スラリーのレオロジーの基礎
粒⼦径・粒⼦形状・ゼータ電位の関係
スペクトリス株式会社
マルバーン・パナリティカル事業部
嶺岸 明生
© Malvern Panalytical 2017 2
目次
まとめ
⾼濃度スラリーの評価:
レオロジーと粒⼦径、
粒⼦形状、ぜータ電位の 関係
スラリーのキャラクタ リゼーションの課題
スラリーのキャラ
クタリゼーション
イントロダクション
スラリーとは?
• 液体の中に固体を混ぜ合わせたもの
• ドロドロしている場合が多い 固体粒⼦
液体
原料粉体
スラリー 製品
調整 乾燥
成形例
+分散媒 形状付与
相分離 相分離 相分離 安定分散体 相分離
安定分散体 安定分散体 安定分散体
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スラリーの流動性に影響を及ぼす 様々な因⼦
4
+ + + + + + + +
粒⼦の体積分率 粒⼦径 粒度分布
静電的相互作用 粒⼦形状
Vs
- - - -
⽴体障害
コロイド(1nm-1μm)では特に重要
マルバーン・パナリティカル
材料特性に特化した分析機器メーカー 粒⼦径、粒度分布
粒⼦形状 ゼータ電位
分⼦量、分⼦量分布 粘度、粘弾性
(レオロジー)
レーザー回折・散乱法
動的光散乱法(DLS)
回転型 キャピラリー型
画像解析法
測定 項目 粒⼦径・
粒度分布 ゼータ電位 粒⼦形状 レオロジー
(粘度・粘弾性)
装置名 マスターサイザー
3000 ゼーターサイ
ザーナノZSP モルフォロギG3 キネクサス 外観
主な用途 ナノ、ミクロン、
ミリオーダーまで の幅広い粒⼦径・
粒度分布測定
ぜータ電位測定、
サブミクロン以 下の粒⼦径測定
ミクロン、ミリ のオーダーの粒
⼦形状測定
スラリーやペースト、
接着剤の粘度・粘弾 性測定
測定
原理 レーザー回折・散
乱法 動的光散乱法 画像解析法
(光学顕微鏡) レオメトリー
(回転型)
備考 希釈が必要 希釈が必要 希釈が必要(ペー ストによっては 非希釈で測定可)
原液のままで測定
(希釈が不要)
スラリーのキャラクタリゼーション
ナノ粒⼦スラリーの分散性評価:粒度分布
• 経時変化に伴う粒⼦径の変 化で、凝集性などを⾒積る 酸化チタン(TiO 2 )
分散剤なし
pH11,
0.15% ヘキサメタ リン酸ナトリウム レーザー回折式粒度分布装置
マスターサイザー3000
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スラリーのキャラクタリゼーションの課題
• 「そのまま(In-situ)」や「希釈なし」で評価したい。
•
分散媒などへの溶解の可能性を確認したい•
「希釈ショック」が起きる可能性がある•
実際に使⽤する条件との乖離が問題になる可能性がある• 適切な希釈率を設定して評価をする
•
レーザー回折、DLS法など• 専用の測定法を用いる
•
超⾳波・遠⼼分離・NMR法• 特殊なセルを用いた粒⼦測定系を構築する
•
バッチセル、ペーストセルなど• 問題点は?
•
複雑なパラメータが測定に必須•
分析に⾼度な⼿技が必要•
粒⼦径や表⾯電荷だけでは現象をうまく表現できない場合がある8
レーザー回折法による粒度分布の 濃度依存性(多重散乱)
JIS試験用粉体1(4種 タルク)
0.0104 vol%
(低濃度)
0.1006 vol%
(⾼濃度)
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ゼータ電位の粒⼦濃度依存性
• 濃度が⼀定以上濃くなると、ゼータ電位が変化する。(低くなる)
• ゼータ電位の⾼濃度測定に際しては、予めこの点を認識しておく必要がある。
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酸化チタン(TiO 2 )の例
Fig. Intensity particle size distribution of the 0.1% w/v TiO2 sample. The z-average diameter was 295nm with a polydispersity index of 0.18.
