85
[木材学会誌 Vol,36,No.I,p.85‑91(1990)〕
ほぞ接合の曲げ強 さにおよぼすほぞ長 さの影響
*1今山延洋*2,池端利恭*3,杉浦雅美*4,中村 勇
* 2
Ef f e c to fTe no nLe n gt ho nBe ndi n gSt r e n gt h
o
fMo r t
ise
‑ a nd‑ Te no nJ oi n t s * 1
No bu hi r oI MAYAMA* 2
,To s hi ya s uI KE HATA* 3
,Ma s a miSuGI UR A*
4a ndl s a muNAKAMUR A* 2
Theeffectofthetenon length(I)on thebending strength ofa T・shaped,through,single mortise‑and・tenonjointwithoutashoulderwasinvestigated.Thetenondepth(h)washeldconstant to9.5mm.Thelength/depthratio(l/h)changedatintervalsof0.1to2.1.Theresultsobtainedare summarizedasfollows:1)WithintheintervalofO≦l/h≦1.0,th占bendingstrengthofthernortise・ and‑tenonjointincreasedlinearlyasI/hincreased,2)Intheintervalof1.2≦l/h≦2.1,thebending strengthofthejointgraduallyapproachedtoaconstantvalue;thisconstantvaluewasexactlythe sameasthemodulusofrtlpture玩bendingofthematerial(Fig.3上 3)Ⅰfthebendingmomellt(M) acting。nthejointusedinfurnitureisdetermhedbymeansofthestrengthdesignofthefurniture,川 )
itispossibletoestimatethetenondimensions[tenonlength(l),tenondepth(h),andtenonthickness (b)Hnthesemutualrelationshipbythefollowingrelation:M‑(1/6)・k・b・h・l,wherekistheratio ofthebendingstrength(oman)ofthemortise・and・tenonjointataI/hof1.0,tothemodulusofrupture
(0,b)inbendingofthematerial.
Keyu)ords:tenonlength,mortisetenonjoint,bendingstrength.
胴付面 を もたないT型 ほぞ接合 を用いて,ほぞせい (h)に対するほぞ長 さ
( i )
の比( i /
h)が ほぞの曲げ強 さにお よぼす影響 について検討 し,材料 の曲げ破壊係数 との関係 を求 め,構造設計 上 の提案 を したOその結果,次 の ことがわかった。0≦l/h≦1.0では,I/hの増加 とともにほぞの 曲げ強 さは直線的 に増加 し,I/h≧1.2で はほぼ一定 になるO この一定値 はほぞの部材 に用いた材 料 の曲げ破壊係数(ob)に一致す る。比例限度強 さについて も同様であるO胴付帯がないT型 ほぞ で は,構造設計か ら接合部 の曲げモーメン ト( M)
が決 まれば,M‑1 / 6 ・ k
・Ub・ h・ l( ( 8 )
求)か ら, ほぞの仕 口寸法 (ほぞ幅 (b), ほぞせい (h),ほぞ長 さ (l)) をこれ らの三者 の相互関係か ら算 出することが可能 である。*lReceivedOctober4,ユ988.本報の‑郡は,第26回 日 本産業技術教育学会年次大会(1983年7月,長野)に おいて発表 した。
*2静岡大学教育学部 FacultyofEducation,Shizuo‑
kaUniversity,Shizuoka422
*3静 岡県細 江町立 細 江 中学校 Hosoe Junior High School,Shizuoka43ト13
