比較文化論
年次 学期 学則科目責任者
1年次 後学期 渡邊 徳明(ドイツ語)
学習目標
(GIO)
テーマ:「東西比較の身体論 ― 情動の統御をめぐるヨーロッパと日本の違い ― 」
動物と人間の大きな違いは、自意識を持つか持たないかであろう。自分を客観視して常に反省し、
本能を押さえることができるのが人間の特徴である。無論、人間は動物的な部分を含むが、その上で、
肉体に由来する本能を統御する精神を有している。
ただ、ここで精神の働きの捉え方を考えてみるとき、ヨーロッパ文化と日本文化との間では違いが あるように思われる。古代ギリシャ以来のヨーロッパ文化は理性による肉体の統御を柱としているの に対し、日本においては心身の調和に重きを置かれているように思われる。その意味では精神(人間) が肉体(自然)をコントロールしようとする西洋と、精神(人間)が肉体(自然)の力を利用しながら調和 を図る日本、という図式化が可能なのではないか。
これはあくまでシンプルな仮説に過ぎないかもしれないが、本授業ではこのような仮説の是非につ いて、いくつかの重要なトピックに関して参考文献の抜粋を読み、解説および学生諸君とのディスカ ッションを行う。
担当教員 渡邊 徳明 教科書 なし なし なし 評価方法
(EV)
定期試験は実施しません。授業での参加状況などによる平常点(60パーセント),最終レポート(40パー セント)にて評価します。レポートは授業で扱った文献、もしくは担当教員が推薦する授業関連の文 献を一つ選択して、それを読んで内容要約と感想を書いてもらう、というものを求めます。
学生への メッセージ オフィスアワー
出席を重視します。文学や歴史についての予備知識は特に求めません。この授業を通じて、一冊で良 いですから気に入った文献を見つけてもらえればと思います。知識の習得よりも、文化的問題につい てみんなで考えてゆく、という授業にしたいと思います。なお、授業前にシラバスをよく読んでおい てください。
日付 授業項目 授業内容等 担当教員
2014/09/30 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/09/30 (火) 1時限
09:00~10:30 B
授業についてのガ
イダンス 【授業の一般目標】
情動がどのように文化の創造に寄与するかを考える
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/10/07 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/10/07 (火) 1時限
09:00~10:30 B
情動についての医 学的関連:内分泌 系の働きについて
【授業の一般目標】
心と肉体がどのようにつながっているのかを、内分泌系の働きという観点から 概観する。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/10/14 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/10/14 (火) 1時限
09:00~10:30 B
匂いと情動:分子 科学と脳神経科学 と香料文化の関係
【授業の一般目標】
情動は外界の刺激とどのようにつながっているのだろうか。とりわけ匂いに注 目したい。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
渡邊 徳明
2014/10/14 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/10/14 (火) 1時限
09:00~10:30 B
匂いと情動:分子 科学と脳神経科学 と香料文化の関係
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/10/21 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/10/21 (火) 1時限
09:00~10:30 B
動物から人間へ:
コンラート・ロー レンツ『動物行動 学入門』
【授業の一般目標】
情動は人間の中の動物的領域と言えるのではないか。動物との関連について考 えてみよう。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/10/28 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/10/28 (火) 1時限
09:00~10:30 B
愛についての二元 論 ? : プラト ン『饗宴』
【授業の一般目標】
愛は肉体的な側面と精神的な側面を持つ。それは古代ギリシャ以来の哲学的テー マである。その議論をたどってみる。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/11/04 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/11/04 (火) 1時限
09:00~10:30 B
情動と戦争:フロ イト『人はなぜ戦 争をするのか』
【授業の一般目標】
人間の情動は個人の行動のみならず、国家をも動かす力となる。戦争の勃発は 国際政治力学的なマクロの観点から説明できようが、同時に個々人の心の集ま りである集団心理からも解明されうる。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/11/11 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/11/11 (火) 1時限
09:00~10:30 B
戦争についての理 性による歯止め:
カント『永遠平和 のために』
【授業の一般目標】
前回の授業で戦争の原因を人間の情動に帰したが、戦争を回避する努力もまた 個々の人間の理性の活動によってなされるものである。戦争回避のために発揮 される理性の働きについて考察しよう。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/11/11 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/11/11 (火) 1時限
09:00~10:30 B
戦争についての理 性による歯止め:
カント『永遠平和 のために』
渡邊 徳明
2014/11/18 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/11/18 (火) 1時限
09:00~10:30 B
節食の思想: 食 欲・肉欲の統御に ついての日本的実 践:貝原益軒『養 生訓』、川上肇
『貧乏物語』
【授業の一般目標】
