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立法過程の憲法学的研究-立法過程法学序説-

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立法過程の憲法学的研究-立法過程法学序説-著者

新 正幸

26

発行年

1985

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あ た らし

学 位 の 種 類 学 位1己 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 ま さ ゆ き

法 学 博 士 法 第26号 昭 和60年10月16日 学 位 規 則 第5条 第2項 該 当 学 位 論 文 題 目 論 文 審 査 委 員

立法過程の憲法学的研究

二 立法過程法学序説

(主査)

教授 小

教 授 藤 』由 宙 立青 助教 授 森 田 寛 二 論 文 内 .容 1.本 論 文 の構 成 は、 以 下 の ご と くで あ る。 序 論 一 本 稿 の 目的 と方 法 一 第1編 基 礎 理 論1 1立 法 過 程 法 の理 論 一 ウ ィー ン法 学 派 の 立 法 過程 論 の 特 質 とそ の 限 界 一 第2編 本 論 H法 律 の 実 体 形 成 立法 行 為 の体 系 試 論 皿 立 法 条件 論 第1部 立 法 条 件 総 説. 第2部 立 法 条 件 各 説 第1章 形 式 的 立 法 条 件 第2章 実 体 的 立 沫 条 件

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第3部 立法条件存否 の認定 と効果 第1章 立法条件存否 の認定 第2章 立法条件存否 の効果 むす び あ とが き 2.「 法 律 」 と よ ば れ る 国 法 形 式 の創 設課 程 一 本 論 文 は これ を 「立法 過程 」 と称 す る一 は、種 々の見地 か ら学 問的 考 察 の対 象 とな り うるが 、本 論 文 は これ を政 治学 的 ・社 会 学 的 ・ 心 理 学 的 に で は な く、 法学 的 に考 察 しよ う とす る もの で あ る。 本 論 文 提 出 者 に よ れ ば、 従 来 の 憲 法学 ・議 会 法 学 に お け る 「立法 法 」研 究 は 、 「立 法 の 組 織 ・手 続 」 論 と して 「立 法法 を静 止 状 態 に お いて 静 態 的 に考 察 」 した にす ぎず 、 これ に 対 して 、 本 論 文 は 「立 法 法 が 適 用 され法 律 が 創 設 され る法 過 程 」 を対 象 と し、 「立 法 法 を 運 動 して い る状 態 に お い て 動 態 的 に考 察 」 しよ う とす る もの で あ る。 3.で は 、 「立 法 過 程 」 は、 は た して 法 的 考 察 の対 象 とな り うる か 。 本 論 文提 出者 が 強 い影 響 を うけ て い る ウ ィー ン法 学 派 にお いて は、 当初 、 立 法過 程 は超 法 的社 会 事 象 と と らえ ら れ 、 そ の過 程 の法 的規 範 的 考 察 の 可 能性 が否 定 され たが 、 後 に、 同学 派 に根 本 規 範 論 と法 段 階説 が 登 場 す る に お よん で 、 立 法 過程 は法 現 象 と して と らえ られ 、 そ の法 的規 範 的考 察 は可 能 で あ る と改 説 され る こ と とな った。 本 論 文 は、 この 改 説 の要 因 を 検 討 す る と と もに、 ウ ィ ー ン法 学 派 に お け る`Prozess'の 概 念 を 単 な る訴 訟 の 領 域 に限 局 せ ず 立 法 ・行 政 に も 拡 大 して 一 般 化 す る立 場 に共 鳴 して 、立 法 過 程 の 法 的 考 察 は可 能 で あ る と して い る。 「第1編 基 礎 理論 」 で は、さ らに、 「立 法 過 程 法 」 の 理 論 構 築 に あた って は、`Prozess' に関 す る先 行 学 問 と して 既 に成 立 して い る一 般 訴 訟 法 学 との 「対 話 」 の 必 要 性 が 強 調 され 、 ザ ゥ ァ ーr訴 訟 法 の 基 礎 』 にお け る手 続 ・追 行 ・実体 形 成 の三 発 展 経路 説 ・確 定 力論 等 々 が 紹 介 され 論 じ られ る。 4.「 第2編 本 論 」 は二 つ の部 分 か らな るが 、 そ の 「法 律 の実 体 形 成 」 と題 す る部 分 に お いて は、 まず 、 訴 訟 理 論 にお け る 「実 体 形 成 」 とい う概 念 が検 討 され、 団藤 重 光 教 授 が ザ ゥ ァ ー の 説 を 批 判 的 に摂 取 し訴訟 の 発 展 過 程 を実 体 面 と手 続 面 一 実 体 形 成 過 程 と手 続 形 成 過 程 一 と に二 分 して考 え る ことを 評 価 す る と と もに、 その 実 体 面 に お いて ゴ ル トシュ ミ ッ トの 訴 訟 状 態 説 を 導 入 され た ことを も って 「実 体 形 成 」 概 念 を よ り実 証 主 義 的 ・経 験 主 義 的 に純 化 され た もの と して 評 価 す る。 次 いで 、 本 論 文 は、 その 概 念 を 立 法 過 程 の 領 域

