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Microsoft Word - ③ 32表彰 本文_6.1_.doc

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(1)

1. 開発経緯 製鋼用アーク炉は、アーク加熱の特徴である超高温プロセスを利用して、鉄スクラップから鉄鋼 製品を再生する。更に近年ではリサイクルのみならず、アーク炉インフラを利用して産業廃棄物な どの溶融処理にも活用が広がっている。 このように資源循環型社会を支えている一方で、エネル ギー面では1ton の鋼を溶解するのに 400kWh/t 近くもの電力を消費し、また環境面ではダイオキシ ン(DXN 類)やダスト発生の問題を抱えていた。 近年、地球温暖化問題から多電力消費産業においては省エネルギーが非常に重要な課題とな っている。更に廃棄物焼却施設等から排出される DXN 類による汚染が全国的に大きな問題となり、 環境規制が強化された。アーク炉においては,集塵装置出口排ガス中の白煙,悪臭,DXN 類の除 去が義務付けられ、とりわけ、DXN 類に関して 2002 年 12 月から新設炉で 0.5 ngTEQ/m3N 以下を 求められている。 スチールプランテック(株)では、これら省エネルギーおよび環境規制強化に対応するべく、電力 原単位が 200 kWh/t 以下を狙いとし、かつ白煙,悪臭,DXN 類の除去を同時に達成できる次世代 環境対応型高効率アーク溶解炉の開発を推進して来た。 炉からの高温排ガスによるスクラップの直接予熱と連続装入さらに排ガスの高温燃焼・急冷によ る DXN 対策を基本コンセプトとして、1997 年から 5ton 規模の試験炉を用いて実証試験を重ねた。 表-1 ECOARC 試験炉 主仕様 上部・下部ゲート 電極 出鋼ベイ シャフト 排ガス処理設備 溶解室 鋳塊 上部・下部ゲート 電極 出鋼ベイ シャフト 排ガス処理設備 溶解室 鋳塊 写真-1 ECOARC 試験炉 ECOARC 試験炉 主仕様 設置場所 エヌケーケーマテリアル 炉容量(最大) 7 ton(含ホットヒール) 最大投入電力 800 kW 最大電流 12 kA (DC) 電極径 12インチ 炉殻 3.5 m×4m×2 m シャフト 900 mm×4 m

環境対応型高効率アーク炉

スチールプランテック株式会社

日本産業機械工業会会長賞

(2)

開発に当っては以下のようなプロセスエンジニアリング上の課題があったが、改良を加えてこれら の課題を解決することができた。 ① つねに溶解室内において溶湯と未溶解スクラップが共存している状態で 1600℃程度の溶湯 が得られるか? ② 予熱シャフトから溶解室へのスクラップの供給が安定して行えるか?スクラップの融着はない か? ③ つねに溶解室内において溶湯と未溶解スクラップが共存している状態で低炭素(0.03 %程 度)の溶湯が得られるか? ④ 予熱シャフト内雰囲気ガス中の酸素濃度を 5%以下でかつ酸化度を 0.5~0.7 に保てるか? ⑤ DXN 類対策について排ガス系に関し、燃焼と急冷により、DXN 類は規制値を満足できる か? そして、試験炉のヒートバランスから,実機のヒートバランスを推定した結果、酸素使用量 45 m3N /t で 150 kWh/t の電力原単位と推定できた。排ガス温度を 900℃に後燃焼する CO を残した条件 (予熱シャフト内ガスの酸化度が 0.6)においても、トータルの入熱は通常炉の 80 %程度と小さく、 ECOARC では効率を格段に高めることができることがわかった。 これらの実証試験およびシミュレーションによる検証を経て、環境に優しくかつ電力消費が格段 に少ない環境対応型高効率アーク溶解炉 ECOARC(Ecological and Economical Arc Furnace)の 開発に成功した。 そして、2000 年 4 月に初号機として岸和田製鋼(株)殿から 70ton 炉を受注し た。 写真-2 ECOARC 初号機 岸和田製鋼殿の製鋼工場は2基のアーク炉で操業されていたが、ECOARC の高効率な特徴を 活かして合計生産量を維持しながら、これら2炉を集約統合し ECOARC 一基体制に切換えること ができた。炉用トランス、受変電設備、建屋集塵機、直引集塵機、水処理設備等は既設設備1炉 分をそのまま流用し、スクラップ搬送設備、副原料搬送設備、排ガス処理設備(燃焼塔・急冷塔)等 を新設した。 そして、2001 年 12 月に稼動し設備に改良を加えた結果、設備稼働率も 95%以上の安定操業を 実現し、電力原単位は 200kWh/t(酸素原単位 40m3N/t)が達成できる見通しを得た。また、種々の スクラップの溶解を行い問題無く溶解できると同時に白煙,悪臭の発生もなく,DXN 類も規制値を ECOARC 初号機 主仕様 設置場所 岸和田製鋼(株)殿 炉容量(最大) 70+35 ton(含ホットヒール) 変圧器容量 41,000kVA 最大電流 53.9 kA (AC) 電極径 20 インチ 表-2 ECOARC 初号機 主仕様

