龍谷大学龍谷学会
r飽谷大学論集」第
4
8
8
号 披 刷 平成2
8
年1
0
月(
2
0
1
6
・
1
0
)
発行聞きなしにみるメタ表示と「見立て」の感覚
聞きなしにみるメタ表示と「見立て」の感覚
塩 田 英 子
1.はじめに
ことばに備わる「見立て」の感覚は,ひとの認知が類似性のネットワークに よって成り立つことを知らせてくれる。たとえば,空に浮かぶ雲を眺めるとき, ひとはその雲の形に,羊や犬や魚や花などといった既知の存在との類似性をみ とめ,なぞらえることで理解しようとする。本稿で扱う鳥の聞きなし表現も, これと同様に,類似性に基づく見立ての感覚と関係が深い。鳥のさえずりとい う物理音を,単なる擬音語で表現するのではなく,ある一定の意味を持った表 現に置き換えるのは,何よりことばという既知の感覚を通して,鳥のさえずり という物理音を理解しようとしている証拠なのであるo 本稿では,鳥の聞きなし表現をメタ表示としてとらえ直すことで,ひとが類 似性の概念に基づく「見立て」の感覚によって,世界を理解していることを確 認する白鳥のさえずりと聞きなしの関係に注目することで,ひとの世界につい ての認識が類似性のネットワークで成り立っているということが見えてくる。 この点において,鳥の聞きなしは大変興味深いメタ表示であると提案したい。2
.
メタ表示と日英語の聞きなし表現
2
.
1.メタ表示とは ことばは情報伝達の手段であるより以前に,まず何かの表示(
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である。つまり,ことばが「ことば」であるためには,ことば以外の何 かを表現している必要がある。S
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r& Wilson
(19
9
5
)
によって提案され た関連性理論(
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では,ことばのもつ,この基本的な特性に ついて,以下のような立場をとる。(
1
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…
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& Wilson 1
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9
5
:
2
3
0
)
- 38-ー 龍谷大学論集…あらゆる発話は話し手の思考を表示するのに用いられる……。 (内田ほか訳
1
9
9
9:
2
8
1
)
(1)のように,発話が思考の表示であるとすれば,コミュニケーションにおいて, 発話を理解するということは,話し手の思考を理解すること,つまり,心を読 む作業(
m
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)
であるといえる。 また,関連性理論によれば,「他人の心を読むこと(推論すること)を可能 にするのは,人がメタ表示能力をもっているからであるJ (東森・吉村2
0
0
3:
6
)
という。ここでいうメタ表示能力とは,人の心を自分の心の中に表示でき る,つまり他者の気持ちを再現し認識できる能力のことである。 本稿ではメタ表示について,以下の定義に従う。(
2
)
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3
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)
メタ表示とは,表示の表示,つまり低次表示がその中に組み込まれた高次 表示のことである。 たとえば,(
3
)
では,話し手がJ
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h
n
という第三者の心を読み,John
の心的表 示(低次表示)を,自分のことばでメタ表示(高次表示)している。(
3
)
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4
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3
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の 動 詞 “w
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“b
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“i
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n
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s
"
は,話し手以外の誰か(この場合 はJ
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n
)
の心的態度をメタ表示するために用いられ,(
3
a
)
