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密教文化 Vol. 1950 No. 8 002羽田野 伯猷「時輪タントラ成立に關する基本的課題 P18-37」

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一 錯 雑 せ る イ ン ド 及 び チ ベ ッ ト の タ ン ト ラ 佛 敏 を 体 系 的 に 一 貫 い て 把 握 す る た め に 、 種 々 な る 角 度 か ら す る 多 く の 操 作 を 必 要 と す る こ と は 、 あ ら た め て 論 ず る ま で も な い 。 そ い て こ の 目 的 の た め に 、 か や う な タ ン ト ラ 佛 教 を 構 成 す る 、 い か も い ろ い ろ の 意 味 に お い て そ れ ぞ れ の 領 域 を 代 表 す る 特 定 の 重 要 聖 典 を と り あ げ 、 そ の 成 立 展 開 流 傅 等 の 實 態 を 追 求 い 、 も つ て そ の 文 化 史 的 意 義 に 及 ぶ と い ふ 方 法 は 、 省 略 す る を え な い 基 本 的 手 績 で な け れ ば な ら ぬ 。 か や う な 一 聯 の 手 綾 の 第 一 着 手 と い て 、 筆 者 ば ま つ 表 記 の 課 題 を と り あ げ 、 こ れ に 次 い で 、 そ の 流 傅 の 實 情 を 探 究 い て み た い ど 思 ふ 。 時 輪 タ ン ト ラ 、 も い く は 輩 に 時 輪 と も い ふ は 、 ﹁ 最 勝 本 初 佛 よ り 要 抄 せ る 吉 祥 時 輪 な る タ ン ト ラ 王Paramdho-ddhrta-srikakra-nama-tatra t No,362 の 略 稻 で あ る 。 こ の 場 合 の ﹁ 最 勝 本 初 佛 ﹂ と は 、 い は ゆ る 根 本 ク ン ト ラ 一 萬 二 千 碩 を さ い 、 こ れ か ら 要 抄 い た ラ グ タ ン ト ラ 三 (1) 千 頚 が 、 現 存 の 時 輪 で あ る と 傳 承 せ ら れ て ゐ る 。 こ の 時 輪 聖 典 の 教 へ 、 も い く は 時 輪 を 権 誰 と い て 展 開 い た 教 へ を 、 い ば ら く 便 宜 的 に 時 輪 教 と 名 づ け た い 。 こ の 廣 義 に お け る 時 輪 教 を 構 成 す る 契 機 と い て 、 聖 典 の ほ か に 、 最 少 限 度 に お い て 、 次 の 二 種 を 指 摘 い て お か ば な ら ぬ 。 そ の 第 一 は 、 教 學 的 註 繹 書 群 、 い は ゆ る チ ベ ッ ト 語 のBsad-bab で あ る 。 そ の 基 本 的 か つ 代 表 的 な も の が 、 ﹁ 無 垢 光 Vla-pra No 845 1347 ﹂ で 、 阿 書 は 傅 読 的 な 著 者 と そ の す ぐ れ た 内 實 と に よ つ て 、 聖 典 に 準 す る 構 威 を え 、 も つ て 時 輪 教 學 を 代 表 い 猫 占 い て ゐ る と い つ て も 過 言 で は な い 。 こ れ に 封 い 、 第 二 は 實 践 的 教 令 書 群 、 い は ゆ るMan-na Gds-nag で あ る 。 か か る 教 令 的 論 疏 の 多 く は 、 と く に 成 就 法 を と り あ げ て 課 題 と す る 。 そ れ は 成 就 法 が 時 輪 に 限 ら す タ ン ト ラ 佛 教 の 核 心 的 重 要 課 題 を 形 成 い て ゐ る が ゆ ゑ に 、 け だ レ 當 然 で な け れ ば な ら

(2)

-18-ぬ 。 こ の 教 令 は、 特 定 の 立 場 態 度 か ら す る 見 解 ・ 教 誠 ・ 指 示 ・ 規 定 等 を 含 み そ れ ぞ れ 猫 自 の 存 在 理 由 を 主 張 い て ゐ る か に み え る 。 か や う な 教 令 書 の 多 く は 、 既 成 的 な も の と の 調 和 融 合 を 示 い つ 叉 、 ,い か も 新 ら い い 展 開 と 傳 統 を 形 成 い 、 強 い 生 命 力 と 浸 透 力 を 恵 つ て 流 布 い 、 時 輪 教 の 重 大 な 領 域 を 形 成 い た 。 ゆ ゑ に 時 輪 教 の 實 践 と 流 傳 の 生 態 把 握 に と つ て も 看 過 い え な い 重 要 性 を も つ て ゐ る と い ふ べ き で あ る 。 さ て 、 こ の 時 輪 敏 は 、 イ ン ド の タ ン ト ラ 佛 教 展 開 の 末 期 を 代 表 す る 総 決 算 的 所 産 と い て 、 イ ン ド 佛 敢 史 上 之 れ に 無 關 心 た る を 許 さ れ な い 。 加 之 、 回 教 イ ン ド 教 と の 交 渉 に お い て も 興 味 あ る 課 題 を 提 供 い 、 從 つ て 、 イ ン ド 文 化 史 の 理 解 と い ふ 観 瓢 か ら し て 、 充 分 そ の 重 要 性 を み と め ね ば な ら ぬ 。 い か い て 、 チ ベ ッ ト に お け る そ の 重 要 性 は 、 も は や 決 定 的 で あ る と い つ て も 差 支 へ な い 。 チ ベ ッ ト 文 化 の 顯 著 な 特 性 を 構 成 す る タ ン ト ラ 佛 教 の 最 高 樺 威 と い て の 評 債 を え 、 超 宗 派 的 信 奉 を え て 現 在 に 及 び 、 加 ふ る に 、 暦 學 、 占 星 兆 相 學 書 と い て も 、 ラ マ 教 圏 の 生 活 文 化 に 深 く 浸 透 い て ゐ る の で あ る 。 か や う な 重 要 性 を も つ に も か 叉 わ ら す 、 こ の 時 輪 教 研 究 の 現 歌 は 、 必 す い も 満 足 す べ ぎ 學 的 成 果 を お さ め て ゐ る と は い ひ が た い 。 も つ と も 、 時 輪 が は じ め て 學 界 に 紹 介 せ ら れ た の は 、 今 を 去 る 百 十 敷 年 以 前 に さ か の ぼ り え て 、 決 い て 新 い い で き ご と で は な く 、 チ ベ ッ L 學 の 開 拓 者 チ ョ ー マ ・ ド ・ ケ レ ス の 紹 介 に は じ ま つ て ゐ る の で あ る 。 彼 は チ ベ ッ ト 人 ベ マ カ ル ポ 及 び サ ン ゲ ー ギ ャ ム ツ ォ ー の 歴 史 書 の 記 述 に も と づ き 、 時 輪 の ﹁ シ ャ ン バ ラ 國 ﹂ を ヤ ク サ ル テ ス 河 の 北 方 地 域 に 比 定 い 、 こ れ を そ の 起 源 地 と い 、 時 輪 の 成 立 年 代 を 西 暦 九 六 五 年 に 換 算 い 、 そ の こ ろ イ ン ド に 輸 入 せ ら れ 、 や が て ヵ シ ミ ー ル を 経 て 、 西 暦 一 〇 二 五 年 チ ベ ッ ト に 紹 介 せ ら れ 、 そ の 教 義 の 特 質 を 本 初 佛 体 系 に あ り と 指 摘 い 、 も つ て 學 界 の 注 意 を 喚 起 い た の で あ る 。 そ れ 以 來 、 イ ン ド 、 チ ベ ッ ト の タ ン ト ラ 佛 教 に 關 読 す る 學 者 に い て 時 輪 に 言 及 い な い も の は ほ と ん ど あ り え な い と い つ て も よ い 情 況 で あ る 。 そ い て 、 そ れ ら も ろ も ろ の 學 者 の 努 力 は 、 ノ ・ ン ド 學 の 進 歩 と 相 侯 つ て 、 次 第 に 時 輪 の 認 識 を ふ か め た と は い へ 、 そ の 研 究 な 、 い ま な ほ そ の 長 い 道 程 の ほ ん の 出 嚢 瓢 に 立 つ て ゐ る に 外 な ら ぬ と い つ て も 過 言 で は な い 。 い ま だ 最 も 基 本 的 な 性 格 の 非 常 に 重 要 な 多 く の 事 象 に つ い て 、 非 常 な 不 正 確 性 と 無 秩 序 性 が 支 配 い て ゐ る の み な ら ず 、 事 象 認 識 の 室 白 的 鉄 如 す ら 稀 で な い 。 か や う な 事 情 に 鑑 み て 、 時 輪 に 關 す る 基 本 的 な 課 題 か ら 出 磯 す る 再 槍 討 も 、 ま た 免 る を え な い 必 要 事 項 で な け れ ば な ら ぬ 。 い か い て 、 か く 研 究 を 阻 碍 い た 最 大 の 原 因 の 一 は 、 な ん と い つ て 恵 研 究 資 料 に 存 す る こ と を 否 定 い え な い 。 お よ そ 時 輪 研 究 の 基 本 文 献 た る 時 輪 タ ン ト ラ 、 無 垢 光 等 の ご と き 、 そ の 原 典 の マ ヌ ス ク リ プ ト が 畿 見 せ ら れ て ゐ る に も 拘 ら す 、 い ま . (2) だ そ の 出 版 を え す 、 チ ベ ッ ト 課 に 依 存 す る の 外 は な い 。 さ ら に て こ の チ ベ ッ ト 課 も 、 こ れ を 利 用 い う る 可 能 性 は 、 き は め 時 輪 タ ン ド ラ 成 立 に 關 す る 基 本 的 課 題

(3)

-19-密 教 文 化 て 小 範 園 の 人 汝 に 限 定 せ ら れ て ゐ る 。 そ い て 、 い ぼ い ば 非 常 に 有 効 か つ 便 利 な 手 引 を 鼠 ハ へ て く れ る チ ベ ッ ト 人 の 著 作 も ま た 同 断 で あ つ て 、 資 料 を 撰 揮 い 、 そ の 記 述 に 批 判 を 加 へ 、 も つ で 學 術 的 虚 置 を 加 へ う る 飴 地 を ほ と ん ど 所 有 い え な か つ た 。 か や ヶ な 原 因 に 支 配 ぜ ら れ て 、 從 來 の 研 究 は 、 比 較 的 後 世 の チ ベ ッ ト 人 の 手 に な る 著 作 の 、 い か も 断 片 的 記 述 に 権 誰 を 委 ね る の や む な き 歌 態 に あ つ た の で あ る 。 そ い て 、 そ れ ら の 記 述 は 、 宗 教 的 感 情 や 要 求 に ょ る 更 實 の 歪 曲 、 或 は 傳 読 と , 史 實 の 混 齪 、 傳 承 の 作 意 的 創 作 を 多 分 に 含 み 、 第 一 次 的 資 料 と い て の 債 値 を 到 底 み と め え な い も の も 勘 風 な い 。 ※ ※ ︹ チ ヲ ー マ ・ ド ・ ケ レ ス は 、 ( A ) チ ペ ッ ト 人 ペ マ カ ル ポ の 歴 史 書 に も ど づ き ﹁ 時 輪 及 び 本 初 佛 体 系 の 起 源 に つ い て の 畳 書 ﹂ (JASB Vol.I.1883.p.57.Rnt JB Vol.1912 ) を 、 さ ら に 、 ( B ) デ セ ・ サ ン ゲ ー ギ ャ ム ツ ォ ー 著 ブ イ ド ゥ τ ル ヤ カ ル ポ に も Z づ き ﹁ チ ベ ッ ド 編 年 表 ﹂ (GRAMMARO OF THE TIBETAN LANGUAGE 1834) を 登 表 い た 。 そ の 外 に (C

)Schiner Tatha Geschte des Bumus

S

t.Peterrg 1896

(D

)Grunwedel aA TATS ESELMINE

PETROGRAD 1914

.