節食という概念は古今東西に存在した。現在でも容姿や健康を維持するための ダイエットは多くの人が実行しているが、質素な生活を行うという禁欲的姿勢 は、西洋の思想的伝統においても、また日本の思想的伝統においても、常に受 け継がれてきたものである。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/11/25 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/11/25 (火) 1時限
09:00~10:30 B
ヒステリーの解明・
愛と精神疾患:フ ロイトの著作
【授業の一般目標】
精神疾患の原因を性衝動の抑圧という点から説明したのがフロイトである。彼 によって様々な精神的現象・文化現象が即物的なレベルでの肉体の働きと連動 して考えられるようになった。まさに現代の情動についての議論の端緒となっ た思想家である。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/12/02 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/12/02 (火) 1時限
09:00~10:30 B
サディズム:エー リッヒ・フロム
『愛するというこ と』
【授業の一般目標】
フロイトの思想を批判的に継承したフロムは愛における理性の役割を重視して いる。もっともそういう考えはフロムが最初に唱えたのではなく、プラトン以 来のヨーロッパの思想家がしばしば問題にしているところでもある。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/12/09 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/12/09 (火) 1時限
09:00~10:30 B
音楽=悪魔的なも の+数理性: トー マス・マン『ドイ ツとドイツ人』
【授業の一般目標】
ドイツ文化はモーツァルトを生んだが、またその一方でナチスをも生んだ。人 類史において文化と野蛮の両極に同時に名前を刻したドイツ民族。そのアンビ バレンツをトーマス・マンは見事に説明する。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
渡邊 徳明
2014/12/09 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/12/09 (火) 1時限
09:00~10:30 B
音楽=悪魔的なも の+数理性: トー マス・マン『ドイ ツとドイツ人』
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2014/12/16 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2014/12/16 (火) 1時限
09:00~10:30 B
武道における身体 論:『兵法家伝書』
『五輪書』
【授業の一般目標】
剣道をはじめとする武道は単に物理的な身体運動としてではなく、むしろ根本 に精神的な働きが前提とされている。古来より読み継がれた兵法書は日本の伝 統文化である禅や能の影響を強く受け継いでいる。そこでは心と体の統御と解 放がテーマとされる。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2015/01/13 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2015/01/13 (火) 1時限
09:00~10:30 B
呼吸について:斎
藤孝『呼吸入門』 【授業の一般目標】
前回の武道論もそうであるが、日本の文化においては心と体の共有領域として
「気」が重視される。「気合い」「気遣い」「気迫」など、「気」に絡む日常 的な表現も多い。西洋における議論と比較して、日本におけるこういった「気」
の概念についての議論は、論理的には説明しづらいのであるが、むしろここで は体感を目指そう。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2015/01/20 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2015/01/20 (火) 1時限
09:00~10:30 B
日本近代における 情動と理性の問題
: 丸山真男
『日本の思想』
【授業の一般目標】
明治維新以降の日本は急激な西洋化・近代化の中で、古来の日本の伝統に立脚 する文化的アイデンティティーの揺らぎに常に悩んできた。思想界においても 古きを懐かしむ情緒的な傾向と、西洋的理性といったものが対立したのである。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2015/01/27 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2015/01/27 (火) 1時限
09:00~10:30 B
写生との訣別:
萩原朔太郎『郷愁 の詩人 与謝蕪村』
【授業の一般目標】
明治時代に正岡子規らによって短歌・俳句の写生が唱えられ、これらの短い定 型詩において写実性が重視されたが、それはおそらくヨーロッパ19世紀後半 における写実主義的文学の流れと無縁ではあるまい。子規らの後の世代である 朔太郎は逆に詩における情緒性を重視した。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の関与 について説明できる
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
渡邊 徳明
2015/01/27 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2015/01/27 (火) 1時限
09:00~10:30 B
写生との訣別:
萩原朔太郎『郷愁 の詩人 与謝蕪村』
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明
2015/02/03 (火) 1時限
09:00~10:30 A
2015/02/03 (火) 1時限
09:00~10:30 B
授業のまとめ 【授業の一般目標】
授業で議論したことを振り返り、レポートのテーマを考える。
【行動目標(SBOs)】
1.肉体と感情の関係、感情と理性の関係、また文化における感情と理性の寄与 について説明できる。
【準備学習項目】
シラバスを読んでおく
【学習方略(LS)】
講義
【場所(教室/実習室)】
402教室
【国家試験出題基準(主)】
【コアカリキュラム】
渡邊 徳明