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“Oncothermia” (Modulated electro-hyperthermia) - Present status and future development -

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Academic year: 2021

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Review Thermal Med, 37 (1): 1-14, 2021.. “Oncothermia” (Modulated electro-hyperthermia) ― Present status and future development ―. MASAHIKO KANAMORI1*, TSUTOMU SATO2, TOMOKO SHIMA3, JUN-ICHI SAITOH4, GABOR ANDOCS4,5, TAKASHI KONDO4. 1Department of Human Sciences, Faculty of Medicine, University of Toyama, Sugitani, Toyama 930-0194, Japan 2Department of Hematology, University Hospital, Sugitani, Toyama 930-0194, Japan 3Department of Obstetrics and Gynecology, Faculty of Medicine, University of Toyama, Sugitani, Toyama 930-0194, Japan. 4Division of Radiation Oncology, Department of Radiology, Faculty of Medicine, University of Toyama, Sugitani, Toyama 930-0194, Japan. 5Tateyama Machine Co. Ltd. 30 Shimonoban, Toyama 930-1305, Japan. Abstract: Modulated electro-hyperthermia (mEHT) ‒ trade name: Oncothermia ‒ is an emerging curative treatment method in oncological hyperthermia. Although mEHT is similar to other classic hyperthermia methods to utilize temperature rise in tumor, there are several features; i.e. use precise impedance-matched, capacitive-coupled 13.56 MHz radiofrequency (RF) with amplitude modulation, in order to keep the tumor temperature below the cytotoxic range (<42 °C) but induce continuous temperature gradient on the tumor cell membrane. This in homogenous, non-equilibrium heating on the cell membrane induces programmed cancer cell death (apoptosis). mEHT effectiveness has been also proven in clinical studies, and has fewer side effects due to low RF output. Therefore, not only thermal effects but also non-thermal (temperature independent) effects of mEHT are important for considering the biological and clinical significance. Basic, preclinical and clinical reports have been published after “Oncothermia: Principles and Practices” by Szasz A. et al. In this review article these outcomes will be summarized and discuss on the further possibilities and problems of mEHT.. Key Words: Oncothermia, mEHT, biological effects, clinical results. 1.はじめに. “オンコサーミア”(modulated electro-hyperthermia,略称 mEHT)は周波数 13.56 MHz電磁波を出力 変調させて使用する癌温熱治療法である.この手法は,加温する(温度上昇を伴う)という点では従来 のハイパーサーミアと同じであるが,腫瘍特性を生かした選択性の高い加温を特徴とする.そのため正 常組織とは異なる癌細胞が無秩序に配列した腫瘍組織に対して変調電磁波の吸収率が増加する性質を利 用している.実際の治療の際には,インピーダンスマッチングを図り,また,出力フラクタル変調を利 用して効率的に癌組織に電磁波を吸収させ,加温の選択性を高めることを特徴としている(Fig. 1).. Current status of mEHT research ・ M. Kanamori et al.. 1― ―. Received; 13 August, 2020, Accepted: 1 March, 2021: *Corresponding author; Tel, +81-76-434-7405; Fax, 81-76-434-5186; e-mail: [email protected] doi: 10.3191/thermalmed.37.1 ©2021 Japanese Society for Thermal Medicine. 