(E

)Sarra Das PAG SAM JON ZG BY

SPA-KPO Catta 1980

(Fife of

Sua-khpo and his gy of Tet

(Rehu-mig

)

.JASB.189 (G

)Cion of Tibet

(Grub-mthh gsaahi me-lon

) JASB 1882

(

H

)

SCHLAGINTWEIT E ,Die Berng der Lehre

Strritschrift zur Berichtigung der

Chornologie verfasst im Jahre 1591

tibhadra AbayA xx Bd Abth 1897

の ご と き が 、 主 嬰 典 隷 .で あ つ た 。 こ れ ら は 十 六 ぴ 七 世 紀 以 降 の 著 作 で あ り 、 し か も 時 輪 に 關 す る 漸 片 納 散 読 を も つ に す ぎ な い 。 こ れ ら が 史 實 に 必 ず し も 忠 實 で な い こ と は 、 時 輪 の 年 代 等 に つ い て も 同 噺 で あ る 。 歪 曲 混 観 の 一 例 と い て 、 ナ ー ラ ン ダ に お け る 大 小 時 足 の 法 職 に お い て 、 本 來 そ の 論 敵 は 軍 に 大 勢 の 學 匠 と せ ら れ て ゐ る に す ぎ な い が 、 ( A ) は チ ル パ と ナ ー ロ ー パ の 封 職 と し 、 或 は ( H ) は 大 小 時 足 を テ ィ リ ッ パ 、 ナ ー ロ ー パ に 比 定 し 、 (D ) は 大 時 足 の 弟 子 を ナ ー ロ ー 、 ア ワ ド ゥ ー テ 、 小 時 足 と な す が ご と き で あ る 。 し か の み な ら ず 、 噺 片 的 な 記 述 自 体 が 如 何 に 誤 解 を 生 じ た か に つ い て は 、 次 第 に 明 ら か に せ ら れ る で あ ら う 己 か や う な 實 情 に 鑑 み 、 筆 者 は 當 面 の 課 題 を 、 主 と い て 次 の や う な 著 作 に 依 存 い て 究 明 い て ゆ ぎ た い と 思 ふ 。 A 、 無 垢 光 、No 845 1347 B 、 プ ト ン 作 ﹁ 時 輪 史 ﹂ 、 本 名Rgyud-sdehi

zab-hbued rin-chen gces-pahi

sde-( 西 暦 一二 二 九 年 著 作 ) C 、 グ ー ・ シ ョ ン ヌ ベ ー 作 ﹁ 青 丹 .﹂ 十 五 巻 、 と く に そ の 第 十 巻 ﹁ 時 輪 章 ﹂ ︾"

Deb-ther snon-po-las Dus

lohi skabs No ( 西 暦 -四 七 八 年 著 ) 、

(4)

-20-A 書 は 、 時 輪 の 編 纂 者 第 一 代 カ ル キ ・ 文 殊 の 化 身 ヤ シ ャ 王 (

Kalki Yasa Rigs-Idan

g ) に 次 ぐ 第 二 代 カ ル キ ・ 観 音 の 化 身 プ ン ダ リ 、ー カ 王 (Pundarika Padma ) と (3) 自 稽 す る 人 物 に よ る ( 無 垢 光 ・ 第 一 品 第 三 章 等 ) 約 四 七 〇 枚 か ら な る 大 著 作 で 、 こ れ が 時 輪 教 に お い て し め る 位 置 に つ い て は 先 述 し た 。 こ の 書 が イ ン 下 の 所 産 な る に 封 い , B ・ C は と も に チ ベ ッ ト 人 の 手 に な る も の で あ る 。 B の 著 者 プ ト ン (AD 1290-1364 ) は 、 い は ゆ る ﹁ プ 下 ン の 佛 教 史 ﹂ 、 ﹁ チ ベ ッ ト 大 藏 経 目 録 ﹂ の 作 者 と い て 、 す で に わ れ わ れ に 親 い い。 彼 の 顯 密 爾 教 に わ た る 多 種 か つ 多 量 の 著 作 は 、 そ の 該 博 な 知 識 と 卓 越 い た 識 見 を 示 し 、 チ ベ ッ ト に お い て 名 實 と も に 最 高 の 躍 匠 、 権 威 者 と し て の 奪 敬 と 評 債 を え た 一 人 で あ る 。 時 輪 學 匠 と い て の 彼 は 、 ヂ ョ ー ナ ン 派 の ド ェ ー ボ パ ・ シ ー ラ プ ギ ャ ン ツ ェ ン ( Dol-bo-pa Ses-rab (4) AD 1299-1361 ) と と も に 、 ﹁ ブ ・ ド ェ ー 爾 人 ﹂ な る 名 構 を も つ て 、 チ ベ ッ ト に お け る 時 輪 の 二 大 椹 威 か つ 功 勢 者 と せ ら れ ー (青 丹 一 〇 ノ 一 及 一 〇 ) 、 時 輪 の 二 大 流 派 ト ー 、 ラ ワ ー 雨 流 を (5) 兼 學 い 、 繹 義 に お い て 新 義 を 出 し 、 時 輪 に 一 派 を 形 成 し た 。 著 名 な ツ ォ ン カ バ 、 ケ ー ト ゥ プ ・ ゲ レ ベ ー ザ ン ポ の ご と き 、 (6) ま さ に プ ト ン の 系 統 に お け る 時 輪 學 匠 で も あ つ た 。 か や ケ な プ ト ン に 特 輪 關 係 の 著 作 と い て 四 十 部 を 数 へ う る が 、 B 書 は 、 い は ば 時 輪 入 門 書 と も い ふ べ き も の で 、 ト ー 、 ラ ワ ー 爾 流 の 所 傳 に よ る 時 輪 傳 統 史 を 傳 へ 、 わ れ わ れ の 課 題 に 新 認 識 を 寄 與 す る と こ ろ が 勘 く な い 。 筆 者 は い ば い ば B 書 の 外 に 、 同 人 の 諸 著 作 、 と く に ﹁ 無 垢 光 荘 嚴No 4583 ﹂ に も そ の 論 述 を 負 ふ た 。 同 書 は ﹁ 無 垢 光 ﹂ の 要 抄 的 解 明 書 と い て 、 チ ベ ッ ト に お い て 重 要 硯 せ ら れ 、 い は ゆ る 新 義 を 出 い た の も 、 同 書 に お い て 璽 あ つ た 。 C は 全 十 五 巻 約 五 〇 〇 枚 か ら な る 膨 大 な 著 作 で 、 チ ベ ッ ト 佛 教 史 書 と い て 最 も 學 術 性 に 富 む 白 眉 書 た る こ と は 、 チ ャ ー (7) ル ズ ・ ベ ル の 指 摘 以 來 、 一 般 的 承 認 を え て ゐ る と こ ろ で あ つ て 、 さ ら に 多 く の 言 を 費 す を 要 い な い 。 こ の 第 十 巻 は 、 ま さ (8) い く 、 時 輪 傳 統 史 を 扱 つ た も の で あ る 。 プ ト ン の 諸 歴 史 典 日 及 び しシ ョ ン ヌ ペ ー の 青 丹 の ご と き は 、 チ ベ ッ ト に お い て 比 較 的 高 い 評 債 を え て ゐ る と こ ろ の 諸 歴 史 書 、 た と へ ば ﹁ グ ラ イ 五 世 ゲ ー ラ プ ﹂ 、 ﹁ ワ イ ド ゥ ー ル ヤ カ ル ポ ・ ヤ ー セ ー ﹂ 、 ﹁ パ ク サ ン ヂ ョ ン サ ン ﹂ 等 が 、 そ れ を 模 謹 と い 、 そ れ に 依 存 い て ゐ る 事 實 に よ つ て 、 わ れ わ れ の 可 能 範 園 に お け る チ ベ ッ ト 歴 史 書 の 最 高 の 椹 威 書 と み と め て 差 支 へ な い で あ ら う 。 い か る に 、 こ の A B C 三 書 と も に 未 だ そ の 内 容 を 紹 介 せ ら れ た る を き か な い 。 ゆ ゑ に 、 こ れ ら の 記 述 を 紹 介 い つ 叉 、 當 面 の 課 題 に 論 を す 叉 め た い と 思 ふ 。 ( 1 ) 最 勝 本 初 佛 云 々 の 最 勝 と は 現 究 寛 菩 提 の 特 相 た る 不 愛 の 大 樂 。 こ れ を も つ て 初 中 後 を 離 れ 、本 來 成 佛 し て ゐ る の が 本 初 佛 の 謂 ひ 。 時 輪 タ ン ト ラ 成 立 に 關 す る 基 本 的 課 題

(5)

-21-密 教 文 化 こ の 所 詮 性 と し て の 本 初 佛 を 能 詮 し た の が 根 本 タ ン ト ラ 。 換 言 す れ ば 、 最 勝 本 初 佛 と は 根 本 タ ン ト ラ 一 萬 二 千 碩 を さ い 、 "u d dhrta と は か そ の 過 不 足 な き 要 抄 の 意 昧 と せ ら れ る ( 時 輪 史 ・ 四 三 枚 ) 。 本 初 佛 の 理 解 に 注 意 す べ き で あ る 。 ( 2

)BENDALL CATALOGUE OF THE BUDDHIS

T M S S P 69 H

ARA PRASAS SHASTRI DESC

CATALOGUE OF SKT MSS IN THE GOVERMENT

C OLLECTUIB P 73 161 ( 3 )Yasa pundaiika な る サ ン ス ク ッ ト へ の 還 元 は 、 シ ャ ー ス ド リ の 目 録 の ポ ス ト コ ロ フ ォ ン を チ ベ ッ ト 課 無 垢 光 の そ れ と 封 比 し て え た 。 從 來 の 學 者 の 還 元 と ,は 必 ず し も 一 致 し な い 。 特 に カ ル キ な る 還 元 は 後 の 論 及 に 重 婁 な 關 係 を も つ 。 こ の チ ベ ッ ト 語Rigs-ldan を 學 者 は Kulika と 還 元 す る 。 も と も と 、 こ れ は 金 剛 灌 頂 を う け 、 同 一 の 種 性 と な つ た も の 民 意 昧 で あ る (無 垢 光 一 ノ 三 章 )。 し か し 、 上 記 の ポ ス ト ロ フ ォ ン は カ ル キ と な し 、 無 垢 光 三 八 七 枚 、 時 輪 第 二 品 一 五 二 碩 等 も ヴ ィ シ ュ ヌ の 第 十 花 身 カ ル キ を チ ベ ッ ト 課 し てRigs-ldan と な す 。 よ つ て 、 ク リ カ と な す を 妥 當 で な い と 考 へ る 。 ( 4 ) Obermiller は ヂ ョ ー ナ ン 派 の 建 設 者 と す る( Acta Qri vol IX p 106) ル か し 、 第 四 代 の 佳 持 と な す を 正 賞 と す る 。 (青 丹 一 〇 ノ 、一 〇 ) ( 5 ) 無 垢 光 蕪 嚴 ・ 六 八 枚 、 ( 6 ) 青 丹 ● 一 〇 ノ 一 九 ・ 二 〇 枚 、 な ほNo 4854 4786 等 諸 聴 聞 録 を み よ 。 ( 7 ) 橋 本 光 賓 氏 謬 ﹁ 西 藏 の 剛 嚇 教 ﹂ 西 藏 贅 料 。 ( 8 ) プ ト ン の 傳 記 書 ﹁と し て ﹁ ク ス マ ン ヂ ャ リ ーNo 4796 ﹂ が 存 す る 。 岬 こ れ は 彼 の 生 存 申 サ キ ヤ 汲 で 製 作 せ ら れ 、 後 に 高 弟 タ ッ ェ パ ・ リ ン チ ェ ン ナ ム ゲ ー が 補 遺 し た も の 。 プ ト ン の 署 書 は タ ッ ェ パ の そ れ と 共 に プ ト ン 全 書 と し て 本 學 の 所 藏 す る と こ ろ 。 こ の 全 書 は 二 八 秩 六 六 九 部 か ら な 汐 、 ダ ラ イ 十 三 世 の 糞 願 に よ り 開 版 せ ら れ た も の 。 プ ト ン の 傳 記 の 詳 細 は 別 に 嚢 表 の 用 意 を も つ の で 、 そ れ に ゆ づ り た い 。 シ ョ ン ヌ ペ ー の 濁 立 の 傳 紀 書 を み る を え な い が 、 パ ク サ ン ジ ョ ン サ ン に や 玉 詳 し く 、 又 青 丹 ・ 十 五 巻 の 各 腱 に そ の 學 系 を 自 叙 し 、 時 輪 學 匠 と し て の 活 躍 は 、 青 丹 一 〇 ノ 二 八 枚 以 下 に 叙 べ ら れ て ゐ 惹 。 こ の 部 分 は 後 人 の 補 遺 で あ る 。 こ の 爾 人 の 時 輪 史 の 大 部 分 は チ ベ ッ ト の そ れ に 五贋 さ れ 、 イ ン ド の そ れ に つ い て は 、 必 ず し も 吾 人 の 要 求 を 充 た し え な い が 、 爾 書 の 目 的 が 、 本 來 チ ベ ッ ト の そ れ に 存 す る 以 上 、 や む を え な い 。 二 さ て 、 時 輪 の 成 立 に つ い て 、 學 者 の と り あ げ た 課 題 と そ の 見 解 は 、 チ ョ ー マ ・ ド ・ ケ レ ス の 提 唱 の 線 を 殆 ん ど 出 て ゐ な い の を 通 常 と す る 。 も つ と も 、 時 輪 を も つ て 本 初 佛 体 系 の 嗜 矢 と い 、 そ の 特 質 的 体 系 と す る 意 見 は 、 す で に 栂 尾 鮮 雲 氏 、 ワ ッ デ ル 、 ヱ リ オ ッ ト の 諸 氏 に よ つ て 否 定 せ ら れ た が 、 い か い 成 立 年 代 を 九 六 五 年 も い く は そ れ に き わ め て 近 接 せ る 十 世 紀 と な い 、 起 源 地 を ヤ ク サ ル テ ス の 北 方 地 域 に 比 定 す る の を も つ て 、 い ま な ほ 學 界 の 通 読 と み な い う る 。 ラ ウ フ ェ ル の こ