*4静 岡 県 掛 川 市 立 掛 川 西 中 学 校 Kakegawa・nishi JulliorHighSchool,KakegawaC江y436
1,緒 讃
家具 を構造物 として,その耐力や変形挙動 を解析 する場合 に,構造物全体 としての取扱い と同時に接 合部 の性能 が重要 となるo構造の基本的な仕 口の一 つであるほぞ接合 は,木製小椅子等 の部材接合法 と して家具業界 に.おいて使用頻度が高 い。 ほぞ接合の 強度性能 に及ぼす因子 として,仕 口の寸法,駿倉度, 接着剤 の種類,部材 の材質等が上 げ られ る。 仕口の
86 今山延洋,他端利輩,杉浦雅美,中村 勇
寸法の中で, ほぞの曲げ強 さを高める効果的な方法 はほぞ長 さを伸 ばす ことであるト5)。 日高 ら4・5)はほ ぞ長 さ(I)がほぞせい (h)との比 (I
/ h )(
以下, ほぞ長比 と呼ぶ)で,0.5≦l/h≦1.0の範囲において, ほぞ長さとほぞの曲げ強 さの間に極めて高い正の相 関 を認 め,古沢6)はほぞ長 さがほぞの曲げ強 さに強 く影響することを予測 しているO更 に,日高3)はl/h=1.0‑1.4においてほぞの曲げ強 さの増加が緩やか になるとし,石井・宮島l)はl/h≒5/6に増加す る と, 耐力が一定になるとしているo しか し, この一定 の 意味 について は何れの論文 にも述べ られていない。
本研究では,ほぞの曲げ試験 をお こない,l/hが ほ ぞの曲げ強 さにお よぼす影響 について詳 し く検 討 し,材料の曲げ破壊係数 との関係 を求め,構造設計 上 の提案をしたC
2.実 験 方 法
ほぞの曲げ強 さを測定す る強度実験 には胴付 きほ ぞが用いられる ことが多い15)。この場合,ほぞ とほ ぞ穴 の接合強度 と胴付面 の効果が複合 した形 にな る。本報告では, ほぞ とほぞ穴 の接合のみによるほ ぞ接合 の強度が明確 になるように胴無 しほぞを主 に 用いたが,胴付面 の効果 を検討す るための試験 も付 加 している。
試験片形状 をFig.1に示す。ほぞの曲げ強 さへの ほぞ長 さの効果 を見 るために, ほぞせいの寸法 を一 定 にしてほぞ長 さのみを変化 させ
,0 . 3
≦l/h≦2
.1の 範囲にわたって, ほぼ0.1きざみに各々平均5個 の 試験体 を実験 に供 した。ほぞせい は全て22.0mmと 一定に し,ほぞ長 さを6.6mmか ら46.2mmまで変 化 させた。また,比較 の為 に両胴付 ほぞ(tenon(b)) や胴付面 を柱材 に密着せず約5mmの間隔を残 して 接合 した試験体(tenonbつ も製作 した。 これ は,胴 付面の効果や,胴付面 を作 るために必然的に増加 す る材幅(rail)による影響 を検討す るためである。い ずれ も通 しほぞ とし, ほぞ穴の後部の破壊形が観察 出来 るようにした。供試材 として,平均気乾比重0.40,平均含水率12.1
%,平均曲げ破壊係数655.Okgf/cm2のジェル トン (Jeruton:Dyeraspp.)を用いた。部材表面 は自動 かんな盤で,ほぞ穴 は角のみ盤で, また胴付面 は丸 鋸盤 にカッターを取 り付 けて加工 した。験合度 はほ ぞ偏方向 は士Omm,ほぞせい方向 は+0.2mmとし た。接着剤 には酢酸 ビニル樹脂 エマル ジ ョン樹 脂 (PVA)を周い,ほぞ,ほぞ穴 の両面 に接着剤 を塗布 し,約一分間放置後 あて木 を当て,木槌で胴無 しほ ぞ及びtenonb′は予定の位置 まで,胴付 ほぞ は胴付
∫
‑6.6‑46.2 tenon(a)[木材学会誌 Vol・36・No・1
ten。Il(b′)
tenon(b)
Fig.1. ConfigurationoftheT‑shapedmortise‑and‑
tenonjointspecinleIIS(Tenon (a):without ashoulder;Tenon (b):W旧1a Shoulder;
andTenon(b′):havinga5mmgapbetween thebarandtheshoulder).
(mm) P S
Fig.2. Diagram oftestapparatususedinthetests・ Note: SpecimensarefixedbythelllOVablesupports
(upperandlower).
