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体育学研究 , 野球投手におけるマウンドと平地からの投球のバイオメカニクス的比較 投球速度および投球動作中の下肢および体幹の動作に着目して 蔭山 雅洋 1) 鈴木 智晴 2) 藤井 雅文 1) 中本 浩揮 1) 和田 智仁 1) 前田 明 1) Masahiro

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1) 鹿屋体育大学

〒8912393 鹿児島県鹿屋市白水町 1 番地 2) 鹿屋体育大学大学院

〒8912393 鹿児島県鹿屋市白水町1 番地 連絡先 蔭山雅洋

1. National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, Kagoshima, Japan

1 Shiromizu, Kanoya, Kagoshima 8912393 2. Graduate School of Physical Education, National

In-stitute of Fitness and Sports in Kanoya, Kagoshima, Japan

1 Shiromizu, Kanoya, Kagoshima 8912393 Corresponding author mkageyama@nifs-k.ac.jp

野球投手におけるマウンドと平地からの投球のバイオメカニクス的比

較投球速度および投球動作中の下肢および体幹の動作に着目して

蔭山 雅洋1) 鈴木 智晴2) 藤井 雅文1)

中本 浩揮1) 和田 智仁1) 前田 1)

Masahiro Kageyama1, Chiharu Suzuki2, Masafumi Fujii1, Hiroki Nakamoto1, Tomohito Wada1 and

Akira Maeda1: A biomechanical comparison of baseball pitching from the mound versus the ‰at ground,

focusing on ball velocity and motion of the lower limbs and trunk. Japan J. Phys. Educ. Hlth. Sport Sci. 61: 517535, December, 2016

AbstractThe purpose of this study was to clarify the proˆles of lower limb and trunk motion during baseball pitching in relation to diŠerences between the mound and the ‰at ground, and to determine the motion characteristics while pitching from the 2 locations.

The subjects were 12 baseball pitchers (age 18.6±2.5 yr, height 173.4±6.5 cm, weight 74.7±11.0 kg) who belonged to high school or university baseball teams. Three-dimensional positions of 36 re‰ec-tive markers attached to each subject were tracked by an optical motion capture system(Mac3D Sys-tem) with 12 cameras. The ground-reaction forces (GRF) of the pivot and stride legs during pitching were determined using 2 multicomponent force plates. Pitching motion was divided into two phases: phase 1 was deˆned as the period from when the knee of the stride leg reached maximal height (MKH: 0time) until the point when the stride foot made contact with the ground (SFC: 100time), while phase 2 was deˆned as the period from the SFC until the point when the ball was released(REL: 200 time). Ball velocity was measured using a radar gun.

The results were as follows: 1) The maximum and average ball velocities were signiˆcantly higher when pitching was performed from the mound than from the ‰at ground (p<0.05). 2) Hip/knee ‰exion angles and hip abduction/extension angular velocities on the pivot leg were signiˆcantly greater for mound pitching than for ‰at ground pitching, and the hip/knee extension angle and hip adduction/inter-nal rotation/‰exion angular velocities on the stride leg were signiˆcantly greater for the former (p< 0.05). 3) The GRF of the stride leg was signiˆcantly greater for mound pitching than for ‰at ground pitching(p<0.01). 4) Upper torso and pelvis angle/angular velocities at SFC and the maximum pelvis, upper torso and trunk tilt angular velocities were signiˆcantly greater for mound pitching than for ‰at ground pitching(p<0.05).

The present results indicate that baseball pitchers show biomechanical diŠerences in the kinematic and kinetic proˆles of the trunk and lower limbs when pitching from the mound in comparison with the ‰at ground, and that high school or collegiate baseball pitchers can increase their pitched ball velocity by using the height of the mound.

Key wordskinematics, kinetics, ground-reaction force, kinetic chain, three-dimensional motion analy-sis technique

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.緒

野球では,投手が果たす役割は大きく,投手の 能力として,どれだけ速い球を投げることができ るかは,勝敗を左右するうえで重要な要素の 1 つとなる(稲尾・吉村,2001功力,1991).ま た投手は他のポジションとは異なり,平坦よりも 高い位置にあるピッチャーマウンド(以下「マウ ンド」と略す)から投球を行う.公認野球規則 2.01(日本プロフェッショナル野球組織・全日本 野球協会,2016, pp. 2)によると,マウンドは, 「内野の中央付近に投手板をホームプレートより, 10 inch (25.4 cm)高い場所に設け,投手板の前 方 6 inch (15.2 cm)の地点から,本塁に向かっ て 6 feet (182.9 cm)の地点まで,1 feet (30.5 cm)につき 1 inch (2.5 cm)の傾斜をつけ,そ の傾斜は各球場とも同一でなければならない.」 とされている.このように,投手は本塁よりも 25.4 cm 高い位置から約4.8°の傾斜を利用するこ とで投球を行っているため,指導の現場では,マ ウンドからの投球はより速いボールを投げるため に有利であると考えられている.しかしながら, マウンドの有無による投球速度の差異について検 討した先行研究によると,両者には差がないとい う報告(Nissen et al., 2013)がある一方で,マ ウ ン ド が 平 地 よ り も 大 き い こ と ( 大 貫 ほ か , 1998)が報告されている.このように,マウン ドでの投球が投球速度に影響を及ぼすか一致した 見解は得られていない. 投球速度に影響する動作の要因については,こ れまでのところ,平地とマウンドでそれぞれの実 験設定から投球動作解析を中心に検討されてき た.投球動作は,踏込脚が接地した後,膝の速度 が増加し,次いで腰,肩,肘,手首そしてボール の順に,各部位の速度のピークが時間的にずれな がら増加する(阿江・藤井,2002桜井,1992 豊島ほか,1976).そして投球動作は,下肢に よって生み出された力,エネルギー,速度などが タイミングよく順次に加算・伝達されて末端へ伝 わり,体幹を通して末端のエネルギーや速度を大 きくできるという運動連鎖の原則から成り立つ (阿江・藤井,2002Kreighbaum and Barthels, 1985).また Toyoshima et al. (1974)は,通常 の ス テ ッ プ を 用 い た 投 動 作 で は 投 球 速 度 の 約 50にステップと身体の回転が貢献していると 指摘し,さらに宮西(2004)は,体幹は投球腕 各部の力学的エネルギーの増大のために重要な “エネルギー発生・伝達器”となっていることを 述べている.したがって,投球動作は,最終的に 手の速度をどれだけ大きくできるかが投球速度を 決定する要因になるものの,投球速度を増大させ るには下肢や体幹が重要な役割を担っていると考 えられる.さらに,投球速度に影響する投球動作 を検討した先行研究をまとめると,両脚に作用す る投球方向の大きな地面反力(Kageyama et al., 2014 , 蔭 山 ほ か , 2015a  MacWilliams et al., 1998),リリース直前における踏込脚膝関節の伸 展動作(Kageyama et al., 2014Matsuo et al., 2001 ), ボ ー ル 加 速 局 面 で の 体 幹 の 回 旋 動 作 (Escamilla et al., 1998Fleisig et al., 1999蔭 山ほか,2014Matsuo et al., 2001島田ほか, 2000Stodden et al., 2001高橋ほか,2005) や 捻 転 動 作 ( 蔭 山 ほ か , 2014  宮 西 ・ 櫻 井 , 2009)の重要性が指摘されている.このような ことから,投手が大きな投球速度を獲得するため には,下肢に作用する地面反力や体幹の回旋動作 および捻転動作が大きく影響すると考えられる. しかしながら,先行研究においては,平地からの 投球(宮西ほか,1996, 1997島田ほか,2000 Toyoshima et al. 1974)とマウンドからの投球 (Escamilla et al., 1998Fleisig et al., 1999 Kageyama et al., 2014, 2015蔭山ほか,2014, 2015a, 2015bMacWilliams et al., 1998 Matsuo et al., 2001Stodden et al., 2001高橋 ほか,2005)のそれぞれの実験設定から投球速 度に影響する動作要因について検討されており, 同一被検者内におけるマウンドの有無が投球動作 中の下肢および体幹の動きにどのような影響を及 ぼすかは不明な点が多い. マウンドと平地における投球動作の差異を検討 した研究は,大学生(大貫ほか,1998)と 9 歳