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に類 比 的 に適 用 して 「法 律 の 実 体 形 成 」 とい う概 念 を構 成 し、 この 概 念 の 意 義 等 を 、 っ と に 同様 の概 念 を 提 唱 して い た小 野 清 一 郎 博 士 ・団藤 教 授 の所 説 に即 して 考 察 す る。 最 後 に、 立 法 過 程 を 組 成 す る個 々の 行 為 の 「体 系 化 試 論 」 が提 示 され 、 議 院 ま た は 委 員 会 に 対 して 一 定 の 判 断(議 決)を 求 め る行 為(「 申立 」 と称 され る)を 基 礎 づ け理 由 あ ら しめ るた め に な さ れ る行 為 一 「主 張 」 と称 され る一 と、.との 「主 張 」 を 更 に 基礎 づ け 理 由 あ ら し め る た め に な さ れ る行 為 一 「立 証 」 と称 され る とが 、 「法 律 の 実体 形 成 」 を 直 接 に 生 ぜ しめ る立 法 過 程 上 の 行 為 で あ る との 指 摘 が な され る。 「本 論 」 の 第 二 の 部 分 が と りあげ る 「立 法 条 件 」 とは 、個 別 具 体 的 な法 律 案 に つ い て 、 そ め 実 体 的 な審 理 ・議決 が お こな わ れ るた め の 条 件 を い う と され る。 そ して、 この立 法 条 件 は、 (1}7般 的立 法 条件 と特 殊 的 立 法 条 件 (2)積 極 的立 法 条件 と消 極 的 立 法 条 件 (3)絶 対 的立 法 条 件 と相 対 的 立 法 条件 (4)形 式 的立 法 条件 と実 体 的 立 法 条 件 に 分類 す る こ とがで き る と され るが 、 本 論 文 提 出 者 は、 これ らの うち、(4)の区 別(立 法 過 程 の形 式面 に 関 す る事 由 を 法 律 案 の 実 体 的 な審 理 ・議 決 の条 件 と した もので あ る と ころ の 形 式 的立 法 条 件 と、 立 法 過 程 の実 質 面 に 関 す る事 由 を 法 律 案 の実 体 的 な審 理 ・議 決 の 条 件 と した もの で あ る と ころ の実 質 的 立 法 条件 とい う区 別)が 、 立 法 過 程 の 「動 態 的考 察 」 の 核 心 に か か わ り、 理 論 上 最 も重 要 な 区 別 で あ る と して 、 それ に も とつ いて 現 行 日本 法 につ い て の各 論 的考 察 が お こな わ れ る。 す な わ ち、 形 式 的 立 法 条 件 に は発 案 の 機 関 に関 す る要 件 と発 案 の手 続 に関 す る要 件 が あ る と し、発 案 権 の 帰 属 機 関 、 発 案 機 関 に関 す る要 件 の 意 味 、 議 員 ・委 員 会 ・内 閣 の 発 案 手 続 な ど につ いて 考 察 す る(第1章)。 実 体 的 立 法 条 件 と して 本 論 文 提 出者 が 指 摘 す る の は、(a)法律 の所 管 事 項 に 関 す る要 件 、(b)一事 不 再 議 に関 す る要 件 、(c倭 員 会 の 「握 りつ ぶ しの権 限 」 に 関 す る要件 の 三 つ で 、 それ らにつ いて 検 討 が お こ な わ れ る(第2章)。 しか らば、 この よ うな立 法 条件 の 存 否 は いか に して 認 定 され 、 そ の認 定 は ど の よ うな効 果 を もつ か、 本 論 文提 出者 は 、 この 考 察 を もお こ な って 「第2編 本 論 」 を 終 って い る(第3章)。 以 上 が、 本 論 文 の概 要 で あ る。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