面が密着するまで圧入 し, はた金 で24時間圧 著 し, その後 はた金 をはず し,更 に48時間以上放 置 した。
試験体 をFig.2に示す試験体保持装置 に固定 し, ほ ぞ穴 の上端,下端 より上下 にそれ ぞれ約7cm離 れ た位置 の柱材部分 をボル トで固定 した。試験体保持 装置 にほぞ穴 よ りも少 し大 きめの開 口部 を設 け, ほ ぞ穴後部の破壊 の様子 を直接観察 した。
強度試験機 は容量10tのインス トロ ン型 万能 引張 圧縮試験機 (ミネベア㈱新興通信事業部製,TCM‑
10000)に,最大荷重500kgfのロー ドセル を取 り付
19舗年1月〕 ほぞ接 合 の曲 げ強 さにお よぼす ほぞ長 さの影響
けた もので,クロスヘ ッ ド速度 を毎分5mm,荷重虎 距離 を150mmに して試験 を行 った。 クロスヘ ッド の移 動量 をペ ンレコー ダー に記録 し, たわみ塵 とし て読 み取 った。 なお,前記 の強度試験機 によ り,厚 さ9mm,隔 15mm,長 さ350mmの試験 片 を用いて, ス パ ン300mm, ク ロ ス ヘ ッ ドス ピー ドは5mm/
min,柾 目面荷重 で試験 し,試験用材料 の曲げ破壊係 数 を求 めた。実験 はいずれ も室温で行 った0
3.結果 と考察 3.且 ほぞ長比 (I/h) とほぞの曲げ強 さ
i/hを変化 させて, ほぞの曲げ強 さ との関係 を見 た のがFig.3であ る.横軸 はl/hであ り,縦軸 はほ ぞ の曲げ強 さで,荷 重 お よび応力で表示 した。応力 の算 出には荷重点距 離(L)とほぞ穴寸法 を開いた。
図 に示す ように,l/h‑1.1‑1.2を境 として二つの直 線 を考 える ことが 出来 るO‑ っ はO.3≦l/h≦1.0の 範 囲 て,ほぞの曲げ強 さは l/hの増加 に伴 って直線 的 に増 加す る。 もう一 つの直線 は,i/h≧1.2で,ほ ぞ の曲げ強 さをほぼ一定 と見 なす ことが出来 るO こ の複線 の値 は, この範 囲について単純平均 を して求 め た個 であ る。l/h‑i.1は どち らに も入 らない移行 的 な部 分 として取 り扱 ったoO≦l/h≦1.0において, 次式 の関係 が得 られ る。
Pmax‑ ‑0.866+29.320・(I/h) (1) ここで,Pmaxは各々 の l/机 こおけるほぞの曲げ強 さ で ある.ただ し,l/h‑0にお けるほぞの曲げ強 さの 値 をゼロ とした。相 関係数 は0.99と高 い。あるい は, 接合部 分 を剛接合 と仮定 して,片持梁 による計算式
よ り, 断面係数
( Z)
にほぞ穴寸法 を用いて, 6max‑M/Z, M‑PL,Z‑bh2/6 (2) を仮定 し,(1)式 を応 力 で表示す る と,6max‑A+B・(I/h),A‑‑35.8,B‑599A (3) となる。ここで,A,Bは係 数,6maxは各々の l/射 こ お けるほぞの曲げ応力 であ り,Mは曲 げモーメ ン ト で ある。
この ように, I/hが増加 す るに従 ってほぞの曲げ 強 さ はほぼ直線 的 に増加 す る。 この直 線 的増 加 は l/hが約1.0まで続 き,1.1で は増加傾 向が緩 くな り, l/hが約1.2か らはJ/射 こ関係 な くほぼ‑定借 を示 すO なお, この一定値 の範 囲で はほぞの曲げ強 さの バ ラヅキがやや大 きいが, これ はほぞ穴が深 くなる ことで,加工精度が低下 す る為で はないか と考 えら れ るOこの‑定借 を示す範 囲 について,日高 ら3)は指 数関数 による表示 を行 ない,I/h‑1.0‑1.4において はほぞ の曲 げ強 さの増加 が緩 やか にな る として い るO石井 ・宮島1)は l/h≒5/6になる と耐力が一定 に
0≦ l/h≦ 1.0
Pn a.i‑ ‑0.866+29.320.(l/朗 r==0.98 ′ ●
ちノ′言 亭 ● I
%
● !●t1.0 ●≦lme/harl≦2.+1
l (:uI・7
3J1ノl二一・..・・D
0 0.5 1.0 1.5 2.0 1/h
Fig.3. Relationships betweenI/jiand bending strengthsofmortise‑anかtenonjointswithl outshoulders.