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から14歳(Nissen et al., 2013)の野球投手を対 象としたものが報告されている.大学野球投手を 対象とした研究(大貫ほか,1998)によると, マウンドは平地と比較して,投球が開始されて からボールをリリースするまでの身体(下肢や体 幹)の移動距離が大きいことが報告されている. 一方,9 歳から14歳の野球投手(年齢12.7±1.3 歳)を対象とした研究(Nissen et al., 2013)に よると,マウンドと平地による投球では,投球動 作中の下肢のキネマティクスに違いがあることが 報告されている.これらの先行知見より,投手は マウンドの有無によって投球動作中の下肢や体幹 の動きが異なることが報告されているものの,投 球動作中の下肢に作用する地面反力や体幹の回旋 および捻転の動作については不明である.したが って,同一被検者の野球投手におけるマウンドお よび平地での投球動作中の下肢に作用する地面反 力や体幹の回旋および捻転の動作の差異を検討す ることは,マウンドの有無による投球動作の特徴 を明確にすることができ,それぞれの条件下での 技術指導に有益な知見になると考えた. そこで本研究は,野球投手を対象に,マウンド と平地における投球速度および投球動作中の下肢 および体幹の動作の差異を明かにし,マウンドの 有無による投球動作の特徴を検討することを目的 とした.

.方

. 被検者 被検者は,投手を専門とする高校生および大学 生の12名(右投手11名および左投手 1 名,年齢 18.6± 2.5 yr, 身 長 173.4± 6.5 cm, 体 重 74.7 ± 11.0 kg , 野 球 歴 11.0 ± 2.2 yr , 投 手 歴 3.8 ± 2.1 yr)を対象とした.本研究は鹿屋体育大学倫理審 査小委員会に倫理審査申請書を提出して承諾を受 けた.被検者には,事前に本研究の目的や測定内 容,測定時の危険性について説明し,書面にて実 験参加の同意を得た.また18歳未満の被検者に ついては,被検者本人に加え保護者に対しても実 験の説明を行った上で,実験参加の同意を得た. . 実験 . 投球試技 測定に先立ち,被検者にはストレッチを含むウ ォーミングアップを十分に行わせた後,後述する 簡易マウンドおよび平地にて投球練習を行わせ た.投球練習終了後,休息を挟み,被検者の疲労 感がないことを確認した後に,被検者には 18.44 m 先のストライクゾーンを想定させた的注1)(大 き さ  縦 66.6 cm × 横 43.2 cm , 中 心 の 高 さ  72.2 cm)に対して,ストレートによる全力投球 をマウンドおよび平地にてそれぞれ 5 球行わせ た.本研究では,投球速度が最も大きかった試技 をそれぞれ分析の対象とした.なお,投球試技は それぞれ同一日とし,ランダムに行った. . 投球動作の測定とデータ処理 実験は,室内にて 2 枚のフォースプラットフ ォーム(Z15907, Kistler 社製)が設置できるよ うな簡易マウンド(Figure 1(a),Figure 2)お よび平地(Figure 1(b))を設置し,18.44 m 先 の的に投球をそれぞれ行わせた.公認野球規則 2.01(日本プロフェッショナル野球組織・全日本 野球協会,2016, pp. 2)によると,マウンドは, 「内野の中央付近に投手板をホームプレートより, 10 inch (25.4 cm)高い場所に設け,投手板の前 方 6 inch (15.2 cm)の地点から,本塁に向かっ て 6 feet ( 182.9 cm ) の 地 点 ま で , 1 feet ( 30.5 cm)につき 1 inch (2.5 cm)の傾斜をつけ,そ の傾斜は各球場とも同一でなければならない.」 とされている.つまり,マウンドは本塁の高さよ りも 25.4 cm 高いところにあり,投手板の前方 15.2 cm の地点から本塁に向かって 182.9 cm の 地点まで約4.8°の傾斜となる.そのため,本研究 で使用した簡易マウンドは,先行研究(Fleisig et al., 1999Matsuo et al., 2001)を踏まえ,投 手板と踏込脚のつま先との距離が 180 cm の選手 に対して,傾斜角4.8°となるように作成した.な お,本研究では被検者ごとに実験条件を統制する ため,使用した簡易マウンド(フォースプラット フォーム上)には投手板およびそれに準じるもの は設置しなかった注2).また 2 台のフォースプラ ットフォームは,水平面上に平行に設置した.本

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Figure 1 Experimental setup for the pitching mound and ‰at ground.

Figure 2 Portable pitching mound.

研究では右投手の場合は,右脚を軸脚,左脚を踏 込脚とした(左投手の場合は逆とした).

測 定 は , 光 学 式 3 次 元 動 作 解 析 シ ス テ ム ( Mac3D, Motion Analysis 社 製 ) の 12 台 の 専 用 カメラ(RaptorE)と 2 台のフォースプラット フォームを使用した.投球速度は,スピードガン (2ZM1035, Mizuno 社製)を用いて計測した. スピードガンは測定誤差が少ない投球方向に配置 (宮西ほか,2000)し,照準を被検者のボールリ リース位置に向けて測定を行った.なお,マウン ド試技および平地試技で投球したボールの投射角 度が異なるため,スピードガンは光軸とボールの 速度ベクトルが向き合うように調整した. 光学式 3 次元動作解析システムによる測定で は,身体部位36点に直径 13 mm の反射マーカー を貼付し,撮影速度毎秒500コマ,シャッタース ピード毎秒2000コマで 3 次元座標を計測した. Mac3D のキャリブレーションによるカメラ12台 の較正点の実測 3 次元座標値と算出された 3 次 元座標値の平均誤差は,1.0 mm 以下であった. 身体部位36点は,頭部 5 点(頭頂,頭部前部, 頭部後部,左右の耳珠点),上肢10点(左右の肩 峰,肘外側,手首内果,手首外果,第 3 中手指 節関節),体幹部 5 点(胸骨上縁,胸骨下縁,左 右の上前腸骨棘,仙骨),下肢16点(左右の大転 子,大腿骨外側上果,大腿骨内側上果,外果,内 果,踵後部,第 3 中足骨頭,第 5 中足骨頭)と した.身体各部位の 3 次元座標は,光学式動作 解 析 シ ス テ ム の 制 御 ソ フ ト ウ ェ ア ( Cortex 2.6.8.1186, Motion Analysis 社製)を用いて,

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Figure 3 Phases of pitching motion.