(3)

クリアしていることも確認できた。 これらの実績をもとに、2 号機として JFE 条鋼(株)殿より姫路製造所向けに 140t ECOARC を受 注し、2005 年 11 月に稼動を開始し、順調に操業成績を伸ばすことができている。 2. 装置説明 今回開発した ECOARC の概略を図-1に示す。ECOARC は溶解室と溶解室に直結した予熱シ ャフトからなり、さらに、後段に排ガス中の DXN 類を熱分解するための燃焼室と熱分解後に DXN 類の再合成を防止するための水直接噴霧式の冷却室から成り立っている。 溶解室と予熱シャフトは文字どおり直結しており、予熱シャフトは溶解室と一緒に傾動する。それ ゆえ、結合部からのシャフトへの空気の侵入はない。また、溶解室周りも空気の侵入を極力少なく しており、炉全体が半密閉構造となっている。カーボン制御のみならず補助熱源としてのコークスと 酸素を溶解室内に吹き込むための装置も備えている。 また、スクラップは予熱シャフト上部からスクラップレベルが一定値以上を保つようにシャフト内に 装入される。さらに、炉からの排ガスは予熱シャフトを出た後、DXN 類を十分に熱分解するための 温度・滞留時間を満足する燃焼室、DXN 類の再合成を防止するため排ガス温度を十分に下げるこ とのできる直接水噴霧式の急冷室、集塵装置を経由して大気に放散される。

ECO

ARC

燃焼塔

バグフィルタ

D類再合成防止

D類熱分解

建家集塵ガス

70-90 ℃

点火

バーナ

900 ℃

以上

2sec

スプレー冷却塔

水噴霧

150-200 ℃

ECO

ARC

燃焼塔

燃焼塔

バグフィルタ

バグフィルタ

D類再合成防止

D類熱分解

建家集塵ガス

70-90 ℃

70-90 ℃

点火

バーナ

点火

バーナ

900 ℃

以上

2sec

スプレー冷却塔

水噴霧

スプレー冷却塔

水噴霧

150-200 ℃

溶解はコールドスタート時を除き、鋼浴に対 してアークが維持されるフラットバス操業で、ス クラップが定常的に溶鋼と接触しながら溶解室 から予熱シャフトに連続して存在する状態を保 つ。溶解室内でスクラップの溶解が進行すると、 シャフト内のスクラップレベルが低下する。そこ で、シャフト上部から新しいスクラップを装入し、 つねに、溶解室から予熱シャフトにスクラップが 連続して存在する状態を保つ。 スクラップチャンバー 上部ゲート 下部ゲート 直引ダクト 溶鋼 スクラップ内スクラップ スキップ3-4台分 20-30 トン スクラップチャンバー 上部ゲート 下部ゲート 直引ダクト 溶鋼 スクラップ内スクラップ スキップ3-4台分 20-30 トン 図-2 余熱原理説明 図-1 ECOARC 概略

(4)

