博 士 ( 工 学 )
ハ リ セ テ イ ア プ ラ ジ ャ 学 位 論 文 題 名
Stucly on efficient utilizatlonofbiO
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a1COholblendfuelSin dieSelenglneS(デイーゼルエンジンにおけるバイオ系アルコール混合燃料の有効利用に
関する研究)
学位論文内容の要旨
エタ丿 ールは バイオ マス として製造できることからカーポンニュートラルな液体燃料として注目 されており,すでに火花点火ガソリンエンジン用燃料として用いられている,一方.ディーゼルエン ジ ンに エタ丿 ールを 利用し ようとする試みもなされており、着火性が低いためスパークプラグやグ ロープラグによる強制着火,高着火性燃料との混合,あるいはデュアルフュ―エル法などが検討され て いる ,特に 軽油な どの高 着火性燃料との混合はエンジン本体に特別な改造を加えることなく利用 で きる ため実 用性が 高いが ,エタノールは高濃度で軽油と混合して用いようとすると相分離を起こ すため,多くの場合は少暈の混合に留まっていた.また,親水性であるアルコールを疎水性である軽 油 に混 合する 方法と してエ マルジョン化が考えられるが,無水エタノールと軽油とでは安定したエ マルジョンが得られなぃため,これまではその適用例はほとんどなかった,それに対し合水エタノー ル は比 較的容 易に軽 油とエ マルジョン化できることから。これをディーゼル機関用燃料とすること が考えられる.ー方,エタノールと同様にバイオ燃料として注目されているプタノールは軽油と相溶 性 が1齲いことからディーゼルエンジンへの適川がより容易であり,エタノールと軽油の混合系にブ タ ノー ルを添 加する ことで その相溶性を著しく向上できることから,これら三者の混合燃料を利用 することが考えられる.この場合,工タノールおよびプタノールは含酸素燃料であることから排気中 の スー トの低 減が期 待でき るのに加えて,着火性が低いことから予混合化ディーゼル燃焼に対して 有利である,一方,アルコールと同様に′ミイオマスとして製造が可能である植物油も注目されてお り ,デ ィーゼ ルエン ジンに はェ ステル 化した 脂肪駿 メチル ェス テル(FAME)として利用するバイオ デ ィー ゼル燃 料が提 案され てい る,し かしFAMEはコス トが高 いこと やグリセリンなどの副産物が 過 剰に 生成さ れてし まうこ とが実用の妨げになっており,植物油をエステル化しをいで使用できる ことが望まれている,植物油をそのまま高速ディーゼルエンジンに適用できをい理由として,粘度が 高 いこ とが挙げられるが,アルコールのようを低粘度の燃料と混合することにより利用がロ1能にな るものと考えられる,本研究では以上の諸点に虧日し,アルコ―ル‐軽油混合燃料あるいはアルコー ル .植 物油混合燃料を過給,排気再循環(EGR),およびコモンレール噴射系を有する現在のディーゼ ルェンジンに適用した際の排気エミッションおよび燃焼特性を検討した.
第一の言式みとして,含水エタ丿ールと軽油のエマルジョン化が可能であることに着目し、これを ディーゼル燃料とすれぱ相分離の問題も生じないものと考え,軽油一含水エタノールエマルジョン燃 料をディーゼルェンジンに適用した,実験条件としては,パイロット噴射時期を噴霧が燃焼筆キャビ テ ィ内 に入る 範囲で できる だけ早期に設定するとともに,圧力上昇率を極力抑えるようにパイ口ツ ト噴射量を設定した,その結果,含水工タノール―軽油工マルジョン燃料を用い,パイロット噴射量お よ び吸 気酸素 濃度を 適切に 設定 するこ とによ り広い 負荷範 囲に おいて 静粛か つ低NOx.無 煙燃焼 を実現できた.たとえば水分20ゲ。の含水エタノールと軽油とを同一容積で混合した燃料では過給圧 カ を160 kPaとし た場 合に図 示平均 有効圧 カが0.8 MPaま で無 煙運転 が可能であった.その際、合
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水エタノール 一軽油エマルジョン燃料は軽油よりも着火性が低いため,その利用によルパイロット噴 射量の増加が 可能になって,その熱発生が上死点側に遅角するとともに,主燃焼の後燃えが減少する ことで広い負 荷範囲で等容度および図示熱効率が向上することが明らかに毅った.さらに,含水エタ ノール―軽油 エマルジョン燃料を用いることにより,軽油では黒煙の排出が著しい比較的噴射圧カが 低い 場 合や 多量EGRに よ り吸 気酸 素濃度が低い 場合においても無 煙運転できる範囲が 飛躍的に拡 大できた.