のようにJohn
が 何かをしたがっていたり,(
3
b
)
のように何か(
t
h
a
t
節であらわされる命題内 容)を信じていたり,(
3
c
)
のように何かを意図しているということを表現する ことができるo ここで, (3)の話し手は自分以外にも思考をもった他者が存在し, その他者の意図を,自らが心の中に表示する(再現する)ことで,コミュニケ ーションをf
f
っているともいえるだろう。 聞きなしにみるメグ表示と「見立て」の感覚(塩田) -39ーそもそも,“
m
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t
a
"
という接頭辞は“m
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"
(形而上学)や“m
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(メタファー),“m
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b
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y
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m
e
"
(メタポリック症候群)などの 表現で用いられている。これらの表現において,“meta"
は「後のJ,r
超え るJ,r変化の」などの意味をそれぞれの語幹に付加している。ここから, “meta"
のもつ中心義,つまり,「まず何かがあり,その後でその何かに関連 した別の事物が生じる」が得られる。そしてこの表現の連鎖はより高次のレベ ルに向かつて続いていく。たとえば,内田 (2011)はこのようなメタ表示のレベ ルについて,メタ表示の元となる思考を第一次表象,メタ表示である発話を第 二次表象,さらにその発話の表示を第三次表象と呼んでいる(内田 2011: 35)。 また,メタ表示をあらわす英語表現“m
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"
は“meta"
(さら に生じる),“r
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"
(再度),“p
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"
(示す),“-
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"
(こと)から「再現さ れたものをさらに示すこと」という意味をもつo表示の対象である“r
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o
n
"
は「再現されたものJが原義だが,これは発話が思考の再現であ るという, (1)のとらえ方と一致する。 以降,ひとのことばに備わっている,このメタ表示という特性に注目し,日 本語と英語の鳥の聞きなし表現について考察する。そして,聞きなし表現は単 に自然界の物理音を描写しただけの表示ではなく,自然の事物の描写的表示を, さらに高次の言語表現で表示した,より高次のメタ表示の一種であることを指 摘するo そのうえで,類似性に基づく「見立て」の感覚とメタ表示の関係につ いて,さらに考えていきたい。 2.2. r聞きなし」の定義 まずはじめに,「聞きなし」という用語の定義を明確にしておく。小林 (2000)によると,聞きなしは元々「聞倣」と表記され, 1921年に川口孫治郎 によってその著書 r飛騨の鳥』の中で用いられたのが確認されている(小林 2000 : 185)。しかし,鳥の鳴き声を意味のあることぽになぞらえる表現は万葉 の和歌にも見られ,古くから日本文化の中に根付いていたともいう。山口 (1989)は鳥の声について分析し,擬音語の一種である写声語と聞きなしを以 下のように区別している。(
4
)
a
.
写声語 実際の烏の鳴き声を,聞こえるままに,われわれの言語音でうつしと ったことば (山口 1989: 2) - 40ー 龍 谷 大 学 論 集b.聞きなし われわれのふだん使っていることばにあてはめて,鳥の声を聴く場合 (山口 1989: 2) たとえば,ウグイスの場合,「ホーホケキヨJ と表示すれば (4a)の写声語, 「法法華経J と表示すれば (4b)の聞きなしとなる(山口 1989: 3)。ちなみに, 鳥の鳴き声には「地鳴き (calI)J と「さえずり (song)Jの
2
種類がある。地 鳴きとは,一年を通して雌雄ともに出す鳴き声のこと,いっぽう,さえずりは, 繁殖期に雄が出す鳴き声のことである(日本野鳥の会 2013a: 13 : 2013b :9
)
。両者のうち,さえずりをことぽになぞらえたものが,通例,聞きなしとさ れる(小宮 2010: 48)。 日本語の写声語と聞きなしの一例を以下に示す。上段が写声語,下段が聞き なしである。 (5)a.ホトトギス(杜鵠) キョッキョキョキョキョキョ 特許許可局/天辺欠けたか b.コジュケイ(小綬鶏) ピッポグィーピッポグィー ちょっと来い,ちょっと来いc
.