Legend:Pmax:belldingloadofthejoint. am劫Ⅹ:bendingstrengthofthejoint.
』:nlOdulusofruptureillbendillg Ofthe Imaterial.
l:tenonlength.h:tenondepth.
r:correlationcoefficient.
な る としているが,本研究で も同様の傾 向を示 した。
3.2 材料の曲げ破壊係数 との関係
材料 の曲 げ破壊係数(孤)を測定 した結果 をFig.3 に △ 印 で 示 した。 図 中 の‑ 点 鎖 線 はそ の平 均 値 (655.Okgf/cm2)で ある。図か ら分か るよう厄 ,l/A が大 き くなって約1.2付近 か らはほぞの曲げ強 さが 一定値 を示 し, この一定値 と材料の曲げ破壊係数が ほぼ一致 してい るO 日高 ら3‑5)も l/kとほぞの曲げ 強 さの関係 について本報告 と同様 な傾向の結果 を報 告 してい るが,胴付面 の影響 を考慮 してお らず, ま た‑ 定借が意味 す ることについて も明確 にしていな
い 。
材料 の曲げ破壊係数 に対するほぞの曲げ応力の比 (U,na又/ob)を曲げ耐力効率 とす ると,I/hと曲げ耐力 効 率 との関係 はFig.4のようになる。但 し,図中の 各 点 は各l/狛 こおける平均値 を示 している。図か ら 明 らかなように,I/kが約1.0まではl/鋸 こ比例 して 曲 げ耐力効率 も増加す るが,I/h逮l
. 2
では l/hに無 関係 に曲げ耐力効率 は1.0近 くを示 すO この様 に, l/h逮l. 2
で はほ ぞ の曲げ強 さが材料 の曲げ破壊係 数 に一致す る と考 えられ るoここで,o忌l/h≦
1 . 0
の範囲 について,材料 の曲げ 破壊 係数 (ob‑655.Okgf/cm2)を屑 いて,(3)式の両 辺 を除す とoT,na又/Ob‑‑0.054+0.915・(l/h) (4)
88 今山延洋,池端利碁,杉浦雅 美, 中村 勇
′ ■
1 . J
′ 中 o
0
1 ー
9
1.2季//ん≦ ∑.1o ∠
nlearl/o T . i
≦山 車1.0n P
β宣 /qb‑ 10.05姑 0.915i /
r‑ 0.98′ ノ
0 1.0 2.0
!:/Ill.
Fig.4. Relationshipsbetweenomax/6bandI/h.
Legend:0,.na又:bendingstrengthofthemortise‑and・
tenlonjoint.
Cb:mOdulusofrupturein bending ofthe material.
l:tenonlength.h:tenondepth.
r:correlationcoefficient.
