編 集 趣 旨
数学は科学を語るための重要な言葉である.自然現象や工学的対象をモデ ル化し解析する際には,数学的な定式化が必須である.そればかりでない.
社会現象や生命現象を語る際にも,数学的な言葉がよく使われるようになっ てきている.そのために,大学においては理系のみならず一部の文系におい ても数学がカリキュラムの中で大きな位置を占めている.
近年,初等中等教育で数学の占める割合が低下するという由々しき事態が 生じている.数学は積み重ねの学問であり,基礎過程で一部分を省略するこ とはできない.着実な学習を行って,将来数学が使いこなせるようになる.
21 世紀は情報の世紀であるともいわれる.コンピュータの実用化は学問 の内容だけでなく,社会生活のあり方までも変えている.コンピュータがあ るから数学を軽視してもよいという識者もいる.しかし,情報はその基礎と なる何かがあって初めて意味をもつ.情報化時代にブラックボックスの中身 を知ることは特に重要であり,数学の役割はこれまで以上に大きいと考え る.
こうした時代に,将来数学を使う可能性のある読者を対象に,必要な数学 をできるだけわかりやすく学習していただけることを目標として刊行したの が本シリーズである.豊富な問題を用意し,手を動かしながら理解を進めて いくというスタイルを採った.
本シリーズは,数学を専らとする者と数学を応用する者が協同して著すと いう点に特色がある.数学的な内容はおろそかにせず,かつ応用を意識した 内容を盛り込む.そのことによって,将来のための確固とした知識と道具を 身に付ける助けとなれば編者の喜びとするところである.読者の御批判を仰 ぎたい.
2004 年 10 月
編 者
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