メジロ(目白) チーチュルルチーチュルルチーチュル 長兵衛・中兵衛・長忠兵衛 d.コノハズク ブッポウソウ[フ・ツキョッコー/カッキトー] 仏法僧 e.フクロウ(巣) ゴロスケホーホー ポロ着て奉公/糊つけ干せ (参考:日本野鳥の会 (2015):本山 (2006):小宮 (2010): 木部 (2013):小林(2000)) このような聞きなしは,元の音声表示との類似をあらわすだけではなく,鳥の 命名にも影轡を及ぼすロたとえば先述のウグイスは「法法華経」と鳴く事から 経読(み)鳥と呼ばれる(ネイチャー・プロ編集室 2000: 126,中村 1998: 135)。また,特殊な例として, (5d)のように,本来は「プツポウソウ」と鳴 くのはコノハズクであるが,聞き間違えられたために,本来は「ゲツ」と鳴く のに誤解が定着して命名されたプッポウソウなどがある(谷本 2014: 101,本 聞きなしにみるメタ表示と「見立て」の感覚(塩田) -41-山 2006: 99 :別役 1985: 88-9)。さらにサンコウチョウは,「ツキ,ヒー,ホ ーヒー」と鳴くことから「月,日,星」と聞きなされ,三つの光って見える天 体を表すことから「三光鳥」と命名された(中村 1998: 133)。 また,聞きなしの中には,物理音を直接写したわけではないと思われる例が ある。 (6) a.ホトトギス 弟かわいや/弟恋しや(加原 2009) b.カラス 児ろ来/買うたか買うたか/買うた買うた/阿呆阿呆/可愛 可愛 (山口 1989: 26) (6a)のホトトギスは先掲した(5a)のように「特-許許可局Jや「天辺欠けたか」 と聞きなすが,地域によっては「弟かわいやJr弟恋しや」とも聞く(山口 1989 : 67:加原2009)。これは,ホトトギスの兄が,誤解から,弟の腹を割き 殺してしまうという昔話のほか,地方にいくつか存在する民話に由来する(木 部 2013)。また, (6b)のカラスの聞きなしについて山口 (1989)は,物理音 を直接聞きなしたのではなく,写声語がまずあって,その写声語を表現するた めにつくられたとしている(山口 1989: 26)。このことから,鳥のさえずりを 第一次表示とすると,写声語が第二次表示であるのに対して, (6)の例の聞きな しは,表示のレベルがさらに一段上の,第三次表示であるととらえることもで きる。 2.3.英語の聞きなし表現 日本語と同様,英語にも鳥の聞きなし表現がある。英語では,鳥の聞きなし は birdsong mnemonics (鳥のさえずりの暗記法)と呼ばれる。 mnemonics
とは, (7)のような,語呂合わせの暗記法(ニーモニック)のことである。
(7) a. No Plan
L
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ke Yours To Study History Wisely.(友清 2001: 20) b. Yes, 1 have a number. (友清 2001: 70)c. Right on! Left off.(友清 2001: 150)
(7a)は,それぞれの単語の頭文字がすべてイギリス王朝の頭文字と一致する ように作られている。そのため,イギリス王朝の順番を暗記するために用いら れるニーモニックである。 (7b)は単語を構成するアルファベットの文字の数
が r3.1415Jになっていることから円周率の暗記に, (7c)はネジの回転方向 (右は締まる,左は緩む)を覚えるために,それぞれ用いられる。 このように,英語のニーモニックは,日本語の聞きなし表現よりも広い概念 の中でとらえられていることがわかる。たとえば, bird song mnemonicsに は写声語も含まれる。 FernbankScience Center (2016)のウェプサイトで紹 介されている bird song mnemonicsのリストには,アカオノスリ (red-tailed hawk)の“Keeeeeer",ハウスフインチ (housefinch)の“Zree"など,写 声語も多く含まれている。本稿では,このような写声語としての性質が強いニ ーモニックを除き,日本語の聞きなし表現に相当する英語の聞きなし表現をあ げてみたい。 (8) a.ピリーチャツグミ 1am so sleepy.(加原 2009) c.ハシグロヒタキ
A
little bit of bread, and no cheese.(加原 2009) d.フクロウ Who cooks for you, who cooks for you all?(谷本 2014: 104) 上記はすべて文の形をとった聞きなし表現の例である。このほかにも,石井 (2014)は合計111の英語の聞きなし表現をあげているが,そこにはいくつか のパタンが見られる。 (9) a.ナキヒタキモドキ quickthree beer b.シリアカヒヨドリ cheesebllrger c.カワリハシハワイミツスイ You-don't-see-me-bllt-I-SEE-you! (石井 2014) (9a)は音の類似性に基づく。また, (9b)は完全な語呂合わせで,ひとつの単 語で言い換えただけになっている。このパタンにはほかに, tobacco(ズグロ ハゲミツスイ)やradio,radio(インドハッカ), Chicago(カンムリウズラ), chocolate, chocolate(シロガシラ)などがある(石井 2014)0 これらに対して, (9c)の聞きなし表現はあたかも鳥がことばを話しているか のような例である。その意味では(9c)は鳥が聞き手である人間に対して投げか けていることばとしてとらえることもできる。この種の表現について,さらに いくつか例を示す。 聞きなしにみるメタ表示と「見立て」の感覚(塩田) -
43-(
10)
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(石井2
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(石井2
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1
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(石井2