DLT 法(Direct Linear Transformation Method) により算出した.また身体各部位の 3 次元座標 は,数値解析ソフトウェア(MATLAB R2010b, The Math Works)を用い,遮断周波数 13.4 Hz に よ る位 相 ず れ なし の 4 次の Butterworth 型 デ ジタルフィルターによって平滑化した(Fleisig et al., 1999).投球動作中の両脚に作用する地面 反力は,フォースプラットフォームにより計測 し,専用アンプを介して,サンプリング周波数 2000 Hz でパーソナルコンピュータに取り込ん だ.なお,3 次元座標と地面反力のデータは,光 学 式 3 次 元 動 作 解 析 シ ス テ ム に 付 属 す る A / D ボードを介して同期した.静止座標系は,ピッチ ャープレートからホームプレートに向かう前後方 向のベクトルを Y 軸,鉛直方向の上下方向のベ クトルを Z 軸,Y および Z 軸に垂直で 3 塁方向 へ向かう左右方向のベクトルを X 軸とした. . 動作の局面分け 本研究では,蔭山ほか(2015b)にならい,投 球動作を 2 つの局面に分けた(Figure 3).第 1 局面は,踏込脚の膝関節が最も高く上がった時点 (以下「MKH 時」と略す)から踏込脚が接地す る時点(以下「SFC 時」と略す)までとし,第 2 局面は SFC 時からボールリリース(以下「REL 時」と略す)までとした.各局面については,要 した時間をそれぞれ100とし,3 次のスプライ ン関数を用いて,全てのデータを規格化した.規 格化したデータは,1毎に平均値を求めた. . データの算出項目と方法 本研究では,投球動作中の下肢および体幹の動 作について着目した.以下に,下肢の各関節およ び体幹の角度,ストライド長,地面反力に関する 定義について記述する. .. 下肢における各関節の角度定義につい て 下肢の各関節の角度は,先行研究(Kouchi et al., 2000Nakamura et al., 2005Yamane et al., 2005Yamane and Nakamura, 2003)によっ て 作 成 さ れ た 筋 骨 格 モ デ ル 動 作 解 析 ソ フ ト (nMotion musculous 1.51, nac 社製)を用い算 出 し た . 下 肢 の 各 関 節 の 角 度 は , 光 学 式 3 次 元 動 作 解 析 シ ス テ ム か ら 得 ら れ た 3 次 元 座 標 を用い,人体モデルの逆運動学(Yamane and Nakamura, 2003 ) に よ っ て 計 算 し た . そ の た め,筋骨格モデル動作解析ソフトをもとに,身体 部 分 を 53 の 剛 体 リ ン ク モ デ ル ( link-segment model)と仮定した.すべての身体のセグメント は,両側の上腕部,前腕部(橈骨側,尺骨側), 手部,大腿部,下腿部(腓骨側,脛骨側),膝蓋 骨,つま先,後足部,そして,頭部,胸骨,鎖 骨,肩甲骨,頸部(第 1 頸椎から第 7 頸椎),胸 部(第 1 胸椎から第12胸椎),腰部(第 1 腰椎か ら第 5 腰椎)とした.関節座標系の設定(Figure 4(a))は,各セグメントの関節中心を原点とし,

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Figure 4 Deˆnition of the coordinate system ˆxed at the hip, knee and ankle joints (a), upper torso (b), the pelvis (c), trunk twist (d), trunk tilt (e) and stride length (f).

静止立位時の姿勢に基づき,矢状面に垂直な軸を x 軸,水平面に対し垂直な軸を y 軸,前額面に垂 直な軸を z 軸とした. 本研究は,解剖学的な可動域制限に基づき,股 関節では屈曲伸展,内外転および内外旋角度を, 膝関節では屈曲伸展,内外転および内外旋角度 を,足関節では底背屈,内外転および内外反と定 義した.各関節の角度定義は,日本整形外科学会 ならびに日本リハビリテーション医学会が1995 年 に 制 定 し た 「 関 節 可 動 域 表 示 な ら び に 測 定 法」(日本リハビリテーション医学会,1995日 本整形外科学会,1995)に則った.下肢の各関 節の角度における符号の正負については,股関節 では屈曲,内転および内旋を正,伸展,外転およ び外旋を負,膝関節では屈曲を正,伸展を負,足 関節では底屈を正,背屈を負とした.なお,膝関 節の内外転,内外旋,足関節の内外転,内外反と いった下肢の動作は,投球動作中の動きがほとん ど生じていないため,本研究では割愛した. .. 体幹の動作について Figure 4(b)(e)に,上胴,下胴,捻転(蔭山 ほか,2014Stodden et al., 2001高橋ほか, 2005)および体幹前傾の定義(Kageyama et al., 2014Matsuo et al., 2001)を示した.上胴の角 度(Figure 4(b))は,XY 平面上における左肩 峰から右肩峰に向かうベクトルを作成し,静止座 標系の Y 軸に対してなす角とした.下胴の角度 (Figure 4(c))は,XY 平面上における左上前腸 骨棘から右上前腸骨棘に向かうベクトルを作成 し,静止座標系の Y 軸に対してなす角とした. 本研究では,投球方向に回転した際を正の角度, その逆を負の角度と定義した.体幹の捻転角度 (Figure 4(d))は,下胴角に対する上胴角の差分 (体幹捻転角度=上胴角度-下胴角度)から算出 した.したがって,捻転角度が負の値であれば, 下胴に対して上胴が右回旋している状態を示し, 正の値であれば左回旋している状態を示す.体幹 前傾の角度(Figure 4(e))は,下胴の中点(左 右の上前腸骨棘を結んだ中心)から上胴の中点 (左右の肩峰を結んだ中心)に向かうベクトルを 作成し,静止座標系の Z 軸に対してなす角とし た.つまり,本研究では投球(本塁)方向へ傾い た際を正の角度,2 塁方向へ傾いた際を負の角度 と定義した. .. 身体重心の位置座標の算出について 身体重心の位置座標は,“AIST 人体寸法デー

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Table 1 Ball velocity, phase time and stride length during pitching between the pitcher's mound and ‰at ground.

