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現代経済学入門「財政《

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Academic year: 2022

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(1)2009 年 5 月 14 日(水曜 1 限)1/5. 16. 年金1 16.1 重複世代モデル 各世代は 2 期間(青年期と老年期)生きるとする。 第t世代=t期の期首から t+1 期の期末まで生きる世代. ct1 =第t世代の青年期(=t期)の消費量 ct 2 =第t世代の老年期(=t+1 期)の消費量 Lt =第t世代の人口(=給付対象者数) Yt =第t世代の青年期における労働所得(老年期の労働所得はゼロ) s t =第t世代の青年期における私的な貯蓄 r =利子率(一定) bt =第 t 世代の一人あたり年金負担額(保険料).  =一人あたり年金給付額(受取額) 期 世代. 1. 2. 3. 4. 5. 1. 2. 3. 4. 第 t 世代からある方式の公的年金を導入(に移行) =第 t 世代以降の給付をその方式で賄う公的年金を導入(に移行) 第 1 世代から公的年金が導入(することが第 1 期にアナウンス)されたとする。 第 t 世代の青年期と老年期の予算制約式は次のように求められる。. ct1  Yt  st  bt ct 2  (1  r )st  . :青年期の予算制約式 :老年期の予算制約式. 1. (16-1) (16-2).

(2) 2009 年 5 月 14 日(水曜 1 限)2/5. 16.2 積立方式 第 1 世代から(年金の給付を開始するとともに、1 期から保険料の徴収を開始する)積立方 式の年金制度を導入したとする。そのとき、第 t 世代の一人当たり年金負担額(積立金)bt は運用されて t+1 期には元利合計が (1  r)bt になる。したがって、第 t 世代の公的年金の収 支が均衡するためには.  Lt  (1  r )bt Lt. [給付総額=運用資金の元利合計総額]. (16-3). が成立する。すなわち、t 期の保険料 bt と給付額  には、. bt . . (16-4). 1 r. という関係が成立している必要がある。そして、第 1 世代から(給付対象者となる)積立 方式の年金制度が導入されて、それが継続される場合は(16-3)または(16-4)の関係が. t  1, 2, に対して成立することになる。 (16-1)、(16-2)、(16-4)より第 t 世代の 2 期間(青年期と老年期)を通じた予算制約式を、bt を用いずに表すと. ct1 . ct 2  Yt 1 r. (16-5). である。 (問題 16-1)第 t 世代の 2 期間を通じた予算制約式(16-5)を図示しなさい。また、最適消 *. *. 費点 (ct1 , ct 2 ) とその点を通る無差別曲線を図示しなさい。また、最適な私的貯 蓄と公的貯蓄の和 st  bt を図示しなさい。 *. ct 2. c t1 (問題 16-2)公的年金制度を拡充(  あるいは bt を増加)しても、私的な貯蓄と公的な貯 蓄の和 st  bt が変化しないことを示しなさい。 bt を bt だけ増加させたとき、 *. 最適な私的貯蓄 s t の増分 st は bt を用いてどのように表せるだろうか。 *. *. 2.

(3) 2009 年 5 月 14 日(水曜 1 限)3/5. 16.3 賦課方式 第 1 世代から(年金給付を開始するとともに、2 期から保険料の徴収を開始する)賦課方式 の年金制度を導入したとする。そのとき、第 t 世代に対する年金給付総額が Lt は第 t+1 世 代の保険料総額が bt 1 Lt 1 で賄われることになる。したがって、第 t 世代の公的年金の収支 が均衡するためには. Lt  bt 1 Lt 1. (16-6). が成立する必要がある。また、人口成長率が一定の値 n であるとする( n  1 )。すなわち、. Lt 1  (1  n) Lt. (16-7). である。したがって、(16-6)と(16-7)より、 bt 1 を  と n を用いて表すと、. bt 1 . . (16-8). 1 n. である。そして、第 1 世代から(給付対象者となる)賦課方式の公的年金制度が導入され、 それが継続される場合は、(16-6)あるいは(16-8)の関係が t  1, 2, に関して成立すること になる。なお、 b1  0 である。 【第 2 世代以降の各世代の予算制約式】 (16-1)、(16-2)、(16-8)より第t世代( t  1, 2, )の2期間を通じた予算制約式を、 bt を用 いずに表わすと. ct1 . ct 2  (n  r )  Yt  1 r (1  r )(1  n). (16-9). が成立する。 (問題 16-3)第 t 世代の 2 期間を通じた予算制約式(16-9)を図示しなさい。また、最適消費 *. *. 点 (ct1 , ct 2 ) とその点を通る無差別曲線を図示しなさい。. ct 2. c t1. 3.