従って,mEHTにおいては電磁波の熱作用 も関わるが,温度に依存しない作用も効率的 に利用するため,非熱的作用も重要な因子と なっている.このため,電磁波出力は 150 W,最新機器でも 340 W(通常の高周波 加温装置の 1/10~1/5程度)と低い.装置は, 治療用円盤型電極とベッド全体のアースを兼 ねた対向電極とから構成される.従って,利 点としては,1)電磁波出力が低いため,機 器の小型化が可能で,専用のシールドルーム は不要である.また,2)同様に出力が低い ため,火傷等の有害事象を抑えた治療が可能 である.さらに 3)患部の温度到達を目的と しないので,高出力での温度上昇・維持を目 指す既存の温熱治療に比べて患者の負担も少 ない.4)係る医療スタッフも少なくてすむ. 一方で,汎用性の高い機器で諸外国 30か国以上での利用が進んでいるものの,温度上昇のみならず電 磁波の非熱的作用を利用しているため,以下の課題,1)既存の生物学的論文データ(温度―細胞生存 率の関係)はそのまま充当できない,2)電磁波の非熱的作用について,その治療機序が明らかになっ ていない部分がある,3)症例報告は多くあるが,臨床無作為試験結果が少ない,などが挙げられる. “オンコサーミア”については 2011年に出版された Szasz A.教授らによる”Oncothermia: Principles and Practices”1)があり,本装置開発に係る歴史から臨床データまで示した名著であるが,その後の現在 に至る科学的知見をまとめた邦文の総説はまだない.本総説では,mEHTに関して報告された知見に 基づき,基礎,前臨床および臨床に関する最近の動向について概説する.. 2.mEHTに関する基礎研究. mEHTは高い到達温度を目指す温熱治療様式とは異なるので,温度上昇を利用しつつ,他の様式と 併用することにより治療効果を増強することが期待される.免疫治療との併用効果を目指して,樹状細 胞投与と mEHTによる全身性抗腫瘍効果が調べられた2).これによれば,併用により CD3+,CD8+細 胞が増え,免疫組織学的検討では併用群の腫瘍組織に CD8および S100が強く発現した.mEHT単独 で GP96(hsp90のホモログで,小胞体に発現する熱ショックタンパク質)発現が対照群に比べて増加 しており,GP96が遠隔効果を担う分子と考えられることより,樹状細胞併用による効果増強に寄与し た.mEHTと樹状細胞免疫治療を用いて免疫学的微小環境を改善する試みがされた.CT26結腸直腸癌 モデルでは併用により,腫瘍増殖は阻害され,Hsp70の遊離の促進が認められた.腫瘍組織内では好中 球やマクロファージが増え,好酸球の浸潤が誘導された3). Andocsらは移植 HT29結腸直腸癌を対象に細胞死に係る DAMP(damage/ danger-associated molecular pattern)分子の挙動に注目して mEHT処理し 216時間後まで調べた.4時間後,小胞体内の カルシウム結合タンパク質 calreticulin(ER(endoplasmic reticulum)に存在する Ca2+結合性のレクチ ン様分子シャペロン)の,14~24時間では Hsp70,24~216時間では Hsp90の細胞質から細胞膜への 移動を認めた.HMGB1(high-mobility group box1 protein)は腫瘍細胞核からは 24時間後以降に遊離. Thermal Med, 37[1]: 1-14, 2021.. 2― ―. Fig. 1. An example of modulated signal using for “Oncothermia” treatment.. mEHTでは周波数 13.56 MHzのラジオ波に癌細胞・組織への選 択性を高めるため 1/fノイズの振幅変調(amplitude modulation) をかけて使用している.原図は https://en.m.wikipedia.org/wiki/ File: Illustration_of_Amplitude_Modulation.pngより引用・改編 して使用.. され,腫瘍細胞からは 48時間で消失することも判明した.mEHTは一連の DAMP関連シグナルを動 かす可能性を示した4). 彼らはまた,ヒトリンパ腫細胞株 U937細胞を用いて通常のハイパーサーミア(HT,恒温水槽による) と mEHTの効果についてアポトーシスを指標に比較した.処理後 3時間のアポトーシス誘発率 20%水 準での比較では mEHTの 40 °Cは HTの 44 °Cによる加温に相当した.この効率的な細胞死誘導は細胞 膜上のラフト構造や細胞間接触の変化が変調電磁波による選択的加温の結果によると思われ,mEHT 加温を”ナノヒーティング”と称している5).但し,mEHT加温に係る標的分子の探索は今後の課題で ある. mEHTによる細胞死に係る遺伝子群についての検討がされた.ヒトグリオーマ U87-MGや A172細 胞を用い,処理後の遺伝子発現解析をしたところ,E2F1(E2F transcription factor 1)および CPSF2 (cleavage and polyadenylation specific factor 2)の発現増加が認められたのに対して,ADAR(adenosine deaminase RNA specific)や PSAT1(phosphoserine aminotransferase 1)は低下した.ウエスタンブロッ ト解析でも,E2F1および p53の増加と PARR-1(Poly (ADP-ribose) polymerase1)の低下を認め,E2F1 介在アポトーシスの関与を示唆している6). mEHTにより肝がん細胞 HepG2を対象に 42 °C,30分処理したところ,HTに比べて 4倍多いアポ トーシス生成があり,関連する caspase 3,8,9の発現を認めた.同時に mEHTに特徴的な Hsp70の細 胞からの遊離および細胞膜の calreticulinおよび E-cadherinの発現も認めた7).