しているのではないかとの印象を持 ちました。ポートランドは健康で持続可能な 生活様式を重視する LOHAS で有名な街です が、コペンハーゲン市はそれと似たコンセプ トである QoL(Quality of Life)=生活の質を 向上させることを狙いにしています。実際に 今回の第 25 回 ITS 世界会議も QoL が副題と なっています。  LOHAS や QoL 向上を重視する都市にとっ て、自転車移動の増加、歩きやすい街づくり、 LRT やメトロなどの公共交通の充実は、環境 問題の解決、利便性向上、健康的な生活の全て を満たすものとしてとらえられているように思 います。今回の国際会議で何度か聞いた表現と して active mode(アクティブモード)という 英語があります。要するに自ら歩くこと、自転 車をこぐことを指す表現なのですが、active mode を増やしていくことは健康・環境・移動 の 3 つを解決する重要な要素であるという捉 え方が広がりつつあるように感じます。  20 世紀はモータリゼーションの急速な進展 により自家用車保有率が上昇し、自動車産業 が世界有数の巨大産業として台頭しました。 しかし、ポートランド市が LOHAS を重視し active mode が中心となったコンパクトシ ティ化で都市開発に成功したことによって、 都市中心部から自動車を排除する都市交通政 策が欧米主要都市のトレンドになりつつある と感じています。  フォルクスワーゲンやダイムラーなどの自 動車メーカーが本腰を入れてモビリティサー ビスに取り組んでいるのも、こういったトレ ンドに逆らうことはできないと考えているか らかもしれません。

世界各国で導入が進む自動運転バス

 今回の ITS 世界会議においてセミナーと並 行して目玉であったのが展示ブースと自動運 転車両の体験コーナーです。中でも目を引い たのが最寄り駅であるメトロの Bella Center 駅とセミナー会場である Bella Center の入 り口を往復していた Navya の自動運転バス サービスです。写真にあるように歩道・自転 車道・車道をまたがるように設けられたルー トを時速10km 未満のスピードで完全自動に て走行します。この車両には運転席は全くな く、手動での運転が必要になった場合にはゲー ムのコントローラーのようなもので車両を操 作するようですが、決められたルートを走行 している限りはコントローラーで操作する必 要はなさそうでした。 何よりも素晴らしいと感じたのはこのサービ スの便利さです。駅から会場入り口までは徒 歩では 5 分程度の距離ですが、すぐに飛び乗 ることができれば歩くよりもわずかに早く会 場に到着することができます。着座と立ち乗 り合わせて定員は15人乗りとのことでちょ うど電車のドア一つ分が車両になったような イメージでした。  日本ではハンドルのついた運転席がついて いる車両でなければ規制面での課題が多いよ うですが、低速自動運転バスに初めて乗って みて「これは使えそう」という印象を持ちまし た。国内でも徒歩10分程度の距離のある場 所は数多くあります。中でも、東京ビッグサ イトと国際展示場駅、幕張メッセと海浜幕張 駅、パシフィコ横浜と桜木町駅、ポートメッ セなごやと金城ふ頭駅など、国際展示場と最 寄り駅はそうなっているケースが大半です。 費用負担の問題を解決する必要があります が、低速自動運転バスの潜在需要は大きいと 感じた体験でした。  ITS 世界会議での発表を聞いていると、低速 自動運転バスの試験導入は世界各地で進んでい る模様です。ニュージーランドで低速自動運 転バスを開発する HMI Technologies はクラ イストチャーチ、メルボルン、シドニーにお いて低速自動運転バスの実 証実験を行っています。興 味深いのは米国フロリダ州 Jacksonville 市 の 取 り 組 みです。市の交通局は NFL スタジアムの近くに 1 / 3 マ イ ル(500m 程 度 )の 自 動運転専用道路を整備して Ezmile や Navya などの低 速自動運転バスの実証実験 を行っています。彼らの最 終的な狙いは自動運転バス を高架で走行させる仕組みを構築し、老朽化が 進んでいるモノレールの代わりにすることのよ うです。実際にこのシステムが実現すれば、自 動運転技術が本格的な公共交通システムとして 採用される初のケースになるものと思われます。

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急成長したロサンゼルス市の e-scooterビジネスについて解説したパナソニックの Wendt EVP