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Me,
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o
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(石井
2
0
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4
)
f.ワキアカトウヒチョウd
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(石井2
0
1
4
)
聞きなしによると,鳥たちは(10
a
)
のように春の訪れを告げたり, (10
b
-
e
)
のよ うに自らの姿は見せずともその存在をアピールしたり,ときには(
1
0
f)のよう にお茶をすすめたりすることもある。 このように,文の形をとった英語の聞きなしの例(10)は,対話性が高いことも 特徴としてあげられる。命令文であったり,また,ときには疑問文であったり とあたかも返答を求めているかのようである。そういった意味では,第二次表 示であるさえずりの擬音表現(写声語)よりも,ひとのことばとの類似性が高 いメタ表示であるといえる。3
.
メタ表示としての聞きなし表現
3
.
1.メタ表示の分類W
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o
n
(
[
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0
0
0
J
2
0
1
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)
は高次表示は通例,発話や思考であるとした。その うえで,メタ表示が低次表示(lo
w
e
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-
o
r
d
e
rr
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)
を参照する際, 帰属的な(
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)
用法と非帰属的な(
n
o
n
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)
用法のふたつが あると指摘している(W
i
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n[
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0
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0
J
2
0
1
2
:
2
3
2
)
。前者は,思考や発話をあ る特定の個人のものであるととらえ,その個人に帰属させる用法で,後者は, 特定の個人のものとしない命題や文,語,句などの抽象的表示に言及する際の 用法であるo以下,その概要を示す。 (10
a
.
帰属的メタ表示(
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)心的表示(
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のメタ表示:Mary wants t
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.
(低次表示:思考) ii) 公的表示(
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のメタ表示:Mary s
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,“Leave me a
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.
"
(低次表示:発話)b
.
非帰属的メタ表示(
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)
- 44ー 龍 谷 大 学 論 集抽象的表示
(
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のメタ表示: “Leave me a
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(低次表示:文) たとえば(ll
a
)
では,Mary
という人物が一人になりたいという思考, (11
b
)
で は“Leaveme a
l
o
n
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.
"
という発話, (l1c
)
では“Leaveme a
l
o
n
e
.
"
という抽 象的な文に対してメタ言語的言及がなされている。また,上記以外にも, (11 a)では発話によるメタ表示の例を挙げたが,思考によって心的メタ表示や公 的メタ表示がなされるパタンもある(内田 2011: 33-4)。また, (l1b)につい ては,低次表示が命題内容であったり,語や句について言及されるなどの例が ある。 ここで,上記の例に聞きなし表現を当てはめてみたい。聞きなし表現は,暗 記の手段として慣用的に用いられるため,一般的には非帰属的メタ表示の例と して,さらにメタ表示することができる。ω
非帰属的メタ表示・抽象的表示“
Speak t
o
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,t
o
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,t
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m
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c
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.
