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議事 1 資料 1 2に基づき 崎出委員 大西委員からそれぞれ説明 ( 崎出委員 ) 北海道での品質衛生管理の取組について 配布資料は 全道産地市場衛生管理マニュアル だけであるが 取組事例については口頭で説明する まずは 北海道の水産物について 水揚げ 水揚げされた魚の値段の決め方 流通の概要を説

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第 2 回漁港漁場の品質・衛生管理対策技術検討会議事要旨 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (開催要領) 1.開催日時:平成 23 年(2011 年)2 月 23 日(水)13:30~16:00 2.場 所:農林水産省水産庁中央会議室 3.出 席 者: (委員) 大西 力 愛媛県 八幡浜市 水産港湾課 課長 齋藤 壽典 社団法人 大日本水産会 常務理事 崎出 弘和 北海道漁業協同組合連合会 代表理事常務 永富 洋一 三重県漁業協同組合連合会 代表理事会長 南谷 和彦 イオンリテール(株)東北カンパニー イオン東北 食品商品部 部長 舞田 正志 東京海洋大学 大学院海洋科学技術研究科 教授 吉水 守 北海道大学 大学院水産科学研究院 教授(座長) (オブザーバー) 松岡 隆介 厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課課長補佐 (水産庁) 佐藤 正典 水産庁長官 橋本 牧 水産庁漁港漁場整備部長 竹田 秀一 水産庁漁政部加工流通課長 宇賀神義宣 水産庁漁港漁場整備部計画課長 高吉 晋吾 水産庁漁港漁場整備部整備課長 吉塚 靖浩 水産庁漁港漁場整備部整備課上席漁港漁場専門官 本田 直久 水産庁漁港漁場整備部防災漁村課長 岡 貞行 水産庁漁港漁場整備部防災漁村課水産施設災害対策室長 石井 馨 水産庁漁港漁場整備部計画課課長補佐(総括班、司会) 水益 彰 水産庁漁政部加工流通課課長補佐(指導班) 伊藤 敏朗 水産庁漁港漁場整備部計画課課長補佐(計画班) (議事次第) 1.開会 2.議事 (1)品質・衛生管理の取組事例 (2)新たな品質・衛生管理基準について (3)漁港漁場における品質・衛生管理対策について (4)その他 3.閉会 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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【議事1】 ・資料1、2に基づき、崎出委員、大西委員からそれぞれ説明。 (崎出委員)北海道での品質衛生管理の取組について、配布資料は「全道産地市場衛生管 理マニュアル」だけであるが、取組事例については口頭で説明する。まずは、北海道の 水産物について、水揚げ、水揚げされた魚の値段の決め方、流通の概要を説明し、その 後、輸出への取組状況、「全道産地市場衛生管理マニュアル」に基づく品質衛生管理の 取組状況や現状について説明したい。 北海道の水揚げは約130~140万トンで、ずっと減産傾向にあったが、この3~ 4年は若干上昇傾向にある。北海道で水揚げされる魚種はサケ、ホタテ、コンブ、スケ ソウダラが多い。水揚げの量では50%が資源管理型の沿岸魚種になっている。これら の魚種を含め、金額的には2,450億円である。特にホタテやサケ、コンブ、スケソ ウダラ、ホッケ等で1,400億円くらいの水揚げ。 流通については、これらの魚種は集中的に水揚げされる時期があり、このような時期 には、事前入札等の数量に基づき、漁船から水揚げされて加工業者や仲買人に行くルー トとして、漁船が入港すると、加工業者や仲買人のトラックに直接積み込みされ、市場 施設を通らない水産物が北海道ではかなり多い。道内には74漁協があり、荷さばき所 は106施設、漁協が設置している地方卸売市場が41施設、全部で147の施設があ る。これら施設を使って流通する魚種は刺網、小定置のカレイ類等で、市場に並べられ て荷さばきやセリが行われ、主に鮮魚として消費地に流通するか、若干加工されて流通 する形態。実感として、生産者が市場の衛生管理の部分でどんどん投資をするかという と難しい状況だと思う。サケの場合は入札だったりセリ行為があるが、ホタテは入札若 しくは期間値決めという形で、ホタテは43万トン水揚げされるが、9割近くは漁連が 間に入って組合と加工業者で値決めするシステムが構築されている。サケやホタテを合 わせて800億円くらい水揚げするが、ほとんど市場施設を通らないのが実態。 衛生的な取組では輸出関連で求められる部分が非常に大きいが、米国向けのホタテは 市場を通過しない。