都市との連携がモビリティサービスの

 成否を決める

 ITS 世界会議での議論を通して強く感じた ことは都市との連携こそがモビリティサービ スの成否を決めるということです。フォルク スワーゲングループの MOIA 社は来春からド イツのハンブルグ市でシェアドバンの実証実 験を開始することを表明しました。その規模 は 500 台から 1000 台とのことであり、桁違 いの規模に圧倒されます。MOIA の CEO であ る Harm 氏は実証実験の場所としてハンブル グ市を選んだ理由について「電気自動車である シェアドバンの実証のためには数多くの急速 充電設備の設置が必要となるが、そういった インフラ設置の面でも協力的なのでハンブル グ市を選んだ」と発言しています。企業が構想 するモビリティサービスに都市側が歩み寄る ことでそのサービスの実用化への道筋が具体 化していくのです。  また、パネルディスカッションに参加して いたパナソニック北米社の Wendt Executive VP は「ロサンゼルス市に 2 年前には全く存在 していなかった e-scooter(電動スクーター) が今では街中にあふれかえる状態となってい る。その結果として、ロサンゼルス市は導入 地下鉄、バス、道路などのあらゆるビッグデー タをオープン化することで市内の交通円滑化 に向けた取り組みを進めているとのことでし たが、欧米では国際会議に州や市の交通局の 担当者が出席することで最新の情報を共有す るとともに、国境を越えた都市間の競争が行 われているのではないかと感じました。 一方、今回の ITS 世界会議において、日本の 都道府県や市区町村の交通担当者がプレゼン テーションを行っている姿は目にすることは ありませんでした。もし他の国際会議でも同 様なのであれば、モビリティサービスの展開 において日本が更に周回遅れになっていくこ とは避けられないと思います。

モビリティビジネスのインキュベーション

 機能を担っていることが明らかとなった

 都市交通政策

 最後に今回のコペンハーゲン訪問の全体を 通した感想を述べたいと思います。  最初に述べたいことはフィンランドやス ウェーデン発で生まれた MaaS オペレーター ビジネスが曲がり角に来ているということで す。規制側の対応が先行する形で登場した Whim などのマルチモーダルサービスですが ①提携事業者の確保、②収益性の確保、③顧 客を虜にする付加価値の提供など、ビジネス モデルを確立させるうえでの課題が山積して いることが明らかとなりました。加えて、彼 らが自動車所有を切り崩そうとすることで、 高い技術や巨大な投資余力を持つ自動車産業 を敵に回しかねない姿勢を選んでしまったこ とも事業の成長性にネガティブなインパクト を与えかねないと感じました。  次に述べたいことは欧米中の主要都市が新し いモビリティビジネスのインキュベーション機 地下鉄、バス、道路などのあらゆるビッグデー タをオープン化することで市内の交通円滑化 に向けた取り組みを進めているとのことでし たが、欧米では国際会議に州や市の交通局の 担当者が出席することで最新の情報を共有す るとともに、国境を越えた都市間の競争が行 われているのではないかと感じました。 一方、今回の ITS 世界会議において、日本の 都道府県や市区町村の交通担当者がプレゼン テーションを行っている姿は目にすることは ありませんでした。もし他の国際会議でも同 様なのであれば、モビリティサービスの展開 において日本が更に周回遅れになっていくこ とは避けられないと思います。  最後に今回のコペンハーゲン訪問の全体を 通した感想を述べたいと思います。  最初に述べたいことはフィンランドやス ウェーデン発で生まれた MaaS オペレーター ビジネスが曲がり角に来ているということで す。規制側の対応が先行する形で登場した Whim などのマルチモーダルサービスですが ①提携事業者の確保、②収益性の確保、③顧 客を虜にする付加価値の提供など、ビジネス モデルを確立させるうえでの課題が山積して いることが明らかとなりました。加えて、彼 らが自動車所有を切り崩そうとすることで、 高い技術や巨大な投資余力を持つ自動車産業 を敵に回しかねない姿勢を選んでしまったこ とも事業の成長性にネガティブなインパクト を与えかねないと感じました。