いっぽう,聞きなしは人間ではなく烏のさえずりを低次表示としているため, 帰属的表現としてとらえると, (13)のようになる。 ( 13)a
.
帰属的メタ表示・心的表示That b
i
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帰属的メタ表示・公的表示That b
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,“Speak t
o
me
,t
o
me
,t
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.
"
このような帰属と非帰属の区別は,烏のさえずりを第一次表示とした場合,そ の表示をメタ表示する段階で明確になる。たとえば, (13)のように,帰属的メ タ表示としてとらえた場合,擬人化の一種となるo このレベルで鳥を人聞にな ぞらえる「見立て」の感覚があらわれるD また,小林 (2000) によると,かつ て鳥が人語を発するとされていて,鳥の聞きなしが r-翻 訳J と捉えられていた ことがあった(小林 2000: 187-89)。このことからも,聞きなしはただ単に物 理音を表示した擬音語(写声語)とは明らかに違う性質を持つということがわ かる。もちろん,鳥のさえずりを表現したものであるという点では,物理音に 聞きなしにみるメタ表示と「見立て」の感覚(塩田) -45ー由来することに変わりはない。しかし,この帰属的表示の段階で鳥のさえずり を人間の「ことば」として「見立てJ,あるいは「聞き立て」をしているので あるo では,帰属的メタ表示としてとらえる際に,「見立てJの感覚の源とな っているのは何なのだろうか。次の部分では,表示問の類似性の概念について とりあげ,答えを探ってみたい。
3
.
2
.
メタ表示と類似性 (1)でみたように,ことばが思考の表示であるとするのなら,すべてのこと ばは,心的表示という低次表示が埋め込まれた公的メタ表示である。もちろん, メタ表示をおこなう際には,元となる思考を再現(
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)
していな ければならないので,高次表示は何らかの点で低次表示に類似している必要が ある。S
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&W
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(19
9
5
)
によると,ふたつの表示の問の関係は描写的(
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)
,解釈的(in
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)
という用語であらわされる(
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1
9
9
5
:
2
2
8
-
9
)
。描写的とは,高次の表示がその場の状況をそのまま 表示している例,解釈的とは低次表示と高次表示の聞に命題内容の類似性をも たせた表示の方法である。ここで注意しなければならないのは,東森・吉村(
2
0
0
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発話は話し手の思考の解釈的な表現であり,聞き手は話し手の情報意図に ついて解釈的な想定を立てるとすれば,我々の推論的伝達の一般的な説 明から,発話は話し手の思考の解釈的な表現であるということになる。 (内田ほか訳1
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先述のとおり,ことばは思考のメタ表示であった。また, (14)のようにこと ばは思考を解釈的にメタ表示した表示であるo つまり,ことばはまず,基本的 に思考の解釈的表示であり,先述の描写と解釈という区別は,その次のレベル でなされるべきであるということになる。ここで先ほどの(
6
)
のカラスの例で - 46ー 龍 谷 大 学 論 集とりあげた,写声語と聞きなしの表示レベルの違いが疑問点として浮かび上が ってくる。聞きなし表現と写声諾がまったく同時平行的に生まれたのか,それ とも写声語が先に存在し,そのあとで写声語をメタ表示するために聞きなし表 現が生まれたのかという問題である。
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の場合,山口(19
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によると,写声語が低次表示で聞きなしが高次表 示,つまり写声語が第二次表示,聞きなしが第三次表示であるととらえること ができた。「聞きなし」自体はもちろん,認知世界に存在する物理音を解釈的 に表示したメタ表示である。さらにその上のレベルで,写声語は描写的使用に 基づく第二次表示(メタ表示)であり,聞きなしはさらに高次の,解釈的使用 に基づく第三次表示であるととらえることができるわげである。すなわち,元 の表示,つまり鳥のさえずりをただ単に物理音として受け取るのか,それとも 何らかの言語表現として受け取るのかという点に両者の違いがあるのは一見し て明確であるが, 2.2.で示したように,表示のレベルにも両者の違いがあると も考えられるのである。ここで,「見立てJr聞き立て」の感覚とメタ表示の関 係についてさらに明確にしておくために,メタ表示の種類について概観してお く。 メタ表示におけるふたつの表示の類似性について,東森・吉村 (2003) は以 下のようにまとめている。 ( 15)a
.