(4) 2009 年 5 月 14 日(水曜 1 限)4/5 (問題 16-4) n  r と n  r のそれぞれのケースにおいて、賦課方式の公的年金の拡充(  あるいは bt を増加)が、第 2 世代以降の世代の消費パターンと、それらの世代の 効用水準にどのような影響を与えるかを検討しなさい。また、n  r のケースにお いて、bt が bt だけ増加( bt  0 )したときの最適な私的貯蓄 s t の増分を st と *. *. おけば、bt + st <0 であることを示しなさい。なお、各期の消費財が正常財(= *. 上級財)であるとする。. ct 2. c t1 【第1世代の予算制約式】 第 1 世代の 1 期の予算制約式は. c11  Y1  s1. (16-10). であり、2 期の予算制約式は(16-2)に t  1 を代入したものであるので、. c12  (1  r )s1  . (16-11). である。したがって、第 1 世代の 2 期間を通じた予算制約式は. c11 . c12   Y1  1 r 1 r. (16-12). となる。 (問題 16-5)賦課方式の公的年金の拡充(  あるいは bt の増加)が、第 1 世代の消費点 * * (c11 , c12 ) と、その世代の効用水準にどのような影響を与えるかを検討しなさい。. なお、各期の消費財が正常財(=上級財)であるとする。 問題 16-2 より積立方式の公的年金の拡充は、私的貯蓄と公的貯蓄の和を変化させない。し かし、問題 16-4 と問題 16-5 より、 n  r のケースでは賦課方式の公的年金の拡充は私的貯 蓄と公的貯蓄の和を減少させることになる。. 4.

(5) 2009 年 5 月 14 日(水曜 1 限)5/5. 16.4 補論**:国庫負担方式と国債による積立方式 年金の給付は全額国庫負担で賄うとともに、その国庫負担の財源は全て同じ期の(次の世 代に対する)労働所得税で賄うとする。そこで、第 t 世代の 1 人あたりの労働所得税を Tt と 置けば、世代 t の青年期と老年期の予算制約式は、それぞれ (16-13) ct1  Yt  st  Tt (16-14) ct 2  (1  r )st   となる( t  2, 3, ) 。そして、 T1  0 であり、 t  1 期の財政収支の均衡条件が ( t  1, 2, ) (16-15) Lt  Tt 1 Lt 1 なので、人口の成長率が n であることを考慮すれば、. Tt 1 .  1 n. ( t  1, 2, ). (16-16). である。 (問題 16-6) (16-13)、(16-14)、(16-16)より(16-9)が成立することを示しなさい。 問題 16-6 より、 「賦課方式の年金制度」と「全額国庫負担の年金制度+労働所得税」は各 世代に与える影響は同じであることになる。 労働所得税と(満期が 1 期の)国債発行を組み合わせることにより、 (部分的な国庫負担を 伴う)積立方式が実質的に賦課方式と同等になることを説明しよう。議論の簡単化のため、. r  n のケースに議論を限定する。そして、第 t 世代の(1 人あたりの)労働所得税が Tt 、 国債発行額(=国債購入額=年金積立額)を bt と表すことにする。まず、第 1 世代の年金 給付  は全額国庫負担で賄う。すなわち、 T1  b1  0 である。次に、第 2 世代以降の第 t 世代の労働所得税 Tt と国債発行額(=購入額) bt は、   ( r  n) ( t  2, 3, ) (16-17) Tt  (1  n)  (1  r ). bt .  1 r. ( t  2, 3, ). (16-18). であるとする。このとき、(16-18)より第 2 世代以降の各世代は、フェアな年金に対応する だけの積立はしている。そして、第 2 世代以降の青年期と老年期の予算制約式はそれぞれ、. c1t  Yt  st  bt  Tt ct 2  (1  r )(st  bt ). (16-19) (16-20). である。 (問題 16-7) (16-17)と(16-18)より、 t  1 期の年金収支の均衡条件、. Lt  Tt 1 Lt 1  bt Lt 1. (16-21). が成立することを示しなさい。 (問題 16-8) (16-19)、(16-20)、(16-21)より、第 2 世代以降の第 t 世代の 2 期間を通じた 予算制約式が(16-9)と一致することを示しなさい。. 5.

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