同様に肝臓がん HepG2 や Huh7を用いた研究では SPT4(transcription elongation factor)の増加と GPR64G(protein-coupled receptor 64)の減少を報告している.その後,p21の回復や procaspase 7,3の減少で,結果としてアポ トーシスシグナルを促進することを示した8). アポトーシスモデルでもある U937細胞を用いた例では 42 °C,30分の mEHT処理で,有意なアポ トーシスの上昇および caspase 3活性化を認め,加えて Fas,JNK,ERKシグナルの活性化を認めてい るが,恒温水槽による 42 °C,30分処理では核の断片化は対照群と同様であり,caspase 3活性化はな かった9)(Fig. 2).. Current status of mEHT research ・ M. Kanamori et al.. 3― ―. Fig. 2. Effects of conventional hyperthermia at 42 °C (B, E) and mEHT (modulated electro-hyperthermia) (C, F) on apoptosis in human lymphoma U937 cells. Control (A and D).. U937細胞の処理温度は 42 °C,処理時間は 30分である.図 Aは対照群,図 Bは恒温水槽による 42 °C処理群,および図 Cはオンコサーミア(mEHT) 処理による 42 °C処理群のギムザ染色画像を示す.図 D,E,および Fはこ れらに対応する caspase 3に関する蛍光画像を示す.mEHT処理群で明瞭な 核の断片化(図中の白矢印)および caspase 3の活性化が認められる.. 報告されたmEHT誘発細胞死にはアポトーシスが多いが,オートファジーも関係している.mEHTは, 通常の HTに比べると腫瘍細胞膜,特に脂質ラフトに熱損傷を集積しやすく,アポトーシスを誘導する とされている.卵巣がんや子宮頸がん細胞を用いた実験では,mEHTとオートファジー阻害剤である 3-Methyladenineの併用によって,アポトーシスが増加するとの結果が報告され,mEHT誘導細胞死に オートファジーが関与することを示した10). 最近では,mEHTの非熱効果を薬剤分子の取り込み増加に利用する研究もある.ドキソルビシン (Dox)を含有するリポゾーム製剤(doxorubicin hydrochloride: Lipodox)と mEHTあるいは対照となる 温熱処理(HT)を併用して,培養細胞およびマウス移植腫瘍モデルでその効果の比較結果が報告された. 細胞として,ヒト肝癌由来 HepG2,同肺癌由来 A549,同グリオーマ由来 U87MG,マウス結腸癌由来 CT26を使用した.HTあるいは mEHTと併用し(両者とも温度条件は 42 °C,30分),viabilityの低下 を調べたところ,全細胞株で Lipodox併用により,さらなる減少を引き起こした.mEHT併用時の細 胞内取り込みについて Dox蛍光を指標に調べたところ,細胞株 HepG2>A549>U87MG>CT26の順 であった.Lipodoxの取り込みについて,NaN3(ATPase阻害剤),chlorpromazine(クラスリン介在エ ンドサイトーシス経路阻害剤),およびWortmannin(マクロピノサイトーシス阻害剤)で取り込みの抑 制が認められた.Wortmanninは,また,mEHT+Lipodoxによる viability低下を顕著に抑制した.CT26 を用いたマウス移植腫瘍系でも,mEHT+Lipodox群で明らかな腫瘍増殖抑制が認められるとともに, HT+Lipodox群に比べて腫瘍内取り込みも約 2倍に増加した.以上の結果から,mEHTは,エネルギー依 存性マクロピノサイトーシスを介して Lipodoxの腫瘍内取り込みを増やし,治療効果に寄与すると報 告されている11). 放射線応答における,HIF-1 α挙動に注目した mEHTとの併用効果の報告もある.本報告12)では,① 高線量放射線は血管損傷を引き起こし,血流を低下させ,腫瘍の低酸素状況を亢進する,②これによる 低酸素は HIF-1 αやその標的遺伝子である VEGFを活性化し,血管新生や再発を促進する,③これに対 して,温熱は腫瘍の酸素化を誘導し,放射線誘発 HIF-1 αおよび標的遺伝子の発現誘導を阻害するとの 仮説を立て,これを検証した.腫瘍モデルとして,C3Hマウスの皮下に植えた FSaII線維肉腫を用い, 60Coのγ線および mEHTによる 41 °C(腫瘍中心部)30分処理を,単独および併用で行なった.腫瘍内 の血液還流は Hoechst 33342,低酸素はピモニダゾールによる免疫蛍光画像の観察と定量化で評価した. HIF-1 α,CA9および VGEFについては免疫組織学的に調べ,アポトーシスは TUNNEL染色で,腫瘍 増殖は腫瘍径測定で評価した.放射線を 15 Gy照射すると,腫瘍の血流低下,低酸素状態の亢進, HIF-1 α,CA-9および VGEF発現を誘導した.一方,mEHTを併用すると,血流の増加,腫瘍の酸素化, 放射線誘発 HIF-1 α,CA-9および VGEF発現の抑制を引き起こした.さらに,腫瘍細胞のアポトーシ スを増強し,腫瘍増殖の遅延を招いた.増殖遅延効果は放射線照射前に mEHTを行った場合の方が高 かった.これらの結果は mEHTが放射線による抗腫瘍効果の増強を示すものであるが,機序として放 射線による HIF-1 α発現誘導の阻害効果が関わることが示された12). 放射線との併用については異なる細胞種で研究されている.ラット神経膠肉腫 9L細胞,ヒト乳癌 MCF7細胞およびイヌ腎癌MDCK細胞を用いた相乗効果の程度を比較した場合には 9L細胞のみで相 乗効果(超相加効果)が認められたが,他の細胞MDCK,MCF7では放射線感受性が相対的に高いこ ともあり,相乗効果は認められなかった13). C26マウス結腸直腸癌細胞を BALB/cマウスに移植した系での mEHTの単独および免疫誘導による 抗腫瘍効果が検討された.