次に.植物 油とエタノールは相溶性が低く安定した混合燃料が得られないのに対し,ブタノールが 混在すること により三者の安定した混合燃料が得られる点に着目し,植物油,エタノール,プタノー ル三 者 の混 合燃 料 にパ イロ ッ ト噴射 と高EGRを 適用した際の燃焼 および排気特性を検 討した,そ の結果,植物 油とアルコールの 混合燃料を用いて パイ口ット噴射量お よび吸気酸素濃度(EGR)を適 切に設定する ことにより,高負 荷においても静粛 でかつ低NOx.無煙運転を実 現できることが明ら かに な った ,例 え ば、 植物 油 にブタ ノールとエタノール を体積割合でそれ ぞれ40%お よび20qo混 合し た 燃料 では.図示平均有 効圧カが0.9 MPaまで低NOx無煙運転 が可能であった,植 物油にプタ ノールおよび ェタノールを混合 した燃料は.着火 性が低いため上死点付近でパイロット噴射燃料に よる予混合化 燃焼が起こるためパイロット噴射量を増カ口させることが可能にをることに加えて,主 燃焼の後燃え が滅少することで 広い負荷範囲で等 容度および図示熟効率が向上する結果となった.
また.植物油 にプタノールおよ びエタ丿一ルを混 合した燃料は,噴射 圧カが低い場合や高EGR.低 酸素雰囲気条 件でも無煙運転が 可能であった,
次に,エタ 丿ールと軽油の相 溶性がプタ丿ールを添加することで著しく向上することに着Hし,そ の燃焼および 排気特性を検討し た,さらに種々の 混合割合のブタノールーエタノ‐ル混合燃料につ いて,近接し た少量のパイロッ ト噴射により得ら れる同様を熱発生率条件における黒煙の排出特性 を検討した. その結果、ブタノ―ル‐エタノール混合軽油を用いてパイロット噴射量および吸気酸素 濃度 を 適切 に設 定 する こと に より, 広い負荷範囲におい て静粛かつ低NOx.無煙運転 を実現でき た.例えばブ タノールとエタノ ールをそれぞれ体 積割合で30qo軽油に混合した燃料では過給圧カを 160 kPa(絶対圧力) とした場合に図示平 均有効圧カが0.9 MPaまで無煙運転が可能であった.プタ ノール‐エタ ノール混合軽油は着火性が低いため,パイロット噴射による予混合的燃焼の熱発生が上 死点側に接近 してその量を増加 させることが可能 になるとともに,主燃焼の後燃えが減少すること で広い負荷範 囲で等容度および図示熟効率が向上した.さらに、ブタノール―エタノール混合軽油を 川い る こと によ り 。軽 油単 体 では黒 煙の排出が著しい比 較的噴射圧カが低 い場合や多漬EGRによ り吸気酸素濃 度が低い場合にお いても無煙運転で きる範囲が飛躍的に拡大した.パイロット噴射を 行うことで着 火性低下の影響を極力排除し運転条件を同一にした場合には,ブタ丿ール‐エタノール 混合軽油の黒 煙はプタノールと エタノールの混合 比率にかかわらず燃料中の酸素含有割合の増加に 対しておおむ ね一義的に滅少す ることが明らかに なった,
以上本研究 により.バイオマ スにより製造可能 であるエタノールおよぴプタノールを軽油あるい は植物油とい った高着火性燃料に混合することにより,過給,排気再循環,およびコモンレール噴射 系を有する現 在のディーゼルエ ンジンにおいてっ 高効率かつ低エミッションで利用できることが明 らかになった ,
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学 位 論 文 審 査 の 要 旨
主 査 教 授 副 査 教 授 副 査 教 授 副査 准教授
小 川 英 之 近 久 武 美 藤 田 修 柴 田 兀
学位論文題名
Study on efficient utilization of bio‑alcohol blend fuels in diesel englneS