本 論 文 の 第1編1、 第2編R、 第2編1皿 は 、 そ れ ぞ れ 独 立 の 論 文 と して 発 表 され た もので あ る。H1は 、1で な さ れ た方 法 論 的 検 討 を発 展 させ て のべ る部 分 が 大 半 を 占め 、 「法 律 の実 体 形 成 」 の 法 理 じしん に つ い て の 言 及 は 概 括 的 見 透 しに と ど ま って い る。 これ}と対 して 、 量 的 た も大 部 を 占 め て い るの は 皿で 、 この 部 分 は 、 既 にの べ られ た方 法 論 の、 日本 法 につ いて の具 体 的 な適 用 と考 え られ る。 これ を要 す るに本 論 文 は 「立 法 条 件 論 」 を 重 点 的 に と わ あつ か う もの で、 そ の 表題 が い う 「立法 過程 の 憲 法学 的研 究 」 と して は、 な お多 くの 問 題 を 残 し て い る。 け れ ど も、 そ れ は提 出 者 じ しん も 自覚 す る と こ ろで(あ とが き)、 「立 法 条 件 」 の 検 討 を 核心 と し、 そ ゐ 基 礎 理 論 お よ び 今 後 の 研 究 志 向 を 指 示 す る も の と と らえ る ことが で き る。 本 論 文 は・ 従 来 の憲 法 学 に な か った視 点 か らす る 野 心 的 な 研 究 で 「立 法 条 件 」 と い う概 念 自 体 、 「訴 訟 条 件 」 の 概 念 か ら着 想 を うけ て 、提 出 者 が 提 唱 した もの で あ る。 その ため に方 法 論 的検 討 が 重要 な要 素 と され た が 、 そ の検 討 は 、 ウ ィ ー ン学 派 め 立 場 か らの 思 考 に限 られ ウ ィー ン学 派 自体 に対 す る批 判 的 検 討 が 存 しな い こと、提 串者 の い う と ころ の 「勲 態 的 考察 」 の 意 味が 方 法 論 的 叙 述 に お いて も、 各 論 的叙 述 に お い て も、 な お 十 分 に明 確 で な い こ と、 一 般 訴 訟 法 学 と の 「対 話 」 に つ い て も、 立 法 と訴 訟 の相 違 に も とつ く限 界 の 具 体 的 指 示 が な さ れ て い な い とい っ た 問題 の余 地 を か か え て い る。 け れ ど も、 これ は新 しい研 究 分 野 、 研 究 方 法 を 開拓 す る論 著 に お いて は避 け が た い こ とで あ り、 これ を も って 本 論 文 の 学 問 的 価 値 を 否 定 す る こと はで き な い。 提 出者 はか ねて ウ ィー ン法 学 派法 学 に つ いて 多 くの 業 績 を 発 表 し高 い評笹 得声 り・ 勿 学識 は本論文1こおけ硝 法 論的考 察にお いて 統 分 に馬区使 されてい て 、「高 い学 問 的価 値 を示 して い るが 、 そ こで の提 唱 も、 た ん な る思 いつ きで は な く、 か な り の説 得 力 を有 す る と考 え られ る。 の み な らず 「立 法 条件 」 論 に示 され た各 論 的 考 察 に お いて は発 案権 の概 念 ・法 律 の所 管 に つ いて の 分類 ・ 「一 事 」概 念 の 設 定 な ど、 日本 の 従 来 の 学 問 水 準 を超 え た鋭 利 な思 考 が み られ る。 さ らに 、本 論 文 は 、 日本 の 学 説 に問 題 が あ る と考 え る と き 、外 国、 と くに ドイ ツ の制 度 お よ び学 説 を 詳 細 に 紹 介 し、 批 判 的 考 察 を くわ え っ っ 参 考 にす る 態度 を と って い る が、 そ こに示 され る ドィ ッ制 度 と ドイ ツ学 説 につ いて の 該 博 な知 識 と適 確 な検 討 と は、 提 出者 の学 識 と思 考 が並 々 で な い こ とを うか が わ せ 、 そ れ だ けで も学 問 的 貢 献 と して 高 く評 価 し うる もので あ る。 本 論 文 は、 全体 と して、 多 くの点 に お い て 学 界 に対 し多 大 の 寄 与 を す る もの と認 め られ る。 な お、 別 紙 の学 力確 認 要 旨 に記 載 した よ うに 、 本 論 文 提 出 者 は 、 東 北 大 学 大 学 院 博 士 課 程 を経 て学 位 を授 与 され る者 と同 等 以 上 の学 力 が あ る と認 め られ る。 以 上 に よ って、 本 論 文提 出者 は法 学 博 士 の学 位 を授 与 され る に値 す る もの と認 め る。 法8

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