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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

酸応答性カーボンナノチューブ分散剤およびナノ チューブコンポジットハニカム膜の開発に関する研 究

内山, 直行

http://hdl.handle.net/2324/1398366

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

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酸応答性カーボンナノチューブ分散剤およびナノチューブコンポジットハニカ ム膜の開発に関する研究

論文要約

本研究では、炭素材料の代表格であるCNTを基本ターゲット物質として、CNTを扱い やすくハンドリングを容易にし、その応用範囲を広げるためにCNT新規分散剤の開発、お よびCNT/ポリマーコンポジットによるハニカム構造膜の作製による形態(モルフォロジ ー)の制御について研究を行なった。

CNTはナノ材料であり、多彩な応用の可能性を秘めているが、凝集力が大きく、扱いづ らく、そのポテンシャルを十分に発揮させることが容易ではない材料である。そのCNTの 制御法が広がることにより、CNTは本来持つポテンシャルに近づくことが可能であり、高 機能化になりうる。CNTが種々の応用にて用いられる機会を増やす、その扱い方が多種多 様になることこそCNT実用化への展開を大きく進めることに寄与すると考えられる。

この様な背景の元、CNTをコントロール可能なものとして扱うために、第2章では、酸 応答性CNT分散剤を検討した。これはCNT分散剤となるポリマーにCNT親和性部位と してピレン、立体反発部位となるアルキル基、そしてその立体反発部位とポリマー主鎖間 にヘミアセタール部位をリンカーとして組み込む設計・合成を行った。(8,7) SWNTをもっと もリッチに孤立分散し、(9,4), (10,5), (9,5), (7,6) SWNTも孤立分散出来た。またSWNT分散溶 液において、酸に対して分散剤は応答し、SWNT の凝集を誘起した。この分散剤はリンカー部位 にヘミアセタールを導入したことにより、酸をトリガーとして、有機溶媒中、任意のタイミングにて分 散状態ら凝集状態へと変化させることが可能である。これはヘミアセタールの脱保護による立体反 発部位の脱離によるものである。

本論で示した分散剤合成手法は、本研究にて用いた立体反発部位を放出する設計だけな く、CNT親和性部位の放出や、分散剤ポリマー自身をモノマーへと崩壊させるなど、多種 多様な設計が可能となり、本研究で示した、CNT分散液の分散・凝集制御にとどまらず、

CNT精製法や光酸発生剤を共存させたCNT分散液から得られるCNT塗膜を用いたフォト リソグラフィーへの応用、放出・崩壊部位への機能剤導入によるデリバリーシステムへの 応用、更に脱保護後も分散剤は多数のカルボン酸基を有した状態で CNT と複合化していること から、更なる機能性分子の導入・修飾や、カルボン酸を利用した架橋反応による3次元架橋CNT コンポジットへの展開など、その展開は多岐に渡ると考えられる。

また、CNTで機能構造を創出するために、第3章ではCNT/ポリマーコンポジットの成 形・製膜によるハニカム構造膜作成を検討した。これはCNT、CNT分散剤、両親媒性ポリ マー、疎水性溶媒からなる分散液を用い、高湿度雰囲気下にて製膜することにより、雰囲 気中の水蒸気が凝集した微小液滴を鋳型として用いることでCNT/ポリマーコンポジット のハニカム構造膜作成に成功した。CNTは径の細いMWNTのハニカム構造追従性が高く、

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CNT分散性ポリマー/両親媒性ポリマー比は9/1(wt /wt)程度、溶媒はクロロホルム/クロ ロベンゼン比は4/1(v/v)程度にて、CNTもハニカム構造を取ったCNT/ポリマーコンポジ ット膜が作成可能となった。

更に、CNT高機能化のために高分散させる役割である分散剤は、製膜(成形)後はCNT 同士の接点を邪魔するなど負の側面も併せ持つものであるが、第2章で設計・合成した酸 応答性CNT分散ポリマーを用いることでも同様にCNT/ポリマーコンポジットによるハ ニカム構造膜を作成に成功し、成膜後の酸処理にて、CNTポリマー被覆低減により透過率 の向上および表面抵抗率の低減に成功した。得られたCNT/ポリマーコンポジットは更に 修飾可能なカルボン酸基を持つため架橋反応や更なる機能性分子導入など応用が広がると 考えられる。

この手法は簡便にCNT、CNT分散剤、両親媒性ポリマー、疎水性溶媒それぞれのファク ターを容易に変更することが可能である。この製膜法は、分散液の組成調製が簡便であり、

今回用いていないようなCNT、CNT分散剤、両親媒性ポリマー、疎水性溶媒においても対 応可能であり、その種々の特性が、ハニカム構造に与える影響を確認することが容易な手 法である。

以上のようにCNTの特性を引き出し、用途展開を広げる上で、今回開発した新たな酸応 答性分散剤やCNT/ポリマーコンポジットハニカム膜はその一助となると考えられる。

参照

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