蘇峰・
蔵花資料展示
(於熊本県立大学図書館、令和 2年 3月 2日,,....,14日) 熊本県立大学文学部では 「蘇峰・薦花研究の拠点化」事業を進めており、関連資料の収 集につとめてきた。今回の展示は、これまでに入手してきた各種資料を、研究成果および 地域還元の一環として披露するものである。①
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g 明治 4年 (1871) 9月から同 9年 8月まで開校した熊本洋学校では、御雇外国人ジェー ンズ (LeroyLansing Janes)による英語直接法による講義が展開された。 4年制のカリキュ ラムの中で、本書は1年生から用いられた入門者向けの英会話教科書である。識語の「T Yichiro」、「ITokiltomi」は、一度中退し、第五回生として再入学した徳富猪一郎(蘇峰)に よる。いわば落書きという営為や字の書き方に幼き日の蘇峰の姿が見える。(大島)②初期同志社バンド古写真
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『書翰十年』(岩波書店)所収。同書により、大正十年五月に、当時は熊本市外であっ た大江村に住む、姉河田みつ子に伊香保から宛てた絵はがきと知られる。書面中の「大仕 事」とは、大正八年から一年ニヶ月にわたる世界一周の旅をさす。これも書面の中に見え る「日本から日本へ」は、その世界周遊の旅の克明な記録で、大正十年三月に、金尾文淵 堂から「東の巻」「西の巻」の二部構成で出された豪華本。(鈴木)
⑦薩花より河田精ー・光子宛はがき
国粋主義的な意識の鼓舞を狙いとして書かれた本原稿は、昭和 8年 (1933)に民友社か ら上梓された『国民小訓』の部分的な草稿である。黒ペンで記され、「蘇峰学人用箋」と 刷られた 15字X8行の青色原稿用紙が用いられている。訂正跡は見セ消チの場合と塗り潰 しの場合があるが、修正前の表現も見て取れる。朱書による字の級数やJレビの指定跡も見 え、出版前の臨場感溢れた草稿となっている。(大島)
⑨蘇峰「静嘉堂文庫を観る」草稿
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本書冒頭に著者自身が記すように、書物は蘇峰にとって 「最愛と云はぬが、最愛の ー」であった。愛するだけではこと足りず、古今東西の珍書、希書を収集していたことは よく知られた事実。また度々、贅を尽くし凝った造本で自著を刊行していたことも、今で は知る人ぞ知るところ。本書は、蘇峰の愛書趣味の発露として著された書物随想集を、 数々の美本装禎で知られる庄司浅水が手がけた造本。本書とは別に、更に豪華な革装の特 製版も作られた。(鈴木)⑪結城素明宛並木仙太郎書簡
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本書は、昭和7年に古稀を迎えた蘇峰のために催された記念展覧会の目録である。蘇峰 の揮奄に始まり、徳富および矢嶋家系固を記し、筆蹟、肖像画、書讀、草稿、ポスター、 新聞、写真、文具、拓本、印譜など蘇峰が入手した、もしくは蘇峰自身が執筆あるいは関 係した資料 139点の影印を掲載し、年譜で幕を閉じる。和装(糸による四つ目綴じ、外題 題答)仕立てとしたのは、蘇峰の嗜好に合わせてのことであろう。ただし、冒頭の揮奄の 年紀・署名が、本の奥付から九年後の「辛巳孟春/老蘇七十九」であることは不審。(大 島)