組織学的検討では Ki67タンパク質の低下で示される細胞周期進行の停止, 細胞核の縮小,アポトーシス小体,DNA断片化,caspase 8および 3の活性化,baxのミトコンドリア. Thermal Med, 37[1]: 1-14, 2021.. 4― ―. への移行,cytochrome cの遊離,が認められた.DAMPシグナルの Hsp70,calreticulin,HMGB1非ヒ ストン性染色体タンパク質の遊離も認め,同時に S100+提示樹状細胞や CD3+T細胞の腫瘍内移入を観 察した.クロロゲン酸に富む T細胞促進因子を併用すると非処理の反対側の腫瘍でも腫瘍細胞死を誘 導した.また,免疫原性細胞死の関与と遠隔効果を認めた14).さらに,同じ C26マウス結腸直腸癌細 胞で,mEHTにより calreticulinと Hsp70の上向き調節および遊離を認めた.その後,p21,BAX, PUMAは増加したが,XIAP,BCL-2,BCLXLは発現が低下した.24時間後ではリン酸化 p53の増加 と核移行を認め,リン酸化 Aktは減少,caspase 3依存性アポトーシスを誘導した.p21介在増殖停止 も認め,mEHTと Dox併用による化学療法増強効果に関しても検討された.mEHT(~42 °C)は大き な免疫原性を示さない条件で p53介在増殖停止を誘導した15).メラノーマ B16F10を対象に調べたとこ ろ,腫瘍の縮小および細胞質,細胞膜の HSP70は増加した.PUMA,AIF-1と caspase 3の増加もあっ たが,有意なアポトーシスは認められなかった.DNA二本鎖切断の指標であるリン酸化 H2AXを認め, p53が活性化された.p53活性化因子 nutlin-3の添加効果は相加的に細胞生存率を下げた.mEHTは DAMP損傷シグナル分子,hsp70,HMBG1および ATPを促進し,腫瘍の免疫原性を上げたが,MHC-I やMelan-Aの発現を下げた16). 以上,細胞の種類や実験系も異なるが,mEHTは 41 °C~42 °Cの温度,処理時間では 30分~1時間 の条件ではアポトーシスを起こしやすく,これによるミトコンドリア関連のシグナル伝達が活性化され ている(Table I).また,DAMPシグナルの Hsp70,calreticulin,HMGB1の関与から免疫原性細胞死. Current status of mEHT research ・ M. Kanamori et al.. 5― ―. Table I. Effects of mEHT on cell death and growth inhibition in cultured cancer cells and tumor models. Authors Ref. Cells/Cancer model Endpoint Temp (°C), min Remarks. Qin W et al. 2) SCCVII squamous cell ca. Growth, Histochemistry N/A Combination with DC. Tsang Y-W et al. 3) CT26 murine colorectal ca. Growth, Apoptosis 42, 30 Combination with DC. Andocs et al. 4) HT29 colorectal ca. DAMP signal Immunogenic cell death. Andocs et al. 5) U937 human lymphoma Cell death 39~41, - mEHT vs water bath. Cha et al. 6) U87-MG & A172 human glioma Gene expression Apoptosis, E2F1, CPSF2 up-r.. Yang KL et al. 7) HepG2 hepatoma cells Cell death 42, 30 Hsp, Calreticulin, E-cadherin.. Jeon T-W et al 8) Huh7 and HepG2 liver ca. Apoptosis, Genes 42, 60 SEPT4 up-r., GPR64 down-r.. Andocs et al. 9) U937 human lymphoma Apoptosis, Genes 42, 30 mEHT vs water bath. Yang W et al. 10) Ovary ca, colorectal ca. Apoptosis Effects of 3MA. Tsang YW et al. 11) HepG2, A549, U87MG, CT26 Viability, growth 42, 30 “Lipodox” incorporation. Kim W et al. 12) FSaII fibrosarcoma Growth, apoptosis 41, 30 Radiation and HIF-13. McDonald et al. 13) 9L, MCF7, MDCK Apoptosis, CFU Radiation, enhancement in 9L. Vancsik et al. 14) C26 colorectal ca. Apoptosis, DAMP signal 42, 30 Immunogenic cell death. Vancsik et al. 15) C26 colorectal ca. Apoptosis, cell cycle arrest 42, 30 Combination with DOX. Besztercei B et al. 16) B16F10 melanoma Histochemistry 42, - Immunogenic cell death. DC, dendritic cells; DAMP, damage associated molecular patterns; E2F1, E2F transcription factor 1; CPSF2, cleavage and polyadenylation specific factor 2; up-r, up regulation; down-r, down regulation, SEPT4, septin-4; GPR64, G protein-coupled receptor 64; 3MA, 3-methyl adenine; DOX, doxorubicin. の関与する可能性もあり,これらは遠隔効果を担うかもしれない(Fig. 3).