(6)

-22-と き 、 時 輪 の 六 十 年 周 期 法 を 根 撮 と い 、 中 央 ア ジ ァ 、 干 聞 起 源 読 を 誼 明 い よ う と い た 。 こ の 提 唱 は 一 般 的 承 認 を え 、 多 く の 學 者 は も と よ り ヱ リ オ ッ ト 、 ワ ッ デ ル の ご と き も こ の 例 外 で は あ り 乞 な い 。 ヱ リ オ ッ ト の 鞠 ご 妻 き 中 央 ア ジ ァ を も つ て 、 佛 教 と ト ル コ 的 理 念 の 混 合 地 と し 、 本 初 佛 思 想 の 起 源 地 を も 、 こ 叉 に 求 め ん と い て ゐ る 。 唯 、 栂 尾 氏 め み は 例 外 と い て 、 時 輪 の 中 央 ア ジ ア 起 源 読 に 賛 意 を 表 い て を ら れ な い ※ 。

※B Laufer ZUR BUDDHISCHEN LIT

UIGUREN T OUNG PAO 1907 S 403 APLI

OF THE TIBETAN CYCLE T OUNG PAO 1913

ELIOT HINDUISM AND DUDDHISM Vol I 129

Vol I p 386 栂 尾 膵 雲 氏 ﹁ 理 趣 経 の 研 究 ﹂ 四 六 七 頁 以 下 、 同 秘 密 佛 教 史 ・ 七 五 頁 以 下 い か い て 、 か や う な 見 解 が 、 先 に い る い た ご と く チ ベ ッ ト 人 の 断 片 的 記 述 に 依 存 い た に と 吏 ま り 、 充 分 な 討 究 を へ て ゐ な い と と は 論 を ま た な い o ゆ ゑ に 、 わ れ わ れ の 手 績 と い て 、 ま つ 時 輪 及 び 無 垢 光 の 記 述 に も と づ き 、 時 輪 成 立 の 基 盤 的 考 察 を 試 み な サ れ ば な ら ぬ 。 か や う な 手 績 ば 、 冗 長 煩 雑 の そ し り を 免 れ え な い と い て も 、 回 避 す る を え な い 基 本 的 操 作 で な け れ ば な ら ぬ ゆ さ て 、 無 垢 光 は 時 輪 タ ン ト ラ の 記 述 を 註 繹 い 、 時 輪 製 作 の 動 機 及 び そ れ に 關 聯 い て い は ゆ る シ ャ ン パ ラ 國 に 言 及 い て ゐ 、 る が 、 そ の 大 要 は 次 の や う で あ る 。 ﹃ 佛 浬 葉 の 二 年 前 、 シ ュ リ 聖 カ タ カ ン ヤ に お い て 、 金 剛 手 の 化 身 ス チ ャ ン ド ラ 王 ( Sucandra zla ) 一が 、 シ ー タ 河 の 北 方 、 シ ャ ン バ ラ 國 を は じ め と す る 九 十 六 大 國 の 人 汝 を 化 度 せ ん が た め 、 時 輪 の 根 本 タ ン ト ラ を 請 問 し 、 一 萬 二 千 頚 と な い 、 根 本 大 註 繹 と と も に シ ャ ン バ ラ 等 に 流 布 い た 。 ス チ ャ ン ド ラ 王 に つ い で 、 ヤ ー マ ン タ ヵ の 化 身 を は じ め と す る 五 人 の 王 が 相 次 い で 、 そ れ を 相 承 い 六 百 年 を 経 過 い た 。 こ の と き シ ャ ン パ ラ 國 に 第 六 代 ヵ ル キ . 文 殊 の 化 身 ヤ シ ャ 王 が 出 生 い た 。 彼 は 佛 世 尊 の 授 記 加 持 力 に よ つ て 、 諸 仙 を 成 熟 す べ き 時 に 到 つ た こ と を 知 り 、 シ ャ ン バ ラ も ( Sambhala ) 國 カ ラ ー パ 城 市 の 南 マ ラ ヤ 遊 園 の 中 央 に 存 い た ス チ ャ ン ,ド ラ 王 の 製 作 に か 叉 る 世 尊 時 輪 の マ ン ダ デ に 、 梵 天 の 徒 、 ヵ ー パ ー リ ヵ 等 を は じ め ど す る 各 國 の 行 者 を 集 合 せ い め た 。 そ の 最 大 の 目 的 は 、 彼 ヤ シ ャ 王 の 後 、 八 ○ ○ 年 に い て メ ッ ヵ に 興 起 す べ き 回 教 の 流 布 に よ り 、 こ 叉 シ ャ ン パ ラ に お け る 婦 女 子 に い 花 る 一 切 の も の が 、 回 教 化 い 、 そ の 法 を 読 く に い た る 。 梵 天 ・ ヴ ヨ シ ュ ヌ 隅 シ ヅ 教 徒 の 子 孫 と い へ ど も そ の 例 外 で は あ り え な く 、 か や う な 回 教 化 を 未 然 に 防 止 せ ん と す る 封 策 と い て 穿 あ つ た 。 こ の た め 、 ま つ 灌 頂 を 與 へ 、 殺 生 の 法 を 禁 止 せ い め ね ば な ら ぬ 。 こ の 殺 生 の 法 を 契 機 と い て 回 教 化 が お こ な は れ る か ら で あ る 。 も と も と 、 回 教 に お い て は 、 そ の 神 く 勝 神 日 窪 9。 の 眞 言 を 時 輪 タ ン ト ラ 成 立 に 關 す る 基 本 的 課 題

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密 教 丈 化 も つ て 獣 類 を 殺 い 、 神 に 供 犠 い 、 生 肉 を 食 ひ 、 死 肉 を 食 さ な い 。 ・ こ れ ば ヴ ェ ー ダ の 法 と 一 致 い 、 梵 天 ・ シ ヴ ・ ヴ ィ 羽 ユ ヌ 教 徒 の 模 誰 と す る と こ ろ で あ る 。 ヴ ェ ー グ に 、 ﹁ 神 は 供 犠 の た め 生 類 を 顯 現 せ り ﹂ と も い ひ 、 ﹁ 神 と 父 組 の た め に 殺 生 い 、 彼 ら を 飽 満 せ い め ん が た め 、 そ の 肉 を 食 す る に 何 の 過 失 あ ら ん や ﹂ と も い ふ 。 こ の 回 教 と イ ン ド 教 徒 に 共 通 な る 権 謹 ﹁は 、 そ の ま ﹂ 刹 帝 利 の 法 で も あ る 。 か く て 一 切 が 殺 生 の 法 を 構 誰 と す る こ と に よ つ て 回 教 化 す る で あ ら う 。 こ れ . を 未 然 に 防 止 す る た め 、 ま つ 殺 生 の 法 を 捨 て 、 金 剛 灌 頂 を う け よ と 命 す る 。 い か る に 梵 天 、 シ ザ 、 ヴ ィ シ ュ ヌ の 徒 は 、 目 己 の 種 姓 の 法 を 捨 て る を 肯 ん ぜ 壷 イ ン ド に 退 去 せ ん と す る 。 よ つ て ヤ シ 々 王 は 漁 通 力 を も つ て そ の 逃 亡 を 阻 止 い 、 マ ン ダ ラ に ょ び か へ す ゆ て 叉 に 竜 い て 、 ヤ シ ャ 王 の 威 力 に 畏 服 い た 梵 教 徒 等 が 、 五 無 間 成 佛 を 読 く 時 輪 を 要 抄 い て 教 示 せ ら れ ん こ と を 願 ふ 。 よ つ て ヤ シ ャ 王 は 根 本 タ ン ト ラ 哺 萬 二 千 頚 を 三 千 頚 に 要 抄 い て 、 彼 ら に 教 示 す る 。 こ れ が 現 存 の い は ゆ る 時 輪 ラ グ タ ン ・ト ラ で あ る 。 有 の ヤ シ ャ 王 に 引 織 ぐ 第 二 代 カ ル キ ・ 観 一音 の 化 身 プ ン グ リ ー カ 王 が 、 佛 の 授 記 の 加 持 力 に よ つ て 、 根 本 タ ン ト ラ に -随 順 い て 、 ラ グ タ ン ト ラ の 註 繹 ヴ ィ マ ラ プ ラ バ ー 即 ち 無 垢 光 を 作 る 。 こ の 佛 授 記 の プ ン ダ リ ー カ 王 こ そ 私 で あ る ﹄ と い ふ ( 無 垢 光 ・ 第 一 品 第 三 章 、 第 五 晶 あ と が き 、 時 輪 史 二 七 枚 )。 置有 は 時 輪 第 一 品 三 、 一 ○ 、 二 六 、 一 四 八 -一 五 八 頚 等 に 相 慮 す る も の で あ る が 、 さ ら に 第 一 品 一 五 九 頚 以 下 で は 、 回 教 の イ ン 下 蒲 捲 を の べ 、 そ の 撲 滅 を も つ .て 時 輪 最 大 の 悲 願 と い 、 こ の 悲 願 の 達 成 を ヴ ィ シ ュ ヌ 、 シ ブ の 協 力 に よ る 聯 合 軍 の 結 成 に か け て ゐ る 。 さ ら に ウ ッ ク ラ ン ト ラ に い た れ ば 回 教 勢 力 に 躁 賄 せ ら れ つ 叉 あ る イ ン ド の 惨 欺 を 如 實 に 描 き 出 い て ゐ る (No 363 fol 142f ) 。 然 り と す れ ば 、 シ ャ ン バ ラ 國 と は 輩 な る 假 想 國 に 外 な ら ず 、 時 輪 の 製 作 も 、 イ ン ド が 回 教 に 躁 躇 せ ら れ つ 叉 あ り 、 そ の 恐 怖 に 職 傑 い つ L あ つ た 時 代 に 、 そ れ と の 封 決 に 迫 ら れ て 要 請 せ ら れ た も の な る こ と を 有 の 援 引 文 か ら 理 解 い て 差 支 へ な い で あ ら う 。 實 に イ ン ド に 氣 い て 回 教 と の 封 決 が 要 請 せ ら れ た の は 、 タ ー ラ ナ ー タ 、 パ ク サ .ン ヂ ョ ーン サ ン 等 も す で に 報 じ て ゐ る や う に 、 母 タ ン ト ラ の 成 就 者 以 來 の 課 題 で あ つ た 。 お よ そ 時 輪 が イ ン ド の タ ン ト ラ 佛 教 の 歴 史 的 所 産 な る こ と は 、 後 に 論 及 す る 経 典 ハ畿 達 史 上 の 位 置 や そ の 教 理 の 構 造 性 格 か ら い て も 疑 ひ の 鯨 地 が な い 。 い か い て 、 中 央 ア ジ ア か ら イ ン ド に 時 輪 を ば 將 來 い た と な す 從 來 の 學 者 の 読 は 、 上 記 の 無 垢 光 の 記 述 の 中 か ら 軍 に ﹁ シ ー タ 河 の 北 方 シ ャ ン バ ラ 國 ﹂ な る 部 分 の み を 援 引 い 、 そ れ か ら 時 輪 が 將 來 せ ら れ た と 紹 介 す る チ ベ ッ ト 入 の 著 作 に 眩 惑 せ ら れ 、 そ れ を 典 擦 と い て 、 假 読 を 打 立 て た も の に 外 な ら な い 。 竜 と も と こ の 室 想 國 の 位 置 も 必 す い も 一 定 し て 考 へ ら れ て ゐ る わ け で は な く 異 読 が 多 い 。 た と へ ば 、 時 輪 第 一 品 に 精 細 な 世 界 構 圖 を 紹 介 い て ゐ る が 、 こ 叉 で は 無 垢 光 の 記 述 と 必 す い も 一 致 せ