が得 られ る。 この式 は, ほぞ療合 の曲げ強 さを, ほ ぞ接合 に用 い られ る材料 の曲げ破壊係数 を基準 にし て計算す る ことが出来,特 にl/h≦
1 . 0
で は式( 4 )
の直 線関係 を利 用 して,必要 なl/htこおけるほぞの曲げ 強 さを簡単 に予測す る ことが出来 る と考 え られ る。例 えば,l/h‑1.0で は,ほぞの曲げ強さは材料 の強 さの約90%に相 当す ることを意味 している。 また, この直線 の傾斜 はほぞ とほぞ穴 の各種の接合条件 に よって左右 され,駿合度が‑定 な らば部材 の材質, 接着剤 の種類 によbて左右 され る と考え られ,部材 の材質や接着剤の種類 によって特有 の直線 の傾斜が 得 られる と思われ る。 これ らの条件 について今後検 討す る予定 である。
3.3比例限度強 さ
荷重‑たわみ線 図か ら比例 限度 を求 め,l/hとの 関係 を示す と,Fig.5のようになる。比例限度強 さを pp,あるい は obで示 したO添 え字 のpは比例 限度 を 示す。ただ し,l/h‑0.9について は比例限度 の決定 が出来なか った。
l/h‑0.3‑1.0の範囲 において,
p
, ‑ ‑3.725+22.608・(l/h) (5) あるい は6,‑‑72.9+442.5・(l/h) (6) の関係が得 られ,相関係数 は0.95と高い傍 が得 られ た。I/h≧1.2で は,材料 の比例 限度 と一致 するo次 に,比例 限度係数 についてみる とFig.6の ようにな るoI/h‑0.6を除 くと,l/kの増加 とともに上昇 し, I/h≧0.8で はほぼ一定値 を示 す と考 えられ,その平
[木材学会誌 Vol.36,No.1
●
Pn、ax,\0㌦nax亀/A′′●審 【.. 一●● ′…三、●
○魯
●● ′ ● 0 I td‑
i
● 0′00′′o O oAロ LI8‑+ 義 : i 00
§ 831.2≦ l/h≦ 2.1 mean
● ヽ
o'p‑ ‑72.I 9+44l2.5‑(I/l
A )
0 0.5 1.0 1.5 2.0 l/A
Fig・5・ RelationshipsbetweenI/handloads(Pp)
orstresses(鶴)attheproportiollallimitof themort i se‑and・tenolljointswithoutshouト ders.
Legend:Pmax:bendingloadofthejoint. qmax:bendingstrengthofthejoint. l:tenonlength・h:tenondepth.
r:correlationcoefficient.
On %0a 880..... ′0 0ヽ 0 栄¢
■0■ a 》 8 昏
′vo 0
0 000 0 0.mean8≦//h≦2.1
0 .
ョ≦ l/h≦0.I 7(exceptforO.6)r‑ 0.93
0 0.5 1.0 1.5 2.0
1/A
Fig.6. Relationshipsbetween
C p
/omaxandI/h.L
e gend:oTp:stressattheproportionallimi tofthe joint.
‰ax:bendingstrengthofthejoint. l:tenonlength.h:tenondepth.
r:correlationcoefficient.
均債 は約65.3%である。 これ は石井 ら7)の比例限度 係数が64‑67%の値 や,古沢6)が60%と見込 めば安 全側 の評価 となる とす る報告 とほぼ一致する。
3.4 ほぞの破壊形態
l/hの変化 に伴 な う破壊形態 の観察結果 をFig.7 に示す。点線が実験 を始める前の試験片 の位置,莱
(.=ul・7,ll3'l)⁝D.・・1.9
1990年1月] ほぞ接合 の曲 げ強 さにお よぼすほぞ長 さの静研
0.3≦ l/h≦ 1.0 1.0≦ l/h忘 1.2 1.2 LS l/h≦1.5 1.5墓 L//Jt≦ 2.1
Fig.7. SchematicdiagramsofrupturedpatterIISOfthemortise・alld・tenolljoilltSWithout shoulders.
Legend:P:load.I:tenonlength.h:tenondepth.