同じ温度での比較では mEHTは HTより効率的に細胞死を誘導すること,細胞内への薬物取り込み増強も期待できることは本 治療上の特長であろう.今後は,mEHTにおける温度に依存しない電磁波の非熱的作用に係る分子群 を明らかにすることが期待される.. 3.前臨床研究(薬物動態試験と温度測定). mEHTが薬物の吸収と血中濃度に与える影響が報告されている17).12名の被験者が中枢神経に作用 する鎮痛剤であるネホパム(nefopam hydrochloride)を経口内服した後に血中濃度を測定し,その 7日 後,再びネオパムを経口内服し,その血中濃度を測定したものである.この際には内服の 30分後から mEHTを用いて腹部に 1時間(最初の 10分は 100 W,次の 10分は 120 W,残りの 40分は 150 W)加 温した.その結果,mEHTの使用によって maximum plasma concentration(Cmax)は増加し,time to Cmax(Tmax)は短縮した.一方で,area under the curve(AUC)に変化を認めなかったことから, mEHTの併用は薬物の吸収を増やし血中濃度を高めるが,有害事象は増強させないと考察している. また,Baloghら18)は,麻酔したブタを利用して mEHTによる加温中の肝臓内の温度変化を超音波ガ イド下に挿入した蛍光温度プローブを用いて測定した.温度上昇はインピーダンスマッチングの条件に 依存したが,吸収/投射パワー比は 90%以上であった.肝臓内の温度は 40 °C以上を保つことができ, 43 °Cも可能であった.その後,Leeら19)はヒト子宮頸癌 20例を対象に mEHTによる加温中の温度を 測定するとともに 3Dカラードップラーで腫瘍血流を報告した.加温前の腫瘍周辺温度は 36.7± 0.2 °C であり,60分加温後,38.5± 0.8 °Cとなった.顕著な収縮期最大流速/拡張末期流速比(SD ratio),抵 抗係数(resistance index: RI値)の低下を認め,腫瘍血流の増加を示した.. Thermal Med, 37[1]: 1-14, 2021.. 6― ―. Fig. 3. Possible mechanism of immunogenic cell death and apoptosis induced by mEHT (modulated electro-hyperthermia).. オンコサーミア(mEHT)により,細胞内ではアポトーシス関連分子が活性化 され,アポトーシス誘導と細胞増殖の停止を招く.一方,DAMP(damage/ danger-associated molecular pattern)関連分子も活性化され,immunogenic cell deathに関係する.. 4.mEHTに関する臨床報告 4-1. 脳腫瘍 2006年,イタリアの Fiorentiniら20)は,再燃した脳腫瘍症例 12例に対して,テモゾロミド (temozolomide: TMZ)を基本とした化学療法と mEHT治療を行い,complete remission(CR)1例を含 む 3例(有効率 25%)に改善を認めたと報告した.その後,2010年にはドイツのWismethら21)は膠芽 腫など 15例に実施し,partial remission(PR)2例を報告した.さらに,2017年には Roussakowら22). が再発した膠芽腫 54例に対して TMZ療法と mEHTの併用で治療を報告した.TMZ 100 mg/m2/dayを 21日間連続投与した後に 7日間休薬するプロトコールで,28日サイクルを繰り返し,mEHT加温は 1 回 1時間(最高 150 W)で 3日ごと 3ヶ月間継続した.生存期間の中央値に有意差はなかったものの, effect-to-treatment analysisや cost-effectiveness analysisなどの追加解析により,生存期間や医療経済に 寄与すると報告している.. 4-2. 肺腫瘍 2013年,ハンガリーの Rubovszkyら23)は非小細胞性肺癌(non-small cell lung cancer: NSCLC)の骨 転移例(64歳男性)に対して,血管内皮細胞増殖因子のモノクロナール抗体であるベバシズマブ (Bevacizumab)と mEHT(週 3回,70 W,計 125回)の併用で,腫瘍が約 2/3の大きさに縮小したこ とを報告した.翌年,mEHTの開発者である Szasz24)は中国や韓国内で発表された肺癌のデータをまと め,Korean J Thoracic Cardiovasc Surgに掲載した.ここでは Stage IIIBと IVの症例についてmEHT(20 回隔日)併用化学療法群(75例)と化学療法単独群(40例)を半年毎に比較して,PR症例が mEHT 併用化学療法群で約 2倍(30%から 60%)に増加したことやカプランマイヤー法による生存期間 (overall survival: OS)の改善が記載されている.また小細胞性肺癌(SCLC)についてまとめられた別 のデータでもmEHT併用化学療法群(23例)と化学療法単独群(8例)を比較して,カプランマイヤー法 による OSの改善があり,同様の結果はブダペストの 2病院で行われた臨床例でも得られている. 2015年,韓国からは 75歳で Stage IIIBの NSCLCが症例報告された25).年齢や全身状態から化学療 法の適応とはされず,放射線照射(64.8 Gyの 36回分割,3次元照射)と mEHT併用治療となった. mEHTは 1回 60分,週 2回で合計 12回が行われ,重篤な有害事象はなく,腫瘍は完全に消失し,18ヶ 月後も再発なく経過観察中と報告した. また,NSCLCには中国の Ouら26)によるビタミン C大量投与による論文(Stage IIIBと IVを対象) がある.