ゼータ電位 (m V)
濃度(% w/v)
一定 濃度以上でのスラリーの評価
• XXX
回転型レオメーター
キネクサス
粘度測定 ( ビスコメトリー ) : 回して測定
粘弾性測定 ( オシレーション ) : 左右に微小振動させて測定 サンプル
せん断応⼒
せん断速度
粘度(η)=
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粘度
• 流体の流れにくさ(ねばりの程度)を数値化したもの。
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サンプルタイプ 粘度(Pas) 水 10^-3 =0.001 オリーブオイル 10^-1 =0.1 シャンプー 10^0 =1 マヨネーズ 10^1 =10 軟膏(なんこう) 10^2 =100 溶融樹脂 10^3 =1000 アスファルト 10^8=10,000,0
00
単位 読み方 補足
Pas パスカルセック SI単位。
Pa=N/mm2、s=秒 mPas ミリ パスカルセック SI単位。
m=1/1000 cP センチ ポイズ(「シー
ピー」と読む人も) c=1/100 cP=mPas poise
(P) ポイズ 1poise=10Pas
せん断粘度=せん断応⼒/せん断速度
シグマ
・
ガンマドットイータ
η = σγ
1000mPas=1000cP=1Pas
←トルクとセル形状で決定される
←移動速度とセル形状(隙間)で決定される
せん断に関する流動パターン(粘度曲線)
ニュートニアン ニュートニアンニュートニアン ニュートニアン
(Newtonian)
シェアシニング シェアシニング シェアシニング シェアシニング
(Shear-Thinning)
シェアシックニング シェアシックニング シェアシックニング シェアシックニング
(Shear-Thickening)
せん断速度によらず 粘度が一定
せん断速度の増加とともに粘度が減少 せん断速度の増加と ともに粘度が増加
(例)水、溶媒、低濃度 分散系。高分子溶液
[
希薄系]
(例)高分子溶液
[
濃厚 系]
、高分子融液(例)ペンキ、スラリー、
ペースト
(例)水溶き片栗粉、高 濃度サスペンション
1
低せん断速度では 粘度が⼀定
低せん断速度でも 粘度が⼀定にならない
Log せん断速度
Lo g せん断速度
Log せん断速度
Lo g せん断速度
Log せん断速度
Lo g せん断速度
Log せん断速度
Lo g せん断速度
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粒度分布と粘度の関係(1)
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事例:アルミナ粒⼦を流動パラフィンに分散
Sample Dx (10) (µm) Dx (50) (µm) Dx (90) (µm) A
0.739 1.74 3.31
0.742 1.74 3.3
0.744 1.74 3.3
B
0.456 1.98 5.21
0.47 2.01 5.19
0.483 2.03 5.13
マスターサイザー3000
B:粒度分布が広 く、微粉が多い
キネクサス lab+
A B
せん断速度(s-1)
せん断粘度( Pa s)
粒度(μm)
体積( % )
粒度分布と粘度の関係(2)
理論:粒⼦径、粒度分布、体積分率
Particle Size Distribution
0.1 1 10 100 1000 3000
Particle Size (µm) 0
5 10 15 20
Volume (%)
ランダムに 単分散充填 ランダムに
多分散充填
m
m medium
φ
φ φ
η η 2 . 5 1
−
−
=
Krieger-Dougherty
(クリガー・ドアティ)の式:
Φ m
:最⼤粒⼦充填率粘度
粒⼦の体積分率
希薄系 準希薄〜濃厚系線形的に増加
二次以上、
指数的に増加
粘度
全て
175 μm 全て 750
μm
2つの粒⼦の⽐率を
変えた場合の粘度
粒⼦の体積分率と粘度
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粒度分布と粘度の関係(3)
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コロイド系(1nm〜1μm)で非凝集系
ランダムに配置
せん断方向へ 粒⼦が配列
出典:H.A. Barnes, Handbook of Elemental Rheology
分散媒からの(せん断による)⼒
[半径aの粒⼦に働く流体⼒学的⼒]
6 π η m a aγ ・ ・
ブラウン運動による⼒
[半径aの粒⼦に働く熱運動による⼒]
k B T / a
Log せん断速度(s-1)
Lo g せん断粘度( Pa s)
> <
粒⼦形状と粘度の関係(1)
2種のTiO 2 を混合したスラリー
A B
針状の粒⼦を含む
2.28 mPa.s A
B 1.32 mPa.s
A
B
1.43 mPa.s A
B
1.74 mPa.s A
B
B:増
粒⼦形状と粘度の関係(2)
出典:H.A. Barnes, Handbook of Elemental Rheology
出典:マルバーン ホワイトペーパー MRK1236J-02
せん断による 流れ方向への 粒⼦の配向
粒⼦形状と相対粘度 粒⼦形状と粘度曲線
せん断速度(s-1)
せん断粘度( Pa s)
相対粘度
粒⼦の体積分率(vol%)
棒状 板状 粒⼦状 球状
ゼータ電位と粘度の関係(1)
ゼータ電位 ±30mV ゼータ電位 0mV
(等電点)
• シリカ水分散液(平均粒⼦径:3.7μm。最⼤20μm)。濃度75% w/w。
pH
ゼータ電位( m V)
ゼータサイザーナノ(MPT-2自動滴定装置付き)ゼータ電位と粘度の関係(2)
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pH2.42
pH3.52
pH2.42
(降伏応⼒
= 15.8 Pa
)pH3.52
(降伏応⼒
= 2.5 Pa
)ゼータ電位:大
ゼータ電位:大
pH3.97 粘度曲線
降伏応⼒
ゼータ電位と粘度の関係(3)
塩の添加 (粒⼦表⾯が⾼電荷のスラリー) pHの調整
(鉱物系粒⼦のスラリー)
ゼータ電位
Log せん断速度(s-1)
Lo g せん断粘度( Pa s)
Lo g せん断粘度( Pa s)
Log せん断速度(s-1)
1:斥⼒(静電反発)による擬似的な結晶状態。
2:ニューラル状態。(粒⼦間の斥⼒は1よ りも弱い)
2:等電点(電荷ゼロ)。系は フロキュレーションしている。
斥⼒ 引⼒
塩を添加
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ゼータ電位と粘度の関係(4)
• 粒⼦径により、低せん断での粘度増加(沈降などに対する)による 安定性のアプローチが異なる。
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ゼータ電位 0mV (等電点)
構造があり、
降伏値を持つ
ゼータ電位 ±30mV
ランダム 規則性(格⼦状)
粒⼦径 <1μmの場合
(ブラウン⼒による影響⼤) 粒⼦径 >1μmの場合
(重⼒による影響⼤)
まとめ
レオロジー
製品の性能
レオロジー
は製品の最終性能、成形性、ミクロ構造の関係をつなげます製品の成形性
ミクロ構造
© Malvern Panalytical 2017
ご清聴ありがとうございました。
実際の装置を展示している
弊社ブースへぜひお越しください!
19 February 2018 Title of the presentation
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東5ホール 5G-10
マルバーン・パナリティカルブース
セミナー会場
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