(デイーゼルエンジンにおけるバイオ系アルコール混合燃料の有効利用に
関する研究)
エタノールはバイオマスとして製造できることからカーボンニュートラルを液体燃料と して注目されており,すでに火花点火ガソリンエンジン用燃料として用いられている.一 方,ディーゼルエンジンにエタノールを利用しようとする試みもをされており,着火性が低 いためスパークプラグをどによる強制着火,高着火性燃料との混合,あるいは複燃料供給法 をどが検討されている.特に軽油などの高着火性燃料との混合はエンジン本体に特別を改 造を加えることをく利用できるため実用性が高いが,エタノールは高濃度で軽油と混合し て用いようとすると相分離を起こすため,多くの場合は少量の混合に留まっていた.また,
親水性であるアルコールを疎水性である軽油に混合する方法としてエマルジョン化が考え
られるが,無水工タノールと軽油とでは安定したエマルジョンが得られをいため,これま
では適用例はほとんどなかった.それに対し含水エタノールは比較的容易に軽油とェマル
ジョン化できることから,これをディーゼル機関用燃料とすることが考えられる.一方,エ
タノールと同様に′ヾイオ燃料として注目されているブタノールは軽油と相溶性が高いこと
から適用がより容易であり,エタノールと軽油の混合系にブタノールを添加することでそ
の相溶性を著しく向上できることから,これら三者の混合燃料を利用することが考えられ
る.この場合,エタノールおよびブタノールは含酸素燃料であることから排気中のスートの
低減が期待できるのに加えて,着火性が低いことから予混合化ディーゼル燃焼に対して有
利である.さらに,アルコ―ルと同様にバイオマスとして製造が可能である植物油も注目さ
れてお り,ディーゼルェンジンにはエステル化した脂肪酸メチルェステル(FAME) として
利用す るバイオディーゼル燃料が提案されている.しかしFAME はコストが高いことやグ
リセリンをどの副産物が過剰に生成されてしまうことが実用の妨げにをっており.植物油
をエステル化しをいで使用できることが望まれている.植物油をそのまま高速ディーゼル
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エ ン ジ ン に 適 用 で き を い 理 由 と し て , 粘 度 が 高 い こ と が 挙 げ ら れ る が , ア ル コ ー ル の よ う 詮 低 粘 度 の 燃 料 と 混 合 す る こ と に よ り 利 用 が 可 能 に を る も の と 考 え ら れ る , 本 研 究 で は 以 上 の 諸 点 に 着 目 し , ア ル コ ー ル ― 軽 油 混 合 燃 料 あ る い は ア ル コ ー ル ―植 物 油 混 合 燃料 を 過 給 . 排 気 再 循 環(EGR), お よ び コ モ ン レ ー ル 噴 射 系 を 有 す る 現 在 の デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン に 適 用 し た 際 の 排 気 エ ミ ッ シ ョ シ お よ び 燃 焼 特 性 を 検 討 し て い る . ′
第 一 の 試 み と し て , 含 水 エ タ ノ ー ル と 軽 油 の エ マ ル ジ ョ ン 化 が 可 能 で あ る こ と に 肴 冂 し , こ れ を デ ィ ー ゼ ル 燃 料 と す れ ば 相 分 離 の 問 題 も 生 じ を い も の と 考 え , 軽 油 ― 含 水 工 タ ノ ー ル エ マ ル ジ ョ ン 燃 料 を デ ィ ー ゼ ル ェ ン ジ ン に 適 用 し て い る , 次 に , 植 物 油 と エ タ ノ ー ル は 相 溶 性 が 低 く 安 定 し た 混 合 燃 料 が 得 ら れ を い の に 対 し 。 