この研究はその後に 97例を対象にした無作為比較試験を行い,2020年にその結果が報告され た27).mEHTとともに 1 g/kgのビタミン C大量投与を行う治療群と best supportive care(BSC)のみ を行った群を比較したもので,progression-fee survival(PFS)が 1.85か月から 3か月に延び(p<0.05), OSが 5.6ヶ月から 9.4ヶ月(p<0.05)になることで Quality of Life(QOL)の改善につながった.. 4-3. 消化器系腫瘍 2020年,韓国の Youら28)は進行直腸癌に対する第 II相試験を報告した.60例の患者を対象に術前 化学療法(5-FU静注または経口カペシタビン)と放射線治療(40 Gyの 20回分割)に加えて週 2回の mEHTを行った.60例がこのプロトコールを完遂し,40例(66.6%)に腫瘍の縮小がみられ,53例 (88.3%)でリンパ節転移の stageが改善した.病理学的な CR症例も 9例(15%)に認められた.温熱 自身による有害事象は 16例(26.7%)であったが,1例を除き Grade 1に留まった. 肝細胞癌についてはイタリアの Gadaleta-Caldarolaら29)が,分子標的治療薬であるソラフェニブ. Current status of mEHT research ・ M. Kanamori et al.. 7― ―. (Sorafenib)400 mg,1日 2回連日投与と mEHT週 3回 6週間実施することで,21例中 PR1例,stable disease(SD)11例を認め,残りは PDであったと報告した(2014年).また,膵癌の予後は一般的に 悪いが,2019年のイタリアの Fiorentiniら30)による 106名の stage III-IV症例の報告から mEHTが治療 の選択肢として示唆されている.mEHT治療群は 39例で,1回につき 60-150 W,40-90分の照射を受 けており,このうち 32例(84.6%)は同時に化学療法または放射線治療を受けた.mEHT非治療群は 67例で,55.2%は併用治療を受けた.3ヶ月後の効果判定で,mEHT治療群のうち 5例が追跡できなかっ たが,PRが 22/34例(64.7%),SDが 10/34例(29.4%),progressive disease(PD)が 2/34例(8.3%) であった.生存期間中央値は mEHT併用群が 18.0ヶ月,mEHT非併用群が 10.9ヶ月であったことから, mEHTを進行膵癌治療の選択肢として検討すべきとしている.. 4-4. 癌性腹膜炎 腹水を伴う癌性腹膜炎は特に予後が悪いが,mEHTの効果が検討されている.2017年,中国の Pang ら31)は 260例の無作為第 II相試験を行い,有効性と安全性を報告した.治療群では mEHT(1回 60分, 1日おき 4週)を 14回施行した.また,患者それぞれの「証」に基づいて調合された漢方薬を毎日 400 mL内服した.対照群ではシスプラチン(30-60 mg)およびフロロウラシル(500-600 mg/m2)が 1 週おきに計 2回で腹腔内へ投与された.治療開始 1ヶ月後の奏功率は,治療群が 77.7%(101/130),対 照群が 63.9%(73/130)と,治療群が優っており(p<0.05),QOLも治療群が 49.2%(対照群が 32.3%)と高かった(p<0.05).有害事象の発生率は,治療群が 2.3%(3/130)で,対照群の 12.3% (16/130)に対して少なく(p<0.05),mEHTと漢方薬の組み合わせは有効で,かつ安全性の高い治療 であると結論づけている.. 4-5. 女性生殖器腫瘍 2019年,韓国のYooら32)は卵巣癌の第 I/II相試験として,再発した 19例の進行卵巣がんを対象に行っ た週 2回,1回 1時間の mEHTについて報告した.Maximal tolerated dose(MTD)を決定するため, 最初の 3週は投与量を漸増した.最大量である 110 Wで 20分,130 Wで 20分,150 Wで 20分,合計 1時間の照射でも,dose limiting toxicity(DLT)と定めるグレード 2の熱傷や,照射に対する不耐例は 認められなかった.これをMTDとし,4週以降はこの照射量で継続した.しかし,SDと判定された のは 1名のみ(12.5%)で,残りの 18名は中央値 4ヶ月で PDと判定され,生存期間中央値は 8か月で あった.QOL評価の中の身体に関する評価は低下していったが,社会性,情緒性,機能性には有意な 変化はなかった. 子宮頸癌については,2017年に韓国の Leeら33)が化学療法単独群 20例と mEHTを週 3回実施した 併用群 18例について比較したところ,併用群の方で効果が高く(CR9例を含む),OSも有意に長くなっ た(p=0.028)と報告した.その後の 2019年に南アフリカのMinnaarら34)は HIV陽性/陰性の子宮頸 癌(stage IIB-IIIB)患者 271例を対象に,第 III相試験(無作為比較試験)を行った.治療はシスプラ チン 80 mg/m2に加えて放射線治療(外部照射 50 Gy/25回と腔内照射 3回)を基本に行い mEHTを実 施するか否かである.治療後 6ヶ月のデータが有用である 202例を分析した.対照群での局所無増悪生 存率が 19.8%であったのに対して mEHT併用群は 38.6%と高く,有効な治療法であることを述べた. また局所制御率も対照群が 24.1%であるのに対して,mEHT併用群は 45.5%と高かった.彼らは 2014 年から 2017年にかけて行われたこの第 III相試験に対して QOL評価を行ったところ,mEHTにより疲 労,痛み,情緒および認知機能が改善したと述べている35).また,同様にこのシリーズに関連して 108. Thermal Med, 37[1]: 1-14, 2021.. 8― ―. 例の画像データを用い,放射線治療照射野内外のリンパ節を前後比較したところ,mEHT併用群で PETでの集積が消失する症例(complete metabolic resolution)が多く認められた(対照群が 5.6%に対 して mEHT併用群では 24.1%,p=0.013)36).. 