EUの場合は、EUHACCPということで、加工場もあるし、モ ニタリングといって、海域調査、漁船登録、岸壁の区分け、市場の衛生管理が必要であ る。いまEUに直接輸出しているのはホタテしかない。漁船の衛生管理、岸壁の区分け、 加工業者へ原料を搬出する際には金属製の箱で汚染されないようにしている。EUの場 合は岸壁に屋根をかけなければいけないと話もあるが、実際には屋根をかけなくても衛 生管理がきちっとされていれば問題ない。屋根つき岸壁はかなり整備されているが、E Uでも必要としていないのが実態。秋サケの50%は中国に輸出し、中国から、アメリ カとEUに半々輸出されている。将来的には、秋サケを北海道で加工して直接輸出をや らなければいけないと考えている。その際には岸壁の屋根は必要となってくる。秋サケ の水揚げは岸壁で選別(オスメス)する必要がある。選別作業は屋根が無い所でやって いるので、直接輸出となれば、その点について漁港や市場の投資はこれから必ず必要に なってくると思っている。 北海道漁連としては、配布している資料の衛生管理マニュアルをH15に大日本水産 会と情報交換しながら作成している。大日本水産会の基準と一致していると思うが、北 海道漁連と北海道庁が一体となって、道内全ての荷さばき所等をある程度の衛生管理水

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準にあげていこうという取組をしてきた。「全道産地市場衛生管理マニュアル」では、 A~Cのランクがある。Aランクは第一段階、Cは衛生管理ができていて最も高度。第 一段階のAランクは、既存の市場施設そのままで衛生管理という概念できちんと見直し てみましょうということ。手洗い場所からトイレの位置、長靴の洗浄など細かい点も含 めて既存のもので衛生管理を徹底するかというのが趣旨である。Aランクは74漁協の うち80%以上達成し、全てAランクである。これは常識的にやっていれば問題ないレ ベル。Bランクは構造的な投資ではなく、既存施設等の少しの投資。Cランクは、基本 的に古い市場を壊して、新築市場のレベルにならないとできないということ。Aランク についてはH20でほぼ全てが達成し、その後2~3年経過しているが、それからは進 展していない。 先ほど水揚げ状況を説明したが、一つは、かなりの魚種が市場施設を通らないという 実態があるということ。EU向けは岸壁から市場施設まで厳しい基準があるが、輸出魚 種であるホタテは市場を通らないので、市場施設に対する投資が進まない。 二つ目は、国の予算の中で漁港から市場まで一体的な補助制度があると思うが、国の 補助50%としても、北海道庁の補助が出しにくい状態にあり、地元負担が大きいなど、 予算的な部分の制約もある。漁協自体も自らの負担もあるのでそこまで踏み切れない。 品質衛生管理をしなくても、ある程度水産物は流通していくので、進んでいかないので はないか。 衛生管理市場を整備することで、魚価があがれば良いが、流通の仕組みの中で魚価は あがらない状況。前回の資料で「消費者は魚がどのような衛生管理されているかに興味 がある」とあったが、実際はそうではないのではないかと思っている。衛生管理で扱わ れた魚は良いというが、消費者は鮮度、消費期限、賞味期限、産地の情報を求めている のではないか。生産者側としても、消費者はそこまで求めていないという思いを感じて いるので、産地側としては、衛生管理に集中して市場の高度な衛生管理をしようじゃな いかという雰囲気にならない。北海道の場合は、荷さばき所と市場が147施設あるの で、北海道や北海道漁連も一部だけを集中的にできない面もある。この点も制約条件な のかなと思っている。衛生管理のガイドラインを作ったが、H20以降は先に進んでい ない。 今の課題として、一番大きいのは財源の問題だと思う。基本的に、北海道の多くの魚 種が市場施設を通らない、EUHACCPの対象種であれども市場施設を通らない。そ ういう中で、一歩進めない状況にあるというのが実感。しかし、鮮魚流通は、日本国内 でも鮮魚にこだわる部分もあるので、少ない部分ではあるが市場の衛生管理を徹底して いきたいと考えている。そのためにも、国の援助があれば、さらに進むと思う。本州の ほうが進んでいるのではないか。北海道だけが遅れてはいけないという危機感をもって いる。是非これからも、我々も努力はしていくが、国の支援をお願いしたい。 (大西委員)(資料説明後の発言について)公設市場の開設者としては、衛生品質管理に取 組ことは消費者の食の安全安心の観点からやるべきことと十分に理解している。公費で 施設整備を行うということ、施設利用者の関係者から施設利用料や光熱水費など応分の 負担をもらうとなるとコストの増加はできるだけ避けたい。整備を進めている衛生管理 型荷さばき所は、従来の魚市場と違い、清浄海水の取水設備、シャッターなどによる防