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す 、 カ イ ラ ー サ 山 を 中 心 と い そ の 南 牛 に シ ャ ン バ ラ を 位 置 せ い め ( 一 五 〇 碩 ) 、 イ ン ド 人 の 傳 承 も 、 時 輪 を 南 方 か ら 將 來 い た と 主 張 す る も の も 存 す る か ら で あ る 。 お よ そ 、 シ ャ ン バ ラ 國 の 構 想 は 、 ヴ ィ シ ゴ ヌ 教 の そ れ か ら の 借 用 と 推 定 い て よ い で あ ら う 。 ヴ ィ シ ュ ヌ の 十 灌 現 の 中 、 第 九 を 佛 陀 、 第 十 を カ ル キ と す る は 、 周 知 の こ と で あ る が 、 こ の 第 十 の カ ル キ こ そ 未 來 の 第 四 ユ ガ 期 に お い て シ ャ ン パ ラ ・グ ラ ー マ (Samb-g rama ) に 出 生 い 、 邪 悪 者 を 破 滅 せ い め 、 世 界 を 救 濟 す べ き も の と せ ら れ る 。 こ の 佛 、 カ ル キ 、 シ ャ ン バ ラ の 一 聯 の 構 想 が そ の ま ーム 時 輪 に 借 用 せ ら れ た に 外 な ら ぬ こ と は 、 時 輪 及 び 無 垢 光 の 他 の 箇 威 等 に よ つ て も 充 分 保 誰 せ ら れ る の で あ る 。 そ い て 、 佛 か ら の 傳 統 的 権 威 を 承 認 せ い め え な い ほ ど 後 世 の 経 .作 者 が 、 そ の 脛 典 ハ の 傅 統 相 承 を イ ン ド 以 外 の 假 想 國 に 求 め 、 も つ て 、 そ れ か ら の 將 來 を 読 き 、 経 典 を 権 威 づ け よ う と い た の は 、 時 輪 に 限 つ た こ と で は な い 。 む い ろ 、 わ れ わ れ は 、 か や う な ヴ ィ シ ュ ヌ 的 外 装 を .も つ て イ ン ド 教 徒 に 訴 へ 、 そ の 聯 合 軍 を 結 成 い 、 も う て 回 教 撲 滅 を 悲 願 い た 経 作 者 の 意 圖 か ら い て 、 時 輪 の 製 作 が タ ン ト ラ 佛 教 の 末 期 に 存 し 、 や が (1) て き た る べ き そ の 蓮 命 の 豫 見 を く み と る こ と が で き る 。 さ て 、 こ の 悲 願 の 達 成 の た め の 重 要 な る 契 機 、 從 つ て 、 時 輪 を 構 成 す る 特 質 の 幽 は 、 兆 相 學 占 星 學 的 檬 相 を 多 分 に 含 ん で は ゐ る が 、 暦 に 存 す る 。 こ の ゆ ゑ に 、 ラ ウ 7 エ ル の 所 論 と も 關 聯 い て 、 そ の 暦 法 に つ い て 新 ら た に 考 慮 を 彿 は な け れ ば な ら ぬ 。 時 輪 の 暦 法 の 由 來 に つ い て 、 無 垢 光 の 語 る 大 要 は 次 の や う で あ る 。 ﹃ 第 一 代 カ ル キ ・ ヤ シ ャ 王 の 後 八 ○ ○ 年 に い て 、 メ ッ カ の 國 バ グ ダ ッ 下 等 の 城 市 に 回 教 が 隆 盛 と な り 、 廣 く 流 布 す る 。 シ ー タ 河 の 南 方 一 切 の 國 土 に お い て 、 諸 テ ィ ー ル タ の 暦 學 書 シ ッ グ ー ン タ が 嚢 滅 し 、 從 つ て 、 暦 の 綱 要 書 カ ラ ナ も 不 明 瞭 と な る 。 暦 學 の 衰 滅 に よ り 天 体 の 蓮 行 宿 曜 を 知 悉 い え な く な る 結 果 、 い は ゆ る 占 星 術 ヂ ャ ー タ ガ も 意 味 を な さ す 、 敵 を 降 伏 す る 手 段 も 不 可 能 で あ る 。 い か る に 回 教 紀 元 ﹁ 八 二 年 に 第 十 代 ヵ ル キ が 、 い は ゆ る ラ グ 方 ラ ナ を 制 定 し 暦 法 を 明 ら か に す る 。 こ れ に よ つ て 、 敵 擢 破 ・ 回 教 撲 滅 法 の 根 擦 が 與 へ ら れ る 。 い か し て 、 そ の 實 現 は 遠 い 未 來 で は あ る が 、 第 廿 六 代 ヵ ル キ ・ ル ド ラ 王 が 果 た す ﹄ ( 時 輪 第 一 品 二 六 、 二 七 類 、 無 垢 光 ・ 第 一 品 第 九 章 、 無 垢 光 荘 嚴 十 六 枚 以 下 ) と 授 記 い て ゐ る 。 も と も と イ ン ド に お い て 、 か や う な 占 星 ・ 兆 相 的 性 格 の 暦 は 、 古 く か つ 長 い 磯 展 の 歴 史 を も ち 、 タ ン ト ラ 佛 教 と い へ ど も そ の 例 外 で 、は な い 。 わ れ わ れ は す で に か や う な 暦 を 漢 課 に よ つ て え て ゐ る の で あ る が 、 そ れ を 暫 ら く 別 と い て 、 時 輪 に 直 接 先 行 す る 無 上 喩 伽 母 タ ン ト ラ に お い て も 、 多 か れ 少 か れ か や う な 占 星 ・ 兆 相 學 的 暦 を と い て ゐ る 。 シ ュ リ ー 切 ヂ ラ ダ ー カ ー タ ン ト ラ の ご と き そ の 一 例 で 、 回 教 擢 破 の 印 の ヤ ン ト (2) ラ を そ れ に も と つ い て 読 い て ゐ る 。 か や う な 傾 向 を う け て 、 時 輪 タ ン ト ラ 成 立 に 關 す る 墓 本 的 課 題

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密 教 文 化 暦 に 重 要 な 役 割 を 與 へ 、 そ の 教 義 体 系 を 構 成 せ ん と い た と こ ろ に 時 輪 の 重 要 な 特 色 を み 出 す こ と が で き る 。 も つ と も 、 時 輪 の 暦 が 本 質 的 に イ ン ド 的 で あ る か 、 よ り 回 教 的 で あ る か に つ い て は 、 今 後 の 究 明 に ま た ね ば な ら ぬ 黙 が 多 い が 、 何 れ に せ よ 、 回 敏 的 要 素 が 多 け れ ば 多 い ほ ど 、 中 央 ア ジ ァ 起 源 読 を 保 誰 す る も の で は な く 、 逆 に イ ン ド に お け る 回 教 と の 交 渉 が 盛 ん 乏 な つ た 後 の 時 代 の 製 作 に か か る こ と を 意 味 い て ゐ る の で な け れ ば な ら ぬ 。 時 輪 が 六 十 年 法 、 回 教 紀 元 を 用 ゐ 、 ヂ ャ ー タ ガ 、 さ ら に ウ ッ タ ラ タ ン ト ラ に お い て ペ ル シ ャ 的 占 星 學 書 タ ー ジ ヵ に 言 及 い て ゐ る 享 賢 と 、 さ き に 記 い た と こ ろ の 時 輪 成 立 の 契 機 を な し た 冗 ン ド の 砒 會 事 情 等 を 参 酌 い て 、 時 輪 の 成 立 年 代 を 、 學 者 の 承 認 せ る 九 六 五 年 よ り か な り 後 に 設 定 (3) い な け れ ば な ら ぬ で あ ら う 。 然 ら ぱ 、 そ の 成 立 年 代 を 如 何 に 規 定 す べ き で あ る か 。 こ れ に つ い て も 、 一 慮 、 時 輪 及 び 無 垢 光 の 記 述 に 滲 照 い て 基 準 を 求 め た い 。 わ れ わ れ は 、 爾 書 が 回 教 紀 元 の 算 定 法 を の べ て ゐ る 記 述 に よ つ て 、 略 々 動 か い え な い 年 代 を 設 定 い う る と 考 へ る 。 即 ち 、﹃ 回 教 紀 元 の 決 定 は 、 メ ヵ ー ギ ャ ム ッ ォ ー に ラ プ ヂ ュ ン を は じ め と す る 過 ぎ い 年 数 を 加 へ た も の ﹄ と 述 べ ら れ て ゐ る の が 、 そ れ で あ る 。 こ の チ ベ ッ ト 語 ﹃ メ カ ー ギ ャ ム ツ ォ ー ﹄ と は 三 ・ ○ ・ 四 で 、 四 ○ ○ を す ぐ る 三 、 即 ち 四 〇 三 年 の 意 味 で あ る 。 ﹃ ラ プ ヂ ュ ン を は じ め と す る 過 ぎ い 年 数 ﹄ と は 、 六 十 周 年 の 第 一 年 を ラ プ ヂ ュ ン 即 ち プ ラ バ ワ と い 、 こ れ か ら 現 在 の 年 の 前 年 ま で に 経 過 い た 年 敷 を い ふ 。 從 つ て 、 四 〇 三 年 に こ の 年 敏 を 加 へ て 、 逆 算 す れ ば 、 回 教 紀 元 を う る わ け で あ る (時 輪 第 一 品 廿 六 、 廿 七 碩 、 無 垢 光 . 第 繭 品 第 九 章 ) 。 ゆ え に 、 経 作 者 の 現 在 は 、 回 教 紀 元 四 〇 三 年 を す ぎ た 次 の 六 十 年 周 期 の 中 に 設 定 せ ら れ る 。 い か い て 、 こ の プ ラ バ ワ が 丁 卯 に 相 當 す べ き こ と は 、 チ ベ ッ ト の 用 例 、 さ ら に は 、 ラ ウ フ ェ ル の 論 定 に よ つ て 確 定 せ ら れ て ゐ る (T OUNG PAO 1913 ) 。 ゆ ゑ に 、 有 の 年 代 を 西 暦 に 換 算 す れ ば 、 時 輪 成 立 の 年 代 は 、 そ の 上 限 を (4) 西 暦 一 C 二 七 年 と す る 六 十 年 間 と い な け れ ば な ら ぬ 。 青 丹 の 著 者 シ ョ ン ヌ ペ ー も 、 こ の 上 限 年 代 以 前 に 時 輪 が イ ン ド に 存 い た と す る 主 張 を 反 駁 レ 、 學 匠 の 一 致 せ る 一 般 的 見 解 は 、 有 の 上 限 年 代 を も つ て 時 輪 の イ ン ド 嚢 生 の 年 代 と す る に あ る と い ふ ( 一 〇 ノ 一 〇 ) 。 か や う な 見 地 か ら す れ ば 、 タ ー ラ ナ ー タ が 、 時 輪 の イ ン ド 畿 生 を ( 將 來 と い ふ 表 現 を 用 ゐ て ゐ る が ) マ ヒ ー パ ラ 王 の 晩 年 と い て ゐ る の も 、 彼 の 時 代 設 定 が 何 ﹄腱 に あ つ た か を 別 と い て ふ . 史 實 に 符 合 す る と い は ね ば な ら ぬ 。 チ ベ ッ ト の 諸 記 録 が 時 輪 の 製 作 も い く は イ ン ド へ の 將 來 を 九 六 五 年 と し た 主 た る 根 擦 は 、 チ ベ ッ ト へ の 輸 入 を 一 .〇 二 七 年 に 設 定 し そ れ か ら 六 十 年 を さ か の ぼ ら い め た に 外 な ら ぬ 。 い か る に チ ベ ッ ト へ 一 〇 二 七 年 將 來 い た と い ふ 読 の 根 撮 は 華 だ 不 確 實 で 、 ダ ワ グ ン シ ー ( A D 1012-1090 ) が 幼 少 か ら 時 輪 を 知 つ て ゐ た と い つ た 言 を 根 擦 と い 、 そ の 幼 少 時 代 を 一 〇 二 七 ﹄件 と み な い 、 而 い て 、 チ ベ ッ ト 最 初 の 時 輪 紹 介 者