1 ヒート以上の溶鋼が生成した時点で、溶解室と予熱シャフトにスクラップが連続して存在する状態 で炉を出鋼口側へ傾動し、昇温期に移る。 昇温期においては、炉傾動により溶解室内での溶鋼とスクラップの接触面積が減少し、溶鋼の 温度を出鋼に十分な温度まで昇温できる。昇温後、1 ヒートの量の溶鋼を出鋼する。出鋼後、出鋼 量の 50%程度の溶鋼を炉内に残して炉を溶解期の状態に戻し、次ヒートの溶解となる。 前述したように ECAORC では常に溶解室から予熱シャフトに連続して存在する状態を保つ。シ ャフト内のスクラップレベルを維持するために1ヒート当たり 10-13回程度スクラップをシャフトに供 給する。HMI(Human Machine Interface)または製鋼計算機(Level2)を通して予め設定された装入 量となるように装入回数が調整される。スクラップ搬送は全自動で行われる。 スクラップ搬送系を図-3に示す。スクラップヤードに設けられたスクラップホッパで一回装入分の スクラップが計量される。スクラップ搬送台車はスクラップホッパから秤量されたスクラップを受け、ス キップ台車に投入する。スキップ台車は炉頂へとスクラップを搬送し、シャフト内にスクラップを供給 する。 図-3 スクラップ搬送系

スキップカー

中間台車

スクラップホッパ

ECO

ECO

ARC

ARC

上部ゲート

下部ゲート

スキップカー

中間台車

スクラップホッパ

ECO

ECO

ARC

ARC

上部ゲート

(5)

3. 成果 (1) 性能 ① 熱効率が極めて高い 溶解室で酸素とコークスのインジェクションにより発生する CO を制御された二次燃焼空気 と反応して得られる高温の CO、CO2ガスがシャフト下方の溶解室内スクラップに直接に接 触して熱交換が行われるため、熱効率が極めて高い。 150 t/h の溶解速度、シャフト高さ 6.7m、酸素量 33 m3N /t、排ガスの酸化度(CO 2/(CO+CO2))が 0.7 の条件でのシミュレ ーションによると、予熱温度 850℃となり、電力原単位は 210 kWh/t となり、従来炉に比べ ると電力原単位は 40%以上改善された。 実績でもこれに近い電力原単位が達成でき、高酸素操業試験では 200kWh/t を切ること ができた。6 月度操業実績を図-4に示す。各日の電力原単位及び通電時間をグラフに、 電力原単位、酸素原単位、燃料ガス使用量、電極原単位の月間平均値をグラフ内に示 す。チャンピオンデータは高送酸操業を行った際のデータで8ヒートの平均値である。

Daily Operation Result

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 320 340 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 Date Po w er C on sum pt io n ( kW h/ t) 10 15 20 25 30 35 40 45 50 On T ap ( m in. ) Power On Tap

Power :233.0

kWh/t

Oxygen (PSA)

:36.4 m

3

N/t

Fuel Gas

:3.2 m

3

N/t

(for furnace & gas treatment)

Electrode

:0.95 kg/t

Champion Data:

Power

: 196.4 kWh/t

Oxygen (PSA)

: 40.1 m

3

N

/t

Daily Operation Result

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 320 340 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 Date Po w er C on sum pt io n ( kW h/ t) 10 15 20 25 30 35 40 45 50 On T ap ( m in. ) Power On Tap

Power :233.0

kWh/t

Oxygen (PSA)

:36.4 m

3

N/t

Fuel Gas

:3.2 m

3

N/t

(for furnace & gas treatment)

Electrode

:0.95 kg/t

Champion Data:

Power

: 196.4 kWh/t

Oxygen (PSA)

: 40.1 m

3

N

/t

図-4 操業実績(2003年6月度) 右図に ECOARC における酸素効 率をまとめる。予熱シャフトでの熱回 収の結果、酸素効率は6kWh/m3N O2程度であることが判った。 また、電力原単位の低減に伴い黒 鉛 電 極 の 原 単 位 も 従 来 炉 に 比 べ 40%ほど改善されている。

150

250

300

350

400

450

0

10

20

30

40

50

Oxygen [m

3 N

/t]

El ec tr ic P ow er [ kWh/ t] 従来炉 改造前 操業成績 ECO ARC

200

’03年6月

ECO+LF

150

250

300

350

400

450

0

10

20

30

40

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Oxygen [m

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/t]

El ec tr ic P ow er [ kWh/ t] 従来炉 改造前 操業成績 ECO ARC

200

’03年6月

ECO+LF 図-5 酸素効率

(6)