線が負荷後の位置である0
0 . ョ
≦l/ A , ≦
1. 0
で は,ほぞ 全体が回転 した ようにずれ,l/hの増加 に伴 ない回 転の度合が小 さ くなる。1.0≦l/h≦1.2で は,回転 に よるずれがずっ と小 さ くな り, ほぞの付 け根 の上面 や下面での折れ曲が りが明確 に現 れ る。更 に,1.2≦[ / h
≦1.5で はほぞ穴部 分 の ほぞの下半分 にずれ が な くな り固定 され, ほぞ穴部分 のほぞの上 半分のみ がずれ る。ほぞ穴 を後 ろか ら観察すると, ほぞの下 側半分 に変化がな くほぼ上半分が引っ込 んでいるの がわか る。 そ して, ほぞの付 け根 では上側 半分 にお いて不完全な引張破壊が現れて くる。I.5≦l/h≦2.1 では, ほぞ穴部分のほぞの上半分,下半分 ともにず れがな くな り,ほぞ穴部分全体 が完全 に固定 され る。そして, ほぞの付 け根 の上側半分 で完全 な引張破壊 が生 じる。更 にほぞを折 り曲げて完全に破 断 させて ほぞをほぞ穴部分 と分離 す ると, ほぞの下側半分 は 圧縮 による破壊 の後 に引っ張 られて破断 した平 らな 破面が観察 され る。
1.2≦l/h≦1.5にお けるほぞの上半分のずれ,お よ び1.5≦l
/ h
≦2.1における破断面 の観察 か ら,中立 面がほぼ中央 にあることもわか る。これ は,古沢6)が 接合部 か らの距離10mmの位置 における歪 ゲー ジ による歪分布 の測定か ら,中立軸がほぼ部材 中心線 上に認 め られた ことと‑致す るoまた,Fig.3と対応 してみた とき,I/h≧1. 2
にお ける破壊 形 態 の変 化 は,ほぞの曲げ強 さの変動 には大 きな影響 を与 えな いと考 えられ る。3.5胴付面の効果
3.5.1胴付 ほぞの曲げ強 さ
両胴付 ほぞ を用 いてl/hを変化 させ で ほぞ の 曲 げ強 さの実験 を行 った結果 を、Fig.8に示すo
O印
が測定点であるol/h‑0にお ける点 は,胴付 ほぞの試 験体 においてほぞ長 さをゼロ とした時の値 であ る。
つまり, これ はほぞ穴 へのほぞの挿入 はな く,胴付 面のみが柱材へ接着 された状態である。図か ら明 ら かなように,全体 の形 は胴付面がない場合 と同 じパ
̲■=一針
こ選).1'i.(・1
tpn川1(b)withshoulder o≦l/h封 ・。
I
P .." ,I‑ 3.186+3O.51・tl/A)
r‑().98 さ′′J′/9.0.. J
‑■ o ● ; I ■ l l
●ー■l■日.lll.I
89
terlOTl(a)W油 outshoulder
̲‑‑ 〜 ‑●‑ ̲ ‑‑‑‑‑ (b‑ a)
0
0. 5 1.0 1.5 2.0l,/A
Fig.8. Relat血1Shipsbetween belldillg lllaXilmum loads(Pmux)andI/Aforjointswithshoul‑ ders.
Legend:I:tenonlength.h:ten()ndepth.
r:corre一ationcoefficient.
ター ンで あ るOつ ま り,I/h‑1.0付近 までは直線関 係 (相関係数 は0.98)があ り, それ以上では‑定価 を示す と考 えられ る。更に,両 タイプの実験式よ り
i/hの変 化 に伴 な う両者 の差 をFig.8の点線 で示 す.図 の ように,胴 付面積 は‑定であるにもかかわ らず0≦l/h≦1.0で は直線的 に徴増 し,i/h≧1.2で は‑建値 を示すO この結果 は,純粋の胴付面のみの 強 さがJ/h‑0の値 に示 されてい ると考 えられるか ら, ほぞ とほぞ穴 の接合が胴付面 を補強 し, この補 強効果 は0≦l/h≦1.0で は直線 的 に増 加 し,
i / h
≧ 1.2で は一定 になる と考 えられ るO この棟 に,胴付 ほ ぞの曲げ強 さは, ほぞ とほぞ穴 による強 さと,胴付 面 による強 さを重ね合わせ た もの と考 えることが出 来 る。3.5.2 胴付面 の効果
90
ヽJ
今山延洋,池端利碁,杉浦雅美,中村 勇
rnCan 27.58kgf
rnCan 34.93
[木材学会誌 Vol.36,No.1
(B) 机 ‑1・0
Fig・9・ EffectoftellOnjoint,shoulder,alldrailformortise‑and‑tenonjoint.