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が ギ ツ ォ ー と せ ら れ る た よ つ て 、 そ の と き ギ ツ ォ ー に よ り 時 輪 が 輸 入 せ ら れ て ゐ た の で な け れ ば な ら ぬ と 主 張 す る に 外 な ら ぬ 。 い か る に 、 時 輪 の チ ベ ッ ト へ の 流 傅 は 、 早 く も 一 〇 五 〇 年 ご ろ を さ か め ぼ り え な い 。 そ の 詳 細 に つ い て は 時 輪 の 流 傳 (5) を 述 べ る 場 合 に ゆ づ り た い 。 か や う に い て 、 時 輪 成 立 年 代 を 西 暦 一 〇 二 七 年 を 上 限 と す る 六 十 年 間 に 定 位 せ い め る こ と に よ つ て 、 は じ め て 時 輪 及 び 無 垢 光 に 記 述 せ ら れ て ゐ る 上 引 の 時 輪 製 作 の 契 機 . 目 的 、 或 は イ ン ド の 就 會 情 勢 を 、 わ れ わ れ の 有 す る イ ン ド 史 の 構 圖 に ょ く 一 致 せ い め て 理 解 レ う る の で あ る 。 い か ら ば 、 時 輪 の 成 立 を 経 典 ハ、 教 理 登 達 史 、 流 傳 史 の 上 か ら 吟 味 い 、 も つ て 、 有 の 年 代 の 安 當 性 を 確 認 い 、 で き う べ く ん ぱ 、 さ ら に 年 代 規 定 を 詳 細 に い う れ ば 、 そ れ は 最 も 希 は い い こ と に 相 違 な い 。 な ん と な れ ば 、 こ の 六 十 年 間 は 、 チ ベ ッ ト 後 期 佛 教 の 復 興 期 に 相 當 い 、 そ の 精 細 な 規 定 は 、 箪 -に チ ベ ッ ト 佛 教 の み な ら ホ イ ン ド タ ン ト ラ 佛 教 の 認 識 に と つ て 、 き わ め て 、重 要 な こ と で あ る と 考 へ ら れ る か ら で あ る 。 ( -) か や う な 意 味 に お い て ヱ リ オ ソ ト の 準 定 、 時 輪 が シ ブ 的 よ リ ヴ イ シ ュ ヌ 的 外 裟 を も つ と い ふ の は 正 い 。 グ リ ュ ン ウ ェ ー デ ル が 徹 底 的 に ヴ . シ ュ ヌ 的 と い ひ(Mythologie S 42 )、 プ ー サ ン が シ ブ 的 と な す

(ERE Tantrism Adibuddha

の 項 ) の は 正 い く な い 。 い は 樽 ,雨 者 を 包 囁 融 合 い た 聯 合 軍 を 目 的 と す る の で あ る 。 ( 2 ) プ ト ン 、 タ ン ト ラ 概 論 ・ 廣 ・ 二 〇 五 枚 以 下 。 ( 3 ) 暦 學 書 シ ッ ダ ー ン タ 、 ヂ ャ ー タ カ 、 タ ー ジ カ 等 の 内 容 ・ 年 代 設 定 等 に つ い て

はWinternitz Gesche der

indischen-ratur I S 555ff を 参 照 魑 よ 。 學 者 は 、 こ の 黙 を 看 過 し 、 シ ュ ラ ー ギ ン ・ ト ワ イ ト は 甚 い い 誤 解 を 犯 し た (Aday A x xBd I ) ( 4 ) 回 教 紀 元 に 二 年 の 誤 差 を 生 ず る 。 こ れ は 時 輪 紀 年 を 回 教 紀 元 一 八 二 年 に 決 定 す る に あ た り 、 回 教 暦 乏 時 輪 暦 の 一 年 の 目 敷 を 機 械 的 に 換 算 し た の に よ る 。 無 垢 光 。 一 八 五 枚 を 参 照 せ よ 。 ( 5 ) ダ ワ グ ン シ ー は ソ ー マ ナ ー タ に 就 き 、 時 輪 の 六 支 喩 伽 を 學 ん だ に 外 な ら ぬ 。 六 支 喩 伽 は 秘 密 集 で も と き 、 必 ず し も 時 輪 に 限 ら な い 。 ゆ ゑ に 、 か や う な 鮎 に 、 彼 の 不 用 意 な 誤 認 を 起 因 し て ゐ る の で は な い か と 考 へ ら れ る 。 ギ ツ ォ ー は グ ー ・ ク ク パ . ハ チ ェ ー と と も に 渡 印 し た が 、 時 輪 翻 謬 は 露 藏 後 の こ と で あ る 。 早 ぐ も 一 〇 五 〇 年 を さ か の ぼ ら な い 。 一 〇 四 二 年 來 藏 せ る ア テ ィ シ わ、 を も つ て 、 時 輪 の 主 た る 仲 介 者 、 時 輪 暦 の 紹 介 者 と な す 論 が 存 す る が

(B Laufer T OUNG PAO 1907 S 402 A Grunwedel

Mythologie S 58 Eiot Hinduism and

386 ) 、 ア テ ィ シ ャ が 時 輪 學 者 で あ つ た 積 極 的 理 由 は 全 く み 出 さ れ な い 。 時 輪 は 一 〇 七 六 年 著 名 な 丙 辰 の 法 輪 を 開 き 、 そ の 後 ま も な く 逝 去 せ る ツ ェ デ レ 王 の 時 代 に 紹 介 せ ら れ た と な す 論

(Grub-mthah-gal-gyi-me-lon Das Contrion

1831 p 233 ) を 正 し い と せ ね ば な ら ぬ 。 三 さ て 、 い か ち ば 、 時 輪 の 成 立 を 教 理 史 ・ 経 典 ハ畿 達 史 的 に 如 時 輪 タ ン ト ラ 成 立 に 關 す る 基 本 的 課 題

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-27-密 教 丈 化 何 に 位 置 づ け う る か 。 こ れ に つ い て 便 利 な 手 引 を 、 プ ト ン の ﹁ タ ン ト ラ 概 論 ﹂ が 示 い て ゐ る 。 同 書 は タ ン ト ラ を 種 汝 な る 角 度 か ら 分 類 し 位 置 づ け て ゐ る 。 そ い て こ の プ ト ン の 見 解 は 、 こ れ に 關 す る チ ベ ・ッ ト 人 の 見 解 を 代 表 い 、 一 般 的 な 承 認 (1) を え て 信 奉 せ ら れ て ゐ る 。 彼 は 時 輪 を 了 義 に お け る 方 便 般 若 双 入 無 二 の タ ン ト ラ に い て 、 室 悲 無 二 を と く の を 特 色 と す る と 指 摘 し 、 タ ン ト ラ に お け る 最 高 位 を 與 へ て ゐ る 。 も と も と 不 了 義 に お い て は 、 何 れ の タ ン ト ラ も 方 便 般 若 不 二 を と く の で あ る が 、 ま く に 方 便 室 を 強 調 い 、 ヴ ィ シ ュ ヌ 的 色 彩 の 濃 厚 な も の が ﹁ 父 タ ン ト ラ ﹂ 、 こ れ に 樹 い 般 若 大 樂 を 強 調 い 、 シ ワ 的 色 彩 を 多 分 に 有 す る の が ﹁ 母 タ ン ト ラ ﹂ 、 こ の 大 樂 に 執 す る の を 破 い 、 了 義 に お け る 方 便 般 若 双 入 無 二 の タ ン ト ラ 、 室 悲 不 二 を と く も の が ﹁ 時 輪 ﹂ で 、 タ ン 渉 ラ の 窺 極 的 最 高 の も の で あ る と い ふ 。 こ れ を 現 代 的 理 解 に お い て 換 言 す れ ば 、 教 理 ・ 経 典 襲 達 史 的 に も 父 母 爾 タ ン ト ラ を 綜 合 止 揚 し た 究 極 的 存 在 を 時 輪 と み た と い ひ う る 。 こ の 見 解 の 要 當 性 は 、 タ ン ト ラ 佛 教 展 開 の 主 潮 流 に つ い て い へ ば 、 充 分 承 認 せ ら れ ね ば な ら ぬ で あ ら う 。 第 一 、 経 典 畿 達 史 的 に は 、 時 輪 に 援 引 す る 経 典 ハ の 名 稽 ・ 所 読 に よ つ て 實 誰 せ ら れ る 。 即 ち 、 古 く 毘 婆 沙 等 に さ か の ぼ り う る が 、 そ れ は い ば ら く 剥 と し て 、 無 上 喩 伽 タ ン ト ラ 部 の み に つ い て い へ ば 、 父 タ ン ト ラ ・ 毘 盧 遮 那 部 類 の マ ー ヤ ー ヂ ャ ー ラ (No 466 ) と く に ナ ー マ サ ン ギ ー テ を -そ れ が 一 般 的 信 奉 を え て ゐ る と い ふ 意 味 で 1 棲 誰 と い て 使 用 い v 父 タ ン ト ラ を 代 表 す る 阿 閤 部 類 秘 密 集 (No 422 ) 、 母 タ ン ト ラ の そ れ 、 ヘ ル カ 部 類 勝 樂 輪 (No 368 ) 、 同 繹 タ ン ト ラ ・ ア ビ ノ ー タ ラ (No 369 ) 、 さ ら に 金 剛 牝 豚 に い た る タ ン ト ラ を 援 引 (2) い て ゐ る こ と を 指 摘 す れ ば 充 分 で あ ら う 。 第 二 、 教 理 史 が 或 る 意 味 に お い て 経 典 嚢 達 史 に 即 慮 す べ き こ と は 論 を ま た ぬ ゆ た い か に 灌 頂 に お い て 十 一 灌 頂 を た て つ 叉 第 十 一 灌 頂 た る ﹁ 第 四 灌 頂 ﹂ の み を 出 世 間 と い 、 或 は 成 就 法 に お い て 父 タ ン ト ラ の 特 質 を な す 生 起 次 第 、 母 タ ン ト ラ の 特 質 を な す 究 寛 次 第 の 二 次 第 を 、 了 義 に お い て 無 二 の 一, 体 系 と い て 組 織 立 て よ う と い 、 或 は 了 義 の 室 悲 無 二 を 主 張 す る 等 、 内 容 形 式 と も に 父 母 タ ン ト ら を 融 合 止 揚 い 、 方 法 論 的 に も 哲 學 的 立 場 に 於 て も 了 義 に お け る 双 入 無 二 の タ ン ト ラ と い て 、 自 己 の 存 在 を 主 張 い て ゐ る 。 い か い 、 こ よ で は 、 か や う な 時 輪 の 教 義 体 系 の 個 汝 の 課 題 を い ば ら く お い て 、 そ の 教 義 体 系 を 展 開 せ い め た 基 本 的 な 特 色 的 契 機 に つ い て 一 鷹 指 摘 す る に と 吏 め た い 。 こ れ を 一 言 に し て い へ ば 、 時 輪 の 基 本 的 か つ 究 極 的 命 題 が 、 い は ゆ る 了 義 の 双 入 無 二 に あ る こ と は 論 を ま た ぬ が 、 こ の 双 入 無 二 性 の 實 誰 的 原 理 も し く は 基 盤 的 形 式 を ﹁ 時 間 存 在 ﹂ の 哲 學 的 考 察 に 求 め 、 そ れ を 基 準 妻 い て い は ゆ る ﹁ 外 内 他 ﹂ の ,三 範 疇 を た て 、 三 範 疇 の 相 即 的 阿 州 性 に 依 擦 し て 、 い は ゆ る 成 就 法 の 体 系 を 組 織 規 定 い 、 も つ て 出 世 間 の 果 た る 佛 と 衆