Unit Mound Flat Ball velocity

Max km/h 120.5±4.5 118.5±4.6 Average km/h 118.7±4.1 116.6±4.7 Time of each phase

Phase 1 (MKHSFC) s 0.86±0.26 0.87±0.22 Phase 2 (SFCREL) s 0.17±0.01 0.18±0.02 Stride length Stride length m 1.41±0.08 1.34±0.09 Stride length_X m 0.11±0.09 0.10±0.10 Stride length_Y m 1.40±0.08 1.33±0.09 Stride length (height) height 81.4±5.5 77.4±6.4 Stride length_X (height) height 7.9±3.2 7.5±3.2 Stride length_Y (height) height 81.0±5.5 76.9±6.3 MKH: Maximal stride knee height

SFC: Stride foot contacts ground REL: Ball release

Mean±SD

p<0.05, p<0.01: Signiˆcant diŠerence between the pitcher's mound and ‰at ground.

タベース1997―98”(Kouchi et al., 2000)を基 に作成された筋骨格モデル動作解析ソフトを用 い,モーションキャプチャーデータから得られた 3 次元座標から算出した.人体寸法データベース は,産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究 センターによって計測された日本人成年男子110 名分の特徴的な49か所の寸法と体重の計50個の パラメータを使用した. .. ストライド長について Figure 4 ( f ) に , ス ト ラ イ ド 長 の 定 義 を 示 し た.ストライド長(Figure 4(f))は,MKH 時 における軸脚の足関節中心から SFC 時における 踏込脚の足関節中心との距離とした.なお,足関 節の中心は,足関節における内果および外果の中 心とした. .. 地面反力について 地面反力は,先に定義した静止座標系と同様 に,ピッチャーズプレートからホームプレートに 向かうベクトルを Y 成分,鉛直方向のベクトル を Z 成分,Y および Z 成分に垂直で 3 塁方向へ 向かうベクトルを X 成分とした.また本研究で は,3 成分を合成した地面反力を100とし,各 成分における地面反力の割合を算出した. . 統計処理 基本統計量は平均値±標準偏差(SD)により 示した.マウンドおよび平地による差異を検討す るため,投球速度,ストライド長,動作時間,下 肢の各関節および体幹の最大値データは,対応の ある Student's t-test を用いて比較を行った.ま た規格化されたデータについても 1毎に,同様 の処理を行った. 本研究では,すべての検定において有意水準を 5未満とした.なお,すべての検定は統計処理 ソフト IBM SPSS Statistics 22 (IBM 社製)を用 いた.

.結

. 投球速度,動作時間およびストライド長 Table 1 は,マウンド試技および平地試技にお ける投球速度,投球動作中の動作時間およびスト ライド長を示したものである.5 球中の最大速度 および平均速度は,マウンド試技が平地試技に比 べて有意に高い値(p<0.05)を示した.また投 球動作中の第 2 局面の動作時間は,マウンド試 技が平地試技に比べて有意に短い値(p<0.01) を示した.マウンド試技におけるストライド長お よび身長比のストライド長は,絶対値および Y 方向が平地試技よりも有意に大きい値(p<0.01) を示した. . 下肢,体幹,地面反力,身体重心の最大 値・最小値 Table 2 は,投球動作中における下肢および体 幹の角度,角速度,身体重心の位置,速度ならび に地面反力の最大値および最小値を示したもので ある.マウンド試技における股関節および膝関節

(8)

Table 2 Maxima of kinematic/kinetic parameters of lower limbs, trunk, center of gravity and GRF between the pitcher's mound and ‰at ground.

Unit Mound Flat Mound Flat Hip Pivot leg (Phase 1) Stride leg (Phase 2)

Maximum Flexion Angle deg 62.1±9.9 57.8±7.8 107.8±12.2 111.2±10.8 Maximum Adduction Angular

Velocity deg/s 104.9±41.0 91.3±56.6 836.3±198.5 757.3±223.1 Maximum Abduction Angular

Velocity deg/s -219.1±80.4 -201.4±66.4 -26.5±180.2 -30.5±184.8 Maximum Internal rotation

Angular Velocity deg/s 97.3±54.8 85.9±35.5 460.3±180.31 366.9±151.2 Maximum External rotation

Angular Velocity deg/s -77.7±38.9 -3.6±41.0 -81.7±108.9 -54.9±72.1 Maximum Flexion Angular

Velocity deg/s 150.7±57.8 141.0±51.8 529.2±148.4 469.0±152.8 Maximum Extension Angular

Velocity deg/s -541.1±130.8 -447.5±104.4 -315.0±136.2 -290.3±119.6 Knee

Maximum Flexion Angle deg 63.2±8.3 60.9±7.8 53.6±7.7 61.8±7.1 Maximum Extension Angular

Velocity deg/s -239.2±70.1 -221.9±73.4 -280.4±162.7 -251.7±136.5 GRF

Maximum Fx N/kg 0.9±0.4 1.7±0.6 1.4±0.7 1.1±0.6 Maximum Fy N/kg 5.3±0.8 5.2±0.8

Maximum Fz N/kg 12.0±1.1 12.7±1.5 18.1±2.0 15.6±1.3 Maximum Resultant forces N/kg 12.8±1.2 13.5±1.6 20.8±2.4 17.6±1.6 Minimum Fx N/kg -0.8±0.4 0.1±0.4 -0.8±0.5 -1.2±0.2 Minimum Fy N/kg -10.3±1.6 -8.4±1.0 Trunk

Maximum Upper Torso Angular

Velocity deg/s 1204.2±124.6 1175.4±110.1 Maximum Pelvis Angular

Velocity deg/s 680.9±94.3 650.1±108.7 Maximum Trunk Positive Twist

Angular Velocity deg/s 796.2±126.2 787.5±129.0 Maximum Trunk Negative Twist

Angular Velocity deg/s -283.6±78.1 -267.4±77.0 Maximum Forward Trunk Tilt

Angular Velocity deg/s 326.3±50.5 303.9±55.2 Center of gravity Height of CGzat MKH m 1.20±0.08 1.05±0.07 Height of CGzat SFC m 0.83±0.05 0.76±0.05 Minimum height of CGz m 0.76±0.04 0.73±0.04 Distance of CGzat MKHMini-mum height m 0.43±0.07 0.33±0.06 Distance of CGzat MKHSFC m 0.37±0.07 0.30±0.06 Distance of CGzat SFCMini-mum height m 0.07±0.02 0.03±0.02 Maximum velocity of center of