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風や鳥獣対策などの建設コストが必要となっている。 八幡浜漁港を含む愛媛県沿岸域は、瀬戸内海環境保全特別措置法の適用海域なので、 CODなどの総量規制が設けられている。他県よりも、海域に流入する排水基準が厳し くなっている。魚市場から海域への排水についても厳しい基準をクリアする必要がある。 そこで、新しい魚市場の排水については、排水の度合いによって、エリアを分けるなど の工夫により、規制をクリアすることとしているが、下作業で発生する血水などの比較 的汚染度の高い排水については、公共下水あるいは高度な排水処理施設で処理するなど のランニングコストの高騰につながってしまう。 荷さばき所内で使用するフォークリフトは、衛生作業環境面から排ガス対策や環境負 荷の低減を考え、電動フォークを導入したいと考えている。ただ、水産設備における低 環境負荷型機器の導入に対する適当な補助制度が見あたらない。しかし、衛生面に問題 があるという理由から卸売事業者や仲買人の費用負担で、高価な電動フォークリフトの 買い換えは難しい状況。新たな補助制度について検討いただきたい。ハード整備の中で 鳥獣対策としてシャッター等の利用を想定しているが、他に有効な方法があったら教え ていただきたい。 生産者を含め、水産関係者の多くは衛生品質管理を行うことが直接的に魚価の向上に 結びつかないということを認識しているのが問題。長期的には、衛生品質管理がされて いない産地市場は消費者に評価されず相対的に魚価に差が生じてくると思うが、即効性 が無いので、関係者への説得が難しい。衛生品質講習会を開催しても関係者から、優良 衛生品質管理市場に認定されると魚の値段があがるのかと言われる。これらに応えるこ とができるように、関係者の努力と、水産物に対しては、それなりの評価が得られる環 境づくりをお願いしたい。 (吉水座長)まず、市場を通らない魚種が北海道では多い状況であるという説明があった。 次に、財源の問題や前回から論議している魚価の問題があったが、一歩前に進めるため にはどうすれば良いか意見を伺いたい。愛媛県でも養殖魚が多く、市場の衛生管理をや りましょうといった場合、養殖業者は参入してこないという話があった。その中で、ど ういう取組をしていけば良いのか意見を頂きたい。 (永富委員)前回も申し上げたが、衛生管理の取組をしても、デフレの中で、値段が下が って、評価されていない。衛生管理の取組は、将来に向けてやらなければいけないと主 張している。先ほどの説明資料で、現状ではパレットの上に人が乗っている。蓋式のパ レットを使ったこともある。最初はどんなに言っても言うことを聞いてくれない。ずっ と徹底して、今は改善された。衛生管理の取組は良いが価格に反映されていないのが現 状。 (吉水座長)北海道のことはよく知っているが、サケはタンク獲りの普及に努めて、ほぼ タンク獲りの形になった。サンマやホタテもだいぶ改善されてきたと思う。 (崎出委員)衛生管理と魚価の関係性として、衛生管理をしたから魚価が向上とするとい うのは無いと思う。水産物は食品なので衛生管理は当然の取組であるが、漁船で工夫す ることもできるし、市場での温度管理が出来るのであれば、鮮度の落ちやすい商品なの で衛生管理を行うのは当然だと思う。そのためには、生産者も努力しなければならない。 北海道漁連としても魚介の衛生管理は必要と考えている。魚価維持の取組としては、1

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つは輸出対策であり、2つ目は、北海道漁連・漁協による鮮魚の産直の取り組みである。 現在は、量的には少なく金額で17億円程度のものしかやっていない。仲買に対する牽 制効果を図りながら、魚価を向上させる。もう1つは、漁協系統や漁連の工場も含めて、 自ら大量水揚げ魚種を隔離して加工する。その時には、輸出もあるし国内向け加工も可 能になる。 当然それだけではなくて、既存の市場はある訳で、魚価維持と併せ、食品衛生的な観 点からやらなければいけないものはある。現状の市場は30~40年経過しているのが 多くあり、どうみても不衛生な箇所はある。ただ、道内の147の施設を全部やるわけ にはいかないため、拠点市場をつくり、陸送も受け入れる体制で、衛生管理対策を行う ことが大事だと思う。サケの場合は、鮮度維持という面では、漁船から直接積み込む方 が良いため、選別してタンク獲りする。魚を漁船から陸にあげるまでの間の鮮度維持管 理にはかなり取り組んでいる。韓国輸出のスケソウダラも同じであるが、船上で発泡に 氷詰めしている。