4-6. その他の腫瘍 症例報告の段階のものであるが,左腎に発症したウイルムス腫瘍(17歳女性)で,肺転移と肝転移 を発症した症例で,左腎の摘出後に化学療法と放射線照射が施行され,さらに複数の漢方薬や免疫調節 薬であるチモシンアルファ1(thymosin- α 1: Zadaxin®)とともに mEHTで加療された.その結果,転 移巣の肺病変に増大はなく,肝病変が消失した37).他にも 49歳女性の乳癌(平滑筋肉腫)のチロシン キナーゼ阻害剤であるパゾパニブ(pazopanib)と mEHTの併用療法によるサルベージ治療について報 告されている38).また,70歳女性の乳癌肝転移に対して免疫療法と mEHTの併用療法を行い,初回手 術後 66か月にわたり,QOLを保ちながら経過観察できたことも報告されている39).. 5.mEHTの将来展望. Szasz AMら40)は mEHTの安全性と有効性について,子宮頸癌,脳腫瘍および腹膜転移についての項 目を設けて記載している.これまでの臨床経験の多くはヨーロッパまたは韓国・中国であったが,日本 にも mEHT機器が現在 7台導入されており,今後さらに,広まることが予想される.mEHTによる第 II,III相試験についての一覧を Table IIにまとめた.ほとんどの報告がここ数年の掲載であり,急速に 臨床研究が進んでいるものと思われる.臨床現場での使用方法については mEHTの有害事象がほとん. Current status of mEHT research ・ M. Kanamori et al.. 9― ―. Table II. Phase II and III clinical trials using mEHT. Phase Authors Target tumor/ cases Results Ref.. Phase I/II clinical trial Yoo H.J., et al. (2019) Ovarian cancer/19 cases The mEHT treatment was feasible without any complication.. 32). Phase II clinical trial Fiorentini G., et al. (2006) Brain (Malignant gliomas)/ 12 cases. CR: 1case, PR: 2 cases 20). Gadaleta-Caldarola G., et al. (2014) Hepatocellular carcinoma/ 21 cases. PR: 1case, SD: 11 cases 29). You S.H., et al. (2020) Rectal cancer/ 60 cases down size: 40 cases 28). Phase II randomized Pang C.L.K., et al. (2017) Peritoneal carcinomatosis/ 260 cases. CR: 49 case, PR: 52 cases 31). controlled trial Ou J., et al. (2020) Lung cancer/ 97 cases PR: 5 case, SD: 16 cases 27). Phase III randomized controlled trial. Minnaar C.A., et al. (2019) Cervical cancer/ 271 cases (6-months LDFS) mEHT: 38.6%/ control: 19.8% (6-months LDC) mEHT: 45.5%/ control: 24.1%. 34). Minnaar C.A., et al. (2020) Cervical cancer/ 271 cases The mEHT did not cause unexpected CRT-related toxicities.. 35). Minnaar C.A., et al. (2020) Cervical cancer/ 271 cases The mEHT provies an abscopal effect.. 36). mEHT: modulated electro-hyperthermia, CR: complete remission, PR: partial remission, SD: stable disease, LDFS: local disease free survival LDC: local disease control. どないため,標準治療あるいは新規治療と mEHTを併用して,より高い根治性を求める下記の 1)~4) の場合と,補完治療を目的として単独治療を行う 5)~8)の場合が考えられる(Fig. 4). 1)標準治療と併用し,治療効果を高める目的で用いる場合(併用) 2)標準治療と併用するが,副作用を減らす目的のために標準治療を減量する場合(併用) 3)新規治療と併用し,治療効果を高める目的で用いる場合(併用) 4)新規治療と併用するが,副作用を減らす目的のために標準治療を減量する場合(併用) 5)標準治療での選択肢がないが,有効性が期待できる場合(単独) 6)標準治療に効果がない,あるいは副作用が強く,適応できない場合(単独) 7)病期が進行し標準治療が適応できず,QOLの改善を主な目的とする場合(単独) 8)患者が標準治療を望まない場合(単独). 従来から,固形腫瘍であれば外科的手術にて確実に取り去ることで最も根治が期待できる.一方,浸 潤性に発育しているか,あるいはスキップ転移例では,mEHTの併用により,さらに確実に治療がで きるかもしれない.化学療法,放射線治 療あるいは免疫療法などの進歩により, 単独治療でも根治できる可能性が増えて きたが,mEHTの併用による治療効果の 向上も期待できる.また有害事象を減ら すために,標準治療の減量が目指せる選 択肢として成り立つのであれば,mEHT の意義は極めて大きい.また神経膠腫や 膵癌など従来から難治性と考えられてい る腫瘍に対しても mEHTは新たな選択肢 としても期待される.一方,補完的治療 であっても腫瘍の縮小,あるいは長期に わたる増殖の停止が得られるのであれば, 患者の QOL改善に役立つものと考えられ る.