② DXN 類・白煙・悪臭 ECOARC では、外気の侵入が抑えられており、トータルの排ガス量は生産性が等しい通 常炉に対して少なくなっている。排ガスの炉内酸化度を 0.6 から 0.7 程度に保ち、残存 CO を後段に設置した燃焼室で空気と混合して燃焼させて白煙、悪臭、DXN 類対策として十 分な 900℃以上の温度にできた。そして直接水噴霧により再合成を防止していることにより、 DXN 類はガス・ダストいずれも現行の法規制値を満足している。白煙・悪臭問題も発生し ていない。 ③ ダスト発生量 シャフト内スクラップ層のダスト吸着除去効果や炉内が酸化雰囲気でないことによりダスト 発生量が低減し、従来炉の2/3以下に抑えられた。 ④ 電力障害・騒音 従来炉では溶解期にアークはスクラップに向かって発生するため、変動が大きく不安定な ために電圧フリッカや高調波などの電力障害を発生していた。ECOARC ではアークは常 に鋼浴に向かっているので安定しており、これら電力障害は半減すると同時にアークに起 因する騒音も低減できた。電力投入においても負荷が平準化され高力率を維持すること ができた。 0 5 10 15 20 25 30 11 :2 7: 03 11 :2 8: 40 11 :3 0: 22 11 :3 1: 57 11 :3 3: 33 11 :3 5: 08 11 :3 6: 45 11 :3 8: 20 11 :3 9: 56 11 :4 1: 32 11 :4 3: 07 11 :4 4: 43 11 :4 6: 19 11 :4 7: 55 11 :4 9: 30 11 :5 1: 06 11 :5 2: 42 11 :5 4: 17 11 :5 5: 59 11 :5 7: 35 11 :5 9: 16 12 :0 0: 52 12 :0 2: 27 12 :0 4: 04 12 :0 5: 39 12 :0 7: 15 12 :0 8: 51 12 :1 0: 26 12 :1 2: 02 12 :1 3: 38 12 :1 5: 14 12 :1 6: 48 12 :1 8: 24 Time TH D [% ] 0 5 10 15 20 25 30 21 :2 0:02 21 :2 1:02 21 :2 2:03 21 :2 3:02 21 :2 4:02 21 :2 5:02 21 :2 6:02 21 :2 7:55 21 :2 8:55 21 :2 9:55 21 :3 0:55 21 :3 1:54 21 :3 2:55 21 :3 3:54 21 :3 4:53 21 :3 5:54 21 :3 6:53 21 :3 7:54 21 :3 8:53 21 :3 9:53 21 :4 0:52 21 :4 1:52 21 :4 2:52 21 :4 3:52 21 :4 4:52 21 :4 5:52 21 :4 6:51 21 :4 7:51 21 :4 8:52 21 :4 9:52 21 :5 0:51 21 :5 1:50 21 :5 2:50 21 :5 3:50 21 :5 4:50 21 :5 5:49 21 :5 6:49 21 :5 7:49 21 :5 8:49 21 :5 9:49 22 :0 0:49 22 :0 1:49 22 :0 2:48 22 :0 3:48 22 :0 4:48 22 :0 5:48 22 :0 6:48 22 :0 7:47 22 :0 8:47 22 :0 9:46 22 :1 0:47 22 :1 1:47 22 :1 2:46 22 :1 3:47 22 :1 4:46 Time THD [% ]

E C O A R C

従 来 炉

(2) 特許の有無(取得・申請中・予定を記述) 特許第3114713号 2000 年 9 月 29 日登録「冷鉄源のアーク溶解設備および溶解方法」 特許第3204202号 2001 年 6 月 29 日登録「冷鉄源の溶解方法および溶解設備」 特許第3329248号 2002 年 7 月 19 日登録「冷鉄源の溶解方法および溶解設備」 特許第3521277号 2004 年 2 月 20 日登録「冷鉄源の溶解方法及び溶解設備」 (3) 維持管理 従来炉より自動化が進み省力化されている。 保守は従来炉と同等である。

(7)