ホッケや日本海のエビもそうである。船上でやっている部分が多い。 市場がそのような設備になっていないので船上でやらざるをえないのもあるかもしれ ないが、鮮度維持によって付加価値を高めることができている。水揚げから輸送におけ る鮮度管理が魚価維持に繋がっている要素が強く、市場の衛生管理が魚価維持に直接的 につながるとは思わない。 (吉水座長)基本は食品としての安全性を確保するために衛生管理をやるということがベ ースになっている。理解を得るために一番良いのは、魚価があがれば良いということで あるが、この検討会では魚価にこだわらないが、できれば上げたいというのが委員各位 の共通認識だと思う。養殖業はGAPを進めているし、その流れの中での市場の位置づ けはどういう状況なのか紹介いただきたい。 (舞田委員)基本的にはチェーントレーサビリティという考え方でいくと、生産段階と加 工段階は衛生管理ができている。その間の流通段階がブラックボックスになっており、 真の意味で、養殖段階できちんと管理しているものを消費者の元に届けるということで あれば、現状では、生産者から直接消費者に売るか、小売店に直接売るか、あるいは加 工場に持ち込むかのルートしかない。その間の市場などの整備が進んでいけば、当然そ ういうルートを通った物が、フードチェーン全体の商品として取り扱えるだろう。逆に 言うと、そういうものが市場に出まわることで初めて価格差が出てくるのではないか。 (南谷委員)衛生管理をすることで魚価を上げるというのはすぐには難しい。漁港によっ て漁法と魚種が基本的に異なる。そこにかけるコストとしては、取扱量が増えない限り、 投資した分以上のアウトプットというのが難しい。漁師が減っていることが前提になっ ているので、わがままなことを言えば、魚種・漁法に応じてもっと集約されて、量が増 えることが根本的には必要ではないか。品質管理の状況を確認するため、全国のまき網 の魚についてK値を計って歩いたが、そもそもK値が40を超えると刺身に向かないと いった基準がない。経験と勘により見た目から判断し、価格が決まっている。本当に温 度管理と時間管理がチェーントレーサビリティとして確保されていれば、K値が今まで は3日間で40になっていたものが、5日間に伸びるなど品質の違いが表れれば、消費 者にメリットがあると思う。水産物を集約しながら、アウトプットが期待できるような 姿を目指していけたらいいのではないかと思う。

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(吉水座長)水産庁から資料がいろいろと提示されているが、そういう形でなるべく実現 するように考えていきたい。 (齋藤委員)崎出委員に伺いたい。市場を通さない流通については、昔からの仕組みか。 EUなど海外向けの衛生管理の取組が進められてからそうなったのか。 (崎出委員)ホタテでもサケでも市場を通らない。サケの場合、昭和50年代始めは2~ 3万トン前後、ホタテも同様。ホタテは昭和49年から、市場でセリをしない形態。サ ケは量が少なかった時は市場に並べてセリを行っていた。量が増えてきて、今では10 万トン以上となり、漁船から陸揚げして選別してタンクで加工場に持っていく。どんど ん水揚げするので、市場に並べる余裕が無い。スケソウダラもサンマも同じ。水揚げ量 が少ない時期は、市場で扱っている。また、道東鮭鱒は、市場内に木枠をつくって、選 別して入札をしている。 (齋藤委員)スカイタンク方式で水揚げしているのは、大きな衛生管理のあり方ではない かと思う。食の安全など大きな社会情勢になってきている中で、コストを誰が負担する か。魚価への反映も難しい面や財政的に厳しいという状況の中で、拠点の流通市場に衛 生管理型の市場整備をしていけばよいのではないかと思う。 (大西委員)八幡浜市は水産業やミカン産業など第一次産業しかない。水産業は市にとっ ては重要な産業となっている。H19に流通構造改革拠点整備事業についての要綱が示 され、ちょうど八幡浜の市場の建て替え時期と重なっていた。現在整備中であるが、補 助率は1/2で、残りは市が負担している。財政的に大変厳しいが、過疎地域に指定さ れているので、大変有利な過疎債を活用している。起債対象経費のうち70%が交付税 で戻ってくる。最終的には、市の負担は全体事業費の3割程度になっている。それを使 用料などで計算すると、何とか市場関係者の負担が増えることなく、今の負担と同等で 新たな施設が整備できると説明しているところ。 【議事2】 ・水産庁宇賀神計画課長より資料3、4に基づき説明。 (吉水座長)第1回検討会の意見との対応を資料3として整理している。この意見と対応 を踏まえて資料4にある「新たな品質・衛生管理基準について」ということで、現時点 の案について提示された。