gravity m/s 2.7±0.2 2.5±0.2 CGz: Position of the Zaxis of the center of gravity

MKH: Maximal stride knee height SFC: Stride foot contacts ground Mean±SD

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Figure 5 The comparison of joint angle of lower limbs. の最大屈曲角度は平地試技と比べ,軸脚では有意 に大きい値(p<0.05)を,踏込脚では有意に小 さい値(p<0.05)を示した.軸脚股関節の外転 および伸展の最大角速度は,マウンド試技が平地 試技よりも有意に高い値(p<0.05)を示した. また踏込脚股関節の内転,内旋および屈曲の最大 角速度は,マウンド試技が平地試技よりも有意に 高い値(p<0.01)を示した. 軸脚に作用する地面反力における X(左右方 向)成分の最大値および最小値は,マウンド試技 が平地試技よりも有意に小さい値(p<0.05)を 示した.また踏込脚に作用する地面反力(X(左 右方向)成分,Z(上下方向)成分,合成成分) の最大値は,マウンド試技が平地試技よりも有意 に 大 き い 値 (p< 0.05 ) を 示 し , 地 面 反 力 ( X (左右方向)成分,Y(前後方向)成分)の最小 値は,マウンド試技が平地試技よりも有意に小さ い値(p<0.01)を示した. MKH 時,SFC 時ならびに最小の身体重心の 位置は,マウンド試技が平地試技に比べ,有意に 高い値(p<0.01)を示した.また MKH 時から 身体重心高が最小になるまでの身体重心における Z(上下)方向の移動距離は,マウンド試技が平 地試技に比べて有意に大きい値(p<0.01)を示 した.さらに,詳細に検討すると,MKH 時から SFC 時,SFC 時から身体重心高が最小になるま での身体重心の移動距離は,マウンド試技が平地 試技よりも有意に大きい値(p<0.01)を示した. 身体重心の最大速度ならびに上胴,捻転および 前傾の最大角速度は,マウンド試技が平地試技よ りも有意に高い値(p<0.01)を示した. なお,身体重心の最大速度が出現した規格化時 間は,マウンド試技(112.4±4.5time)が平地 試技(117.0±7.9time)よりも有意に早かった (p<0.05).また下肢,体幹,地面反力の最大値 および最小値が出現した規格化時間は,有意な差 が認められなかった. . 下肢のキネマティクス Figure 5 は,投球動作中の軸脚および踏込脚

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Figure 6 The comparison of joint angular velocities of lower limbs. の関節角度を示したものである.軸脚では,股関 節の内転(+)外転(-)角度は,138―162 time において,マウンド試技が平地試技よりも 有意に大きい値(p<0.05)を示した.股関節の 内旋(+)外旋(-)角度は,182―200time において,マウンド試技が平地試技よりも有意に 小さい値(p<0.05)を示した.股関節の屈曲 (+)伸展(-)の角度は,77―87time および 162―200time ではマウンド試技が平地試技よ りも有意に大きい値(p<0.05)を示し,99― 134time ではマウンド試技が平地試技よりも有 意に小さい値(p<0.05)を示した.膝関節の屈 曲(+)伸展(-)角度は,74―81time およ び143―200time において,マウンド試技が平 地試技よりも有意に大きい値(p<0.05)を示し た.足関節の底屈(+)背屈(-)角度は,104 ―200time において,マウンド試技が平地試技 よりも有意に大きい値(p<0.05)を示した. 一方,踏込脚では,股関節の内旋(+)外旋 (-)角度は,154―197time において,マウン ド試技が平地試技よりも有意に大きい値(p< 0.05)を示した.股関節の屈曲(+)伸展(-) 角度は,167―200time において,マウンド試 技が平地試技よりも有意に小さい値(p<0.05) を示した.膝関節の屈曲(+)伸展(-)角度は, 75―200time において,マウンド試技が平地試 技よりも有意に小さい値(p<0.05)を示した. Figure 6 は,投球動作中における軸脚および 踏込脚の関節角速度を示したものである.軸脚で は,股関節の内転(+)外転(-)角速度は, 109―147time において,マウンド試技が平地 試技よりも有意に高い値(p<0.05)を示し, 165―173time においてはマウンド試技が平地 試技よりも有意に低い値(p<0.05)を示した. 股関節の内旋(+)外旋(-)角速度は,169― 200time において,マウンド試技が平地試技よ りも有意に低い値(p<0.05)を示した.股関節 の屈曲(+)伸展(-)角速度は,133―177 time において,マウンド試技が平地試技よりも 有意に高い値(p<0.05)を示した.足関節の底 屈(+)背屈(-)角速度は,91―115time に おいて,マウンド試技が平地試技よりも有意に高

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Figure 7 The comparison of rotation angle of the pel-vis, upper torso, trunk twist and trunk tilt.

Figure 8 The comparison of rotation angular veloci-ties of the pelvis, upper torso, trunk twist and trunk tilt.

い値(p<0.05)を示した. 一方,踏込脚では,股関節の内転(+)外転 ( - ) 角 速 度 は , 94 ― 104  time お よ び 130 ― 151time において,マウンド試技が平地試技よ りも有意に高い値(p<0.05)を示した.股関節 の内旋(+)外旋(-)角速度は,136―166 time ではマウンド試技が平地試技よりも有意に 高い値(p<0.05)を示し,187―200time では マウンド試技が平地試技よりも有意に低い値(p <0.05)を示した.股関節の屈曲(+)伸展(-) 角速度は,128―143time において,マウンド 試技が平地試技よりも有意に大きい値(p<0.05) を示した. . 体幹のキネマティクス Figure 7 は,投球動作中における体幹の角度 を示したものである.上胴の角度は,98―190 time において,マウンド試技が平地試技よりも 有意に大きい値(p<0.05)を示した.下胴の角 度は,92―200time において,マウンド試技が 平地試技よりも有意に大きい値(p<0.05)を示 した.捻転の角度は,123―150time ではマウ ンド試技が平地試技よりも有意に大きい値(p< 0.05)を示し,88―100time ではマウンド試技 が平地試技よりも有意に小さい値(p<0.05)を 示した.前傾角度は,95―126time において, マウンド試技が平地試技よりも大きい値(p< 0.05)を示した. Figure 8 は,投球動作中における体幹の角速 度を示したものである.上胴の角速度は,92― 177time において,マウンド試技が平地試技よ りも有意に高い値(p<0.05)を示した.下胴の 角速度は,95―152time において,マウンド試 技が平地試技よりも有意に高い値(p<0.05)を 示した.捻転の角速度は,99―132time におい て,マウンド試技が平地試技よりも有意に高い値 (p<0.05)を示した.前傾角度は,123―130 time および155―200time において,マウンド 試技が平地試技よりも高い値(p<0.05)を示し た.

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Figure 9 The comparison of position of the center of gravity.

