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小児救急外来において虐待が疑われる子どもと家族へのケア

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Academic year: 2021

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196 (196) 小児保健研究

晦讐舞

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小児救急の初期対応能力の向上をめざした家族への支援

小児救急外来において虐待が疑われる子どもと家族へのケア

木下千鶴(杏林大学医学部付属病院)

 杏林大学医学部付属病院虐待防止委員会は,平成11 年に発足。当院を受診または利用した者に虐待防止の 立場から当該者の安全を守るために,チームとして診 療に当たり,その関係者の支援体制の確立をはかるこ とを目的として活動している。委員会は,医療ソーシャ ルワーカーが事務局を担当し,関連する診療科の医師,

看護職福祉や法律分野を専門とする教育者下多職種 で構成されている。支援の対象は,子ども虐待,ドメ スティックバイオレンス,高齢者虐待等であるが,そ の9割を子ども虐待が占める。

 主な活動は,事例への対応や,対応の質向上と地域 連携推進を目的とした勉強会,院内における虐待防止 の啓発として対応マニュアル作成と周知,より早期か らの予防的な支援を強化するために,小児救急認定看 護師による事故防止活動や妊産褥婦へのMSWによる 面談や産科・小児病棟・外来の情報共有などである。

 事例への対応では,多くの場合,最初に患者・家族 と出会うのは看護者である。また,以降も,もっとも 子どもや家族に近い存在として継続的に直接的に関わ る機会が多い。そのため,子ども虐待の予防と早期発 見情報収集とそれに基づくアセスメント,支援の方 向性の決定プロセスへの参加,再発防止の教育・指導 的な関わりやフォローアップといった多くの大切な役 割を担う立場にあると考える。その際には患者・家族 との関係を築き,常に患者家族側の視点に立ち,関連 職種とチームを組んで,連携・協働して支援していく

ことが大切でもある。

 これらを実践するうえでは,まず虐待対応の重要性 やその意義について関心を持つこと,虐待および子ど もや家族への対応に関する正しい知識や技術の習得,

事例への対応(経験)を積み重ねることが求められる。

実際に虐待事例に出会ったとしても,見る目をもって 見ようとして見なければ,それを発見し,必要な情報 を得て,虐待のリスクのレベルや今後の方針を正しく 見極めることはできない。特に救急外来などでは,短 時間の関わりの中でそれが求められる。また,事例に 対応する中では,さまざまなリスクや困難さ,対応す ることへの抵抗を持つこともある。それらを個人が引 き受けるのではなく,チーム全体で引き受ける体制作 りが重要となる。チームで関わることで,支援を継続 できると同時に,多面的に意見交換することで,対応 の質,関わる人自身のスキルの向上にも繋がる。

 子ども虐待における看護者の役割は多岐にわたる が,虐待を子どもの重要な疾患の一つとして捉えるな

らば看護という視点で,疾患としての虐待だけでは なく,親子,それを取り巻く家族地域を見ることで,

支援の必要な対象を早期に見出し資源を活用してセー フティネットワークを形成していくことができるので はないだろうか。また,特定の誰かではなく,関わる 看護職全体の質向上が重要となる。そのためにも,系 統的な教育,実践の場の整備,実践の評価(研究的な 取り組み)を積み重ねていくことなどが大切ではない かと考える。

杏林大学医学部付属病院小児病棟 Tel:0422-47-5511(代表)

〒181-8611東京都三鷹市新川6-20-2

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