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-28-生 の 双 入 無 二 性 の 畳 誼 に 到 達 せ ん と い た の が 時 輪 で あ る と い (3) つ て 差 支 へ な か ら う 。 も ど も と 、 時 輪 に お け る 佛 と 衆 生 と の 關 係 は 、 佛 を 離 れ て 衆 生 な く 、 衆 生 を 離 れ て 佛 は あ り え な い 。 佛 と い ふ も 、 そ れ 自 体 は 衆 生 の 無 垢 の 心 v 佛 も 魔 も 心 の 顯 現 に 外 な ら す 、 衆 生 本 來 成 佛 で あ る (無 垢 光 第 一 品 第 三 章 一 三 五 枚 ) と い ふ 。 こ れ が ま さ い く 本 初 佛 の 本 質 的 意 義 を な す こ と は 勿 論 で あ る が 、 こ の 佛 と 衆 生 と の 關 係 を 双 入 無 二 と 表 現 す る 。 そ の 當 然 の 錦 結 と い て 、 菩 提 心 並 に 菩 提 を と も に 塞 悲 不 二 と い て 把 握 す る の を 特 質 と い て ゐ る 。 こ 叉 で は 、 い は 吏 自 己 が 本 來 の 無 限 の 自 己 を 畳 誰 す る こ と が 、 一 切 の 一 切 で あ つ て 、 佛 教 の 傳 統 的 本 (4) 質 的 課 題 に 回 答 を 與 へ よ う と い て ゐ る の で あ る 。 こ の た め の 手 段 と い て 、 汐 ン ト ラ 的 方 法 が 要 請 せ ら れ て ゐ る に 外 な ら ぬ 。 こ の タ ン ト ラ 的 方 法 の 中 核 を 形 成 す る も の が 、 い は ゆ る 成 就 法 で 、 こ れ が 、 時 聞 存 在 の 哲 學 的 考 察 を 基 盤 と い て 組 織 立 て ら れ て ゐ る 。 時 間 ( カ ー ラ ) は 一 切 の 現 存 在 ( チ ャ ク ラ ) を 可 能 な ら い め て ゐ る 根 擦 で あ る が 、 同 時 に そ れ は 現 存 在 を 離 れ て は あ り 克 な い 。 不 了 義 に お け る こ の 二 元 は 、 了 義 に お い て は 相 互 浸 透 的 な 全 一 、 双 入 無 二 性 と い て 佛 と 衆 生 の 關 係 に 等 い い 。 時 輪 ( ヵ ー ラ チ ャ ク ラ ) な る 名 稻 の 本 質 的 意 義 も こ 叉 に あ る 。 か や う な 存 在 と い て 、 第 一 に 外 的 宇 宙 現 象 と い て の 世 界 を と り あ げ る 。 そ い て そ の 端 的 な 姿 と し て 、 ・ 日 月 星 辰 等 と そ の 蓮 行 が と り あ げ ら れ 、 暦 學 が 重 性 な 要 素 を 構 成 い て ゐ る 。 こ の 、い は ゆ る ﹁ 外 ﹂ な る 範 曝 に 樹 い て ハ い は ゆ る ﹁ 内 ﹂ な る 第 二 範 疇 は 、 具 体 的 に は 外 界 に 野 す る 實 践 的 個 体 と い て の 人 間 存 在 で あ る が 、 個 女 の 外 的 宇 宙 現 象 に 相 封 い で は 、 身 体 内 部 の 現 象 と い て 、 著 る し く イ ン ド 教 的 で あ る が 、 輪 ・ 大 脈 管 ・ 五 風 等 を 取 上 げ て ゐ る 。 世 界 と 個 人 は 大 小 宇 宙 と い て 把 握 せ ら れ 、 そ の 個 汝 の 事 象 は そ れ ぞ れ 相 即 い 同 一 覗 せ ら れ る 。 こ れ ら め 事 象 の 各 汝 が 、 眞 言 文 字 ・ 表 徴 に よ り 代 表 せ ら れ 、 も い く は そ れ 自 体 で あ る と せ ら れ る の は 勿 論 の こ と 、 個 汝 の 佛 教 理 念 ・ 思 想 を 代 表 い そ れ に 相 即 す る 。 こ の 佛 教 本 來 の 立 場 か ら す る 領 域 を 、 い は ゆ る ﹁ 他 ﹂ と い て 三 範 疇 を 立 て る 。 こ の 三 範 疇 の 相 即 性 に 依 擦 し て 、 一 定 の 規 定 ・ 法 則 に 組 織 立 て ら れ た 観 法 修 法 を お こ な へ ば 、 第 一 、 佛 と 衆 生 の 双 入 無 二 性 の 畳 誰 、 能 所 を 断 じ た ・智 身 と し て の 室 悲 不 二 の 金 剛 持 た る 成 佛 を う る 。 こ の 出 世 間 的 果 に 鍬 い 、 世 聞 的 に は 、 宇 宙 的 な 存 在 や 人 生 に 支 配 力 を え 、 回 教 撲 滅 等 .も 可 能 と せ ら れ る 。 時 輪 タ ぞ ト ラ の 構 成 が 、 ﹁ 外 ﹂ と い て の 世 界 品 、 ﹁ 内 ﹂ と い て の 内 界 品 、 ﹁ 他 ﹂ と い て の 灌 頂 、 成 就 法 品 、 果 と い て の 慧 智 品 の 次 第 か ら な る も の も 、 か や う な 主 旨 と 理 由 に も と つ く の で あ る 。 か や う に い て 、 時 輪 は 、 了 義 の 双 入 無 二 を 本 質 的 立 場 と い 、 時 間 存 在 の 哲 學 的 考 察 を 基 盤 と す る 三 範 疇 の 相 即 性 に よ つ て 、 そ の 体 系 を 組 織 立 て る こ と に よ り 、 父 母 雨 タ ン ト ラ を 綜 合 止 揚 い 、 い は ゆ る 母 タ ン ト ラ の シ ャ ク テ ィ 的 構 想 に よ る 倶 時 輪 タ ン ト ラ 成 立 に 關 す る 基 本 的 課 題

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-29-密 教 文 化 生 の 哲 學 を 超 え 、 不 了 義 に お け る 大 樂 を も 超 え よ う と い た こ (5) と を 知 り う る の で あ る 。 以 上 に よ つ て 、 わ れ わ れ は 、 時 輪 の 経 典 磯 達 史 、 教 理 史 に い め る 位 置 を 略 汝 規 定 い 、 も つ て 、 そ の 成 立 の 内 面 的 考 察 を 簡 箪 に 論 及 し た 。 そ い て 、 そ の 結 論 も ま た 、 吾 汝 の 成 立 場 所 と 年 代 を 保 誼 す る ヒ と に な つ た の で あ る 。 ( 1 ) プ ト ソ の ﹁ タ ン ト ラ 概 論 ﹂ は 廣 ・ 申 ・ 抄 の 三 部No 4740 4739 が 存 し 、 廣 の ご と ぎ 四 百 枚 を 越 え る 大 部 作 で 、 プ ト ン の 目 録 の 前 奏 曲 を 構 成 す る の み な ら ず 、 ツ ォ ン カ バ の ガ ー リ ポ (No 4363 ) ケ ー ト ウ プ の タ ン ト ラ 概 論 (No 5076 ) 等 に 封 し て も 先 駆 的 主 導 的 役 割 を 果 た し 、 注 意 せ ら る べ き 著 作 で あ る 。 (2 ) タ ン ト ラ 概 論 ・ 廣 ・ 一 七 四 枚 等 、 時 輪 史 ・ 三 〇 枚 、 青 丹 一 〇 、 三 〇 枚 、 無 垢 光 ・ 第 一 品 第 四 章 等 、 無 垢 光 薙 嚴 ・ 五 〇 枚 、 デ ル ゲ 目 録 (No 4583 ) 一 四 三 枚 等 。 ( 3 ) 時 輪 史 ・ 三 八 枚 、 タ ン ト ラ 概 論 は 、 時 輪 の 特 質 を 各 方 面 か ら 論 じ て ゐ る 。 サ キ ャ 汲 と ケ ー ト ゥ プ の 時 輪 観 は プ ト ン と 多 少 異 な る 。 ( 4 ) 時 輪 が 本 質 的 に 佛 教 本 來 の 深 い 哲 學 的 思 索 尺 も と つ い て ゐ る こ と を 改 め て み な ほ す 必 翼 が あ る 。 い は ゆ る 本 初 佛 体 系 を 有 騨 論 ・ 汎 神 論 ・ 多 蟹 教 的 堕 落 形 式 と み るPoussin(ERE P 96 Grunwedel (Nythologie S 43 )Eliot (op cit vo p 337 ) Waddel (Lamaism P 15 131 ) の 見 解 は 、 外 形 的 一 面 観 に す ぎ な い 。 ( 5 ) シ で ク テ ィ 的 大 樂 を 超 越 し や う と し て 、 時 間 存 在 を 取 上 げ た 黙 か ら し て も 、 時 輪 を も つ て 、 タ ン ト ラ 佛 教 の 毒 も 誇 張 せ ら れ た 厭 、 ふ ぺ き 堕 落 形 式 と な す 從 來 の 學 者 の 見 解 は 再 批 判 せ ら れ ね ば な ら ぬ 。 時 輪 を 簡 明 に 要 述 せ る ウ ッ タ ラ タ ン ト ラ も (No 363 364 ) わ れ わ れ の 見 解 を 保 謹 す る 。 四 さ て 、 時 輪 成 立 に 關 す る 今 一 つ の 課 題 は 、 時 輪 及 び 無 垢 光 の 史 的 著 者 を 求 め ね ば な ら ぬ こ と で あ る ﹃ わ れ わ れ は そ の 著 者 を ヤ シ ャ 、 プ ン ダ リ ー カ 王 と い ふ が ご と き 創 作 的 傳 読 に 委 ね 放 置 す る こ と は で き な い 。 そ こ で 、 ま つ イ ン ド に お け る 蒔 輪 の 創 唱 的 人 物 の 探 究 か ら 問 題 を は じ め ね ぜ な ら ぬ 。 い か る に 、 こ れ に つ い て も 諸 記 録 は 必 ホ い も 一 致 せ す 異 読 を 冤 れ え な い 。 か や う な 異 読 に 充 分 な 槍 討 を 與 へ 學 的 認 識 を う る た め に は 、 な ほ 多 く の 操 作 を 今 後 に ま た ね ば な ら ぬ こ と は 論 を ま た ぬ が ﹀ さ い あ た つ て 、 多 少 の 瞼 討 を 加 へ 、 一 懸 の 見 解 を う る を も つ て 満 足 せ ね ば な ら ぬ 。 お よ そ こ れ に 關 す る 典 型 的 チ ベ ッ ト 所 傳 と い て 、 四 種 の 異 読 を 指 摘 し う る で あ ら う 。 よ つ て 、 わ れ わ れ は 、 チ ベ ッ ト へ の 流 傳 や 現 存 の 諸 時 輪 文 献 著 作 者 ら を 考 慮 に い れ つ 叉 、 こ れ を 橡 討 い た い 妻 思 ふ 。 第 ,一 読 、 ト ー 流 所 傳 と い て 、 二 種 の 記 述 、 即 ち 、 プ ト ン の , そ れ 及 び 十 二 世 紀 後 牛 の 人 と 推 定 せ ら れ る ラ ン ワ ン ソ ー ワ ・ チ ュ ー キ ワ ン ツ ク の そ れ が あ る 。 雨 者 の 記 述 は 大 綱 に お い て 一 致 し 細 部 に お い て 異 る が 、 プ ト ン の そ れ は 、 次 に 第 二 読 と