Figure 10 The comparison of velocity of the center of gravity. . 身体重心 Figure 9 は,MKH 時の重心位置を基準とした 身体重心の位置を示したものである.身体重心 Y(前後)方向の位置は,70―200time におい て,マウンド試技が平地試技よりも有意に高い値 (p<0.05)を示した.また身体重心 Z(上下)方 向の位置は,64―200time において,マウンド 試技が平地試技よりも有意に低い値(p<0.05) を示した. Figure 10は,投球動作中における身体重心の 速度を示したものである.身体重心の合成速度は, 62―200time において,マウンド試技が平地試 技よりも有意に高い値(p<0.05)を示した.身 体重心 Y(前後)方向の速度は,74―200time において,マウンド試技が平地試技よりも有意に 高 い 値 ( p< 0.05) を 示 し た . ま た 身 体 重 心 Z (上下)方向の速度は,56―200time において, マウンド試技が平地試技よりも有意に低い値(p <0.05)を示した. . 地面反力 Figure 11は,投球動作中における軸脚および 踏込脚に作用する地面反力を示したものである. 軸脚に作用する地面反力では,X(左右方向)成 分は,0―160time において,マウンド試技が 平地試技よりも有意に小さい値(p<0.05)を示 した.合成の地面反力は,95―139time におい て,マウンド試技が平地試技よりも有意に小さい 値(p<0.05)を示した. 一方,踏込脚に作用する地面反力では,X(左 右方向)成分は,109―156time および194― 200time において,マウンド試技が平地試技よ り も 有 意 に 大 き い 値 ( p< 0.05) を 示 し た . Y (前後方向)成分の地面反力は,100―200time において,マウンド試技が平地試技よりも有意に 小さい値(p<0.05)を示した.Z(上下方向) 成分の地面反力は,112―200time において, マウンド試技が平地試技よりも有意に大きい値 (p<0.05)を示した.合成の地面反力は,108― 200time において,マウンド試技が平地試技よ りも有意に大きい値(p<0.05)を示した. Figure 12は,投球動作中における軸脚および 踏込脚に作用する地面反力を100とした際の各 成分の地面反力の割合を示したものである.軸脚 では,X(左右方向)成分は,0―159time に

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Figure 11 The comparison of the ground-reaction force on lower limbs.

Figure 12 The comparison of the ratio of ground-reaction force on lower limbs.

おいて,マウンド試技が平地試技よりも有意に小 さい値(p<0.05)を示した.Y(前後方向)成 分は,75―92time において,マウンド試技が 平地試技よりも有意に大きい値(p<0.05)を示 した.Z(上下方向)成分は,77―90time では, マウンド試技が平地試技よりも有意に小さい値 (p<0.05)を示し,98―133time では,マウンド 試技が平地試技よりも有意に大きい値(p<0.05)

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を示した. 一方,踏込脚では,X(左右方向)成分は, 113―157time において,マウンド試技が平地 試技よりも有意に大きい値(p<0.05)を示した. Y(前後方向)成分は,100―115time におい て,マウンド試技が平地試技よりも有意に小さい 値(p<0.05)を示した.Z(上下方向)成分は, 189―200time において,マウンド試技が平地 試技よりも有意に小さい値(p<0.05)を示した.

.考

. マウンドおよび平地における投球速度につ いて マウンド試技による投球速度は,平地試技より も有意に高い値を示した(Table 1).マウンドの 有無による投球速度の変化に着目した先行研究に よると,9 歳から14歳の野球投手(12.7±1.3歳) は,マ ウンドで は84.6± 10.1 km/h,平地で は 83.9 ± 10.1 km / h と 投 球 速 度 に 差 が な い こ と (Nissen et al., 2013)が報告されている.一方 で,大学野球投手は,マウンドによる投球速度 (130.5±6.1 km/h)が平地(126.6±5.8 km/h) よりも大きいこと(大貫ほか,1998)が報告さ れている.このように,先行研究ではマウンドの 有無による投球速度の差は一致した見解が得られ ていない.高校生や大学生の野球投手は 9 歳か ら14歳の野球投手と比べると,年齢経過に伴う 身長や体重の増加だけでなく,それらの増加に伴 う身体の長さや身体の慣性モーメントあるいは筋 量や力・パワー発揮といった体格や体力に違いが ある.したがって,先行研究と本研究の結果を踏 まえると,高校および大学の野球投手は年齢に伴 う体格や体力といった要因などの違いにより,9 歳から14歳の野球投手よりもマウンドを利用す ることで投球速度を増大させていると考えられ る.このようなマウンドの有無による投球速度の 差は,マウンドの有無における投球動作の差異が 影響している可能性が考えられる. また本研究の被検者におけるマウンドでの投球 速度(大学生122.5±3.8 km/h,高校生119.5± 4.7 km / h ) は , 投 手 を 対 象 と し た 先 行 研 究 (Fleisig et al., 1999Kageyama et al., 2014 Matsuo et al., 2001大貫ほか,1998高橋ほか, 2005)と比較すると,高校生投手の平均的な範 囲から大学生では低速群と位置づけられる範囲で あった.上述した大貫ほか(1998)によると, 投球速度の大きさに関わらず,マウンドによる投 球速度は平地よりも大きいことが報告されてい る.このようなことから,マウンドでの投球速度 の大きさは,本研究の目的であるマウンドの有無 による投球動作の特徴を検討する上で影響が小さ いと考えられる. 以下では,マウンドの有無による投球動作中の 下肢および体幹のキネマティクスならびに両脚に 作用する地面反力について議論する. . 投球動作中の下肢のキネマティクスについ て マウンド試技による軸脚は,平地試技と比較し て , 第 1 局 面 に お い て 股 関 節 と 膝 関 節 が 屈 曲 し,股関節の外転と伸展による最大角速度を大き くしていた(Figure 5, 6, Table 2).一方,踏込 脚 は 第 2 局 面 に お い て 股 関 節 と 膝 関 節 が 伸 展 し,股関節の内転,内旋,屈曲による最大角速度 を大きくしていた(Figure 5, 6, Table 2).さら に,マウンド試技による身体重心は,平地と比較 して,第 1 局面の中盤からボールリリースまで において前方向と下方向に位置し,そして高い速 度であった(Figure 9, 10).このような動作上 の差異は,先行知見(高橋,2006)を踏まえる と,マウンドにおける投球動作は,平地と比較し て,軸脚では股関節と膝関節を大きく屈曲した状 態から大きな角速度で股関節を外転および伸展さ せることで捕手方向に身体重心の移動と速度を大 きくし,踏込脚では股関節と膝関節を伸展させる ことで身体重心の移動を支えていると考えられる. またマウンド試技におけるストライド長および 身長比のストライド長は,絶対値および Y 方向 が 平 地 試 技 よ り も 有 意 に 大 き い 値 を 示 し た (Table 1).上述した先行研究によると,大学生 投手(大貫ほか,1998)はマウンドでは平地よ