物理音と言語音の類似性:擬音語b
.
音声的・音韻的形式による類似性:ものまねc
.
統語的・語黛的形式による類似性:直接引用,パロディ,逐語訳 d.命題内容の類似性:意訳,要約,パラフレーズ (東森・吉村 2003: 106) 本稿で扱う鳥の聞きなし表現の元になるのは,鳥のさえずりという(15a)の物 理音である。(15a)の場合,第一次表示は物理音,言語化された擬音語(写声 語)が第二次表示となるo ここで,先に概観した部分で扱った例の一部を再掲する。 ( 16)a
.
ホトトギス(社鴎) キョッキョキョキョキョキョ 特許許可局,天辺欠けたか b. コジュケイ(小綬鶏) ピッポグィーピッポグィー 聞きなしにみるメタ表示と「見立てJの感覚(塩田) -47-ちょっと来い,ちょっと来い (参考:日本野鳥の会 (2015):本山 (2006):小宮(2010): 木部(2013):小林(2000)) U6)の上段の写声語は, (15a)に分類することができる。 (15a)では,鳥のさえ ずりという物理音が,「擬音語」という言語音の一種でメタ表示されているo また,ひとが言語音を用いずに,鳥の鳴きまねをする場合,音声的,音韻的に 似せたメタ表示(15b)となる。しかし,下段の聞きなしという帰属的メタ表示 によって「見立てJが行われる場合は,これらの特性に加えて, (15d)のよう な命題形式の類似性に基づくさらに高次の表示が行われている可能性がある。 というのも,先に述べたように,聞きなしを翻訳とするとらえ方から考えると, 鳥の聞きなしは,翻訳を含む(15d)として分類できることになるからであるo このことから,写声語は(15a),さらにその次のレベルで,聞きなしとして見 立てがおこなわれる場合は, (15d)の類似性も利用されていることがわかる。 3.3. 聞きなしのメタ表示レベルと創造性 これまでの部分では,写声語と聞きなしを区別して概観してきたが,そもそ も両者の区別が困難なことがある。たとえば日本語の場合,同じ表示であって も音に漢字が当てられるだけで写声語ではなく,聞きなしになることがある。 山口(1989)によると,ヌエとして知られるトラツグミの声は「シーj,rヒ - jと聞かれたが,これに「死j,さらには「火」の字が当てられ,「火 火」 と鳴くと聞く地方がある(山口 1989: 99)。また,写声語は変わらないのに, 聞きなしで用いられる表現は時代とともに変化し, トラツグミが怪鳥から怪物 へ変身を遂げることになるという。このように,写声語は文字が当てられれば 容易に聞きなし表現となり,概念内容が追加されることとなるo また,聞きなしにはいくつかの決まったパタンはあるものの,創造性が高い という側面もあるo U1)聞きなしは,写声語とちがって,そう聞きなす人間の気持ちゃ環境をう つしだすので,興味ふかい。(山口 1989: 4) さらに,本稿では山口(1989)の定義にならい,写声語と聞きなしの区別を行 ってきたが,以下のような聞きなしのとらえ方もあるD - 48一 龍 谷 大 学 論 集
( 18)……野鳥のさえずりを人の言葉に置き換えて表現することを, “聞きな じ'という。聞きなしは複雑なさえずりを覚えやすくしたものである。 (小宮 2010: 48) 。的「聞きなしJ とは,烏や動物の鳴き声に意味をもたせて聞くことであるo (木部 2015: 107) ( l8)の側面は,英語での聞きなし表現が暗記法の一種 (mnemonics) としてと らえられていることと共通するo また,さえずり (song)についてのメタ表 示であるという点も同じである。さらに,聞きなしは,抑jの形を楽器に見立て て「琵琶湖」と呼ぶような,「見なすJ文化に相当する「聞きなす」文化のあ らわれでもある(谷本2014: 98)。