今回で結論を出すものではないが、この基準の考え方等につ いて委員の間で議論を行いたい。 (齋藤委員)この基準の見直しであるが、H20に策定された「漁港における衛生管理基 準」を見直すということか。それとも大日本水産会と漁港サイドが委員会で議論してH 22に定め、現在進めている「優良衛生品質管理市場・漁港認定基準」を見直すのか。 どちらか確認したい。 (吉水座長)見直すわけではなくて、「漁港における衛生管理基準」と「優良品質衛生管理 市場・漁港認定基準」を踏まえて、さらにバージョンアップするということで理解して いる。 (齋藤委員)現行基準でもまだまだ簡素化しなくてはいかない事項など議論を進めてもら えればと思う。基本的には、「優良衛生品質管理市場・漁港認定基準」はEUを想定し ながら策定された基準である。基本的事項と推奨事項ということで、必ずやらなくては

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いけない部分と、今後改修や建て替えとあわせてやる部分を明確に整理してマニュアル 化してチェックシートもできている。すぐ使える基準マニュアルになっていると思って いる。 これをさらに、第3者の認定制度までもっていくためには専門家の意見や審査体制を どうするか、第3者が認定審査をしていいのかなど、透明性の問題が先々あると思う。 例えば、国の通達基準に基づき大日本水産会が認定するというイメージがある。最終的 には、認定マークを普及していくことも必要と思っている。 市場の品質管理としては温度管理と時間管理であるが、施氷するとか、逆に施氷しす ぎると見栄えが悪くなるなど、現場の意見を加味する必要がある。九州を中心に閉鎖型 の衛生管理型の市場になっている。コストに見合ったものとなっているのか、必要以上 な低温管理など、不必要なコストをかけていないかなど、専門家のチェックが必要だと 思う。近年では、衛生管理型のEU基準に照らしても問題ない施設が出てきている。そ のような施設をどうやって普及していくかだと思う。先ほどから、市場での取組につい てのアピールが足りないとの話があったが、北さつま(阿久根漁港)の事例だと、衛生 管理型の市場をしているといった写真を活用して、霞が関ビルの居酒屋でPRしている。 そのような取組もあるのではないか。基準やマニュアルはかなり整理していると思って いるので、そこから無駄をそぎ落とすなり、使い勝手の良いようにしていきたい。まず は、ハードな部分を自己診断方式でも良いので、拠点的市場の衛生管理を具体的に進め て、それから認定制度に組み入れていくことが妥当ではないか。 (吉水座長)前回の意見にあったが、生産者に喜ばれるというのが一つである。現在、6 市場が認証されているが、この認定制度ができたら、拠点漁港である150漁港のうち 5~6割が認証されるように進めていければ良いのではないか。そういう基準をつくっ たほうが良いと思う。資料4p1の部分や、資料4p2の「新たな衛生管理基準」、p 3の「基本的考え方」、p4の追加検討項目(案)、p5での認定マークとして☆マーク を提示されているが、消費者にわかってもらえるような認定マークがあれば良いと思う。 さらに、対EUのプラスアルファとして何点かクリアすれば、対EUに輸出できるとい うようにもっていければ理解を得やすいのではないか。資料4p6の流通拠点漁港以外 の漁港についても検討が必要な問題だろうと思う。同じ魚種でも目的によって、用途が 異なる。サンマでも刺身用にするものとミールにするもので、ランクがあるので、市場 内で目的別にゾーニングしようという話が進んでいる。集約範囲も含めて資料4p6で 整理している。資料4p7では諸外国の輸出に関する基準一覧となっているが、次回ま でに、委員で再確認したい。輸出に関して、農林水産省と厚生労働省の担当区分がどう なっているのか、厚生労働省からオブザーバーで来てもらっているので、ご紹介いただ きたい。最後は、八戸漁港の荷さばき所A棟の事例ということで、次回に向けて発言を お願いしたい。 (舞田委員)水産学会で養殖魚の衛生管理と認定制度のシンポジウムが1月末にあった。 その時の話を参考までに紹介したい。養殖で衛生管理手法が普及しない原因として、基 準という面から考えると、「要求されていることが多すぎる、本当にここまでやる必要 があるのか」ということで、要求事項の多いことが普及を妨げる要因の一つとして話が あった。要求のレベルの考え方でいくと、基準は要求されるカテゴリーに分けるべき。