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-30-し て 紹 介 す る ラ ワ ー 流 の 所 傳 を 多 分 に 考 慮 い て ゐ る か に み え る 。 そ れ ゆ ゑ . ラ ン ワ ン ソ ー ワ の 記 述 に つ い て 、 そ の 大 要 を 述 べ て み た い ー イ ン ド の マ ガ グ 國 の 王 族 、 大 時足(Dus-shaps) は A い は ゆ る 第 二 代 カ ル キ , ブ ン ダ リ ー カ 王 か ら -そ の 他 の 異 読 も 存 す る が 1 酔 秘 的 な 方 法 に よ つ て 時 輪 の 灌 頂 並 に 諸 法 を う け 、 マ ガ ダ に 在 佳 い 、 弟 子 に 五 學 匠 を 出 い た 。 即 ち (1) ビ ン ド ー ア ー チ ャ ー リ ヤ 、 (2) ヴ ィ ナ ヤ ー カ ラ マ テ ィ 、 (3) ム ク タ ー カ ラ グ プ タ 、 (4) シ ン ハ ,ド ワ ヂ ャ 、 (5) ア ナ ン タ ヴ ィ ヂ ャ ヤ で 、 そ の 上 足 を (1) ビ ン ド ー パ と す る 。 こ の 人 は ワ ー ギ ー シ ュ ワ ラ キ ー ル テ ィ 等 十 二 人 の 學 匠 に 園 続 せ ら れ る 大 學 匠 と な つ た 。 そ の 後 、 大 時 足 は ナ ー ロ 4 パ の た め に 自 ら と く に プ ラ ハ リ に 到 り 法 を 傳 へ た が 、 こ の と き い は ゆ る 小 時 足 も 共 に 聴 聞 い 、 大 時 足 の 正 統 的 相 承 者 と な つ た 。 小 時 足 は ピ ン ド ー パ の 令 息 で 、 優 婆 塞 ボ ー デ ィ と も い ふ 。 大 小 時 足 而 入 が マ ガ ダ に お い て 、 ﹁ 吉 群 時 輪 を 知 ら ざ れ ば 、 ナ ー マ サ ン ギ ー テ ィ ( 妙 吉 鮮 眞 實 名 経 ) を 知 ら ホ 、 こ れ を 知 ら ざ れ ば 眞 言 乗 を 知 ら ・す 、 眞 言 乗 を 知 ら ざ る も の は 、 す べ て 輪 廻 い 、 世 奪 金 剛 持 の 道 を 離 る ﹂ と い ふ 著 名 な 宣 言 を 襲 い て ゐ た 。 そ こ で 、 ・ こ れ を 承 認 し な い 多 く の 學 匠 が 、 ヴ ィ ク ラ マ シ ー ラ ( 叉 は ナ ー ラ ン ダ ) 寺 に 座 を 設 け て 論 諄 し た が 、 す べ て 小 時 足 の た め に 敗 れ た 。 よ つ て 小 時 足 を 頂 禮 い 時 輪 を 請 問 い 、 彼 を 時 輪 者 (Dus-sha ) と よ ん だ 。 こ れ を 契 機 と い て 時 輪 は ひ ろ く 流 布 し た 。 丁 度 、 こ の こ ろ ヵ シ ミ ー ル に お い て ソ ー マ ナ ー タ は 、 大 時 足 の 弟 子 ヴ 丁 ナ ヤ ー カ ラ マ テ ィ に よ つ て ﹁ 灌 頂 略 示No 361 を 贈 呈 せ ら れ 、 信 を お こ し 、 マ ガ グ に 到 り 、 大 小 時 足 と く に 後 者 に つ い て 、 時 輪 を 請 問 い 、 灌 頂 、 タ ン ト ラ 、 註 繹 、 教 令 す べ て を う け ハ か シ ミ ー ル に 踊 來 い た が 、 蕾 師 と 意 見 を 異 に い た 。 よ つ て 來 藏 い 、 時 輪 を 流 布 い た 。 彼 に 協 力 い 時 輪 文 献 翻 謬 に 主 役 を 果 た し た の が 、 ト ー ・ シ ー ラ プ タ ク で 、 そ の 系 統 を ト ー 流 と よ ぶ ー と い ふ の で あ る 。 ソ ー マ ナ ー タ は 、 著 名 な ア テ ィ シ ャ の 死 後 に 、 ダ ワ ・ グ ン シ -( A D 1012-1030 ) の 晩 年 に 來 藏 し 、 五 十 歳 か ら 八 十 歳 ま で 三 十 年 間 在 藏 し 、 そ の 聞 、 師 に 贈 物 を な い 金 剛 座 を 供 養 す る た め イ ン ド に 赴 き 、 大 時 足 の 弟 子 ヴ ィ ナ ヤ ー カ ラ マ テ シ ン ハ ト ワ ヂ ャ 爾 人 に つ き 疑 義 を 断 じ て 編 藏 し た と い は れ て ゐ る ( 青 丹 ニ ノ 六 、 一 〇 ノ 四 、 時 輪 史 、 三 二 枚 ) 。 ゆ ゑ に 、 こ れ ら の 記 述 に よ る 限 り 、 ソ ー マ 才 ー タ の 來 藏 は 、 早 ど も 西 暦 一 。 六 〇 年 を ほ と ん ど さ か の ぼ り え な い コ 加 之 、 有 の 年 代 並 に 小 時 足 の 諸 弟 子 の 生 存 年 代 か ら い て 、 大 小 時 足 の 時 輪 活 動 も 、 略 汝 、一 〇 四 〇 ー 五 〇 年 ご ろ か ら 開 始 せ ら れ 、 小 時 足 は 一 〇 七 〇 年 ご ろ ま で 生 存 い て ゐ た こ と を 推 定 い う る の で あ る 。 元 來 、 チ ベ ッ ト へ の 時 輪 輸 入 は 、 ギ ツ ォ ー に 次 ぎ ト ー 流 が 最 も 古 く 、 ラ ン ワ ン ソ ー ヲ の 所 読 は 、 プ ト ン ・ 青 丹 い つ れ よ り 古 く 、 學 者 の 依 用 す る タ ー ラ ナ ー タ 、 ワ イ ド ー ル ヤ カ ル ポ に 比 す れ ば 四 ・ 五 世 紀 を さ か の ぼ ぴ う る も の で 、 資 料 と い て の 時 輪 タ ン ト ラ 威 立 に 關 す る 基 本 的 課 題

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-31-密 教 文 化 信 頼 性 は 高 く 評 債 せ ら れ て 然 る べ き で あ る 。 た 葉 い 、 ナ ー 廿 ー パ に 關 す る 記 述 は 、 後 述 す る ご と く 牽 強 附 會 の 感 を 強 く 反 映 い て ゐ ゐ o お そ ら く 灌 頂 略 示 註 が 彼 に 露 せ ら れ た の も 彼 の 法 流 が 盛 に お こ な わ れ た こ と に よ る 附 會 と み て 差 支 へ な か ら う 。 プ ト ン が ナ ー ロ ー 。か と 大 時 足 の 關 係 及 び 後 者 を マ ガ ダ 出 身 と す る こ と に つ い て 述 べ て ゐ な い の は 、 彼 の 用 心 深 い 注 意 を 示 い て ゐ る と い へ よ う 。 第 二 読 、 ト ー 流 と と も に チ ベ ッ ト の 時 輪 の 二 大 學 派 を 形 成 す る ラ ワ ー 流 の 所 傅 と い て 、 プ ト ン の 記 述 す る 時 輪 相 承 系 譜 は 、 第 一 読 と 異 な り 、 大 時 足 か ら さ ら に 二 代 チ ル パ に さ か の ぼ る 系 譜 を 立 て 、 ピ ン ド ー パ の 時 輪 系 譜 に お い て 占 め る 位 置 も 、 大 時 足 を 中 心 と い て 、 第 一 読 と 逆 韓 い て ゐ る 。 即 ち 第 一 読 、 大 時 足 ー ピ ン ド ー 等 五 .人 及 び 小 時 足 な る に 封 い 第 二 読 ふ チ ル パ ー ピ ン ド-1 大 時 足-小 時 足 と い ふ 系 譜 を 主 張 す る 。 プ ト ン に よ れ ぱ 金 剛 座 を 中 心 と い て 、 東 方 に ガ ヂ ャ パ テ ィ ・ デ ー ハ パ ー ラ 王 、 南 方 に ナ ラ パ テ ィ ・ ヂ ャ ウ ガ ン ガ パ 王 、 西 方 に ア シ ュ ワ パ テ ィ ・ ヵ ナ ウ ヂ 王 の 三 王 が ゐ た こ ろ 、 東 印 五 國 の 中 の オ ー ラ ヴ ィ パ に 生 れ た 藏 持 の 大 阿 閣 梨 耶 チ ル パ . パ ン デ ィ ク は 、 ナ ー ラ ン グ 、 ヴ ィ ク ラ マ シ ー ラ 、 ラ ト ナ ギ リ に お い て 一 切 藏 経 を み て ゐ た 。 そ の と き 、 唯 ラ ト ナ ギ リ を 例 外 と い て 、 回 教 の 加 害 多 き を み て 、 即 身 成 佛 の 教 た る 眞 言 乗 の 必 要 性 、 と く に そ れ を ﹁ 菩 薩 の 註 繹 ﹂ を も つ て 解 明 す べ き 必 要 を 痛 感 し 、 そ の シ ャ ン バ ラ に 存 す る を 璽 知 い 、 南 方 に 渡 海 す る こ ど 六 ヶ 月 に い て 文 殊 の 化 身 か ら ﹁ 菩 薩 の 三 部 門 ﹂ 即 ち ヘ ー 7 ,ヂ ラ 、 チ ャ ク サ ン バ ラ 、 時 輪 の 三 部 門 の 灌 頂 ・ タ ン ト ラ ・ 同 註 ・ 教 令 一 切 を う け 、 臆 持 し て 東 印 に 露 つ た 。 御 名 を チ ル パ と 稻 す 。 そ の 後 、 彼 は ヵ タ カ 王 の 許 に お も む き 、 在 佳 い 、 弟 子 三 人 を 出 し た 。 そ の 一 人 が ピ ン ダ 、 も い く は ピ ン ヂ づ ・ ア ー チ ャ ー リ ヤ で 、 彼 も 菩 薩 の 部 門 を 完 全 に 臆 持 い た 。 チ ル パ は 弟 子 の 請 に よ り ﹁ 菩 薩 の 三 部 門 ﹂ を 書 巻 と い た が 、 た ま た ま 他 國 軍 の 侵 入 が あ つ た の で 、 そ れ を 坑 に 秘 い て 避 難 い 、 兵 剣 の 鎭 静 後 露 來 い て み る に 、 三 部 門 の 中 の 二 部 を 残 い 、 他 の 一 部 即 ち 時 輪 部 門 の 紛 失 を 嚢 見 し た 。 い か い て 、 弟 子 の 願 に も か 叉 わ ら す ㍉ 再 度 こ れ を 書 巻 に す る を 許 さ す 、 チ ル パ は 東 印 に 露 つ た 。 そ こ で ビ ン ド ー パ が 臆 持 す る と こ ろ に よ り ワ レ ー ン ド ラ 出 身 の 大 時 足 に 述 べ た 。 大 時 足 も ま た 臆 持 に よ り 東 印 に お い て 時 輪 を 教 授 い 、 ヴ ィ ナ ヤ ー ヵ ラ マ テ ィ 、 シ ン ハ ド ワ ヂ ャ 、 ア ナ ン タ 、 小 時 足 の 四 人 の 弟 子 を 出 い た 。 小 時 足 は 東 印 マ ン ヂ ュ ハ 出 身 で 、 ナ ー ラ ン ダ パ 、 ボ ー デ ィ パ と も 稻 せ ら れ る 。 彼 は セ ン グ ワ の 徒 が オ ー タ ン タ プ リ 寺 を 受 持 七 て ゐ た こ ろ 、 ナ テ ン ダ に 到 り 、 第 一 読 に 述 べ た ご と き 著 名 な 宣 言 を 磯 い 、 五 百 人 の 學 匠 と 論 静 い 、 こ れ を 屈 服 せ い め 弟 子 と な い た 。 そ の 中 、 マ ン ヂ ュ キ ー ル ・テ ィ 、 ア ビ ユ ク タ 、 ダ ー 輩 且 薩 、 ア バ ヤ ー カ ラ グ プ タ 、 マ ハ ー プ ン 昌 ヤ 、 ソ ー マ ナ ー タ 、 チ ャ ミ 等 多 く の 學 匠 が 出 で 、 時 輪