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りもストライド長が大きくなり,9 歳から14歳の 投手(Nissen et al., 2013)はマウンドの有無に よってストライド長に変化がないことが報告され ている.このようなことを踏まえると,高校生と 大学生の野球投手は,マウンドでの投球は平地よ りもストライド長を大きくすることによって投球 速度を増大させていると示唆される.したがっ て,マウンドでの投球は平地と比較して,捕手方 向への身体重心の移動距離が長く,移動速度が高 いことに加え,軸脚股関節の外転・伸展および踏 込脚股関節・膝関節の伸展による動作速度が大き くなることで,マウンドの有無による投球速度の 差を生み出していると考えられる. . 軸脚および踏込脚の地面反力について マウンド試技は平地試技と比較して,踏込脚に 作用する地面反力は後方向および上方向の地面反 力が有意に大きい値を示した(Figure 11, Table 2).このような結果は,マウンドでは踏込脚に 作用する後方向および上方向の地面反力を大きく 獲得することによって投球を行っていることを示 している.投球動作は,下肢によって生み出され た力,エネルギー,速度などがタイミングよく順 次に加算・伝達されて末端へ伝わり,体幹を通し て末端のエネルギーや速度を大きくできるという 運 動 連 鎖 の 原 則 か ら 成 り 立 つ ( 阿 江 ・ 藤 井 , 2002Kreighbaum and Barthels, 1985).例え ば,投球動作中の下肢に作用する地面反力を計 測した研究(Kageyama et al., 2014, 2015 MacWilliams et al., 1998)では,投球速度の大 きさには両脚に作用する投球方向への前後方向の 地面反力の大きさが影響することが報告されてい る.そして,投球速度はボールへ伝えられる手関 節の関節パワーによって生み出されているもの の,それらの多くは体幹や肩関節の運動によって 生み出されるエネルギーに起因している(宮西ほ か,1997)ことが述べられている.これらの先 行知見より,投球動作中の下肢のエネルギーは体 幹を通して上肢へのエネルギーを大きくする役割 を持つため,下肢に作用する地面反力の大きさは 投球速度を決定する重要な要因であると考えられ る.このようなことから,踏込脚に作用する逆向 きの地面反力の大きさは投球速度を増大させる重 要な要因であるため,マウンドからの投球は平地 よりも踏込脚に作用する投球方向とは逆向きの地 面反力を大きくすることで投球速度を増大させて いると考えられる. また下肢に作用する各成分の地面反力の割合を 検討すると,マウンド試技による投球は,平地試 技と比べ,軸脚では進行方向の地面反力が大きく なる付近(80―90time)において前方向の成 分が大きく,踏込脚では踏込脚接地直後(100― 115time)において後方向の成分が大きい値を 示した(Figure 12).このようなことを踏まえる と,マウンドによる投球は平地と比較して,軸脚 では地面反力の大きさというよりも投球方向への 地面反力を割合的に大きくし,踏込脚では踏込脚 が接地した直後に進行方向とは逆向きの地面反力 を大きくすることで,投球速度を増大させている と考えられる. さらに,マウンドと平地における身体重心の上 下方向の移動距離を比較すると,MKH 時から身 体重心高が最小になるまでの移動距離は,マウン ド試技が平地試技よりも有意に大きい値を示した (Figure 9, Table 2).このことは,マウンドによ る投球では平地よりも身体重心の上下動が大きい ことを示している.地球上で運動を行う場合,ヒ トは必ず重力を受けている.この重力によるエネ ルギーを重力の位置エネルギーといい,高いとこ ろにある物体は低いところにある物体よりも大き なエネルギーを持つことになる.したがって,マ ウンドによって踏込脚に作用する後方向および上 方向の地面反力が大きくなることは,マウンドの 高さによる位置エネルギーが大きな影響を与えて いると考えられる.すなわち,マウンドによる投 球は,平地よりもマウンドの高さで生じる位置エ ネルギーを利用することで踏込脚に作用する大き な地面反力を獲得していたと考えられる. 実際のマウンド(土が崩れないと仮定する)で 投球した場合,ストライド長が大きくなると踏込 脚の接地位置が下に位置する.このように,スト ライド長が大きくなる場合では身体重心における

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上下方向の移動距離がより大きくなるため,位置 エネルギーを利用しやすいことになる.発達レベ ル の 異 な る 投 手 の 投 球 動 作 を 比 較 し た 研 究 (Fleisig et al., 1999)によると,年齢の経過に伴 いストライド長が増加する.このようなことを踏 まえると,ストライド長が高校生や大学生の投手 よりも小さい 9 歳から14歳の野球投手ではマウ ンドによる位置エネルギーが小さいため,投球速 度に差が生じなかった可能性が考えられる.この ような投球速度の差は,上述したように体格や体 力などの要因の違いが起因して,マウンドの有無 による投球動作の違いをもたらしたと推察される. 一方で,平地試技はマウンド試技よりも軸脚に 作用する右方向(3 塁方向)および合成の地面反 力ならびに踏込脚に作用する左方向(1 塁方向) の地面反力が有意に大きい値を示した(Figure 11, Table 2).そして,平地試技による投球は, マウンド試技と比較して,軸脚では MKH 時か ら第 2 局面の中盤にかけて右方向(3 塁方向)の 成分が大きい値を示し,踏込脚では踏込脚接地直 後から第 2 局面の中盤にかけて左方向(1 塁方向) の成分が大きい値を示した(Figure 12).これら の結果より,平地による投球は,マウンドでの投 球のように位置エネルギーが得られないため,マ ウンドよりも両脚に作用する左右方向への地面反 力の大きさと割合を大きくすることで投球を行っ ていると考えられる. このように,マウンドの有無による投球では, 下肢に作用する各方向への地面反力の大きさと割 合が異なり,マウンドでの投球は平地と比較し て,軸脚では地面反力の大きさというよりも投球 方向への地面反力を割合的に大きくし,踏込脚で は踏込脚が接地した直後に進行方向とは逆向きの 地面反力を大きくすることで,マウンドの有無に よる投球速度の差を生み出していると考えられる. . 投球動作中の体幹のキネマティクスについ て マウンド試技による投球は,上胴,下胴,前傾 の最大角速度が平地試技よりも有意に高い値を示 した(Figure 8, Table 2).体幹は,身体セグメ ントの中で質量や慣性モーメントが大きく(阿江, 1996),身体のなかで筋量の占める比率が高い (Abe et al., 2003).そして,投球速度はボールへ 伝えられる上肢によるエネルギーによって生み出 されているものの,それらの多くは体幹の動作に よって生み出されたエネルギーが影響している (宮西ほか,1997).そのため,体幹は身体運動 発現のためのエネルギーの発生源であるととも に,下肢のエネルギーを上肢に伝達する重要な役 割をもつ(Kageyama et al., 2014宮西ほか, 1997島田ほか,2004).このようなことから, 投球速度を増大させるための動作として,ボール 加速局面での体幹の回旋動作(Escamilla et al., 1998Fleisig et al., 1999Kageyama et al., 2014蔭山ほか,2014Matsuo et al., 2001島 田ほか,2000Stodden et al., 2001高橋ほか, 2005),捻転動作(蔭山ほか,2014宮西・櫻井, 2009 ), 前 傾 動 作 ( Kageyama et al., 2014  Matsuo et al., 2001)が指摘されている.これら の先行知見より,ボール加速局面における体幹の 回旋,捻転,前傾の動作は,下肢のエネルギーを 上肢に伝達する役割を持つとともに,投球速度を 大きくするためのエネルギーの発生源として重要 なはたらきをなすため,マウンドにおいて加速局 面での体幹の回旋・捻転・前傾の動作速度が平地 よりも高いことは大きな投球速度をもたらすと考 えられる.さらに,先に引用した Kageyama et al. (2014)によると,投球速度が高い投手は両脚 に作用する投球方向の前後方向の地面反力が大き いことに加えて,体幹の回旋および前傾の動作速 度が高いことから,下肢に作用する地面反力は体 幹のそれらの動作速度を増大させるための重要な 役割を果たしていると述べられている.したがっ て,マウンドからの投球において体幹の動作速度 が平地よりも増大した要因には,上述したような 軸脚に作用する投球方向への地面反力が割合的に 大きいことや踏込脚に作用する後方向および上方 向の地面反力が大きいことが影響したと考えられ る. またマウンド試技における上胴・下胴の角度お よび角速度は,平地試技と比較して,踏込脚接地