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例えば、食品の安全に関わる事項、環境への配慮に関わる事項、社会的責任に関わる事 項などカテゴリーに分けて、少なくともどの認証をとっても食品の安全性に関しては全 て同等であるという形にしないといけない。例えば2段階の基準があって、同時に認定 が行われた場合、レベルの高いほうが安全でレベルが低いほうが安全ではないという認 識が出てくるのではまずいのではないか。基準の配慮という点に該当すると思うが、規 模の大きい所は、全ての基準を満たすことはできるが、規模の小さい所は非常に難しい といったことがある。規模は非常に大きな制限要因となっている。個々に要求される事 項において、本当にそれが必要なのかどうかという根本的な議論があって、例えば先ほ どの事例で、屋根が無ければいけないとか、防鳥対策が必要だとの話があったが、本当 にそれが必要なのか。実際に、養殖場で鳥の糞の所で細菌検査をしても菌が出てこない。 本当にその基準が必要であるという科学的なデータがあって、この部分は必須では無い といった基準の変更が出てきても良いと思う。基準をつくる段階で不確かな部分につい ては、きちんと科学的に検証するという意見が多い。これが、漁港であるとか市場にど れくらい適用できるかわからないが、根本的な所は共通していると思うので参考にして いただきたい。 (永富委員)基準達成について、舞田委員の話であるが、衛生管理に取り組むことについ て最初は非常に難しいが、今は当たり前になってきている。基準達成の認定マークであ るが、今は☆印が提案されているが、何かおもしろいマークにして、認定を取得すると 非常に良いことがあるといったような仕組みとし、マスコミに取り上げられると認定が 普及していくのではないか。 (吉水座長)認定マークに関しては、なるべく一般の方がわかるようにしたほうが良い。 (永富委員)B級グルメが有名になっているが、B級グルメはマスコミがつくった言葉だ と思う。 (吉水座長)関連する方々も傍聴に来ているので、広く意見を聞ければ良いと思う。舞田 委員の意見のとおり、科学的に必要なのかどうか、みんなで検討していく必要がある。 なるべく必要でないコストはかけなくても良いことになろうかと思うが、方向性として は基本的に良くて、細部についてもう少し検討が必要だと考える。 (大西委員)資料4p6に「品質・衛生管理対策を行う漁港の範囲」として示されている が、拠点市場周辺の小さな漁港の水揚げした方々が軽トラックに陸揚げし、市場まで運 搬している水産物が結構多い。この資料からすると、漁港の範囲として、市場周辺の漁 港についても品質・衛生管理対策の対象になるのか。 (伊藤課長補佐)「施設面、管理運営面での取組が不十分」な漁港からの陸送品については、 ソフト面でできるような衛生対策があるのではないかと考えている。先ほど、委員の中 から説明があった船上で発泡詰めされたものについては、直接埃がついたりとかは無い ので、そういったものをトラックで運搬する場合には、温度管理等がされていれば品質 衛生管理ができていると考えている。直接漁獲物をトラックに積み込んで、それを露天 のまま運搬する場合は、衛生管理が十分されているかどうかは議論があるところ。イメ ージ的には、周辺漁港でも一定程度衛生的な取扱いがされていれば「管理運営面での対 応で流通拠点漁港と同等の水産物の取扱い」として考えていただければ良いと思う。 (大西委員)個人が持ってくるのが好ましくないと考えており、漁協とも相談して支所別

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にトラックで集配するような取組をしており、それは良いという理解でよいか。消費地 での適正評価とあるが、八幡浜漁港の市場は産地市場なので、衛生管理対策について、 消費地市場の所がどのような考えなのかが気になるところ。仲買人の方で、年間10億 円くらいの取引があって、東京・大阪に出荷している人がいる。その方に聞いたら、消 費地市場の考えは、買い手市場ということで価格中心となっている。八幡浜産というこ とで、若干高くなってはいるが、産地市場での衛生管理については消費地市場ではあま り興味無いとの話を聞いたことがある。その辺についても、考えていただけたらと思う。 (吉水座長)その点は次回までに事務局で少し整理していただければと思う。 (崎出委員)資料4p5にある第3者の客観的評価で、レベル3だと☆マークが3つなど とある。この市場で扱われた鮮魚に対してマークをするという理解で良いか。 (吉水座長)前回論議している内容は崎出委員の意見のとおりで、議論をしたところであ る。 (崎出委員)鮮魚の段階か。 市場で扱われた魚を使った加工品に貼ることも考えているの か。 (吉水座長)そこまでは今回は考えていない。トレーサビリティが出来た時にわかるので、 加工品はHACCP認定工場など別のレベルの話である。 (崎出委員)北海道の場合も鮮魚出荷はあるが、市場を通らないで加工場に行く場合も多 い。市場を通っていないものはマークが使えないのかということになる。任意とあるが、 任意であってもマークが付くと消費者も見ると思う。北海道では市場を通すことができ ない状況も相当あるので、全国的になかなか苦しい立場になると思う。ブランド化、差 別化は非常に良いことだと思うが。 (吉水座長)地域ごとで認定している地域ブランド認証がある。それと組み合わせると効 果がある。そのマークが必要になってくると、拠点漁港に集約的な施設を整備して、そ こを通すなどを考えていかなければならないと思う。今後の課題にしたい。資料4p5 の対EUについて、出来ればプラスアルファを設定とある。現状の輸出の認定は都道府 県の衛生部局がやっているが、現場からいろんな声を聞いている。その辺について、厚 生労働省から現状をお聞かせいただきたい。 (松岡課長補佐)EUの話の前に、資料4p7の基準一覧を見ていただきたい。EUと米 国についてはHACCPが前面に出ている。EUにしても米国にしても、法律がありH ACCPが義務化されている。水産物や食肉については、国内品でも規制があるので、 国外も同等ということで、輸入品についてもHACCPが義務づけられている。EUに ついては、H7に日本からの水産物が全面禁輸になって、その後魚については先に解禁 されているが、ホタテについてはかなり時間を要して、当時の厚生省の担当課長は何度 もEU(ブラッセル)まで交渉にいって、ようやくH14に青森県が輸出できるように なり、それを受けて北海道が輸出をしているといった経緯がある。そういう中で、今の 仕組みを構築して、EUに認められたものである。厚生労働省だけではなく、国内での 各施設の登録の観点もあって、農水省の消費・安全局畜水産安全課と水産庁と合同でこ の要領をつくっている。認定の施設は、加工施設として製造工程が多い所は認定という ことで登録施設よりも重みを置いている。加工船や加工場などである。倉庫は主に冷凍 倉庫である。今回の検討会にある養殖場や漁船は登録施設となり、役割分担として水産

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庁で事務をしていて、市場は衛生部局が登録している。今回説明しているように、八戸 の市場は日本で初めて登録する市場として着々と進めている。間もなく登録にされると 東北厚生局から聞いているところ。漁港と市場について、EUの基準やその基準をベー スに作成した日本の要領で見ると、生産市場と産地市場については明確に記載されてい るが、漁港の荷さばき所や岸壁についての担当部局は明確になっていない。昨年、北海 道に出張に行った際に、衛生関係者と水産関係者で一緒に話をしたが、今の要領では協 議をしながらやっていくような仕組みで、衛生部局がやるのか水産部局がやるのか主体 が明確にはなっていない。北海道の場合は衛生部局と水産部局の両者でやるような仕組 みをつくっている。今後、北海道からEUの認定とりたいといった漁港では、地域の実 態に合わせてやっていく必要があると考えている。EUでは公的な管理が強調されてい て、昨年の1月に査察を受けたところであるが、利害関係のないものが、チェックをし ないといけない。資料4p5のEU対応でのマークをつけて、認定するということであ るが、EUが求めているレギュレーションの中で、その認定をもってEUに輸出できる ような仕組みについては、査察に同行した経験から、慎重に検討する必要があると思う。 ただ、こういう取組を通じて、少しでも市場での取組が進み、加工場などと連携した取 組は輸出を考えた場合でも良いことだと思う。資料4p7で記載している以外にベトナ ムも輸出の仕組みがある。ベトナムは、厚生労働省と水産庁ということである。他の中 国、ロシア、ブラジル、ナイジェリアについては厚生労働省が認めている登録検査機関 に依頼をしていろいろとやってもらっている。 (吉水座長)資料4p7にはベトナムを追加していただきたい。HACCP関連で何回か お聞きはしたが、港で魚に値段がついた後は食品になるので厚生労働省の管轄になると のこと。そういった関係も含めて、漁港の認定マークは水産サイドで良いのか。EUに 輸出する時の認証については、衛生部局に認めてもらえれば良いという理解でよいか。 (松岡課長補佐)役割分担があって、漁船は水産庁の事務、市場については厚労省側の衛 生部局の登録がある。それ以外の加工施設や加工船は衛生部局の認定の事務となってい る。地方厚生局の定期的な査察は、認定している施設について決められた頻度で実施し ている。EUの査察ではトレーサビリティを確認され、特にホタテでは養殖場のサンプ リングポイントから全て査察している。