Legend:A:j()intwithoutashoulder・B:jointwitha5mm gapbetlyeenthebarandthe shoulder.C:joilltWithashoulder.
!:tenonlength.h:tenondepth.
次 に,胴付面 を有す るほぞ接合の強 さを単純 に次 の3つに分 けて考 える。 つ ま り,① ほぞ 自身 (ほぞ とほぞ穴 の接合) の強 さ と,②胴南面 に よる強 さ, および③胴付面 を作 るため に必然的 に増加 す る材幅 による強 さの3つ に分 けて考 えることにす るO胴付 ほぞでは,② と③ が複合 して い る。
Fig.9に示す よ うに,Aはほぞ とほぞ穴 のみの接 令 (㊨)であ り,
C
は柱材 の幅 と材 幅が同一 の一般 的な両胴付 ほぞ (① +(卦十③ ),Bは柱材 と胴付面 の 間に5mmの間隔 を取 った もの (① +(卦)で あ る.ただ し, ほぞ穴部 分 の寸法 はA,B,Cともに同 じ であ り,l/h‑1.0で あ る. また,材 幅 に対す るほぞ 幅の比,つ ま りほぞ幅比 は0.43であ る。結果 の数値 は,AはFig.3よ り引J軌 B,Cは各5本 の試験体 の平均値である。
Fig.9の第一式 ,(B‑A)は引 き算 の結果 として ほぞの材幅の強度 が出て くる。 それ を右側 の図の上 部の斜線 とした。第二式, (C‑ B)は引 き算 の結果 として胴付面効果 による強度 が出て くる。 従 って, 材幅の効果 は含 まれてLiない。 これ を図 の中央 の白 い部分である胴付面 の項 とした。図 の下 の斜線部分 はほぞ とほぞ穴 の みの強度 で あ る。
この様 に して出 した億 をパ ー セ ン トで 表 示 す る と,園のようにほぞ とほぞ穴 の強度約
8 0 %
,胴付面 効果 による強度 が約16%,材 幅 による強度 が約4%である。材幅 による強度 と、胴 付面効 果 に よる強度 を 合わせ る と約
2 0 %
で あ る。材 幅 による強度 を胴付面 効果 による強度 に含 めて,一般 的 にほぞ とほぞ穴 の強度 と胴 付面効果 による強度 に大別 する と,各々
8 0
% と
2 0 %
にな る。したが って,胴付 ほぞの場合 も実用的なほぞ接合 強度 の予測 は,材料 の曲げ破壊係数 とほぞ長比 を基 準 として, その上 に胴付面効果の割合 を考 えれば十 分可能性 があ る と思われる。 また, ほぞ長 さの効果 について検討す るには,胴付面がない方が結果が明 確 にな る と思われ る。
3.6 構造設計 とほぞ寸法の算出
家具 について も構造全体 の強度 の予測が進 め られ てい る2・6・8‑ll).ここで は,仮 に構造全体 の強度が決 ま り,各部 に要求 され る強度が求め られた場合 のほぞ 寸法 の算 出方法 と検討する。
I/h‑1.0の時 の(4)式 は
仇。 a x
/oTb≒0.86で ある。 これ は,材料 の曲げ破壊係数 の86%の強度 が得 られ る ことを意味 しているOまた,I/k‑Oの暗 は右辺 は‑0.054であるが,その値 が微小 であ り,蕊 た,本 来l/h‑0の時6maxはゼロ と考 え られ るので, 簡 単 の為 にゼ ロとす ると,(4)式 を
o T m a x
/Cb≒0 . 8 6
・(l/h) あ るい は5 m a x