このような適応を考えるのであれば 単独治療(monotherapy)と併用治療 (combined therapy)のあり方を区別して 臨床的に検討していかなければならない. mEHT併用治療を考える場合は,mEHT をネオアジュバントとして用いるか,ア ジュバントとして用いるべきかを検討し なければならない.標準療法を主治療と する場合,その前後のどちらに用いるか (両者実施も可能),あるいは同時に行う 選択肢も可能である.mEHTのメカニズ ムから考えると癌細胞にアポトーシスを 誘導させた直後に化学療法や放射線治療. Thermal Med, 37[1]: 1-14, 2021.. 10― ―. Fig. 4. Purpose and procedures for the clinical use of “Oncothermia” treatment.. 併用治療で行う場合 本文中の 1)の適応として,標準治療との併用を行い,その効果 を向上させる. 本文中の 2)の適応として,標準治療の doseを減らして副作用 を減じる. 本文中の 3)の適応として,新規治療との併用を行い,その効果 を向上させる. 本文中の 4)の適応として,新規治療の doseを減らして副作用 を減じる.. 単独治療で行う場合 本文中の 5)~8)の適応として,補完治療を行う. (注) 上記の 1)~8)の番号は,本文中の「5.mEHTの将来. 展望」に記載されたものと呼応している.. などを行うという方法が考えられる.逆に,薬剤や放射線治療を先に行い,その体内残存効果があるう ちに mEHTによるアポトーシス誘導を行うという考え方も成り立つであろう.Tsang11)らはリポゾーム 封入体の研究から,先に mEHTを行う効果は限定的ではないかと考察している.すなわち実臨床では 薬剤や放射線治療を先に行うことを示唆している.しかし患者の立場からすると mEHTには概ね 1時 間の治療時間を要するため,化学療法直後の有害事象(例えば悪心・嘔吐など)が強い場合に,この時 間を耐えることは精神的あるいは肉体的な負担になるかもしれない.また mEHTは多少なりとも脱水 状態を導くことがあり,その水分補給などの対策も考えなければならないなど,mEHT併用治療によ る相乗効果と有害事象のリスク軽減を考慮して,本邦においても医療機器承認を目指すべきである.. 引用文献. 1) Szasz A., Szasz N., Szasz O.: Onocthermia: Principles and Practices. Springer, 2011. 2) Qin W., Akutsu Y., Andocs G., Suganami A., Hu X., Yusup G., Komatsu-Akimoto A., Hoshino I., Hanari N., Mori M.,. 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Abstract in Japanese. “ オンコサーミア ”(Modulated electro-hyperthermia)の 現状と将来展望. 金 森 昌 彦1・佐 藤 勉2・島 友 子3 齋 藤 淳 一4・Gabor Andocs4,5・近 藤 隆4. 1富山大学学術研究部医学系人間科学講座 2富山大学附属病院,血液内科学 3富山大学学術研究部医学系,産婦人科学講座 4富山大学学術研究部医学系,放射線診断・治療学講座,放射線腫瘍学部門 5立山マシン(株). 要 旨: Modulated electro-hyperthermia(略称 mEHT),別名“オンコサーミア”は癌温熱療法にお ける新たな治療法である.mEHTは腫瘍の温度上昇を治療に利用する点は通常のハイパーサーミア(癌 温熱療法)と同様であるが,幾つかの異なる特長を有する.例えば,正確なインピーダンスマッチング を図る点,振幅変調した 13.56 MHzラジオ波(RF)を用いた容量結合型加温である点,腫瘍内温度は いわゆる“マイルドハイパーサーミア”水準の<42 °Cに維持される点,腫瘍細胞膜に連続的な温度勾 配を生じさせる点,等である.これによる細胞膜の不均一かつ非平衡な加温は腫瘍細胞のプログラム細 胞死(アポトーシス)を誘発するとされる.また低出力の RFを用いるため火傷等の副作用も少ない. 従って,mEHTの治療効果を考える場合には,熱作用のみならず,非熱作用(温度上昇に依存しない) の生物効果を考慮することが臨床的にも重要である.サース教授による“Oncothermia: Principles and Practices”が出版された後にも基礎,前臨床研究および臨床結果が数多く報告された.この総説では, 最近の知見をまとめ,mEHTの課題と将来に向けたさらなる臨床応用の可能性について考察する.. Thermal Med, 37〔1〕: 1-14, 2021.. Thermal Med, 37[1]: 1-14, 2021.. 14― ―

Fig. 2.  Effects of conventional hyperthermia at 42  ° C (B, E) and mEHT  (modulated electro-hyperthermia)  (C, F) on apoptosis in human  lymphoma U937 cells
Table I.  Effects of mEHT on cell death and growth inhibition in cultured cancer cells and tumor models
Fig. 3.  Possible mechanism of immunogenic cell death and apoptosis induced by  mEHT (modulated electro-hyperthermia).
Table II.  Phase II and III clinical trials using mEHT
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参照

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