これらの例が示すのは,世界の認識におい て,ひとは未知の存在に既知の存在との類似性を見出し,理解しようとしてい るということである。 こ こ で , 聞 き な し と 人 間 の 認 知 に つ い て , 興 味 深 い 考 察 が あ る 。 吉 川 (2006)は,ひとが音を聞く際に,周波数成分が似ている音節や単語と間違え るよりも,韻律的情報の単位で思い込みが生じ,誤って聞き取る傾向があると いう(吉)112006: 67)。そのうえで,聞きなしについて,以下のように述べて いる。 (20)聞きなしの例では,種類の少ない音節にもかかわらず特徴的な韻律的情 報があるために,日本語の特定の言葉にきこえてくるわけで,これも韻 律的情報の重要さを示していると考えられる。(吉川 2006: 70) このように,韻律的情報に影響された表現であるかぎりにおいて,聞きなしは 写声語ほど,元の表示とメタ表示の聞に高い類似性はみられない。これは聞き なし表現が,ことばの解釈的使用に基づくメタ表示であり,「見立て」による 世界の認識のしかた,つまり,類似性に基づく世界認識の方法のひとつである ことを示す。また,聞きなしにはいくつかのパタンがあるが, (11)にあるように, 話し手の創造性に左右される。さらに,山口(1989)や小林 (2000)からは, 聞きなしの歴史的変遷を,木部 (2015)からは聞きなしの方言差を知ることが できる。 位。の著者はスズメを観察した後,満足のいく結果が得られなかった落胆を聞 聞きなしにみるメタ表示と「見立てJの感覚(塩田) - 49ー
きなしで表現している。
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おわりに
自然の音を表現するとき,ひとは2
つの方法を選ぶ。まず元の音をできる限 り忠実に再現すること,つまり,擬音語で表現すること。そしてもうひとつは 受け手側の認知環境において顕在的な想定を用いて再現することである。本稿 では山口(19
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にならい,前者を写声語,後者を聞きなしとして考察してきT
こo 日本語と英語の聞きなし表現について,統語構造や音韻的類似性,文化的想 定との関連については扱いきれなかった。もちろん,聞きなしについて語用論 的にみて興味深い側面は多々ある。たとえば聞きなし表現は,一度「開きな し」として聞いてしまうと,次からは擬音語として聞くことが難しくなる。ウ グイスの「法法華経J, トラツグミの「仏法僧J,ヨシキリの「行行子」などは, 聞きなしとしてとらえてしまえば,それより後に擬音語のみを通して理解する ことが大変難しい。ウグイスが鳴くのを聞けば「ホーホケキヨ」ではなく「法 法華経」と聞こえるようになるのである。これはもちろん,聞きなし表現が受 け手側の認知環境において顕在的な想定として蓄積され,第一次表示のコンテ クスト寄りの擬音語よりも呼び出しやすい情報になるためと考えられる。こう 考えると,聞きなしが英語でmnemonics
という「暗記法J の一種として扱わ - 50一 龍 谷 大 学 論 集れているのも,不思議ではなし」顕在性が高ければ,呼び出し可能性が高くな り,それだけ認知効果も大きくなる。その結果,聞き手にとっては高い関連性 を有するといえるのかもしれない。そうなれば,メタ表示レベルも一段下がり, 第二次表示となる可能性もある。 一見創造的で自由な表現に忠われる聞きなしではあるが,そこには人間のも つ,認知能力に根差した粋が見てとれる。「見立て」の感覚は,ひとに類似性 に基づくメタ表示能力があるからこそ生じる,語用論的な現象であるともいえ るのである。 参考文献
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