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直 前 か ら 有 意 に 高 い 値 を 示 し た ( Figure 8, 9, Table 2).体幹の動作に関する先行研究(蔭山ほ か,2014高橋ほか,2005)では,投球動作中 の上胴および下胴の角速度は踏込脚が接地する前 に増大するが,上胴の最大角速度は下胴の角速度 が最大に達した後に出現し,その値は大きくなる ことが報告されている.また投球動作中の上胴お よび下胴の回転に着目した研究(Stodden et al., 2001)によると,投手は骨盤(本研究の下胴) や上胴をより的確なタイミングで回転させたとき により大きな運動量を獲得することができ,より 大きなボール速度を獲得するためには体幹の貢献 を最大限にできる姿勢に焦点をあてる必要がある と述べられている.このようなことから,より大 きな投球速度を獲得するには体幹を的確なタイミ ングで回旋する必要があり,マウンドからの投球 は,踏込脚接地直前に軸脚に作用する投球方向へ の地面反力を割合的に大きくすることで体幹の回 旋角度および回旋速度を大きくし,その後の加速 局面での体幹の最大回旋速度を増大させていると 考えられる.さらに,平地による実験設定から投 球動作中の体幹および下肢の役割を検討した研究 (島田ほか,2000)によると,軸脚は,ストライ ド局面では各関節の伸展トルクを発揮して身体を 支持し,踏込脚接地直前の捻り局面での股関節の 伸展トルクと投球局面(本研究の第 2 局面)で の内転トルクにより下胴を回旋させ,体幹の捻り を生み出す働きをしていると述べられている.こ のような先行知見を踏まえると,平地による投球 ではマウンドよりも踏込脚接地時の下胴の回旋角 度が小さいため,軸脚および踏込脚に作用する左 右方向への地面反力の大きさと割合を大きくする ことで下胴を回旋させ,体幹の捻りを行っている と考えられる. したがって,マウンドの有無による投球では, 体幹の回旋,捻転,前傾のキネマティクスが異な り,マウンドでの投球は平地よりも踏込脚接地直 前に軸脚に作用する投球方向への地面反力を割合 的に大きくし体幹の回旋角度および回旋速度を大 きくすることで,マウンドでの投球速度を増大さ せていると考えられる.そして,マウンドの有無 によって生じる体幹の回旋,捻転,前傾のキネマ ティクスの差異には,マウンドの高さによって生 じる下肢に作用する各方向への地面反力の大きさ と割合が影響することが示唆される.

.ま

本研究は,高校生と大学生の野球投手を対象 に,マウンドと平地における投球速度および投球 動作中の下肢および体幹の動作の差異を明らかに し,マウンドの有無による投球動作の特徴を検討 することを目的とした.本研究で得られた知見を まとめると,以下の通りである. 1) 高校生および大学生の野球投手は年齢に 伴う体格や体力などの違いにより,9 歳から 14歳の野球投手よりもマウンドを利用する ことで投球速度を増大させている. 2) マウンドにおける投球動作は,平地と比 較して,踏込脚接地直前から,軸脚に作用す る進行方向への地面反力を割合的に大きくす ることで体幹の回旋角度および回旋速度を大 きくし,踏込脚接地後の加速局面では位置エ ネルギーにより得られた踏込脚に作用する大 きな地面反力によって体幹の回旋・捻転・前 傾の大きな動作速度をもたらすことで投球を 行っている. 3) 平地における投球動作は,マウンドと比 較して,踏込脚接地直前から体幹の回旋角度 および回旋速度が小さく,踏込脚接地直後の 加速局面では位置エネルギーが得られないた め,軸脚および踏込脚に作用する左右方向へ の地面反力の大きさと割合を大きくすること で体幹を回旋させ,投球を行っている. よって,野球投手は,マウンドの有無によっ て,投球動作中の下肢および体幹のキネマティク スおよびキネティクスが異なり,高校生と大学生 の投手はマウンドの高さを利用することで,平地 よりも投球速度を増大させていると示唆された. 注記 注1) 公認野球規則の定義74(日本プロフェッショナ

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ル野球組織・全日本野球協会,2016, pp. 200)に よると,ストライクゾーンは,「打者の肩の上部と ユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた 水平のラインを上限とし,ひざ頭の下部のライン を下限とする本塁上の空間」と定められてり,「バ ッターが打つための姿勢で決定されるべきである」 とされている.そして,ストライクは,打者が打 たなかった投球のうち,ボールの一部分がストラ イクゾーンのどの部分でもインフライト(打球, 送球,投球が,地面かあるいは野手以外のものに まだ触れていない状態を指す)の状態で通過した ものを言う.つまり,ストライクはボールが本塁 上を通過した際の位置および打者の姿勢に影響さ れると言える.蔭山ほか(2015a)によると,打者 の踏込脚が接地した時の姿勢は地面から上限まで の距離が105.5±5.1 cm,地面から下限までの距離 が38.9±2.0 cm であったことから,大学野球選手 のストライクゾーンを縦66.6 cm×横 43.2 cm と規 定している.そのため,本研究では,蔭山ほか (2015a)にならい,的の大きさを縦 66.6 cm×横 43.2 cm , 的 の 中 心 を 地 面 ( ground level ) か ら 72.2 cm 高い位置とした. 注2) 投手は実際のマウンドを使用する場合,設置さ れている投手板を使用し,投球をすることがあ る.このような場合,投手によって投球板に対す る足の置き方が異なる(投手板の上に足を置く場 合,捕手側の投手板に足をかける場合,捕手側の 投手板に足を添える場合など)ため,下肢への影 響が異なる可能性が考えられる.このようなこと から,被検者ごとで実験条件を統制するため,本 研究で使用した簡易マウンド(フォースプラット フォーム上)には投手板およびそれに準じるもの は設置しなかった.この点は,本研究の限界(リ ミテーション)であるため,今後は実際のマウン ドを使用することで検討する必要があると考えら れる. 文 献

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(

2015年10月26日受付 2016年 6 月29日受理

)

Advance Publication by J-STAGE Published online 2016/8/19

Figure 1 Experimental setup for the pitching mound and ‰at ground.
Figure 3 Phases of pitching motion.
Figure 4 Deˆnition of the coordinate system ˆxed at the hip, knee and ankle joints (a), upper torso (b), the pelvis (c), trunk twist (d), trunk tilt (e) and stride length (f).
Table 1 Ball velocity, phase time and stride length during pitching between the pitcher's mound and ‰at ground.
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