荷さばき所などは、どちらの部局が主体か不明 確になっている。青森県は衛生部局が前面に出ながら、水産部局が支援するという感じ で対応している。 (吉水座長)この関係については、またご相談させていただくことにし、資料4p5の図 式がおかしいということは無いという理解で良いか。主体がどこになるかということは あると思うが、考え方としては問題ないか。 (松岡課長補佐)今のところは無いと思う。気づいた点があったら、適宜発言したい。 (舞田委員)市場と他の養殖業もそうだが、漁船から陸にあげる所は水揚げ施設として登 録する必要があると思うが、市場と水揚げ施設の定義の違いは何か教えて欲しい。 (松岡課長補佐)EUの要領の始めの部分に定義はある。養殖場は生け簀となっているが、 荷さばき所とかの定義をしていない。要領を見ていくと、認定施設はどうかということ になっているが、一つ一つの製品として、いろいろな場所を通過しているが、定義され ていない部分もある。その部分については、衛生部局や水産部局で協力しながら、進め

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ていく例がある。養殖で愛媛県や宮崎県がやっているが、養殖場の登録事務は水産庁で、 薬剤のモニタリングは衛生部局となっている。 (舞田委員)資料4p6にある産地市場へ陸送する周辺漁港は、まさにEUの要領による 水揚げ施設に該当するのではないかと考えている。ここでの衛生管理がきちんとEUの 基準に合致していれば、市場に入ってくる段階も含めて、きちんと管理が行われている と言っていいのではないか。 (松岡課長補佐)今までこの10年間、国内ではホタテ以外に事例が無い。その他魚種に ついても取組が進められており、施設の認定、登録手続きが進めば、輸出は可能である。 その後、数年に1度のEUの査察が来て対応が必要となる。今は輸出している水産物に ついては周辺漁港からの陸送品をEUに輸出している事例はない。産地市場に横付けを したり、取扱いに関して輸出に特化したりする仕組みとなっている。EUでも国内品に 対して仕分けもチェックしている。 (舞田委員)この部分全体がEU基準に合致すれば、EUの基準を満たした産地市場を通 して加工場が原料調達している場合、EU向けの輸出ができるという理解で良いか。 (松岡課長補佐)それは無理ではないと思う。無理では無いが、今のところ相談されてい る案件が無い。 ・水産庁宇賀神計画課長より資料5、6に基づき説明。 (吉水座長)次回に向けてのとりまとめの案を提示していただいた。この中に、論点1~ 4がある。各委員におかれては、次回に向けて考えていただきたい項目である。時間の 許す限り意見をいただきたい。 (崎出委員)衛生管理の市場は食品として必要なことなので大賛成である。最初から話し をしているが、したいけどできない事情がある。北海道としても施設が多くあるので、 偏った整備をすると不平等が生じる。どのように進めていけば良いのかは大きな課題だ と思う。気になるのは、認定制度である。これから検討事項といえども、市場を通過し ない水産物、例えば北留萌のエビは魚価が安いことから、市場を通さず、一部隔離して 沖で発泡に詰め、量販店に直接販売したり、外食向けとして、北海道漁連の工場で加工 するなど努力している。石狩湾のニシンもそうである。こういう認定制度が出てくると、 市場を通過しない水産物を取り扱う漁業者はどうしていくのか難しいと思う。消費者に 差別化して訴えるのは良いことだが、現実的に市場が多くある中でどのように進めてい くかは難しい面があると思う。制度的な趣旨は非常良いと思うが。 (永富委員)北海道に視察に言ったことがあるが、資源に恵まれてうらやましい限りであ る。少ない魚で認定制度によりブランド化して売り出したいという思いがあるので、魚 価が反映されるような認定制度を考えていただきたい。 (吉水座長)この骨子案の最後に認定制度があるが、齋藤委員から次回に向けて、委員へ の宿題でも良いのでご意見をお願いしたい。 (齋藤委員)論点がだいぶ整理されてきており、異論は無い。たたき台として、既存の基 準があるので、委員の方々と議論を行いとりまとめていただければと思う。八戸が一つ の大きなインセンティブになって、150漁港の衛生管理水準を向上させていくことを 目標として、産地市場の衛生管理が具体化することに期待している。

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(吉水座長)次回に向けて、よろしくお願いしたい。

(司会)次回は平成23年4月27日(水)13時30分から8階の中央会議室で開催予 定。

参照

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