(4) 経済性 横目 単位 従来炉 ECO ARC 単 価 \/Unit コスト 較差 電力原単位 KWh/t 380 238 9 1278 酸素原単位 Nm3/t 33 33 16 0 コークス原単位 Kg/t 25 25 13 0 電極原単位 Kg/t 2 1 300 300 DXN 対策 バーナ燃料 L/t 120 5 20 300 ダスト処理費用 Kg/t 18 9 15 135 合計 \/t - - 2013 *単価は一般的な平均値を想定 (5) 将来性 ECOARC は環境規制強化に対応するとともに、従来のアーク炉では達成しえなかった大幅 な電力原単位の削減を可能とした。そして、低品質のスクラップにも高効率で予熱溶解ができ ることも実証されたので、将来割合が増加する低品質スクラップへの適用も期待される。 また、連続安定装入によりオートプレスなどを高い比率でスクラップに混入しても急激な反 応を伴わず、安定して処理ができる可能性がある。更に、排ガスの白煙・悪臭・DXN 類対策が 従来炉と異なり万全であるので、産業廃棄物処理にも有望である。 また、電力ネットワークの弱い地域や騒音が問題となる都市部での立地に対しても、同一電 力レベルで比較した場合に生産性が格段に高い一方で、電力障害や騒音が低い特徴を持 つ ECOARC は最適の設備となる。 (6) 独創性 ECOARC は,溶解室と予熱シャフトが直結しており,つねにスクラップが溶解室から予熱シ ャフトに連続して存在する状態を保ちながら連続予熱,溶解するものである。従来はこのような 概念での操業はできないと考えられていたもので、従来炉の固定観念から開放された新たな 発想に基づく考え方で ECOARC は生まれた。 アーク炉の密閉度を高めることによって、外気侵入を抑制し排ガス量を大幅に低減したこと により、シャフト内での酸素濃度を抑えてスクラップの酸化を抑制すると同時に、排ガス中の残 存 CO を燃焼室にて燃焼させることで DXN 類を補助エネルギを追加すること無しに分解して いる。

(8)

(7) 今後の規制に対する対応策 DXN 類濃度規制 0.1 ng-TEQ/ m3N 以下への対応 CO ガスを含む排ガスを燃焼搭で二次燃焼し,900℃以上に昇温する。その後スプレー冷却に より 150~200℃に急冷却する。この排ガスをバグフィルタ入口温度である 70~90℃まで下げ ると露点が問題になる。露点を避けるために建屋集塵系などで希釈し、集塵機入口温度を 70 ~90℃程度に下げる。これにより,希釈・冷却による DXN 類低減効果も付与されるので集塵 機出口での DXN 類濃度を 0.1 ng-TEQ/ m3N 以下に抑えることができる。 4. 応用分野 製鋼用スクラップ溶解炉 産業廃棄物溶融処理炉 5. 第1号分野 (1) 装置の仕様 炉形式 : 交流型 ECOARC ヒートサイズ : 70~75t 出鋼 / 残湯 35t 生産性 : 110 ton/hr 炉用変圧器容量 : 41 MVA 黒鉛電極 : 20 インチ × 3本 鉄源 : スクラップ 100% 装入方法 : 6-8 ton/回 x10~13 回/ヒート 傾動角度 : ±15 度 (2) 装置の納入先 岸和田製鋼株式会社殿 〒596-0013 大阪府岸和田市臨海町20番地 (3) 納入時期 2001 年 12 月稼動 (4) 稼動状況(労働時間を含む) 本年度上半期の稼働率は 95%以上を記録しており、計画通りの生産を維持している。 稼働率は、従来炉と同等である。

(9)

(5) トラブル発生の有無 ECOARC は、溶解室と予熱シャフトが直結し、炉全体を半密閉構造としている。これにより、 炉内への外気の侵入を極めて少なくして雰囲気ガス中の酸素濃度を低く抑えることができ、予 熱シャフト内でのスクラップの酸化・融着という好ましくない問題を防止している。しかし、水冷 パネルからの水漏れや耐火物の異常損耗などの非定常な問題が発生した場合に、処置のた めに長く炉を開放するとシャフト内のスクラップが外気によって酸化し融着する問題が発生し た。 これらの問題に対しては、異常時にはシャフト内スクラップを溶解室に払い出せるようにする と共に、状況に応じて外気を遮断して消壷状態を維持するように運用することで対応できた。 その後、融着問題は発生していない。 また、稼動当初はスクラップ装入とエネルギー投入(電力及び酸素)のバランスの適正値が 把握不十分で操業が安定しなかったが、計算機を用いたモデル制御によって適正なバランス を維持できるようになり、安定操業を実現することができた。

参照

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