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-32-は 廣 く 流 布 い た -と い ふ の で あ る 。 こ の 小 時 足 の 弟 子 五 學 匠 と く に マ ン ヂ ュ キ ー ル テ ィ に 學 ん だ の が 、 ネ パ ー ル の イ ェ ー ラ ン の 人 サ マ ン タ シ ュ リ ー で 、 こ れ に ラ ワ ー ・ チ ュ r ラ ブ が 五 年 五 ヶ 月 學 ん だ 。 こ の 系 統 が ラ ワ ー 流 で あ る 。 チ ュ ー ラ プ の ネ パ ー ル 留 學 は 、 そ の 叔 父 ラ ワ ー 翻 課 官 ド ル ゼ ヨ タ ク の .死 後 で 、 お そ く 、一 一 四 〇 年 走 健 か の ぼ り え な い 時 代 で あ る (青 丹 七 ノ 一 、 ラ ワ ー 翻 課 官 傳 記No 6 fol 150 ) 。 ゆ ゑ に ト ー 流 た 比 い 、 そ の 所 傳 は 約 一 世 紀 に 近 い 時 差 を も ち 、 そ の 間 に 傅 承 の 襲 展 の 存 い た こ と を 想 像 せ い め る 。 有 の 系 譜 は ラ ワ ー 流 内 に お い て も 必 す い も 絶 封 的 承 認 を え た わ け で は な く 、 同 流 派 内 に お い て も 第 一 読 と 同 じ ぎ 系 譜 を 主 張 い た も の も 存 い た こ と を 、 刷プ ト -ン が 記 い て ゐ る 。 た レ か に ラ ワ ー 流 の 傅 承 は 、 時 輪 及 び 無 垢 光 の 兵 剣 に よ る 紛 失 と 臆 持 に よ る 相 承 を 伏 線 と い て 、 そ の 系 譜 を チ ル パ に さ か の ぼ ら い め 、 も つ て そ の 系 譜 の 正 當 性 を 主 張 い よ う と い て ゐ る か に み え る 。 然 り と す れ ば 、 こ の 系 譜 が 何 を 基 準 と い て チ ル パ 巳 に さ か の ぼ ら い め ら れ た か 、 を 瞼 討 い な け れ ば な ら ぬ 。 お よ そ こ の 無 上 喩 伽 タ ン ト ラ ヘ ル ヵ 部 類 の 學 匠 と い て 紹 介 せ ら れ た チ ル パ に は 時 輪 所 屡 の 著 作 と い て ﹁ 六 支 鍮 伽 優 婆 提 舎No 1374 ﹂ の 一 部 が 存 す る の み で あ る 。 彼 の 他 の 著 作 (No 1 ) 及 び タ ー ラ ナ ー タ の 記 述 か ら す れ ば、 彼 は 無 上 喩 伽 父 タ ン ト ラ 秘 密 集 、 就 中 、 そ の ヂ ニ ャ ー ナ パ ー ダ 流 の 學 匠 で あ つ た ら い い 。 ( デ ン ギ ュ ー ル 目 録 ・ 三 七 二 枚 、EDELSTEINMI S 103-4 ) 。 然 り と す れ ば 、 か や う な 彼 に 秘 密 集 及 び 時 輪 に 共 通 的 な 課 題 た る 成 就 法 の 究 寛 次 第 を 示 す 六 支 鍮 伽 に 關 す る 教 令 的 論 書 が 存 い 、 そ れ が 時 輪 に 先 行 い た 時 代 の 、 か つ 時 輪 に 所 屡 せ し め ら れ る が ご と き 性 格 の も の で あ つ た と し て も 、 必 す い も 不 合 理 で は あ り え な い 。 か や う な 見 地 か ら す れ ば 、 ラ ワ ー 流 の 系 譜 も タ ン ト ラ の 核 心 的 課 題 た る 成 就 法 を 基 準 と い て 過 去 に さ か の ぼ つ た も の と い て 一 慮 の 會 通 を 航な い う る わ け で あ る 。 . ピ ン ド ー パ に つ い て は 多 く の 問 題 を 藏 い て ゐ る が 、 彼 が 青 丹 の ご と く 時 輪 成 就 法 の 著 作 者 婆 羅 門 ス 二 ヨ ム パ に 相 當 す る と す れ ば 、 有 の 會 通 は 釜 々 保 誼 せ ら れ る わ け で あ る 。 何 れ に も せ よ 、 チ ル パ と 土 ハ に ピ ン ド ー パ の 時 輪 系 譜 に お け る 位 置 は 、 著 る い く 動 揺 を 菟 れ す 定 読 を え な い 。 次 に 述 べ る 第 三 読 は 、 チ ル パ 、 ピ ン ド ー パ を 大 時 足 に 比 定 い て ゐ る ゆ 第 三 読 A 、 大 時 足 と は 、 一 喩 伽 母 の 子 供 で チ ル パ 、 ρ チ ン ブ パ と も い ふ 。 紳 秘 的 な 仕 方 で 観 普 の 化 身 に シ ャ ン パ ラ 國 に お い て 時 輪 を う け た 。 以 下 ラ ワ ー 流 の チルパ、傳に準 す る 読 明 が 加 え ら れ て ゐ る 。 但 い 、 同 読 の 窯 前 か ら い て 、 チ ル パ が 兵 剣 鎭 静 後 東 印 に 錦 り 、 優 婆 塞 ボ ー デ ィ 即 ち 小 時 足 に 時 輪 を 傳 へ た と い ふ 。 同 読 は ネ ン 翻 繹 官 系 統 に お け る 読 で あ る が 、 い か い こ の 系 統 に お い て も 、 特 に チ ル パ を 読 か す 第 一 読 ト ー 流 と 等 い い 読 も 奉 ぜ ら れ て ゐ た 。 そ い て 、 爾 読 と も に ネ ン 翻 課 官 の 師 を マ ン ヂ ュ キ ー ル テ ィ 、 ア パ ヤ ー カ ラ と な す が 、 前 読 で は こ の 爾 師 を 箪 に 小 時 足 の 弟 子 と な す に 封 い 、 後 読 で は 小 時 足 時 輪 タ ン ト ラ 成 立 に 關 す る 基 本 的 課 題

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-33-密 教 丈 化 及 び ナ ー ロ ー パ の 弟 子 と い て ゐ る ゆ 何 れ に い て も 、 來 由 を 一 に い て い か も か 叉 る 異 読 を 存 い 、 或 は 、 ネ ン 系 統 の 時 輪 教 學 が 早 く か ら 中 絶 い た こ と を 考 慮 す れ ば 、 こ の A 読 の 傳 承 保 持 の 純 粋 性 、 從 つ て 、 そ の 確 實 性 に も 疑 問 な き を え な い 。 後 時 に 氣 い て ト ー 流 に ラ ワ ー 流 の 所 読 を 折 衷 せ い め た と 推 定 す べ き 公 算 を 多 分 に 有 い て ゐ る と い ふ べ き で あ る 。 も つ と も ネ ン 翻 謁 官 自 体 を ツ ェ デ ー の 法 輪 ( 西 暦 咽 〇 七 六 ) に 参 加 い 、 十 二 年 間 在 印 い た 人 物 と す れ ば 、 年 代 的 に は ラ ワ ー 流 に 先 立 つ の で あ る 。 い か い 時 輪 者 と い て の チ ル パ の 著 作 を 紹 介 い た の は 、 ラ ワ ー ・ チ ュ ー ラ プ で あ つ た 。 の み な ら す 、 折 衷 附 會 に よ る 傳 承 の 畿 展 は 、 沙 し て 稀 な 現 象 で は な い か ら で あ る 。 十 五 世 紀 の ヴ ァ イ ド ー ル ヤ カ ル ポ 、 十 六 世 紀 の ス レ ー シ ャ マ テ ィ の 所 読 は 、 こ の 第 三 読 A の 亜 流 と い ひ う る 。 ス レ ー シ ャ マ テ ィ の ご と き は 、 大 時 足 を チ ル パ 、 チ ト ゥ ヂ ュ ワ ラ の み な ら す テ ィ リ ッ パ に 、 小 時 足 を ナ ー ロ ー パ に 比 定 い て ゐ ・る (AbayA 614 658 ) 。 折 衷 附 會 に よ る 傳 承 畿 展 の 適 例 で あ る 。 右 に 封 い 、 第 三 読 B は 、 ビ ト ー パ を 時 輪 の イ ン ド 將 來 者 と す る ク ー ラ ナ ー タ の 所 読 で 、 ビ ト ー の 弟 子 を ボ ー ヂ ィ シ ュ リ ー ( 小 時 足 ) 、 ナ ー ロ ー パ 、 ア ワ ド ゥ ー テ ィ パ ( マ イ ト リ パ 、 ア ド ワ ヤ ワ ヂ ラ ) の 三 人 と い て ゐ る (EDELSEINMINE こ の ピ ト ー パ と ば 、 ピ ン ド ー パ の 韓 託 音 で 、 チ ベ ッ ト に お い て はBsod-snoms-pa と 翻 課 せ ら れ て ゐ る の を 通 例 と す る 。 こ の 行 乞 者 を 意 味 す る 謬 語 か ら す れ ば 、 そ れ は 範 曜 的 な 稻 呼 と い て 、 必 ず い も 特 定 の 一 人 物 を さ す と は 限 ら な い が 、 と に か く 、 ピ ン ド ー パ な る 名 稻 の 人 物 は 、 こ 叉 に 時 輪 系 譜 に お け る 地 位 を 三 韓 い た わ け で あ ーる 。 こ の タ ー ラ ナ ー タ 所 引 の 典 擦 を 明 ら か に す る を え な い 。 と は い へ 、 彼 び 年 代 、 所 引 系 譜 が 特 異 的 要 素 を 多 分 に 有 す る こ と 等 を 考 慮 す れ ば 、 必 申 い も 信 擦 性 に と む 所 読 と は い ひ が た く 、 ピ ン ド ー パ 、 ナ ー ロ ー 亀 . ア ウ ド ゥ ー テ ィ を 時 輪 者 と い て 強 調 す る 七 聯 の 構 想 は 、 第 四 読 を 豫 想 い て ゐ る か に 考 へ ら れ る 。 何 れ に せ よ 、 第 三 読 A B は 、 道 稽 大 時 足 と い ふ 實 体 の 不 明 瞭 な 人 物 の 把 握 に 關 す る 一 見 解 を 禾 い て ゐ る に 外 な ら な い 。 そ の 妥 當 性 に つ い て 、 異 論 を は さ み う る と い て も 、 い ば ら く そ れ を 別 と い て 、 類 型 的 に 大 時 足 -小 時 足 を み と め て ゐ る と い ふ 鮎 で 、 第 一 読 ト ー 流 に 囲 致 す る 。 第 四 読 、 以 上 の 諸 読 に 比 い 箸 る い く 異 な つ た 系 譜 を ス ナ ム ウ ッ ツ ェ ル が 記 述 い て ゐ る 。 比 丘 ス 昌 ヨ ム ・ ツ ェ ン ポ ( マ ハ ー ・ ピ ン ド ー パ ) -ダ 導 リ カ パ ー -時 足 ( 大 ) ー -大 時 輪 者 (H 小 時 足 ) ( A ) ボ ー ヂ ィ パ ド ラ ( B ) サ ー ド ゥ プ ト ラ と い ふ 系 譜 を た て 、 さ ら に ( A ) の 弟 子 を ア ピ ユ ク タ 、 ア バ ヤ -ヵ ラ 、 チ 予 ミ 、 ( B ) の 弟 子 を パ ー ス カ ラ と い 、 こ れ ら に セ 翻 課 官 シ ョ ヌ ツ ル テ % ム が 時 輪 を 學 び 、 次 第 に 系 統 い て 、 ヵ -ギ ュ ッ ト 派 の ウ ル ゲ ン パ ( U rgyan-pa AD 1230-1309 )

参照

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