/Ub‑k・Cb・(i/h),k‑0.86 (7) とす る こ とが出来 るOここで,長日まl/h‑1.0の時の 材料 の曲 げ破壊係数 に対するほぞの曲 げ強 さの比 で あ り, ほぞ長比定数 と呼ぶ。更 に,本実験 の条件で はkのl/h‑1.Oの暗,材料 の曲げ破壊係数の860/.の ほぞの曲 げ強 さが得 られ ることを表 している。 これ1990年1月] ほぞ接合の曲げ強 さにおよぼすほぞ長 さの影響
は, l/hと材料の曲 げ破壊係数 にkを乗 じたものが その時のほぞの曲げ強 さになる ことを示 している。
ここで,係数kは直線 の傾 きで あ り,この値 は,節 述 の ように, ほぞ とほぞ穴 の接合状態,つ まり,駿 合度 が一定 な らば,部材 の強 さ,接着強 さに関する 因子 によ り決定 され,逆 に樹種や接着などの組合せ に対 応 したkが存在 す る と思われるO
次 に,(2)式 と(7)式 か ら
M‑(1/6)・k・qb・b・h・l (8) が得 られ る。構造全体 の強度設計 より,接合部の曲 げモーメン トMが決 まれ ば, この式 を用いてほぞの 寸法 はほぞ幅
( b )
とほぞせい( h )
とほぞ長 さ( l )
の三者 の相互関係か ら求 めることが出来 るO
4 .
ま と めT型 ほぞ接合 を用 い, ほぞ長比(I/h)‑(ほぞ長 さ)/(ほぞせ い)を変化 させ ほぞ接合の曲げ強 さに対 す る効果 を検討 し,以下 の結果 を得た。
1.ほぞの曲げ強 さ は,0≦l/h≦1.0で はl/hの増 加 と共 に直線的に上昇 し,I/h逮
l . 2
ではほぼ一定 になるQ この現象 は比例限度強 さについて も同様 で あるQ これ らの‑定値 であるほぞの曲げ強 さお よび比例限度強 さは, それぞれ材料の曲げ破壊係 数 お よび比例限度 強 さに一致する02.接合部 の破壊形 態 はl/hの増加 とともに変化 し,0.3≦l/h≦1.0の範囲で は回転形,1.0≦l/h≦
1.2の範囲 では小 さな回転 とほぞの付 け根 での折 れ 曲が り,1.2≦l/h≦1.5ではほぞの穴部分でのほ ぞの下側 固定,上側 ずれの半固定形であ り,1.5≦
I/h≦2.1では上側 ,下側 とも固定の全面固定形で
91 ある。
3.構造設計か ら接合部 の曲げモーメン トが決 まれ ば(8)式 を用いて胴無 しほぞの仕 口寸法 (ほぞ幅, ほぞせい,ほぞ長 さ)を三者の相互関係か ら求 め ることが出来 る。
文 献
1)石井 誠,宮島 寛 :北大農演報告,38(1),121
‑138(1981).
2)石 井 執 宮 島 寛 :同 上 40(3),5甲十 596(1983).
3)日高洋之助,吉田勝彦,江崎 蔵 :宮崎大教育 紀要,38・39,387‑396(1976).
4)日 高 洋 之 助, 吉 田 勝 彦 :同 上,40,lo巨 109(1976).
5)日高洋之助 :産業技術教育学会誌 :19(2),101
…104(1977).
6)古 沢 富 志 雄 :職 業 訓 練 大 紀 要,12A,33‑ 145(1983).
7 )
石 井 誠, 生 田曙家 :木 材学会 遺支講 :ll, 63 (1979).8)寮 正 徳 :木 材 学 会 誌 ,31(10), 807‑
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9)今 山延洋,須見 尚文 :静岡大学教育学部研究報 告 (教科教育学篇),12,131‑139(1980). 10)Eckellman,C.A.:For.Prod.J.,71(9),100‑
106(1967)̲
ll)古 沢 富 志 雄 :木 材 工 業,33(12),525‑
528(1978).