モビリティビジネスのインキュベーション

 機能を担っていることが明らかとなった

 都市交通政策

 ション機能を担っていることが改めて明らか になったことです。米国ではサンフランシスコ 市やロサンゼルス市に代表されるように、自由 台数の制限や放置スクーターの回収を義務付 ける規制を導入した」と急拡大したロサンゼル ス市の電動スクーターシェアリングビジネス の実態を紹介しました。その上で、「ユーザー がどういうモビリティサービスを求めている のかは実際にサービスを実導入してみるしか ない」と主張し、すぐに実導入できる= Rapid Fire Test が可能である都市には魅力的なサー ビス事業者が集まりやすいと解説していまし た。新しいモビリティやモビリティサービス を受け入れる余地が低い日本の都市にとって 耳の痛い話です。  都市との連携という観点で ITS 世界会議全 体を通して感じたことは、日本を除く多くの 国からは州や市の交通局の担当者がプレゼン テーターとして数多く参画していたというこ とです。私が参加したセッションだけでも米 ユタ州、米デラウェア州、米ワシントン州、 ニューヨーク市、コペンハーゲン市などの交 通局担当者がプレゼンテーションを行ってい ました。中でも印象的だったのはビッグデー タのセッションで登場したニューヨーク市の CTO の Schachter 氏です(写真参照)。彼は IBM での勤務経験などがあり、ビッグデータ や IT について極めて詳しいという印象を持ち ました。現在は、ニューヨーク市が保有する 能を担っていることが改めて明らかになったこ とです。米国ではサンフランシスコ市やロサン ゼルス市に代表されるように、自由放任主義で 新しいモビリティビジネスにチャンスを提供 し、一定の普及が行われたタイミングで規制を 導入するという都市交通政策が実施されていま す。一方で欧州の主要都市では、その都市が実 現したい都市交通に合致する事業者に参入機会 が提供され、そのビジネスモデルが成立した段 階で他の都市への展開が行われるという流れが 一般的のようです。中国では政府が大きな方針 を定めて、その方針を実展開する地方都市を定 め、特区のような一点集中型で新サービスや新 技術の導入が行われています。電気自動車バス やタクシーが走り回る深セン、中国版スマート シティの代表格である雄安新区などがその代表 例です。  しかし、日本には未だに新しいモビリティ ビジネスのインキュベーション機能を担った 都市は存在していません。国家戦略特区、 サンドボックス制度など特別なことができ そうなキーワードは耳にしますが、UBER、 DiDi、Car2Go などの新しいモビリティサー ビスを生み出すような事例もありません。こ れは大いに懸念すべき現状であるといわざる を得ません。  その一方で、低収益に苦しむ海外の MaaS ビジネスの最終的な出口の参考事例が日本に あるとも思いました。それは東急電鉄、阪急 電鉄など私鉄が切り拓いたビジネスモデルで す。鉄道やバスなどの公共交通ビジネスを基 幹とし、不動産開発のデベロッパービジネス、 百貨店やスーパーなどの小売ビジネス、電力・ ガス・通信などの生活サービスなどを次々と 切り拓いていくことで、トータルで魅力的な サービスを顧客に提供し、収益性の高いビジ

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著者紹介:

伊藤慎介

-株式会社 rimOnO 代表取締役社長 (兼)KPMG モビリティ研究所 アドバイザー/有限責任 あずさ監査法人 総合研究所 顧問 (兼) ミズショー株式会社 社外取締役 (兼) 亜細亜大学都市創造学部都市創造学科 講師 1999 年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動車、IT、エレクトロ ニクス、航空機などの分野で複数の国家プロジェクトに携わる。2014 年に 退官し、同年 9 月に工業デザイナーと共に超小型電気自動車のベンチャー 企業、株式会社 rimOnO を設立。2016 年 5 月に布製ボディの超小型電 気自動車 ”rimOnO Prototype 01” を発表。現在は、MaaS(モビリティ・ アズ・ア・サービス)の推進などモビリティ分野のイノベーション活動に従事。 ネスモデルを確立してきた事例です。  国内では小田急電鉄、東急電鉄、京浜急行な どの私鉄による MaaS ビジネスが盛り上がり 始めています。民間企業が都市開発を行うとい う成功事例を持つ日本が MaaS という新しい 要素を取り込み、最終的に世界展開できるビ ジネスモデルを作り上げることができれば、 ひょっとすると日本発のモビリティビジネスを 生み出すことも夢ではないかもしれません。  ただし油断はできません。既に世界が何周 回も先行していることは今回のレポートで述 べたとおりです。国、都市、企業が早期にタ グを組み、新しいモビリティビジネスを次々 と生み出していかなければ世界との溝は広が るばかりではないでしょうか。

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