ブ タ ノ ー ル が 混 在 す る こ と に よ り 三 者 の 安 定 し た 混 合 燃 料 が 得 ら れ る 点 に 着 目 し , 植 物 油 , エ タ ノ ー ル , ブ タ ノ ー ル 三 者 の 混 合 燃 料 に パ イ ロ ッ ト 噴 射 と 高EGRを 適 用 し た 際 の 燃 焼 お よ び 排 気 特 性 を 検 討 し て い る . さ ら に , エ タ ノ ー ル と 軽 油 の 相 溶 性 が ブ タ ノ ー ル を 添 加 す る こ と で 著 し く 向 上 す る こ と に 着 目 し , そ の 燃 焼 お よ び 排 気 特 性 を 検 討 し て い る , 実 験 条 件 と し て は , い ず れ の 燃 料 と も パ イ ロ ッ ト 噴 射 時 期 を 噴 霧 が 燃 焼 室 キ ャ ビ テ ィ 内 に 入 る 範 囲 で で き る だ け 早 期 に 設 定 す る と と も に , 圧 力 上 昇 率 を 極 力 抑 え る よ う に パ イ ロ ッ ト 噴 射 量 を 設 定 し て い る . そ の 結 果 . い ず れ の ア ル コ ー ル 混 合 燃 料 を 用 い て も , パ イ ロ ッ ト 噴 射 量 お よ び 吸 気 酸 素 濃 度 を 適 切 に 設 定 す る こ と に よ り 広 い 負 荷 範 囲 に お い て 静 粛 か つ 低NOx. 無 煙 燃 焼 を 実 現 で き る こ と を 示 し て い る . そ の 際 , 各 ア ル コ ー ル 混 合 燃 料 は 軽 油 よ り も 着 火 性 が 低 い た め . そ の 利 用 に よ ル パ イ ロ ッ ト 噴 射 量 の 増 加 が 可 能 に を っ て , そ の 熱 発 生 が 上 死 点 側 に 遅 角 す る と と も に 。 主 燃 焼 の 後 燃 え が 減 少 す る こ と で 広 い 負 荷 範 囲 で 等 容 度 お よ び 図 示 熱 効 率 が 向 上 す る こ と 、 こ れ ら ア ル コ ー ル 混 合 燃 料 を 用 い る こ と に よ り , 軽 油 で は 黒 煙 の 排 出 が 著 し い 比 較 的 噴 射 圧 カ が 低 い 場 合 や 多 量EGRに よ り 吸 気 酸 素 濃 度 が 低 い 場 合 に お い て も 無 煙 運 転 で き る 範 囲 が 飛 躍 的 に 拡 大 で き る こ と を 示 し て い る . さ ら に , パ イ ロ ッ ト 噴 射 を 行 う こ と で 着 火 性 低 下 の 影 響 を 極 力 排 除 し 運 転 条 件 を 同 一 に し た 場 合 に は , ブ タ ノ ー ル ‐ エ タ ノ ー ル 混 合 軽 油 の 黒 煙 は ブ タ ノ ー ル と エ タ ノ ー ル の 混 合 比 率 に か か わ ら ず 燃 料 中 の 酸 素 含 有 割 合 の 増 加 に 対 し て お お む ね 一 義 的 に 減 少 す る こ と を 示 し て い る .
こ れ を 要 す る に , 著 者 は 現 在 の デ ィ ー ゼ ル ェ ン ジ ン に お け る バ イ オ 系 ア ル コ ー ル 混 合 燃 料 の 有 効 利 用 法 に 関 し 新 知 見 を 得 た も の で あ り ゝ エ ン ジ ン シ ス テ ム 工 学 に 対 し て 貢 献 す る と こ ろ 大 な る も の が あ る . よ っ て 著 者 は , 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る .
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